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わが国の慢性透析療法の現況

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わが国の慢性透析療法の現況
図 説
わが国の慢性透析療法の現況
2013 年 12 月 31 日現在
日本透析医学会
Japanese Society for Dialysis Therapy
図 説
わが国の慢性透析療法の現況
2013 年 12 月 31 日現在
日本透析医学会
Japanese Society for Dialysis Therapy
日本透析医学会 統計調査委員会
統計調査委員(敬称略)
委 員 長
椿 原 美 治
北 海 道
伊 丹 儀 友
甲 信 越
風間 順一郎
中
国
丸 林 誠 二
統計解析小委員(敬称略)
北 海 道
和 田 篤 志
福
島
長 谷 川 毅
東
京
花 房 規 男
大
阪
庄 司 哲 雄
広
島
尾 形 聡
海外協力委員
西 裕 志
地域協力委員(敬称略)
北 海 道
伊 丹 儀 友
岩
手
清 野 耕 治
秋
田
佐 藤 滋
山
形
政 金 生 人
栃
木
草 野 英 二
埼
玉
中 元 秀 友
千
葉
室 谷 典 義
東
京
安 藤 亮 一
東
京
篠 田 俊 雄
東
京
林 松 彦
神 奈 川
角 田 隆 俊
神 奈 川
小 岩 文 彦
新
潟
風間 順一郎
石
川
横 山 仁
山
梨
松 下 和 通
岐
阜
小 田 寛
静
岡
森 典 子
三
重
村 信 介
京
都
橋 本 哲 也
大
阪
山 川 智 之
奈
良
吉 田 克 法
鳥
取
宗 村 千 潮
岡
山
杉 山 斉
山
口
新 田 豊
愛
媛
菅 政 治
福
岡
奥 田 誠 也
長
崎
錦 戸 雅 春
宮
崎
藤 元 昭 一
沖
縄
比 嘉 啓
副 委員 長
関
東
中
部
外 部委 員
北 海 道
埼
玉
愛
知
大
阪
徳
島
青
森
宮
城
秋
田
福
島
栃
木
埼
玉
千
葉
東
京
東
京
東
京
神 奈 川
神 奈 川
新
潟
福
井
長
野
岐
阜
愛
知
滋
賀
大
阪
兵
庫
和 歌 山
島
根
広
島
徳
島
高
知
福
岡
熊
本
鹿 児 島
沖
縄
井
山
渡
守
関 邦
縣 邦
邊 有
田 敏
弘
三
治
副 委 員 長
橋
中
中
濱
土
本 整
元 秀
井 野 高
田 健
大
佐
宮
中
武
松
望
岡
野
本
鎌
小
丸
宮
中
松
伊
宇
武
中
重
伊
正
橋
谷
平
有
野
吉
山 藤 壽
形 山 昌
藤 重
田 昭
月 隆
田 一
入 英
田 浩
田 貢
林 修
山 弘
崎 良
島 貞
岡 哲
藤 恭
津 本 佳
西 松 藤 孝
木 崇
本 寛
村 正
方 秀
薗 健
﨑 原 邦
東
京
近
畿
司
友
滋
行
司
宮
城
東
京
愛
知
兵
庫
福
岡
力
伸
滋
明
明
彦
弘
義
世
一
壽
三
樹
一
男
平
彦
貴
昭
健
隆
史
生
文
信
樹
二
剛
男
青
森
宮
城
山
形
茨
城
群
馬
千
葉
東
京
東
京
東
京
東
京
神 奈 川
神 奈 川
富
山
山
梨
長
野
静
岡
愛
知
滋
賀
大
阪
兵
庫
鳥
取
島
根
山
口
香
川
高
知
佐
賀
大
分
鹿 児 島
政 金 生 人
篠 田 俊 雄
重 松 隆
鈴
木
若
藤
谷
木 全 井 井 口 一
直
建
直
正
之
樹
志
彦
智
中 村 典 雄
佐 藤 正 嗣
伊 東 稔
斎 藤 知 栄
植 木 嘉 衛
小 倉 誠
阿 部 雅 紀
柏 木 哲 也
濱田 千江子
横山 啓太郎
衣笠 えり子
兵 藤 透
石 田 陽 一
深 澤 瑞 也
洞 和 彦
加 藤 明 彦
渡 邊 有 三
八 田 告
長 沼 俊 秀
西 慎 一
中 岡 明 久
鈴 木 恵 子
内 山 浩 一
山 中 正 人
湯 浅 健 司
池 田 裕 次
友 雅 司
速 見 浩 士
公刊にあたって
皆様のご協力のおかげで「図説 わが国の慢性透析療法の現況(2013 年 12 月 31 日現在)」(以下「図説」)
を速報として発行する運びとなりました。
本調査は全国の透析施設や透析従事者の方々の熱意に支えられ、多忙な日常診療のなか、貴重な時間を割
いてご協力頂いた皆様のお陰であることに感謝申し上げます。
従来と同様、本図説発行後もデータの質を上げるべく、未回収施設へのご協力のお願いや、データに関す
る問い合わせなどを続けたいと考えております。より正確なデータを基に再集計し、詳細なデータを加えた
CD-ROM 版現況を年末に配布させて頂く予定です。尚、
「図説」の記述は、前年の「図説」との比較では無く、
より正確な情報を掲載した CD-ROM 版データとの比較を記載しています。
2013 年末調査の回収状況、および新規調査結果についてご報告します。
調査は例年通り日本透析医学会会員施設に加え、地域協力委員の先生方などのご協力により、非会員施設、
新規開設施設も対象として行われました。2013 年末の対象施設は 4,325 施設で、前年より 46 施設増加しました。
締め切りは例年通り1月末とさせて頂きましたが、4 月 28 日を最終期限として、FAX や電話などで可能な
限り回収率を上げるべく努力を行いました。その結果、最終的に施設調査にご協力頂いた施設は 4,264 施設
(98.6%)であり、目標とした 98% 以上の回収率を達成することが出来ました。また施設調査と患者調査の両
方にご協力頂いた施設は 4,163 施設(96.3%)であり、目標とした 95% を達成することが出来ました。患者
調査シートの回収媒体の比率は、電子媒体(主に USB メモリ)による回収が 3,688 施設(86.5%)と向上し、
データ処理がより正確に行われ、かつ簡素化が達成されました。
2006 年調査以来行ってきた透析液の水質管理状況調査の結果が評価材料となり、水質確保加算の算定が可
能となりました。さらには 2012 年から on-line HDF が正式に認められて加算が算定可能となり、水質管理状
況調査も大きな役割を果たしたものと自負しております。今後は、on-line HDF に関するエビデンスを創生
する予定です。
腹膜透析に関しても、2009 年以降日本腹膜透析医学会と連携し、施設調査で HD,HDF 等との併用患者や
洗浄のみ行われている患者、さらに年内脱落患者数の調査を継続し、より正確な患者数の把握に努めており
ます。さらに 2010 年末調査からは残腎機能や透析量、腹膜機能検査などの詳細な患者調査を開始し、本年も
継続しました。今後のデータやアウトカムの集積により、腹膜透析療法のガイドライン改訂の資料となるこ
とが期待されます。
2013 年末は新規調査項目として、糖尿病関連の網羅的な調査を行いました。インスリン以外の様々な薬剤
が使用されている現状を把握するとともに、ガイドラインの改訂などに当たって役立つエビデンスの創成に
繋がる事を期待しています。
ところで、本統計調査に対して、従来から会員の皆様より様々なご質問やご批判も頂いています。最も多
い内容は、
“①この様な面倒な調査をする必要があるのか?”“②調査項目が多すぎる”“③なぜ毎年調査項目
を変更するのか?”
“④事前に調査項目を教えて欲しい”
“⑤毎年行う意味があるのか”
“⑥結果の還元が無い”
“⑦疫学研究に関する倫理指針に抵触するのではないか”などです。
可能な限り、一つ一つのお問い合わせに回答していますが、誌面をお借りして、上記の主な質問にお答え
したいと思います。①、日本透析医学会定款の第2章(目的及び事業)に、「この法人は、透析医学すなわ
ち血液浄化法(血液透析法,腹膜透析法,血液濾過法,血液吸着法,血漿交換法等)とその対象疾患の病因、
病態に関する研究調査を行い、それについての発表、知識の交換、情報の提供等を行うことにより、透析医
学に関する研究の進歩と知識の普及を図り、もって学術の発展に寄与することを目的とする.」と明記されて
います。本調査は本医学会の目的そのものであり、最も重要な事業の一つです。もちろん定款に有るから行
うのではなく、重要な事業であるからこそ定款に定められています。本調査が無くなれば、わが国の透析医
学の羅針盤を失うに等しいと考えます。②、調査項目数に関しては③とも関連しますが、本調査は、診療報
酬改訂の資料やガイドライン作成など毎年さまざまなニーズに応えるべく調査項目を選別しています。しか
し統計調査の様な観察研究を基に質の高いエビデンスを創生するには、様々なアウトカムとともに、補正因
子の調査が不可欠です。このため、毎年行う調査項目は増加しましたが、国際的にも認知されやすくなり、
ひいては実診療にも生かされる資料となっています。再度ご理解の程、お願い申し上げます。③、毎年調査
項目に対するニーズが変化しています。これに対応すべく調査項目を決定し、調査項目が増加し続けないよ
うに、新規調査項目は毎年変えざるを得ません。④、調査項目に関する決定を 1 年前に行うのは現状では困
難ですが、今後は学術委員会や保険委員会とも連携し、実現したいと考えています。⑤、本調査を毎年行う
意義は非常に大きいと考えます。調査が隔年毎、あるいは不定期になれば、本調査に対するモチベーション
が低下し、回収率が低下する事を懸念します。本調査は、毎年行うからこそ、高い回収率が維持できている
のだと確信しています。⑥、調査や解析結果をご協力いただいた会員諸氏に十分還元できていない点も大き
な不満としてご意見を頂いていましたが、2012 年から日本透析医学会のホームページに設置された「会員専
用ページ」で、従来の『電話帳』と揶揄されていた現況報告から、図説現況、CD-ROM 版現況など、全ての
統計資料が正会員のみならず、全ての施設会員に閲覧が可能となりました。また検索機能も付加されており、
知りたい帳票を瞬時に検索可能となりました。施設会員には会員専用ページのログイン ID とパスワードが
配布されていますので、是非ご覧頂き、ご利用頂ければ幸いです。さらに、昨年に引き続き 2013 年末調査用
エクセルファイルには様々なマクロ機能を追加し、2011 年の全国データと貴施設の入力データの比較や、ガ
イドラインなどの目標値との関連が、即時に判断出来るように工夫致しました。是非ご覧頂き、貴施設の状
況把握に役立てて頂きたいと考えています。また、6 年前から開始した公募研究には多数応募頂き、委員会
が行う委員会研究に加え、学会、研究会などで発表、論文化されています。統計資料はガイドラインの基礎
資料の作成等、わが国の透析医療の発展に今後益々寄与していくものと考えます。⑦、本調査は 2011 年に日
本透析医学会の倫理委員会に付託し、倫理指針に抵触しないことが確認されています。現在、さらなる個人
情報の匿名化強化などに努めている所です。
これですべてご納得いただけるとは思いませんが、今後もひとえに努力して参る所存です。今後とも、ご
協力の程、宜しくお願い申し上げます。
以上、
高い回収率で「図説 わが国の慢性透析療法の現況(2013 年 12 月 31 日現在)」の公刊に到りましたのは、
ひとえに会員をはじめスタッフの方々のご協力の賜物であります。厚く御礼申し上げるとともに、統計調査
委員会としましても、臨床に役立つ情報を出来る限りご提供できますよう、さらに努力しなければならない
と考えております。最後に、統計調査にご協力頂いた皆様、ならびに全国の地域協力委員の先生方のご尽力
に深く感謝申し上げます。
一般社団法人 日本透析医学会 統計調査委員会 委員長 椿原 美治
図説 わが国の慢性透析療法の現況(2013年12月31日現在)
目 次
Ⅰ.2013年末の慢性透析患者に関する基礎集計
1) わ が 国 の 慢 性 透 析 療 法 の 要 約
(1)わが国の慢性透析療法の要約(図表1)
… ………………………………………… 2
2) 患 者 数 等
(1)慢性透析患者数の推移(図表2)
… …………………………………………………
(2)年別導入患者数、死亡患者数の推移(図表3)
… …………………………………
(3)年別人口100万対比の透析患者数の推移(図表4)………………………………
(4)人工腎臓台数の推移(図表5)
… ……………………………………………………
(5)慢性透析治療の形態(図表6)
… ……………………………………………………
(6)慢性透析治療の形態の割合推移(図表7)
… ………………………………………
… ……………………………………………
(7)都道府県別慢性透析患者数(図表8)
3
4
5
6
7
8
9
3) 導 入 患 者 の 現 状
(1)導入患者の年齢と性別(図表9)
… ………………………………………………… 10
(2)導入患者の原疾患別人数と平均年齢(図表10)
…………………………………… 11
(3)導入患者の主要原疾患の割合推移(図表11)
……………………………………… 12
(4)導入患者の主要原疾患別の平均年齢推移(図表12)
……………………………… 13
4) 年 末 患 者 の 現 状
(1)年末患者の年齢と性別(図表13)
…………………………………………………… 14
(2)年末患者の透析歴と性別(図表14)
………………………………………………… 15
(3)年末患者の透析歴別患者数推移(図表15)
………………………………………… 16
(4)年末患者の原疾患別人数と平均年齢(図表16)
…………………………………… 17
(5)年末患者の主要原疾患の割合推移(図表17)
……………………………………… 18
(6)年末患者の主要原疾患別の平均年齢推移(図表18)
……………………………… 19
…………………………………………… 20
(7)年末患者の年齢別患者数推移(図表19)
(8)各年導入患者および各年末患者の平均年齢の推移(図表20)
…………………… 21
5) 死 亡 原 因
(1)導入患者の死亡原因分類(図表21)
………………………………………………… 22
(2)導入患者の死亡年齢層別死因分布(図表22)
……………………………………… 23
(3)導入年死亡患者死亡原因の推移(図表23)
………………………………………… 24
(4)2013年死亡患者の死亡原因分類(図表24)
………………………………………… 25
(5)2013年死亡患者の年齢層別死因分布(図表25)
…………………………………… 26
(6)年別死亡原因の推移(図表26)
……………………………………………………… 27
6) 年 間 粗 死 亡 率 と 生 存 率
(1)年別粗死亡率の推移(図表27)
……………………………………………………… 28
(2)導入後1年・5年・10年・15年・20年・25年・30年生存率の推移(図表28)
…… 29
Ⅱ.2013年末の慢性透析患者に関する集計
1) 透 析 液 水 質 管 理 状 況
(1)透析液エンドトキシン検査(図表29)
……………………………………………… 32
(2)透析液細菌検査(図表30)
…………………………………………………………… 33
(3)エンドトキシン捕捉フィルタ(ETRF)装着状況(図表31)… ………………… 34
(4)透析液エンドトキシン濃度と細菌数(図表32)
…………………………………… 35
(5)水質管理状況の推移①②(図表33)
…………………………………………… 36、37
v
図説 わが国の慢性透析療法の現況(2013年12月31日現在)
目 次
2) 血 液 透 析 濾 過 調 査
(1)血液透析濾過(HDF)の患者数・希釈方法・置換液量(図表34)
……………… 38
(2)HDF施行理由(図表35)
……………………………………………………………… 39
(3)施設血液透析(HD)と血液透析濾過(HDF)の比較(図表36)… …………… 40
3) 腹 膜 透 析 調 査
(1)腹膜透析(PD)患者の現況(図表37)
…………………………………………… 41
(2)透析液交換方法とPD歴別APD使用状況、1日のPD実施時間(図表38)… …… 42
(3)PD歴別尿量、PD除水量、総除水量(図表39)… ………………………………… 43
(4)腹膜平衡試験(PET)D/P Cr 比(図表40)… …………………………………… 44
(5)PD歴別残腎Kt/V、PD Kt/V、総Kt/V(図表41)………………………………… 45
(6)腹膜炎、出口部感染(図表42)
……………………………………………………… 46
… …………………………………… 47
(7)被嚢性腹膜硬化症(EPS)の既往(図表43)
4) 糖 尿 病 調 査
(1)糖尿病既往患者について(図表44)
………………………………………………… 48
(2)血糖管理指標測定状況と糖尿病治療薬の使用状況(図表45)
…………………… 49
Ⅲ.統計調査利用規程
会告 日本透析医学会雑誌第36巻 4 号巻頭会告より転載… ………………………… 52
vi
Ⅰ.2013年末の慢性透析患者に
関する基礎集計
1)わが国の慢性透析療法の要約
日本透析医学会は、1968年から毎年末に、全国の透析療法施設を対象に統計調査を行っている。調査票は、施設調
査票(透析ベッド数、スタッフ数、患者数などの施設背景に関する調査)と、患者調査票(個々の患者に関する調査)
からなっている。
2013年末の統計調査は全国の4,325施設を対象に実施され、4,264施設から回答が寄せられた。2012年末から26施設
の増加である。施設調査票の回収率は98.6%、患者調査票の回収率は96.3%であり,例年通りの回収率であった。調
査に協力賜った各施設のご好意ならびに地域協力委員の諸兄に対し、紙面をお借りして深甚なる感謝の意を呈したい。
これらの調査結果を集計した2013年末のわが国の慢性透析療法の現況を速報版として報告する。なお、
この図説(速
報)に掲載された患者数などは速報値である。年末までに追加・修正されたデータを基に作成された確定値はCDROM版として配布される。透析患者数の推移など経年的な変化として図説に記される昨年の値は、2012年のCDROM版(確定値)との比較であり、2013年と2012年の比較についての確定比較は2013年版CD-ROM版とで行ってい
ただきたい。
(1)わが国の慢性透析療法の要約(図表1)
施 設 数
設 備
能 力
4,264施設
(26施設増
0.6%増)
ベッドサイドコンソール
128,016台
(3,013台増
2.4%増)
同時透析
126,145人
(2,870人増
2.3%増)
最大収容能力
421,755人
(7,460人増
1.8%増)
314,180人
(4,173人増)
慢性透析患者
※慢性透析患者の総数は、施設調査票 患者総数欄の合計であり、治療方法別患者数の合計とは必ずしも一致しない。
人口100万対比
2,468.1人
(36.9人増)
昼 間
263,109人
(83.7%)
夜 間
41,365人
(13.2%)
在宅血液
461人
(0.1%)
腹膜透析
9,245人
(2.9%)
HD、HDF等とPDを併用している患者数
1,900人
HD、HDF等施行患者で、腹膜カテーテルを残し洗浄などを行っている患者数
293人
腹膜透析で新規導入したが、2013年中にHD、HDF等へ移行した脱落患者数
161人
導入患者数
38,024人
(31人減
0.1%減)
死亡患者数
30,708人
(2人減
0.0%減)
上記は施設調査による集計
男性
女性
不詳
5年未満透析患者数
96,916
47,743
1
144,660
(47.3%)
5年以上10年未満透析患者数
48,928
27,905
0
76,833
(25.1%)
10年以上15年未満透析患者数
23,609
15,755
0
39,364
(12.9%)
15年以上20年未満透析患者数
11,859
  8,918
0
20,777
(6.8%)
20年以上25年未満透析患者数
  6,145
  5,237
0
11,382
(3.7%)
25年以上30年未満透析患者数
  3,479
  3,107
0
6,586
(2.2%)
30年以上35年未満透析患者数
  2,100
  1,806
0
3,906
(1.3%)
35年以上透析患者数
  1,209
  1,032
0
2,241
(0.7%)
不詳(不明・記載なし)
      89
      37
1
127
※透析歴別患者数は患者調査票より算出
最長透析歴
計
(0.0%)
患者調査による集計
45年7 ヵ月
患者調査による集計
解説
今回の調査で回答された施設は4,264施設となり、前年度と比べ26施設(0.6%)増加した。ベッドサイドコ
ンソールは128,016台であり3,013台の増加、同時透析可能人数は126,145人、最大収容能力は421,755人であり、
それぞれ2012年末と比較して、2.4%、2.3%、1.8%の増加であった。
一方、透析スケジュール別にみると、昼間透析の割合は83.7%で0.4%の増加、夜間透析は13.2%で0.3%減少
した。在宅血液透析患者は461人であり、68人増加した。一方、腹膜透析(PD)患者数は9,245人で、269人減
少し、全透析患者数に占める割合も2.9%と0.2%減少した。主な治療法のいかんに関わらず,施設調査票で
PDと血液透析(HD)、血液透析濾過(HDF)とを併用していると回答された患者は1,900人で32人減少した。
現在はHD,HDF等施行中で、以前PDを行っていたため腹膜カテーテルを残して洗浄のみ実施している患者は
293人で54人減少した。2013年にPDで新規導入されたが2013年中にHD,HDF等に移行し、PDから脱落した患
者は161人であり、2012年と比較して、14人減少した。
20年以上の透析患者数は24,115人で前年度と比べ793人増加し、全透析患者の中の割合で7.9%と漸増してい
る。35年以上の透析歴を持つ患者は2,241人で全患者の0.7%を占めていた。最長透析歴は45年7 ヶ月であった。
2
1)わが国の慢性透析療法の要約
2)患者数等
(1)慢性透析患者数の推移(図表2)
人
350,000
314,180
310,007
304,856
298,252
300,000
290,661
283,421
275,242
264,473
257,765
248,166
250,000
237,710
229,538
219,183
206,134
200,000
197,213
185,322
175,988
167,192
154,413
150,000
143,709
134,298
123,926
116,303
103,296
100,000
88,534
80,553
※
83,221
73,537
66,310
59,811
50,000
0
53,017
47,978
42,223
36,397
32,331
27,048
22,579
18,010
13,059
9,245
6,148
3,631
215 301 9491,826
68/ 69/ 70/ 71/ 72/ 73/ 74/ 75/ 76/ 77/ 78/ 79/ 80/ 81/ 82/ 83/ 84/ 85/ 86/ 87/ 88/ 89/ 90/ 91/ 92/ 93/ 94/ 95/ 96/ 97/ 98/ 99/ 00/ 01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/ 08/ 09/ 10/ 11/ 12/ 13/
04 04 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12
年
年
患者数
年
1968/ 1969/ 1970/ 1971/ 1972/ 1973/ 1974/ 1975/ 1976/ 1977/ 1978/ 1979/ 1980/ 1981/ 1982/ 1983/ 1984/ 1985/ 1986/ 1987/ 1988/ 1989/ 1990/
04
04
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
215
301
949
1,826
3,631
6,148
9,245 13,059 18,010 22,579 27,048 32,331 36,397 42,223 47,978 53,017 59,811 66,310 73,537 80,553 88,534 83,221 103,296
1991/ 1992/ 1993/ 1994/ 1995/ 1996/ 1997/ 1998/ 1999/ 2000/ 2001/ 2002/ 2003/ 2004/ 2005/ 2006/ 2007/ 2008/ 2009/ 2010/ 2011/ 2012/ 2013/
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
患者数 116,303 123,926 134,298 143,709 154,413 167,192 175,988 185,322 197,213 206,134 219,183 229,538 237,710 248,166 257,765 264,473 275,242 283,421 290,661 298,252 304,856 310,007 314,180
施設調査による集計
解説
2011年末に初めて30万人を超えたわが国の慢性透析患者数は2013年末には314,180人となった。この数は、前
年より4,173人の増加である。2005年ころまで年間約1万人ずつ増加していたが、近年慢性透析患者数の増加が鈍
ってきていて、2013年中の患者数の増加は、前年度の増加5,151人をさらに下回った。
※1989年の患者数の減少は、アンケート回収率が86%と例外的に低かったことによる見掛け上の影響である。
3
1)わが国の慢性透析療法の要約
2)患者数等
(2)年別導入患者数、死亡患者数の推移(図表3)
人
40,000
導入患者数
35,000
死亡数
30,000
25,000
20,000
15,000
※
10,000
5,000
0
1983 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
年
年
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
導入患者数 11,348 12,606 13,416 14,175 14,699 16,470 14,174 18,411 20,877 22,475 23,874 24,296 26,398 28,409 28,870 29,641
死亡患者数   4,538   5,000   5,770   6,296   6,581   7,765   6,766   8,939   9,722 11,621 12,143 13,187 14,406 15,174 16,102 16,687
年
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
