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出願手続Q&A

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出願手続Q&A
第七章
出願手続 Q & A
第 七
章
- 691 ─
─
問1
出願手続の留意点
出願等の手続について留意すべきことは。
答:
次に掲げるような不備事項が見受けられますので、出願に際して、提出する書類の再チェ
ックを実行していただくように、手続を行う上での留意点をまとめました。
Ⅰ.特許(実用新案登録)出願関係
〈願書・中間手続共通〉
1.【特許出願人】の欄
出願人が法人であって代理人によらない手続の場合には、【代表者】の欄を設けて、代表者の
氏名を記載してください。
2.出願人、代理人の住所又は居所の記載
(1)住所又は居所の誤記が多く見受けられますが、識別番号を記載した場合には、住所又は居所
の記載は省略することができます。
(2)出願人、代理人の住所又は居所を記載するときは、特許庁に届け出られている住所又は居所
を記載します(住所変更の届出を行っているときは、変更後のもの。)。また、記載は都道府
県名から大区画順に記載し、番地等については算用数字を用いるようお願いします。
3.出願人が二人以上いる場合で、識別番号の通知を受けていない者が含まれている場合は、識別
番号の通知を受けていない者の【識別番号】の欄を設ける必要はありません。また、オンライン
手続をするに当たり、【識別番号】の欄に「000000000」等のダミーの番号を記載する
必要はありません。
4.出願人が二人以上いる場合で、全員が共同してオンライン手続をするとき(代理人による手続
で代理人が二人以上の場合も同様)は、手続実行者以外の者は「特定手続を行った旨の申出(手
続補足書の提出)」が必要です。
〈願書の作成について〉
1.【特許出願人】の欄の【国籍】の記載
領域の名称を記載しようとする場合には、【国籍】の欄には「無国籍、その他の国名及び地域
名」と記載し、【手数料の表示】の欄の次(【提出物件の目録】の欄の前)に【その他】の欄を
設けて、「国籍
英国領ケイマン諸島」(無国籍のときは「国籍
無国籍」)のように国・領域の
名称を記載してください。
2.【パリ条約による優先権等の主張】の欄の記載
(1)【出願日】の欄には、「20○○年○月○日」のように西暦で記載します。
(2)【出願番号】の欄には、アラビア数字、ローマ字(大文字に限る)、スペース(間隔)又は
「-」、「/」、「,」、若しくは「.」の記号を用いて出願番号を記載します(これら以外の仮名
・漢字等は使用できません。)。
- 692 ─
─
・優先権証明書に記載された出願番号の記載例
国・地域・
出願番号の
国際機関名
記載例
米国
説明
10/835,571
10: シ リ ー ズ ・ コ ー ド
835,571: 連 続 番 号
欧州特許庁
13076897.0
13: 年 号 ( 西 暦 下 2 桁 )
07: 出 願 場 所 コ ー ド
6897: 連 続 番 号
0: チ ェ ッ ク ・ デ ジ ット
ドイツ
10 2013 018 017.2
10: 出 願 種 別 コ ー ド
2013: 年 号 ( 西 暦 )
018 017: 連 続 番 号
2: チ ェ ッ ク ・ デ ジ ット
韓国
10-2013-0036587
10: 出 願 種 別 コ ー ド
2013: 年 号 ( 西 暦 )
0036587: 連 続番 号
フランス
1305271
13: 年 号 ( 西 暦 下 2 桁 )
05271: 連 続 番 号
イギリス
1320314.8
13: 年 号 ( 西 暦 下 2 桁 )
20314: 連 続 番 号
8: チ ェ ッ ク ・ デ ジ ット
台湾
093119914
093: 台 湾 歴 ( 西 暦 -1911)
119914: 連 続 番 号
ス ウ ェー デ ン
1300103-8
13: 年 号 ( 西 暦 下 2 桁 )
00103: 連 続 番 号
8: チ ェ ッ ク ・ デ ジ ット
オランダ
1023745
1023745: 連 続番 号
スイス
00144/13
00144: 連 続 番 号
13: 年 号 ( 西 暦 下 2 桁 )
- 693 ─
─
3.【手数料の表示】の欄
(1)予納の残高不足が生じている例が見受けられます。
(2)【予納台帳番号】の欄名及び番号の誤記が見受けられます。
(3)手続を実行した代理人ではなく、【選任した代理人】の欄に記載した代理人の「予納台帳番
号」が記載されていますが、手続を実行した代理人以外の者は予納の申出を行うことはできま
せん。
4.包括委任状番号通知前の包括委任状の援用について
特別授権等の証明に際して、包括委任状番号の通知前に包括委任状を援用して代理権の証明を
するときは、【提出物件の目録】の欄に包括委任状の提出日を次のように記載します。
【提出物件の目録】
【物件名】
明細書
1
【物件名】
(図面)
1
【物件名】
要約書
1
【物件名】
委任状
1
【援用の表示】
平成○○年○月○日提出の包括委任状
5.国内優先権主張出願
先の出願手続で国内優先権主張に関する特別の授権が証明されていないときは、包括委任状の
援用又は委任状の提出により、その証明をする必要があります。代理権の証明を怠っているもの
が見受けられます。なお、特許出願後に、特許法第41条第4項に規定する国内優先権主張書面
(「優先権主張書」)を提出することによって優先権の主張の手続を行う場合は、国内優先権主
張書面を提出する時点における出願人及び代理人の関係についての特別授権が証明される必要が
あります。
6.分割出願
原出願の代理人と異なる代理人(選任した代理人を含む。)がいる場合は、当該新たな代理人
の代理権を証明する必要があります。特に拒絶査定不服審判の請求と同時に行う分割出願の場合
に、審判請求と分割出願の代理人の一部が相違する場合が見受けられますが、その場合には審判
請求と相違する代理人についても代理権の証明が必要になりますので、ご注意ください。また、
分割出願の際に既に分割出願の出願人からの包括委任状を提出している場合には、できる限り包
括委任状を援用するようにして頂くことにより、方式審査を早期に行うことが可能になります。
〈中間手続共通〉
1.【出願番号】の記載について
手続補正書、手続補足書、出願審査請求書、優先権証明書提出書、新規性の喪失の例外証明書
提出書等を提出する場合は、可能な限り、出願番号通知を受けた後に(オンライン手続について
は、受領書により出願番号を確認し)、【事件の表示】、【出願の表示】の欄の【出願番号】の欄
に出願番号を記載して提出してください。出願番号調査の事務処理負担の軽減にご協力ください。
出願番号の通知前に手続を行う必要がある場合には、手続に係る書類の【事件の表示】、【出
- 694 ─
─
願の表示】の欄には、出願日及び当該出願の願書に記載した整理番号を次のように記載してくだ
さい。
【事件の表示】
【出願日】
平成○○年○月○日提出の特許願
【整理番号】
01P-002615
願書に記載した整理番号と
同一のものを記載する。
Ⅱ.意匠登録出願関係
〈願書及び図面の作成について〉
1.願書の作成について
意匠登録出願において、意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面(又は写真)が、平面
的なものを表す図面(又は写真)の場合は「表面図」及び「裏面図」、また立体的なものを表す
図面(又は写真)の場合は「正面図」、「背面図」、「左側面図」、「右側面図」、「平面図」及び
「底面図」を一組として願書に添付して提出しなければなりませんが、適正に図面が提出されて
いません。
なお、他の図と同一又は対称である図であって、願書上の「意匠の説明」の欄に例えば「〇〇
図と〇〇図は対称であるため〇〇図は省略する。」のように記載することにより一方の図を省略
することができますが、当該欄の省略記載と添付図面とが一致していない例が見受けられます。
2.オンライン手続で見本による意匠登録出願の方法について
願書の【提出物件の目録】の欄に【物件名】を設けて、「見本
1」と記載し、その次に【提
出物件の特記事項】を設けて見本を提出する旨を記載してください。その場合、見本は、同日に
「ひな形又は見本補足書」により書面手続で提出してください。
なお、書面手続で見本による意匠登録出願をする場合は、見本は願書に添付しますので【提出
物件の特記事項】の欄は不要です。
(見本による願書の作成例)
【書類名】
意匠登録願
・
・
【提出物件の目録】
【物件名】
見本
【提出物件の特記事項】
*
1
同日に見本を提出します。
ひな形による場合は、【物件名】の欄の「見本
- 695 ─
─
1」を「ひな形
1」とします。
3.図面の作成について
(1)図面の描き方について
①図面の副本の提出は不要です。
②図は、各図同一縮尺により作成しなければなりません。
③図形(参考図の図形は除く。)の中には、中心線、断面指示線等を記載することはできませ
ん。また、図面中に意匠を構成しない線、説明文字等も記載することはできません。ただし、
その意匠の理解を助けるために参考図(例えば【使用状態を示した参考図】)として提出する
場合で、その参考図中に記載することはできます。
(2)図面の表示について
立体的なものを表す図面は、【正面図】、【背面図】、【左側面図】、【右側面図】、【平面図】及
び【底面図】を、また、平面的なものを表す図面は、【表面図】及び【裏面図】を一組として
記載し、それぞれ提出しなければなりませんが図の表示が正確に記載されていません。
また、立体的なものを表す図面として必要な図が記載されていないものが見受けられます。
立体的なものを表す図の表示と、平面的なものを表す図の表示が混在して記載されているケー
スも見受けられます。
Ⅲ.商標登録出願関係
〈書換登録申請〉
代理人により書換登録の申請を提出する場合は、「代理権を証明する書面」が必要です。
なお、書換登録申請書に添付の委任状における印鑑は、申請人の届出に係る印鑑と同一の印鑑で
手続をしてください。
〈中間手続〉
多区分出願において【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】の欄の全文を単位とし
て補正をする場合において、【補正の内容】の欄に補正する「区分・指定商品(指定役務)」のみ
を記載しているケースが見受けられます。全文を単位として補正する場合は、【第○類】、【指定商
品(指定役務)】の欄を繰り返し設けて、補正しない「区分・指定商品(指定役務)」を含め、補
正後のすべての「区分・指定商品(指定役務)」を記載してください。
なお、記載のない区分・指定商品(指定役務)は削除されたことになります。作成に当たっては
十分注意してください。
- 696 ─
─
問2
手続の補正の留意点(特・実)
手続の補正について留意すべきことは。
答:
手続の補正について、次に掲げるような不備事項が見受けられますので、提出する書類の
再チェックを実行していただくように、手続を行う上での留意点をまとめました。
(注)平成15年7月1日より特許法施行規則の改正に伴い手続補正書の様式も変更になりまし
たが、平成15年6月30日以前にされた出願の明細書について補正する場合の手続補正書
の様式は、改正前の様式になります。特に「特許請求の範囲」が単独の【書類名】ではなく、
明細書の一部に含まれている場合は注意が必要です。
〈特許請求の範囲、明細書、図面又は要約書等の補正に係る手続補正書の作成について〉
1.「発明の詳細な説明」の欄の化学式等を含む明細書を補正する場合の作成例
化学式等を含む明細書の補正をするときは、当該化学式自体を訂正しないときでも、補正後の
内容には必ず化学式等を含めて記載します。【化○】等のみを記載し、化学式等を記載していな
い例が見受けられます。
(正しい記載例)
【手続補正1】
【補正対象書類名】
明細書
【補正対象項目名】
○○○○
【補正方法】
変更
【補正の内容】
【○○○○】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・化○・・・・・・・・・・・・・・・・
【化○】
CH3-C-OH
∥
O
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
2.【図面の簡単な説明】及び【符号の説明】の欄の補正
平成15年7月1日より特許法施行規則の改正に伴い【図面の簡単な説明】及び【符号の説
明】の欄を単位として補正をすることはできなくなりました。【図面の簡単な説明】及び【符号
の説明】を補正するときは、【図面の簡単な説明】及び【符号の説明】の項目名の下に付した
「段落番号」を単位に補正するか、又は明細書の「全文」を単位として補正してください。
【図面の簡単な説明】や【符号の説明】の項目名の下に「段落番号」を付さなかった場合は、
明細書の「全文」を単位として補正しなければなりませんのでご注意ください。
