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当日配布資料
中小企業セミナー 第3回資料
主催:吹田市
「介護・福祉機器の現状と課題」
勉強会
近畿産業技術クラスター協同組合
コンテック 近藤技術士事務所
2010年10月19日
1
本日の話題提供
1.
(1)
(2)
(3)
2.
3.
(1)
(2)
(3)
4.
(1)
(2)
(3)
サービスロボットの試作・開発事例
ロボットの語源、定義
日本のロボットの強み
新聞記事に見るサービスロボット例、市場規模
普及のための課題と対応策(ロボットビジネス推進協議会)
介護・福祉市場の現状について
東北地方における介護・福祉の現状アンケート結果
介護現場からのニーズ紹介
腰痛問題
要素技術を生かした介護・福祉分野への進出提案
ロボットと人間比較
ユニット・コンポーネント・パッケージ
介護・福祉機器開発に必要だと考えられる項目
2
ロボットの語源
20世紀初頭、チェコの作家カルル・チャペックが
戯曲の中で造語を作成
チェコ語
「robota」 強制労働の意味
スロバキア語 「rotonik」 労働者の意味
3
ロボットの定義、種類
4
5
6
7
1
人の意図を脳活動から読み取るBMI技術
2
ハイハイ、寝がえり等の乳幼児らしい動きを学んで身につける
3
人間型ロボット「SAYA」
理科の授業でテコの原理教えたり、デパートで受け付けしたり
4
人間型ロボット(阪大)
5
6
7
次世代ロボットの本格普及に向けて(声明)
-ロボツトビジネス推進協議会1.次世代ロボットの対人安全技術確立と基準・検証手法整備の着実な推進
・「生活支援ロボット実用化プロジェクト」(H21年スタートNEDO)成果重要
・官民挙げた継続的な取組が必要
2.現場実証機会の拡大とロボット導入に向けた社会制度の見直しの推進
(1)実証機会の拡大
(2)社会環境の整備
(3)公共調達の拡充
3.ユーザ支援を通じた製品普及促進に向けた環境整備
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次世代ロボットの現状
★急速に進む少子高齢化がもたらすもの
⇒①中長期的な経済社会的課題の克服と
②高い産業競争力の維持と日本の技術的発展が必要
次世代型ロボット、及びロボット技術(RT)に期待
★要素技術や各種サービスロボットのプロトタイプ開発が進展
⇒市場の拡大、普及には期待通りの成長が見られない
★その大きな要因は
①多くの技術課題が発展途上
②自律制御されて行動するロボットが人と共存するための
ルール、インフラなどが未成熟
③用途・利便性・使用環境に応じた安全概念に関する社会
受容性の醸成も不可欠
④基準・検査・認証手法が未確立
⇒ 医療、福祉、介護などでのロボット利用が進まない阻害要因
9
ロボツトビジネス推進協議会の声明
(1)次世代ロボットの対人安全技術確立と
基準・検査手法整備の着実な推進
統一的な基準と検査手法確立が不可欠
↓
個々の企業の取組レベルを超えるもの
↓
国レベル(又は国際的視野)での取組が必要
↓
「生活支援ロボット実用化プロジェクト」の
成果に期待
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(2)現場実証機会の拡大とロボット導入に向けた社会
制度の見直しの推進
(2)-1 実証機会の拡大
・官公庁等公的施設におけるオフィスビル向けサービスロボットの実証
・案内、清掃、警備、移動等多様なサービスロボットを集めて実証を行う
・商業施設、アミューズメントパーク等への支援を通じた実証
・公立病院、リハビリ施設等での介護福祉・リハビリ支援ロボット等の実証
(対象施設の拡大、受入施設への助成や人的支援の拡充等)
・災害救助ロボット、探索活動ロボット等をレスキュー訓練等の場に継続的
に導入する事による、現場従事者によるこれらの実証
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(2)現場実証機会の拡大とロボット導入に向けた
社会制度の見直しの推進
(2)-2 社会環境の整備
・エレベータでの人とロボットの同乗に関する基準の整備
・医療ロボット等における治療・承認環境の整備と人材確保
・移動ロボットによる公道走行を実現する条件と環境の整備
・サービスロボットの通信用周波数帯域の確保
(2)-3 公共調達の整備
・トンネル、橋脚、上下水道等社会インフラの検査
・点検ロボット の(競争開発による)公共調達拡充を通じた関係
