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住友電工における Agile(Scrum)の試行・評価

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住友電工における Agile(Scrum)の試行・評価
SEC セミナー
住友電工における
Agile(Scrum)の試行・評価
住友電気工業株式会社
情報システム部
中村 伸裕
2012.10.24
Ingenious Dynamics
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Agenda
1.会社紹介
2.Agile(Scrum) 導入の背景と狙い
3.Agile(Scrum) の適用
4.Agile(Scrum) の試行結果
5.Agile(Scrum) の評価
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1.住友電気工業と情報システム
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1.1 会社概要
商 号
住友電気工業株式会社
創 業
1897年(明治30年)
資本金 997億円
社 長
松本 正義
連 結
従業員 182,773人
グループ 連結対象会社 325社 (国内124社、海外201社)
業 績
連結売上高 2兆338億円
連結営業利益 1038億円
(2011年3月末現在)
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P.4
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P.5
1.3 製品
銅荒引線
合成ダイヤモンド単結晶 スミクリスタル®
ワイヤーハーネス
多心光ファイバケーブル
フレキシブルプリント回路
40Gbit/s伝送用光トランシーバ
超硬工具 イゲタロイ®
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純緑色半導体レーザ
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P.6
1.4 住友電気工業(SEI)の組織図
電
線
事
業・
機
本材
部・
エ
ネ
ル
ギ
ー
((事業部門))
情 エ
報 レ
事
事ク
通
業
業ト
信
本
本ロ
・
部シ 部ニ
ク
ス
ス
テ
ム
<営業本部>
自
動
車
事
業
本
部
産
業
素
材
事
業
本
部
((研究開発部門))
材料技術研究開発本部
情報通信研究開発
本部
N パ 解 自 エ 半
E ワ 析 動 レ 導
N パ 情 光 伝
X ー 技 車 ク 体
E ワ 報 通 送
T シ
ト
X ー 通 信 デ
セ ス 術 技 ロ 技
T シ
ン テ 研 術 ニ 術
セ ス 信 研 バ
タ ム 究 研 ク 研
ン テ 研 究 イ
ー 研 セ 究 ス 究
タ ム 究 所 ス
・
ン
研
ー 研 所
究 タ 所 材 所
究
料
所 ー
究
所
研
所
究
所
((コーポレートスタッフ部門))
法務部・広報部・人事総務部・人材開発部・安全環境部・経理部・財務部・経営企画部・
情報システム部・資材部・物流管理部・生産技術部・品質管理部・知財部・貿易管理室 等
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P.7
1.5 情報システム部門の体制
住友電工
情報システム部
・システム企画
・情報技術(IT)
住友電工
情報システム(株)
設計、開発
運用、保守
Ingenious Dynamics
事
業
部
協
力
会
社
事
業
部
協
力
会
社
事
業
部
事
業
部
・・・
・・・
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P.8
1.6 オープン化への取り組み
年度
OS
方式
IBM S370
NEC ACOS
~80 ホスト集中処理
81~90
汎用機分散設置
91~94
分散処理(telnet)
95~96
UNIX
C/S
97~98
99~04
05~06
IBM 4300
NEC ACOS
Windows NT
Webシステム
Linux
言語
COBOL
Informix-4GL
Developer2000
Cold Fusion
IMS
ADBS
DB2,DL/I
ADBS
Informix
Oracle
Oracle, DB2
Java / Tomcat
Linux + Xen
06~
DB
PostgreSQL
ポイント:
・新規開発のシステムは、全社同一プラットフォーム
・比較的小さい規模で再構築する為、全PJ同一プロセスで開発
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P.9
1.7 QCD改善の取り組み
1991
1994
1997
1999
2001
2003
2007
2011
Informix-4GL用
ジェネレータの開発
T字形ER手法の導入
(DOA導入)
ファンクションポイントの導入
楽々Framework の開発
(View, Controller)
システム開発プロセス改善
(CMM)
楽々Framework II の開発
組立型開発の開始
統計的品質管理(SQC)
品質予測モデル確立
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開発フェーズ
生産性 30%UP
外部設計~結合テスト生産
性 30%UP
計測方法の見直し
UI Component
Struts相当の部品
CMMレベル3を達成
(2003年4月)
業務用コンポーネント
500種類以上
CMMI レベル3達成 (2007/7)
CMMI レベル5達成 (2011/6)
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P.10
1.8 組織の強み