導入患者数 31,483 32,018 33,243 33,710 33,966 35,084 36,063 36,373 36,934 38,180 37,566 37,512 38,613 38,055 38,024
死亡患者数 18,524 18,938 19,850 20,614 21,672 22,715 23,983 24,034 25,253 27,266 27,646 28,882 30,743 30,710 30,708
施設調査による集計
解説
2013年の導入患者は38,024人で前年度より31人減少した。近年導入患者数の増加はみられなくなってきて
いる。
2011年には導入患者数が反転したが、2009年以来、2009、10、12年に引き続き2013年も導入患者数が前年
を下回った。一方、死亡者数は30,708人で2012年より2人減少した。死亡患者数は一貫して増加してきたが、
2011年以降の3年間は、増加がやや落ち着いてきたように見える。
※1989年の患者数の減少は、アンケート回収率が86%と例外的に低かったことによる見掛け上の影響である。
4
1)わが国の慢性透析療法の要約
2)患者数等
(3)年別人口100万対比の透析患者数の推移(図表4)
人
2,600
2,400
2,200
2,000
1,800
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
1983 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 年
年
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989*
1990
1991
1992
100万対比
443.7
497.5
547.8
604.4
658.8
721.1
790.0
835.7
937.6
995.8 1,076.4 1,149.4 1,229.7 1,328.4 1,394.9 1,465.2
年
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
1993
2009
1994
2010
1995
2011
1996
2012
1997
1998
2013
100万対比 1,556.7 1,624.1 1,721.9 1,801.2 1,862.7 1,943.5 2,017.6 2,069.9 2,154.2 2,219.6 2,279.5 2,329.1 2,385.4 2,431.2 2,468.1
1989*:回収率86%で補正
わが国の総人口は100位を四捨五入
施設調査による集計
解説
人口100万人あたりの透析患者数は2,468.1人であり、前年度より36.9人増加し、国民405.2人に1人が透析
患者であることになる。人口対比率は年々増加している。
5
1)わが国の慢性透析療法の要約
2)患者数等
(4)人工腎臓台数の推移(図表5)
台
130,000
128,016
125,003
121,863
120,000
118,622
114,979
111,998
110,000
108,583
104,382
100,552
100,000
97,366
92,710
89,070
90,000
83,914
79,709
80,000
75,448
69,733
70,000
66,880
63,742
59,715
58,561
60,000
53,262
49,650
50,000
45,682
40,723
40,000
36,447 ※
33,527 34,099
30,846
30,000
28,715
26,558
24,474
22,939
21,032
20,000
18,963
16,519
12,569
10,545
9,204
10,000
7,246
5,515
4,986
3,022
1,575
48 105 206 606
0
66/ 68/ 69/ 70/ 71/ 72/ 73/ 74/ 75/ 76/ 77/ 78/ 79/ 80/ 81/ 82/ 83/ 84/ 85/ 86/ 87/ 88/ 89/ 90/ 91/ 92/ 93/ 94/ 95/ 96/ 97/ 98/ 99/ 00/ 01/ 02/ 03/ 04/ 05/ 06/ 07/ 08/ 09/ 10/ 11/ 12/ 13/
12 08 08 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12
年
年
台数
年
1966/ 1968/ 1969/ 1970/ 1971/ 1972/ 1973/ 1974/ 1975/ 1976/ 1977/ 1978/ 1979/ 1980/ 1981/ 1982/ 1983/ 1984/ 1985/ 1986/ 1987/ 1988/ 1989/ 1990/
12
08
08
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
48
105
206
606
1,575
3,022
4,986
5,515
7,246
9,204 10,545 12,569 16,519 18,963 21,032 22,939 24,474 26,558 28,715 30,846 33,527 36,447 34,099 40,723
1991/ 1992/ 1993/ 1994/ 1995/ 1996/ 1997/ 1998/ 1999/ 2000/ 2001/ 2002/ 2003/ 2004/ 2005/ 2006/ 2007/ 2008/ 2009/ 2010/ 2011/ 2012/ 2013/
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
台数 45,682 49,650 53,262 58,561 59,715 63,742 66,880 69,733 75,448 79,709 83,914 89,070 92,710 97,366 100,552 104,382 108,583 111,998 114,979 118,622 121,863 125,003 128,016
施設調査による集計
解説
2013年末の人工腎臓(ベッドサイドコンソール)台数は128,016台であり、前年度より3,013台増加した。
※1989年の台数の減少はアンケート回収率が86%と例外的に低かったことによる見掛け上の影響である。
6
1)わが国の慢性透析療法の要約
2)患者数等
(5)慢性透析治療の形態(図表6)
2.9%
(9,245人)
0.1%
(461人)
13.2%
(41,365人)
昼間血液透析
夜間血液透析
在宅血液透析
腹膜透析
83.7%
(263,109人)
昼間透析
夜間透析
在宅血液透析
腹膜透析
昼間透析
都道府県名 昼間通院 昼間入院 夜間通院 夜間入院 在宅通院 在宅入院 腹膜通院 腹膜入院
北海道 11,457
1,763
1,392
50
9
2
395
夜間透析
在宅血液透析
腹膜透析
都道府県名 昼間通院 昼間入院 夜間通院 夜間入院 在宅通院 在宅入院 腹膜通院 腹膜入院
計
14 15,082
滋賀県
2,051
320
446
7
計
28
0
132
5
2,989
6,247
青森県
2,808
214
279
1
0
0
64
5
3,371
京都府
4,365
644
993
4
8
0
216
17
岩手県
2,298
209
374
0
0
0
106
5
2,992
大阪府 17,034
2,009
2,738
79
37
0
544
24 22,465
宮城県
3,908
314
828
33
0
0
72
4
5,159
兵庫県 10,128
1,175
1,614
10
58
0
255
12 13,252
秋田県
1,473
236
101
0
2
0
49
6
1,867
奈良県
2,692
207
287
0
6
0
156
3
山形県
1,917
251
307
4
7
1
62
5
2,554
和歌山県
2,336
287
292
34
9
0
36
0
2,994
福島県
3,719
344
408
0
0
0
138
7
4,616
鳥取県
1,110
109
131
1
0
0
72
3
1,426
茨城県
5,940
628
875
1
2
0
126
2
7,574
島根県
1,204
115
141
1
1
0
67
1
1,530
栃木県
4,584
419
773
6
2
0
73
3
5,860
岡山県
3,368
517
624
31
4
0
183
19
4,746
群馬県
4,214
490
776
19
6
0
77
5
5,587
広島県
5,433
828
691
3
18
0
398
9
7,380
埼玉県 13,129
1,067
1,829
4
74
0
305
0 16,408
山口県
2,489
440
353
10
0
0
123
6
3,421
千葉県 10,384
1,111
1,579
34
5
0
259
9 13,381
徳島県
2,003
265
283
4
3
0
147
18
2,723
東京都 21,475
2,418
5,104
102
51
0
1,123
27 30,300
香川県
1,943
224
198
2
8
0
189
5
2,569
神奈川県 14,303
1,466
2,783
39
25
0
526
7 19,149
愛媛県
2,707
515
361
24
0
0
131
5
3,743
0
2,312
3,351
新潟県
3,491
317
965
13
1
0
163
7
4,957
高知県
1,678
330
240
38
0
0
26
富山県
1,792
272
285
1
2
0
99
2
2,453
福岡県 10,010
1,311
2,197
54
3
0
608
石川県
2,005
240
320
0
0
0
76
0
2,641
佐賀県
1,678
300
294
0
1
0
17
2
福井県
1,378
156
176
4
3
0
69
2
1,788
長崎県
2,893
374
482
21
2
0
119
21
3,912
山梨県
1,775
145
204
2
0
0
9
0
2,135
熊本県
4,531
671
979
3
1
0
156
4
6,345
長野県
3,476
399
745
6
4
0
131
2
4,763
大分県
2,887
507
335
16
3
0
145
2
3,895
岐阜県
3,598
418
623
5
18
0
96
2
4,760
宮崎県
2,950
303
447
12
0
0
51
4
3,767
静岡県
8,011
759
1,314
0
7
0
189
7 10,287
鹿児島県
4,035
679
457
11
1
0
91
11
5,285
愛知県 12,135
1,326
2,916
43
44
0
643
31 17,138
沖縄県
3,211
400
537
24
0
0
79
2
4,253
365
521
12
5
0
82
768
458
3
8,873
三重県
3,246
7
小合計 235,252 27,857 40,597
4,238
合計
263,109
※慢性透析患者の総数は、施設調査票患者総数欄の合計であり、治療方法別患者数の合計とは必ずしも一致しない。
41,365
461
40 14,223
2,292
372 314,180
9,245 314,180
施設調査による集計
解説
2013年末における慢性透析患者の治療形態は昼間血液透析が263,109人(83.7%)
、夜間血液透析は41,365人
(13.2%)で2012年末に比較して、それぞれ0.4ポイントの増加、0.3ポイントの減少であった。近年、夜間透析
患者の割合が減少している。在宅血液透析患者は461人(0.1%)で、前年より68人増加した。在宅血液透析の
増加は慢性透析患者数に比べその増加のペースが速い。在宅血液透析が10人以上実施されているのは10都道
府県であった。従来同様、大都市近郊に多く、分布には地域差がある。腹膜透析患者数は9,245人(2.9%)で
あり前年度より269人減少し、割合も0.2ポイント減少した。
7
1)わが国の慢性透析療法の要約
2)患者数等
(6)慢性透析治療の形態の割合推移(図表7)
㸣
昼間
夜間
在宅
腹膜
年
昼間
夜間
在宅
腹膜
年
昼間
夜間
在宅
腹膜
1975 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
/6 /6
1975
1976
1977 1978.6 1979.6 1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
10,504
(80.4)
2,447
(18.7)
108
(0.8)
0
(0.0)
13,864
(77.0)
3,721
(20.7)
103
(0.6)
322
(1.8)
17,317
(76.7)
4,887
(21.6)
116
(0.5)
259
(1.1)
19,184
(76.0)
5,766
(22.8)
115
(0.5)
185
(0.7)
23,096
(75.5)
7,168
(23.4)
121
(0.4)
218
(0.7)
27,135
(74.6)
8,889
(24.4)
123
(0.3)
250
(0.7)
31,311
(74.2)
10,541
(25.0)
128
(0.3)
243
(0.6)
34,852
(72.6)
12,548
(26.2)
118
(0.2)
460
(1.0)
38,010
(71.7)
13,963
(26.3)
132
(0.2)
912
(1.7)
42,193
(70.5)
16,162
(27.0)
136
(0.2)
1,320
(2.2)
46,836
(70.6)
17,686
(26.7)
147
(0.2)
1,641
(2.5)
51,724
(70.3)
19,541
(26.6)
154
(0.2)
2,118
(2.9)
56,554
(70.2)
21,324
(26.5)
151
(0.2)
2,524
(3.1)
61,978
(70.0)
23,171
(26.2)
141
(0.2)
3,244
(3.7)
58,023
(69.7)
21,985
(26.4)
38
(0.0)
3,175
(3.8)
73,868
(71.5)
24,806
(24.0)
35
(0.0)
4,587
(4.4)
83,378
(71.7)
27,397
(23.6)
37
(0.0)
5,491
(4.7)
88,980
(71.8)
28,718
(23.2)
111
(0.1)
6,117
(4.9)
97,238 104,577
(72.4) (72.8)
29,999 31,477
(22.3) (21.9)
100
98
(0.1) (0.1)
6,961
7,557
(5.2) (5.3)
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
112,815 123,025 131,321 139,521 149,978 157,336 169,386 180,810 187,533 196,337 206,340 213,454 223,953 231,517 238,848 246,146 253,916 258,131 263,109
(73.1) (73.6) (74.6) (75.3) (76.0) (76.3) (77.3) (78.8) (78.9) (79.1) (80.0) (80.7) (81.4) (81.7) (82.2) (82.5) (83.3) (83.3) (83.7)
33,270 35,289 35,368 36,755 38,086 39,841 40,854 39,756 41,202 42,600 41,871 41,641 41,742 42,405 41,719 42,052 40,971 41,969 41,365
(21.5) (21.1) (20.1) (19.8) (19.3) (19.3) (18.6) (17.3) (17.3) (17.2) (16.2) (15.7) (15.2) (15.0) (14.4) (14.1) (13.4) (13.5) (13.2)
98
14
90
87
75
101
103
99
110
114
127
147
187
193
236
277
327
393
461
(0.1) (0.0) (0.1) (0.0) (0.0) (0.0) (0.0) (0.0) (0.0) (0.0) (0.0) (0.1) (0.1) (0.1) (0.1) (0.1 (0.1) (0.1) (0.1)
8,230
8,864
9,204
8,959
9,074
8,856
8,840
8,865
8,861
9,126
9,431
9,223
9,362
9,300
9,858
9,773
9,642
9,514
9,245
(5.3) (5.3) (5.2) (4.8) (4.6) (4.3) (4.0) (3.9) (3.7) (3.7) (3.7) (3.5) (3.4) (3.3) (3.4) (3.3) (3.2) (3.1) (2.9)
施設調査による集計
解説
1990年頃を境として、一貫して昼間透析の人数と割合は共に増加している。2013年末には昼間透析の割合
は83.7%であった。夜間透析患者数の透析人口全体に占める割合は一貫して減少しているが、その実数はこ
の10年間ほぼ横ばいで推移している。在宅血液透析は2013年末でも0.1%にすぎないが、患者数は2009年から
増加のスピードが速まっている。腹膜透析は近年、患者数、割合とも漸減傾向にある。
8
1)わが国の慢性透析療法の要約
2)患者数等
(7)都道府県別慢性透析患者数(図表8)
北海道
青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
福島県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
新潟県
富山県
石川県
福井県
山梨県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県
三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
山口県
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
0
都道府県名
2,500
5,000
患者数
北海道
15,082
青森県
7,500
10,000
都道府県名
12,500
15,000
患者数
17,500
20,000
都道府県名
22,500
25,000
患者数
27,500
30,000
都道府県名
32,500人
患者数
東京都
30,300
滋賀県
2,989
香川県
2,569
3,371
神奈川県 19,149
京都府
6,247
愛媛県
3,743
岩手県
2,992
新潟県
4,957
大阪府
22,465
高知県
2,312
宮城県
5,159
富山県
2,453
兵庫県
13,252
福岡県
14,223
秋田県
1,867
石川県
2,641
奈良県
3,351
佐賀県
2,292
山形県
2,554
福井県
1,788
和歌山県 2,994
長崎県
3,912
福島県
4,616
山梨県
2,135
鳥取県
1,426
熊本県
6,345
茨城県
7,574
長野県
4,763
島根県
1,530
大分県
3,895
栃木県
5,860
岐阜県
4,760
岡山県
4,746
宮崎県
3,767
群馬県
5,587
静岡県
10,287
広島県
7,380
鹿児島県 5,285
埼玉県
16,408
愛知県
17,138
山口県
3,421
沖縄県
千葉県
13,381
三重県
4,238
徳島県
2,723
合 計
※ 慢性透析患者の総数は、施設調査票患者総数欄の合計であり、治療方法別患者数の合計とは必ずしも一致しない。
4,253
314,180
施設調査による集計
解説
わが国の慢性透析患者数を都道府県別に集計した結果は図表に示すとおりであり、慢性透析患者数は、
東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県、北海道、福岡県、千葉県、兵庫県、静岡県の順に多かった。
この順位は近年変動はなく、従来同様、大都市近郊に多い傾向にあった。人数では、上位10県でいずれ
も患者数が1万人を超えていた。
9
1)わが国の慢性透析療法の要約
3)導入患者の現状
(1)導入患者の年齢と性別(図表9)
%
18
17
16
男性
15
14
女性
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
5歳未満 5∼
導入時年齢
10∼
15∼
20∼
25∼
男性
30∼
35∼
40∼
45∼
女性
50∼
55∼
60∼
合計
65∼
70∼
75∼
記載なし
80∼
85∼
90∼
95∼ 歳
総計
5歳未満
10
(0.0)
8
(0.1)
18
(0.0)
0
18
(0.0)
5歳~ 5
(0.0)
3
(0.0)
8
(0.0)
0
8
(0.0)
10歳~  6
(0.0)
5
(0.0)
11
(0.0)
0
11
(0.0)
15歳~  15
(0.1)
10
(0.1)
25
(0.1)
0
25
(0.1)
20歳~  34
(0.1)
27
(0.2)
61
(0.2)
0
61
(0.2)
25歳~  88
(0.4)
50
(0.4)
138
(0.4)
0
138
(0.4)
30歳~  204
(0.8)
106
(0.9)
310
(0.9)
0
310
(0.9)
35歳~  384
(1.6)
173
(1.5)
557
(1.5)
0
557
(1.5)
40歳~  733
(3.0)
294
(2.5)
1,027
(2.8)
0
1,027
(2.8)
45歳~  1,025
(4.2)
372
(3.2)
1,397
(3.9)
0
1,397
(3.9)
50歳~  1,333
(5.5)
468
(4.0)
1,801
(5.0)
0
1,801
(5.0)
55歳~  1,825
(7.5)
707
(6.0)
2,532
(7.0)
0
2,532
(7.0)
60歳~  2,904
(11.9)
1,147
(9.8)
4,051
(11.2)
0
4,051
(11.2)
65歳~  3,564
(14.6)
1,421
(12.1)
4,985
(13.8)
0
4,985
(13.8)
70歳~  3,693
(15.1)
1,651
(14.0)
5,344
(14.8)
0
5,344
(14.8)
75歳~  3,761
(15.4)
1,929
(16.4)
5,690
(15.7)
0
5,690
(15.7)
80歳~  2,997
(12.3)
1,871
(15.9)
4,868
(13.5)
0
4,868
(13.5)
85歳~  1,420
(5.8)
1,140
(9.7)
2,560
(7.1)
0
2,560
(7.1)
90歳~  339
(1.4)
315
(2.7)
654
(1.8)
0
654
(1.8)
95歳~  39
(0.2)
54
(0.5)
93
(0.3)
0
93
(0.3)
24,379
(100.0)
11,751
(100.0)
36,130
(100.0)
0
36,130
(100.0)
合計
記載なし
18
6
24
0
24
総計
24,397
11,757
36,154
0
36,154
平均
67.86
70.37
68.68
68.68
標準偏差
13.18
13.83
13.44
13.44
数値右のかっこ内は列方向の合計に対する%です。
患者調査による集計
解説
患者調査表に記載された2013年導入患者数は36,154人、年齢と性別の記載された合計は36,130人であっ
た。このうち男性は24,379人で、女性は11,751人であり、前年度と同様に男性が女性の約2倍であった。
昨年同様、最も割合が高い年齢層は男性・女性とも75 ~ 80歳未満であった。導入時平均年齢は男性が
67.86歳、女性は70.37歳で、前年と比べそれぞれ0.21歳、0.26歳高齢化した。女性の平均年齢が高いのは、
80歳以上が女性では28.8%と、4人に1人を超える割合である一方、男性では19.7%しかいないことの反映
であろう。全体の平均年齢は68.68歳で、前年との比較では 0.23歳増加した。
10
1)わが国の慢性透析療法の要約
3)導入患者の現状
(2)導入患者の原疾患別人数と平均年齢(図表10)
慢性糸球体腎炎
慢性腎盂腎炎
急速進行性糸球体腎炎
妊娠腎 / 妊娠中毒症
その他分類不能の腎炎
多発性嚢胞腎
腎硬化症
悪性高血圧
糖尿病性腎症
SLE腎炎
アミロイド腎
痛風腎
先天性代謝異常による腎不全
腎・尿路結核
腎・尿路結石
腎・尿路腫瘍
閉塞性尿路障害
骨髄腫
腎形成不全
移植後再導入
その他
不明
0
原疾患
10
患者数(%)
20
30
40
50
原疾患
60
患者数(%)
70
平均年齢
80 歳
平均年齢
標準偏差
慢性糸球体腎炎
6,777
(18.8)
68.50
14.22
腎・尿路結核
17
(0.0)
74.82
標準偏差
8.63
慢性腎盂腎炎
279
(0.8)
67.55
15.19
腎・尿路結石
55
(0.2)
69.40
14.01
急速進行性糸球体腎炎
505
(1.4)
73.02
11.76
腎・尿路腫瘍
164
(0.5)
73.30
9.83
妊娠腎/妊娠中毒症
37
(0.1)
59.46
13.40
閉塞性尿路障害
96
(0.3)
68.93
16.82
その他分類不能の腎炎
135
(0.4)
62.35
20.14
骨髄腫
129
(0.4)
71.06
11.24
多発性嚢胞腎
907
(2.5)
62.33
13.18
腎形成不全
47
(0.1)
43.36
25.52
腎硬化症
4,701
(13.0)
74.59
11.61
移植後再導入
206
(0.6)
59.88
15.98
悪性高血圧
281
(0.8)
64.25
17.37
その他
1,375
(3.8)
68.47
16.32
糖尿病性腎症
15,837
(43.8)
66.84
12.17
不明
4,141
(11.5)
71.94
13.19
SLE腎炎
258
(0.7)
61.55
16.63
合計
36,139
(100.0)
68.68
13.44
アミロイド腎
88
(0.2)
69.03
11.44
記載なし
15
68.14
15.01
痛風腎
87
(0.2)
