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プロジェクトの詳細説明資料 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
「環境適応型小型航空機用エンジン研究開発」 (中間評価)分科会(第1回) 資料6-4 中間評価分科会説明資料 ープロジェクトの詳細説明資料ー (実用化・事業化の見通し) (公開) 平成18年6月7日 1 内 容 1.市場規模 2.技術優位性 3.実用化に向けた課題・解決方策 4.実用化計画 5.コストダウン 6.波及効果 7.まとめ 2 1.市場規模 <訪問調査したエアライン> ● ● ●● ● ● ●● ● ● ・北米については、既存機種をベースとして予測 ・新興アジアについては、交通経済学的手法で 予測 ● ●● ● ● ●●● ●● ・45エアラインを訪問調査し、市場予想を実施 (45エアラインで世界のリージョナルジェット機 輸送量の70%をカバー) ● ● ● ● ●● ● ● ● ● ● ● ・2000機需要に対して半分の販売機数を獲得 した場合、市場規模5000億円程度となり、大 きな市場ポテンシャルを有する ● 北南米 ヨーロッパ アジア・中東 : 13エアライン : 11エアライン : 21エアライン 2010年台半ば以降の20年間で、2000機程度の需要あり 小型RJ (40席~59席) 2005-2014 2015-2024 2025-2034 Total 北米 124 1152 268 1545 欧州 97 326 126 549 中国 69 98 49 216 インド 27 64 57 148 東南アジア 11 14 10 35 合計 328 1654 510 2492 3 2.技術優位性 技術調査を通して当該技術の優位性を確認していることより、当該エンジンの国際競争力は高い 小型エコ SaM146 SM-X PW800 CF34-10 機 体 次世代50席機 RRJ (70~90席) ビジネスジェット機 次世代50席機 Cシリーズ機 (100席) ERJ190/195 (100席) 状 況 要素開発 エンジン開発 要素開発 概念検討 運用 8~12klb 【段数】:合計11段(ギア無し) 全 体 FAN:1段 LPC:なし HPC:6段 HPT:1段 LPT:3段 ァ フ ・ゼロハブファン 13~15klb 20klb 10klb 19klb 【段数】:合計14段(ギア無し) 【段数】:合計13段(ギア無し) 【段数】:合計11段(ギア付き) 【段数】:合計18段(ギア無し) FAN:1段 FAN:1段 FAN:1段 FAN:1段 LPC:3段 LPC:2段 LPC:3段 LPC:3段 HPC:6段 HPC:5段 HPC:5段(遠心付き) HPC:9段 HPT:1段 HPT:1段 HPT:1段 HPT:1段 LPT:3段 LPT:2段 LPT:3段 LPT:4段 ・スウェプトファン(後退翼) ・スウェプトファン(後退翼) ・スイープリーン統合OGV ・スウェプトファン ・統合OGV ン ・ファン動翼 18枚 圧 ・ディフューザパッセージ動翼 縮 ・3次元翼 機 ・全段ブリスク 燃 ・急速混合 焼 ・部分希薄 器 ・部分過濃 ー タ /リーンOGV ・スウェプト ・ファン動翼 28枚 ・3次元翼 ・3次元翼 ・3次元翼 ・3次元翼 ・全段ブリスク ・従来の拡散 ・従来の拡散 ・TALONⅢ(部分過濃) ・従来の拡散 ・高揚力化 ・能動クリアランス制御 ・高揚力化 ・能動クリアランス制御 ・高揚力化 ・高揚力化 ・カウンターローテーション形態 ・超高揚力化(10%:対CF34-10) ビ ・チップクリアランス損失低減技術 ン ・マルチスロット冷却 ・先進単結晶 4 3.実用化に向けた課題・解決方策 ・世界初の要素技術をエンジンに適用する課題に対して、第3期のエンジン試験で要素マッチングを確認・調整。 ・ゼロハブファン/統合OGVについての構造信頼性確認がTC取得にクリティカルな課題。第3期で構造リグ試験を実施。 ・寿命制限部品の設計に対応できる材料データベースが課題。第3期で材料試験を実施し、材料データを取得。 