ロボットの開発促進
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3.ユーザ支援を通じた、製品普及促進に
向けた環境整備
★サービスロボットが活躍する世界
・大手企業対比で想定される事は
⇒①資金調達力の問題 ②個人がユーザのケース
・初期投資リスクを低減する事は
⇒①普及の促進 ②それによる量産効果
・普及促進策の検討と、実証から事業化への円滑な移行
⇒ ①新たな高度機器の公共調達によるサービスロボット導入促進
②ロボット活用ユーザーへの助成、税制優遇
③ユーザーへのロボット導入インセンティブ付与による普及促進
④扱う人材育成、教育訓練システム充実
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3-2 調査対象
14
3-4 介護の内容で作業頻度の多い項目(特養など)
15
3-5 介護の内容で作業頻度の多い項目
(ホームヘルパー)
16
作業頻度の多い項目について
特別養護老人ホーム・老人保健施設(A)
入浴 > おむつ交換 > トイレでの排泄
95.9%
83.7%
71.4%
ホームヘルパー(B)
おむつ交換 > 全身清拭 > 入浴 = 衣類・リネン交換
49.5%
35.1%
20.6%
(A)で高い割合を示した「入浴」「トイレでの排泄」などが、
(B)で比較的低い割合。
⇒ 在宅介護の要介護者が要介護度の高い方が多く、
トイレや浴槽の使用が困難なためと考えられる。この
ため、ホームヘルパーでは「入浴」代替として「全身清
拭」が多くなっている。
1
3-6 介護の内容で作業負荷の大きい項目
(特養など)
2
3-7 介護の内容で作業負荷の大きい項目
(ホームヘルパー)
3
作業負荷の大きい項目について
特別養護老人ホーム・老人保健施設(A)
入浴 > おむつ交換 > 移動と搬送
85.7%
67.3%
53.1%
ホームヘルパー(B)
入浴 > 全身清拭 >移動と搬送
60.8%
56.7%
29.9%
作業量(=作業頻度 × 作業負荷)
(A)では① 「おむつ交換」と「入浴」の作業量が際立って大きい
②作業頻度の高い「トイレでの排泄」や「衣服交換」が
作業負荷としてはそれほどではない
③「移動と搬送」については、作業負荷の方が大きい
(B)では①「全身清拭」と「入浴」の作業負荷の大きさが目立つ
4
3-8 介護において苦労している点・
工夫が必要な点(特養など)
5
3-9 介護において苦労している点・
工夫が必要な点(ホームヘルパー)
6
苦労している点、工夫や改善が必要であると考えている点
特別養護老人ホーム・老人保健施設(A)
体位変換=おむつ交換>移動と搬送>ポータブルトイレでの排泄
44.9%
42.9%
38.8%
>衣類・リネンの交換=トイレでの排泄
36.7%
特記: 作業量及び作業負荷の双方において、最も負担が
大きかった「入浴」については、比較的低い回答
ホームヘルパー(B)
ベッドメーキング> おむつ交換>衣類・リネンの交換>体位変換
28.9%
27.8%
24.7%
22.7%
>移動と搬送
21.6%
7
高い割合で回答のあった具体的な工夫・改善要望内容
ー特別養護老人ホーム・老人保健施設ー
1. 体位変換
・ 体位変換マットレスに対する改善要望(形状記憶マットレス、
低価格マットレス、強度の拘縮のある方に対応したマットレス
の開発など)
・ ビーズパットなどの利用
・ 個人別の体位変換表の活用
・ バスタオルの活用
2. おむつ交換
・ おむつ交換の際の介護者の負担軽減(腰痛ベルトの活用等)
・ 陰部洗浄の用具への改善要望
・ おむつの種類、枚数の工夫(紙おむつ、高吸収ポリマー入り
紙おむつ、布おむつ、尿取りパット、活性炭入りパット等)
8
3. ポータブルトイレでの排泄
・ 居室でのポータブルトイレ利用の際のブライバシー保護(パイプでスクリ
ーン作成、トイレ周りに柵を設置等)
・ ポータブルトイレに対する改善要望(肘の部分の取り外しが できるもの
手すり付き、固定ベルトの装着、背もたれ部分の角度調整機能付き等)
4. 衣類・リネンの交換
・ 職員不足に対応したリネン交換に関するボランティア導入
・ シーツに対する改善要望(ボックスシーツの利用、一人でも
交換できるシーツ等)
5. トイレでの排泄
・ トイレの構造や機能に対する改善要望(手すりの設置、座位
不安定な方のための便座の構造、便座の周りへのパイプ・
背もたれ、肘掛の設置、便器が低すぎる、センサーによる
汚物処理機能、背もたれ部分の角度調整機能等)
9
1.