- 697 ─
─
3.補正をする単位を異にする2以上の個所の補正
補正をする単位を異にする2以上の個所を補正するときは、【手続補正○】の欄を繰り返し設
けて記載します。【手続補正○】の欄を繰り返し設けていない例が見受けられます。
(正しい記載例)
【手続補正1】
【補正対象書類名】
明細書
【補正対象項目名】
0012
【補正方法】
変更
【補正の内容】
【0012】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
【手続補正2】
【補正対象書類名】
明細書
【補正対象項目名】
0015
【補正方法】
変更
【補正の内容】
【0015】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(誤った記載例:段落番号ごとに繰り返されていない)
【手続補正1】
【補正対象書類名】
明細書
【補正対象項目名】
0012、0015
【補正方法】
変更
【補正の内容】
【0012】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
【0015】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
4.特許請求の範囲に記載した請求項の数を増加又は減少する補正をするときは、「【書類名】特
許請求の範囲」の全文の補正とし、明細書の「発明の詳細な説明」の欄に記載した段落番号【○
○○○】の数を増加又は減少する補正をするときは「【書類名】明細書」の全文の補正としなけ
ればなりません。請求項の数又は段落番号の数を増加又は減少する補正をするときに、【請求項
○】又は段落番号【○○○○】を単位として補正をしている例が見受けられますが認められませ
ん。
- 698 ─
─
(正しい記載例)
【手続補正1】
【補正対象書類名】
特許請求の範囲
【補正対象項目名】
全文
【補正方法】
変更
【補正の内容】
【書類名】
特許請求の範囲
【請求項1】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・
・(略)
・
【請求項○】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(誤った記載例:追加する請求項のみしか記載されていない)
【手続補正1】
【補正対象書類名】
特許請求の範囲
【補正対象項目名】
請求項○
【補正方法】
追加
【補正の内容】
【請求項○】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
5.明細書の段落番号【○○○○】を単位として補正をする場合において、段落番号【○○○○】
を残して当該段落の記載事項を削る補正方法
【手続補正1】
【補正対象書類名】
明細書
【補正対象項目名】
○○○○
【補正方法】
削除
(【補正の内容】の欄を設けなくてもよい。)
また、上記により補正をした後に、再度補正により当該段落番号【○○○○】に記載事項を加
えるときは、次の要領により当該段落番号【○○○○】を変更する補正を行います。
- 699 ─
─
【手続補正1】
【補正対象書類名】
明細書
【補正対象項目名】
○○○○
【補正方法】
変更
【補正の内容】
【○○○○】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
6.【補正対象項目名】及び【補正の内容】の欄の記載
【補正対象項目名】には補正をする単位名を正確に記載し(「【」、「】」は付しません。)、【補
正の内容】には【補正対象項目名】に記載した補正をする単位名の前に「【」、後ろに「】」を付
した欄名を最初に記載します(全文又は全図を単位として補正するときは、「【書類名】○○○
○」を最初に記載します。)。補正をする単位名と欄名が整合していない例や、【補正の内容】の
最初に欄名を記載していない例が見受けられます。
(正しい記載例)
【手続補正1】
【補正対象書類名】
特許請求の範囲
【補正対象項目名】
請求項2
【補正方法】
変更
【補正の内容】
【請求項2】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(誤った記載例:補正対象項目名と補正の内容の欄の最初の【
】が一致していない)
【手続補正1】
【補正対象書類名】
明細書
【補正対象項目名】
特許請求の範囲
【補正方法】
変更
【補正の内容】
【請求項2】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(誤った記載例:補正の内容の欄の最初に【
】部分が記載されていない)
【手続補正1】
【補正対象書類名】
特許請求の範囲
【補正対象項目名】
請求項2
【補正方法】
変更
【補正の内容】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
- 700 ─
─
7.【補正方法】の欄の記載
補正方法は、補正をする単位ごとに決定します。例えば、段落番号【0001】中の記載事項
の一部を削るときに、【手続補正○】の欄の【補正方法】に「削除」と記載している例が見受け
られます。この場合、補正方法には「変更」と記載します。
8.要約書の補正
要約書を補正するときは、必ず要約書の「全文」を単位として補正しなければなりません。補
正をする単位ではない【課題】、【解決手段】等の部分のみを記載している例が見受けられます。
また、要約書の補正は特許法施行規則第11条の2の2の規定により特許出願の日(優先権の
主張があるときは優先日、出願日が遡及するときは遡及する出願日)から1年4月以内(出願公
開の請求があった後の期間を除く)とされています。この期間を経過している場合は、たとえ明
細書の補正ができたとしても要約書の補正をすることはできません。
9.【補正により増加する請求項の数】の欄の記載
補正により請求項の数を増加しないときは、【補正により増加する請求項の数】の項目名自体
設ける必要はありません。【補正により増加する請求項の数】の欄に「なし」又は「0」のよう
に記載している例が見受けられますが記載不要です。
(誤った記載例)
【補正により増加する請求項の数】 なし ← (記載不要)
【手続補正1】
【補正対象書類名】
特許請求の範囲
【補正対象項目名】
全文
・
・
10.【発送番号】の欄の記載
【発送番号】の欄には、自発的に補正するときは何も記載しません(この場合、【発送番号】
の欄を設けません。)。「自発」のように記載している例が見受けられます。
(誤った記載例)
【発送番号】
【補正により増加する請求項の数】
【手続補正1】
【補正対象書類名】
明細書
【補正対象項目名】
全文
・
・
自発
○
← (記載不要)
- 701 ─
─
〈明細書又は図面の方式補正に係る手続補正書の提出について〉
明細書又は図面の実体補正は、方式補正に係る手続補正書とは別の手続補正書の提出により行う
ことをお願いします。
〈委任状等の書面の提出を補正の内容とする手続補正書の作成について〉
委任状等の書面の提出を補正の内容とする補正を行うときは、手続補正書の【手続補正○】の欄
には、次のように記載します。
【手続補正1】
【補正対象書類名】
【補正対象項目名】
【補正方法】
【補正の内容】
【提出物件の目録】
【物件名】
特許願
委任状
追加
委任状
1
〈方式補正に係る手続補正書の提出について〉
手続の補正をしなければならないことが明らかな方式不備のある手続(委任状を提出していない
手続、特定手続を行った旨の申出をしていない手続、記載事項に不備のある手続等)については、
手続補正指令を待つことなく、自発的に方式補正に係る手続補正書を提出してください。
〈特定手続を行った旨の申出〉
オンライン手続により1の特定手続を2以上の者(代理人によるときは、その者の代理人)が行
ったときは、オンライン手続実行者以外の者は、当該手続の入力後3日以内に当該特定手続を行っ
た旨の申出に係る手続補足書を提出します(3日以降は「手続補正書」により行います。)。代理
人により手続が行われた場合において、特定手続を行った旨の申出に係る手続補足書を提出してい
ない例が見受けられます。
〈優先権主張の補正について〉
平成26年の法改正により、優先権の主張をした者は、国内優先権の主張及びパリ条約による優
先権等の主張についての特許願の記載、及び「優先権主張書」について補正できる期間が設けられ
ましたが(特許法第17条の4)、優先権主張の補正とは、既に主張した優先権主張の記載の誤記を
訂正することであるから、新たな優先権主張を追加する場合は、優先権主張書(特許法第41条第4
項又は第43条第1項)で、国内優先権を取下げ(特許法第42条第2項)るときは、「先の出願に基づ
く優先権主張取下書」で行います。
- 702 ─
─
問3
図面と図面の簡単な説明(特・実)
図面と図面の簡単な説明に関して留意すべきことは。
答:
図面の描き方、図の番号、図面の簡単な説明の記載方法について、以下のように留意点を
まとめました。
〈図面の描き方〉
1.1の番号を付した図を複数ページにわたって記載してはなりません。
図の番号は、全ページを通じて各図ごとに連続番号を付さなければなりません。
(誤った記載例)
(1頁)
(2頁)
【書類名】図面
【図1】
【図1】
- 703 ─
─
(正しい記載例)
(1頁)
(2頁)
【書類名】図面
【図1】
【図2】
2.1の図が分図の集合によって構成されている場合は、分図全体を1の図として図の番号を付し、
1ページの中に記載します。なお、分図ごとに分図の番号を付す場合は、アラビア数字、アルフ
ァベット等を用いて記載します。
(誤った記載例)
(1頁)
(2頁)
【書類名】図面
【図1】
(c)
(a)
(b)
(d)
- 704 ─
─
(正しい記載例1)
(正しい記載例2)
【書類名】図面
【書類名】図面
【図1】
【図1】
(a)
(a)
(c)
(b)
(d)
(b)
(c)
(d)
3.異なる番号を付した図を横に並べて記載してはなりません。
(誤った記載例)
(正しい記載例)
【書類名】図面
【書類名】図面
【図1】
【図1】
【図2】
【図2】
- 705 ─
─
4.異なる番号を付した図にまたがって引出線、鎖線、点線等を用いて記載してはなりません。
(誤った記載例)
(正しい記載例)
【書類名】図面
【書類名】図面
【図1】
【図1】
【図2】
【図2】
5.異なる番号を付した図にまたがって引出線、鎖線、点線等を引いて、符号、図の主要な部分の
名称を一つにまとめて記載してはなりません。
(誤った記載例)
(正しい記載例)
【書類名】図面
【書類名】図面
【図1】
【図1】
a
b
【図2】
a
b
a
b
【図2】
- 706 ─
─
6.図の番号には枝番号を付して「【図1】a、【図1】b」のように記載してはなりません。
(誤った記載例)
(正しい記載例)
【書類名】図面
【書類名】図面
【図1】a
【図1】
a
【図1】b
b
7.図の番号は、図の上にすみ付き括弧(【】)を付して正しく記載(コードデータで記載)し、
イメージで記載してはなりません。
(誤った記載例)
(誤った記載例)
【書類名】図面
【書類名】図面
図1
【図1】
- 707 ─
─
(正しい記載例)
【書類名】図面
【図1】
〈図面の簡単な説明の記載方法〉
1.原則として、図面の簡単な説明の図の説明又は符号の説明の前に、それぞれ「【」及び「】」
を付した4桁のアラビア数字で「【0020】」、「【0021】」のように発明の詳細な説明から
連続した段落番号を付します。この場合において、「【図面の簡単な説明】」又は「【符号の説
明】」の見出しの次に段落番号を付し、これらの見出しの前に段落番号を付してはなりません。
(記載例)
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 ・・・・・・・・・・・・・・。
【図2】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
【符号の説明】
【0021】
・
2.図の説明は、行を改めて「【図1】平面図、【図2】立面図」のように各図ごとに記載しなけ
ればなりません。たとえ複数の図の説明が同じ場合であっても、各図ごとに行を改めて記載しま
す。
- 708 ─
─
(正しい記載例)
(1) 複数の図の説明が異なる場合
【図面の簡単な説明】
【0020】
(2) 複数の図の説明が同じ場合
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 ・・の平面図
【図1】 ・・の平面図
【図2】 ・・の立面図
【図2】 ・・の平面図
3.分図の集合により構成され、分図の番号を付した図の説明の記載について
(1)1の分図全体の図番号を用いて包括説明をします。なお、分図それぞれの説明をする必要は
ありませんが、必要に応じて分図ごとの説明をあわせて記載することもできます。
