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第2回 トラック輸送における取引環境・ 労働時間改善沖縄県地方協議会
第2回 トラック輸送における取引環境・ 労働時間改善沖縄県地方協議会 平成 27 年 12 月 17 日(木)15 時 00 分~17 時 00 分 於) 那覇第2地方合同庁舎2号館5階 (海技試験室・受験者控室) 【 議 事 次 第】 Ⅰ.開会 Ⅱ.議題 1. トラック輸送状況における実態調査について 2.トラック輸送状況におけるヒヤリング結果について 3.トラック事業者委員からの「取引環境改善に向けた取組事例」の発表 について 4.その他 Ⅲ.閉会 【 配 布 資 料 】 議事次第、委員名簿、配席図、協議会設置規約 資料1 資料2 トラック輸送状況における実態調査について 【沖縄県トラック協会】 トラック輸送状況におけるヒヤリング結果について 【沖縄県トラック協会】 トラック輸送における取引環境・労働時間改善沖縄県地方協議会委員名簿 氏 名 所 座 長 小野 秀昭 流通経済大学 委 員 松岡 正晃 イオン琉球株式会社 属 ・ 物流科学研究所 管理本部 昭彦 沖縄県生コンクリート協同組合 ストアオペレーション部長 玉城 〃 具志堅全隆 浦西産業株式会社 代表取締役社長 〃 新城 代表取締役社長 〃 親川 〃 仲田 〃 山城 〃 上里 〃 松田原昌輝 連合沖縄 〃 玉那覇英昭 運輸労連沖縄県連合会 〃 佐次田 〃 待鳥 浩二 沖縄労働局 〃 坪井 史憲 沖縄総合事務局 進 沖縄県商工会連合会 職 教授 〃 英一 大成通運株式会社 役 常務理事 事務局長 秀光 沖縄県商工会議所連合会 常任幹事 勝 一般社団法人沖縄県経営者協会 芳弘 沖縄県中小企業団体中央会 常務理事 専務理事 副事務局長 書記長 朗 公益社団法人沖縄県トラック協会 会長 局長 運輸部長 (順不同・敬称略) 第2回トラック輸送における取引環境・労働時間改善沖縄県地方協議会 配席図 事務局 随行者席 運輸労連 沖縄県連合会 書記長 (公社)沖縄県トラック協会 玉那覇 英昭 佐次田 朗 運輸部長 沖縄労働局 労働基準部長 坪井 史憲 大嶋 直樹(代理出席) 沖縄総合事務局 記者席 会長 連合沖縄 副事務局長 松田原 昌輝 (座長) 流通経済大学 物流科学研究所教授 沖縄県中小企業団体中央会 総務部長 上地 啓子 小野 秀昭 (代理出席) (一社)沖縄県経営者協会 傍聴者席 企画調査部 課長 玉那覇 紀宏 (代理出席) 沖縄県商工会議所連合会 総務部 次長 福地 敦士(代理出席) 大成通運(株) 代表取締役社長 浦西産業(株) 代表取締役社長 新城 英一 具志堅 全隆 イオン琉球(株) 管理本部 ストアオペレーション部長 松岡 正晃 随行者席 出入口 出入口 トラック輸送における取引環境・労働時間改善沖縄県地方協議会設置規約 (名称) 第1条 本協議会は、「トラック輸送における取引環境・労働時間改善沖縄県地方協議 会」(以下、「協議会」という。)と称する。 (目的) 第2条 本協議会は、トラック運送事業者、荷主、行政等の関係者が一体となり、トラ ック運送業における取引環境の改善及び長時間労働の抑制を実現するための具体 的な環境整備等を図ることを目的とする。 (組織) 第3条 協議会は、学識経験者、荷主、トラック運送事業者、経済団体、トラック運送 事業者団体、労働者団体、沖縄労働局、沖縄総合事務局運輸部の各員(以下「委 員」という。)をもって構成する。 2.協議会には、委員の互選により座長を置く。 3.座長は、議事その他の会務を統括する。 (協議会及び活動事項) 第4条 協議会は目的達成のため次の活動を行う。 (1)沖縄県におけるトラック運送事業の長時間労働の抑制に向けた諸対策に関 すること (2)沖縄県におけるトラック運送事業の取引環境の改善に向けた取組に関する こと (3)その他 (協議会) 第5条 協議会は、必要に応じて座長が召集する。 2.座長は必要に応じ、協議会に委員以外の者を出席させることができる。 3.協議会は公開を原則とする。