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ディスポーザー導入の是非について

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ディスポーザー導入の是非について
国土交通委員会
平成 19 年 06 月 13 日
『ディスポーザー導入の是非について』
○田島(一)委員
民主党の田島一成でございます。
古賀一成委員にかわってと申し上げようと思ったところ、先に言われてしまいましたの
で、失礼します。
きょうは、この国土交通委員会で質問時間をちょうだいいたしました。大臣以下、関係
者からの明快な答弁をぜひいただきたく、お願いを申し上げておきたいと思います。
きょうは、私、いつも環境委員会におりますものですから、先ほどの古賀委員の方も環
境問題に焦点を当てた御質問でしたけれども、今回は地球温暖化とは少し視点の違う、食
品リサイクルの観点から、ディスポーザーのあり方についてお尋ねをしたいと思います。
ついせんだって、改正食品リサイクル法が成立をいたしました。生ごみ残渣、環境部門
の中では食品循環資源という扱いをしておりますけれども、その生ごみ残渣を供給する食
品関連事業者を対象として、栄養価の高い生ごみをどのようにして飼料や肥料にしていく
のかということをより厳しく法律の中にうたった改正の法律でありました。
ところが、その環境委員会での審議の中でも議論をさせていただいたのが、ディスポー
ザーの普及状態であります。
大臣も御存じのように、今や、集合住宅を中心に全国的に、このディスポーザー、生ご
み粉砕機が普及をしてきています。この点については国土交通省の方も調査等をされてき
たところでありますけれども、この普及率、非常に飛躍的な伸びを示しているというふう
に聞いています。
食品リサイクルのあり方からすると、私ども、ディスポーザー自体は非常に問題が大き
いというふうに感じているわけですけれども、まず大臣、この食品リサイクルの改正法の
成立、それとリサイクルのあり方、またディスポーザーについての御認識をぜひ冒頭お聞
かせいただきたいと思います。
○冬柴国務大臣
私も集合住宅に住んでいる一人でございまして、ディスポーザーは買っ
たときからついております。
ただ、これにつきましては、食品廃棄物等の有機性廃棄物については資源として有効利
用することが重要でありまして、国土交通省としても、下水汚泥の有機性廃棄物を肥料や
熱エネルギーとして活用するリサイクルの推進に取り組んでいるところでございます。
ディスポーザーについては、家庭等から発生する生ごみを効率的に収集して、下水汚泥
とともにリサイクルする有効な手法の一つと考えられております。
ディスポーザーの導入の是非につきましては、各地方公共団体におきまして、それぞれ
の地域特性を踏まえまして、経済性、環境面等総合的な観点から評価を行うとともに、地
域住民や専門家の意見を聞きながら判断をしていくべきだろうというふうに思います。
と申しますのも、ディスポーザーを採用した場合に、いい面と悪い面があります。その
地域において、それを採用することによっていい面を評価できるのか、あるいは悪い面を
取り除くためにもうディスポーザーは使わない方がいいという判断をされるかは、その地
域地域の特性に応じて判断されていくべきではないかという考え方を私は持っています。
○田島(一)委員
御存じとは思いますけれども、近年、エタノールブームで、アメリカ
のトウモロコシの市場価格が非常に高騰してきています。といいますのも、現在、配合飼
料の主原料であるトウモロコシが高騰してくると、日本のいわゆる酪農家等々に非常に大
きな打撃を及ぼすであろうというふうに言われているものですから、私は、この生ごみ、
食品循環資源を、肥料ではなく飼料、いわゆる家畜のえさに活用していくことこそ、今の
もったいない精神をきちっと踏襲した資源循環ではないかなというふうに考えるんですね。
今、大臣の御答弁の中では、資源としての有効利用は肥料であるとかエネルギーという
ふうにおっしゃいました。もちろん今回の食リ法の中でもそのようにうたわれているんで
すけれども、この豊富な栄養価を持つ生ごみを有効に活用すると考えれば、飼料化の方が
何よりやはり重要ではないかなというふうに考えるんですが、その点についてのお考えを