(正しい記載例)
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 ・・・・・・・・・の平面図。
【図2】 ・・・・・・・・・の立面図。(a)は・・・・・・・・・・・。
(b)は・・・・・・・・・・・・。
(2)1の図に含まれる分図全体の番号を明確にして、分図全部を個別に説明します。この場合、
1の分図全体の包括説明は省略することができます。
(正しい記載例)
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 ・・・・・・・・・の平面図。
【図2】 (a)は・・・・・・・・・。(b)は・・・・・・・・・・・。
(c)は・・・・・・・・・・・。
4.表又は参考図の説明を、「【表1】、【参考図】」と表示して【図面の簡単な説明】中に記載して
はなりません。
なお、「表」の説明は明細書の発明の詳細な説明中に記載し、「参考図」は願書に添付する
「図面」とは別に「別紙」として願書に添付して提出します。
- 709 ─
─
5.図面代用写真について
図面代用写真については、カラー写真を添付することはできません。カラー写真で提出されて
も、特許庁の記録原本には白黒で格納されることになり、公開公報の発行や審査官の審査も当該
記録原本に基づいて行われることになります。また、手続補足書で図面を補足することはできま
せんので、手続補足書でカラー写真を提出することはできません。なお、審査の参考としてカラ
ー写真を提出したいときは、物件提出書で提出します。(問18参照)
- 710 ─
─
問4
答:
国内優先権主張を伴う特許出願(特・実)
国内優先権主張を伴う特許出願について留意すべきことは。
国内優先権主張を伴う特許出願を行う場合の留意点を以下のとおりまとめました。
(優先権主張の旨を願書に書く場合の例)
【書類名】
特許願
【整理番号】
P2013-02
願日から1年以内(先の出願が複数のときは、最
【提出日】
平成○○年○月○日
先の出願日から1年以内)です。ただし、優先期
【あて先】
特許庁長官殿
間内に出願できなかったことについて正当な理由
【国際特許分類】
H01L
21/30
G03F
1/16
優先権主張を伴う出願ができる期間は、先の出
がある場合であって、先の出願の日から1年2月
以内にその出願をした時には、優先権の主張を
することができます。
【発明者】
【住所又は居所】
北海道札幌市北区北7条西2-8
【氏名】
札幌
太郎
【特許出願人】は、先の出願の出願人と一致していなければなり
ません。
【特許出願人】
【識別番号】
012345678
【住所又は居所】
宮城県仙台市青葉区本町3-3
【氏名又は名称】
東北特許株式会社
【代理人】
【識別番号】
101234567
【住所又は居所】
広島県広島市中区八丁堀6-30
【弁理士】
【氏名又は名称】
広島
史郎
【先の出願に基づく優先権主張】
【出願番号】
特願20○○-○○○○○○
【出願日】
平成○○年○月○日
【手数料の表示】
【予納台帳番号】
012345
【納付金額】
14000
特許法第41条第1項の規定による優先権を主張しようとする旨
等を願書に記載してその旨等を記載した書面の提出を省略す
るときは(すなわち、国内優先権の主張を願書に記載するとき
は)、【先の出願に基づく優先権主張】の欄を設け、【出願番号】
及び【出願日】を記載します。また、複数の出願を基礎とする場
合は、【先の出願に基づく優先権主張】の欄を繰り返し設けて記
載します。
また、特許法第41条第1項の規定による優先権を主張しようと
する旨等を「優先権主張書」に記載して提出するときは、最先の
優先日から1年4月が満了する日又は優先権主張を伴う出願の
日から4月の期間が満了する日のいずれか遅い日までの間(出
願審査の請求又は出願公開の請求があった後の期間を除く。)
に提出します。
委任による代理人手続の場合は、特別の授権を得なければ国
内優先権の主張及びその取下げをすることができません。した
がって、先の出願について代理権を証明する書面を提出してい
ない場合は、これを提出する必要があります。
【提出物件の目録】
【物件名】
特許請求の範囲
【物件名】
明細書
【物件名】
図面
【物件名】
要約書
1
1
1
新規性喪失の例外の規定の適用を受けようとする場合におい
て、先の出願について提出した証明書に変更を要しない場合
は、願書に次のような記載をして提出を省略することができま
す。
【物件名】
発明の新規性の喪失の例外の規定の適用を受け
るための証明書 1
【援用の表示】変更を要しないため省略する。
1
【包括委任状番号】 0123456
- 711 ─
─
個別委任状の参考文例
委任状
後の出願に関する委任状
平成○○年○月○日
私は、識別番号101234567(弁理士)広島史郎氏を以て代理人として
下記事項を委任します。
記
1.特許出願に関する手続
1.上記出願、及び特願20○○-○○○○○○に基づく特許法第41条
第1項又は実用新案法第8条第1項の規定による優先権の主張及び取り
国内優先権主張に関する
特別授権の文言の記載例
下げ
1.・・・・・・・
・
・
先の出願の番号を特定し記載します
住所(居所)
宮城県仙台市青葉区本町3-3
氏名(名称)
東北特許株式会社
代表者
伊達
花子
印
委任状
(参考)
平成○○年○月○日
私は、識別番号101234567(弁理士)広島史郎氏を以て代理人として
下記事項を委任します。
先の出願に提出の委任状
この場合、後の出願時には、委任状を提
出する必要はありません
記
1.特許出願に関する手続(特願20○○-○○○○○○)
1.上記出願に基づく特許法第41条第1項又は実用新案法第8条第1項
の規定による優先権の主張及び取り下げ
1.・・・・・・・
・
・
住所(居所)
宮城県仙台市青葉区本町3-3
氏名(名称)
東北特許株式会社
代表者
伊達
花子
印
- 712 ─
─
国内優先権主張に関する
特別授権の文言の記載例
問5
国内優先権主張を伴う出願の出願人(特・実)
先の出願の発明に基づいて共同開発により改良発明がされたので、国内優先権の主張を
伴う出願を予定しています。後の出願に新たな出願人を加えたいのですが、どうすればよ
いですか。
答:
国内優先権の主張に係る先と後の出願は、出願人の一致が要件とされています(出願後に
特許法第41条第4項に規定の国内優先権主張書面(「優先権主張書」)の提出により優先
権の主張を行う場合であっても、後の出願の時点において出願人が一致していることが必要
です。)。先の出願について出願人名義変更届を提出して共同出願とし、後の出願を共同で
行うか、後の出願を単独で行い、その後出願人名義変更届を提出する方法があります。
問6
国際出願を基礎とするパリ優先権の主張(特・実)
国際出願(PCT)を基礎の出願として、パリ条約による優先権の主張をする場合に願
書の【パリ条約による優先権等の主張】の欄にはどのように記載するのですか。
答:
【パリ条約による優先権等の主張】の【国名】の欄には、政府間機関の名称又は国際出願
の指定国のうち日本以外の一国を記載することになりますが、できる限り「世界知的所有権
機関」と記載してください。
【出願日】は国際出願日を西暦で記載します。
【出願番号】は国際出願番号を記載します。
受理官庁が日本ならば、「PCT/JP○○○○/○○○○○○」のように記載します。
問7
国と国以外の者の共有に係る出願(四法共通)
国と国以外の者の共有に係る出願の手数料等について教えてください。
答:
国(国とみなされる者を含む。この問において同じ。)以外の共有者の持分の割合に応じ
た手数料を払っていただきます(10円未満の端数は切り捨てます。)。その際には、手続
書面に【持分の割合】の欄を設けて、国以外の者の持分の割合を記載するとともに持分契約
書の提出が必要となります。ただし、すでに証明する書面を提出している場合において、そ
の事項に変更がないときは、その旨を申し出て提出を省略することができます。
(参考)
1.次の手続の手数料並びに特許料及び若しくは登録料が対象となります。
◆特許関係
①特許出願
- 713 ─
─
②外国語書面出願
③先願参照出願の明細書及び必要な図面の提出
④国内書面の提出(特184条の5)
⑤検査の申し出(特184条の20)
⑥特許権の存続期間の延長登録の出願
⑦期間延長の請求(手数料令1条2項表6号)
⑧期間延長の請求(手数料令1条2項表7号)
⑨出願審査の請求
※自己の出願に対するものに限る。
⑩誤訳訂正書の提出(明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)
⑪拒絶査定不服審判の請求又はこの審判の確定審決に対する再審の請求
⑫特許の無効の審判の規定による審判の確定審決に対する再審の請求
※自己の権利に係るものに限る。
⑬訂正審判の請求又はこの審判の確定審決に対する再審の請求
⑭確定した取消決定(異議申立)に対する再審の請求
※自己の権利に係るものに限る。
⑮特許権の存続期間の延長登録の拒絶査定に係る審判の請求又はこの審判の確定審決に対する再審
の請求
⑯特許権の存続期間の延長登録の無効に係る審判の確定審決に対する再審の請求
※自己の権利に係るものに限る。
⑰明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正の請求
⑱特許料の納付
◆実用新案関係
①実用新案登録出願
②国内書面の提出(実48条の5)
③検査の申し出(実48条の16)
④期間延長の請求(手数料令2条2項表4号)
⑤実用新案技術評価の請求
※自己の権利・出願に係るものに限る。
⑥明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正
⑦実用新案登録の無効の審判の確定審決に対する再審の請求
※自己の権利に係るものに限る。
⑧実用新案登録料の納付
◆意匠関係
①意匠登録出願
②拒絶査定不服審判の請求又はこの審判の確定審決に対する再審の請求
- 714 ─
─
③補正の却下の決定に対する審判の請求又はこの審判の確定審決に対する再審の請求
④意匠登録の無効の審判の確定審決に対する再審の請求
※自己の権利に係るものに限る。
⑤意匠登録料の納付
◆商標関係
①商標登録出願
②防護標章登録出願・防護標章登録の更新登録出願・重複登録商標の更新登録出願
③期間延長の請求(手数料令4条2項表3号)
④商標権の分割の申請請求
⑤拒絶査定不服審判の請求又はこの審判の確定審決に対する再審の請求
⑥補正の却下の決定に対する審判の請求又はこの審判の確定審決に対する再審の請求
⑦商標登録(防護標章登録を含む。)の無効の審判の確定審決に対する再審の請求
※自己の権利に係るものに限る。
⑧確定した取消決定(異議申立)に対する再審の請求
※自己の権利に係るものに限る。
⑨商標登録の取消しの審判の確定審決に対する再審の請求
※自己の権利に係るものに限る。
⑩商標登録料の納付・防護標章更新登録料の納付・重複登録商標の更新登録料の納付
⑪商標権存続期間の更新登録の申請
2.提出書類の表示方法と証明書について
①
手続書面に、【持分の割合】欄を設け「○/○」のように国以外のすべての者の持分の割合を
記載します。
②
証明書は、持分契約書(持分の割合を証明する書面)、譲渡証書(持分の記載があるもの)等
があり、オンライン手続を行った場合には「手続補足書」により提出します。
なお、証明書が、当該事件について既に特許庁に提出されておりその内容に変更がないときは、提
出を省略することができます(援用の表示も不要)。
3.国と国以外の共有に係る出願について、持分の割合の記載及び証明書の添付がなく、出願時に
手数料100%を納付した後に、自発補正により、国以外のすべての者の持分の割合を補正(手
続書面への記載と持分証明書の提出)することもできます。
ただし、この補正は、過誤納による返還請求について特許法第195条第12項により納付した日
から1年以内と規定していることから、出願から1年以内(出願係属中に限る。)に限られます。
4.国と民間の共有の出願について、出願審査請求書を国単独で手続した場合には、特許法第19
5条第4項が適用され、審査請求料は無料となります(実用新案技術評価の請求も同様。)。
なお、審査請求後に補正により請求項を増加する場合は、当該手続補正書を国単独で手続した場
- 715 ─
─
合であっても、手続補正書提出時の国以外のすべての出願人の持分の割合により手数料を納付し
ます。
また、審判請求後に請求項を増加する補正をする場合の審判請求料及び審査請求料、並びに商標
の区分の数の増加を伴う補正をする場合の出願手数料及び審判請求料についても手続補正書提出時
の国等以外のすべての出願人の持分の割合により手数料を納付します。
問8
分割出願での発明者の減少・氏名の変更(特・実・意)
分割出願する際、発明者が原出願の発明者と相違(発明者の減少又は氏名の変更)する
ときは、どうしたらよろしいでしょうか。
答:
分割出願の発明者は原出願と同一を原則としますが、婚姻等による氏名の変更や発明内容
