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私たちはグローバル化にどのように向き合うのか

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私たちはグローバル化にどのように向き合うのか
 私たちはグローバル化にどのように向き合うのか
旧福田小学校の体育館で、福武財団主催のシンポジウムがあり
ました。題して「アジア・アート・プラットフォーム構想をめ
ぐってー私たちはグローバル化にどのように向き合うのか」で
す。
旧福田小学校に「福武ハウス」がオープンしました。さまざ
まな民族的背景を持つアジア各地域の美術関係機関 ( 財団・
NPO) が参画して、そこが推薦するアーティストが小豆島福田
に滞在して、作品を制作・展示するものです。
はじめての今年は、7 カ国のアーティストが参加し、それぞ
れの国や瀬戸内海が抱える課題、小豆島の自然や思い出をモ
チーフにした作品を制作、展示しています。作品制作に当たっ
ては、地元福田の皆さんも協力をしました。
「福武ハウス」でのアーティストの作品制作をディレクトし
た各国のキュレーターとアジアでアート活動を展開している内
外の皆さんが、
「福武ハウス」の 意義などについて語り合った
のが、表題のシンポジウムです。
グローバル化が急速に進んでいます。グローバル化とは何か
と考えると難しいのですが、国と国、地域と地域、人と人の交
流が進んで、ひとつの価値観や考え方で、世界が同時に動く状
況を指すと考えることができます。
グローバル化には、光と影があります。典型的なのは、金融
のグローバル化です。コンピュター・情報技術の進歩とあいまっ
て、素人の私からすると、金融のグローバル化は、各国の経済
をむやみにかく乱させ、人々の生活に混乱を招くだけで、負の
部分しか感じることができません。
グローバル化に光と影があるにしても、グローバル化から私
たちは逃れることができません。そうであるなら、グローバル
化を私たちの幸せにつながるものにするしかありません。
「福武ハウス」の「アジア・アート・プラットフォーム」構想は、
まさにアートを通じて、人々に幸せにつながるグローバル化を
目指すものと言えます。
人々が幸せになる条件とは何でしょうか。人々によって、価
値観は異なるでしょうが、私は、これからは、都市化、個人の
自由の増大などのいわゆる「進歩的」なものよりも、私たちが
何代にもわたって伝承してきたきれいな自然、文化や伝統、伝
承行事、地域での助け合い、絆、などといったものが再び、重
きをなすだろうと考えています。少なくとも、都市的なものと
田舎的なものの双方向が大切になると考えています。
福田地区は、過疎化が進む小豆島にあって、さらに急速に過
疎化が進んでいる地区です。しかし、まだまだ、ここには素晴
らしいものがいっぱい残されています。日本の原風景ともいう
べき福田地区にアジアのアーティストが集まり、アーティスト
の視点で守るべき大切なものを、共通の視点で表現し、世界に
発信するのが、
「福武ハウス」であり、
「アジア・アート・プラッ
トフォーム」です。
福田地区をその場所として選んでいただいた福武總一郎さ
ん、北川フラムさんに感謝します。
「福武ハウス」は、越後妻
有で 2 回、女木島で 1 回開催されました。いわば移動式でした。
福田地区での「福武ハウス」について、
福武さんは「
『福武ハウス』
は、ここ福田で安住の地を得た」と言われました。通訳の表現
は、
「Permanent( 恒久的な)
」です。
グローバル化は、世界の各国、各地域が守ってきた文化や伝
統、暮らしなどの価値を相互に認め合い、底に流れる普遍的な
価値を確認し合うことから始まります。
「福武ハウス」を通して、福田地区や小豆島の素晴らしいも
のを守り、再び福田地区や小豆島を元気にし、大勢のアジアや
世界の人々に訪れてもらい、人々が幸せになれるグローバル化
に役立っていきたいと思います。
(平成 25 年 7 月 22 日)
シンポジウム基調講演の様子
意見を述べる各国のアーティストの皆さん
《 福武ハウスの作品をご紹介します 》
作品「思い出が彼らを連れ戻してくれる」
アーティスト ニパン・オラニウェート(タイ)
作品「マゼンダ・ペインティング」
アーティスト チェ・ソン(韓国)
作品「脆弱な泡」
アーティスト イワン・アーメット(インドネシア)
作品「ホーム」
アーティスト ジャ・ファ・ラム・ラム・
ボー・ホ・クゥオン・ラウ(香港)
《 地元の皆さんの芸術祭の取り組み》
作品「静けさの中で」
アーティスト グレース・タン(シンガポール)
アジアの食のワークショップ
作品「布輪の海」
アーティスト ウェイリン・ヤン(台湾)
作品制作を手伝う地元の皆さん
(シンガポールのグレースさんの作品)
作品「彫刻の中の記念碑」
アーティスト ジャクソン・スラタリー
(オーストラリア)
アーティストによるワークショップ
(水彩画教室)
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