63.21
13.71
総計
36,154
68.68
先天性代謝異常による腎不全
17
(0.0)
46.18
20.42
13.44
患者調査による集計
数値右のかっこ内は列方向の合計に対する%です。
解説
導入患者の原疾患の第一位は糖尿病性腎症で43.8%(前年の割合より 0.4ポイント減少)
、第二位が慢性糸
球体腎炎で18.8%(0.6ポイント減少)
、腎硬化症が13.0%(0.7ポイント増加)
、不明が11.5%(0.5ポイント増加)
であった。糖尿病性腎症は2008年に初めて前年より0.1ポイント減少し、その後導入患者の原疾患に占める
割合はほぼ横ばいで推移している。一方、慢性糸球体腎炎の漸減傾向に変化はなく、腎硬化症・不明はい
ずれも一貫して増加傾向にある。
導入時の平均年齢は、糖尿病性腎症で66.84歳(前年より0.14歳上昇)
、慢性糸球体腎炎で68.50歳(0.29歳
上昇)
、腎硬化症の平均年齢は74.59歳(0.26歳低下)であった。全体の68.68歳は2012年の68.45歳と比べて
0.23歳の上昇であった。比較的若年で導入されているのは、従来通り、腎形成不全、先天性代謝異常による
腎不全などの先天異常によるものであった。
11
1)わが国の慢性透析療法の要約
3)導入患者の現状
(3)導入患者の主要原疾患の割合推移(図表11)
%
70
糖尿病性腎症
慢性糸球体腎炎
腎硬化症
多発性嚢胞腎
慢性腎盂腎炎
急速進行性糸球体腎炎
SLE腎炎
不明
60
50
40
30
20
10
0
1983 84
85
86
年
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
年
1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998
糖尿病性腎症
15.6
17.4
19.6
21.3
22.1
24.3
26.5
26.2
28.1
28.4
29.9
30.7
31.9
33.1
33.9
35.7
慢性糸球体腎炎
60.5
58.7
56.0
54.8
54.2
49.9
47.4
46.1
44.2
42.2
41.4
40.5
39.4
38.9
36.6
35.0
腎硬化症
  3.0
  3.3
  3.5
  3.7
  3.9
  3.9
  4.1
  5.4
  5.5
  5.9
  6.2
  6.1
  6.3
  6.4
  6.8
  6.7
多発性嚢胞腎
  2.8
  2.8
  3.1
  2.9
  3.2
  3.1
  3.1
  2.9
  3.0
  2.7
  2.6
  2.5
  2.4
  2.5
  2.4
  2.4
慢性腎盂腎炎
  2.4
  2.2
  2.1
  2.0
  1.8
  1.8
  1.5
  1.5
  1.7
  1.6
  1.1
  1.4
  1.2
  1.1
  1.2
  1.1
急速進行性糸球体腎炎
  0.9
  0.7
  0.9
  1.0
  0.8
  0.9
  0.8
  0.7
  0.6
  0.7
  0.8
  0.8
  0.8
  0.8
  1.1
  0.9
SLE腎炎
  1.1
  1.1
  1.1
  1.2
  0.9
  0.9
  1.0
  1.1
  1.3
  1.3
  1.2
  1.2
  1.1
  1.3
  1.0
  1.1
不明
  4.4
  4.0
  4.8
  4.2
  4.1
  3.8
  4.0
  3.3
  3.7
  3.7
  3.3
  3.9
  4.5
  5.0
  5.5
  5.6
年
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
糖尿病性腎症
36.2
36.6
38.1
39.1
41.0
41.3
42.0
42.9
43.4
43.3
44.5
43.6
44.3
44.2
43.8
慢性糸球体腎炎
33.6
32.5
32.4
31.9
29.1
28.1
27.4
25.6
23.8
22.8
21.9
21.0
20.2
19.4
18.8
腎硬化症
  7.0
  7.6
  7.6
  7.8
  8.5
  8.8
  9.0
  9.4
10.0
10.6
10.7
11.7
11.8
12.3
13.0
多発性嚢胞腎
  2.2
  2.4
  2.3
  2.4
  2.3
  2.7
  2.3
  2.4
  2.3
  2.5
  2.3
  2.4
  2.5
  2.5
  2.5
慢性腎盂腎炎
  1.1
  1.0
  1.1
  0.9
  1.0
  0.9
  1.0
  0.8
  0.8
  0.7
  0.7
  0.8
  0.7
  0.8
  0.8
急速進行性糸球体腎炎
  0.9
  1.0
  1.0
  1.1
  1.2
  1.1
  1.1
  1.2
  1.3
  1.2
  1.2
  1.2
  1.3
  1.3
  1.4
SLE腎炎
  1.2
  0.9
  1.0
  0.9
  0.7
  0.8
  0.8
  0.8
  0.8
  0.8
  0.7
  0.8
  0.7
  0.7
  0.7
不明
  6.1
  7.6
  9.0
  8.4
  8.8
  9.3
  9.5
  9.9
10.2
10.6
10.7
10.7
10.9
11.0
11.5
患者調査による集計
解説
1998年に糖尿病性腎症と慢性糸球体腎炎との間で首位の座が入れ替わって以来、糖尿病性腎症の割合
は増加の一途であったが、この数年ほぼ横ばいで推移している。2013年は43.8%の患者が糖尿病性腎症を
原疾患とした導入であった。第二位の慢性糸球体腎炎は引き続き減少傾向にあり、2013年では18.8%であ
った。第三位は腎硬化症の13.0%である。腎硬化症は透析導入患者の高齢化を反映し一貫して増加してい
る。第4位は原疾患不明の11.5%であり、原疾患不明の患者数も漸増している。その他の原疾患は、ほぼ
例年通りの比率であり、大きな変化はみられなかった。
12
1)わが国の慢性透析療法の要約
3)導入患者の現状
(4)導入患者の主要原疾患別の平均年齢推移(図表12)
ࠉṓ
糖尿病性腎症
慢性糸球体腎炎
腎硬化症
多発性嚢胞腎
慢性腎盂腎炎
急速進行性糸球体腎炎
SLE腎炎
不明
1987
88
89
年
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
糖尿病性腎症
59.0
59.4
59.5
60.2
59.8
61.0
60.8
61.0
61.6
62.0
62.5
62.6
63.3
63.4
慢性糸球体腎炎
54.0
54.9
55.3
55.9
55.9
57.3
58.0
58.8
59.2
59.9
60.5
61.3
62.3
62.3
腎硬化症
69.3
69.6
69.3
69.6
69.4
70.7
70.5
71.2
71.5
71.4
71.4
71.9
72.4
72.6
多発性嚢胞腎
54.8
55.8
55.0
55.7
56.6
56.0
56.8
57.4
57.8
57.8
58.7
58.6
58.0
59.7
慢性腎盂腎炎
54.6
56.3
56.5
57.1
58.6
58.7
57.7
58.2
60.4
59.0
62.6
62.6
61.4
61.4
急速進行性糸球体腎炎
54.4
56.5
58.5
57.9
56.0
59.0
57.9
61.8
63.0
61.8
63.5
65.2
65.5
67.5
SLE腎炎
39.7
40.4
42.2
47.1
49.4
51.6
50.6
51.6
51.9
53.1
53.8
51.6
53.1
56.1
不明
59.5
62.2
62.8
62.9
63.1
63.7
63.8
64.4
64.7
64.8
65.4
65.9
66.5
66.6
2013
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
糖尿病性腎症
年
64.0
64.0
64.5
64.6
64.9
65.2
65.4
65.6
65.7
66.1
66.1
66.7
66.8
慢性糸球体腎炎
62.2
63.9
64.5
65.3
65.9
65.9
66.5
67.0
66.9
67.6
67.6
68.2
68.5
腎硬化症
72.2
72.6
73.0
73.2
73.3
73.8
73.7
74.1
74.1
74.7
74.2
74.9
74.6
多発性嚢胞腎
59.7
58.8
59.7
59.8
60.4
60.7
61.3
62.0
61.5
61.3
61.7
62.5
62.3
慢性腎盂腎炎
62.6
64.7
64.7
63.7
63.3
65.2
64.4
66.4
67.9
66.4
68.5
65.9
67.6
急速進行性糸球体腎炎
66.4
67.8
68.7
68.4
68.3
69.2
70.0
69.5
70.4
69.2
70.5
71.4
73.0
SLE腎炎
55.4
58.6
58.1
58.9
59.7
60.9
60.5
61.6
60.4
61.5
62.2
62.1
61.6
不明
67.0
67.2
68.2
69.0
69.5
69.1
69.8
70.3
70.9
71.2
71.2
71.8
71.9
患者調査による集計
解説
透析導入患者における主要原疾患別の平均年齢の経時的な推移を見ると、透析導入患者の高齢化を反
映しいずれの原疾患でも平均年齢は一貫して上昇している。なかでも、腎硬化症が一貫して最も平均年
齢が高く、2013年末では74.6歳となっている。一方、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎については、以前は
糖尿病性腎症の平均年齢の方が高かったが、2004年にその順位が入れ替わり、慢性糸球体腎炎の平均年
齢が糖尿病性腎症の平均年齢より高くなった。SLE腎炎は1987年には平均年齢は39.7歳であったが、急速
進行糸球体腎炎とともにその高齢化は急速である。
13
1)わが国の慢性透析療法の要約
4)年末患者の現状
(1)年末患者の年齢と性別(図表13)
%
20
18
男性
16
女性
14
12
10
8
6
4
2
0
5歳未満 5∼
年齢
10∼
15∼
20∼
25∼
男性
30∼
35∼
40∼
45∼
女性
50∼
55∼
60∼
合計
65∼
70∼
75∼
80∼
記載なし
85∼
90∼
95∼ 歳
総計
5 歳未満
25
(0.0)
17
(0.0)
42
(0.0)
0
(0.0)
42
(0.0)
5 歳~
11
(0.0)
15
(0.0)
26
(0.0)
0
(0.0)
26
(0.0)
10 歳~
28
(0.0)
20
(0.0)
48
(0.0)
0
(0.0)
48
(0.0)
15 歳~
63
(0.0)
34
(0.0)
97
(0.0)
0
(0.0)
97
(0.0)
20 歳~
177
(0.1)
100
(0.1)
277
(0.1)
0
(0.0)
277
(0.1)
25 歳~
511
(0.3)
238
(0.2)
749
(0.2)
0
(0.0)
749
(0.2)
30 歳~
1,241
(0.6)
628
(0.6)
1,869
(0.6)
0
(0.0)
1,869
(0.6)
35 歳~
2,982
(1.5)
1,390
(1.2)
4,372
(1.4)
0
(0.0)
4,372
(1.4)
40 歳~
6,060
(3.1)
2,723
(2.4)
8,783
(2.9)
0
(0.0)
8,783
(2.9)
45 歳~
9,027
(4.6)
3,954
(3.5)
12,981
(4.2)
0
(0.0)
12,981
(4.2)
50 歳~
12,125
(6.2)
5,674
(5.1)
17,799
(5.8)
1
(50.0)
17,800
(5.8)
55 歳~
17,359
(8.9)
8,639
(7.7)
25,998
(8.5)
0
(0.0)
25,998
(8.5)
60 歳~
28,702
(14.8)
15,187
(13.6)
43,889
(14.3)
0
(0.0)
43,889
(14.3)
65 歳~
31,978
(16.5)
16,950
(15.2)
48,928
(16.0)
0
(0.0)
48,928
(16.0)
70 歳~
30,218
(15.6)
17,262
(15.5)
47,480
(15.5)
0
(0.0)
47,480
(15.5)
75 歳~
25,876
(13.3)
15,894
(14.3)
41,770
(13.7)
0
(0.0)
41,770
(13.7)
(10.0)
80 歳~
17,896
(9.2)
12,685
(11.4)
30,581
(10.0)
0
(0.0)
30,581
85 歳~
8,001
(4.1)
7,431
(6.7)
15,432
(5.0)
1
(50.0)
15,433
(5.0)
90 歳~
1,801
(0.9)
2,319
(2.1)
4,120
(1.3)
0
(0.0)
4,120
(1.3)
95 歳~
合計
記載なし
総計
241
(0.1)
375
(0.3)
616
(0.2)
0
(0.0)
616
(0.2)
194,322
(100.0)
111,535
(100.0)
305,857
(100.0)
2
(100.0)
305,859
(100.0)
12
5
17
0
17
194,334
111,540
305,874
2
305,876
平均
66.42
68.57
67.20
70.00
67.20
標準偏差
12.38
12.64
12.52
24.04
12.52
患者調査による集計
数値右のかっこ内は列方向の合計に対する%です。
解説
患者調査表に記載された年末患者総数は305,876人であったが、その中で性別、年齢が記載されていた
305,857人で検討すると、年末患者の平均年齢は67.20歳で、昨年からは0.33歳増加した。男女別では、男
性の平均年齢は66.42歳で0.33歳の増加、女性の平均年齢は68.57歳で0.36歳の増加であった。男性では最も
割合が高い年齢層は65 ~ 70歳未満であり、女性では70 ~ 75歳未満であった。男性のピークはベビーブ
ーム世代を反映していると考えられる。女性では、男性と比較して、75歳以上の高齢者がより多い傾向が
あった。
14
1)わが国の慢性透析療法の要約
4)年末患者の現状
(2)年末患者の透析歴と性別(図表14)
人
100,000
90,000
80,000
男性
70,000
女性
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
5年未満
透析期間
5年以上10年未満
10年以上15年未満 15年以上20年未満 20年以上25年未満
25年以上30年未満 30年以上35年未満
35年以上
男性患者
女性患者
不詳
計
%
5年未満
96,916
47,743
1
144,660
47.3
5年以上10年未満
48,928
27,905
0
76,833
25.1
10年以上15年未満
23,609
15,755
0
39,364
12.9
15年以上20年未満
11,859
8,918
0
20,777
6.8
20年以上25年未満
6,145
5,237
0
11,382
3.7
25年以上30年未満
3,479
3,107
0
6,586
2.2
30年以上35年未満
2,100
1,806
0
3,906
1.3
35年以上
1,209
1,032
0
2,241
0.7
合計
194,245
111,503
1
305,749
100.0
不明
86
35
0
121
3
2
1
6
194,334
111,540
2
305,876
記載なし
総計
患者調査による集計
解説
慢性透析患者の透析期間別による性別患者数の分布は図表に示す通りで、男性がいずれの透析期間で
も女性より多いが、男女差は長期透析となるほど小さくなっている。5年未満の患者数は全体の47.3%、5
年以上10年未満は25.1%で、2012年の割合よりそれぞれ0.3ポイント、0.1ポイント減少した。一方、10年
以上15年未満は12.9%、15年以上20年未満は6.8%、20年以上25年未満は3.7%、25年以上は4.2%で、2012
年に比較して20年以上25年未満は変化がなかったが、それ以外ではいずれの透析期間においても0.1ポイ
ント増加した。短期の患者割合が年々減少する一方で、長期透析患者の漸増傾向が認められる。25年以
上の長期透析患者は12,733人で前年度より426人増加した。
15
1)わが国の慢性透析療法の要約
4)年末患者の現状
(3)年末患者の透析歴別患者数推移(図表15)
人
350,000
25年∼
300,000
20∼24年
15∼19年
10∼14年
250,000
5∼9年
∼4年
200,000
150,000
100,000
50,000
0
1988 89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13 年
年
~ 4年
5 ~ 9年
10 ~ 14年
15 ~ 19年
20 ~ 24年
25年~
1988
47,087
22,423
11,783
2,441
28
0
1989
46,617
22,238
12,285
3,485
95
0
1990
52,327
24,472
13,704
5,089
242
0
1991
63,584
27,709
15,418
6,974
566
2
1992
65,835
29,775
16,438
8,429
1,170
8
1993
71,547
31,340
17,102
9,479
2,001
23
1994
77,690
33,162
18,228
10,436
3,035
75
1995
82,757
35,145
18,934
11,142
4,202
193
1996
89,049
37,524
19,820
11,755
5,364
448
1997
93,402
39,781
20,604
12,193
6,308
874
1998
97,230
42,163
21,052
12,600
6,952
1,485
1999
99,120
43,365
21,150
12,594
7,342
2,114
2000
106,993
47,792
22,826
13,199
8,024
3,076
年
~ 4年
5 ~ 9年
10 ~ 14年
15 ~ 19年
20 ~ 24年
25年~
2001
107,803
50,888
24,050
13,765
8,450
4,080
2002
113,075
53,766
25,376
14,206
8,765
5,008
2003
117,116
56,169
26,710
14,463
8,992
5,996
2004
120,159
58,357
27,738
14,453
9,034
6,865
2005
121,803
59,295
28,550
14,605
8,838
7,422
2006
124,576
62,117
30,318
15,419
9,252
8,275
2007
130,708
66,076
32,270
16,472
9,603
9,227
2008
133,827
68,617
33,696
17,265
9,815
10,017
2009
136,934
71,251
35,074
18,111
9,876
10,750
2010
139,371
73,320
36,338
18,852
10,335
11,233
2011
141,076
75,073
37,588
19,534
10,629
11,835
2012
143,360
75,991
38,547
20,238
11,015
12,307
2013
144,660
76,833
39,364
20,777
11,382
12,733
患者調査による集計
解説
年末患者の透析歴別患者数の推移をみると、20年以上の透析歴をもつ患者が一貫して増加している。1992年
には1%にも満たなかった透析歴20年以上の患者は、2013年末には7.9%を占めるに至っている。さらに、10年以
上の透析歴を持つ患者も27.6%にのぼる。10年以上の透析歴をもつ患者の割合はわずかずつではあるが、増加
傾向にある。
16
1)わが国の慢性透析療法の要約
4)年末患者の現状
(4)年末患者の原疾患別人数と平均年齢(図表16)
/
嚢
0
10
20
30
40
50
80 歳
平均年齢
標準偏差
平均年齢
標準偏差
99,029
(32.4)
66.17
12.54
腎・尿路結核
230
(0.1)
72.04
  8.87
慢性腎盂腎炎
3,049
(1.0)
64.99
13.98
腎・尿路結石
600
(0.2)
70.54
10.85
急速進行性糸球体腎炎
2,411
(0.8)
68.54
13.19
腎・尿路腫瘍
854
(0.3)
72.25
10.89
妊娠腎/妊娠中毒症
1,657
(0.5)
63.83
10.02
閉塞性尿路障害
750
(0.2)
63.38
17.20
その他分類不能の腎炎
1,335
(0.4)
60.19
16.76
骨髄腫
262
(0.1)
69.78
12.49
多発性嚢胞腎
10,654
(3.5)
64.70
11.22
腎形成不全
626
(0.2)
43.43
19.02
腎硬化症
26,428
(8.6)
73.83
11.82
移植後再導入
2,179
(0.7)
55.77
12.62
15.78
患者数(%)
患者数(%)
70
慢性糸球体腎炎
原疾患
原疾患
60
悪性高血圧
2,498
(0.8)
63.96
14.84
その他
7,232
(2.4)
65.16
糖尿病性腎症
115,118
(37.6)
67.11
11.24
不明
26,806
(8.8)
69.50
13.13
SLE腎炎
2,285
(0.7)
60.27
13.73
合計
305,846
(100.0)
67.20
12.52
アミロイド腎
452
(0.1)
66.69
11.50
記載なし
30
(0.0)
70.64
13.44
痛風腎
1,128
(0.4)
67.03
11.42
総計
305,876
(0.0)
67.20
12.52
先天性代謝異常による腎不全
263
(0.1)
48.92
17.34
患者調査による集計
数値右のかっこ内は列方向の合計に対する%です。
解説
年末患者の原疾患では糖尿病性腎症が第一位で37.6%を占めた。第二位は慢性糸球体腎炎で32.4%であ
った。2012年と比べ糖尿病性腎症は0.5ポイント増加し、慢性糸球体腎炎は1.2ポイント減少した。 2012年
には、糖尿病性腎症と慢性糸球体腎炎との差は3.5%であったが、2013年にはその差が5.2%とさらに拡大
した。さらに、患者数においても2000年以降10万人台で推移していた慢性糸球体腎炎の患者数が10万人
を下回った。
慢性糸球体腎炎の平均年齢は66.17歳、糖尿病性腎症は67.11歳、腎硬化症は73.83歳であり、それぞれ前
年と比較し0.39歳、0.20歳、0.06歳増加した。透析導入患者同様、腎硬化症の平均年齢が高く、先天異常
にともなう腎疾患の平均年齢が低いなど、原疾患別平均年齢は原疾患自体の臨床的特徴に影響される部
分が多い。
17
1)わが国の慢性透析療法の要約
4)年末患者の現状
(5)年末患者の主要原疾患の割合推移(図表17)
%
80
70
60
糖尿病性腎症
慢性糸球体腎炎
腎硬化症
多発性嚢胞腎
慢性腎盂腎炎
急速進行性糸球体腎炎
SLE腎炎
不明
50
40
30
20
10
0
1983 84
85
86
年
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13年
1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998
糖尿病性腎症
  7.4
  8.4
  9.4
10.5
11.7
12.8
14.0
14.9
16.4
17.1
18.2
19.2
20.4
21.6
22.7
24.0
慢性糸球体腎炎
74.5
72.1
72.3
70.6
69.4
67.9
65.9
64.1
61.7
60.4
58.8
57.7
56.6
55.4
54.1
52.5
腎硬化症
  1.5
  1.7
  1.9
  2.0
  2.1
  2.1
  2.3
  2.6
  2.9
  3.1
  3.4
  3.6
  3.8
  4.0
  4.2
  4.4
多発性嚢胞腎
  2.7
  2.9
  3.0
  3.1
  3.1
  3.2
  3.2
  3.3
  3.3
  3.3
  3.3
  3.2
  3.2
  3.2
  3.2
  3.2
慢性腎盂腎炎
  3.1
  3.3
  2.6
  2.4
  2.4
  2.3
  2.2
  2.2
  2.1
  2.0
  1.9
  1.8
  1.7
  1.6
  1.6
  1.5
急速進行性糸球体腎炎
  0.5
  0.4
  0.5
  0.5
  0.5
  0.5
  0.5
  0.5
  0.5
  0.5
  0.5
  0.5
  0.5
  0.5
  0.6
  0.6
SLE腎炎
  0.8
  0.8
  0.9
  0.9
  0.9
  0.9
  0.9
  1.0
  1.1
  1.1
  1.1
  1.1
  1.1
  1.1
  1.1
  1.1
不明
  2.2
  2.3
  2.3
  2.5
  2.6
  2.5
  2.6
  2.6
  2.9
  2.9
  2.9
  3.1
  3.2
  3.6
  3.9
  4.2
年
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
糖尿病性腎症
25.1
26.0
27.2
28.1
29.2
30.2
31.4
32.3
33.4
34.2
35.1
35.9
36.7
37.1
37.6
慢性糸球体腎炎
51.1
49.7
49.6
48.2
46.6
45.1
43.6
42.2
40.4
39.0
37.6
36.2
34.8
33.6
32.4
腎硬化症
  4.5
  4.8
  5.0
  5.1
  5.3
  5.7
  5.9
  6.2
  6.5
  6.8
  7.1
  7.5
  7.9
  8.3
  8.6
多発性嚢胞腎
  3.2
  3.2
  3.3
  3.3
  3.3
  3.4
  3.3
  3.4
  3.4
  3.4
  3.4
  3.4
  3.4
  3.4
  3.5