の分割により発明者も分離するような場合は、上申書又は分割出願の願書の【その他】の欄
に変更されている理由を記載してください。
問9
平成19年(2007年)3月31日以前の出願を原出願として分割できる時期について
(特)
平成19年3月31日以前の特許出願について、特許査定や拒絶査定後にも、原出願と
して分割出願することができますか。
答:
平成18年の特許法の改正により、特許法第44条第1項が改正され、もとの特許出願の
願書に添付した明細書等の補正をすることができる時又は期間内以外に、特許をすべき旨の
査定(前置審査及び審判差し戻し審査による特許をすべき旨の査定を除く。)の謄本の送達
があった日から30日以内と、最初の拒絶をすべき旨の査定の謄本の送達があった日から3
月以内に、分割出願をすることができるようになりました。しかし、当該改正は、平成18
年改正法附則第3条に、平成18年改正法の施行の日(平成19年4月1日)以後の特許出
願について適用し、施行前にした特許出願については、なお従前の例によると規定されてい
るため、平成19年3月31日以前に出願された特許出願については、平成18年改正前の
特許法第44条第1項が適用になります。
したがって、平成19年3月31日以前に出願された特許出願(特許法第44条第2項
(同法第46条第5項において準用する場合を含む。)及び第46条の2第2項の規定によ
り、平成19年3月31日以前にしたものとみなされる特許出願を含む。)については、も
との特許出願の願書に添付した明細書等の補正をすることができる時又は期間内にのみ、分
割出願をすることができるものであって、特許査定や拒絶査定後に分割出願をすることはで
きません。なお、平成19年3月31日以前の特許出願であっても、拒絶査定の謄本の送達
があったときには、拒絶査定不服審判の請求と同時にしか願書に添付した明細書等の補正を
- 716 ─
─
することができませんので、ご注意ください。
問10
特許査定後に行う分割出願の時期について(特)
特許査定の謄本の送達があった日後30日以内であれば、特許権の設定の登録後であっ
ても分割出願をすることができますか。
答:
特許法第44条第1項第2号は、「特許をすべき旨の査定(第163条第3項において準
用する第51条の規定による特許をすべき旨の査定及び第160条第1項に規定する審査に
付された特許出願についての特許をすべき旨の査定を除く。)の謄本の送達があつた日から
30日以内にするとき」と規定していますが、同項本文において「特許出願人は、次に掲げ
る場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願と
することができる」と規定されていることから、もとの特許出願を分割するには、分割する
時にもとの特許出願が特許庁に係属していることが必要になります。
したがって、特許査定の謄本の送達があった日から30日以内(特許法第108条第3項
の規定により特許料の納付期間が延長になった場合は延長された後の期間内)であっても、
特許権の設定の登録があったときは、当該特許出願が特許庁に係属していないことになるた
め、当該特許出願を分割することができません。
問11
共同出願の在外者の特許管理人(四法共通)
(1)国内居住者と在外者の共同の特許出願の場合、特許管理人が必要ですか。また、実
用新案登録出願、意匠登録出願、商標登録出願についてはどうですか。
(2)特許管理人を選任せずに出願と同時に代表者を選定し、国内居住の代表出願人によ
る特許出願はできますか。また、実用新案登録出願、意匠登録出願、商標登録出願につ
いてはどうですか。
答:
(1)特許出願(ただし、分割・変更に係る特許出願、実用新案登録に基づく特許出願は除きま
す。)については、平成27年改正法により、在外者は特許管理人(日本国内に住所又は居
所を有する代理人)によらず直接出願をすることができるようになりました(特許法第8条
第1項、特許法施行令第1条第2号)。在外者と国内居住者との共同出願の場合も同様です。
しかし、在外者は、特許法施行規則第4条の4に規定する場合を除き、特許管理人によら
なけらば出願後の手続をすることはできません(在外者に係る代理人受任届を代理権を証明
する書面を添付して提出しなければなりません。)
- 717 ─
─
なお、共有者である国内居住者が、もう一方の在外者の代理人になることは可能です(報
酬を得て行うことはできません。)。したがって、出願後の手続等を考慮すると、在外者と
国内居住者の共同の特許出願の場合は、共有者である国内居住者が、もう一方の在外者の代
理人になって出願を行うようお願いします。この場合は、特許願に【代理人】の欄を設ける
とともに、【代理関係の特記事項】の欄を設けて「出願人○○○○の代理人」のように、誰
の代理人であるか明確に記載してください。
一方、分割・変更に係る特許出願及び実用新案登録に基づく特許出願、並びに実用新案登
録出願、意匠登録出願及び商標登録出願については、在外者は、特許管理人によらなければ
出願をすることができません(特許法第8条第1項、特許法施行令第1条第2号、実用新案
法施行令第3条第1項、意匠法施行令第1項、商標法施行令第4条第1項)。在外者と国内
居住者との共同出願の場合も同様です。
なお、上記のとおり、共有者である国内居住者が、もう一方の在外者の代理人になること
は可能ですから、この場合は、願書に必ず【代理人】の欄を設けるとともに、【代理関係の
特記事項】の欄を設けて「出願人○○○○の代理人」のように、誰の代理人であるかを明確
に記載して出願してください。
(2)特許を受ける権利が共有に係るときは、共同で特許出願をしなければなりませんので、代
表者を選定したとしても代表者のみで出願をすることはできません。実用新案登録出願、意
匠登録出願及び商標登録出願についても同様です。
問12
優先権証明書の援用(四法共通)
一の出願を基礎出願として、パリ条約による優先権主張を伴う出願を2件出願する際に
優先権証明書は2通必要ですか。証明書の援用はできないのですか。
答:
特許法施行規則第10条の規定により、一方に優先権証明書の原本を提出し、もう一方に
ついてはそれを援用することができます。
優先権証明書提出書(特許法施行規則様式第36)の【提出物件の目録】の欄に「【物件
名】優先権証明書
1」と記載し、その下に【援用の表示】の欄を設けて優先権証明書原本
を提出した出願番号を記載してください。
※
問13
新規性の喪失の例外証明書も同様に援用することができます。
出願人名義変更届関係(特・実)
出願人名義変更届の手続について教えてください。
答:
出願人名義変更とは
出願に係る特許を受ける権利、出願により生じた権利を別の者に譲り渡したときに、承継
した旨を届出るものです。
- 718 ─
─
名義変更には、発生事由により一般承継、特定承継の2種類があります。
1.一般承継
相続人や合併会社が被相続人又は消滅会社の有していた権利義務を包括的に承継する場合の
ように、他人の権利義務を一括して承継することをいい、相続、包括遺贈、会社の合併、分割
等があります。
相続等
承継人B
出願人A
特許を受ける権利
・一般承継は特許庁長官に遅滞なく届け出なければなりません。
・承継人が届け出ます。
・名義変更に係る手数料は不要です。
会社合併、会社分割等
※一般承継による名義変更の場合の権利の承継を証明する書面例
相続
相続関係者の戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書等
法人合併
履歴事項全部証明書(承継する会社のもの)、閉鎖事項全部証明書(必要に応じ)等
法人分割
履歴事項全部証明書(承継する会社のもの)、会社分割承継証明書等
2.特定承継
特許を受ける権利等が譲渡、売買等によって移転される場合をいいます。
売買、贈与等
承継人B
出願人A
特許を受ける権利
・特定承継は特許庁長官に届け出なければその効力は生じません。
・共有に係る場合には、他の共有者の同意が必要です。
・譲渡人が届け出るときは、譲渡証書に承継人の記名・押印が必要
です。
営業譲渡等
・名義変更には、4,200円の手数料が必要です。
※特定承継による名義変更の場合の権利の承継を証明する書面例
譲渡
譲渡証書、権利の承継を証明する契約書、共有者の同意が必要なときはその同意書等
放棄
持分放棄証書等
- 719 ─
─
3.出願人名義変更の手続きを行う上での留意点を以下のとおりまとめました。
【書類名】
【提出日】
【あて先】
【事件の表示】
【出願番号】
【承継人】
【識別番号】
【住所又は居所】
【氏名又は名称】
【代表者】
【承継人代理人】
【識別番号】
【住所又は居所】
【弁理士】
【氏名又は名称】
【承継人代理人】
【識別番号】
【住所又は居所】
【弁理士】
【氏名又は名称】
【譲渡人】
【識別番号】
【住所又は居所】
【氏名又は名称】
【代表者】
【譲渡人代理人】
【識別番号】
【住所又は居所】
【弁理士】
【氏名又は名称】
【手数料の表示】
【予納台帳番号】
【納付金額】
【提出物件の目録】
【物件名】
【物件名】
出願人名義変更届
平成○○年○月○日
特許庁長官 殿
相続、合併による承継である場合には、【書類名】の欄は「出
願人名義変更届(一般承継)」と記載します。
この場合の名義変更届の手数料は無料です。
特願20○○-○○○○○○
12345678
北海道札幌市北区北7条西2-8
北海道特許株式会社
札幌 太郎
承継人が権利の持分を記載するときは、【承継人】の次の行
に【持分】の欄を設けて、「○/○」のように分数で記載しま
す(持分を定めた旨の証明書の添付が必要。)。
【承継人】
【持分】
001/002
【識別番号】
101234567
埼玉県さいたま市中央区上落合2-11
大宮
【識別番号】を記載したときは【住所又は居所】の欄を省略で
きます。
次郎
101234568
埼玉県さいたま市中央区上落合2-11
大宮
手続者が法人の場合は、【代表者】の欄を設けます(代理人
により手続する場合は【代表者】の欄は不要。)。
三郎
012345679
宮城県仙台市青葉区本町3-4
東北特許株式会社
伊達 花子
102345679
広島県広島市中区八丁堀6-30
広島
史郎
012345
4200
譲渡証書
委任状
承継人代理人が2人以上の場合(代理人によらない手続で
あって承継人が2人以上の場合も同様。)であって、オンライ
ンによる手続をしたときには、オンライン実行者以外の者の
意思確認手続が必要です(別途、手続補足書により意思確
認を行います。)。
なお、承継人について代理人の選任の届出を特許を受ける
権利の承継の届出と同時にするときは、【承継人代理人】の
欄の次に【選任した代理人】の欄を設けます。その場合、選
任した代理人の意思確認手続は不要となります。
譲渡人又は譲渡人代理人が届け出る場合に限り【譲渡人】
の欄を記載します。
承継人又は承継人代理人が届け出るときは【譲渡人】の欄
を記載しません。
(注)譲渡人だけで届け出る場合の注意事項
①届出書の【承継人】の欄は省略できません。
②譲渡証書に譲受人及び譲渡人全員の記名、押印が必
要です。
1
1
物件名については、「権利の承継を証明する書面」又は「譲
渡証書」のように当該証明書名を記載します。
名義変更届の手数料は4,200円。
特許印紙で納付するときは、左上に印紙を貼付し、その下に
( )で金額を記載します(この場合は【手数料の表示】の欄
は不要)。
証明書等を援用省略する場合、【提出物件の目録】の欄に
は次のように証明書等の原本を提出した出願番号又は特許
番号、書類名及びその提出日を記載します。
【提出物件の目録】
【物件名】
【援用の表示】
【物件名】
【援用の表示】
オンラインにより「出願人名義変更届」を提出し、証明書等を
「手続補足書」で提出する場合、【提出物件の目録】の欄を
省略します。
譲渡証書 1
特願○○○○-○○○○○○
委任状
1
特許第○○○○○○○号に関する平
成○○年○○月○○日提出の移転登
録申請書に添付のものを援用する。
- 720 ─
─
権利の承継を証明する書面の文例
譲渡人の「住所(居所)」は省略できません。
譲渡証書
譲渡人が法人であるときは、「代表者」の記載が必要です。
平成○○年○月○日
譲受人
住所(居所)
北海道札幌市北区北7条西2-8
氏名(名称)
北海道特許株式会社
代表者
札幌
太郎
印は特許庁に届け出ているものを使用します。
殿
権利の一部を譲渡(権利を共有)する場合は、なるべく次の
ような文例とします。
譲渡人
住所(居所)
宮城県仙台市青葉区本町3-4
氏名(名称)
東北特許株式会社
代表者
伊達
花子
印
下記の発明に関する特許を受ける権利を貴殿に譲渡したことに相違
ありません。
(権利の持分の定めがない場合)
「下記の発明に関する特許を受ける権利の一部を貴殿に譲
渡したことに相違ありません。」
(権利の持分の定めがある場合)
「下記の発明に関する特許を受ける権利の2分の1を貴殿に
譲渡したことに相違ありません。」
記
1.
