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第Ⅲ章 CPTED手法による各施設の点検の視点

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第Ⅲ章 CPTED手法による各施設の点検の視点
第Ⅲ章
第Ⅲ章
CPTED手法による各施設の点検の視点
CPTED手法による各施設の点検の視点
本章では、防犯診断を行う各施設について、CPTED(防犯環境設計)手法によ
るチェックの視点と、具体的なチェック項目、具体的な事例を説明します。
実際の防犯診断の際は、ここで説明するチェック項目をとりまとめた、防犯診断チ
ェックリスト(72ページ∼80ページ)を使用します。
なお、防犯診断ワークショップ以外でも、数名で行なっている日常の防犯活動でも、
このチェック項目をもとに、各施設の点検を行なうことができます。
1.道路のチェックポイント ........................................ p.40
2.公園のチェックポイント ........................................ p.43
3.駐車場・駐輪場のチェックポイント............................... p.46
4.一戸建て住宅のチェックポイント................................. p.49
5.共同住宅のチェックポイント .................................... p.52
6.空き地のチェックポイント ...................................... p.54
7.空き家のチェックポイント ...................................... p.56
8.学校・保育施設・通学路のチェックポイント....................... p.58
9.繁華街のチェックポイント ...................................... p.60
※ 防犯診断ワークショップを行う際に、各施設では、所有者、管理者などに許可なく、敷地内に立ち入らないで
ください。
40ページ∼54ページのイラストは、埼玉県県土づくり企画室ホームページ「防犯に配慮したまちづくりガイド」
イラスト、及び「住まいの簡易防犯診断」イラストを用いて作成しています。
39
1
1.道路のチェックポイント
道路のチ␿⑁クポイント
道路では、安全な交通を確保することが第一に必要なことであり、その範囲内で配
慮できることとして、見通しの確保や管理、照明などをチェックします。
■ 防犯に配慮した道路のチェックポイント
⑥ 歩道の安全の確保
歩道と車道を分離します。
① 見通しの確保
植栽などをせん定して、
見通しを確保します。
⑦ 地下道の対策
地下道には、緊急
通報装置を設置し
ます。
② 適切な道路の管理
道路をきれいに
清掃します。
③ 照明の確保
暗い場所がないように
街路灯を配置します。
④ 交通の制御
通過車両を抑制
します。
⑤ 防犯対策強化の広報
掲示板に、
「防犯パトロール
実施中」などと掲示します。
▼ 暗い場所がないように、街路灯を
設置しています。
▲ 植栽をせん定して、見通しを
確保しています。
写真:防犯に配慮した道路の例
(いずれもさいたま市内)
40
第Ⅲ章
① 見通しの確保
CPTED手法による各施設の点検の視点
領域性の強化 監視性の確保
を行うことが必要です。
Dチェックポイント
□ 植栽などに妨げられず、道路全体を見通せますか。
□ 見通しが悪い場所に、ミラーは設置されていますか。
② 適切な道路の管理
領域性の強化 監視性の確保
清掃や保全が行き届いた道路は、積極的な管理者や管理活動の存在を暗示し、犯罪
を企てる者(以下、犯罪企図者といいます。
)は行動を起こしにくくなります。住民
が積極的に管理活動を行うことによって、参加者による自然な監視の機会が増え、犯
罪企図者の発見や声かけをしやすくなります。