・
2.
・
・
・
高い割合で回答のあった具体的な工夫・改善要望内容
--ホームヘルパー-おむつ交換
おむつに対する改善要望(おむつ中央に印があるもの、ウェ
ストがゴムでフィットするT字型紙おむつ、吸収のよい紙製)
ベッドメーキング
家の間取りとベッドとの不整合に関する苦労(部屋の狭さ、ベ
ッドが壁についている場合の交換の難しさ等)
ベッドとシーツの大きさの不整合に関する苦労(通常のシー
ツはベッドより小さいので、古いシーツを両端に付け足すベ
ッド用シーツは高額など)
シーツのズレ防止への改善要望(ズレにくい素材の布地、ベ
ッドとシーツにマジックテープを装着してほしい、エアマット専
用のシーツ等)
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・ 防水シートやポリマーの活用
3. 衣類・リネンの交換
・ 体に拘縮のある方の着脱の苦労や前あきの衣服の活用及
びそれの工夫(前あき式の衣服、伸縮性のある衣服、肩・肘
の内側がシャーリングになっている衣服、前開きの衣服の固
定に対する要望[スナップ式]、袖口や首周りの大きい衣服、
袖があとからつけられる衣服等)
・ 中腰による介護者の腰痛
4. 体位変換
・ 座布団、バスタオル、クッション等の活用
・ 中腰による介護者の腰痛
・ 体位変換器の開発
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5. 移動と搬送
・ 介護者の腰痛
・ 介護者の家の構造に対する苦労(敷居の高さ、廊下の狭さ、
室内の段差、空間スペースの狭さ等)
・ 車での移動上の苦労や改善要望(車に乗る場合に座位確保
ができるようなもの[チャイルドシートの大人版]、車に乗り込
む際に支援できる機器等)
12
(3)介護現場からのニーズ紹介
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腰痛問題
脊椎にかかる力の安全限界
15
人が人を持ち上げる介助行為は二人作業でも許容値オーバー
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持ち上げない技術の代替えは
滑らせる介護
①トランスファーボード(滑る板)
堅い板、表面が滑る
ボードと身体の間に摩擦
⇒裸では使用不可
②スライディングシート(滑る布)
表面が滑らず、ループの内 裸でも使用できるが、大きな
側が滑り、柔らかい素材
溝やでこぼこは苦手
使用環境上の制限
・通過する経路に障害物なし
・高低差の管理(同じ高さでの
移動が基本。移乗元と移乗
先のいずれかに高さ調節機
能必要
リフト持ち上げ
吊具の選択と使い方(移乗場面 低価格、小スペース、高操作
や利用者の身体機能、介助者 性、乗りごこち良いリフト開発
の能力などにより最適吊具の が待たれる。
選択が必要)。実際的ではない。
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(4)ロボットの要素技術
ロボット(感じて、考え、動く)
人間
センサ
温度、明るさ等の外界の物理的状態と自分
の状態を把握するため
五感
制御・情報処理・判断要素
脳などの中枢神経系
センサが把握したロボット自身の状態や外
界の状況を総合的に判断して所定の動作が
安定して実行できるように、アクチュエータに
指示を出す
アクチュエータ
筋肉
動作を指示する信号や電力を物理的な運動
へ変換する
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部材として捉えるならば
★分類
・ 電子回路
・ ソフトウェア
・ メカニズム
駆動回路、センサ回路、信号伝達回路 など
駆動制御、情報処理 など
躯体、機構、駆動部品、電源 など