特許出願の番号
特願20○○-○○○○○○
2.
発明の名称
○○○○の製造方法
(共有者に持分を譲渡する場合)
「下記の発明に関する特許を受ける権利の持分の全てを貴
殿に譲渡したことに相違ありません。」
- 721 ─
─
出願が共有に係る場合、各共有者が自分の持分を
同意書
譲渡する場合には他の共有者の同意(同意書の提
出)が必要となります。
平成○○年○月○日
住所(居所)
宮城県仙台市青葉区本町3-4
氏名(名称)
東北特許株式会社
代表者
伊達
花子
住所(居所)
(例)
a(東北特許株式会社)
b(沖縄特許株式会社)
の共有出願
aがc(北海道特許株式会社)に譲渡する場合は、
bの同意書が必要。
殿
沖縄県那覇市おもろまち2-1-1
氏名(名称)
沖縄特許株式会社
代表者
石垣
宮子
譲渡人の「住所(居所)」及び「氏名(名称)」を記載します。
印
下記の発明に関する特許を受ける権利の貴殿の持分を北海道特許
同意者の「住所(居所)」及び「氏名(名称)」を記載し、押印し
ます(いずれも省略不可)。
株式会社に譲渡することに同意します。
記
1.
特許出願の番号
特願20○○-○○○○○○
2.
発明の名称
○○○○の製造方法
持分放棄による場合に証明する書面の文例
持分放棄者だけで届け出る場合、譲渡の場合と異な
持分放棄書
り、持分放棄書に共有者(文例の場合は、沖縄特許
株式会社)の記名、押印は不要です。
平成○○年○月○日
特許出願の番号
特願20○○-○○○○○○
発明の名称
○○○○の製造方法
上記発明に係る特許を受ける権利は、東北特許株式会社と沖縄特
許株式会社の共有のところ、東北特許株式会社の共有持分を放棄した
ことに相違ありません。
持分放棄者
住所(居所)
宮城県仙台市青葉区本町3-4
氏名(名称)
東北特許株式会社
代表者
伊達
花子
印
※東北特許株式会社と沖縄特許株式会社の共有出願
である場合
- 722 ─
─
証明書の提出、意思確認をするための手続補足書の記載例
=名義変更届提出日から3日以内に提出=
【書類名】
手続補足書
【提出日】
平成○年○月○日
【あて先】
特許庁長官
証明書等を提出するときの手続
殿
【事件の表示】
【出願番号】
(単に証明書等を提出するだけであれば、
特願20○○-○○○○○○
書面手続であっても電子化手数料は不要。)
【補足をする者】
【識別番号】
012345678
【住所又は居所】 北海道札幌市北区北7条西2-8
【氏名又は名称】 北海道特許株式会社
【代表者】
札幌
【補足をする者】は、名義変更届を手続した者を記載します。
太郎
【代理人】
【識別番号】
101234567
【住所又は居所】
埼玉県さいたま市中央区上落合2-11
【氏名又は名称】 大宮
次郎
代理人が手続した場合には、【代理人】の欄を設けます。
印
【補足対象書類名】 出願人名義変更届
【補足の内容】
【補足の内容】の欄には、本手続で提出する物件を「○○を
提出する。」のように記載します。
権利の承継を証明する書面及び代理権
を証明する書面を提出する。
【提出物件の目録】
【物件名】
譲渡証書
1
【物件名】
委任状
1
(注)書面手続の場合に、【提出物件の目録】の欄に「証明書
等の援用省略」の表示や「包括委任状番号」の記載がある
場合は、たとえ証明書の添付があっても電子化手数料が必
要となるので注意してください。
【書類名】
手続補足書
【提出日】
平成○○年○月○日
【あて先】
特許庁長官
意思確認をするための手続
殿
【事件の表示】
【出願番号】
(例)名義変更届(承継人代理人が2人いる場合)
特願20○○-○○○○○○
【承継人代理人】a大宮
次郎 ← オンラインにより名義変
【承継人代理人】b大宮
三郎 ← bは名義変更届の手続
【補足をする者】
更届の手続実行。
【識別番号】
101234568
【住所又は居所】
埼玉県さいたま市中央区上落合2-11
【氏名又は名称】 大宮
を実行していないため、
bの手続による手続補
三郎
足書の提出が不可欠。
【補足対象書類名】 出願人名義変更届
【補足の内容】
本件手続をしたことに相違ありません。
(書面手続により意思確認を行う場合には、【氏名又
は名称】の後に、印又は識別ラベルが必要。また、こ
の場合には電子化手数料が必要です。)
【補足をする者】の欄には、意思確認をする者が承継人であ
れば「承継人」、承継人代理人であれば「承継人代理人」、
譲渡人であれば「譲渡人」、譲渡人代理人であれば「譲渡人
代理人」の氏名等を記載します。
- 723 ─
─
問14
発明者の補正(特・実・意)
発明者(実用新案は考案者・意匠は創作者)の補正について教えてください。
答:
発明者の補正を行う場合の留意点を以下のとおりまとめました。
発明者の補正ができる時期は、事件が特許庁に係属している場合に限られます。
発明者の表示の誤記の訂正
例:「札幌 太郎」を「札幌 大郎」と誤記した場合
【書類名】
手続補正書
【提出日】
平成○○年○月○日
【あて先】
特許庁長官 殿
【識別番号】を記載したときは、【住所又は居所】の欄を省略でき
ます。
【事件の表示】
【出願番号】
特願20○○-○○○○○○
出願人自らが手続する場合であって、出願人が法人のときは、
【氏名又は名称】の欄の次に【代表者】の欄を設けます。
【補正をする者】
【識別番号】
012345678
【氏名又は名称】
東北特許株式会社
【代理人】
【識別番号】
【補正の内容】には、発明者全員の記載が必要です。(例えば、
発明者が2名いる場合であって、1名の表示の誤記を訂正するだ
けであっても、発明者2名の記載が必要です。)。
(例)
【補正の内容】
【発明者】
【住所又は居所】 北海道札幌市北区北7条西2-8
【氏名】
札幌 太郎
【発明者】
【住所又は居所】 愛知県名古屋市中区栄2-10-19
【氏名】
尾張 次郎
101234567
【弁理士】
【氏名又は名称】
広島 史郎
【手続補正1】
【補正対象書類名】 特許願
【補正対象項目名】 発明者
【補正方法】
変更
【補正の内容】
【発明者】
【住所又は居所】
北海道札幌市北区北7条西2-8
【氏名】
札幌 太郎
【その他】
誤記の理由は、○○○○です。
発明者を補正する場合には、発明者の誤記の理由を記載した書
面が必要です。誤記した理由を、例えば「願書を作成するときに
「○○太郎」を「○○大郎」とタイプミスをし、その確認を怠ったた
め、誤記したものです。」のように、具体的に記載してください。
書面により手続補正書を提出する場合には、手続補正書に発明
者の誤記の理由を記載した書面を添付します(書面により手続補
正書を提出した場合には、電子化手数料が必要です。)。
オンラインにより手続補正書を提出する場合には、発明者の誤記
の理由を記載した書面の提出に代えて、【手続補正1】の欄の次
に【その他】の欄を設けて、誤記の理由を具体的に記載します。
発明者の表示の誤記の訂正の場合には、宣誓書、譲渡証書等
の添付は原則不要です。
- 724 ─
─
発明者の変更(追加・削除)の場合
【書類名】
手続補正書
【提出日】
平成○○年○月○日
【あて先】
特許庁長官 殿
発明者を変更(追加・削除)する場合には、発明者相互
の宣誓書及び変更(追加・削除)理由を記載した書面の
提出が必要です。
(宣誓書の記載例は次ページ参照。なお、譲渡証書等
は原則不要。)
【事件の表示】
【出願番号】
特願20○○-○○○○○○
【補正をする者】
【識別番号】
012345678
【氏名又は名称】
東北特許株式会社
【代理人】
補正方法は「変更」です。
【識別番号】
101234567
【弁理士】
【氏名又は名称】
広島 史郎
【補正の内容】には、変更後(追加後・削除後)の発明者全員を記
載します。
【手続補正1】
【補正対象書類名】 特許願
【補正対象項目名】 発明者
【補正方法】
変更
【補正の内容】
【発明者】
【住所又は居所】
北海道札幌市北区北7条西2-8
【氏名】
札幌 太郎
【発明者】
【住所又は居所】
埼玉県さいたま市中央区上落合2
オンラインにより手続補正書を提出する場合には、【提出物件の
目録】の欄を省略します。
-11
【氏名】
書面により手続補正書を提出する場合は、【提出物件の目録】の
欄を設けるとともに、宣誓書及び変更(追加・削除)の理由を、例
えば「代理人が願書を作成するにあたり、出願人からの依頼書に
おいて、発明者「○○ ○○」の記載が抜けていたため、誤記した
ものです。」のように、具体的に記載した書面を添付します。(書
面により手続補正書を提出する場合には、電子化手数料が必要
です。)
大宮 次郎
【提出物件の目録】
【物件名】
宣誓書 1
【物件名】
理由書 1
【書類名】
手続補足書
オンラインにより手続補正書を提出する場合には、手続補
【提出日】
平成○○年○月○日
足書に宣誓書及び変更(追加・削除)の理由を記載した書
【あて先】
特許庁長官 殿
面を添付して、手続補正書提出日から3日以内に書面手続
【事件の表示】
【出願番号】
により提出します。
特願20○○-○○○○○○
(この場合の手続補足書の電子化手数料は不要です。)
【補足をする者】
【識別番号】
012345678
【氏名又は名称】 東北特許株式会社
変更(追加・削除)の理由を記載した書面については、発明者の
誤記の訂正の場合と同様に、手続補正書に【その他】の欄を設け
て、変更(追加・削除)の理由を記載することもできます。
【代理人】
【識別番号】
101234567
【弁理士】
【氏名又は名称】 広島 史郎
印
又は
識別ラベル
【補足対象書類名】 手続補正書
【補足の内容】
発明者相互の宣誓書及び変更(追加
・削除)の理由を記載した書面
【提出物件の目録】
【物件名】
宣誓書 1
【物件名】
理由書 1
出願時の願書に記載すべき発明者を何らかの理由で記載しなか
った場合には、その経緯等を具体的に記載し、発明者を誤記した
理由(原因)にも言及してください。
(例)
【その他】変更(追加・削除)の理由は、○○○○です。
- 725 ─
─
宣誓書の記載例
宣誓書
発明者を追加する場合
平成○○年○月○日
出願時→a「札幌太郎」1名
補 正→b「尾張次郎」を追加する場合
下記の出願について、私ども、札幌太郎及び尾張次郎が真の発
明者であることをここに宣誓します。
宣誓文言として、発明者の相互関係(aとbが共
に発明者である旨)を記載する必要があります。
記
1.出願番号
特願20○○-○○○○○○
2.発明の名称
○○○の製造方法
発明者
住所(居所)
北海道札幌市北区北7条西2-8
氏名
札幌
太郎
印
発明者全員(aとb)の記名、押印が必要です。
なお、宣誓文に発明者の相互関係が記載されて
いれば、1名ごとに宣誓書を作成し提出すること
もできます。
発明者
住所(居所)
愛知県名古屋市中区栄2-10-19
氏名
尾張
次郎
印
宣誓書
発明者を削除する場合
平成○○年○月○日
下記の出願について、札幌太郎が真の発明者であり、尾張次郎
出願時→a「札幌太郎」と
b「尾張次郎」の2名
補 正→b「尾張次郎」を削除する場合
は発明者ではないことをここに宣誓します。
記
1.出願番号
宣誓文言として、発明者の相互関係(aが発明者
でありbは発明者でない旨)を記載する必要があ
ります。
特願20○○-○○○○○○
2.発明の名称 ○○○の製造方法
発明者
住所(居所)
北海道札幌市北区北7条西2-8
氏名
札幌 太郎
住所(居所)
愛知県名古屋市中区栄2-10-19
氏名
尾張
次郎
印
印
- 726 ─
─
発明者aと非発明者bの記名、押印が必要です。