Dチェックポイント
□ 道路は、きれいに清掃されていますか。
□ 掲示物や花壇など、住民の積極的な活動を示すものがありますか。
□ 街路灯は、電球の玉切れがなく点灯しますか。
③ 照明の確保
監視性の確保
夜間の歩行者にとって、周囲の人間の行動をいち早く認知することは危険回避につ
ながります。同様に犯罪企図者にとっても第三者から発見されやすくなります。
Dチェックポイント
□ 街路灯は、暗い場所がないように配置されていますか。
□ 夜間、周囲の人の顔と行動が判別できますか。
④ 交通の制御
接近の制御
適切な交通の制御は交通安全の観点から有効であり、車両利用の犯罪企図者の接近
を防止し、また逃走しにくい環境をつくることができます。
Dチェックポイント
□ 制限速度を超えた速度が出やすい道路ではありませんか。
□ 通過車両が多い道路ではありませんか。
□ 路上に駐車している車両が多くありませんか。
41
道路のチ␿⑁クポイント
歩行者が道路全体を見渡せるように、植栽の配置、せん定や歩道上の障害物の除去
1
1
⑤ 防犯対策強化の広報
領域性の強化
道路のチ␿⑁クポイント
防犯対策を積極的に取り入れた地域であることを掲示板などで標示し、犯罪企図者
に犯罪を起こさせにくくします。
Dチェックポイント
□ 掲示板に、「防犯パトロール実施中」などと掲示していますか。
⑥ 歩道の安全の確保
接近の制御
ひったくりの多くは原動機付自転車を利用して行われ、その大部分は歩車と車道の
分離されていない道路で発生していることから、歩道と車道の分離を行うことが効果
的です。
Dチェックポイント
□ 歩道と車道は、分離されていますか。
⑦ 地下道の対策
被害対象の強化・回避 領域性の強化 監視性の確保
地下道では、適切な照度の確保や、緊急通報装置の設置等、利用者が危機回避を行
いやすいように配慮するとともに、できるだけ外部から隔離された感覚を少なくする
工夫が必要です。また、清掃などの管理活動は自然な監視の機会が増えるなど、不法
占拠の対策としても効果的です。
Dチェックポイント
□
□
□
□
街路灯は、暗い場所がないように配置されていますか。
地下道内で、周囲の人の顔と行動が判別できますか。
地下道内に、緊急通報装置等は設置されていますか。
地下道内は、きれいに清掃されていますか。
42
第Ⅲ章
CPTED手法による各施設の点検の視点
2.公園のチェックポイント
公園は、広く市民が利用できる空間である一方で、不特定多数の人が利用すると
ェックします。
■ 防犯に配慮した公園のチェックポイント
② 遊具や施設の配置
遊具を適切に配置して、
見通しを確保します。
④ 照明の確保
③ 緊急時の通報
暗い場所がないように
照明を配置します。
公園や公園のトイレに
緊急通報装置を設置します。
⑧ 防犯対策強化の広報
掲示板に、「防犯パトロー
ル実施中」などと掲示 し
⑦ トイレの安全性
出入口や内部の照明を
適切な明るさにします。
ます。
⑥ 適切な公園の管理
公園をきれいに
清掃します。
⑤ 出入口の管理
出入り口に車止めを
設置します。
① 見通しの確保
植栽などをせん定して、
見通しを確保します。
▼ 暗い場所がないように、照明を
設置しています。
▲ 植栽をせん定して、見通しを
確保しています。
写真
43
防犯に配慮した公園の例
(さいたま市内)
2
公園のチ␿⑁クポイント
いう特性がありますので、公園内や公園外からの見通しの確保や管理、照明などをチ
① 見通しの確保
2
領域性の強化 監視性の確保
公園では、周囲から目が届かない空間が犯罪に利用されやすくなります。犯罪企図
公園のチェックポイント
者やその不審な行動を早期に発見できるように公園内外の見通しを確保することが
必要です。
Dチェックポイント
□ 公園の周囲から、植栽や遊具などに妨げられず、公園全体を見通せますか。
□ 公園の内部で、植栽や遊具などに妨げられず、公園全体を見通せますか。
② 遊具や施設の配置
領域性の強化 監視性の確保
公園内における遊具や施設の配置に関しては、できるだけ自然な監視を確保できる
ように配慮することが必要です。