慢性腎盂腎炎
  1.5
  1.4
  1.4
  1.3
  1.3
  1.3
  1.2
  1.2
  1.2
  1.1
  1.1
  1.1
  1.0
  1.0
  1.0
急速進行性糸球体腎炎
  0.6
  0.6
  0.6
  0.6
  0.6
  0.6
  0.6
  0.6
  0.7
  0.7
  0.7
  0.7
  0.7
  0.8
  0.8
SLE腎炎
  1.1
  1.0
  1.0
  1.0
  0.9
  0.9
  0.9
  0.9
  0.9
  0.8
  0.8
  0.8
  0.8
  0.8
  0.7
不明
  4.4
  5.0
  5.6
  5.9
  6.3
  6.4
  6.6
  7.0
  7.4
  7.6
  7.7
  8.0
  8.2
  8.5
  8.8
患者調査による集計
解説
経年的な年末患者の主要原疾患の割合の推移をみると、慢性糸球体腎炎は直線的に減少し、糖尿病性
腎症は直線的に上昇する傾向である。2011年末から、糖尿病性腎症が第一位、慢性糸球体腎炎が第二位
となった。2013年末もその順位に変化はなく、糖尿病性腎症が37.6%(0.5ポイント増加)、慢性糸球体腎
炎は32.4%(1.2ポイント減少)とその差はさらに拡大した。第三位は原疾患不明で8.8%(0.3ポイント増加)、
第四位は腎硬化症で8.6%(0.3ポイント増加)であった。その他、多発性嚢胞腎、慢性腎盂腎炎、SLE腎炎、
急速進行性糸球体腎炎などの割合はほぼ例年通りの数値で推移している。
18
1)わが国の慢性透析療法の要約
4)年末患者の現状
(6)年末患者の主要原疾患別の平均年齢推移(図表18)
歳
75
70
65
60
55
糖尿病性腎症
慢性糸球体腎炎
腎硬化症
多発性嚢胞腎
慢性腎盂腎炎
急速進行性糸球体腎炎
SLE腎炎
不明
50
45
40
87
88
89
年
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13年
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
糖尿病性腎症
58.0
58.4
59.1
59.6
59.8
60.3
60.6
61.0
61.3
61.8
62.2
62.6
63.1
2000
63.4
慢性糸球体腎炎
50.6
51.4
52.1
52.8
53.6
54.2
54.9
55.6
56.3
57.0
57.5
58.2
58.9
59.5
腎硬化症
67.0
67.4
67.9
68.1
68.5
69.1
69.3
69.7
70.2
70.5
70.6
71.0
71.3
71.6
多発性嚢胞腎
55.8
56.3
56.6
57.1
57.4
57.7
58.2
58.5
58.9
59.3
59.7
60.1
60.4
60.7
慢性腎盂腎炎
52.0
52.8
53.6
54.1
55.0
55.7
55.8
56.1
56.8
57.4
57.9
58.5
59.0
59.4
急速進行性糸球体腎炎
50.5
51.7
52.7
52.3
52.2
52.7
53.6
54.6
55.7
56.9
58.1
58.7
59.6
61.0
SLE腎炎
40.9
41.8
42.5
44.0
45.5
46.9
47.6
48.1
48.5
49.5
50.3
50.5
51.0
51.7
不明
54.8
56.1
57.0
58.2
58.8
59.6
59.7
60.6
61.2
61.7
62.1
62.8
63.4
63.9
2013
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
糖尿病性腎症
年
63.8
64.1
64.5
64.8
65.1
65.4
65.7
66.0
66.2
66.5
66.7
66.9
67.1
慢性糸球体腎炎
60.0
60.6
61.2
61.8
62.4
63.0
63.5
64.0
64.5
65.0
65.4
65.8
66.2
73.8
腎硬化症
71.6
71.7
72.0
72.2
72.5
72.7
72.9
73.1
73.3
73.6
73.6
73.8
多発性嚢胞腎
60.9
61.2
61.5
61.8
62.2
62.5
62.9
63.3
63.5
63.8
64.1
64.4
64.7
慢性腎盂腎炎
59.7
60.6
61.1
61.4
61.8
62.3
62.8
63.2
63.7
64.0
64.4
64.4
65.0
急速進行性糸球体腎炎
SLE腎炎
不明
61.1
52.3
64.2
62.0
53.2
64.7
63.0
53.7
65.1
63.6
54.7
65.6
64.2
55.6
66.2
64.4
56.2
66.7
65.0
56.9
67.1
65.4
57.8
67.6
66.2
58.3
68.1
66.6
59.0
68.6
67.2
59.6
68.9
67.9
60.1
69.1
68.5
60.3
69.5
患者調査による集計
解説
経年的な年末患者における主要原疾患別の平均年齢の経時的推移をみると、導入患者と同様にいずれ
の疾患においても平均年齢は一貫して上昇している。年末患者においても、腎硬化症が最も平均年齢が
高く、2013年末には、73.8歳であった。糖尿病性腎症と、慢性糸球体腎炎は依然平均年齢は糖尿病性腎症
の方が高いが、その差は1987年の7.4歳が2013年には0.9歳まで縮まっており、慢性糸球体腎炎を原疾患と
する患者の平均年齢の上昇が反映されている。また、透析導入患者と同様、SLE腎炎、急速進行性糸球体
腎炎の高齢化が著しい。
19
1)わが国の慢性透析療法の要約
4)年末患者の現状
(7)年末患者の年齢別患者数推移(図表19)
人
350,000
90 歳∼
80 ∼ 89 歳
300,000
75 ∼ 79 歳
70 ∼ 74 歳
65 ∼ 69 歳
250,000
60 ∼ 64 歳
50 ∼ 59 歳
40 ∼ 49 歳
30 ∼ 39 歳
200,000
20 ∼ 29 歳
∼ 19 歳
150,000
100,000
50,000
0
1982 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13年
年
~ 19歳
20 ~ 29歳
30 ~ 39歳
40 ~ 49歳
50 ~ 59歳
60 ~ 64歳
65 ~ 69歳
70 ~ 74歳
75 ~ 79歳
80 ~ 89歳
90歳~
1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989
849
683
628
527
517
587
505
438
3,050
3,060
2,972
2,900
2,758
2,927
2,703
2,512
9,378 10,191 10,790 11,490 11,695 12,285 11,089
9,782
10,668 12,030 13,399 14,609 15,493 18,495 19,671 20,011
9,835 11,783 13,512 15,648 17,418 21,196 22,221 22,254
3,346
4,101
5,086
6,094
6,931
8,943
9,922 10,496
2,633
3,107
3,628
4,469
5,066
6,382
7,177
7,837
1,657
2,232
2,788
3,437
3,975
4,899
5,339
5,497
668
955
1,258
1,662
2,021
2,896
3,377
3,853
180
256
369
541
725
1,179
1,430
1,730
2
4
10
12
14
43
52
62
1990
470
2,656
9,611
22,088
25,259
12,296
9,388
6,669
4,608
2,384
68
1991
606
2,985
9,913
25,169
30,444
15,045
12,060
8,370
5,891
3,252
92
1992 1993
580
576
2,947
3,001
9,426
9,340
25,751 26,510
32,392 35,043
16,596 18,069
13,566 15,612
9,371 10,756
6,550
7,350
3,872
4,787
124
181
1994 1995 1996
596
579
555
3,153
3,125
3,240
9,123
8,984
8,842
27,355 28,420 29,267
37,711 39,047 41,068
20,056 21,817 23,550
17,600 19,572 21,635
12,450 14,016 16,277
8,126
9,200 10,471
6,003
7,052
8,366
219
313
354
1997
546
3,177
8,934
28,019
43,463
25,052
23,484
18,597
11,738
9,344
473
年
~ 19歳
20 ~ 29歳
30 ~ 39歳
40 ~ 49歳
50 ~ 59歳
60 ~ 64歳
65 ~ 69歳
70 ~ 74歳
75 ~ 79歳
80 ~ 89歳
90歳~
1998
516
3,028
8,857
26,087
46,401
25,838
25,160
20,607
13,282
10,650
599
2006
227
1,653
8,371
19,530
56,711
33,492
37,469
35,862
28,552
25,663
2,363
2007
232
1,571
8,235
20,203
55,424
36,939
39,521
38,861
31,638
29,090
2,636
2008
215
1,454
7,960
20,385
52,730
39,849
41,922
40,096
33,565
32,133
2,924
2010
179
1,260
7,312
20,999
47,261
46,894
43,160
42,638
37,951
38,028
3,762
2013
213
1,026
6,241
21,764
43,798
43,889
48,928
47,480
41,770
46,014
4,736
1999 2000
473
417
2,846
2,809
8,541
8,953
23,958 23,371
48,113 51,868
25,965 28,155
26,208 29,022
22,066 25,001
14,657 16,953
11,679 13,978
724
933
2001
388
2,572
8,910
22,601
53,261
29,890
30,473
26,212
18,466
15,034
984
2002
389
2,427
8,896
21,895
54,600
31,358
32,733
28,638
20,961
16,785
1,284
2003
308
2,246
8,860
21,227
55,504
33,417
33,747
30,564
23,248
18,714
1,550
2004
274
2,039
8,681
20,454
55,390
34,975
34,759
32,198
25,272
20,639
1,824
2005
253
1,842
8,228
19,798
55,779
33,666
35,290
33,966
26,767
22,765
2,100
2009
215
1,346
7,687
20,690
49,874
42,982
43,932
41,173
35,605
35,174
3,301
2011
183
1,221
7,009
21,360
45,802
48,955
42,203
44,581
39,700
40,681
4,036
2012
215
1,119
6,674
21,534
44,593
47,162
45,664
45,430
41,255
43,578
4,314
患者調査による集計
解説
年末患者の年齢別患者数の推移をみると、65歳未満の患者数は、過去約15年間にわたりほぼ一定である。
一方、65歳以上の患者数および全患者に占める割合は一貫して増加傾向にあり、透析患者数の増加が、
この年代の患者数が増加していることに起因することが分かる。
20
1)わが国の慢性透析療法の要約
4)年末患者の現状
(8)各年導入患者および各年末患者の平均年齢の推移(図表20)
歳
70
導入患者平均年齢
年末患者平均年齢
65
60
55
50
45
1983 84
85
年
86
87
88
1983
89
1984
90
91
1985
92
93
1986
94
1987
95
96
1988
97
98
1989
99
00
1990
01
1991
02
03
1992
04
05
1993
06
07
1994
08
1995
09
10
1996
11
12
1997
13
年
1998
導入患者平均年齢
51.9
53.2
54.4
55.1
55.9
56.9
57.4
58.1
58.1
59.5
59.8
60.4
61.0
61.5
62.2
62.7
年末患者平均年齢
48.3
49.2
50.3
51.1
52.1
52.9
53.8
54.5
55.3
56.0
56.6
57.3
58.0
58.6
59.2
59.9
年
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
導入患者平均年齢
63.4
63.8
64.2
64.7
65.4
65.8
66.2
66.4
66.8
67.2
67.3
67.8
67.8
68.4
68.7
年末患者平均年齢
60.6
61.2
61.6
62.2
62.8
63.3
63.9
64.4
64.9
65.3
65.8
66.2
66.6
66.9
67.2
患者調査による集計
解説
経年的な導入患者平均年齢および年末患者平均年齢の推移は図表に示す通りである。透析患者の平均
年齢は毎年ほぼ直線的に増加してきたが、導入患者・年末患者ともその平均年齢はその上昇がやや鈍化
してきている。導入患者では2013年の平均年齢は68.7歳で2012年よりも0.6歳増加した。一方、2013年の年
末患者の平均年齢は67.2歳で、前年より0.3歳増加した。近年、年末患者の平均年齢の上昇は従来に比較す
るとゆるやかになっているものの、導入患者の平均年齢の伸びよりはペースが速く、導入患者・年末患
者の平均年齢の差は減少傾向にある。
21
1)わが国の慢性透析療法の要約
5)死亡原因
(1)導入患者の死亡原因分類(図表21)
心不全
脳血管障害
感染症
消化管出血
悪性腫瘍
悪液質/尿毒症
心筋梗塞
男性
カリウム中毒/頓死
女性
肝硬変症
自殺/拒否
腸閉塞
肺血栓/肺栓塞
災害・事故死
その他
不明
0
死因
5
10
記載なし
15
総計
20
死因
男性
女性
合計
心不全
(%)
345
(23.1)
207
(25.8)
552
(24.0)
0
552
(24.0)
自殺 / 拒否
(%)
16
(1.1)
5
(0.6)
21
(0.9)
0
21
(0.9)
脳血管障害
(%)
93
(6.0)
51
(6.4)
144
(6.3)
0
144
(6.3)
腸閉塞
(%)
10
(0.7)
5
(0.6)
15
(0.7)
0
15
(0.7)
感染症
(%)
396
(26.5)
199
(24.8)
595
(25.9)
0
595
(25.9)
肺血栓 / 肺栓塞
(%)
6
(0.4)
4
(0.5)
10
(0.4)
0
10
(0.4)
消化管出血
(%)
33
(2.2)
13
(1.6)
46
(2.0)
0
46
(2.0)
災害・事故死
(%)
2
(0.1)
3
(0.4)
5
(0.2)
0
5
(0.2)
悪性腫瘍
(%)
198
(13.2)
81
(10.1)
279
(12.1)
0
279
(12.1)
その他
(%)
138
(9.2)
91
(11.3)
229
(10.0)
0
229
(10.0)
悪液質 / 尿毒症
(%)
58
(3.9)
42
(5.2)
100
(4.3)
0
100
(4.3)
不明
(%)
101
(6.8)
54
(6.7)
155
(6.7)
0
155
(6.7)
心筋梗塞
(%)
50
(3.3)
17
(2.1)
67
(2.9)
0
67
(2.9)
合計
1,496
(%) (100.0)
803
(100.0)
2,299
(100.0)
0
2,299
(100.0)
カリウム中毒 / 頓死
(%)
25
(1.7)
12
(1.5)
37
(1.6)
0
37
(1.6)
肝硬変症
(%)
25
(1.7)
19
(2.4)
44
(1.9)
0
44
(1.9)
男性
30 %
25
女性
合計
記載なし
総計
記載なし
5
5
10
0
10
総計
1,501
808
2,309
0
2,309
患者調査による集計
数値下のかっこ内は列方向の合計に対する%です。
解説
2013年新規導入患者の2013年末までの死亡原因を男女別に分類した図表である。男性では、感染症(26.5
%)
、心不全(23.1%)、悪性腫瘍(13.2%)、脳血管障害(6.0%)の順で多く、女性では心不全(25.8%)、
感染症(24.8%)、悪性腫瘍(10.1%)、脳血管障害(6.4%)の順で多かった。男性の順序は2012年と同様
であったが、感染症、心不全がそれぞれ0.8ポイント、0.4ポイント減少した一方、悪性腫瘍は1.2ポイント、
脳血管障害は0.9ポイント増加した。女性の順序は2010年から心不全が第一位であるが、女性の心不全の
割合は、2013年には2012年に比較して3.7ポイントと大きく減少した。全体では感染症が25.9%で第1位の
死因であった(2012年と比べて0.2ポイントの増加)、第2位は心不全の24.0%で、2012年と比較して1.5ポイ
ント減少した。第3位は悪性腫瘍の12.1%で1.5ポイント増加した。
22
1)わが国の慢性透析療法の要約
5)死亡原因
(2)導入患者の死亡年齢層別死因分布(図表22)
%
100
90
80
70
不明
その他
カリウム中毒/頓死
心筋梗塞
悪液質/尿毒症
悪性腫瘍
消化管出血
感染症
脳血管障害
心不全
60
50
40
30
20
10
0
∼44歳
45∼64歳
死因
心不全
(%)
脳血管障害
(%)
感染症
(%)
消化管出血
(%)
悪性腫瘍
(%)
悪液質/尿毒症
(%)
心筋梗塞
(%)
カリウム中毒/頓死
(%)
その他
(%)
不明
(%)
合計
(%)
記載なし
~ 44歳
5
(17.9)
2
(7.1)
6
(21.4)
1
(3.6)
3
(10.7)
0
(0.0)
1
(3.6)
2
(7.1)
5
(17.9)
3
(10.7)
28
(100.0)
0
総計
28
65∼74歳
75∼84歳
45歳~ 64歳 65歳~ 74歳 75歳~ 84歳
47
111
249
(19.1)
(22.2)
(25.2)
19
44
59
(7.7)
(8.8)
(6.0)
51
117
277
(20.7)
(23.4)
(28.1)
7
6
21
(2.8)
(1.2)
(2.1)
47
74
111
(19.1)
(14.8)
(11.2)
9
18
40
(3.7)
(3.6)
(4.1)
7
13
31
(2.8)
(2.6)
(3.1)
5
9
14
(2.0)
(1.8)
(1.4)
38
74
126
(15.4)
(14.8)
(12.8)
16
34
59
(6.5)
(6.8)
(6.0)
246
500
987
(100.0)
(100.0)
(100.0)
2
0
5
248
500
992
85歳∼
85歳~
138
(26.0)
19
(3.6)
143
(26.9)
11
(2.1)
43
(8.1)
33
(6.2)
15
(2.8)
7
(1.3)
80
(15.1)
42
(7.9)
531
(100.0)
3
合計
550
(24.0)
143
(6.2)
594
(25.9)
46
(2.0)
278
(12.1)
100
(4.4)
67
(2.9)
37
(1.6)
323
(14.1)
154
(6.7)
2,292
(100.0)
10
不明
2
記載なし
0
1
0
1
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
7
0
0
0
534
2,302
7
0
総計
552
(24.0)
144
(6.3)
595
(25.9)
46
(2.0)
279
(12.1)
100
(4.3)
67
(2.9)
37
(1.6)
324
(14.1)
155
(6.7)
2,299
(100.0)
10
2,309
患者調査による集計
解説
2013年新規導入患者で、2013年末までに亡くなった患者の各年齢層別死因の内訳を集計した。心不全、感
染症、悪液質/尿毒症の死亡患者に占める割合は高齢になるに従って増加した。一方、脳血管障害、カリウム中
毒/頓死は高齢になるほど死亡患者に占める割合は減少した。なお、悪性腫瘍については、45歳~ 64歳で割合
が高かった。
23
1)わが国の慢性透析療法の要約
5)死亡原因
(3)導入年死亡患者死亡原因の推移(図表23)
%
40
心不全
感染症
脳血管障害
悪性腫瘍
心筋梗塞
35
30
25
20
15
10
5
0
1990 91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13 年
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
心不全
32.3
33.4
32.6
32.3
30.0
26.9
22.6
23.4
24.4
23.3
22.8
26.0
感染症
14.1
15.7
12.6
14.2
14.5
16.6
18.7
17.8
18.3
19.8
19.7
19.4
脳血管障害
10.8
  9.5
  8.8
  8.9
  8.6
  9.5
  8.2
  9.2
  7.4
  7.1
  7.3
  8.2
悪性腫瘍
  8.6
  7.4
  7.5
  7.5
  8.4
  7.8
  9.1
  9.0
  6.4
  8.3
  9.2
  9.3
心筋梗塞
  3.8
  4.6
  4.5
  3.7
  5.6
  5.5
  5.2
  6.0
  5.1
  5.1
  4.8
  5.2
年
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
心不全
24.6
23.9
23.3
24.3
22.8
23.2
24.1
21.8
24.9
25.0
25.5
24.0
感染症
21.1
23.8
23.6
23.7
26.4
24.2
25.2
26.1
26.5
24.5
25.7
25.9
脳血管障害
  7.4
  7.6
  6.3
  6.5
  5.9
  5.5
  5.1
  5.4
  4.8
  5.4
  5.2
  6.3
悪性腫瘍
  9.3
  9.5
  9.1
  9.4
10.4
10.3
  9.8
10.4
12.5
11.6
10.6
12.1
心筋梗塞
  5.3
  4.2
  3.8
  3.8
  3.2
  3.5
  2.8
  3.5
  3.0
  3.5
  2.8
  2.9
年
患者調査による集計
解説
透析に新規導入された年に死亡した患者の死亡原因の推移を図表に示す。2011年には、心不全が第1位
の死因であったが、2012年と同様に、感染症が第1位(25.9%)、心不全が第2位(24.0%)であった。第3
位以降の順番は変わらず、悪性腫瘍(12.1%)、脳血管障害(6.3%)、心筋梗塞(2.9%)の順であった。長
期的には脳血管障害、心筋梗塞などの心血管疾患による死亡は減少傾向にあり、感染症、悪性腫瘍が増
加傾向にある。
24
1)わが国の慢性透析療法の要約
5)死亡原因
(4)2013年死亡患者の死亡原因分類(図表24)
心不全
脳血管障害
感染症
消化管出血
悪性腫瘍
悪液質/尿毒症
心筋梗塞
男性
カリウム中毒/頓死
女性
肝硬変症
自殺/拒否
腸閉塞
肺血栓/肺栓塞
災害・事故死
その他
不明
0
死因
5
10
記載なし
15
総計
20
死因
男性
30 %
25
男性
女性
合計
心不全
(%)
4,799
(25.7)
3,000
(28.8)
7,799
(26.9)
0
(0.0)
7,799
(26.9)
自殺 / 拒否
(%)
157
(0.8)
女性
54
(0.5)
合計
211
(0.7)
記載なし
0
(0.0)
総計
211
(0.7)
脳血管障害
(%)
1,275
(6.8)
806
(7.7)
2,081
(7.2)
0
(0.0)
2,081
(7.2)
腸閉塞
(%)
170
(0.9)
126
(1.2)
296
(1.0)
0
(0.0)
296
(1.0)
感染症
(%)
3,962
(21.3)
2,081
(20.0)
6,043
(20.8)
0
(0.0)
6,043
(20.8)
肺血栓 / 肺栓塞
(%)
59
(0.3)
25
(0.2)
84
(0.3)
0
(0.0)
84
(0.3)
消化管出血
(%)
281
(1.5)
169
(1.6)
450
(1.5)
0
(0.0)
450
(1.5)
災害・事故死
(%)
118
(0.6)
36
(0.3)
154
(0.5)
0
(0.0)
154
(0.5)
悪性腫瘍
(%)
2,018
(10.8)
712
(6.8)
2,730
(9.4)
0
(0.0)
2,730
(9.4)
その他
(%)
1,489
(8.0)
1,061
(10.2)
2,550
(8.8)
0
(0.0)
2,550
(8.8)
悪液質 / 尿毒症
(%)
667
(3.6)
545
(5.2)
1,212
(4.2)
0
(0.0)
1,212
(4.2)
不明
(%)
2,085
(11.2)
1,046
(10.1)
3,131
(10.8)
0
(0.0)
3,131
(10.8)
心筋梗塞
(%)
850
(4.6)
390
(3.7)
1,240
(4.3)
0
(0.0)
1,240
(4.3)
合計 18,641
(%) (100.0)
10,401
(100.0)
29,042
(100.0)
0
(0.0)
29,042
(100.0)
カリウム中毒 / 頓死
(%)
518
(2.8)
257
(2.5)
775
(2.7)
0
(0.0)
775
(2.7)
肝硬変症
(%)
193
(1.0)
93
(0.9)
286
(1.0)
0
(0.0)
286
(1.0)