なお、宣誓文に発明者の相互関係が記載されて
いれば、1名ごとに宣誓書を作成し提出すること
もできます。
問15
在外者の代理権の証明(四法共通)
特許法第8条では、在外者の特許管理人は、委任状がなくても出願の取下げ等の不利益
行為について手続できるとされていますが、実際の取扱いはどうなのでしょうか。
答:
特許法第8条第2項ただし書で代理権の範囲が制限できることとなっていますが、委任状
の提出がない場合はその確認ができないため、出願人の保護の観点から特許法施行規則第4
条の3第4項に基づきその代理権の証明を求めることとしています。
問16
出願公開請求の代理権の証明(特)
出願公開請求を代理人により手続する場合、委任状は必要となりますか。必要な場合と
して包括委任状を援用するとき、委任事項として公開請求について記載されていなければ
ならないでしょうか。
答:
出願公開請求の代理権は、特許法第9条に規定されているとおり、特別授権とされていま
すので、当該手続を代理人が行う場合は委任状が必要です。そして、委任事項として出願番
号を特定した出願公開請求に関する記載がなければなりません。また、包括委任状を援用す
る場合でも、委任事項として、出願公開請求に関する記載がなければなりません。
問17
電子化手数料について(四法共通)
電子化手数料とは何の手続に対する手数料ですか。
電子化手数料を支払わなかった場合は、どうなるのですか。
答:
電子化手数料とは、「特定手続」とされている手続(特許出願、出願審査請求、手続補正
等「工業所有権に関する手続等の特例に関する法律施行規則」第10条に規定する手続)を
「書面」で提出した場合、その書面を電子化するための手数料です。料金は、「1件につき
1,200円+1ページにつき700円」です。(平成28年4月1日現在)
(注)当庁では出願及びその後の手続をオンラインで受け付けています。原則、オンライン手
続が可能な手続を「特定手続」として定めています。
電子化手数料の納付は、特許庁長官が登録する登録情報処理機関「一般財団法人工業所
有権電子情報化センター」から送付される「払込用紙」により行うことができます。
納付されない場合は、手続補正指令の対象となります。この手続補正指令に従い電子化
手数料を納付しないときは、この対象となった手続は却下処分になりますのでご注意くだ
さい。
なお、手続補正指令に従い電子化手数料を納付するときは、手続補正書による手続では
- 727 ─
─
なく、「一般財団法人工業所有権電子情報化センター」から送付される「払込用紙」によ
り行っていただくことになりますが、紛失等により「振込用紙」が手元にない場合は、
「一般財団法人工業所有権電子情報化センター」(TEL03-3237-6511)に直接連絡の上、
振込用紙の再送付を依頼してください。
問18
色彩写真(カラー写真)の提出について(特・実)
参考資料として色彩写真(カラー写真)を提出したい場合は、どのように提出すればい
いですか。
答:
色彩写真(カラー写真)については、色彩写真が審査の参考に資する場合に、参考資料等
として提出することができます。その場合は物件提出書(特許法施行規則様式第22)によ
り提出してください。その際の【物件名】の欄には「カラー写真(図○)」のように記載し
てください。
なお、願書に添付する図面としてカラー図面を提出することは、「原則として製図法に従
つて、黒色で、鮮明にかつ容易に消すことができないように描くものとし、着色してはなら
ない」(特許法施行規則様式第30備考4)とされているため、カラー図面を提出すること
はできません。
問19
証明書返還請求(四法共通)
既に特許庁に提出してある譲渡証書や委任状等の証明書の返還について教えてくださ
い。
答:
証明書の返還請求は、不備のある証明書を提出したときに、不適法な手続の却下、補正指
令、却下理由通知や行政指導の通知(受理しない旨の通知)を受けた際、その不備のある証
明書の返還を受け、当該証明書の訂正等を行うことにより再提出を簡便にし、手続者の便宜
に資するのが適切であることから、以下の証明書返還請求書の提出により行っているもので
す。
したがって、不備のない証明書については返還することはできません。
- 728 ─
─
書式(A4サイズ)
証明書返還請求書
(平成
特許庁長官
年
月
日)
殿
1.事件の表示
2.返還請求人(手続をした者)
識別番号
住所(居所)
氏名(名称)
(代表者)
(電話番号)
3.返還対象証明書
書類名
証明書名
提出日
(注意)
1
「返還請求人(手続をした者)」の欄には、返還を受けようとする証明書の提出に係る手
続書類の手続をした者を記載します。手続をした者が代理人の場合、返還請求人の欄には代
理人本人(出願人の代理人としてではなく)を返還請求人として記載します。
2
「返還対象証明書」の「書類名」には、「手続補正書」、「代理人選任届」、「出願人名義変
更届」のように返還を受けようとする証明書の提出に係る手続書類の書類名を、「証明書
名」には「委任状」、「譲渡証書」(複数提出があるときは「○○のもの」のように特定す
る)のように返還を受けようとする証明書名を記載します。
3
その他
証明書の返還は、原則、「郵送」ですが、急を要し特許庁にて受領を希望する場合は、
「その他」を設けて、「直渡しを希望する」と記載し担当者名と電話番号を記載します。
なお、受領する時は、「返還請求人」の特許庁に届け出ている印鑑が必要となります。
- 729 ─
─
問20
過誤納等の手数料返還(四法共通)
特許印紙、現金納付又は口座振替で手数料を納付した場合で、
①
受理された書類で過誤納であることが分かりました。
②
提出した書類が、不適法な手続の却下処分(特許法第18条の2第1項)又は行政
指導の通知(受理しない旨の通知)を受けました。
③
特許出願(商標登録出願)で出願日が認定されず、出願却下処分を受けました。
どうすれば手数料を返還していただけますか。
答:
納付した日から1年以内(納付した日から6月以上経って不適法な手続についての却下処
分、出願却下処分(特許法第38条の2第8項、商標法第5条の2第5項)又は受理しない
旨の通知がされた場合は、却下処分の謄本の送達又は受理しない旨の通知があった日から6
月以内)に手数料の返還の請求をする必要があります(返還請求をする者がその責めに帰す
ることができない理由によりこの期間内に返還請求をすることができないときは、その理由
がなくなった日から14日(在外者にあっては2月)以内で、かつこの期間の経過後6月以
内の返還請求が必要です。)。
手数料の返還の請求は「既納手数料返還請求書」(特許法施行規則様式第75)を提出し
て行います。
- 730 ─
─
既納手数料返還請求書の様式見本
【書類名】
(【提出日】
【あて先】
既納手数料返還請求書
平成
年
特許庁長官
月
日)
殿
【事件の表示】
【出願番号】
特願〇〇〇〇-〇〇〇〇〇〇
【返還請求人】
【識別番号】
【住所又は居所】
【氏名又は名称】
【代表者】
印又は識別ラベル
【代理人】
【識別番号】
【住所又は居所】
【氏名又は名称】
印又は識別ラベル
【返還請求対象書類】
【書類名】
【提出日】
【納付済金額】
【適正納付金額】
【返還請求金額】
【返還金振込先】
【金融機関名】
【口座種別】
【口座番号】
【フリガナ】
【口座名義人】
【提出物件の目録】
【物件名】
注意
1
「【返還請求人】」の欄には、当該返還に係る手数料を納付した者を記載します。
2
「【返還請求対象書類】」の欄の「【書類名】」及び「【提出日】」には、特許願、出願
審査請求書、手続補正書、出願人名義変更届、期間延長請求書、審判請求書のように返
還を請求する手数料を納付した手続に係る書類名及びその提出年月日を記載します。
3
「【納付済金額】」の欄には、当該手続書類に係る納付した手数料の額を「円」、「,」
- 731 ─
─
等を付さず、アラビア数字のみで記載します。
4
「【適正納付金額】」の欄には、当該手続書類において適正に納付すべき手数料の額
を記載します。なお、不適法な手続の却下処分(特許法第18条の2)又は行政指導の
通知(受理しない旨の通知)に係る場合には「【適正納付金額】」の欄は設けるには及
びません。
5
「【返還請求金額】」の欄には、返還を請求する手数料の額を記載します。
6
「【返還金振込先】」の欄には、次の要領で返還金を受けるべき返還請求人又は代理
人の銀行口座について記載します。「【金融機関名】」には「○○銀行(金庫)○○支
店」のように、「【口座種別】」には「普通預金」又は「当座預金」の別を、「【口座番
号】」には「○○○○○○○」のように口座の番号を、「【フリガナ】」には必ず片仮名
で口座名義人の振り仮名を、「【口座名義人】」には当該口座の名義人の氏名又は名称を
それぞれ記載します。
問21
有限責任事業組合(LLP)の出願について(四法共通)
有限責任事業組合契約に関する法律が平成17年8月1日から施行されたため、有限責
任事業組合(LLP)を設立しましたが、LLPで特許出願できますか。
答:
有限責任事業組合契約に関する法律が平成17年8月1日から施行され、民法組合の特例
として有限責任制、内部自治原則、構成員課税などを特徴とする「有限責任事業組合」(L
LP:Limited Liability Partnership)が設立できることとなりました。
しかし、LLPには法人格はないため、組合財産は、全組合員の共有(合有)となります。
また、組合員は清算前の分割請求はできません。
このため、特許出願は全組合員の共同出願となり、組合財産の持分に応じた持分を【特許
出願人】の欄に記載する必要があります。また、【その他】の欄には、「LLPの持分であ
る旨」を記載しなければなりません。
なお、持分等の記載をしないまま出願したときは、通常の共同出願として扱われるため、
出願人名義変更届により、出願人相互の持分を追加することとなります。
- 732 ─
─
「特許願」の記載例
【書類名】
特許願
(略)
【特許出願人】
【持分】
001/002
【識別番号】
300000001
【氏名又は名称】 特許株式会社
【代表者】
代表取締役 ○○○
印
【特許出願人】
【持分】
001/002
【識別番号】
30000002
【氏名又は名称】 特許事業株式会社
【代表者】
代表取締役 △△△
印
(略)
【その他】特許出願人特許株式会社及び特許出願人特許事業
株式会社の持分は、○○有限責任事業組合の有限
責任事業組合契約に基づく持分
(略)
また、LLPがLLP以外から特許出願を承継する場合も、出願人名義変更により、手続
を行います。
「出願人名義変更届」の記載例
【書類名】 出願人名義変更届
(略)
【事件の表示】
【出願番号】
特願2013-499999
【承継人】
【持分】
001/002
【識別番号】
300000001
【氏名又は名称】 特許株式会社
【代表者】
代表取締役 ○○○
印
【承継人】
【持分】
001/002
【識別番号】
30000002
【氏名又は名称】 特許事業株式会社
【代表者】
代表取締役 △△△
印
(略)
【その他】特許出願人特許株式会社及び特許出願人特許事業
株式会社の持分は、○○有限責任事業組合の有限
責任事業組合契約に基づく持分
(略)
なお、LLPがLLP以外に特許出願を譲渡する場合は、譲渡証書に組合員全員が記名・
押印する必要があります。
- 733 ─
─
問22
実用新案登録に基づく特許出願と、抹消登録申請書が同日でないときの扱いは?