核となる技術を組織全体で定着化
管理図の導入
(2007 ~)
品質制御技術
統計的品質管理
楽々Framework II
(適用率: 100%)
(適用率: 100%)
要件定義のあいまいさと
内部矛盾を排除 (1994~)
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再利用技術
要件定義技術
T字形ER手法
開発量の大幅削減を
実現 (2003~)
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P.11
1.9 他社との生産性比較

当日のみ
SEC『データ白書 2010-2011』 との比較
スクリーンをご覧下さい
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P.12
2.Agile(Scrum)試行の背景と狙い
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2.1 Agile(アジャイル)の現状

「顧客満足を最優先し、価値あるソフトウェアを早く継続的に提供します」
「アジャイルソフトウェア開発宣言 アジャイルソフトウェア開発の原則」より



アジャイルが欧米の競争力に繋がっている(IPA/SEC報告書)
CMMI, PMBOK, BABOK 等のモデルもアジャイル対応が進んでいる
海外におけるアジャイル普及状況
Scrumが全体の
70%を占める
→日本では請負契約の問題で広まっていない(米国では
準委任契約が主体)
引用元 「非ウォーターフォール型開発の普及要因と適用領域の拡大に関する調査報告書」IPA
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P.14
2.2 Agile導入の目的

1.システムの価値を最大化
システム開発の費用と期間を固定し
システムの価値を最大化

2.開発者のモチベーション向上
自立的な活動

3.開発者の能力向上
開発者全員が計画、監視、制御、外部設計に関わることで能力が向上する

4.改善活動の定着化

5.QCDの評価



品質: 悪化しないのか
コスト:繰返し開発による手戻り量
納期:「顧客満足を最優先し、価値あるソフトウェアを早く継続的に提供」
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3.Agile(Scrum)の適用
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3.1 Scrum(スクラム)とは
•プロダクト開発の管理に使用されてきた
プロセスフレームワーク
•スクラムの特徴:
①軽量 ②理解が容易 ③習得は非常に困難
スクラム
マスター
SM
プロダクト
オーナー
PO
上長(課長、部長)
開発チーム 5~9名
ユーザー
スプリント
計画ミーティング Part1
(1~2時間)
スプリント(2~4週間)
Part2
(2~4時間)
スプリント
ゴール
プロダクト
バックログ スプリント
バックログ
スプリント
レビュー
スプリント
レトロ
スペクティブ
(1~2時間)
(1~2時間)
デイリー
スクラム
(15分/日)
バーンダウン
チャート
プロダクト
繰り返し
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3.2 試行PJの概要
他PJとの
掛け持ち
2名
新人
2名
スクラム
マスター
SM
プロダクト
オーナー
PO
•基幹系システム二次PJ(派生型開発)
•開発規模:約28人月
•1スプリント2週間 × 6スプリント
•ユーザ:システム部門
時短勤務
2名
開発チーム 6名(+SM)
開発チーム 6名(+SM)
スプリント
計画ミーティング Part1
(1~2時間)
ユーザー 兼上長
スプリント(2週間)
Part2
(2~4時間)
スプリント
ゴール
プロダクト
バックログ スプリント
バックログ
スプリント
レビュー
スプリント
レトロ
スペクティブ
(1~2時間)
(1~2時間)
デイリー
スクラム
(15分/日)
バーンダウン
チャート
プロダクト
繰り返し
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3.3 プロダクトバックログ
スクラム
マスター
SM
プロダクト
オーナー
PO
開発チーム 6名(+SM)
開発チーム 6名(+SM)
スプリント
計画ミーティング Part1
(1~2時間)
ユーザー 兼上長
スプリント(2週間)
Part2
(2~4時間)
スプリント
ゴール
プロダクト
バックログ スプリント
バックログ
スプリント
レビュー
スプリント
レトロ
スペクティブ
(1~2時間)
(1~2時間)
デイリー
スクラム
(15分/日)
バーンダウン
チャート
プロダクト
繰り返し
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3.3 プロダクトバックログ