記載なし
24
15
39
0
39
総計
18,665
10,416
29,081
0
29,081
患者調査による集計
数値下のかっこ内は列方向の合計に対する%です。
解説
2013年では、施設調査票で30,708人の死亡が報告されている。うち患者調査票に記載されている死亡患者は
29,081人であり、2012年と比べ383人減少した。患者調査表に死亡原因と性別が記載された29,042人で検討する
と、男性では心不全(25.7%)
、感染症(21.3%)
、悪性腫瘍(10.8%)
、脳血管障害(6.8%)の順であった。女
性では心不全(28.8%)
、感染症(20.0%)
、脳血管障害(7.7%)
、悪性腫瘍(6.8%)の順であった。全体では心
不全(26.9%)
、感染症(20.8%)
、悪性腫瘍(9.4%)
、脳血管障害(7.2%)の順であった。性別ごと、全体の死
因ともその順番は2012年と変わらなかった。心不全、脳血管障害、心筋梗塞を併せた心血管疾患の割合は、全
体で38.3%、男性では37.1%、女性では40.3%であった。
25
1)わが国の慢性透析療法の要約
5)死亡原因
(5)2013年死亡患者の年齢層別死因分布(図表25)
(5)全透析患者の死亡年齢層別死因分布(図表25)
%
100
90
80
70
不明
その他
カリウム中毒/頓死
心筋梗塞
悪液質/尿毒症
悪性腫瘍
消化管出血
感染症
脳血管障害
心不全
60
50
40
30
20
10
0
∼44歳
45∼64歳
死因
心不全
(%)
脳血管障害
(%)
感染症
(%)
消化管出血
(%)
悪性腫瘍
(%)
悪液質/尿毒症
(%)
心筋梗塞
(%)
カリウム中毒/頓死
(%)
その他
(%)
不明
(%)
合計
(%)
記載なし
~ 44歳
56
(24.2)
31
(13.4)
36
(15.6)
5
(2.2)
18
(7.8)
3
(1.3)
11
(4.8)
19
(8.2)
29
(12.6)
23
(10.0)
231
(100.0)
0
総計
231
65∼74歳
75∼84歳
45歳~ 64歳 65歳~ 74歳 75歳~ 84歳
895
1,981
3,147
(23.2)
(25.9)
(28.1)
447
586
715
(11.6)
(7.7)
(6.4)
593
1,529
2,504
(15.4)
(20.0)
(22.3)
58
110
179
(1.5)
(1.4)
(1.6)
400
849
1,044
(10.4)
(11.1)
(9.3)
79
205
518
(2.1)
(2.7)
(4.6)
241
395
424
(6.3)
(5.2)
(3.8)
187
221
245
(4.9)
(2.9)
(2.2)
460
922
1,315
(11.9)
(12.0)
(11.7)
495
854
1,127
(12.8)
(11.2)
(10.1)
3,855
7,652
11,218
(100.0)
(100.0)
(100.0)
6
9
18
3,861
7,661
11,236
85歳∼
85歳~
1,717
(28.3)
301
(5.0)
1,379
(22.7)
98
(1.6)
416
(6.9)
407
(6.7)
169
(2.8)
103
(1.7)
854
(14.1)
631
(10.4)
6,075
(100.0)
6
合計
7,796
(26.9)
2,080
(7.2)
6,041
(20.8)
450
(1.6)
2,727
(9.4)
1,212
(4.2)
1,240
(4.3)
775
(2.7)
3,580
(12.3)
3,130
(10.8)
29,031
(100.0)
39
不明
2
記載なし
1
1
0
2
0
0
0
3
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
10
1
0
0
6,081
29,070
10
1
総計
7,799
(26.9)
2,081
(7.2)
6,043
(20.8)
450
(1.5)
2,730
(9.4)
1,212
(4.2)
1,240
(4.3)
775
(2.7)
3,581
(12.3)
3,131
(10.8)
29,042
(100.0)
39
29,081
患者調査による集計
解説
透析患者全体で、
死亡患者の各年齢層別の死因の内訳を集計した。全体の傾向は透析導入患者と同様であり、
心不全、感染症、悪液質/尿毒症により死亡した患者の全死亡患者に占める割合は高齢になるに従って増加した。
一方、脳血管障害、カリウム中毒/頓死による死亡の割合は高齢になるほど減少した。悪性腫瘍については、65
歳~ 74歳が、心筋梗塞については、45歳~ 64歳で割合が最も高かった。
26
1)わが国の慢性透析療法の要約
5)死亡原因
(6)年別死亡原因の推移(図表26)
%
40
心不全
感染症
脳血管障害
悪性腫瘍
心筋梗塞
35
30
25
20
15
10
5
0
1983 84
年
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
年
1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998
心不全
30.3
30.5
31.3
33.2
32.7
36.5
33.4
30.4
30.5
31.1
29.9
28.2
25.4
24.1
23.9
24.1
感染症
11.0
11.5
11.5
12.0
12.0
12.2
11.7
11.6
12.1
11.3
12.2
12.6
13.8
14.6
14.9
15.0
脳血管障害
14.2
15.4
14.2
14.0
14.2
12.9
13.2
13.9
13.7
13.6
13.5
14.1
13.5
12.9
12.6
12.1
悪性腫瘍
  7.7
  6.9
  6.4
  6.9
  5.8
  6.9
  7.6
  8.2
  7.6
  7.1
  7.4
  7.3
  7.2
  7.7
  8.1
  7.7
心筋梗塞
  5.3
  4.8
  5.3
  6.1
  6.0
  5.4
  5.3
  5.8
  5.8
  5.8
  5.7
  7.1
  7.5
  7.4
  8.4
  7.9
年
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
心不全
24.3
23.2
25.5
25.1
25.0
25.1
25.8
24.9
24.0
23.7
23.6
27.0
26.6
27.2
26.9
感染症
16.3
16.6
16.3
15.9
18.5
18.8
19.2
19.9
18.9
19.9
20.7
20.3
20.3
20.4
20.8
脳血管障害
11.3
11.3
11.6
11.2
10.7
10.6
  9.8
  9.4
  8.9
  8.6
  8.4
  8.1
  7.7
  7.5
  7.2
悪性腫瘍
  7.6
  8.3
  8.5
  8.5
  8.5
  9.0
  9.0
  9.2
  9.2
  9.2
  9.4
  9.8
  9.1
  9.1
  9.4
心筋梗塞
  7.4
  7.0
  7.4
  7.4
  6.2
  5.4
  5.1
  4.4
  4.4
  4.1
  4.0
  4.7
  4.6
  4.5
  4.3
患者調査による集計
解説
死亡原因の第一位は心不全であった。変動はあるが、最近増加傾向にあるようにも見える。感染症に
よる死亡は1993年頃から一貫して増加しているが、過去5年間においては、約20%でほぼ変化はない。脳
血管障害は1994年以降一貫して漸減傾向が継続している。心筋梗塞死亡は2010年に4.7%と微増したが、
全体としては、1997年の8.4%をピークに最近は漸減傾向である。悪性腫瘍死亡は2012年に比較して0.3ポ
イント増加した。長期的には漸増傾向にある。
心不全、脳血管障害、心筋梗塞を心血管障害による死亡と考えると、1988年には54.8%であったものが、
ほぼ一定のペースで減少し、2009年には36.0%となった。しかし、2013年は38.4%であり、2010年以降は
おおよそ38 ~ 40%で推移している。
27
1)わが国の慢性透析療法の要約
6)年間粗死亡率と生存率
(1)年別粗死亡率の推移(図表27)
%
11
10
9
8
7
1983 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 年
年
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
粗死亡率
9.0
8.9
9.1
9.0
8.5
9.2
7.9
9.6
8.9
9.7
9.4
9.5
9.7
9.4
9.4
9.2
年
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
粗死亡率
9.7
9.2
9.3
9.2
9.3
9.4
9.5
9.2
9.4
9.8
9.6
9.8
10.2
10.0
9.8
施設調査による集計
解説
導入患者の高齢化、糖尿病性腎症患者や腎硬化症の増加など予後不良な患者の導入が多くなっている
ことから粗死亡率は年々悪化傾向にある。粗死亡率は、アンケート回収率が低かった1989年の7.9%が最
低値であるが、1992年に9.7%と9%を超えて以降、9.2 ~ 9.8%の範囲内で推移してきた。2011年にはじめ
て10%を超え、2012年も10.0%であったが、2013年は9.8%と再度10%をわずかに下回った。
28
1)わが国の慢性透析療法の要約
6)年間粗死亡率と生存率
(2)導入後1年・5年・10年・15年・20年・25年・30年生存率の推移(図表28)
%
100
90
80
70
60
50
1年生存率
5年生存率
10年生存率
15年生存率
20年生存率
25年生存率
30年生存率
40
30
20
10
0
1983 84
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12 年
1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年 26年 27年 28年 28年 30年
生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率 生存率
導入年
人数
1983
9,856 0.818 0.747 0.680 0.630 0.585 0.552 0.519 0.480 0.450 0.419 0.389 0.365 0.342 0.322 0.301 0.282 0.265 0.249 0.235 0.222 0.207 0.193 0.182 0.173 0.162 0.151 0.142 0.131 0.121 0.111
1984 10,687 0.816 0.735 0.670 0.619 0.576 0.536 0.495 0.461 0.430 0.402 0.373 0.348 0.323 0.302 0.282 0.264 0.247 0.233 0.221 0.207 0.194 0.183 0.174 0.162 0.153 0.144 0.135 0.125 0.117
1985 11,582 0.794 0.720 0.659 0.607 0.561 0.517 0.481 0.440 0.409 0.380 0.355 0.330 0.307 0.284 0.266 0.248 0.231 0.216 0.202 0.187 0.174 0.163 0.151 0.142 0.133 0.124 0.116 0.107
1986 12,585 0.798 0.724 0.665 0.616 0.563 0.516 0.474 0.439 0.402 0.373 0.345 0.321 0.299 0.278 0.261 0.244 0.228 0.215 0.203 0.191 0.178 0.168 0.157 0.148 0.139 0.130 0.120
1987 13,510 0.814 0.737 0.669 0.605 0.552 0.502 0.457 0.418 0.385 0.357 0.331 0.306 0.286 0.264 0.245 0.230 0.213 0.197 0.184 0.175 0.164 0.154 0.143 0.134 0.125 0.117
1988 14,719 0.824 0.739 0.664 0.599 0.541 0.493 0.450 0.412 0.377 0.346 0.319 0.296 0.274 0.252 0.234 0.218 0.203 0.190 0.180 0.168 0.157 0.147 0.138 0.129 0.121
1989 14,505 0.848 0.760 0.684 0.613 0.555 0.506 0.460 0.421 0.384 0.352 0.326 0.300 0.279 0.258 0.241 0.225 0.210 0.195 0.184 0.171 0.159 0.149 0.140 0.131
1990 16,495 0.838 0.748 0.672 0.606 0.551 0.497 0.454 0.413 0.379 0.348 0.320 0.295 0.274 0.255 0.238 0.222 0.207 0.193 0.181 0.169 0.157 0.145 0.136
1991 18,151 0.827 0.734 0.660 0.595 0.535 0.484 0.440 0.402 0.370 0.340 0.313 0.289 0.268 0.249 0.231 0.217 0.202 0.189 0.177 0.165 0.154 0.144
1992 19,837 0.820 0.727 0.650 0.585 0.527 0.479 0.434 0.396 0.363 0.335 0.309 0.285 0.265 0.245 0.228 0.212 0.198 0.184 0.171 0.158 0.147
1993 20,814 0.832 0.742 0.666 0.596 0.540 0.489 0.444 0.406 0.373 0.342 0.316 0.291 0.268 0.249 0.232 0.215 0.199 0.185 0.172 0.161
1994 21,307 0.829 0.742 0.668 0.602 0.542 0.488 0.445 0.407 0.372 0.340 0.311 0.288 0.267 0.246 0.227 0.211 0.197 0.184 0.171
1995 22,796 0.840 0.753 0.678 0.608 0.549 0.500 0.456 0.416 0.381 0.349 0.319 0.295 0.272 0.249 0.228 0.210 0.194 0.180
1996 24,830 0.831 0.749 0.672 0.607 0.553 0.505 0.454 0.416 0.380 0.348 0.319 0.292 0.267 0.247 0.228 0.209 0.193
1997 25,391 0.837 0.751 0.680 0.619 0.562 0.511 0.465 0.422 0.385 0.352 0.323 0.294 0.271 0.249 0.228 0.210
1998 26,697 0.844 0.765 0.697 0.634 0.573 0.522 0.473 0.431 0.395 0.363 0.332 0.304 0.278 0.256 0.236
1999 27,631 0.850 0.773 0.705 0.639 0.579 0.527 0.480 0.439 0.399 0.362 0.330 0.300 0.272 0.250
2000 29,125 0.855 0.777 0.711 0.647 0.588 0.533 0.487 0.443 0.404 0.367 0.333 0.305 0.280
2001 30,660 0.854 0.777 0.707 0.641 0.585 0.532 0.484 0.441 0.401 0.364 0.331 0.300
2002 31,333 0.857 0.780 0.712 0.649 0.589 0.533 0.484 0.439 0.397 0.360 0.328
2003 32,358 0.859 0.785 0.716 0.653 0.594 0.538 0.490 0.441 0.399 0.363
2004 33,458 0.865 0.790 0.723 0.660 0.600 0.544 0.492 0.445 0.402
2005 34,534 0.861 0.789 0.721 0.656 0.596 0.538 0.484 0.438
2006 35,960 0.870 0.798 0.729 0.666 0.605 0.546 0.494
2007 36,711 0.866 0.795 0.726 0.658 0.595 0.538
2008 37,787 0.866 0.796 0.727 0.660 0.598
2009 38,313 0.872 0.797 0.727 0.663
2010 38,213 0.876 0.803 0.732
2011 37,946 0.872 0.798
2012 36,590 0.876
患者調査による集計
解説
経年的な導入患者の生存率を図表に示す。1年生存率は2012年に導入した36,590人で検討して87.6%であ
った。2008年導入患者の5年生存率は59.8%、2003年導入患者の10年生存率は36.3%、1998年導入患者の15
年生存率は23.6%、1993年導入患者の20年生存率は16.1%、1988年導入患者の25年生存率は12.1%であった。
20年、25年生存率は漸減傾向にあるが、1年生存率は一貫して改善傾向にある。一方、5年、10年生存率
は1992年以降に導入した患者では生存率が改善傾向にある。
29
Ⅱ.2013 年末の慢性透析患者に
関する集計
1)透析液水質管理状況
(1)透析液エンドトキシン検査(図表29)
透析液エンドトキシン測定頻度
3.4%
(143)
0.6%
(23)
8.0%
(334)
透析液エンドトキシン濃度
(EU/mL)
0.7%
1.5% (29)
0.5%
(61)
(22)
2.1%
(83)
3.6%
(150)
5.9%
(246)
6.0%
(242)
10.8%
(450)
15.2%
(607)
73.9%
(2,960)
67.7%
(2,817)
年数回
毎日
0.1∼
0.001未満
年1回
毎週
0.25∼
0.001∼
なし
隔週
(月複数回)
0.5∼
0.01∼
毎月
透析液エンドトキシン測定頻度
施設数
(%)
毎日
毎週
隔週(月複数回)
毎月
年数回
年1回
なし
合計
不明
記載なし
総計
23
(0.6)
150
(3.6)
246
(5.9)
2,817
(67.7)
450
(10.8)
334
(8.0)
143
(3.4)
4,163
(100.0)
65
6
4,234
0.01~
0.05~
0.1~
0.25~
0.5~
合計
不明
記載なし
総計
242
(6.0)
83
(2.1)
61
(1.5)
29
(0.7)
22
(0.5)
4,004
(100.0)
149
81
4,234
透析液エンドトキシン濃度(EU/mL) 0.001未満 0.001~
施設数
(%)
0.05∼
2,960
(73.9)
607
(15.2)
施設調査による集計
解説
ベッドサイドコンソールを1台以上有する4,234施設のうち、透析液エンドトキシン測定頻度は4,163施設
(98.3%)
、エンドトキシン濃度は4,004施設(94.6%)から回答が得られた。 日本透析医学会の水質基準では、透析液エンドトキシン濃度は月1回以上の測定を推奨しているが、回
答施設の77.3%の施設がこれに合致し昨年の76.3%より若干増加した。
また、日本透析医学会の水質基準においてはすべての透析治療に超純粋透析液(ET 0.001EU/mL未満
を担保)を推奨しており、標準透析液0.05EU/mL未満を必要最低下の水質としている。0.001EU/mL未満
は73.9%の施設で達成、0.05EU/mL未満は95.1%で達成されており、これは昨年のそれぞれ70.7%、94.5%
より改善されている。
32
1)透析液水質管理状況
(2)透析液細菌検査(図表30)
透析液細菌数測定頻度
0.3%
(14)
6.5%
(269)
透析液細菌数
(cfu/mL)
2.9%
(120)
5.9%
(245)
8.7%
(360)
1.2%
5.4% (46)
(205)
11.9%
(457)
10.1%
(416)
14.4%
(553)
67.1%
(2,567)
65.5%
(2,708)
年数回
年1回
なし
隔週
(月複数回)
毎日
毎月
毎週
透析液細菌培養培地
0.7%
0.4% (27)
(15)
7.3%
(273)
28.2%
(1,050)
TSA培地
その他の培地
透析液細菌数測定頻度
施設数
(%)
透析液細菌数(cfu/mL)
施設数
(%)
透析液細菌培養培地
施設数
(%)
0.4%
(14)
57.7%
(2,146)
0.3%
0.1% (12)
(3)
7.6%
11.6% (294)
(448)
15.3%
(590)
34.0%
(1,308)
1L∼
10L∼
R2A培地
TGEA培地
100mL∼
500mL∼
30.7%
(1,182)
10mL∼
50mL∼
1mL未満
1mL∼
毎日
毎週
隔週(月複数回)
毎月
年数回
年1回
なし
合計
不明
記載なし
総計
14
(0.3)
120
(2.9)
245
(5.9)
2,708
(65.5)
416
(10.1)
360
(8.7)
269
(6.5)
4,132
(100.0)
94
8
4,234
0.1未満
0.1~
1~
10~
100~
合計
不明
記載なし
総計
2,567
(67.1)
553
(14.4)
457
(11.9)
205
(5.4)
46
(1.2)
3,828
(100.0)
274
132
4,234
R2A培地 TGEA培地 普通寒天培地 血液寒天培地 TSA培地 その他の培地
2,146
(57.7)
1,050
(28.2)
273
(7.3)
15
(0.4)
27
(0.7)
211
(5.7)
透析液細菌数測定サンプル量 1mL未満 1mL ~ 10mL ~ 50mL ~ 100mL ~ 500mL ~
施設数
(%)
0.1∼
透析液細菌数測定サンプル量
5.7%
(211)
普通寒天培地
血液寒天培地
0.1未満
1∼
10∼
100∼
294
(7.6)
590
(15.3)
1,182
(30.7)
1,308
(34.0)
448
(11.6)
14
(0.4)
合計
不明
記載なし
総計
3,722
(100.0)
376
136
4,234
1L ~
10L ~
合計
不明
記載なし
総計
12
(0.3)
3
(0.1)
3,851
(100.0)
251
132
4,234
施設調査による集計
解説
ベッドサイドコンソールを1台以上有する4,234施設のうち、測定頻度については4,132施設(97.6%)
、透
析液細菌数では3,823施設(90.3%)
、細菌培養培地では3,722施設(87.9%)
、細菌数測定用サンプリング量
は3,851施設(91.0%)から回答が得られた。
日本透析医学会の水質基準においてはすべての透析治療に超純粋透析液(透析液細菌数 0.1cfu/mL未満
を担保)を推奨しており、標準透析液(100cfu/mL未満)を遵守すべき最低の水質としている。0.1cfu/
mL未満は回答施設の67.1%で達成されており、100cfu/mLは98.8%の施設で達成されていた。超純粋透析
液はエンドトキシン値0.001EU/mL未満と細菌数0.1cfu/mL未満を同時に満たさなければならないが、細
菌数においてエンドトキシンより約7%達成度が低く、水質管理に課題を残している。
透析液培養細菌検査手技についてはR2AとTGEA培地を用いることを推奨しており、合わせて 85.9%の
施設で両培地が使用されていた。超純粋透析液を担保する透析液細菌数0.1cfu/mL未満を証明するために
最低でも10mL以上のサンプル量が必要となるが、77.0%の施設において10mL以上のサンプル量で検査が
行われていた。
33
1)透析液水質管理状況
(3)エンドトキシン捕捉フィルタ(ETRF)装着状況(図表31)
ETRF装着施設数
ETRF装着コンソール台数
装着あり
4.6%
(193)
14.0%
(17,931)
装着なし
86.0%
(110,085)
95.4%
(4,035)
80
ETRF装着有無別施設透析液エンドトキシン濃度分布
80
76.2
70
70
ETRF装着有無別施設透析液細菌数分布
69.3
60
60
50
50
施設頻度(%)
施設頻度(%)
63.2
40
30
20
19.6
0
40
30
20
14.3
10
55.9
5.4
9.7
14.0
11.0
10
1.9 2.9 1.3 2.7 0.5 1.5 0.5 0.5
0.001未満 0.001∼ 0.01∼ 0.05∼ 0.1∼ 0.25∼ 0.5∼
0
透析液エンドトキシン濃度
(EU/mL)
16.7
16.4
8.5
4.7
0.1 未満
0.1 ∼
1∼
0.9 2.4
10 ∼
100 ∼
細菌数(cfu/mL)
ETRF 装着施設 ETRF 非装着施設
ETRF装着
施設数
(%)
あり
4,035
(95.4)
なし
193
(4.6)
合計
4,228
(100.0)
記載なし
6
総計
4,234
ETRF装着
コンソール台数
(%)
あり
110,085
(86.0)
なし
17.931
(14.0)
透析液エンドトキシン濃度(EU/mL)
測定時のETRFあり
(%)
測定時のETRFなし
(%)
合計
(%)
不明
(%)
記載なし
総計
(%)
0.001未満
2,520
(76.2)
419
(63.2)
2,939
(74.0)
20
(62.5)
1
2,960
(73.9)
0.001 ~
472
(14.3)
130
(19.6)
602
(15.2)
5
(15.6)
0
607
(15.2)
0.01 ~
177
(5.4)
64
(9.7)
241
(6.1)
1
(3.1)
0
242
(6.0)
0.05 ~
62
(1.9)
19
(2.9)
81
(2.0)