(特)
「実用新案登録に基づく特許出願」の際に、基礎とした実用新案登録を放棄しなければ
ならないとされていますが、インターネット出願ソフトでオンライン出願する日と、抹消
登録申請書の郵送による発送日が同日であれば要件を満たしますか。
また、提出した抹消登録申請書に不備があって却下となる場合や、抹消登録申請を出し
忘れた場合はどうなるでしょうか。
答:
通常、設定登録後に手続する移転登録申請等を郵便で提出したときは、特許庁に到達した
日が効力発生日とされていますが、質問の場合の実用新案権の放棄による抹消登録申請は、
特許法第19条に規定する「提出の期間の定めがあるもの」として取り扱うこととしていま
す。
したがって、オンライン出願の日と抹消登録申請書の郵送による発送日が同日であれば、
特許法第46条の2第1項の要件を満たすこととなります。
なお、抹消登録申請書に不備があり手続補正指令が発せられたものの、その不備を解消す
る補正がなされず当該申請書が却下された場合や抹消登録申請書に補正をすることができな
い不備があり、却下理由通知が発せられた後、却下された場合で申請が取下げられた場合は、
特許出願について却下理由通知書が発せられます。また、抹消登録申請書が特許出願の際に
提出されていない場合も、特許出願について却下理由通知が発せられます。
これらの場合、当該特許出願に対する却下の処分を行う前に、抹消登録申請書が新たに提
出されかつ当該申請書に不備がないときは、当該特許出願の却下理由が解消することになり
ます。
そのため、抹消登録申請書を提出した後、当該特許出願の却下理由通知に対して、抹消登
録申請書を提出した旨の弁明書を提出する必要があります。
問23
実用新案登録に基づく特許出願に不備があるとき、抹消登録申請書の扱いは?(特)
「実用新案登録に基づく特許出願」の際に、抹消登録申請書を提出しました。抹消登録
申請書に不備はありませんでしたが、特許出願に不備があることに気がつきました。抹消
登録申請書と特許出願はどのようになりますか。
答:
不備の内容が、特許出願の要件を満たしていない場合は、特許出願に却下理由通知が発せ
られます。
「実用新案登録に基づく特許出願」については、一般的な特許出願の却下理由に加え、
①
期間経過
②
抹消登録申請書の提出がないまたは申請書の却下
- 734 ─
─
③
実用新案権者と出願人との不一致
が却下理由となります。
ご質問は、抹消登録申請書に不備がなく、「実用新案登録に基づく特許出願」のみに却下
理由があるときということですが、抹消登録申請書は登録の目的に「実用新案登録に基づく
特許出願の基礎とした実用新案登録に係る本実用新案権の登録の抹消」と記載することとさ
れており、「実用新案登録に基づく特許出願」に却下理由があれば、当該出願がないことに
なり、抹消登録申請書自体にも却下理由があることになります。
したがって、抹消登録申請書と「実用新案登録に基づく特許出願」の双方に、却下理由通
知を同時に発することになります。
なお、不備の内容が、却下理由に該当しない方式不備については、「実用新案登録に基づ
く特許出願」に手続補正指令が発せられます。
この場合、「実用新案登録に基づく特許出願」は出願の要件を満たしているため、実用新
案権は、抹消登録申請書により抹消登録されます。
特許出願の手続補正指令に応答しないと、実用新案権と特許出願の双方を失うこととなる
ため、注意が必要です。
- 735 ─
─
問24
国立大学は、平成16年4月1日から国立大学法人になりました。
その後の出願手数料等の扱いと経過措置を教えてください。(四法共通)
答:
国立大学は、平成16年4月1日から国立大学法人となり、国の機関ではなくなりました。
国立高等専門学校も、独立行政法人国立高等専門学校機構となっています。
1.このため、平成16年3月31日までに国立大学等が行った出願については、平成16年
4月1日以降に出願人名義変更届(一般承継)を提出し、国立大学法人等が特許出願を承継
する必要があります。この場合、経過措置(平成15年改正法付則2(4)等)により、承継
した特許出願は、引き続き手数料、特許・登録料が免除になります。
2.平成16年4月1日以降の出願からは、出願料等の手数料の支払いが必要です。
3.なお、特許出願(実・意・商を除く)については、産業技術力強化法(平成12年4月1
9日・法律第44号)附則第3条に規定される経過措置により、国立大学法人が当該国立大
学法人の研究者から承継したものについて、平成16年4月1日から平成19年3月31日
までに出願したときは、国立大学法人を国とみなすため手数料及び特許料は免除になります。
詳しくは、下記「参考」をご覧ください。
4.また、平成19年4月1日以後の特許出願について、出願審査請求手数料及び特許料に関
しては、「大学等の研究者及び大学等を対象とした軽減措置」(産業技術力強化法17(2))
の規定により、1/2の軽減が受けられます。
詳しくは、「第十七節手数料の軽減又は免除」、「Ⅴ
大学等の研究者及び大学等を対象と
した軽減措置」をご覧ください。
◆参考
産業技術力強化法による国立大学法人等に係る手数料に関する経過措置
次の(1)又は(2)に掲げる特許を受ける権利について、特許法第195条1項及び2項の
規定により納付すべき手数料の規定の適用については、国立大学法人等は国とみなされます。
(1)国立大学法人法附則第9条第1項又は独立行政法人国立高等専門学校機構法附則第
8条第1項の規定により国立大学法人等が承継した特許を受ける権利(平成19年3
月31日までにされた特許出願に限る。)
(2)国立大学法人等が平成19年3月31日までに当該国立大学法人等の大学等研究者
から承継した特許を受ける権利(平成19年3月31日までにされた特許出願に限
る。)
(注1)国立大学法人等とは、「国立大学法人」、「大学共同利用機関法人」、「独立行政法人国
立高等専門学校機構」のことをいいます。
- 736 ─
─
(注2)分割出願等で平成19年3月31日までにされたものとみなされる特許出願について
の国立大学法人等は国とはみなされません。
(注3)その特許出願の願書に記載された「発明者」が国立大学法人等の大学等研究者である
ことが明らかであり(当該大学内の住所が記されている等)、「特許出願人」が当該国
立大学法人等である場合は、特段の手続を要しませんが、以下の事例に該当するような
場合は国とみなされませんので注意してください。
○例
(願書)
発明者の住所
出願人
①当該大学等内の住所
A単独
国とみなす
A+B
*
A単独
国とみなす
A+B
*
A単独
国と扱わず(料金指令)!
A+B
国と扱わず(料金指令)!
A単独
国とみなす
A+B
*
A単独
国とみなす
A+B
*
A単独
国と扱わず(料金指令)!
A+B
*
A単独
国と扱わず(料金指令)!
A+B
*
A単独
国と扱わず(料金指令)!
A+B
国と扱わず(料金指令)!