Dチェックポイント
□ 遊具は、前面道路や、周囲の住戸から見える位置に設置されていますか。
□ 遊具で遊ぶ子どもを、保護者が近くから見守るベンチなどがありますか。
③ 緊急時の通報
被害対象の強化・回避
緊急通報装置は犯罪発生の際、警察の早期対応が期待できるほか、犯罪者に対する
けん制にもなります。
Dチェックポイント
□ 公園内に、緊急通報装置や公衆電話が設置されていますか。
□ 公園内で、携帯電話が通じますか。
④ 照明の確保
監視性の確保
夜間の公園利用者にとって、周囲の人間の行動をいち早く認知することは犯罪の危
険回避につながります。同様に犯罪者にとっても、第三者から発見されやすくなりま
す。
Dチェックポイント
□ 公園内には、夜間、周囲の人の顔と行動が判別できるよう、照明がありますか。
□ 植栽により、公園内の照明の効果が妨げられていませんか。
44
第Ⅲ章
⑤ 出入口の管理
CPTED手法による各施設の点検の視点
接近の制御
ポールやゲートを設置することにより出入り口の管理を行い、公園内への軽車両等
限することによって犯罪企図者の侵入の抑制や逃走ルートの制限がなされ、利用者の
安全を高めることができます。
Dチェックポイント
□ 出入口には、車止めなどが設置されていますか。
□ 前面道路に、違反駐車車両やバイク・自転車が雑然と駐輪されていませんか。
⑥ 適切な公園の管理
接近の制御 領域性の強化 監視性の確保
清掃や保全が行き届いた公園は、積極的な管理者や管理活動の存在を暗示し犯罪企
図者が行動を起こしにくくなります。また、適切な環境を維持することは利用者の増
加につながり、自然な監視機会も多くなります。
Dチェックポイント
□ 公園内はきれいに清掃されていますか。
□ 掲示板や花壇など、管理者や住民の積極的な活動を示すものがありますか。
⑦ トイレの安全性
被害対象の強化・回避
公園内のトイレは、外部の目が届きにくいことから犯罪行為に利用されやすいほか、
利用時にのぞきや痴漢の被害に遭う可能性があります。
Dチェックポイント
□ トイレは、個室を除き、内部の人の気配が感じられますか。
□ トイレ出入口周辺、内部の照明は、約10m先の人の顔・行動が判別できますか。
□ トイレの個室には、防犯ベルなどが設置されていますか。
⑧ 防犯対策強化の広報
領域性の強化
防犯対策を積極的に取り入れた公園であることを掲示板などで標示し、犯罪企図者
に犯罪を起こさせにくくします。
Dチェックポイント
□ 掲示板に、「防犯パトロール実施中」などと掲示していますか。
45
2
公園のチ␿⑁クポイント
の乗り入れによる犯罪企図者の侵入を抑制します。また、夜間利用できる出入口を制
3.駐車場・駐輪場のチェックポイント
防犯診断ワークショップでは、駐車場や駐輪場を、道路上から見てチェックをしま
す。なお、所有者や管理者は、敷地の内外もチェックします。
3
駐車場・駐輪場のチ␿⑁クポイント
■ 防犯に配慮した駐車場・駐輪場のチェックポイント
① 見通しの確保
② 柵・フェンスによる周囲との区分
柵やフェンスは、見通しのよい
素材で設置します。
柵やフェンスで周囲との敷地の区分を
はっきりさせます。
⑦ 盗難防止装置の設置
駐輪場では、チェーン用
バーラックを設置します。
⑦ 盗難防止装置の設置
駐車場では、フラップを
設置します。
⑥ 利用者への呼びかけ
利用案内板により、
注意事項を周知します。
⑤ 防犯カメラの設置
防犯カメラや防犯設備を
設置します。
④ 照明の確保
暗い場所がないように
照明を配置します。
③ 適切な管理体制
① 見通しの確保
自動ゲート管理システム
を設置します。
③ 適切な管理体制
場内に死角がないように
ミラーを設置します。
管理人の常駐、巡回、
清掃を行います。
▼
出入口を自動ゲート管理システムで
管理をしています。
▲メッシュ状のフェンスにより、
見通しを確保しています。
写真
防犯に配慮した駐車場・駐輪場の例(さいたま市内)
46
第Ⅲ章
① 見通しの確保
CPTED手法による各施設の点検の視点
領域性の強化 監視性の確保