2
(6.3)
0
83
(2.1)
0.1 ~
43
(1.3)
18
(2.7)
61
(1.5)
0
(0.0)
0
61
(1.5)
0.25 ~
17
(0.5)
10
(1.5)
27
(0.7)
2
(6.3)
0
29
(0.7)
0.5 ~
17
(0.5)
3
(0.5)
20
(0.5)
2
(6.3)
0
22
(0.5)
合計
3,308
(100.0)
663
(100.0)
3,971
(100.0)
32
(100.0)
1
4,004
(100.0)
細菌数(cfu/mL)
測定時のETRFあり
(%)
測定時のETRFなし
(%)
合計
(%)
不明
(%)
記載なし
総計
(%)
0.1未満
2,203
(69.3)
348
(55.9)
2,551
(67.1)
15
(55.6)
1
2,567
(67.1)
0.1 ~
446
(14.0)
102
(16.4)
548
(14.4)
5
(18.5)
0
553
(14.4)
1~
349
(11.0)
104
(16.7)
453
(11.9)
4
(14.8)
0
457
(11.9)
10 ~
150
(4.7)
53
(8.5)
203
(5.3)
2
(7.4)
0
205
(5.4)
100 ~
30
(0.9)
15
(2.4)
45
(1.2)
1
(3.7)
0
46
(1.2)
合計
3,178
(100.0)
622
(100.0)
3,800
(100.0)
27
(100.0)
0
3,828
(100.0)
不明
記載なし
総計
121
41
3,340
95
32
749
216
73
4,089
57
7
91
1
52
54
274
132
4,234
合計
128,016
(100.0)
不明
30
記載なし
2
総計
3,340
65
21
749
95
23
4,089
53
6
91
1
149
52
81
54
4,234
施設調査による集計
解説
ベッドサイドコンソールを1台以上有する4,234施設のうち、エンドトキシン捕捉フィルタ(ETRF)の装着に
ついて、4,228施設(99.9%)から回答が得られた。95.4%の施設においてETRFは1台以上のベッドサイドコン
ソールに装着されていた。回答のあった4,228施設にある総計128,016台のベッドサイドコンソールの86.0%に
ETRFが装着されており、2012年末より2.6%増加した。
ETRFを使用すれば理論的に超純粋透析液を達成できるが、エンドトキシン0.001EU/mL未満、細菌数
0.1cfu/mL未満を達成できない場合は、原水の高濃度の汚染、2次汚染、ETRFの汚染、サンプル採取のコンタ
ミネーションなどの理由があり、透析液水質管理方法の見直しが必要である。これに該当する施設はエンドトキ
シンにおいては26.1%、細菌数においては32.9%であった。サンプル時のETRF有無別に見てみるとETRF装着
ありの施設で標準透析液の指標であるエンドトキシン0.050EU/mL未満、細菌数100cfu/mL未満を達成できて
いない施設は、それぞれ4.2%、0.9%であった。逆にETRFを使用していなくても超純粋透析液の基準を満たす
施設はエンドトキシンで63.2%、細菌数で55.9%あった。透析液供給システム全般での透析液浄化技術の進歩が
示唆される反面、ETRFの取り扱いに問題があり透析液が汚染している場合が少数あることも示唆された。
34
1)透析液水質管理状況
(4)透析液エンドトキシン濃度と細菌数(図表32)
施設数
2,400
2,300
2,200
2,100
2,000
1,900
1,800
1,700
1,600
1,500
1,400
1,300
1,200
1,100
1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0.1 未満
0.1 ∼
0
100 ∼
0.001未満
0.001 ~
0.01 ~
0.05 ~
0.1 ~
0.25 ~
0.5 ~
合計
不明
記載なし
総計
0.1 ~
292
197
36
16
5
0
3
549
3
1
553
1~
168
142
85
24
27
5
6
457
0
0
457
∼
5
0.
25
0.
透析液エンドトキシン濃度
(EU/mL)
透析液エンドトキシン濃度(EU/mL)
0.1未満
2,322
176
36
15
6
1
6
2,562
4
1
2,567
透析液細菌数(cfu/mL)
10 ~
100 ~
合計
67
10
2,859
49
6
570
52
9
218
15
5
75
11
4
53
8
8
22
3
4
22
205
46
3,819
0
0
7
0
0
2
205
46
3,828
透析液細菌数
(cfu/mL)
∼
∼
1
0.
0.
05
01
0.
∼
∼
∼
1
00
0.
0.
00
1
未
満
1∼
10 ∼
不明
72
26
18
5
6
5
0
132
139
3
274
記載なし
29
11
6
3
2
2
0
53
3
76
132
総計
2,960
607
242
83
61
29
22
4,004
149
81
4,234
施設調査による集計
解説
日本透析医学会の透析液水質基準においては、すべての透析治療に超純粋透析液の使用を推奨してお
り、超純粋透析液の定義は透析液エンドトキシン濃度0.001EU/mL未満(測定感度未満)かつ透析液細菌
数0.1cfu/mL未満である。透析液エンドトキシン濃度と細菌数の双方に回答のあった施設はベッドサイド
コンソールを1台以上有する4,234施設のうち、3,819施設(90.2%)であった。超純粋透析液の定義を満た
している施設は2,322施設であり、回答施設の60.8%、全施設の54.8%であり経年的に改善傾向にある。
35
1)透析液水質管理状況
(5)水質管理状況の推移①(図表33)
エンドトキシン測定頻度の推移
(%)
100
90
月1回未満
80
70
月1回以上
60
50
40
30
20
10
0
2006
2007
2008
2006
953
(27.3)
2,535
(72.7)
3,488
(100.0)
185
312
3,985
月1回以上
(%)
月1回未満
(%)
合計
(%)
不明
記載なし
総計
2009
2007
1,153
(31.5)
2,511
(68.5)
3,664
(100.0)
209
179
4,052
2010
2011
2008
1,253
(33.1)
2,531
(66.9)
3,784
(100.0)
244
53
4,081
2009
1,373
(36.0)
2,436
(64.0)
3,809
(100.0)
193
48
4,050
2012
2013
2010
2,810
(70.6)
1,170
(29.4)
3,980
(100.0)
92
52
4,124
2011
2,914
(71.9)
1,137
(28.1)
4,051
(100.0)
99
27
4,177
(年)
2012
3,141
(76.3)
977
(23.7)
4,118
(100.0)
77
8
4,203
2013
3,236
(77.7)
927
(22.3)
4,163
(100.0)
65
6
4,234
透析液エンドトキシン濃度の推移
(%)
100
90
0.05EU/mL以上
80
0.001EU/mL以上
0.05EU/mL未満
70
60
50
0.001EU/mL未満
40
30
20
10
0
2006
2007
0.001EU/mL未満
(%)
0.001EU/mL以上0.05EU/mL未満
(%)
0.05EU/mL以上
(%)
合計
(%)
不明
記載なし
総計
2008
2006
817
(29.8)
1,627
(59.2)
302
(11.0)
2,746
(100.0)
1,239
3,985
2009
2007
1,688
(53.0)
1,295
(40.6)
203
(6.4)
3,186
(100.0)
215
651
4,052
2010
2011
2008
2009
1,865
(56.1)
933
(28.1)
527
(15.8)
3,325
(100.0)
253
472
4,050
2012
2013
2010
2,343
(62.1)
1,115
(29.6)
314
(8.3)
3,772
(100.0)
105
247
4,124
2011
2,549
(66.0)
1,042
(27.0)
271
(7.0)
3,862
(100.0)
112
203
4,177
(年)
2012
2,787
(70.7)
938
(23.8)
216
(5.5)
3,941
(100.0)
197
65
4,203
2013
2,960
(73.9)
849
(21.2)
195
(4.9)
4,004
(100.0)
149
81
4,234
※2008年は単位表記をEU/L→EU/mLに変更した年。誤記入が多かったと思われるため出力せず。
施設調査による集計
解説
2000年代初頭、透析液の細菌学的汚染は透析治療の質を左右する重要な因子であり、わが国で広く用いられ
ている多人数透析供給装置は、細菌汚染が起こりやすいのではないかという懸念が諸外国より提起された。こ
れを受けて2006年から透析液エンドトキシン濃度、細菌数についての調査が開始され、これは2008年に日本透
析医学会水質基準の改定、2010年、2012年には透析液水質管理加算設置の基礎資料となった。このように透
析液水質調査が大規模に行われているのは、世界でもわが国だけである。今年度の図説ではこの歴史的背景に、
透析液の細菌学的汚染の状況が2006年から2013年までの間にどのように変化したのかを提示する。
2008年の日本透析医学会水質基準では、透析液エンドトキシン濃度と細菌数の測定は月1回以上を推奨し、
すべての透析治療に超純粋透析液の使用を推奨し、遵守すべき最低限の水質として標準透析液を定めている。
超純粋透析液の要件は、エンドトキシン0.001EU/mL未満(測定感度未満)かつ細菌数0.1cfu/mL未満、標準
透析液はエンドトキシン0.050EU/mL未満かつ細菌数100cfu/mL未満である。
36
(5)水質管理状況の推移②(図表33)
細菌数測定頻度の推移
(%)
100
90
月1回未満
80
70
月1回以上
60
50
40
30
20
10
0
2006
2007
2008
2009
2006
371
(11.5)
2,857
(88.5)
3,228
(100.0)
386
371
3,985
月1回以上
(%)
月1回未満
(%)
合計
(%)
不明
記載なし
総計
2007
580
(16.9)
2,861
(83.1)
3,441
(100.0)
412
199
4,052
2010
2011
2008
751
(20.8)
2,856
(79.2)
3,607
(100.0)
418
56
4,081
2009
934
(25.8)
2,693
(74.2)
3,627
(100.0)
367
56
4,050
2012
2013
2010
2,649
(67.8)
1,260
(32.2)
3,909
(100.0)
158
57
4,124
2011
2,794
(70.0)
1,196
(30.0)
3,990
(100.0)
159
28
4,177
(年)
2012
3,018
(73.7)
1,077
(26.3)
4,095
(100.0)
100
8
4,203
2013
3,087
(74.7)
1,045
(25.3)
4,132
(100.0)
94
8
4,234
透析液細菌数の推移
(%)
100
90
100cfu/mL以上
80
0.1cfu/mL以上
100cfu/mL未満
70
60
0.1cfu/mL未満
50
40
30
20
10
0
2006
2007
0.1cfu/mL未満
(%)
0.1cfu/mL以上100cfu/mL未満
(%)
100cfu/mL以上
(%)
合計
(%)
不明
記載なし
総計
2008
2006
508
(48.4)
509
(48.5)
32
(3.1)
1,049
(100.0)
2,036
900
3,985
2009
2007
750
(47.9)
775
(49.5)
40
(2.6)
1,565
(100.0)
552
1,935
4,052
2010
2011
2008
915
(50.7)
847
(46.9)
43
(2.4)
1,805
(100.0)
575
1,701
4,081
2009
1,123
(54.5)
901
(43.7)
38
(1.8)
2,062
(100.0)
494
1,494
4,050
2012
2013
2010
1,819
(53.1)
1,542
(45.0)
62
(1.8)
3,423
(100.0)
216
485
4,124
2011
2,017
(56.4)
1,498
(41.9)
62
(1.7)
3,577
(100.0)
227
373
4,177
(年)
2012
2,397
(63.8)
1,305
(34.7)
55
(1.5)
3,757
(100.0)
320
126
4,203
2013
2,567
(67.1)
1,215
(31.7)
46
(1.2)
3,828
(100.0)
274
132
4,234
施設調査による集計
透析液エンドトキシン濃度について、月1回以上の測定は2009年末で36.0%であったが、2010年の診療報酬
改定により70.6%にステップアップし、その後も徐々に増加し2013年末では77.7%であった。透析液エンドトキ
シン濃度は経年的に低下しており、2013年末において超純粋透析液を担保する0.001EU/mL未満の施設は
73.9%、標準透析液を担保する0.050EU/mL未満を達成している施設は95.1%であった。2008年調査において透
析液エンドトキシン濃度を国際基準に合わせてEU/LからEU/mLに単位を変更した際に、誤記入が相当数あっ
たと思われたため解析対象からは除外した。
透析液細菌数測定は、2005年の日本透析医学会透析液水質基準には含まれていなかったが、2008年の改定
でエンドトキシンと同様に月1回以上の測定が推奨された。2007年以前に月1回以上の細菌数測定を行ってい
る施設は10%台であったが、2010年の診療報酬改定により、2010年には67.8%に急増し、以降徐々に増加し
2013年末で74.7%であった。超純粋透析液を担保する0.1cfu/mL未満を満たす施設は徐々に増加し、2013年に
は67.1%であり、標準透析液以上を担保している施設の割合は98.8%であった。
37
2)血液透析濾過調査
(1)血液透析濾過(HDF)の患者数・希釈方法・置換液量(図表34)
(人)
35,000
HDF患者数の推移
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
施設血液透析
253,807
262,973
270,072
268,275
263,329
off-line HDF
(%)
9,299
(55.2)
9,421
(63.4)
8,573
(60.7)
7,157
(32.9)
7,144
(22.8)
on-line HDF
(%)
6,852
(40.7)
4,829
(32.5)
4,890
(34.6)
14,069
(64.8)
23,445
(75.0)
15,000
p/p HDF
(%)
237
(1.4)
159
(1.1)
145
(1.0)
109
(0.5)
263
(0.8)
10,000
AFBF
(%)
465
(2.8)
458
(3.1)
507
(3.6)
390
(1.8)
424
(1.4)
HDF合計
(%)
16,853
(100.0)
14,867
(100.0)
14,115
(100.0)
21,725
(100.0)
31,276
(100.0)
HD・HDF合計
270,660
277,840
284,187
290,000
294,605
AFBF
30,000
p/p HDF
on-line HDF
25,000
off-line HDF
20,000
5,000
0
(%)
100
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
HDF方法別希釈方法
前後希釈
80
前希釈
70
後希釈
60
50
40
30
20
10
0
(L)
60
後希釈
その他
90
off-line HDF
前希釈 前後希釈 その他
合計
不明 記載なし
総計
off-line HDF 5,180
589
47
5
5,821
0
(%)
(89.0)(10.1) (0.8) (0.1)(100.0)
1,323
on-line HDF
(%)
1,436 19,142
7
507
21,092 1
(6.8) (90.8) (0.0) (2.4)(100.0)
2,352 23,445
p/p HDF
(%)
44
10
83
70
207
0
(21.3) (4.8) (40.1)(33.8)(100.0)
56
263
AFBF
(%)
163
1
1
0
165
0
(98.8) (0.6) (0.6) (0.0)(100.0)
259
424
HDF合計
(%)
6,823 19,742 138
582
27,285 1
(25.0)(72.4) (0.5) (2.1)(100.0)
7,144
3,990 31,276
on-line HDF
希釈方法別置換液量
後希釈
前希釈
50
off-line
HDF
患者数
平均
後希釈 前希釈 前後希釈 その他
5,001
561
37
5
7.8
9.4
10.0
4.8
標準偏差
2.4
4.7
患者数 1,317 18,904
on-line
平均
9.2
40.6
HDF
標準偏差
4.5
15.8
40
30
0.3
0
ー
ー
4.8
343
1.3
0.9
合計 不明 記載なし 総計
5,604 0
21
5,625
8.0
ー
9.1
8.0
2.8
ー
20,564 0
37.9
ー
17.7
ー
3.1
27
21.4
10.2
2.8
20,591
37.9
17.7
20
10
0
off-line HDF
on-line HDF
集計対象;施設血液透析、血液透析濾過患者
解説
2012年4月の血液透析濾過(HDF)の診療報酬の大幅改訂の影響で、2012年末にはオンラインHDFで治療を
受ける患者が約3倍の14,069人になったが2013年にはさらに9,376人増加して、23,445人となった。一方off-line
HDFは微減し7,144人であった。その他のHDF治療も含めたHDF全体の患者数は、31,276人と昨年より約1万人
増加し、血液透析関連治療全体に占める割合も10%を超えた。
off-line HDFとon-line HDFの置換液希釈方法では、ほとんどが後希釈か前希釈でありそれ以外の希釈方法は
わずかであった。off-lineとon-lineの希釈方法の違いは昨年と同様の傾向で、off-line HDFでは希釈法に回答の
あった89.0%が後希釈で、on-line HDFでは90.8%が前希釈であった。HDF全体では72.4%が前希釈であり、こ
れは前希釈が多いon-line HDF症例が増えた結果による。
off-line HDFとon-line HDFについて希釈方法と置換液量を比較した。off-line HDFでは後希釈で平均7.8L、
前希釈でも9.4Lの置換液量であったが、on-line HDFでは後希釈で9.2L、前希釈で40.6Lであった。
38
2)血液透析濾過調査
(2)HDF施行理由(図表35)
off-line HDF
(N=後希釈:4,250、前希釈:472)
透析アミロイド症
透析アミロイド症以外の骨関節症状
透析低血圧症
(透析困難症)
透析掻痒症
皮膚色素沈着
睡眠障害
レストレスレッグ症候群
後希釈
前希釈
易刺激性
(イライラ)
低栄養
合併症予防
透析効率
その他
不明
0
10
5
20
15
25
30
35
40
45
(%)
50
on-line HDF
(N=後希釈:1,130、前希釈:16,248)
透析アミロイド症
透析アミロイド症以外の骨関節症状
透析低血圧症
(透析困難症)
透析掻痒症
皮膚色素沈着
睡眠障害
後希釈
レストレスレッグ症候群
前希釈
易刺激性
(イライラ)
低栄養
合併症予防
透析効率
その他
不明
0
5
15
10
20
25
30
35(%)
25
30
(%)
35
プッシュプルHDF
(N=198)
透析アミロイド症
透析アミロイド症以外の骨関節症状
透析低血圧症
(透析困難症)
透析掻痒症
皮膚色素沈着
睡眠障害
レストレスレッグ症候群
易刺激性
(イライラ)
低栄養
合併症予防
透析効率
その他
不明
0
5
15
10
20
AFBF
(N=157)
透析アミロイド症
透析アミロイド症以外の骨関節症状
透析低血圧症
(透析困難症)
透析掻痒症
皮膚色素沈着
睡眠障害
レストレスレッグ症候群
易刺激性
(イライラ)
低栄養
合併症予防
透析効率
その他
不明
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90(%)
集計対象;血液透析濾過患者
解説
2013年末調査ではHDF治療を行っている理由を調査したが、回答は複数回答とはせず主たる理由一つを
選ぶこととした。2012年以前のHDF療法の適応は、通常の透析療法で対応できない透析アミロイド症と透
析低血圧症(透析困難症)の二つであったが、
2012年の改定でこれらの適応の制限が原則的に解除になった。
HDF施行理由をoff-line HDF、on-line HDF、プッシュプルHDF、アセテートフリーバイオフィルトレーシ
ョン(AFBF)別に図示する。
off-line HDFは2012年以前より長期間行われている治療方法であり、透析低血圧症と透析アミロイド症
が主たるHDF施行理由であり、その頻度は希釈方法で大きな差は無かった。一方on-line HDFの施行理由
は合併症予防、透析低血圧症、透析アミロイド症、透析効率のためなどが多かった。on-line HDFの前希
釈の多くが合併症予防を目的に行われ、後希釈は透析アミロイド症や透析低血圧症のために行われていた。
プッシュプルHDFは透析効率のためや、透析低血圧症に行われていた。AFBFは透析低血圧症のために開
発されたものであるため、殆どが透析低血圧症が施行理由であった。
39
2)血液透析濾過調査
(3)施設血液透析(HD)と血液透析濾過(HDF)の比較(図表36)
HD
off-line HDF
後希釈
前希釈
on-line HDF
後希釈
前希釈
患者基礎的背景
患者数
181,695
4,684
528
1,243
16,251
男性人数
113,916
2,725
319
761
10,093
男性(%)
62.7
58.2
60.4
61.2
62.1
糖尿病性腎症比率(%)
37.0
27.6
25.9
26.3
28.3
67.4±12.2
65.2±11.9
64.8±12.0
64.4±12.3
63.5±12.1
年齢
透析歴
透析条件・尿素除去動態
8.8±6.9
13.9±9.5
14.1±9.3
12.4±9.1
11.4±8.6
透析後体重 男性
59.2±11.9
59.4±11.9
59.4±12.3
61.0±11.9
61.2±12.1
透析後体重 女性
47.8±10.3
47.2±9.5
46.9±9.9
48.0±10.3
48.9±9.9
透析時間(分)
241.3±29.7
247.6±29.2
247.3±28.0
244.1±31.0
250.5±30.5
血流量(mL/min)
206.9±34.1
211.2±36.4
211.2±35.4
221.6±39.2
230.9±42.9
Kt/Vsp 男性
1.39±0.25
1.43±0.25
1.41±0.25
1.43±0.28
1.46±0.28
Kt/Vsp 女性
1.61±0.31
1.67±0.32
1.63±0.28
1.69±0.31
1.72±0.33
nPCR 男性
0.86±0.17
0.87±0.17
0.86±0.17
0.86±0.18
0.88±0.17
nPCR 女性
0.89±0.19
0.90±0.18
0.91±0.19
0.91±0.19
0.92±0.18
アルブミン濃度
3.62±0.42
3.58±0.44
3.56±0.46
3.59±0.4
3.66±0.36
栄養指標
CRP濃度
0.62±1.88
0.76±2.12
0.68±1.91
0.50±1.37
0.50±1.59
透析前クレアチニン濃度 男性
11.10±2.81
11.20±2.86
11.28±2.80
11.43±2.79
11.68±2.71
透析前クレアチニン濃度 女性
9.22±2.36
9.20±2.19
9.40±2.19
9.46±2.19
9.74±2.15
99.19±26.08
99.10±25.06
99.35±24.95
補正カルシウム濃度
9.26±0.76
9.33±0.84
9.32±0.78
9.29±0.76
9.23±0.75
リン濃度
5.25±1.45
5.26±1.48
5.27±1.54
5.36±1.52
5.45±1.44
169.9±163.8
167.9±158.7
181.9±212.1
178.4±149.8
176.6±168.3
総コレステロール濃度
155.7±35.2
157.5±36.1
152.9±38.3
165.7±38.6
160.4±36.6
透析前ヘモグロビン濃度
10.69±1.23
10.67±1.27
10.79±1.27
10.9±1.29
10.84±1.19
% CGR
指標
CKD - MBD
intact PTH濃度
100.52±24.64 103.43±23.61
貧血指標
「年齢」から「透析前Hb」までの数値は平均値±標準偏差で表す。
各項目の集計患者数は異なる。
集計対象;施設血液透析、血液透析濾過患者(週3回透析、透析歴2年以上)
解説
週3回透析・透析歴2年以上の、HD患者、off-line HDF、on-line HDF患者の特徴を比較した表は昨年も掲載
したが、2013年末はHDF患者が前年から約10,000人増加したため、その構成に大きな変化がなかったのかを比
較する意味で再掲した。
2012年末のデータで、on-line HDF群は体格が若干大きく、CRPがon-line群で若干低値である傾向は今年も
同様であった。その他、透析効率、CKD-MBDの指標、Hbは今年も3群間で大きな差はなかった。
*注:上記図表内の補正カルシウム値に関連する集計値は調査確定値に基づいている(参考:わが国の慢性透析療法の現況(2013年12月31日現在)
CD-ROM版. 日本透析医学会, 東京, 2014.)