ぜひ聞かせてください。
○冬柴国務大臣
私どもも、北海道及び歌登町と、現在の枝幸町でございますけれども、
共同で、平成十二年から十五年までの四年間、このディスポーザー導入の是非につきまし
て判断するために、技術的評価をするための参考資料を提供する目的で、社会実験と申し
ますか、共同研究を行ってきたところでございます。
その中には、いろいろな考え方が、先ほど言いましたように、いい面と悪い面がある程
度されているわけですけれども、今おっしゃったような角度、それを飼料に使う有効性と
いう角度からはちょっと見ていないように思います。
したがいまして、こういうものを採用することによって、悪臭の防止とか、あるいはゴ
キブリ、カラス等の衛生問題の解消とか、一番大きいのはごみの減量化による高層住宅等
からのごみ出し作業の軽減ということ、それから、エネルギー効率として、下水道による
リサイクルの促進、それから減量化によるごみの収集、焼却処理の効率化というようなと
ころが、その結果、そういうメリットがあるということがわかりました。
それから、デメリットとしては、やはり雨水等と合流したときにそのまま流れてしまう、
河川等あるいは海洋の富栄養の原因になる、それから管渠の堆積物による流下阻害という
ことで、それこそ硫化水素による腐食が進むのではないか、あるいは負荷増大により水質
が悪化しないか、それから汚泥発生量が増大しないか、この汚泥は汚泥で我々は処理をし
ようとしておるわけですけれども、そのような点が、もっと細かいのがあるんですけれど
も、指摘されておりますが、今委員が御指摘のように、これを飼料として使うという発想
はここにないように思います。
○田島(一)委員
大変残念なことなんですね。
実は、五月二十二日に、衆議院の環境委員会でもこの改正リサイクル法の審議を行いま
した。そのときに、私、若林環境大臣に同じようにディスポーザーの設備についての考え
方を聞かせていただいたところ、やはり好ましくないということをはっきりおっしゃって
いただいたんです。
きょう、環境省の部長にもお越しいただいていますので、環境省としてこのディスポー
ザー設備はどう認識をされているのか、改めてちょっとここで御披露いただけないでしょ
うか。
○由田政府参考人
ディスポーザーは、食品廃棄物のリサイクルを進める観点においては、
特段評価できるものではないというふうに考えております。今後とも、家庭の生ごみを含
め、食品廃棄物のまずは発生を抑制し、リサイクルを進め、減量に努めていくことが重要
であるというふうに認識をいたしております。
循環型社会の形成が求められている今日におきましては、消費者におきましても、食品
廃棄物の発生抑制、再生利用、減量に努めていただくことが重要でありまして、そのため
の市町村の取り組みに対する支援及び消費者に対する普及啓発に努めてまいりたい、この
ように考えております。
○田島(一)委員
大臣はもっとはっきりお答えいただいたんですよね。
ディスポーザーによって、いわゆる肥料化は可能であったとしても、飼料化という問題
については対応することができません。もちろん、この改正食リ法においては、現在の生
ごみの五五%を家庭ごみが占めているわけでありまして、にもかかわらず、この家庭ごみ
に対しては手を打つことはなかったわけでありますが、やはりこの家庭ごみについても何
とかして減量していかなきゃいけない、それをできれば飼料化、それが無理ならば肥料化
という有効な使い方、リサイクル、再利用が何よりも求められているんだというふうに考
えます。
残念なことに、その啓発すべき、先頭に立つべき我々国会議員も、ついせんだってでき
た衆議院の赤坂議員宿舎にもこのディスポーザーが設置をされています。どういった経緯
でこの赤坂の議員宿舎に設置がされたのか。これだけメリットもデメリットもあるという
ふうに、先ほど大臣もお答えいただいたとおり、いいのか悪いのか結論が出ていない中で、
宿舎に設置をされた経緯についてぜひお聞かせいただきたい。
あわせて、今、議員会館も建設計画の真っただ中でありますが、この建設計画の中にも
このディスポーザー設置が予定されているのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
衆議院の方でお願いします。
○山本参事