ただし、座長が必要と認める場合は、非公開で行 うことができる。 (ワーキンググループ) 第6条 協議会には、第4条(協議会及び活動事項)に掲げる事項に関して専門的に検 討を行う機関としてワーキンググループ(以下、「WG」という。)を置くこと ができる。 2.WGは、座長が指名した委員等により構成する。 (事務局) 第7条 協議会の運営に関する事務は、沖縄労働局、沖縄総合事務局運輸部、沖縄県ト ラック協会が共同で行うものとする。 -1- (その他) 第8条 これに定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項はその都度協議し、 決定する。 (附 則) この規約は、平成27年7月31日から施行する。 -2- 資料2 トラック輸送状況におけるヒヤリング結果について 平成27年12月17日 (沖縄県地方協議会運営事務局) 【ヒヤリング方法】 ヒヤリングにご協力いただける荷主1社・トラック運送事業者1社 を対象に、質問事項(13項目)について聞き取り調査を実施。 № 1 2 荷主(1社) 質問事項 発荷 着荷 手待ち時間について ・トラック運送事業者が荷物を受け ・ある。 取る(積む)、又は運び込んだ際に 15~20分程度。 荷積み・荷卸しを待たせたこと、 待ったことがあるか。 あるとしたらどのくらいの時間なの か。 発荷主・着荷主のみ ①集配トラックの到着後、荷積み 開始までの時間 ②トラックへの積み込み時間 ③「①+②=合計時間} ・ある。 5~10分程度。 ①出荷トラブルが無ければ待ち時間 なし。出荷トラブルがあった場合は1 5~20分。 (例) ・発注データが吸い上げできない ・商品のラベルができていない ・システムエラーのため手作業になり 時間がかかってしまう ・賞味期限のラベル貼りが間に合って いない ・人の仕分けが間に合っていない等 トラック運送事業者(1社) ・ある。 午前中に荷卸し場所で受付をして待 機し、午後に荷卸しが開始できる。 (例) 11:00に受付をして16:30分に荷 卸し(5時間30分の手待ち)。 実際の荷卸し時間は約30分。 - - ②20~30分 ③合計=35~50分 ①集配トラックの到着後、荷卸し 開始までの時間 ②トラックからの荷卸し開始時間 ①5~10分 ②15~20分 - ③「①+②=合計時間} ③合計=20~30分 -1- - № 質問事項 3 手待ち時間が発生する要因は何か。 4 5 荷主(1社) 発荷 ・荷主側の問題 ①出荷トラブルの発生 ・運送事業者側の問題 ・特になし 着荷 トラック運送事業者(1社) ①搬入口が少ない(1つしかない場所 ①荷受け先(倉庫)の人数が少ない。 もある)。 ②荷物の受け入れのシステムが機能 していない。 ②大幅に(1時間)遅れることが予想 ②搬入場所によっては大きいトラック (必ず荷卸し場で受付をして、いつ荷 できる場合には運送事業者へ連絡し は指定場所でないといけない等の決 卸しできるかは倉庫の空き状況や倉 ている。 まりがある。 庫担当者の人数等により日によって 異なるため現場を離れることができな い。) ③荷主の内部での連携が取れていな い。 (荷主の営業担当は利益を上げるた め多くの商品を注文するが、実際に 運び込むと倉庫内は荷物でいっぱい でスペースを空けるのに時間がかか る。) ・特になし ・時間指定の有無 ①時間指定の内容 ・荷卸し場所と自社営業所間が車で3 0~40分ほどかかる場所にある為、 荷卸し受付をして1度自社営業所へ 戻ることができないため、待機せざる を得ない。 ①ある。 ①ある。 ~時までに取りに来るという内容。(納 商品によって指定する。 品に合わせ時間を逆算して算出) ②トラックの到着が遅れた場合の ②なし。 ②なし。 遅れることはほとんどない。 ペナルティの有無 車両トラブル等により遅れる場合は、分 かった時点ですぐに連絡する。 ①ある。 荷主によって時間、時間帯指定と 様々。 ・トラック到着後の荷積み・荷卸し ・なし。 ・なし。 開始までの手待ち時間の料金は 車両トラブル等で遅れることもあるの 発生するのか。 