33.7 33.8 33.14 33.15 33.17 33.19 33.21 33.23 33.25 33.27 33.29 33.62 33.63 33.65 33.66 33.67 33.68 33.69 33.71 33.73 33.76 33.77 33.83 33.85 33.87 33.88 33.89 33.90 33.91 33.93 33.94 FAR REF. エンシ ゙ン定 格 と 操 作 限 界 エンシ ゙ン出 力 ( スラスト) 定 格 の 選 択 始 動 - 停 止 繰 り 返 し 応 力 ( LC F) 材料 耐火性 耐久性 エ ンジ ン冷 却 エ ンジ ン マ ウ ン テ ィ ンク ゙ 接 続 と構 造 補機接続 ター ビ ン 、圧 縮 機 ロ ー ター ( 過 回 転 ) 装備接続 応力解析 振動 サ ージ 及 びス トール 特 性 抽気空気系統 燃料系統 防氷系統 点火系統 潤滑油系統 出 力 及 び推 力 応 答 性 鳥吸込 異物吸込 振動試験 較正試験 耐久試験 エ ンジ ン過 温 度 試 験 急加速特性試験 初期整備点検 エ ンジ ン構 成 品 試 験 分解点検 フ ゙レ ー ト ゙コン テイ ン メン ト & ロ ー タアン ハ ゙ラ ン ス 試 験 新技術 なし なし なし TM S + 重 要 材 料 なし なし なし なし なし なし なし なし エ ンジ ン・ シ ンプル 構 造 高 負 荷 D P圧 縮 機 高 負 荷 D P圧 縮 機 低 N Ox 燃 焼 器 なし 低 N Ox 燃 焼 器 なし なし ゼロハ ブファン/ 統 合 OG V なし ゼロハ ブファン/ 高 負 荷 D P圧 縮 機 なし なし なし 高 負 荷 D P圧 縮 機 なし なし なし ゼロハ ブファン/ 統 合 OG V 課 題 レ ベル ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 第 3 期 ( エ ンジ ン実 証 ) 材料試験 エ ンジ ン試 験 エ ンジ ン試 験 エ ンジ ン試 験 エ ンジ ン試 験 エ ンジ ン試 験 構 造 リ グ試 験 エ ンジ ン試 験 エ ンジ ン試 験 構 造 リ グ試 験 5 3.実用化に向けた課題・解決方策 材料データベース取得計画(1) <対象>エンジンに使用する材料の一例を下図に示す。 材料は使用実績とその用途から以下の通りに分類される。 新材料 LLP →なし Non-LLP →赤 既存材料 LLP →青 Non-LLP →緑 INCO718 Ti64 (HPC Case) (FAN Blade) *LLP:Life Limited Parts 寿命制限部品 Hastelloy X TMS138 (燃焼器ライナ) (HPT Blade) INCO718 (LPT Case) INCO718HS (LPT Disk) Ti64 HSA180 Ti64 INCO718HS DA718 (FAN Disk) (LP Shaft) (HPC Blisk Stg.1-3) (HPC Blisk Stg.4-6) (HPT Disk) 6 3.実用化に向けた課題・解決方策 材料データベース取得計画(2) <取得計画>材料データの取得計画を下表に示す。 H19年度 既存材料 H20年度 H21年度 Ni系ディスク Ti系ディスク ケース・フレーム類 シャフト、その他 新材料 TMS138 7 3.実用化に向けた課題・解決方策 構造リグ試験計画(1) ・スピナ部から張り出したゼロハブファン動翼形状が特殊であるため、鳥打ち込み特 性確認の必要あり。 ・鳥打ち込みは解析によってもっとも厳しい翼位置を狙って実施され、取得データに より構造解析の合せ込みを行う。 照明D カメラG [真空チャンバー] カメラB 照明F カメラC ビデオA 照明E 銃 ファン センサー グリッド ビデオH 鳥打ち込み試験装置 8 3.実用化に向けた課題・解決方策 鳥打ち込み試験状況 9 3.実用化に向けた課題・解決方策 構造リグ試験計画(2) ・スピナ部から張り出したゼロハブファン動翼形状が特殊であるため、その動翼飛散後 のコンテイメントおよびロータ振れ回り特性確認の必要あり。 ・動翼を爆薬で飛散させて試験を行い、取得データにより 構造解析の合せ込みを行う。 (照明:側面上段左右) (高速度ビデオ) (照明:正面上段) (高速度ビデオ) (高速度ビデオ) (エンジン架台) エンジン [駆動軸] (起爆装置類) (照明) (照明:正面下段) ひずみ・加速度・など (照明) [真空チャンバー] (床) 「側面図」 計測装置類 ファン・ブレード・オフ(FBO)/コンテインメント試験装置 10 3.実用化に向けた課題・解決方策 構造リグ試験計画(3) 試験項目 鳥打ち込み試験 Large Bird(LBI) 鳥打ち込み試験 Medium Bird(MBI) ファン・コンテイメント・試験 ファン・ブレード・オフ試験(FBO) H19年度 適用規定 - FAR33.76 - FAR33.76 - FAR33.94 - FAR33.94 H20年度 実施時期 H20年度 H20年度 H21年度 H21年度 H21年度 LBI FAN設計 試験準備 MBI Containment フルエンジン設計 試験準備 FBO FAR: Federal Aviation Regulation(耐空性基準) LBI : Large Bird Ingestion MBI : Medium Bird Ingestion 11 4.実用化計画 ・第2期の要素技術開発成果を第3期においてエンジンとして統合して技術実証を図る。 ・その後、実機エンジン開発作業と各種型式承認試験を実施し、 2010年代半ば以降の市場投入に 向けて実用化を図る。 H16~18FY 2004~2006FY H19FY 2007FY H20FY 2008FY H21FY 2009FY 第2期 第3期 要素技術開発 エンジン基本設計 エンジン技術実証機開発 H22FY 2010FY H23FY 2011FY H24FY 2012FY H25FY 2013FY H26FY 2014FY 実機開発検討 実機開発 市場・技術動向調査 エンジン設計/製作 詳細設計 ▼ プログラムローンチ 基本設計 製造・調達・組立 初回運転 ▼ エンジン型式承認 ▼ エンジン試験 評価 要素技術開発 機体 設計/製作 飛行試験 初回試験 ▼ 機体型式証明/就航 ▼ 材料試験 要素・構造リグ試験 12 4.実用化計画(事業展開) ・航空機のビジネスでは、多くのエアラインに機体/エンジンが採用されないと事業が成り立たないので、広く世界の 市場を相手にしっかり需要を見極めて開発事業を立ち上げる必要がある。 ・50席機には代替需要も含めた確実な需要があり、詳細に進めてきた市場調査の結果で、2010年代半ば以降 の20年間で2000機ほどの需要見通しあり。その半分の1000機を獲得した場合でも、販売機数の目安である 500機を満足する。 ・現用の50席機エンジンは、1990年代投入のエンジンなので、最新の技術を活用すれば著しい経済性、対環境 性の改善が見込まれる。 ・70~90席機エンジンについては、最近開発されたCF34-10Eエンジン、開発中のSaM146,CF34-10A エンジンがあり、そこへの新規参入は事業リスクが極めて大きい。 ・従って、確実な需要が見込まれる50席機クラスの市場で事業展開をはかることを目指す。 20 6000 CF34-10(Embraer190) CF34-10E(Embraer190) エンジン推力(klbf) TAY-650(Fokker70/100) 4000 CF34-8C5(CRJ900) CF34-8D(728JET) SaM146 CF34-8C1(CRJ700) CF34-8C(CRJ700) 10 3000 2000 CF34-10A 販売機数の目安 1000 CF34-3A(Challenger601) CF34-3B(CRJ200) CF34-3A(CRJ100) AE3007A(ERJ145) PW306B(328JET) ●:既存 PW800 PW306B(328JET) 狙いとする推力レベル ○:開発中 0 B727 B737 B747 B757 B767 B777 DC8 DC9 A300 A310 A318 A319 A320 A321 A330 A340 CRJ100/200 CRJ700 ERJ145 ERJ170 YS11 受注累計機数(2004年まで) 5000 機体毎の受注累計機数(2004年まで) 0 1980 1985 1990 1995 年代 2000 小型機エンジン開発履歴 2005 13 5.