隣接する建築物、又は道路等の利用者からの視線を妨げないようにすることで、自
然な監視が行き届くようになります。
3
□ 周囲の柵・フェンスは、見通しの良い素材ですか。
□ 場内に自動車・自転車などによる死角がありますか。
□ 死角となる場所にミラーは設置されていますか。
② 柵・フェンスによる周囲との区分
接近の制御 領域性の強化
駐車場・駐輪場の外周を区分することにより、隣地と駐車場・駐輪場の敷地の区分
をはっきりさせ、領域性を高めるほか、進入を困難にすることができます。
Dチェックポイント
□ 柵・フェンスなどで外部と区分してありますか。
③ 適切な管理体制
接近の制御 領域性の強化 監視性の確保
清掃や保全が行き届いた駐車場・駐輪場は、積極的な管理者や管理活動の存在を暗
示し、犯罪企図者が行動を起こしにくくなります。また、適切なパトロールなどによ
り、自然な監視の機会も多くなります。
Dチェックポイント
□
□
□
□
□
□
管理者は、常駐し巡回していますか。
ごみや不法看板などがなく、きれいに清掃されていますか。
放置された自動車・自転車がありますか。
出入口に、自動ゲート管理システムを設置していますか。
通報システムはありますか。
夜間、管理者が不在となる商業施設の駐輪場では、閉店後、施錠していますか。
④ 照明の確保
監視性の確保
夜間の利用者にとって、周囲の人間の行動をいち早く認知することは危険回避につ
ながります。同様に犯罪者にとっても第三者から発見されやすくなります。
Dチェックポイント
□場内には、夜間、人の動きが判別できるよう、照明が設置されていますか。
47
駐車場・駐輪場のチ␿⑁クポイント
Dチェックポイント
⑤
防犯カメラの設置
監視性の確保
管理人がモニターする防犯カメラ、その他管理者がカバーできない部分を補えるよ
う防犯設備を導入します。
3
Dチェックポイント
駐車場・駐輪場のチ␿⑁クポイント
□ 監視システムなどはありますか。
⑥ 利用者への呼びかけ
被害対象の強化・回避
利用者へ防犯に関する注意を呼びかけ、施錠や貴重品の管理を徹底させます。また、
防犯に関する呼びかけのちらしの配布、防犯ネット、防犯設備の紹介などをします。
Dチェックポイント
□ 利用案内板により、注意事項が周知されていますか。
⑦ 盗難防止装置の設置
被害対象の強化・回避
自動車・自転車を物理的に移動できなくさせることにより、犯罪企図者の行動を抑
止します。
Dチェックポイント
□ ラップ等の自動車の固定装置が設置されていますか。
□ チェーン用バーラック、サイクルラック等の固定装置が設置されていますか。
48
第Ⅲ章
CPTED手法による各施設の点検の視点
4.一戸建て住宅のチェックポイント
防犯診断ワークショップでは、住宅を道路上から見てチェックをします。個々の住
宅を見ること以外にも、住宅地全体を見ることも必要です。また、所有者は、宅地の
内外もチェックします。
4
① 見通しの確保
建物や庭の見通しを確保します。
⑤ 各設備の点検
⑤ 各設備の点検
塀、駐車場の屋根などが、侵入の足場に
ならないように配置します。
⑥
見通しが悪い場所の窓には、
面格子等を取りつけます。
周辺環境の確認
周辺道路の利用者が限定
されていると自然な監視が
行き届きます。
② 塀・生垣・フェンスに
よる周囲との区分
塀、生垣、フェンスなどで、
隣地と区分します。
③ 照明の確保
④ 適切な管理
夜間、玄関の照明を点灯します。
玄関や庭の清掃、花壇や植栽
などをきれいに管理します。
⑤ 各設備の点検
扉や扉の錠は、強固な部材を使用します。
写真
防犯に配慮した一戸建て住宅の例
(さいたま市内)
▲生垣により、見通しを確保しています。
49
一戸建て住宅のチ␿⑁クポイント
■ 防犯に配慮した一戸建て住宅のチェックポイント
① 見通しの確保
監視性の確保
隣接する建築物、又は道路等の利用者からの視線を妨げないようにすることで、自
然な監視が行き届くようになります。
Dチェックポイント
4
□ 周囲の道路からみて、建物や庭の様子が見通せますか。
□ 周囲の道路からみて、物置、植栽、塀等により死角はありませんか。