②一般の住所
③企業内の住所
④当該大学等内の住所(全員)
⑤当該大学等内の住所
+
一般の住所
⑥当該大学等内の住所
+
企業内の住所
⑦一般の住所
+
企業内の住所
⑧企業内の住所(全員)
扱
い
※発明者の住所欄の①~③のケースは発明者が1人の場合、④~⑧のケースは発明者が複
数人いる場合を表します。
※出願人欄のAは「国立大学法人等」、Bは「民間企業等」を表します。
※*については、当該大学法人等への譲渡が大学研究者からのみされており、その願書に
持分記載があり、かつ「持分契約証明書」が提出されている場合は、国立大学法人等の
持分に限り国とみなすことができます。(但し、各証明書は出願日前のものであること
が必要)。
※!については、その願書に持分記載があり、かつ「持分契約証明書」並びに企業内の住
所を有する「発明者から当該大学等の研究者への譲渡証書」及び「当該大学等の研究者
から当該大学法人等への譲渡証書」が提出されている場合は、国立大学法人等の持分に
限り国とみなすことができます。(但し、各証明書は出願日前のものであることが必
要)。
- 737 ─
─
問25
答:
出願人である会社が倒産しました。どのような手続が必要でしょうか?(四法共通)
「会社が倒産した」場合には、その理由として、(1)破産手続開始の決定がなされた、(2)
更生手続開始の決定がなされた、(3)清算が開始された、等が考えられますが、それぞれの
理由により手続が相違しますのでご注意ください(以下、理由ごとに回答します。)。
(1)
破産手続開始の決定がなされたとき
①
破産者が引き続き出願人として手続を行う場合
破産手続開始の決定がなされても、破産法人は法人として存続することになりますが、
破産手続開始の決定がなされると破産管財人が選出され、破産財団に属する財産の管理処
分権限は破産管財人に専属することになり、破産法第46条において準用する同法第44
条第2項の規定により、特許出願に関する手続は中断することになります。したがって、
破産管財人による受継申立ての手続が必要になります。また、手続が中断した場合には委
任による代理人の代理権は消滅するため、従前の代理人が受継申立ての手続を代理すると
きは、破産管財人の代理権を証明する書面を添付しなければなりません。
受継申立書(特許法施行規則様式第16)の様式見本
【書類名】
受継申立書
(【提出日】)
【あて先】
特許庁長官
殿
【事件の表示】
【出願番号】
【受継申立人】
【識別番号】
【住所又は居所】
【氏名又は名称】
【代表者】
印又は識別ラベル
【代理人】
【識別番号】
【弁理士】
【氏名又は名称】
印又は識別ラベル
【申立の内容】
【提出物件の目録】
【物件名】
手続を受継する者の権限又は資格を証明する書面
1
【物件名】
代理権を証明する書面
1
- 738 ─
─
注意
1
破産手続開始の決定の場合には【受継申立人】の欄には、破産者の識別番号、住所又
は居所及び氏名又は名称を記載し、【代表者】の欄に「破産管財人
し、更生手続開始の決定の場合には「管財人
2
○○○○」と記載
○○○○」と記載します。
手続を受継する者の権限及び資格を証明する書面は、破産管財人が受継の申立てをす
るときには「破産管財人であることを証明する書面」、管財人が受継の申立てをすると
きには「登記事項証明書」のように新追行者の権限又は資格を証明する書面とします。
②
破産者が特許を受ける権利を譲渡する場合
破産者が特許を受ける権利を譲渡する場合には、受継申立ての手続を行うことなく、出
願人名義変更届を提出してください。その際に権利の承継を証明する書面は、破産財団の
財産の管理処分権限を有する破産管財人が作成した譲渡証書に、破産管財人であることを
証明する書面(破産手続開始の決定を行った裁判所の裁判所書記官による証明書又は破産
手続開始の決定及び破産管財人の登記のある登記事項証明書)を添付してください。特許
を受ける権利の処分に関する裁判所の許可書は不要です。
(2)
①
更生手続開始の決定があったとき
更生会社が引き続き出願人として手続を行う場合
更生手続開始の決定がなされても、更生会社は、法人として引き続き存続することにな
りますが、更生手続開始の決定がなされると管財人が選出され、更生会社の財産の管理処
分権限は管財人に専属することになり、会社更生法第53条において準用する同法第52
条第2項の規定により、特許出願に関する手続は中断することになります。したがって、
管財人による受継申立ての手続が必要になります。また、手続が中断した場合には委任に
よる代理人の代理権は消滅するため、従前の代理人が受継申立ての手続を代理するときは、
管財人の代理権を証明する書面を添付しなければなりません。
②
更生会社が特許を受ける権利を譲渡する場合
更生会社が特許を受ける権利を譲渡する場合には、受継申立ての手続を行うことなく、
出願人名義変更届を提出してください。その際に権利の承継を証明する書面は、更生会社
の財産の管理処分権限を有する管財人が作成した譲渡証書に、管財人であることを証明す
る書面(更生手続開始の決定を行った裁判所の裁判所書記官による証明書又は更生手続開
始の決定及び管財人の登記のある登記事項証明書)を添付してください。特許を受ける権
利の処分に関する裁判所の許可書は不要です。
(3)
①
清算が開始されたとき
法人がそのまま出願人として手続を行う場合
法人が会社の解散を決定したときは、会社の清算を行うことになりますが、清算が終了
するまでは法人はそのまま存続することになります。その場合には清算人又は清算人会が
設置され、会社の代表権限は清算人又は代表清算人に移ることになります。したがって、
清算人又は代表清算人を代表者として手続を行ってください。その場合に清算人又は代表
- 739 ─
─
清算人であることを証明する書面は特に求めていませんが、代表取締役の印をそのまま清
算人又は代表清算人が使用するときは印鑑証明が必要になります。
②
法人が特許を受ける権利を譲渡する場合
通常の法人が特許を受ける権利を譲渡する場合と同じです。出願人名義変更届に代表権
限を持つ清算人又は代表清算人の印がある譲渡証書を作成して手続を行ってください。清
算人又は代表清算人に関する証明については、上記①の場合と同じです。
問26
会社が会社分割されました。それに伴って会社が持っている特許を受ける権利を分割
承継会社に承継することになりました。その場合の名義変更届について教えてくださ
い。(四法共通)
答:
会社分割による特許を受ける権利の承継は、一般承継となりますので、特許法第34条第
5項の規定により、遅滞なく特許庁長官に承継人が届け出なくてはなりません。その場合の
出願人名義変更届は、書類名を「出願人名義変更届(一般承継)」として、権利の承継を証
明する書面として、会社分割の登記がある登記事項証明書及び被承継人による承継する権利
を特定した証明書を添付しなければなりません。また、会社分割の場合には特許法第11条
の代理権の不消滅には該当しませんので、委任による代理人の代理権は書面をもって証明し
なければなりません。
承継証明書の記載例
承継証明書
平成○○年○月○日
承継人
住所(居所) 北海道札幌市北区北7条西2-8
氏名(名称) 北海道特許株式会社
代表者
札幌 太郎
殿
平成○○年○月○日の弊社分割により下記の発明の特許を受
ける権利を貴殿に承継したことに相違ありません。
記
1 特許出願の番号 特願20○○-○○○○○○
2 発明の名称
○○○○の製造方法
被承継人
住所(居所) 宮城県仙台市青葉区本町3-4
氏名(名称) 東北特許株式会社
代表者
伊達 花子
印
- 740 ─
─
事業の一部を承継する場合は、
以下のように記載します。
「平成○○年○月○日の弊社
分割により下記の発明の特許を
受ける権利の一部を貴殿に承
継したことに相違ありません。」
問27
審査官との面接等のための代理権の証明(特)
出願の代理人でなければ審査官と面接することができないのでしょうか。
答:
審査官との面接等は、代理人又は復代理人でなければできませんが、出願の代理人又は復
代理人として選任されている必要はありません(代理人選任届又は復代理人選任届(代理人
受任届又は復代理人受任届)の提出は必須ではありません。)。
したがって、審査官との面接等のみ行うのであれば、面接の都度、出願番号の記載のある
委任状(※注)を持参すれば足ります。また、既に特許庁に包括委任状が提出されている場合
には、包括委任状を援用する旨を事前に審査官に連絡し、面接時に包括委任状番号を審査官
に伝えてください(審査官との面接についての詳細は「調整課面接審査管理専門官(内線31
14)」までお問い合わせください。)。
なお、面接等に際し新たに代理人又は復代理人を選任する場合には、別途代理人選任届等
の提出が必要です。その際には、「特許出願に関する手続」についての委任が必要ですので、
「審査官との面接等に関する」委任のみの委任状は使用できません。
※注・・・・復代理人の方は、復代理人としての委任状(①)に加えて、当該復代理人を選任した
代理人が復任権(復代理人を選任する権利)を有することを示す委任状(②)の提出も必
要となります。ただし、②の委任状は、既に包括委任状が提出されている場合は不要で
すので、①の委任状に包括委任状番号を記載したものを提出してください。
問28
分割出願における提出書面の省略(四法共通)
分割出願において、もとの出願の願書に記載した優先権の主張の欄を再度記載する必要
がありますか。
答:
もとの特許出願について提出された特許法第44条4項に規定する書面又は書類(新規性
喪失の例外の規定を受けようとする旨の書面、その証明書、国内優先権の主張をする旨を記
載した書面及び先の出願の表示を記載した書面、パリ条約による優先権等の主張等をする旨
の書面及び最初の出願をした同盟国の国名及び出願の年月日を記載した書面、優先権証明
書)については、当該新たな特許出願と同時に提出されたものとみなされる規定となってい
ることから、分割出願におけるもとの特許出願において記載した、新規性喪失の例外の規定
の適用を受けようとする際の【特記事項】の欄、優先権の主張をするための【先の出願に基
づく優先権主張】の欄、及び【パリ条約による優先権等の主張】の欄については、分割出願
の願書に記載する必要はありません。又、【提出物件の目録】の欄を設けて「変更を要しな
いため省略する。」等と記載することも不要となります。
また、もとの特許出願において提出した新規性喪失の例外証明書に関連し、分割出願の願
書の【提出物件の目録】欄に「変更を要しないため省略する。」との記載が見受けられます
- 741 ─
─
が、この記載は、特許法施行規則第31条に規定の、優先権の主張を伴う特許出願において
先の出願において提出した証明書や、実用新案登録に基づく特許出願をしようとする場合に
おいてその実用新案登録について提出した証明書の提出を省略する場合の記載であり、分割
出願の場合には、新規性喪失の例外証明書の提出及び省略等について記載の必要はありませ
ん。
もとの特許出願について優先権主張書を提出している場合にも、分割出願について優先権
主張書を提出することは不要となります。
問29
世界知的所有権機関へのアクセスコード付与請求(特・実)
アクセスコード付与請求の手続について留意点を教えてください。
答:
日本の特許出願又は実用新案登録出願に係る書類を、デジタルアクセスサービス(DA
S)に登録し、日本国特許庁から世界知的所有権機関を通じて外国の特許庁に提出すること
を希望する場合は、提供を希望する出願書類の出願時又はそれ以降に、出願事件ごとに世界
知的所有権機関へのアクセスコード付与請求書(以下「アクセスコード付与請求書」とい
う。)を特許庁長官に提出してください。
アクセスコードは日本の特許出願又は実用新案登録出願ごとに付与されることになります
ので、当該出願をもとに複数の国(第二国)へ出願する場合は、同一国で複数の出願とする
場合であっても一つのアクセスコードの付与を請求すれば足りることになります。
なお、アクセスコード付与を請求したい出願が共同出願である場合、アクセスコード付与
請求書に記載する【手続をした者】は出願人全員を記載する必要はありません。
また、すでに出願の代理人となっている者がアクセスコード付与請求書を提出する場合に
は委任状の提出は不要ですが、新たな代理人が手続する場合には個別委任状の添付が必要と
なります(包括委任状の援用は認められません。)。この場合の委任状には、「特願○○○○
-○○○○○○のアクセスコード付与請求に関する手続についての一切の件」と記載してい
ただきますようお願いします。また、アクセスコード付与請求に関連し、委任状の提出が必
要な場合は、書面で提出するようお願いします。
※特許出願及び実用新案登録出願をオンラインで行い、受領書をオンラインで取得した場合は、
その受領書にアクセスコードが記載されるため、アクセスコード付与請求を行う必要はあり
ません。
- 742 ─
─
問30
審査請求料減免措置の後日申請(特)
出願審査請求書を提出し、正規の手数料の納付が済んだ後で、減免を受けられることが
わかったのですが、減免申請をすることができますか。
答:
審査請求料の減免申請は、本来であれば出願審査請求書の提出と同時にすべきものですが、
正規の手数料を納付した後で審査請求料の減免を受けることができると判明した場合には、
出願審査の請求(手数料の納付)から1年以内(当該特許出願が特許庁に係属している場合
に限る。)に、出願審査請求書に【手数料に関する特記事項】の欄を追加する手続補正書と、
審査請求料減免(軽減)申請書を提出することにより、審査請求料の軽減が認められます。
軽減申請の手続を経済産業局等に行う場合には、審査請求料軽減申請書を経済産業局等に
提出し、特許庁に上記手続補正書を提出することになります。
また、減免申請に伴って提出が必要となる証明書は、本来、申請書が出願審査請求書の提
出と同時に行うべきものであることから、原則、審査請求日時点の証明書が申請書に添付さ
れるべきものとします。
減免が認められる場合には、納付された審査請求料についての過納分の返還を請求するこ
とができます。予納による納付であった場合は、減免が認められたときに予納台帳に加算す
ることにより自動的に返納されますが、その他の納付方法の場合には既納手数料返還請求書
の提出が必要になります。(問20参照)
- 743 ─
─
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