お答えいたします。
赤坂議員宿舎整備等事業は、国が示した条件、要求水準と言っておりますが、それに従
って事業者から提案を受け、その内容と価格から落札者を決定するという、いわゆる総合
評価落札方式を採用してございます。
提案の内容の審査に当たっては、外部有識者等から成る審査委員会を設置し、入札者か
らの提案が、国が示した条件、今お尋ねのごみ処理施設に関しましては、本院といたしま
しては、東京都条例、関係法規に基づき設置する、あわせて、建物規模に応じ、施設内で
発生したごみを種類別に処理、保管し、ごみの減量化、資源化、再利用化が可能な計画と
するという条件を出しまして、その本院の出した条件に合致するか否か等について審査を
行ったところでございます。その審査の結果、今回のディスポーザーを含めた提案が採用
されることとなったものでございます。
新議員会館におきまして、ディスポーザーは導入されるのかということに関しましては、
ディスポーザーを導入する予定はございません。
○田島(一)委員
ありがとうございます。
PFIという手法を使うと、全体の計画をとらえてイエスかノーか、採用するか否かと
いう結論に至ったわけですから、このように部分的に問題があったとしても、最終的には、
それをのんだ結果ついたというふうに受けとめました。
ついていたからといって、利用しなれば本当はいいわけですね。しかしながら、あった
ら便利だから、当然みんな使います。実際に、歌登町での実験結果を見ても、今まで生ご
み収集でされていたときと、ディスポーザーが設置されてからとでは、ディスポーザーが
設置されてからの方がごみの投入量がふえたという実験結果も出てきていました。
それを思うと、私は、生ごみのにおいがしないとか、カラスの問題がというふうにおっ
しゃいますけれども、まだまだ打つ手はあるのではないか。いわゆる悪臭等についても、
ディスポーザーは無臭かといえば、全く無臭でもありません。当然その問題点も指摘され
ていました。
そういうことを考えると、果たして本当にこの調査結果が、もっと深掘りをするべきで
はなかったのかな、実はそんなふうに思えてなりません。
今回の歌登町で行われた実験結果、二〇〇五年の七月に、最終取りまとめが「ディスポ
ーザー導入時の影響判定の考え方」というふうに出されています。残念なことに、問題が
起こり得る可能性は随分指摘をされていますけれども、これを導入すべきかどうかは各自
治体に任せるという、言ってみれば、技術的な資料を提供するにとどまっております。こ
の点が私は非常に残念でなりません。
いいのか悪いのか、国土交通省として明確な結論に至らないうちに、今なお、どんどん
集合住宅を中心にディスポーザーが設置されている。ディスポーザーについての安全性で
あるとか、また、さまざまな問題点を完全にクリアしないまま、なし崩し的に解禁してい
る現状は、私は、言ってみれば、国土交通省が余りに無責任なのではないかな、そんなふ
うに感じますけれども、この現状をどのように受けとめていらっしゃるのか、お答えくだ
さい。
○江藤政府参考人
お答え申し上げます。
ディスポーザーの問題につきまして、今委員からお話がございました。例えば、都内で
非常に普及しているというものは、処理装置を設けて、処理したものをきれいにして下水
に流すという形で、新規のマンション等を中心に非常に普及してきております。
一方、私ども、先ほど委員から御指摘がありました旧歌登町の実験でございますけれど
も、これは、ディスポーザーから処理しないで直接下水に流した場合にどういう影響があ
るのかという観点で検討を行ったものでございます。
といいますのは、現在、私どもが下水道整備を進めておりますものは、ディスポーザー
を受け入れる前提で計画しておりませんので、そういう面では、端的に言えば、いろいろ
な悪影響が考えられます。したがいまして、公共団体でもしそういう検討をされるのであ
れば、どういう悪影響があるのか具体的に検討していただくための検討手法として、歌登
で検討した内容をお示しし、公共団体の方でそれを参考に検討いただきたい。
公共団体で判断いただくというのは、例えば、下水処理場の能力であるとか、あるいは
生ごみの処理の形態といいますか、これも公共団体はさまざまでございますので、公共団
体にとってトータルとして何が一番望ましいのか、そういう観点で公共団体に御検討いた