一戸建て住宅のチ␿⑁クポイント
② 塀・生垣・フェンスによる周囲との区分
接近の制御 領域性の強化
住宅の外周を区分することにより、隣地との敷地の区分をはっきりさせ、領域性を
高めるほか、侵入を困難にすることができます。
Dチェックポイント
□ 塀・生垣・フェンスなどで隣地と区分していますか。
③ 照明の確保
領域性の強化 監視性の確保
玄関では、人の動きが判別できるように照明を点灯します。また、近隣で照明を点
灯している住宅と点灯していない住宅があると、地域内に明さにむらができ、領域性
がなくなります。
Dチェックポイント
□ 夜間、人の動きが判別できるよう、照明を点灯していますか。
□ 地域内に明るさのムラはありませんか。
④ 適切な管理
領域性の強化
清掃が行き届いた一戸建て住宅は、住人の積極的な管理の存在を暗示し、犯罪企図
者が行動を起こしにくくなります。
Dチェックポイント
□ 花壇や植栽などがきれいに管理されていますか。
□ ごみが散乱していませんか。
50
第Ⅲ章
⑤ 各設備の点検
CPTED手法による各施設の点検の視点
被害対象の強化・回避 接近の制御
扉や扉の錠は、強固な部材を使用します。また、見通しが悪い場所の窓は、侵入を
防ぐため、強固な部材を使用します。
なお、塀、駐車場の屋根、物置などは、犯罪企図者の住宅への侵入の足場に利用さ
れないような配置にします。
4
□ 扉や扉の錠は、強固な部材を使用していますか。
□ 庭やバルコニーに接する窓以外の窓には面格子等が取りつけられていますか。
⑥ 周辺環境の確認
監視性の確保
住宅の周辺の道路が、地域の方の利用に限定されていると自然な監視が行き届き
ます。
Dチェックポイント
□ 前面道路は地域の住民だけが利用するものですか。
51
一戸建て住宅のチ␿⑁クポイント
Dチェックポイント
5.共同住宅のチェックポイント
防犯診断ワークショップでは、共同住宅を道路上から見てチェックをします。個々
の共同住宅をみること以外にも、住宅地全体をみることも必要です。また、所有者や
管理者は、宅地の内外もチェックします。
5
■ 防犯に配慮した共同住宅のチェックポイント
共同住宅のチ␿⑁クポイント
① 見通しの確保
⑤ 各設備の点検
■
見通しが悪い場所の窓には、
面格子等を取りつけます。
建物や庭の見通しを
確保します。
③ 適切な管理
③ 適切な管理
玄関や庭の清掃、
花壇や植栽などを
きれいに管理します。
管理人が常駐し適切な
管理を行います。
④ 照明について
夜間、玄関灯を点灯します。
⑤ 各設備の点検
② 塀・生垣・フェンス
による周囲との区分
出入口にオートロックや
防犯カメラを設置します。
塀、生垣、フェンスなど
で隣地と区分します。
⑥ 利用者の確認
⑤ 各設備の点検
店舗等があり、不特定多数の
人が利用する場合、監視性に
注意します。
① 見通しの確保
非常用階段には、
扉を設置します。
⑤ 各設備の点検
塀、駐車場の屋根などが、侵入の足場に
ならないように配置します。
監視性の確保
隣接する建築物、又は道路等の利用者からの視線を妨げないようにすることで、自
然な監視が行き届くようになります。
Dチェックポイント
□ 道路から見て、出入口やロビー等が見通せますか。
□ 道路から見て、植栽等により死角はありませんか。
□ 道路から見て、非常用階段など外部階段が周辺から見通せますか。
② 塀・生垣・フェンスによる周囲との区分
接近の制御 領域性の強化
共同住宅の外周を区分することにより、隣地との敷地の区分をはっきりさせ、領域
性を高めるほか、侵入を困難にすることができます。
Dチェックポイント
□ 塀、生垣、フェンスなどで隣地と区分していますか。
52
第Ⅲ章
③ 適切な管理
CPTED手法による各施設の点検の視点
領域性の強化 監視性の確保
管理人の常駐や清掃が行き届いた共同住宅は、積極的な管理者や管理活動の存在を
暗示し、犯罪企図者が行動を起こしにくくなります。
Dチェックポイント
□
□
□
□
管理人が常駐していますか。
管理人室は、出入口や共用コーナーなどへの人の流れを監視できる場所にありますか。