Ingenious Dynamics
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3.4 スプリント計画ミーティング
スクラム
マスター
SM
プロダクト
オーナー
PO
開発チーム 6名(+SM)
開発チーム 6名(+SM)
スプリント
計画ミーティング Part1
(1~2時間)
ユーザー 兼上長
スプリント(2週間)
Part2
(2~4時間)
スプリント
ゴール
プロダクト
バックログ スプリント
バックログ
スプリント
レビュー
スプリント
レトロ
スペクティブ
(1~2時間)
(1~2時間)
デイリー
スクラム
(15分/日)
バーンダウン
チャート
プロダクト
繰り返し
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P.21
3.4 スプリント計画ミーティング
マニュアルでは2~4Hだったが
実際は倍近くかかっていた
スプリント計画ミーティング
Part1 (1H) Part2・・・基本的にはメンバーのみ(POは必要に応じて参加) (4~8H)
POより説明 イメージ
合わせ
概算見積
ゴールの
決定
スプリント
バックログ作成
説明を受けたプロダクトバックログより
今回、開発できる機能を選択
※優先度の高いものから取り組み
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3.5 スプリントバックログ
スクラム
マスター
SM
プロダクト
オーナー
PO
開発チーム 6名(+SM)
開発チーム 6名(+SM)
スプリント
計画ミーティング Part1
(1~2時間)
ユーザー 兼上長
スプリント(2週間)
Part2
(2~4時間)
スプリント
ゴール
プロダクト
バックログ スプリント
バックログ
スプリント
レビュー
スプリント
レトロ
スペクティブ
(1~2時間)
(1~2時間)
デイリー
スクラム
(15分/日)
バーンダウン
チャート
プロダクト
繰り返し
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P.23
3.5 スプリントバックログ
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3.6 バーンダウンチャート
スクラム
マスター
SM
プロダクト
オーナー
PO
開発チーム 6名(+SM)
開発チーム 6名(+SM)
スプリント
計画ミーティング Part1
(1~2時間)
ユーザー 兼上長
スプリント(2週間)
Part2
(2~4時間)
スプリント
ゴール
プロダクト
バックログ スプリント
バックログ
スプリント
レビュー
スプリント
レトロ
スペクティブ
(1~2時間)
(1~2時間)
デイリー
スクラム
(15分/日)
バーンダウン
チャート
プロダクト
繰り返し
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3.6 バーンダウンチャート ~部外者にもわかる進捗管理~
失敗
大変
よくできました
「着地」
タスクを計画通りにやりきること
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3.7 デイリースクラム
スクラム
マスター
SM
プロダクト
オーナー
PO
開発チーム 6名(+SM)
開発チーム 6名(+SM)
スプリント
計画ミーティング Part1
(1~2時間)
ユーザー 兼上長
スプリント(2週間)
Part2
(2~4時間)
スプリント
ゴール
プロダクト
バックログ スプリント
バックログ
スプリント
レビュー
スプリント
レトロ
スペクティブ
(1~2時間)
(1~2時間)
デイリー
スクラム
(15分/日)
バーンダウン
チャート
プロダクト
繰り返し
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3.7 デイリースクラム ~日々の監視と制御~
当日のみ
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3.8 スプリントレビュー
スクラム
マスター
SM
プロダクト
オーナー
PO
開発チーム 6名(+SM)
開発チーム 6名(+SM)
スプリント
計画ミーティング Part1
(1~2時間)
ユーザー 兼上長
スプリント(2週間)
Part2
(2~4時間)
スプリント
ゴール
プロダクト
バックログ スプリント
バックログ
スプリント
レビュー
スプリント
レトロ
スペクティブ
(1~2時間)
(1~2時間)
デイリー
スクラム
(15分/日)
バーンダウン
チャート
プロダクト
繰り返し
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P.29
3.8 スプリントレビュー ~結果報告とデモ~