コストダウン ・主に段数削減&翼枚数削減により、エンジン価格および整備費用を大きく削減 (ファン/LPC:4段→1段、HPC: 14段→6段、HPT: 2段→1段、LPT: 4段→3段) ・エンジン価格で27%、整備費用で40%のコストダウン見通し LPC:低圧圧縮機 HPT:高圧タービン HPC:高圧圧縮機 LPT:低圧タービン 整備費全体 100% 100.0% ファン フレーム 80% 80% Fan Frame HPC Combustio HPT LPT Exhaust Others 燃焼器 60% Repair 73% HPC HPT 40% Labor 80.0% LLP 59.4% 60.0% 40.0% LPT エキゾースト 20% Material 20.0% その他 0.0% 0% 既存機種 既存機種 ECO(段数削減効果) 本研究開発エンジン (段数削減効果) エンジン価格 ECO本研究開発エンジン (段数削減+加工費削減) (段数削減+加工費削減) 既存機種 見通し 整備費用 14 6.波及効果 本研究開発成果は、環境・エネルギ産業、輸送機器産業等の分野に広範囲に技術波及可能である。 研究開発項目 直 接 運 航 費 用 低 減 技 術 エ ン ジ ン 技 術 技術波及 輸送機器産業 航空機用プロペラ 舶用プロペラ ホバークラフト揚力装置 トンネル換気装置 車両衝突解析 その他 省エネ換気システム ファン ・構造衝撃健全性評価技術 圧縮機 ・高負荷翼列設計技術 ・低コストシンプル製造技術 発電ガスタービン ターボチャージャー ・高負荷段数削減設計技術 ・高揚力化空力設計技術 ・先進単結晶材翼製造技術 ・高冷却効率構造設計技術 ・シンプル製造技術 低コストモニタリングセンサ技術 低コストECU設計技術 性能劣化評価技術 発電ガスタービン 舶用ガスタービン 蒸気タービン 宇宙機器 ヒートパイプ工業炉/ラジアント チューブ 原子力用耐食部品 軽量耐火材 耐熱服 耐食容器 耐食用各種配管 発電ガスタービン 高温環境機器 原子炉系制御 舶用ガスタービン 放送通信衛星機器 人工臓器 マニュピレータ・ロボット シンプル低騒音化技術 ・ファン騒音低減技術 ・ジェット騒音低減技術 発電ガスタービン騒音低減 風力発電騒音低減 舶用ガスタービン騒音低減 航空機機体騒音低減 航空機用プロペラ騒音低減 ヘリコプター騒音低減 高速車両騒音低減 トンネル換気装置騒音低減 換気系の低騒音化 シンプル低NOx燃焼技術 発電ガスタービン低公害化 ・部分希薄/部分過濃/急速混合 発電エンジン低公害化 燃焼ボイラ低公害化 燃焼技術 ごみ焼却炉低公害化 舶用ガスタービン低公害化 車両エンジン低公害化 システム統合技術 シミュレーション技術 構造解析技術 舶用ガスタービン タービン インテリジェント化 環 境 適 応 技 術 研究開発技術 環境・エネルギ産業 ・高流量化・ハブ側高圧力比化 風力発電 ポンプ 設計技術 低騒音 低NOx エンジン基本設計 発電ガスタービン 熱流動解析 原子炉安全設計 舶用ガスタービン 車両シャフト 印刷機ローラ 高耐摩擦部品 工作機械工具 循環器系シミュレーション エアコン・シミュレーション 気象精密予測 大気海洋流シミュレーション ビル/橋梁設計 15 7.まとめ 以下の理由で、当該エンジンの実用化見通しは十分にある。 ・将来の小型航空機市場ポテンシャルは大きく、市場規模の見通しはある。 ・開発するエンジン並びに要素技術の国際競争力は高い。 ・実用化に向けてのエンジン型式承認取得を視野に入れ、課題の抽出と第 3期を含めた計画を検討した。 ・エンジン価格および整備費用低減によるコストの見通しもある。 従って、本研究開発成果を最大限活用することで実機エンジン開発が確実 になり、実用化につなげられる。 さらに、本研究開発成果は広範囲な分野に波及可能である。 16