だき、私どもとしては、下水道の処理機能等のチェックをさせていただくのですけれども、
公共団体としてそういう合意形成がなされれば、そういうのも選択肢の一つとしてあり得
るのではなかろうか。
ただ、検討は十分やっていただく必要があるという意味で、そういうものをお示しして
いるということでございます。
○田島(一)委員
今御説明いただいたディスポーザー、実は二つの種類があるというこ
とをあらかじめ私の方が説明しなきゃいけなかったのかなと思うんですけれども、今おっ
しゃってくださったように、直接投入型のディスポーザーと、いわゆる排水処理システム
がきちっと完備できる、二つのパターンがあるわけですね。
排水処理システムがきちっと備わったディスポーザーであるならば、いわゆる下水道へ
の負荷は相当軽減されるというふうに思います。問題なのは直接投入のディスポーザーで
すね。歌登町でやられた実験の結果を見ても、やはりいろいろなデメリットの可能性を指
摘されているわけであります。
であるならば、私、ディスポーザーの設置を百歩譲ってオーケーするとしましょう。そ
れならば、せめて、直接投入型のディスポーザーは全面禁止すべきだぐらい、私は、この
実験結果からしても示せるんじゃないかなというふうに思うわけですが、どうしてそこま
で踏み切られなかったのか。ディスポーザーを設置する場合には、一般家庭並みの水質に
処理して下水に流す排水処理システムを完備したものでなければならないぐらいの結論を
導くことは十分にできたのではないか、そう思うんですけれども、いかがでしょうか。
○江藤政府参考人
この検討の中で、先生御案内のように、下水道の施設、排水設備から
管渠、ポンプ場、処理場、すべてについて、それぞれどういう影響があるのかというのを
数量的に把握しようということで検討を行っておりまして、結論的には、下水道として決
定的に問題があるということは確認できなかった。
例えば、パイプに堆積物があるわけですけれども、これは通常でも下水のパイプという
のは汚泥が堆積するんですね。それが、ディスポーザーを使うことによってその量がかな
りふえてしまって、閉塞のおそれがあるのではないかというようなことを私ども心配した
んですけれども、この実験結果では、確かに量はふえておりますけれども、それは維持管
理で十分対応できる範囲、量そのものはそんなに思ったほど多くなかったというようなこ
とで、決定的に問題があるという結論には至っていない。ほかの処理能力であるとかいろ
いろな面でも、そういう結論になったということを客観的にお示ししているところでござ
います。
〔西銘委員長代理退席、委員長着席〕
○田島(一)委員
どこまで国土交通省としてディスポーザーの普及状況というものを把
握されているのか。
今申し上げたように、直投型とそれから排水処理型の二つの比率であるとか、また、デ
ィスポーザーの利用者自体にとっても、下水道システムに及ぼす影響を一つ一つ見ていき
ますと、例えば、ディスポーザーでごみを粉砕する際に流さなければならない水というも
のがどうしても必要になってきます。
自動給水式であるならばその心配は要らないのでしょうけれども、実は、適切な水の量
というのは、計算式ももちろんこの実験結果の中にも挙がっていました。単位厨芥量百グ
ラム当たりの給水時間掛ける云々というような非常に複雑な計算式が設けられていて、
一々、台所で皆さんがごみを捨てるに当たって、今捨てるごみは何グラムだ、だから水は
どれぐらいの量で何秒間流さなきゃならないなんて電卓片手に打つ方は、私は聞いたこと
がありません。もちろん、そんなこともやっていらっしゃらないから、歌登町の実験結果
でも随分幅のある結果が出ておりました。
つまりは、いつでも詰まったり故障したりするきっかけが利用者によってあるという問
題もあるわけでありますし、御利用なさっている方々に聞いてみても、大体十年もてばい
いところだね、十年たつと大体壊れるよというようなお話を聞いています。近年の集合住
宅の耐用年数等々からすると、十年が長いか短いかは言うまでもありません。
このようなものを、逆に、万能だからということで設置を広げていく、言葉は悪いです
けれども、野放しにしていると、ある意味、いろいろな問題がまた出てくるのではないか
というふうに考えるわけであります。