ごみ置き場は、ごみの除去や雑草の除去など適切に管理されていますか。
掲示板や花壇があるなど、住民が積極的に管理に関わっていると感じられますか。
領域性の強化 監視性の確保
玄関では、人の動きが判別できるように照明を点灯します。また、近隣で照明を点
灯している住宅と点灯していない住宅があると、地域内に明さにむらができ、領域性
がなくなります。
Dチェックポイント
□ 夜間、人の動きが判別できるよう、照明を点灯していますか。
□ 地域内に明るさのムラはありませんか。
⑤ 各設備の点検
被害対象の強化・回避 接近の制御
塀、駐車場の屋根、物置などは、犯罪企図者の住宅への侵入の足場に利用されます。
また、侵入防止として、オートロックシステムや防犯カメラの設置、非常用階段への
扉の設置、見通しが悪い場所の窓への強固な部材の利用などがあります。
Dチェックポイント
□
□
□
□
扉や扉の錠は、強固な部材を使用していますか。
外部から接近が容易な部屋の窓は、面格子等が取りつけられていますか。
塀、駐車場の屋根など、足場になるものがありますか。
オートロックシステムや防犯カメラが設置されていますか。
⑥ 利用者の確認
監視性の確保
店舗、事務所等があり、不特定多数の人が利用する場合、自然な監視性が少なくな
ります。
Dチェックポイント
□ 不特定多数の人が利用していませんか。
53
共同住宅のチ␿⑁クポイント
④ 照明の確保
5
6.空き地のチェックポイント
防犯診断ワークショップでは、空き地を道路上から見てチェックをします。
また、所有者や管理者は、敷地の内外もチェックします。
■ 防犯に配慮した空き地のチェックポイント
6
空き地のチ␿⑁クポイント
① 見通しの確保
柵・フェンスに見通し良い素材を使います。
③ 周囲との区分
柵・フェンスなどで隣地と区分します。
② 適切な管理
管理者は、定期的に巡回します。
「敷地内の立ち入り禁止」の看板を
設置します。
④ 施錠の確認
⑤ 周辺環境の確認
出入口の柵・扉を
施錠します。
① 見通しの確保
子ども達が近づかない
ようにします。
監視性の確保
空き地内で、不審者に行動をさせないため、見通しを確保することが必要です。
Dチェックポイント
□ 敷地内に死角はありませんか。
□ 周囲の敷地の照明が消灯されても、空き地内の人の動きは判別できますか。
□ 柵・フェンスは、見通しの良い素材ですか。
② 適切な管理
領域性の強化 監視性の確保
清掃や保全が行き届いた場所は、積極的な管理者や管理活動の存在を暗示し、犯罪
企図者が行動を起こしにくくなります。また、清掃活動などを行なうことにより、自
然な監視の機会も多くなります。
Dチェックポイント
□
□
□
□
管理者は、定期的に巡回していますか。
許可なくこの土地を利用している者がいませんか。
ごみの除去、雑草の除去など適切に管理されていますか。
「敷地内の立ち入り禁止」等の看板がありますか。
54
第Ⅲ章
③ 周囲との区分
CPTED手法による各施設の点検の視点
接近の制御 領域性の強化
空き地や工事現場等をフェンスや柵により区分をすることで、領域性を確保し、犯
罪企図者が侵入しにくい環境をつくります。また、工事現場のフェンスや柵について
は、敷地内を見渡せるように、メッシュ状のものなどを利用します。
Dチェックポイント
□ 柵・フェンスなどで隣地と区分してありますか。
被害対象の強化・回避 接近の制御
犯罪企図者が空き地内に侵入しないように、施錠を行ないます。
Dチェックポイント
□ 出入口の柵・扉は施錠されていますか。
⑤ 周辺環境の確認
監視性の確保
空き地が通学路などにある場合は、学校、PTA、地域住民が把握し、子どもたち
が近づかないように注意します。
Dチェックポイント
□ 学校、PTA、地域住民などが空き地の場所を把握していますか。
55
6
空き地のチ␿⑁クポイント
④ 施錠の確認
7.空き家のチェックポイント
防犯診断ワークショップでは、空き家を道路上から見てチェックをします。
また、所有者や管理者は、敷地の内外もチェックします。
① 見通しの確保
監視性の確保