で、持ちつ持たれつの関係。 ・料金なし。 手待ち料金の交渉はないが、手待ち 時間を減らすようにお願いをしたこと はあるが改善に至らず。 -2- ②遅れることはほとんどない。 № 荷主(1社) 質問事項 発荷 着荷 トラック運送事業者(1社) 6 ・手待ち時間が発生しないような 取組み等。 ・なし。 ・なし。 ・交渉をしたが効果なし。 7 ・手待ち時間をなくすような今後の ・なし。 課題。 ・なし。 ・荷卸しの際の検品に時間がかかっ ている。検品方法の見直し。 ・「質問事項№3.荷主側の問題」を 改善して欲しい。 8 付帯作業について ・荷役方法は(フォークリフトor手 積み) ①発貨物(荷積み)では ①ロールボックス荷役(カゴ車)。 ①ロールボックス荷役(カゴ車)。 ②ロールボックス荷役(カゴ車)。 ②ロールボックス荷役(カゴ車)。 ①航空貨物や海上貨物(コンテナ)の 引き取り ②・運転者によるフォークリフト ・運転者による手荷役 ・ロールボックス荷役(カゴ車)。 ①荷主側担当者が実施。 ①自社倉庫作業員による荷役。 ②着貨物(荷卸し)では 9 ・荷役の作業者は誰が実施(貴社 ①荷主側担当者が実施。 担当者、トラックドライバー) ①発貨物(荷積み)では ②運転者はロールボックスをパワー ゲートでベタ(地面)から荷台へ移動 ②着貨物(荷卸し)では するのみ。 パワーゲートを装備していない場合 は、準備されたロールボックスを荷台 へ引っ張り入れるまで。 ②運転者はロールボックスをパワー ②約9割が運転者による荷役。 ゲートでベタ(地面)まで置くまで。そ こからの移動は荷主側担当者が実 施。 パワーゲートを装備していない場合 は、荷台からロールボックスを引っ張 り出すまで。 10 ・荷役料金の有無 ・なし。 ・なし。 11 ・付帯作業について運送契約(書 ・ある。 ・付帯作業がない。 面化)を結んでいるか。 たまに売り場までロールボックスを指 定場所へ移動する業務を依頼される が、その分の料金が別で支払われ る。 -3- ・なし。 ・なし。 発荷主との運送契約には付帯作業に ついての記載はない。 № 荷主(1社) 質問事項 12 ・運送契約にない付帯作業を依 頼、または受けたことがあるか。 発荷 着荷 ①なし。 ①なし。 ②なし。 ②なし。 ①ある。 ・検品 ・棚入れ(先入れ先出し) ・商品の横持ち(倉庫内の複数の場 所へ商品を卸す) ・仕分け(商品毎にパレットを分ける。 店舗毎の仕分け。その際にも先入れ 先出しと同じように商品を積む。) ・荷主から専用のパレットを指定され (食品等の場合、木製パレットだと虫 が湧くからという理由)、荷主の方へ 一旦パレットだけを取りに行き持ち帰 り、そのパレットに商品を仕分けす る。 ①内容 ②料金の有無 トラック運送事業者(1社) ③なし。ただし、運送契約上の付帯作 ③なし。 業については料金が発生しているた め、運送事業者が負担。 ③破損等による補償の有無 ②なし。 ③運送事業者が負担。 13 ・なぜ運送契約にない付帯作業を 実施しなければならないのか。 - - -4- ・付帯作業を断ると「他の運送事業者 を使う」と言われ契約を切られる。 第2回トラック輸送における取引環境・労働時間改善沖縄県地方協議会 議事録(概要) 1.日 時 平成27年12月17日(木) 15時00分~17時00分 2.場 所 那覇第2地方合同庁舎2号館5階 海技試験室・受験者控室 3.出席者 小野 秀昭 流通経済大学 物流科学研究所 教授 (座長) 松岡 正晃 イオン琉球(株) 管理本部 ストアオペレーション部 部長 具志堅全隆 浦西産業(株) 代表取締役社長 新城 英一 大成通運(株) 代表取締役社長 福地 敦士 沖縄県商工会議所連合会 総務部 次長 (代理出席) 玉那覇紀宏 一般社団法人沖縄県経営者協会 企画調査部 課長 (代理出席) 上地 啓子 沖縄県中小企業団体中央会 総務部長 (代理出席) 松田原昌輝 連合沖縄 副事務局長 玉那覇英昭 運輸労連 沖縄県連合会 書記長 佐次田 朗 公益社団法人沖縄県トラック協会 会長 大嶋 直樹 沖縄労働局 労働基準部長 (代理出席) 坪井 史憲 沖縄総合事務局 運輸部長 4.