メンバー



プロダクトオーナー、スクラムマスター、チームメンバー
ユーザ兼上長
通常はユーザ部門の利用者も参加する
実施

1時間程度で以下の内容を実施




(参加者は状況に応じて判断)
※今回は情報システム部門で利用するシ
ステム
スプリント結果報告
ゴールの達成状況、バーンダウンチャート、品質レポート
デモと質疑応答 「デモ」することはとても重要視されている
プロダクトオーナーによる完了判定
→改善要望はプロダクトバックログへ
うまくいったこと、問題点、解決方法(レトロスペクティブの前に)
スプリントレビューだけがプロジェクトトレースの場
これ以外はチームの邪魔をしてはいけない
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3.9 スプリントレトロスペクティブ
状況に応じて
スクラム
マスター
SM
プロダクト
オーナー
PO
開発チーム 6名(+SM)
開発チーム 6名(+SM)
スプリント
計画ミーティング Part1
(1~2時間)
ユーザー 兼上長
スプリント(2週間)
Part2
(2~4時間)
スプリント
ゴール
プロダクト
バックログ スプリント
バックログ
スプリント
レビュー
スプリント
レトロ
スペクティブ
(1~2時間)
(1~2時間)
デイリー
スクラム
(15分/日)
バーンダウン
チャート
プロダクト
繰り返し
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P.31
3.9 スプリントレトロスペクティブ ~振り返りと改善の機会
当日のみ
まず良かった点から振り返る
メンバー1人ずつ順番に話す
Keep
Try
次に問題点を振り返る
次へのTryは
問題の対策だけなく
継続すべき良かった事も
あげる(定着するまで)
Problem
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P.32
3.10 次のスプリントへ
スクラム
マスター
SM
プロダクト
オーナー
PO
開発チーム 6名(+SM)
開発チーム 6名(+SM)
スプリント
計画ミーティング Part1
(1~2時間)
ユーザー 兼上長
スプリント(2週間)
Part2
(2~4時間)
スプリント
ゴール
プロダクト
バックログ スプリント
バックログ
スプリント
レビュー
スプリント
レトロ
スペクティブ
(1~2時間)
(1~2時間)
デイリー
スクラム
(15分/日)
バーンダウン
チャート
プロダクト
繰り返し
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P.33
4.Agile(Scrum)の試行結果
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4.1 スクラムの実施 ~着地までの道のり~
第1スプリント
約90Hタスク残
・計画甘い
第3スプリント
第2スプリント
失敗
約60Hタスク残
失敗
・計画外のタスク発生
・遅れのトレース不足
•投入予定の見直し
(スプリント期間中の各日の
投入予定工数を積上げ)
•タスク毎に責任者の明確化
初めての着地! 成功
・20%バッファの活用
・デイリースクラムでの
トレース有効
•予定工数の80%で計画
(20%はバッファ)
•デイリースクラムで遅れトレース
スプリントレトロスペクティブ(メンバー自身の振り返り)
これでうまくいくと思ったが・・・
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4.2 スクラムの実施 ~再び着地を目指して~
作業残
第4スプリント
約60Hタスク残
作業残
第5スプリント
約25Hタスク残
作業残
第6スプリント
1日遅れ
第7スプリント
第8スプリント成功
着地!
・事前の仕様検討
・残り2回の準備期間
・開発はしない
(小改善のみ実施)
・UT検収強化
ITシナリオ減(いじわるテスト増)
第9スプリント 成功
着地!
・8スプリントでの仕様準備
・PG開発の進捗チェック
•要件を理解する期間を確保
スプリント
設計
スプリント
開発
設計
事前に要件の理解と
設計に着手しておく
ようやくわかってきた
チームも成長してきた
開発
チームはもっと
成長できる
スプリントレトロスペクティブ
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4.3 9スプリントの結果
第1スプリント
約90Hタスク残
リリース
失敗
・計画甘い
第2スプリント
約60Hタスク残
リリース
失敗
・計画外のタスク発生
・遅れのトレース不足
第4スプリント 成功
約60Hタスク残
作業残
・メンバー入れ替えの
オーバーヘッド?
第7スプリント
・残り2回の準備期間
・開発はしない
(小改善のみ実施)
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第3スプリント 成功
初めての着地!
・20%バッファの活用
・デイリースクラムでの
トレース有効
成功
第5スプリント
約25Hタスク残
作業残
・もうちょっとなのに
成功
第6スプリント 成功
着地したが1日超過
作業残
・成功と言えなくも
ないが・・・
第8スプリント 成功
着地!
・事前の仕様検討
・UT検収強化
ITシナリオ減(いじわるテスト増)
終了
(予算100%消化)
第9スプリント 成功
着地!
・8スプリントでの仕様準備
・PG開発の進捗チェック
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P.37
5.Agile(Scrum)の評価
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4.Agile試行の評価 ~Agile導入の目的に対して~