例えば、生ごみの量が減るというふうに大臣も先ほどお答えいただきましたけれども、
今このディスポーザーを設置するメーカー側では、捨ててはいけないものというのを幾つ
か挙げています。大量のイカの生皮、大量のカニの殻、豚や牛の骨、かたい貝殻、そして
また、セロリの皮やタケノコの皮も繊維質ですからだめだというようなことをうたってい
ます。
こういうものを抜いていくと、結局、生ごみの絶対量はわずかながら減るんでしょうけ
れども、ゼロにはならないわけですね。つまりは、ごみ収集業務が減る、CO2 対策だとお
っしゃるけれども、全く収集しなくていい代物でもありません。
そして、その一方では、厨芥以外のもの、例えば、輪ゴムであるとか飲料水のキャップ、
瓶の栓などなど、ガラスや陶器だって入るおそれもあります。しかし、それを取るのも非
常に困難であります。割れようものなら、なおのことであります。そうなると、肥料なり
飼料に使えるはずの生ごみに、こういった実際に使えないものがディスポーザーの中に入
ってしまうという危険性もあります。防ぐ手だてはありません。
もっと言うと、先ほどおっしゃったように、下水道システムに対しても、排水設備や管
渠それからポンプ場や水処理施設、汚泥処理施設など、とりわけこの直接投入型は数多く
の懸念すべき影響があるということを実験結果で出されているわけですから、疑わしきも
の、また負荷がかかるものについては即刻やめさせるような手だてをしていかないと、こ
の普及状態からすれば、私は、将来に大変大きな心配を、ツケを残してしまうのではない
かなというふうに考えるわけであります。
具体的に、現在の普及状況は国土交通省で実際に把握をされているのか。されているな
らば、最近のデータを一度お示しをいただけませんでしょうか。
○江藤政府参考人
普及状況ということでございますけれども、これもまた先ほどと同様
に二つに分けさせていただきますと、単体型のディスポーザーについては、今まで下水道
の管理者は、基本的に好ましくないということで禁止をするあるいは自粛を要請するとい
うことで対応してきておりました。そういう中で、万一それを受け入れるとすればどうい
う影響が出るのかというのを検討したのが今回の報告書でございます。
したがいまして、その報告書を受けて、公共団体で検討してみたいというところがあれ
ば、これから検討が始まるという状況であろうと思っておりますので、そういう面で、単
体型のディスポーザーの設置状況については、現在私どもはまだ把握しておりません。
処理装置つきの方は、これは下水道管理者や公共団体ごとに届け出をやっていただくと
いう形になっておりますので、全国の集計は今手元にないんですが、例えば東京都におき
ましては、現時点でそういう処理装置つきのディスポーザーは六百二十七件、これはマン
ションの戸数でございますけれども、既に設置されているということでございます。
○田島(一)委員
実際に、東京都の件数は今お示しをいただいたんですけれども、全国
的にはまだ調査もされていないということであります。今回の歌登町での実験結果をまと
められたのが二年前でありますから、この二年間、実際に何をなさっていたのか。
地方自治体で導入するかしないかということの技術的な資料、情報提供はされたんです
けれども、実際にそれがその実験結果をもとにしてどのような普及状態にあったのか、こ
れはやはり調査をきちっとやるべきだと思うんですね。実験をやりました、報告を出しま
した、これで終わりですでは済まない問題がやはり出てきていると思うんですね。
例えばそれ以外にも、これは国土交通省ではなく、どちらかといえば経産省かもしれま
せんが、安全性の問題についても私は相当懸念する点が多いと思います。いわゆるストッ
パーなりをかぶせないと回らないというような安全弁等がついているディスポーザーがほ
とんどだと思いますが、ひょんなことで、先ほど申し上げたように、中に落としたものを
拾おうと手を突っ込んでけがをしたケースがないのかどうかなど、多分、そのようなデー
タも国土交通省はお持ちではないと思いますが、そういった安全性から見た視点、当然こ
れは下水道の管理だけではなく、国土交通省も経産省も環境省も農水省も、いろいろな分
野が絡む課題だと私は思うんですね。
実際にこの実験結果を受けて、これから先この普及についてどうあるべきかという調査