座長挨拶 (小野 流通経済大学 教授) こんにちは。流通経済大学の小野と申します。 トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会につきましても、2回目の会議と なりました。1回目につきましては、まだキックオフということで、具体的な案件までは 入っていなかったのですが、今回は、事務局、あるいは、トラック業界の中で、実際にデ ータを集約していただいたり、あるいは、実際にヒアリングをして頂いたということで、 ある程度のデータもありますので、より活発な議論をよろしくお願いします。 それでは、今日の議題の進め方について、確認させていただきたいと思います。その他 を除けば、議題が三つございます。一つ目は、トラック輸送状況における実態調査につい ては、後ほど沖縄県トラック協会の方から御説明いただき、そして、御意見等をいただき たいと思っています。 議題2についても同様でございます。 それから、議題3につきましては、取り組み事例の発表ということで、本日御出席いた だいております佐次田委員、それから、新城委員につきまして、事例発表をお願いいただ いた後で、それにつきましての御意見を承りたいと思っております。 4.資料説明 資料1、2の説明(沖縄県トラック協会) 省略 5.説明資料に関する意見交換(資料1、2) (小野座長) 全体として輸送距離が割と短い。平均で見ると沖縄の特性がみられます。ドライバー 109人の平均で1日104キロ、1週間平均で583キロ。九州では1週間で数千キ ロという特徴があります。ただ、砂利・鉱石という品目で1週間でとっても長い場合で 2,100キロということは、週6日運行と考えたとして1日350キロぐらい。沖縄本 島の全長が100キロということは3.5往復ということになりますので、これは以外 と驚きです。 拘束時間・運転時間につきましても、平均を見ると割と安心できるレベルですが、拘 束時間でも上限は293時間ですので、1週間平均で56時間、4倍して220時間く らい、最も長い人で7日合計平均で83時間、4倍して330時間くらいで293時間 を超していますので、最大の人がちょっと引っ掛かるところがあるという感触を受けま した。 (玉那覇委員) 運転者の年齢という部分で、ほとんど30歳以上となっています。運転免許の関連も あるのでしょうけども、若い世代が育たない業界であるというのが浮き彫りになってい るのかなと思います。 (小野座長) 全国平均が40数歳、大型だと平均で45歳を超えていると思います。直感的に見ま すと40代の層が一番多く、そこを挟んで30代と50代ということで、平均するとバ ランス的にはほぼ全国平均だと思います。沖縄の場合はいろんな産業界平均でみますと 若いということだと思います。 荷役料金についての収受状況なんですが、その他付帯業務で、棚入れ、横持ち、運搬、 資材・廃材の運搬、返品、ラベル貼りといったものは、本来は運賃契約の中には入りま せん。基本的にはトラック業界として、こういったものを有料化して一括で請け負うこ とにすればビジネスチャンスも増える。 一般的には契約は発荷主とすることになりますので、発荷主のお客様の着荷主に対し ては何も決められない。結果的に着荷主は、当然のように要求してきますので、大体に おいて、保管場所まで運搬もそうだろうと思いますが、検品も出荷時にもやらされて、 かつ、着荷主のとこでもさせられるケースがあります。 (松田原委員) この調査について、有給休暇の取得状況についても入れるべきではなかったか。労働 時間関係で実労働時間というと年次有給休暇の消化とかあると思いますが、連合で労働 相談の中でトラック輸送の相談がくるときがありますが、会社に年休を行使したいけど というと、年休は無いのでシフト勤務に切り替えてくれということで有給休暇が取れな いとか、年休も無いといわれたという相談があります。うまくローテーションを組んで 休みを取らせている会社もありますので、そういう点も含めて労働時間改善の視野に入 れていただきたいと思っています。 (新城委員) 我々が問屋の方で業務する中には、フォークリフトを使う荷役作業、作業中に発生す る事故も付帯作業に被さってきますので、運送賠償保険を掛けて補償していかなければ いけない状況です。問屋の方で持っている保険が使えないということもある。我々が付 帯してやっているにも関わらず、保険まで考えていかなければならないことも障害にな っている。またフォークリフトの免許(資格)まで問われる。我々の経費の中に折り込 むのも厳しい。 (小野座長) 車上渡しが契約上の基本ですが、実際には運転手がお客様のフォーク、荷主のフォー クを利用して、そこの物流センター、倉庫などで自ら積み卸しをしている。荷主の倉庫、 庭先でありながら、そういった事故が起きた場合に対する対処等についてもとなると大 変なことです。 一般的に荷主側は全体を見ると、ほんの一部遅れるときがある、待たせるときがある。 トラック運送事業者ですと 1 週間に 1 回でもあると待たされるという印象が強くあるの で、取引関係のある荷主とトラック運送事業者では印象度が相当変わるとういうことだ と思います。 待機時間も受付順というのが他の地域でも良くないというのが言われています。受付 順ですと、早く仕事を終わらせるには早めに行かなければならないという自発性が働く のだと思います。そして、トラック運送事業者みんなが受け付け開始時刻に集中するの で、トラックが数珠繋ぎになってしまうこともある。一方で、時間帯指定だとかを分散 してくれる荷主もいるようです。 検品については、本来はトラック運送事業者がやるべきものでは無いことは明解なの で、物流としては絶対に必要だとの観点もあり、卸しと小売りの間であれば、卸しがし っかり検品しますし、小売りは入荷時に検品するといのが当たり前の世界でした。ただ 最近は、それをトラック運送事業者が肩代わりをすることは別にしまして、出荷時に検 品をして入荷時には検品をしないといところも相当増えています。コンビニについても 出荷時にしっかり検品をして入荷時検品廃止、それによって間違った場合にはベンダー の方が責任を被るとい条件の下でダブル検品はしないということに改めたところも相当 あるというふうに聞いております。現実にそれを計測してみますと、件数でいうとPP M単位でせいぜい80~100PPMであり、100万店で数十件ぐらいの間違いとい うことです。検品にかける労力と比較しても不要な形だということで確率的根拠を持っ て検品を片側にしたケースもあります。それを誰がやるかということですが、トラック 運送事業者がやるべきなのか難しいところなので、こういう点も議論していかなければ ならない。 そういった仕事を断った場合はどうなるのか、まさに物流二法以降の新規参入という のが相次ぎ、競争激化で他の運送事業者に取られるということです。そういったことを 頭の中で受け入れている又は定着している人もいるのかなという感触を持ちました。 (佐次田委員) 付帯作業の書面化について、地域性でいいますと沖縄の場合は無償でやってくれとい われた場合に、荷主から例えば月70万円でいいかと言われて決まってしまう。その付 帯事項となりますと、ほぼ書かれていませんでしたし、契約書面も無かった。ところが 7、8年前から公取の方が厳しくチェックするようになって、まず動き出したのが港運 会社でして、それまで契約書が全く無かったのが、契約書を作るようになった。もう時 効かと思いますけど、当時の支払いは港運会社も厳しかったですから、ひどいところは 7ヶ月遅れという時期がずっと続きました。その状況がなぜ続いたかといいますと、1 人1車という個人事業者が1日5,000円で仕事を引き受けると法人事業者は太刀打 ちができない。運賃が根底にあるのだと思います。ただ、良くはなってきていますので、 1番の根本的な原因はまず運送契約を結ばなければいけないことだと思います。 「付帯作 業を断ると他の運送事業者を使うと言われる」というのは、確かにあるかもしれません が、そこまで荷主は冷たくないんじゃないかと思います。自分なりにそこまで意固地に なってしまっているのではと思います。