空き家内で、不審者に行動をさせないため、見通しを確保することが必要です。
Dチェックポイント
7
空き家のチ␿⑁クポイント
□
□
□
□
□
敷地内に死角はありませんか。
周囲の家の照明が消灯されても、空き家周辺の人の動きは判別できますか。
柵・フェンスは、見通しの良い素材ですか。
周囲の道路からみて、建物や庭の様子が見通せますか。
周囲の道路からみて、物置、植栽、塀等による死角はありませんか。
② 適切な管理
領域性の強化 監視性の確保
清掃が行き届いた空き家は、管理人の積極的な管理の存在を暗示し、犯罪企図者が
行動を起こしにくくなります。
Dチェックポイント
□ 管理者は、定期的に巡回していますか。
□ ごみの除去、雑草の除去など適切に管理されていますか。
□ 「敷地内の立ち入り禁止」等の看板を設置していますか。
③ 施錠の確認
被害対象の強化・回避
犯罪企図者が空き家内に侵入しないように、施錠します。
Dチェックポイント
□ 玄関の扉や窓などの施錠をしていますか。
56
第Ⅲ章
④ 各設備の点検
CPTED手法による各施設の点検の視点
被害対象の強化・回避 接近の制御
扉や扉の錠は、強固な部材を使用します。また、見通しが悪い場所の窓は、侵入を
防ぐため、強固な部材を使用します。
なお、塀、駐車場の屋根、物置などは、犯罪企図者の住宅への侵入の足場に利用さ
れないような配置にします。
Dチェックポイント
□ 扉や扉の錠は、強固な部材を使用していますか。
□ 庭やバルコニーに接する窓以外の窓には面格子等が取りつけられていますか。
□ 塀、駐車場の屋根、物置など、足場になるものはありませんか。
7
監視性の確保
空き家が通学路などにある場合は、学校、PTA、地域住民が把握し、子どもたち
が近づかないように注意します。
Dチェックポイント
□ 学校、PTA、地域住民などが空き家の場所を把握していますか。
57
空き家のチ␿⑁クポイント
⑤ 周辺環境について
8.学校・保育施設・通学路のチェックポイント
学校・保育施設では、PTAや関係者も参加し、防犯性の向上に必要な次の項目の
チェックをします。また、学校・保育施設の管理者は、敷地の内外もチェックします。
なお、通学路は、道路のチェックポイントとあわせてチェックします。
① 見通しの確保
監視性の確保
学校・保育施設の周囲では、犯罪企図者やその不審な行動を早期に発見できるよう
に周囲の見通しを確保することが必要です。
8
Dチェックポイント
学校・保育施設・通学路のチ␿⑁クポイント
□ 周囲の道路から、植栽や遊具などに妨げられず、校庭など内部を見通せますか。
□ 職員室などから、建物、植栽、塀等により死角となる箇所はありませんか。
□ 柵・フェンス・生垣は、見通しの良い素材ですか。
② 門・塀・フェンス等による周囲との区分
接近の制御
学校・保育施設の周囲では、外周を区分することにより、隣地との区分をはっきり
させ、領域性を高めるほか、侵入を困難にすることができます。
Dチェックポイント
□ 出入口は、限定されていますか。
□ 門扉は、施錠されていますか。
□ 破損等により想定外の箇所から出入り可能となっていませんか。
③ 適切な管理
被害対象の強化・回避 接近の制御
不審者の侵入防止のため、主に出入口における管理が必要です。
Dチェックポイント
□
□
□
□
□
不審者の侵入を禁止する旨の立札、看板等は設置してありますか。
来訪者に対して、あいさつや声かけの励行をしていますか。
学校等の敷地内及び周辺の定期的な巡回が実施されていますか。
警察官が、学校等への立ち寄りを実施していますか。
防犯警報装置(警報ベル、ブザー等)や防犯カメラ等の防犯設備が設置されていますか。
58
第Ⅲ章
④ 各施設の点検
CPTED手法による各施設の点検の視点
被害対象の強化・回避
各施設について、定期点検をすることにより、適切に機能することを確認します。
Dチェックポイント
□ 門扉、フェンス、外灯、施設の出入口、窓、鍵等が適切に機能していますか。
⑤ 通学路の確認
領域性の強化 監視性の確保
通学路では、登下校時などに、パトロールを実施することで、犯罪企図者が行動を