なりをさらに深めていかなければならないと私は考えるんですが、その点についてどうで
すか。
○江藤政府参考人
先生御指摘のとおり、これまでの私どもの検討で十分かと申しますと、
まだまだ課題はたくさん残っております。
そういう意味で、私ども、この報告書を公共団体にお示しした後、公共団体で具体的に
御検討なさる際にはぜひ私どもに御相談ください、私どももいろいろなアドバイス、お手
伝いをします、情報を提供しますというようなことを申し上げておりまして、幾つかの自
治体で検討を始められたところはあるんですけれども、そういう相談をする中で、私ども
も一層技術的な検討を深めていきたいと思っております。
○田島(一)委員
必ずやってください。国土交通省だけでは、視点の欠落と言っては失
礼ですけれども、やはりあると思うんですね。先ほど大臣も、飼料化については考えを持
ち合わせていなかったとおっしゃっていただきましたけれども、飼料の自給率等々を向上
させていくことを考えても、やはりこういう視点は盛り込んでいただかなければならない。
ですから、多面的な角度からディスポーザーのあり方をとらえるという点で、ぜひ今後
研究をさらに深めていただきたい、このことは強くお願いをしておきたいと思います。
さて、今回、二〇〇五年の七月に国土交通省から出された「ディスポーザー導入時の影
響判定の考え方」の取りまとめ、この取りまとめが、実は余り芳しくない扱い方で、民間
の業者に悪用されていると言ってもおかしくないような実態をちょっと今から御紹介をし
たいと思います。
これは、ディスポーザー、生ごみ処理機を販売しているメーカーのホームページからの
引用であります。
ディスポーザーとは何ですかというような消費者からの質問に対して答えたりするよう
なQアンドA形式で、随分いろいろなメーカーがホームページでディスポーザーを売り込
む体制を整えていらっしゃるんですが、「日本であまり普及していない原因はなんです
か?」という問いに対して、「まず、その想像以上の便利さを体験されてない方が多いため
と思います。」「二つめの理由として、下水環境への負荷状況がハッキリわからないという
憶測的な見解から、使用をできるだけ控えるよう自粛をもとめている自治体があるためで
す。ゆえに国内大手家電メーカーからの販売もありません。」
その次です。大事ですから聞いてください。
「国土交通省により正式なディスポーザー環
境負荷量テスト結果が公表されています。」これは二〇〇五年七月の結果のことだと思いま
す。「その良好な結果により、当店でも自粛していましたディスポーザーの販売を開始しま
した。」こうあるんですね。
皆さんは、調査結果を二〇〇五年七月にお出しになりましたけれども、良好な結果だと
いうふうに受けとめていらっしゃいますか。お答えください。
○江藤政府参考人
先ほども申しましたけれども、良好か良好でないかというか、私ども
として、下水道に対する影響はどうかという視点で見たときに、影響はあるけれども決定
的な技術的な問題はなかろうという判断を一応あの報告書についてはやっております。
ただ、先ほど来先生がおっしゃっているように、例えば、ディスポーザーの機種によっ
てその影響というのはまた全然違ってまいりますし、公共団体の処理能力であるとかいろ
いろな状況でこの答えというのは全く違ってくる可能性がありますので、私どもは、検討
されるのであれば、これはあくまで検討する手法を参考にしていただきたい、そういう趣
旨でお示ししておりまして、それぞれの自治体でぜひこれも参考の一つにしていただいて、
またそれぞれの地域の実態を十分踏まえて検討をしていただきたいというふうに思ってお
ります。
今委員の方から御指摘がありましたそのホームページについては、初めてお聞きしまし
たので、ちょっと実態を調べまして、適切に対応したいと思います。
○田島(一)委員
客観的に調査研究をされた実験結果がある意味ではねじ曲げられて悪
用されている事例として、私は今お示しをしたところであります。
それ以外のメーカーも、非常に大げさな表現を随分使っています。下水処理場に負担を
かけません、環境に優しいなど、ある意味では、ディスポーザーがすべての問題を解決す
るんだと言わんばかりの誇大広告が随分ネット上では出ています。
こうした誤解を与えていること自体が、私は、国土交通省が参考にしてください程度に