それと、走行距離の週間平均583キロという のがありましたけど、九州だと東京往復だけでも2、3千キロいってしまいます。それ と比べると沖縄の場合は少ないなと感じています。 (玉那覇委員) 全体的にこの資料を見ますと、トラック運送事業者が問題に挙げているのが、どちら かというと着荷主に問題点が多いのかなというイメージがします。もちろん、発荷主は トラック運送事業者と直接契約する立場ですから、改善の余地はやりやすいです。ただ、 着荷主というのは、そこに契約はありませんので、結局、若干待たされても文句を言え ない。直接言えないから、発荷主にお願いしても発荷主側も着荷主が顧客ですから、な かなか言えない部分があると思います。運輸労連としても第1回目の協議会が終わった 後に、全国的にこの協議会に参加している人を集めて、いろんな意見集約会をしたんで すが、個々のトラック事業者が掲げている問題点というのは、全国的に大体挙げられて います。 (小野座長) 着荷主については、荷主間でも取引契約の中に物流条件がしっかり書かれていないケ ースが大半です。さらに言えば、これも日本の商習慣の特徴ですけども、納入時価格で 契約するというもので、買い手から見ると物流費はただ、運賃込みという感覚です。こ ういう感触は日本の特徴だと思います。ちょっとした仕事でも全て有料するという意識 がないと、こういう使い方になってしまいます。 (玉那覇委員) 料金のシステムの話ですが、宅配関係で送料無料サービスを謳っている通販サービス がありますが、例えば、そういった問題にしても、逆に言ったら、流通や配達部門にコ ストがかかっていないのではないか。我々の運送関係の労働組合の中では問題視してい ます。やはり、我々の仕事を軽視されているような書き方はおかしいということで、書 くのであれば、例えば、送料込みとか、送料は荷主が負担になっていますという表示に するべきじゃないかと思います。 (小野座長) 場所によっては、送料無料とか、当日配達無料と書かれている。 (松岡委員) 国際通りに行きますと、お土産品全国無料とあるのですが、小さい字で「このお酒を 買ったら」と書かれています。一見するとただのように見えます。多分、その酒造会社 が負担しているようなので、やはり、表現が曖昧なところがあります。実は送料はかか っているが、それを表には出さないということだと思います。 もう一点、これとはズレる話になりますけど、我々、小売りの方で一番、頭が痛いの が台風なんです。特に台風明けのときに、当然、バスが通らないとトラックは走れない のですが、よく店舗の人からは、別の小売りのところは走っていたということ耳にしま す。やはりルールがない。 (佐次田委員) トラック協会にも台風のときに、よく一般の人からクレームが来ます。バスも止まっ ているときに、コンビニ配達しているのは危険ではないかと。実際にトラックがひっく り返ったときもありました。そういうクレームは結構来ます。 (松岡委員) 逆にルール(特に罰則など)を決めてもらって、ちゃんとルール決めをしてもらって 守ればいいと思います。競争なので、どこどこが走ってたよと言われたら、見に行った ら実際は走っています。 お客さんはそういう状況はわからないから、無理して配達してくれるところを支持し ます。そこら辺も全体で考えた方がいいと思います。沖縄には台風が来た時には店頭か ら物が無くなりますので。 (小野座長) 長時間労働と言えば、この協議会の取引環境のことですから、そういうところもやは り公正でなければならないということだと思います。 6.発表 議題3の発表(トラック運送事業者委員) 省略 (小野座長) 荷主も相当数、実際の運行実態系の中身まで見てくる。コンプライアンスについては、 本土と沖縄の荷主では若干対応が異なるということです。 (小野座長) 在庫管理、マーケティング、商談、物流というのが基本的な問屋の機能だと思います。 そのうちの、例えば、ピッキングだとか、検品、積み込み、そして配送がありますが、 アプローチとしては配送だけをやっていたということでしょうか。それともピッキング から合わせて全体をでしょうか。 (新城委員) 倉庫管理、ピッキング全てです。在庫が合わない場合は、ペナルティーもあるという ところまで踏み込んでやっていました。 (小野座長) 一括委託されて物流業務を全面的にやっていて、問屋さんとしては商流と営業だけを やっていたということですね。 (新城委員) そうです。社内的にはインベントリーを常にやって、その都度、いわゆるお客様のイ ンベントリーのときには、我々が何回も繰り返して、その数字にしっかり持っていって 検討していくということをやっていました。 (小野座長) 今、二つの事例発表がございました。最初の方は、コンプライアンス的にしっかりさ れていらっしゃる荷主がいるということで、二つ目のは、むしろ、一括委託するという、 ある意味、物流業としても望ましい仕事の取り方としてやっていったのだけども、営業 受注の急な割り込みがあって、反って物流業務が混乱するというのを歯どめを荷主がか けてくれなかったという事例だったと思います。 コンプライアンスにつきましては、やはり真の荷主であれ、物流子会社を通じた実運 送に対しても問題が生じると、発注の大元である真の荷主にも影響があるということで す。最近の傾向としては、コンプライアンスいう観点から中身まで立ち入って取引をし っかりやっていく。あるいは、契約を切ると判断される荷主が多くなっているようです。 (具志堅委員) 砂利運搬の方が運転時間も距離も長いということですが、砂利というと工事関係にな ります。実際、工事関係には忙しい時期と忙しくない時期があります。今回のデータと しては忙しい時期に入っていると思います。年間平均しますと、妥当な数字かなと思い ます。以前は10tダンプトラック(単車)でやっていましたが、今は長時間運転とい う問題もあって回数を減らそうということでダンプトレーラーに変わりつつあります。 (小野座長) 短い距離を例えば6回転、7回転やって、そのような距離になっているのでしょうか。 それとも県北部から運ばなければいけないということで80キロ、100キロといのを 2回転、3回転やっているということでしょうか。 (具志堅委員) そうです。那覇から本部あたりまで片道70キロぐらいありますから、1往復で約1 50キロ、2往復で300キロという感じです。 (小野座長) この9月の時期が調査の時期とすれば、割と多い時期ということですか。 (具志堅委員) 4月から8月ぐらいまでは公共工事が少なく、回数も落ち込む時期でもある。 (小野座長) 5両割れ問題というは、沖縄の特徴的なことで1人車があるということでした。生計 費を稼げばいいという感覚は理解できますが、同じようにサービスを提供しながらも、 生計費を稼げればいいという運賃と、やはり社員をしっかり雇って、事務所を構えて、 コンプライアンスも環境も安全もやるとなると経費がかかるというところでは、自ずと 土俵が全然違うのだと思います。1人車というのは、利用数でいくと、今、何割ぐらい あるのでしょうか。 (佐次田委員) 400台ぐらいで、そのうちの恐らく300台ぐらいがサトウキビ運搬で、残り10 0台ぐらいがその他の運搬です。個人車でも、3台持っている人もいますし、5台もい ますし、1台もいますし、恐らく150か200ぐらいは、そういう人たちが、ほぼ、 港に集中しています。港ですと、ほぼ毎日仕事がありますから。当然契約書は結んでい ないでしょうし、明日コンテナ1本あるから3,000円でやってくれと言えば、わか ったということになってしまう。 (小野座長) 最近ですと、運行管理者については5台に満たない場合でも、減車している場合で も義務付けされていますし、当然、整備管理者も義務付けされています。 (佐次田委員) 沖縄の場合は5両割れではなく、元々が1台から4台までが個人車となっている。2 台であればお父さんと息子の二人で運転、3名であれば孫までといった感じです。大体 2名~3名ぐらいの業者が多いです。 (小野座長) 個人事業主ということですね。 (玉那覇(山城委員代理) ) 一個人事業者さんというのも、実際、現場での仕事としては、荷役作業以外のサービ ス的な部分もやっていらっしゃるのですか。 (佐次田委員) 多分、その方達が一番多くやっていると思います。 (玉那覇(山城委員代理) ) 荷役の方法でパレット荷役というのがありますが、どういったものですか。 (新城委員) フォークリフトで荷役作業するためにパレットというものに積み込みをするものです。 (佐次田委員) 本来は、車上渡しと言うと荷主の方がフォークで荷卸しをすべきですけども、実際に は、荷主に卸してくれと言われ、わかりましたいうのがほとんどです。 (玉那覇(山城委員代理) ) それを、個人事業主さんの方がやるから、価格的にもどんどん崩れていってというこ とですか。 (佐次田委員) 全てと言いません。そういう運送業者というのは、荷主の方からしますと、非常に使 い勝手がいい。ほんとに決まった金額で、ハイって何でもやってくれるわけですから。 あの人達も何もしないよりは、少しでも早めに運べるわけですから。今、座長が仰った みたいに、同じ土俵で相撲を取れと言われても、ちょっと無理な話になります。 (福地(仲田委員代理) ) 私共は総合経済団体となっておりますけれども、荷主の方に我々が取引環境の改善を 周知するなりお願いする形になると思いますが、同じ荷主でも流通とか、建築とか、自 動車販売とか、いろんな状況があると思います。もう商習慣になっているところもある と思いますが、ここら辺をきめ細かくこういう事例がありますよと機会を捉えて荷主の 方に何らかの形でお伝えできればと考えております。 (上地(上里委員代理) ) 中央会の方は、まさに、この運送関係を見ていらっしゃる企業様の団体であったり、 1人1車の方の団体であったり、砂利だったり、生コンだったり、卸関係の団体であっ たりという、さまざまな団体、全県を網羅した形で、会員になっていただいて、私ども が支援をさせていただいているところなので、それぞれの思いであるとか、それぞれの 御意見があるかと思いますので、そちらは、私どもの方でも真摯に受けとめて、それぞ れのお立場の声を対反対側の方にお伝えしていくことをやっていかなければいけないと 強く感じました。 7.その他 改正労基法案の国会審議の見通し、労働時間改善に関する助成事業、今般の改善基準告 示に関する取り扱いの見直し(フェリーに乗船する場合)の説明(沖縄労働局) 省略 (小野座長) 改善基準告示につきましてはフェリーということなので、それを多く使うような九州 あるいは北海道は効果が大きいと聞いています。 職場改善助成金は全額補助のパターンなのか、例えば、2/3だとか3/4だとか、 1/3だとか、割合がどのようになっている助成金ですか。 (事務局(沖縄労働局橋本監督課長)) この助成金の制度は、今も同じ名称でございまして、それによれば、全額ではなくて、 一部の助成ということで、ただ、残業の削減の実績によっては傾斜配分により助成率が 高まるというような仕組みとなっています。28年度予算の概算要求の中で、その仕組 みを変えるのかどうかということまでは、厚生労働本省の方から情報を得ていませんの で、それが全額助成に変わるのか、あるいは、どうなのかにつきましては、今日は御回 答できません。申しわけございません。 (事務局(トラック協会町田係長) ) ヒアリングの結果報告については、今回、お伺いさせていただきました運送事業者の 方からは付帯作業をさせられるということで、運送事業者によってはその付帯料金を収 受できれば、付帯業務をやるというところもあると思います。 しかし、お伺いした運送事業者の方は、付帯作業自体をなくしてほしいと主張してい る事業者でした。やはり、付帯作業が発生することによって、労働時間、拘束時間が延 びてしまい、会社側としても運転者本人に対しても負担をかけているというところもあ ります。 また、会社を経営していく中で、楽しく、みんなで明るい職場つくっていきたいので、 そういった労働時間を短縮して、短縮した時間をみんなで話し合ったり、笑い合ったり、 ゆんたくをしたりして、明るい職場づくりをしていきたい。荷役料金や付帯作業料金は 特に必要がないので、その作業自体をやめたいというようなお声もあったことをお伝え します。