★多様なニーズに合わせた次世代ロボットを低コストで
開発・製造するには
垂直型クローズドな開発環境(従来)
⇒「センサ」「制御・情報処理・判断要素」「アクチュエータ」が
オープンなシステムとして、接続できるような”標準化”
された開発環境の整備が必要
19
20
21
22
センサ
★一口にセンサと言っても・・
・内臓センサ(体の傾きや方向を検知)
・超音波センサ(超音波を対象物に照射、反射波を受信して周囲状況把握)
・温度センサ(アザラシ型ロボット「パロ」、過温防止、動物の様に動きを緩和)
・離床センサ(ベッドから降りようと床マットを踏むと自動通報、テクノスジャパン)
・脳波計+近赤外光脳計測装置(人の意図を脳活動から読み取る)
・生体センサ(横になるだけで心拍数や呼吸数計測、体調急変をアラーム通報)
・その他、触覚センサ、力センサ、位置センサ、ジャイロセンサ、
光ファイバーセンサ、誘電率センサ、振動センサ、においセンサ、などなど
★触覚センサを例に取ると
・全身に分布している(視覚・聴覚などは集中した感覚器官)
・接触型(視覚・聴覚などは非接触で情報入手)
・多角的センシング機構(力、振動、熱効果、接触面積など多様
な情報検出必要) ⇒難しい!!
23
ロボット要素技術
認識技術
・センサ技術。人間の五感の部分
・認識技術・センサ・自己
・音声や画像等を扱いやすい別信号に変え、 位置検出、画像認識・音
声認識など
ロボットが働くために必要情報を伝える。
ソフトウェア ・人間の脳にあたるロボットの中枢部分
・ソフトウェア・人工知
・センサ等からの情報を総合的に解析し制御 能・移動制御・センサ情
技術を担う部分やアクチュエータ等に対して、目 報処理・動作制御など
的通りの作動を指示するプログラム
動力源
・充電可能な二次電池や水素電池など
・バッテリー・二次電池・
・重量問題や安全性確保等動力源の進歩が 燃料電池、リチウムイ
待たれる
オン電池、給電システム等
制御技術
・ロボットが目的通りに働くように、動作の幅
や方向を調節する技術
・動きを伴うものだけでなく、エアコン温度等
設定目標に対して調節するのも含まれる
・移動制御(車輪・クローラ)
・二足歩行制御・他足
歩行制御・ロボットマニュピ
レーション制御など
アクチュ
エータ
・電気や油圧などのエネルギーを動力源とし
て、指示された仕事を機械的に行う装置
・人間の筋肉であり、手足が目的通りに作動
するように各種の方法で力を加える
・サーボモータ・リニアアク
チュエータ・高分子アクチュエー
タ・減速機・インホイールモータ
・人工鞭毛モータなど
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介護・福祉機器開発に必要と考えられる技術
☆材料
素材・・・・金属、樹脂、ゴム、エラストマー
特性値・・耐食性(耐候性)、抗菌性、軽量、肌触り[素材その
ものに持ち合わせていても良いし、表面処理でも良い]
☆構造
操作性容易・・材料や電気、機械等を熟知してなくても出来る
小スペース ・・小型、取り付け簡単
対象法律に該当しない・・薬事法、PL法
低価格
☆シーズ企業、オンリーワン企業
RT技術・・センサ、ソフトウェア、制御技術、動力源、アクチュエータ
溶接・接合・接着・一体化(鋳造、鍛造)・組立
切削
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謝辞
ロボットは色々な要素技術の集合体です。
これらの要素技術をパッケージにしたロボット
テクノロジー(RT)を開発して介護・福祉市場に
参入しませんか?
更に、この要素技術は環境・エネルギー分野
も共通項が多いので、水平展開が可能です。
ご静聴ありがとうございました。
26
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