確認したかったポイント

1.システムの価値を最大化
システム開発の費用と期間を固定し
システムの価値を最大化
2
モチベーション

2.開発者のモチベーション向上
自立的な活動

3.開発者の能力向上
開発者全員が計画、監視、制御、外部設計に関わることで能力が向上する

4.改善活動の定着化

5.QCDの評価



品質:JUAS報告によるとウォーターホール型開発よりバグ数1.5倍
コスト:繰返し開発による手戻り量
納期:「顧客満足を最優先し、価値あるソフトウェアを早く継続的に提供」
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P.39
4.1 システムの価値を最大化

★本PJに現れた現象★
・議論の時間が増える
(計画時に20%のバッファ確保)
・ITフェーズでも機能追加
・設計リードタイムは1/2
・設計コストは2倍
・ホワイトボードで設計
(イメージ合わせ)
→直ぐにダメと指摘できる
スプリント毎の価値の最大化
ユーザの要求を
実現する脳
複数名が1つの
設計に参加する
→複数のアイデアが出る
2
モチベーション
チーム全員
+ 5H/機能
アジャイル型
価値観×価値観
1人のSE
+PM・PLのレビュー
1つの価値観
14H/機能
機能に対する
価値を高めている
ウォーターフォール型
10H/機能
外部設計
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動くものができることによって
さらに設計アイデアが出る
→設計時間をより多くかける
基本設計
PG開発
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IT
ユーザの要求を
実現する時間
P.40
4.1 システムの価値を最大化

機能別に見る価値の最大化
「スプリント毎の価値の最大化」
→より価値を高める
機能の価値
2
モチベーション
「繰り返し開発による価値の最大化」
→より価値のある機能を選択し開発する
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
システムを構成する機能
機能
さほど価値(効果)の高くない機能
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P.41
4.2 モチベーションの評価 メンバー7名にアンケート

スクラム開発について
「従来のウォーターフォール型と比べてどうです
か?」
2
モチベーション
← とても やや どちらともいえない やや とても →
良い |---------○--------+---------+---------| 悪い
面白い |--------○---------+---------+---------| 面白くない
やる気がでる |---------+-○------+---------+---------| やる気がない
効率的 |---------+----○---+---------+---------| 非効率
効果的 |---------+-○------+---------+---------| 非効果的

スクラムを続けたいか?
← とても やや どちらともいえない やや とても →
続けたい |--------○---------+---------+---------| 続けたくない
なぜ好印象をもってもらえたのだろう?
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参考文献
「仕事が楽しくなる!25のルール」
大林伸安,ダイヤモンド社
4.2 モチベーションの評価 
仕事が楽しくなる5つのキーワード
スクラムのルール
充実感
「ありがとう」といってもらえる仕事
2
モチベーション
使命感
「なぜ、何のために」がわかっている仕事
達成感
「ゴール」が見える仕事
スプリントレビュー
ユーザ(PO)から直接フィードバック
S計画ミーティング①など
ユーザ(PO)と直接コミュニケーション
スプリントゴール
スプリント期間
成長実感
「昨日より今日が」前進している仕事
一体感
「おめでとう」が言い合える仕事
レトロスペクティブ
バーンダウンチャートの
着地をみんなで喜ぶ
アンケート結果
•要求変更をエーッと思いながら
も取り込めた
•1次開発ではPG担当でなぜは
わかってなかったが2次開発では
要求を理解しながら取り組めた
•1次に比べて機能が充実した
•機能設計で細かい事にこだわ
らない、ゴールを重視
•機能設計するときに目的を意
識するようになった
•Tryに対する結果が2週間後に
出る
•メンバーみんなで目標に向
かってやっていけた
•相談しやすい
•自主的に他の人のタスクを引
き取る
・仕事が楽しくなるポイントを押さえているスクラムのルール
・アンケート結果も対応
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4.3 開発者の能力向上
開発者の能力
ベテラン
中堅
若手
2
モチベーション
PJ管理能力
(計画・監視・制御)
外部設計能力
プログラミング能力
-
統合テスト能力
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4.4 改善活動の定着化 ~レトロスペクティブのTry~
ス プ リ ン ト
改善の分
類
計画
①
②
投入予定
時間を積上
80%で計画
③
④
予定工数の
⑤
⑥
⑦
2
モチベーション
要求・仕様を
理解する
期間の確保
遅れリストで
トレース
設計開発
全員で
イメージ合わせ
コミュニ
ケーション
打合せ中に
タイムキーパー
⑨
日別人別
投入計画
PG完了
前半/後半
予定日の意識
計画
後半に回しても
いいタスク
進捗
⑧
PG開発
タスクの細分化
とトレース
UTエビデンス
作成指示
プログラム
構造図の記述
若手2名の
指導
外部チームとの
調整は前倒しで
ホワイトボードに
見たチェック欄
・スプリントが終わる度にレトロスペクティブを実施
・一人一人が必ず発言するので自ずと改善意識が高まる
・次の2週間ですぐ実践できる
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P.45
4.5 QCDの評価