。
40
3)腹膜透析調査
(1)腹膜透析(PD)患者の現況(図表37)
PD患者の現況
人数
腹膜透析
9,245
腹膜カテーテルを残している洗浄患者など
293
腹膜透析新規導入年内脱落患者数
161
HD,HDF等とPDを併用している患者数
1,900
施設調査による集計
(%)
PD歴別のPD・HD等併用状況
100
PD HD 併用
その他
90
PD HD 併用
週 3HDF)
80
PD HD 併用
週 2HDF)
70
PD HD 併用
週 1HDF)
60
PD 単独
50
40
30
20
10
0
1 年未満
1 年∼
2 年∼
4 年∼
8 年∼
PD·HD等併用状況
1年未満
1年~
2年~
4年~
8年~
合計
記載なし
総計
平均
標準偏差
PD単独
(%)
1,177
(96.2)
1,061
(91.0)
1,172
(84.1)
886
(68.2)
227
(45.9)
4,523
(81.1)
2,706
(77.9)
7,229
(79.9)
2.81
2.79
PD·HD併用週1HD(F)
(%)
40
(3.3)
91
(7.8)
182
(13.1)
352
(27.1)
207
(41.8)
872
(15.6)
651
(18.7)
1,523
(16.8)
5.87
4.12
PD·HD併用週2HD(F)
(%)
2
(0.2)
4
(0.3)
19
(1.4)
44
(3.4)
38
(7.7)
107
(1.9)
69
(2.0)
176
(1.9)
7.18
4.03
PD·HD併用週3HD(F)
(%)
1
(0.1)
1
(0.1)
3
(0.2)
1
(0.1)
5
(1.0)
11
(0.2)
24
(0.7)
35
(0.4)
6.08
4.01
PD·HD併用その他
(%)
3
(0.2)
9
(0.8)
17
(1.2)
16
(1.2)
18
(3.6)
63
(1.1)
24
(0.7)
87
(1.0)
5.92
4.68
3.42
3.34
合計
(%)
1,223
1,166
1,393
1,299
495
5,576
3,474
9,050
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
集計対象;腹膜透析患者(HD等との併用含む)
解説
2013年末の施設調査では、腹膜透析(PD)患者数は9,245名で2012年末と比較し269名減少した。腹膜
カテーテルを残している洗浄患者は293名、新規PD導入するも2013年内に脱落した患者161名、HD、
HDF等とPDを併用している患者が1,900名であった。
PD歴とPD・HD等併用状況の双方について5,576名から回答があった。併用療法の割合はPD歴1年未満
で3.8%なのに対し、1 ~ 2年未満で9.0%、2 ~ 4年未満で15.9%、4 ~ 8年未満で31.8%、8年以上で54.1%と
PD歴が長くなるにつれて高くなっていた。併用回数に関しては週1回が8割以上と大多数を占めていた。
41
3)腹膜透析調査
(2)透析液交換方法とPD歴別APD使用状況、1日のPD実施時間(図表38)
PD透析液の交換方法
透析液
交換方法
完全手動式
人数
(%)
1,401
(32.0)
バッグ交換デバイス バッグ交換デバイス バッグ交換デバイス
(紫外線)
(熱式無菌接合装置)(左記以外、半手動も含む)
2,270
(51.9)
643
(14.7)
61
(1.4)
合計
不明
記載なし
総計
4,375
(100.0)
83
2,771
7,229
PD歴別APD使用の有無
(%)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
あり
なし
1 年未満
1 年∼
2 年∼
4 年∼
8 年∼
APD使用の有無
1年未満
1年~
2年~
4年~
8年~
合計
記載なし
総計
平均
標準偏差
なし
(%)
あり
(%)
合計
(%)
不明
記載なし
総計
608
(54.6)
505
(45.4)
1,113
(100.0)
1
63
1,177
547
(53.7)
472
(46.3)
1,019
(100.0)
2
40
1,061
651
(57.2)
487
(42.8)
1,138
(100.0)
3
31
1,172
502
(60.0)
334
(40.0)
836
(100.0)
5
45
886
143
(64.4)
79
(35.6)
222
(100.0)
0
5
227
2,451
(56.6)
1,877
(43.4)
4,328
(100.0)
11
184
4,523
115
(68.0)
54
(32.0)
169
(100.0)
0
2,537
2,706
2,566
(57.1)
1,931
(42.9)
4,497
(100.0)
11
2,721
7,229
2.98
2.93
2.62
2.62
2.82
2.80
3.63
2.54
2.81
2.08
2.44
2.79
PD歴別1日のPD実施時間
(%)
100
24
90
18 ∼
80
13 ∼
70
9∼
60
5∼
50
1∼
40
30
20
10
0
1 年未満
1 年∼
2 年∼
4 年∼
8 年∼
1日のPD実施時間
1年未満
1年~
2年~
4年~
8年~
合計
記載なし
総計
平均
標準偏差
1~
(%)
5~
(%)
9~
(%)
13 ~
(%)
18 ~
(%)
24
(%)
合計
(%)
記載なし
総計
平均
標準偏差
49
(4.7)
288
(27.7)
170
(16.3)
82
(7.9)
32
(3.1)
420
(40.3)
1,041
(100.0)
136
1,177
15.40
7.67
25
(2.6)
200
(21.1)
136
(14.3)
70
(7.4)
43
(4.5)
474
(50.0)
948
(100.0)
113
1,061
17.16
7.48
22
(2.1)
147
(13.7)
139
(13.0)
76
(7.1)
46
(4.3)
640
(59.8)
1,070
(100.0)
102
1,172
18.71
7.02
21
(2.6)
95
(11.9)
86
(10.8)
44
(5.5)
34
(4.3)
515
(64.8)
795
(100.0)
91
886
19.33
6.92
3
(1.4)
19
(9.1)
21
(10.0)
15
(7.2)
4
(1.9)
147
(70.3)
209
(100.0)
18
227
20.13
6.39
120
(3.0)
749
(18.4)
552
(13.6)
287
(7.1)
159
(3.9)
2,196
(54.0)
4,063
(100.0)
460
4,523
17.70
7.42
1
(0.7)
7
(4.8)
19
(13.1)
9
(6.2)
7
(4.8)
102
(70.3)
145
(100.0)
2,561
2,706
20.62
5.68
121
(2.9)
756
(18.0)
571
(13.6)
296
(7.0)
166
(3.9)
2,298
(54.6)
4,208
(100.0)
3,021
7,229
17.80
7.39
2.25
2.27
2.01
2.17
2.41
2.42
2.61
2.76
2.64
2.11
3.31
3.08
2.84
2.82
2.59
2.81
-
2.50
2.79
-
集計対象;腹膜透析単独患者
解説
透析液交換方法に関する調査では4,375名の回答が得られた。完全手動交換のみを行うPD単独患者は1,401名
(32.0%)
、
紫外線、
熱式無菌接合装置によるバッグ交換デバイスを用いているPD患者はそれぞれ2,270名
(51.9%)
、
643名(14.7%)であった。
PD歴とAPD使用の有無について回答があった4,328名では、APDの使用割合は43.4%であった。PD歴1年未満
で45.4%、1 ~ 2年未満で46.3%であったのに対し、2年以上ではPD歴が長くなるほどAPD使用割合は減少して
いた(PD歴8年以上 35.6%)
。
PD歴とPD実施時間について回答があった4,063名においては、一日中(24時間)PDを実施している割合は
54.0%で、PD歴が長くなるにつれて増加していた(PD歴1年未満40.3% ~ PD歴8年以上70.3%)
。
42
3)腹膜透析調査
(3)PD歴別尿量、PD除水量、総除水量(図表39)
PD歴別の尿量
(平均値)
(mL/日)
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
1 年未満
1 年∼
2 年∼
4 年∼
8 年∼
PD歴別のPD除水量(平均値)
(mL/日)
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
1 年未満
1 年∼
2 年∼
4 年∼
8 年∼
PD歴別の総除水量(平均値)
(mL/日)
1,600
1,400
PD除水量(mL/日)
1,200
尿量(mL/日)
1,000
800
600
400
200
0
1 年未満
1 年∼
2 年∼
4 年∼
8 年∼
1年未満
1年~
2年~
4年~
8年~
合計
記載なし
総計
患者数
893
862
962
702
184
3,603
59
3,662
尿量平均(mL/日)
1002.53
857.47
690.06
482.05
266.34
745.39
676.98
744.29
標準偏差
545.35
564.78
548.95
502.33
447.85
578.83
625.20
579.58
1年未満
1年~
2年~
4年~
8年~
合計
記載なし
総計
患者数
971
901
1,036
755
198
3,861
77
3,938
PD除水量平均(mL/日)
433.51
541.14
659.45
798.18
846.37
611.73
696.10
613.38
標準偏差
464.06
484.92
500.31
512.93
430.09
506.24
480.35
505.83
1年未満
858
1,011.99
546.55
428.64
470.37
1年~
837
863.20
568.61
537.11
490.08
2年~
941
694.49
551.31
660.24
501.84
4年~
679
482.83
505.30
795.32
512.16
8年~
177
275.75
453.89
827.84
424.46
合計
3,492
750.56
581.92
608.58
508.72
記載なし
37
619.00
690.34
753.78
555.93
総計
3,529
749.18
583.20
610.10
509.36
患者数
尿量(mL/日)
PD除水量
(mL/日)
平均
標準偏差
平均
標準偏差
集計対象;腹膜透析単独患者
解説
尿量調査ではPD単独患者3,603名の回答が得られた。平均尿量は745.4mL/日であり、PD歴が長くなるにつれ
て尿量の低下がみられた(PD歴1年未満1002.5mL/日~ PD歴8年以上266.3mL/日)
。
PD除水量はPD単独患者3,861名から回答が得られ、平均除水量は611.7mL/日であり、PD歴が長いほど除水
量は増加がみられた(PD歴1年未満433.5mL/日~ PD歴8年以上846.4mL/日)
。
尿量、PD除水量およびPD歴すべてに回答があった3,492名で総除水量(平均1,359.1mL/日)をPD歴別に比較
すると、PD歴が長いほど総除水量は低値であった(PD歴1年未満1,440.6mL/日~ PD歴8年以上1103.6mL/日)
。
43
3)腹膜透析調査
(4)腹膜平衡試験(PET)D/P Cr 比(図表40)
PET施行の有無
PET施行の有無
人数
(%)
なし
1,445
(32.5)
(%)
PET施行
1,929
(43.4)
Fast PETのみ
1,068
(24.0)
合計
4,442
(100.0)
不明
57
記載なし
2,730
総計
7,229
PET D/P Cr 比と使用透析液
100
90
80
70
4.25%液+イコデキストリン
2.5%液+イコデキストリン
1.5%液+2.5%液+イコデキストリン
1.5%液+イコデキストリン
イコデキストリン単独(ブドウ糖使用なし)
4.25%液使用(イコなし)
2.5%液のみ
1.5%液と 2.5%液の併用
1.5%液のみ
60
50
40
30
20
10
0
0.5未満
0.5∼
0.65∼
0.81∼
使用透析液
0.5未満
0.5 ~
0.65 ~
0.81 ~
合計
記載なし
総計
1.5%液のみ
136
471
399
93
1,099
905
2,004
(%)
(62.1)
(51.9)
(39.4)
(31.2)
(45.1)
(44.3)
(44.8)
1.5%液と2.5%液の併用
24
131
131
23
309
287
596
(%)
(11.0)
(14.4)
(12.9)
(7.7)
(12.7)
(14.1)
(13.3)
2.5%液のみ
5
18
42
9
74
90
164
(%)
(2.3)
(2.0)
(4.2)
(3.0)
(3.0)
(4.4)
(3.7)
4.25%液使用(イコなし)
0
1
1
1
3
6
9
(%)
(0.0)
(0.1)
(0.1)
(0.3)
(0.1)
(0.3)
(0.2)
イコデキストリン単独(ブドウ糖使用なし)
1
6
5
5
17
21
38
(%)
(0.5)
(0.7)
(0.5)
(1.7)
(0.7)
(1.0)
(0.8)
1.5%液+イコデキストリン
26
157
259
127
569
442
1,011
(%)
(11.9)
(17.3)
(25.6)
(42.6)
(23.3)
(21.7)
(22.6)
1.5%液+2.5%液+イコデキストリン
13
76
107
22
218
164
382
(%)
(5.9)
(8.4)
(10.6)
(7.4)
(8.9)
(8.0)
(8.5)
2.5%液+イコデキストリン
14
47
67
18
146
123
269
(%)
(6.4)
(5.2)
(6.6)
(6.0)
(6.0)
(6.0)
(6.0)
4.25%液+イコデキストリン
0
1
1
0
2
3
5
(%)
(0.0)
(0.1)
(0.1)
(0.0)
(0.1)
(0.1)
(0.1)
合計
219
908
1,012
298
2,437
2,041
4,478
(%)
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
不明
7
23
16
2
48
8
56
記載なし
2
13
9
2
26
2,669
2,695
総計
228
944
1,037
302
2,511
4,718
7,229
平均
標準偏差
0.63
0.13
0.64
0.12
0.68
0.12
0.74
0.19
0.68
0.15
0.70
0.13
0.67
0.12
0.66
0.13
0.64
0.08
0.66
0.13
0.61
0.62
0.66
0.11
0.12
0.13
集計対象;腹膜透析単独患者
解説
腹膜平衡試験(PET)施行の有無について回答が得られた4,442名のうち、PET施行1,929名(43.4% )
、
Fast PET施行1,068名(24.0%)と併せて67.5%でPETが行われていた。
使用透析液に関する調査では4,478名から回答が得られた。1.5%もしくは2.5%ブドウ糖液のみ使用して
いる患者は2,764名(61.7%)で4.25%ブドウ糖液使用患者は14名(0.3%)とごく少数であった。イコデキス
トリン使用患者は1,705名(38.1%)であった。イコデキストリンの使用割合はD/P Cr 比0.5未満で24.7%、
0.5 ~ 0.65で31.6%、0.65 ~ 0.81で43.4%、0.81 ~で57.7%とD/P Cr 比が高くなるにつれて増加していた。
44
3)腹膜透析調査
(5)PD歴別残腎Kt/V、PD Kt/V、総Kt/V(図表41)
PD歴別の残腎Kt/V
(平均値)
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
1 年未満
1 年∼
2 年∼
4 年∼
8 年∼
PD歴別のPD Kt/V
(平均値)
2.50
2.00
1.50
1.00
0.50
0.00
1 年未満
1 年∼
2 年∼
4 年∼
8 年∼
PD歴別の総Kt/V
(平均値)
2.00
1.80
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
PD Kt/V
残腎Kt/V
1 年未満
1 年∼
2 年∼
4 年∼
8 年∼
患者数
残腎Kt/V平均
標準偏差
1年未満
408
0.86
0.59
1年~
447
0.79
0.60
2年~
512
0.60
0.57
4年~
351
0.49
0.77
8年~
63
0.23
0.52
合計
1,781
0.67
0.64
記載なし
36
0.43
0.43
総計
1,817
0.67
0.64
患者数
PD Kt/V平均
標準偏差
1年未満
466
1.12
0.61
1年~
501
1.20
0.65
2年~
581
1.31
0.66
4年~
418
1.45
0.68
8年~
80
1.38
0.75
合計
2,046
1.27
0.66
記載なし
76
1.55
0.49
総計
2,122
1.28
0.66
1年未満
401
0.86
0.57
1.02
0.52
1年~
439
0.79
0.60
1.09
0.51
2年~
503
0.59
0.56
1.26
0.58
4年~
333
0.46
0.66
1.40
0.57
8年~
59
0.25
0.53
1.51
0.70
合計
1,735
0.67
0.61
1.20
0.57
記載なし
36
0.43
0.43
1.25
0.47
総計
1,771
0.66
0.61
1.20
0.57
患者数
残腎Kt/V
PD Kt/V
平均
標準偏差
平均
標準偏差
集計対象;腹膜透析単独患者
解説
残腎Kt/Vの調査では1,781名から回答が得られ、平均残腎Kt/Vは0.67であった。PD歴が長くなるにつ
れて残腎Kt/Vは低下がみられた(PD歴1年未満0.86 ~ PD歴8年以上0.23)。
PD Kt/Vについては2,046名から回答が得られ、平均PD Kt/Vは1.27であった。
残腎Kt/V、PD Kt/V、およびPD歴のすべてに回答のあった1,735名において、総Kt/V(残腎Kt/V+
PD Kt/V)は平均1.87であった。
45
3)腹膜透析調査
(6)腹膜炎、出口部感染(図表42)
患者毎の腹膜炎発症率
(%)
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
0
腹膜炎発症率
0
(回/1患者・年)
人数
3,640
(%)
(86.7)
・個々の患者の腹膜炎発症率
(回/1患者・年)
=2013年中の腹膜炎回数÷(2013年中のPD実施月数/12)
1.0 ∼
2.0 ∼
3.0 ∼
4.0 ∼
5.0 ∼
(回)
1.0 ~
2.0 ~
3.0 ~
4.0 ~
5.0 ~
合計
不明
記載なし
総計
平均
400
(9.5)
97
(2.3)
32
(0.8)
13
(0.3)
15
(0.4)
4,197
(100.0)
57
2,975
7,229
0.22
個々の患者の腹膜炎発症率(回/1患者・年)は、1.0未満の数値が0となるため、「0」と表示しています。
患者毎の出口部感染発症率
(%)
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
0
出口部感染発症率
0
(回/1患者・年)
人数
3,425
(%)
(82.2)
・個々の患者の出口部感染発症率(回/1患者・年)
=2013年中の出口部感染回数÷(2013年中のPD実施月数/12)
1.0 ∼
2.0 ∼
3.0 ∼
4.0 ∼
5.0 ∼
(回)
1.0 ~
2.0 ~
3.0 ~
4.0 ~
5.0 ~
合計
不明
記載なし
総計
平均
456
(10.9)
156
(3.7)
57
(1.4)
35
(0.8)
40
(1.0)
4,169
(100.0)
84
2,976
7,229
0.35
個々の患者の出口部感染発症率(回/1患者・年)は、1.0未満の数値が0となるため、「0」と表示しています。
施設毎の腹膜炎発症率
(%)
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
0∼
腹膜炎発症率
0~
(回/1患者・年)
施設数
215
(%)
(89.2)
・施設毎の腹膜炎発症率(回/1患者・年)=施設内2013年中の腹膜炎罹患回数の総和÷(施設内2013年中のPD実施月数の総和/12)
1.0 ∼
0∼
出口部感染発症率
0~
(回/1患者・年)
施設数
205
(%)
(75.9)
3.0 ∼
4.0 ∼
5.0 ∼
(回)
1.0 ~
2.0 ~
3.0 ~
4.0 ~
5.0 ~
合計
記載なし
総計
平均
21
(8.7)
2
(0.8)
3
(1.2)
0
(0.0)
0
(0.0)