起こしにくくさせます。また、日常から、緊急時の避難場所を確認することが重要で
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Dチェックポイント
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登下校時など、地域、保護者、警察官が、周辺パトロールを実施していますか。
犯罪企図者が潜伏する可能性がある空き家、空き地、工事現場を把握していますか。
緊急時に非難できる交番、駐在所や子ども避難110番の家等はありますか。
不審者に関する注意喚起の掲示等がされていますか。
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学校・保育施設・通学路のチ␿⑁クポイント
す。
9.繁華街のチェックポイント
繁華街では、大規模小売店舗、深夜営業店舗、商店街の各施設の所有者や管理者も
参加し、防犯性の向上に必要な次の項目のチェックをします。また、所有者や管理者
は、敷地の内外もチェックをします。
① 見通しの確保
監視性の確保
繁華街で、不審者に行動をさせないため、見通しを確保することが必要です。また、
夜間の配慮も重要です。
Dチェックポイント
□ 構造物、物品による死角がなく、見通しが確保されていますか。
□ 夜間でも周囲からの見通しが確保できていますか。
□ 駐車場のフェンス・柵は見通しのよいメッシュや格子になっていますか。
9
繁華街のチ␿⑁クポイント
② 適切な管理体制
領域性の強化 監視性の確保
日常から責任者を中心に高い防犯意識を持ち、マニュアルに従った活動を行うこと
が重要です。
Dチェックポイント
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人による警戒活動を行っていますか。
防犯マニュアルを作成していますか。
防犯責任者を指定していますか。
来客に対する声かけを行っていますか。
安全パトロールを実施していますか。
金庫への確実な保管やレジの限定、金庫の鍵の管理をしていますか。
複数人による現金の輸送等、現金の管理は適切に行われていますか。
施設の所有者や管理者は安全面・防犯面の対策を講じていますか。
空き店舗での放火や溜まり場の防止のため、施錠をしていますか。
③ 照明の点検
監視性の確保
夜間、安心して買い物ができるように、街路灯の保守点検を行います。
Dチェックポイント
□ 街路灯の保守点検・修繕を行っていますか。
□ 表通りと裏通り、中心部と縁辺部で照明の明るさに格差はありませんか。
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第Ⅲ章
④ 各設備の点検
CPTED手法による各施設の点検の視点
被害対象の強化・回避 監視性の確保
防犯カメラ等の防犯設備を設置するとともに作動状況を定期点検で確認します。
Dチェックポイント
□ 防犯カメラ等の防犯設備は、整備されていますか。
□ 防犯設備の定期点検整備等を行っていますか。
⑤ 駐輪場・駐車場の点検
領域性の強化
繁華街では、特に放置自転車が多いため、適正な駐輪方法の指導などが必要です。
また、狭隘な駐車場における車上あらしなどにも注意が必要です。
Dチェックポイント
放置自転車はありませんか。
放置自転車防止の指導や啓発を行っていますか。
短時間の買い物客用の駐輪場はありますか。
狭隘駐車場に対する防犯指導を行っていますか。
⑥ 交通の制御
接近の制御
歩道と車道の分離や通過車両の速度の抑制は、ひったくりの防止にも役立ちます。
Dチェックポイント
□ ひったくり防止にもなる歩道と車道の分離が推進されていますか。
□ ひったくり防止にもなる通過車両の速度抑制が推進されていますか。
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9
繁華街のチ␿⑁クポイント
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