Q:品質


時間あたりの欠陥作り込み(PG開発) →組織標準より約20%多い
規模あたりの流出欠陥(リリース後3ヶ月)→組織標準より約15%少ない
2
モチベーション
欠陥作り込みは多いが流出はむしろ少ない

C:コスト 生産性

規模(FP値)あたりの開発工数 →組織標準とほぼ同じ
※但し、今回は計測したのは機能拡張FP値(派生開発型)
組織標準はアプリケーションFPあたりの標準工数なので
厳密な比較ではない (機能拡張FPでの標準工数は規定無い)
厳密な比較はできていないが、さほど悪くならない

D:納期

約2週間毎に対象機能を確実にリリース
動くソフトを継続的にリリースできた
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P.46
4.6 Agile試行の評価 まとめ
Agile試行 評価項目
結果
1.システムの価値を最大化
◎
2.開発者のモチベーション向上
◎
3.開発者の能力向上
◎
4.改善活動の定着化
◎
5.QCDの評価
△
◎:効果がとても認められる
△:効果はあまり認められないが悪くなることもない
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P.47
CMMIモデル適用のウォーターフォール型プロセス
補足.AgileScrum試行における従来プロセス資産の活用度
評価項目
従来プロセス資産の活用度
開発者モチベーション
C
M
M
I
の
プ
ロ
セ
ス
エ
リ
ア
プロセ
ス
管理
PJ管
理
エンジ
ニアリ
ング
支援
×
従来のCMMIではモチベーションに関するPAはない
OPD,OT,
OPM
組織プロセス定義,組織トレー
ニング,組織実績管理
-
OPF
組織プロセス重視
△
レトロスペクティブでなぜなぜ分析を実施
OPP
組織プロセス実績
◎
組織ベースライン、u管理図(工数ベース)活用
QPM
定量的プロジェクト管理
◎
PP,PMC,
IPM
プロジェクト計画、監視と制御、
統合プロジェクト管理
×
SAM
供給者合意管理
-
RSKM
リスク管理
×
コスト超過・納期遅延のリスク小
REQM
要件管理
○
業務要件の理解→画面設計の技術は同じ
RD
要件開発
○
TS,PI
技術解,成果物統合
◎
VER,VAL
検証,妥当性確認
◎
MA,CM
測定と分析,構成管理
◎
PPQA
プロセスの成果物と品質保証
-
試行PJだったのでSQA検証など実施せず
DAR
決定分析と解決
○
チーム開発による複数案
CAR
原因分析と解決
-
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アジャイルではスプリントバックログ、バーンダウン
チャート、デイリースクラムなど活用
ウォーターフォールとほぼ同じ
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P.48
補足.開発メンバーからの提言 ~アジャイルを取り組む方へ~

開発チームは一箇所集中




1日最低5時間のコアタイム確保 ※コアタイム=全員が揃っている時間



本PJでは実質3時間(10:00~14:00)
時短メンバー、他PJとの掛け持ちメンバーおり実質はもっと少なく
コミュニケーションロスが多かったという声
メンバー構成



コミュニケーションが最大の効果を生む
PJルーム、席を集めるなど(7人でも席が端と端だと効率落ちるという声も)
打合せを頻繁に行うので他の人に気兼ねなくできるスペースが望ましい
少なくとも、ウォーターホールの各工程をできる人が集まっている事
設計だけできる人のチーム、PGだけできる人のチームでは何もリリースできない
期間が短いのでフレ幅が小さく安定して開発できる人
(=自己品質管理ができる人)が理想
チームワーク


与えられた仕事をだけをやるスタンスではダメ
チームの達成すべきゴールを理解し、
それに対して自分がどういう貢献できるか という取り組みが必要
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P.49
The END
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