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水虫ってどんな病気?

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水虫ってどんな病気?
白庭病院
2015 年 10 月
皆さんの中に、水虫で困っている方はおられませんか?
水虫は、時期によって増減しますが、特に水虫の多い夏場には、日本人の
4人に1人が水虫にかかっていると言われています。
また年齢とともに水虫にかかる人が増加し、70歳代では6割の人、高齢者
全体の半数が水虫にかかっているとの調査結果もあります。
水虫ってどんな病気?
水虫は、白癬菌というカビの一種が原因で発生します。この白癬菌
はケラチンという蛋白を栄養源に生きているカビですので、ケラチンが
多く存在する場所、皮膚の表面で増殖します。また角層が変化してで
きた毛や爪もケラチンが多く含まれているので、毛や爪が水虫になる
こともあります。このように、白癬菌は体のケラチンが多く含まれている
ところなら、体のどこにでも増殖することができます。一般に水虫とは、
白癬菌が最も増殖しやすい足に症状が出ている場合を言います。また、
水虫の症状は、足の発生部位により様々です。
例えば、最も多い水虫で、足の指の間に
発生する趾間(しかん)型水虫の場合、皮膚
が初めは赤くなり、それから白くふやけて皮
がむけます。むずむずとかゆくなり、白くふや
爪水虫
趾間(しかん)型水虫
けた皮が破れるとただれて、液が出てじゅく
じゅくします。
一方、角化型水虫の場合、かゆみやじゅく
じゅくといった症状ではなく、足の裏の角質が
全体的に厚く白っぽくなり、表面がザラつきま
す。このため、皮膚が乾燥しやすい冬場に症
小水疱型水虫
角化型水虫
状がひどくなります。かゆみやじゅくじゅくが
ないために、自覚しにくく、乾燥による肌荒れ
や老人性の角化症と勘違いして治療せずに
放置していて、家族や同居人にうつってしま
うこともあります。
また、爪水虫は爪が厚くなり、色が濁り、表面がボロボロしてきます。初期に
は自覚症状はほとんどありませんが、感染が進行すると靴を履くときなどに痛
みを感じることがあります。足にポツポツと小さい水疱ができます。皮がむけて
くることもあります。指の付け根の他、足の側面、足の裏の土踏まずなどに多く
発症し、進行するにつれてかゆくなります。
水虫は、どのようにうつる?
水虫は、菌を持った人が素足で歩いた床や畳、マット、スリッ
パなどに接触することにより、感染します。このため、家族間で
感染することが多いと考えられます。ただ、お風呂の中は、水
で菌が流れてしまうので、感染することはありません。
温泉や公衆浴場、プールでも同じですが、共通の足ふきは
感染することがあります。家族に水虫の方がおられる場合、マ
ットやスリッパは分けておきましょう。
治療について
よく、水虫の特効薬はなく、温泉に浸かったり、アロエ、酢、にんにくを患部
に塗るなどが効果的といった話がありますが、ごく軽症の場合を除き、このよ
うな民間療法が水虫に効果があるとの研究報告は一切ありません。
このような話が広がる理由は、水虫の原因である白癬菌を根絶するのに
長い時間を必要とするためです。薬を塗って症状が治まっても、根気よく治
療を続けることが必要です。足の水虫の場合、完治まで最大2ヶ月、爪水虫
の場合、完治まで最大6ヶ月も必要であると言われていますので、最後まで
きちんと処方を守ることが重要です。
【治療薬一覧】
種類
効果
水虫の原因菌である白癬菌(皮膚糸状菌)に有効な抗菌薬
です。殺菌的に作用するので、きちんと治療すれば完全に治
せます。完治のためのポイントは、菌を完全に死滅させるた
め「根気よく続ける」こと、「広めに塗る」ことです。
アゾール系(イミダゾール系、トリア
クリーム、軟膏、液剤の3種類が販売ありますが、どんな症
ゾール系)外用抗菌薬
(エンペシド、マイコスポール、オキナ 状にも使いやすいクリームがよく処方されます。液剤は浸透
ゾール、フロリードD、パラベール、ニ 力が強く効果的ですが、刺激が強いのが欠点です。皮膚が
ゾラール、エクセルダーム、アデスタ 厚く角質化している部分では、液剤のほうが適しています。
ン、アトラント、アスタット、ルリコン、ク クレナフィンは、トリアゾール系に分類され、爪の水虫の外用
薬です。クレナフィンは、爪の成分のケラチンとの吸着率が
レナフィン)
低く、爪透過性が高いため、爪の内側や爪の下の皮膚に薬
剤が到達しやすいので、そこに存在する白癬菌に対しても高
い抗真菌活性を発揮します。
ラミシールはアリルアミン系、ペキロンはモルホリン系、メン
タックスとボレーはベンジルアミン系、ハイアラージンとゼフ
その他の外用抗菌薬
(ラミシール、メンタックス、ボレー、ペ ナートはチオカルバミン系になります。これらも白癬菌に強い
キロン、ハイアラージン、ゼフナート) 抗真菌活性をもち、アゾール系抗真菌薬と同様に水虫の治
療に広く用いられています。
内用抗菌薬
(イトリゾール、ラミシール)
爪の水虫のように塗り薬では、治りにくい場合に内服薬を併
用します。副作用として、ときに腹痛や吐き気、下痢などの
胃腸症状があらわれ、まれに肝障害を起こします。飲み合わ
せに注意が必要ですので、使用中の薬は必ず医師に報告し
ておきましょう。
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