241
(100.0)
251
492
0.21
施設毎の出口部感染発症率
(%)
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
2.0 ∼
・施設毎の出口部感染発症率(回/1患者・年)=施設内2013年中の出口部感染罹患回数の総和÷(施設内2013年中のPD実施月数の総和/12)
1.0 ∼
2.0 ∼
3.0 ∼
4.0 ∼
5.0 ∼
(回)
1.0 ~
2.0 ~
3.0 ~
4.0 ~
5.0 ~
合計
記載なし
総計
平均
41
(15.2)
14
(5.2)
3
(1.1)
2
(0.7)
5
(1.9)
270
(100.0)
221
491
0.42
集計対象;腹膜透析単独患者
解説
腹膜炎に関する調査には4,197名から回答が得られた。腹膜炎発症率は平均0.22回/1患者・年であった。
2013年中に1回も腹膜炎を発症していない患者が3,640名(86.7%)
、1回以上2回未満発症した患者が400名
(9.5%)
、2回以上発症した患者は157名(3.7%)であった。腹膜炎発症率を施設毎(有効回答241施設)で
算出すると施設毎の腹膜炎発症率は平均0.21回/1患者・年であった。
出口部感染に関する調査には4,169名から回答が得られた。出口部感染発症率は平均0.35回/1患者・年で
あった。2013年中に1回も出口部感染を発症していない患者が3,425名(82.2%)
、1回以上2回未満発症した
患者が456名(10.9%)
、2回以上発症した患者は288名(6.9%)であった。出口部感染発症率を施設毎(有
効回答270施設)で算出すると施設毎の出口部感染発症率は平均0.42回/1患者・年であった。
46
3)腹膜透析調査
(7)被嚢性腹膜硬化症(EPS)の既往(図表43)
EPSの既往
なし
患者数
(%)
12,321
(94.5)
あり(剥離手術既 あり(剥離手術既 あり(剥離手術既 あり(剥離手術既
往あり、ステロイ 往あり、ステロイ 往なし、ステロイ 往なし、ステロイ
ド使用歴あり)
ド使用歴なし)
ド使用歴あり)
ド使用歴なし)
552
29
84
54
(4.2)
(0.2)
(0.6)
(0.4)
(%)
合計
不明
記載なし
総計
13,040
(100.0)
267
3,895
17,202
PD歴とEPSの既往
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
1 年未満
EPSの既往
なし
(%)
あり(剥離手術既往あり、
ステロイド使用歴あり)
(%)
あり(剥離手術既往あり、
ステロイド使用歴なし)
(%)
あり(剥離手術既往なし、
ステロイド使用歴あり)
(%)
あり(剥離手術既往なし、
ステロイド使用歴なし)
(%)
合計
(%)
不明
記載なし
総計
1 年∼
2 年∼
4 年∼
8 年∼
1年未満
1,085
(99.6)
1年~
1,028
(99.4)
2年~
1,220
(99.3)
4年~
1,121
(98.9)
8年~
420
(98.6)
合計
4,874
(99.2)
記載なし
7,447
総計
12,321
4
6
6
4
3
23
529
552
(0.4)
(0.6)
(0.5)
(0.4)
(0.7)
(0.5)
0
0
0
0
0
0
29
29
(0.0)
(0.0)
(0.0)
(0.0)
(0.0)
(0.0)
73
84
50
54
8,128
13,040
213
3,285
11,626
267
3,895
17,202
0
0
3
6
2
11
(0.0)
(0.0)
(0.2)
(0.5)
(0.5)
(0.2)
0
0
0
3
1
4
(0.0)
1,089
(100.0)
7
127
1,223
(0.0)
1,034
(100.0)
14
119
1,167
(0.0)
1,229
(100.0)
7
156
1,392
(0.3)
1,134
(100.0)
16
150
1,300
(0.3)
426
(100.0)
10
58
494
(0.1)
4,912
(100.0)
54
610
5,576
集計対象;腹膜透析経験あり患者
解説
被嚢性腹膜硬化症(EPS)に関する調査は全透析患者を対象に行った。PDの経験があり、EPSの既往
について回答があった13,040名において、719名(5.5%)にEPSの既往が認められた。EPSの既往を有す
る患者のうち581名(80.8%)で剥離手術の既往が認められた。
PD歴とEPSの既往については4,912名から回答が得られ、EPSの既往はPD歴1年未満で0.4%、1年~ 2年
未満で0.6%、2年~ 4年未満で0.7%と低値で留まるのに対し、4年~ 8年未満で1.1%、8年~では1.4%とPD
歴が長くなるにつれて増加を認めた。
47
4)糖尿病調査
透析患者の高齢化、一般住民の生活習慣の変化により、原疾患が糖尿病性腎症でない患者にも糖尿病を併発、ある
いは糖尿病の既往のある患者が増加している。糖尿病の併発・既往は、心臓血管病、その他の様々な疾患の発症危険
因子として知られている。そこで、本年度以降、糖尿病の既往の有無を基本的な調査項目の一つとして加えることに
より、糖尿病性腎症以外にも潜在的に糖尿病という危険因子を保持する患者を確認できるようにした。尚、糖尿病の
既往とは、過去に糖尿病と診断されたことがある患者と同時に、現在糖尿病による治療を受けている患者が含まれる。
(1)糖尿病既往患者について(図表44)
各原疾患における糖尿病既往の割合
糖尿病既往あり患者の原疾患
慢性糸球体腎炎
慢性腎盂腎炎
急速進行性糸球体腎炎
14.4%
(18,865)
妊娠腎/妊娠中毒症
その他分類不能の腎炎
多発性嚢胞腎
腎硬化症
悪性高血圧
85.6%
(111,709)
SLE腎炎
アミロイド腎
痛風腎
先天性代謝異常に基づく腎不全
腎・尿路結核
腎・尿路結石
糖尿病性腎症以外
腎・尿路腫瘍
閉塞性尿路障害
糖尿病性腎症
骨髄腫
腎形成不全
不明
再導入
その他
0
5
原疾患別糖尿病の既往
糖尿病性腎症以外
各原疾患における
原疾患
糖尿病あり 糖尿病ありの割合 糖尿病なし
合計
(%)
糖尿病性腎症
111,709 (100.0)
3
111,712
慢性糸球体腎炎
8,115
(14.7)
47,252
55,367
慢性腎盂腎炎
256
(14.9)
1,459
1,715
急速進行性糸球体腎炎
403
(28.5)
1,010
1,413
妊娠腎/妊娠中毒症
98
(10.5)
837
935
その他分類不能の腎炎
118
(16.6)
594
712
多発性嚢胞腎
629
(10.4)
5,403
6,032
腎硬化症
3,176
(20.3)
12,444
15,620
悪性高血圧
203
(15.0)
1,149
1,352
SLE腎炎
247
(19.0)
1,053
1,300
アミロイド腎
46
(18.8)
199
245
痛風腎
84
(12.8)
571
655
先天性代謝異常に基づく腎不全
24
(16.1)
125
149
腎・尿路結核
12
(10.3)
104
116
腎・尿路結石
57
(17.4)
271
328
腎・尿路腫瘍
87
(17.4)
414
501
閉塞性尿路障害
67
(16.4)
341
408
骨髄腫
27
(17.5)
127
154
腎形成不全
30
(7.7)
358
388
不明
3,750
(24.7)
11,411
15,161
再導入
273
(21.8)
979
1,252
その他
1,163
(27.9)
3,005
4,168
小計
18,865
(17.5)
89,106 107,971
合計
130,574 (59.4)
89,109 219,683
記載なし
9
2
11
総計
130,583 (59.4)
89,111 219,694
10
15
20
25
30(%)
糖尿病既往あり患者の年齢と性別
不明
記載なし
総計
3,406
43,662
1,334
998
722
623
4,622
10,808
1,146
985
207
473
114
114
272
353
342
108
238
11,645
927
3,064
82,757
86,163
19
86,182
115,118
99,029
3,049
2,411
1,657
1,335
10,654
26,428
2,498
2,285
452
1,128
263
230
600
854
750
262
626
26,806
2,179
7,232
190,728
305,846
30
305,876
年齢
男性
女性
合計
記載なし
総計
15歳未満
(%)
1
(0.0)
1
(0.0)
2
(0.0)
0
2
15歳~
(%)
57
(0.1)
30
(0.1)
87
(0.1)
0
87
30歳~
(%)
3,309
(3.6)
1,327
(3.3)
4,636
(3.6)
0
4,636
45歳~
(%)
17,788
(19.7)
5,932
(14.7)
23,720
(18.2)
1
23,721
60歳~
(%)
45,776
(50.7)
18,750
(46.6)
64,526
(49.4)
0
64,526
75歳~
(%)
22,797
(25.2)
13,561
(33.7)
36,358
(27.8)
0
36,358
90歳~
(%)
578
(0.6)
673
(1.7)
1,251
(1.0)
0
1,251
1
130,581
0
0
1
53.00
ー
1
1
130,583
67.48
11.32
合計
(%)
不明
記載なし
総計
平均
標準偏差
90,306
40,274
130,580
(100.0) (100.0) (100.0)
1
0
90,307
66.70
11.11
0
1
40,275
69.23
11.58
1
1
130,582
67.48
11.32
集計対象;糖尿病既往あり患者
解説
糖尿病既往ありと記載された130,574人のうち、原疾患が糖尿病でない患者は18,865人(14.4%)である。
また、原疾患と糖尿病の既往の両方に記入がある107,971人のうち、糖尿病性腎症以外の原疾患で、
18,865人(17.5%)に糖尿病の既往があった。原疾患別では急速進行性糸球体腎炎28.5%、その他27.9%、
不明24.7%、再導入21.8%、腎硬化症20.3%の順で糖尿病の既往があった。
註:糖尿病性腎症を原疾患とする患者は、ほぼ全員が“糖尿病既往あり”であるため、図内表示を割愛した。
48
4)糖尿病調査
(2)血糖管理指標測定状況と糖尿病治療薬の使用状況(図表45)
血糖管理指標測定状況
26.7%
(23,691)
ヘモグロビンA1cのみ
46.7%
(41,373)
グルコアルブミンのみ
両者測定値あり
26.6%
(23,624)
ヘモグロビンA1cのみ グルコアルブミンのみ 両者測定値あり
41,373
23,624
23,691
(46.7)
(26.6)
(26.7)
患者数
(%)
合計
88,688
(100.0)
記載なし
41,895
総計
130,583
ヘモグロビンA1c
(%)および グリコアルブミン
(%)
の分布
0.7%
(477)
0.2%
(145)
1.4%
4.4% (928)
(2,892)
5.0%
(3,223)
5.0未満
5.0∼
9.8%
(6,385)
1.0%
1.1%
(498) (453)
2.3%
(1,111)
5.3%
(2,518)
14未満
14∼
18∼
6.0∼
8.4%
(5,496)
6.5∼
13.5%
(6,384)
7.0∼
13.4%
(8,701)
3.2%
(1,519)
37.8%
(24,597)
22∼
7.5∼
24∼
12.7%
(6,022)
8.0∼
9.0∼
18.8%
(12,220)
20∼
24.5%
(11,569)
28∼
17.0%
(8,054)
10.0∼
12.0∼
32∼
19.4%
(9,187)
36∼
40∼
ヘモグロビンA1c
(%)5.0未満 5.0 ~ 6.0 ~ 6.5 ~ 7.0 ~ 7.5 ~ 8.0 ~ 9.0 ~ 10.0 ~ 12.0 ~ 合計 記載なし 総計
患者数
6,385 24,597 12,220 8,701 5,496 3,223 2,892
928
477
145 65,064 65,519 130,583
(%)
(9.8) (37.8)(18.8)(13.4) (8.4) (5.0) (4.4) (1.4) (0.7) (0.2)(100.0)
平均
6.19
標準偏差
1.16
グリコアルブミン(%)14未満 14 ~ 18 ~ 20 ~ 22 ~ 24 ~ 28 ~ 32 ~ 36 ~ 40 ~
合計 記載なし 総計
平均 標準偏差
患者数
1,519 11,569 9,187 8,054 6,022 6,384 2,518 1,111
498
453 47,315 83,268 130,583 21.20 5.34
(%)
(3.2) (24.5)(19.4)(17.0)(12.7)(13.5) (5.3) (2.3) (1.1) (1.0)(100.0)
インスリン使用状況
DPP4阻害薬使用状況
21.1%
(19,510)
27.6%
(25,709)
33.0%
(31,653)
なし
67.0%
(64,284)
インスリン
使用
患者数
(%)
なし
あり
その他の経口治療薬使用状況
合計
64,284 31,653 95,937
(67.0) (33.0) (100.0)
72.4%
(67,298)
不明
記載なし
670
33,976 130,583
総計
DPP4
阻害薬使用
患者数
(%)
なし
あり
合計
不明
67,298 25,709 93,007
1,026
(72.4) (27.6) (100.0)
あり
78.9%
(72,983)
記載なし
総計
36,550 130,583
その他の経口
治療薬使用
患者数
(%)
なし
あり
合計
不明
72,983 19,510 92,493
1,145
(78.9) (21.1) (100.0)
記載なし
総計
36,945 130,583
集計対象;糖尿病既往あり患者
解説
日本透析医学会「血液透析患者の糖尿病治療ガイド2012」では、透析患者の血糖管理指標として、ヘモ
グロビンA1c(HbA1c)ではなくグルコアルブミンが推奨された。ガイドライン発表から約一年が経過し
た2013年末では、53.3%の患者においてグルコアルブミンの測定が行われていたが、46.7%の患者において
は依然としてHbA1c単独による血糖管理の評価が行われていた。
HbA1c測定患者における平均HbA1cは6.19±1.16%で、HbA1c測定患者の79.8%が7.0%未満に管理されて
いた。グリコアルブミン測定患者における平均グリコアルブミンは21.20±5.34%で、グリコアルブミン測
定患者の47.1%が20%未満、76.8%が24%未満に管理されていた。
経口血糖降下薬の大半が維持透析患者には禁忌であったため、これまで維持透析患者の血糖管理にはイ
ンスリン注射が基本とされてきた。2013年末維持透析を受けている患者の血糖降下薬としては、糖尿病既
往あり患者の33.0%にインスリンが使用されていた。さらに透析患者にも使用可能な経口血糖降下薬とし
て、DPP4阻害薬が27.6%の患者に使用され、αグルコシダーゼ阻害薬を中心とするその他の経口治療薬が
21.1%の患者に使用されていた。
49
Ⅲ.統計調査利用規程
日本透析医学会雑誌第36巻 4 号巻頭会告
会 告
日本透析医学会雑誌第36巻4号巻頭より
(社)
日本透析医学会
理 事 長
内藤 秀宗
統計調査委員会委員長 秋葉 隆
統計調査利用規程
日本透析医学会統計調査委員会が毎年発行している「わが国の慢性透析療法の現況(200*年12月31日
現在)」(以下「統計調査」)の会員及び非会員による引用,改変等の適切な利用を進めるためにここに利
用規程を定める.
「統計調査」は,日本透析医学会の会員のご負担により,日本の透析医療を良くするために,収集した
日本透析医学会の所有する医療データである.すなわち,
「統計調査」は,透析医学会会員と施設会員が,
会員透析施設内で透析医療を良くするためにご活用いただくことを意図している.本学会は会員だけで
なく,患者・国民に対して透明性を高めるために,このデータを原則的に公開する.
しかしながら,「広く誰でもが勝手に利用いただく」ためには作成されたものではないので,その誤用
を避けるために,以下に定める利用規程に従い,有効にお使いいただきたい.とくに,医学用語に関し
ては,透析医療の領域でその時期に一般に使われているものであり,透析を専門としない方が,安易に
理解できる形で提供されてはいないので注意されたい.
1)「現況」の内容をそのままの形での内容の引用,図の引用,及び単一の図または表からのデータを使
って作図・作表し,当該透析施設内・日本透析医学会及びその関連学会・研究会で診療・教育・研
究に活用される場合(その内容が抄録などで出版配布される場合は,次項にしたがってください.)
発表中に,出典を明らかにすれば,特に透析医学会統計調査委員会に届けることなく利用できる.
2)「現況」の内容をそのままの形での内容の引用,図の引用,及び単一の図または表からのデータを使
って作図・作表し,上記以外で利用される場合
透析医学会統計調査委員会に統計調査引用許可願を申請し,統計調査委員長はその可否を判断し
て引用許可を与える.疑義がある場合には,統計調査委員会に諮ってその可否を判断する.発表
中に出典を明らかにする.なお,統計調査委員長が職務を遂行出来ない場合は,副委員長が統計
調査委員会の職務を代行する.
3)「現況」の複数の図表からのデータを使って作表・作図,又はこれに他の資料からのデータを加えて
作表・作図を行う場合
透析医学会統計調査委員会に統計調査現況データ利用願いを申請する.図表の改変に相当するの
で,統計調査委員会にて申請の可否を判断する.なお統計調査委員会単独での判断が難しい場合は,
必要に応じて透析医学会学術委員会・倫理委員会・総務委員会と合同して判断する.発表中に出
典を明らかにする.
4)統計調査の原データを再集計して,統計操作の上,考察を加える場合
統計調査委員会に「統計調査データ抽出申請」を申請する.統計調査委員会は,従来から行われ
ている(当該県単独のデータ請求,裁判での利用など)社会的意義があると判断される申請はこ
れを許可し,その実費を申請者に請求する.
これ以外の申請については,統計調査委員会は申請者のデータの使用目的と結論,データ秘密保
持に関する体制,発表の方法,発表内容の帰属(版権など)等を広く慎重に検討し,透析医学会
会員に対して統計調査委員会がその内容に対して責任の持てる形での利用を進める.
5)日本透析医学会誌に掲載される「現況」の引用
編集委員会が担当し,透析医学会会誌の引用の規定に従って対応する.
(以上)
52
日本透析医学会 統計調査委員会事務局 行き
〒113-0033 東京都文京区本郷2-38-21 アラミドビル2F
TEL 03―5800―0790 E-mail [email protected]
FAX 03―5800―0787
日本透析医学会 統計調査等データの引用・利用・提供依頼書
申請日
平成 年 月 日
引用/利用
(改変を伴う場合)
/提供
(○印)
フリガナ
透析医学会会員の有無(○印)
申請者氏名
個人会員/施設会員/賛助会員/非会員
フリガナ
所属の分類(○印)
申請者所属
病院/病院以外の医療機関/医学系の大学/医学系以外の
大学/医学系の研究所/報道機関/国/地方公共団体/
個人/その他
TEL
住所
FAX
e-mail
依頼内容
年 頁 図・表
「わが国の慢性透析療法
の現況****年12 月 31 日
引用利用元 現在」の頁と図表番号(欄
が不足する場合は別紙添
付)
年 頁 図・表
年 頁 図・表
年 頁 図・表
年 頁 図・表
ご希望の情報を新たにデータ
引用元不明
の場合の内
容
希望される情報の内
ベースから作成する場合有料
容の詳細を別紙に添
です.有料でも
付してください.
(希望する・しない)
発行・講演・放映などの予定
引用・利用
先分類(い
ずれか○
印)
報道・定期刊行物・単行 左記詳細
本・学会・講習会研究
会 ・ テレビ・ラジオ・公
開しない・その他
日時
年 月 日
上記以外の記録(有/無)
具体的に( )
同送枚数 別紙も含んで 枚
53
図説 わが国の慢性透析療法の現況
2013年12月31日現在
発行日
発 行
2 0 1 4年6月1 2日
一般社団法人 日本透析医学会
統 計 調 査 委 員 会
椿 原 美 治
〒1 1 3-0 0 3 3
東京都文京区本郷2丁目38番21号
アラミドビル2F
TEL〈03〉5 8 0 0-0 7 8 6(代表)
FAX〈03〉5 8 0 0-0 7 8 7
Japanese Society for Dialysis Therapy:
Aramido Building, 2-38-21 Hongo,
Bunkyo-ku, Tokyo 113-0033
TEL: 81-3-5800-0786
FAX: 81-3-5800-0787
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