とどめたから、この結果をあいまいに受けとめ、都合よく受けとめてきたメーカーがどん
どん便乗して、国土交通省のこの結果をよい結果だというふうに知らしめているんだと。
これは、ある意味では経産の問題にも当然なってくるので、これからまた調査をしなけ
ればならないと思いますけれども、実際に、このディスポーザーは環境負荷を与えないと
いうことはないわけですね。可能性があるというような言い方でこの調査結果はまとめら
れているんですけれども、見方によっては、国土交通省は随分逃げているな、何に対して
遠慮しているのかな、はっきりおかしいならおかしいとなぜこの結果を受けて示されない
のかなと私は考えるわけなんです。
ある意味自治体に任せて、自治体が判断してください。しかしながら、下水道システム
に対しては、かなりの負荷がどんどん時間をかけてかかるわけであります。自治体に、そ
れこそ下水設備に補助金等を国からも相当出してきた。しかしながら、管渠やポンプ場な
どの耐用年数も、ひょっとしたらこのディスポーザーの普及によって縮まっていくかもし
れない。そうなれば、またぞろ国から補助金を出さなきゃならない。
こういう悪循環を少しでも引き延ばすために、こういうような疑いのある、問題のある
ディスポーザーなどに対しては毅然たる態度で国土交通省がやはり示すべきだと僕は考え
るんですが、自治体任せにしてしまっているこのディスポーザーの導入に対する考え方を
なぜ国土交通省から示せないのか、お示しいただけませんか。
○冬柴国務大臣
生ごみをどう処理するかということについてはやはり環境省なり、私は
セクショナリズムで言っているわけではありません、それから、このディスポーザーの型
式とかそういうものについては、適法に、それでいいということは恐らく経済産業省だと
思いますけれども、そういうふうに認めていられるわけであって、ですから、それを使っ
た場合に、我々としてはそれはどういう影響があるかということを調査したわけでありま
して、出てきたところをお示しした。
それから、地方公共団体は、それぞれ全く一律に、例えば、生ごみを減量するというこ
とについて非常に関心のある自治体もあれば、あるいは、そういうふうに暗渠とかあるい
は下水処理等について負荷が大き過ぎるからこれはやめた方がいいとか、それはそれぞれ
の地方公共団体が、例えばそういうものを採用させるかどうかということについて判断さ
れるわけであって、私どもは、その判断のときにこういうものを、いい面もあれば悪い面
もありますよということを示したということであって、責任を逃げていると言われると、
ちょっと違うと思うんですね。
ですから、飼料に使うかどうかということについては、それは農水省が判断されること
だろうと思います。
それから、このディスポーザーを絶対使ってはいけないというようなことを我々が、型
式としてそういうふうに認められる以上、私は、それを私の方が差しとめるということは
難しいのではないかと思いますが、その点について御理解をいただきたいと思います。
○田島(一)委員
残念ながら理解はできませんね。はっきり言って、環境負荷が非常に
大きいというような懸念もこの実験結果で出しているわけですが、残念なことに、民間の
業者なんかはこれをよい結果だというように都合よく受けとめて、それをどんどん盾にし
て販売網を広げる、そしてまた普及を図っていこうというふうにしているわけであります。
こういうことを考えると、この実験結果を単に結果として地方自治体に示すだけではな
く、さらに、今後の下水道に対して、また環境に対して本当に負荷がないのかどうか、続
いてやはり調査をしていくべきだというふうに私は思うんですね。
しかも、国土交通省だけではなく、関連する、セクショナリズムを飛び越えた大きな範
疇でやるべきだと思うんですが、最後にその点について大臣のお取り組みの心構えを聞か
せていただいて、質問を終わりたいと思います。
○冬柴国務大臣
きょうは、環境省も来ていただいておりますので、また委員は環境委員
会委員でもあられるということを伺いましたが、そういうところで我々も提起された問題
について協議をしていきたいと思います。
○田島(一)委員
終わります。ありがとうございました。
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