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ちばレポ ~市民と行政をつなぐ新しいコミュニケーションツール~ (千葉県
地域情報化 特集4 地方創生に資する 「地域情報化大賞」受賞優良事例 (「地域情報化大賞」奨励賞受賞) ちばレポ ~市民と行政をつなぐ新しいコミュニケーションツール~ (千葉県千葉市) 〔概要〕 千葉市は、 I CTを活用した市民協働によるまちづくりを目指し、専用スマートフォンアプリと連携した市民と行政の コミュニケーションツールである 「ちばレポ」 (ちば市民協働レポート) をクラウド基盤に構築し、市内で発生している 公共インフラの不具合 (地域の課題) を市民がレポートする仕組みの本格運用を平成26年9月から開始しました。 市民からレポートされる地域の課題(道路の陥没、街路灯の不点灯、公園の遊具の不具合、 ごみの散乱など) を WEB上で可視化・共有化し、 市民協働により解決可能な課題は市民の力で解決を目指すものです。 本格運用開始後1ヶ月で1, 000人以上が参加し、一日平均10件のレポートが寄せられました。日々、 市民の目を 通して地域の課題の情報を収集し、現在まで行政による業務処理を行っています。 平成2 6年度末には市民と行政の連携による課題解決の仕組みの運用開始を予定しており、 市民ニーズの可視 化・共有化と行政における業務効率の向上を期待しています。 なお、本格運用にあたっては、 平成2 5年度に市民参加による実証実験 「ちば市民協働レポート実証実験 (愛称: ちばレポトライアル) を実施しました。約1, 200人の参加、 600件を超えるレポート、行政による業務処理、 参加者アン ケート等の実験結果を通じて市民協働により解決可能な地域の抽出や市民参加による行政コスト削減効果の期待 等について、 一定の有効性を確認できたことから、 本格的な運用を行うこととしました。 〔コラム〕 <事業の背景> 1 いまそこにある千葉市の課題 ・人口減少と少子高齢社会の到来 ・社会の絆とまちづくりの再生 ・財政健全化への取組み 2 行政をとりまく環境の変化 ・行政が何でもやる時代は終わり ・市民によって支えられるまちへ 3 I CTへの期待 ・無関係に見えるI CTを使い地域の絆を再生 ・市民サービスの向上と行政の効率化を実現 ・オープンデータ・オープンガバメント <目指すべき姿> 1 市民が自らまちづくりに参画 2 市民と行政が協働してまちの課題を解決 3 I CTを効果的に活用 1 2 8 Fut ur e Vo l . 18 2015. 3 APPLI C <事業内容の詳細> ○専用スマートフォンアプリ+WEB+CRM(Cus t o me rRe l a t i o ns hi pMa na ge me nt ) により構成され、クラウド基 盤で構築 [図1 システム構成] ○市内で発生している公共インフラの不具合(地域の課題) をアプリやパソコンを通じて市民(レポーター) がレ ポート [図2 スマートフォンアプリの動作] 図1 システム構成 図2 スマートフォンアプリの動作 2 9 Fut ur e Vo l . 18 2015. 3 1 地域情報化 特集4 地方創生に資する 「地域情報化大賞」受賞優良事例 ○市民によるレポートは、写真・位置情報・具体的な状況がアプリを通じ千葉市へ送信 [図3 取組みのイ メージ] ○CRMで自動的に業務所管部署へ割り振られ、公開ガイドラインに基づきWEB上へ公開 ○レポートされた課題の可視化・共有化(市民と行政、市民同士) により合理的、効果的な解決へ ○業務所管は解決までの進捗をコメントし、最終的な対応結果等の写真を公開 ○市民と行政の連携による課題解決、市民の力で解決可能な案件は市民に委ねる 図3 取組みのイメージ <市民協働への取組み> ちばレポの1つのコンセプトとして、地域の課題を行政でなければ解決できない課題と、市民の力によって解 決できる課題に切り分け、市民の力で解決できる課題は市民に委ねる課題解決への取組みを実施していきます。 [図4 市民協働による解決のしくみ] 図4 市民協働による解決のしくみ 1 3 0 Fut ur e Vo l . 18 2015. 3 APPLI C 課題解決への参加者は、サポーターとして自らが参加できる分野についてあらかじめ登録を行っており、ち ばレポ上で募集される市民協働案件へ応募し、解決にあたります。 また、市内企業のCSR活動とも連携することとしており、地域における課題解決の担い手として、市民、企業、 団体、行政等が一体となり、ちばレポを通じた課題の解決を目指します。 なお、サポーターの活動は、平成2 7年3月から開始を予定しています。 <実施状況> 参加者及びレポートの状況 (平成27年1月31日現在) 1 参加者年齢構成 2 分野別レポート件数 3 公開状況 4 処理状況 <取組みによる効果・成果> ○市民が日常生活で発見する公共施設等(道路、公園等) の不具合について、市役所の開庁時間や連絡先を 意識することなくいつでも連絡が可能です。 ○業務所管部署では不具合の具体的状況 (写真、位置、コメント) に応じて効率的解決を行います。 ○写真や位置情報の添付は、業務効率の向上に大きく寄与します。 処理の優先順位判断等が容易に可能とな るほか、WEBへ公開されることは客観性、透明性の確保にもつながります。 ○従来と同様の電話等による要望もCRM内で管理することで、統一的なデータベースを構築でき、それらの分 析により市民要望の傾向や地域特性、インフラの長寿命化等、効率的維持管理が可能となります。 3 1 Fut ur e Vo l . 18 2015. 3 1 地域情報化 特集4 地方創生に資する 「地域情報化大賞」受賞優良事例 <実施運営体制> <サービス利用者の声> ちばレポ第1回アンケート結果(平成26年12月実施) ○ちばレポのしくみは便利だと思う 9 7. 7% ・まちの不具合について、 地図で位置情報を、 写真で状況を正確に伝えることができる。 ・担当部署を探す必要がなく、 時間と場所を選ばずにレポートできる。 ・行政と市民の距離が縮んだように感じる。 ・ 「参加感」 があり「 、市政」 に参加している感覚がある。 ○参加したことでまちを見る目が変わった 76. 7% ・一層安全で住みよい街にしたいとの思いが強くなった。 ・自分の住む街を自分の力で直すことができるかもしれないと思った。 ・課題意識を持って地域を見るようになった。 ・少し行政に積極的にかかわる意識が高まった。 ○市の対応への満足度 満足 5 6% 不満足 15% 1 3 2 Fut ur e Vo l . 18 2015. 3 APPLI C [満足] ・迅速に対応してもらった。 [不満足] ・レポートしたにもかかわらず、すぐに公開されない。 ・対応までに時間がかかりすぎる。 <期待される行革効果> ・ちばレポ情報(位置情報・写真添付) による効果 客観性・透明性の確保・業務処理の効率化 ・市民の課題発見によるパトロール効果 都市インフラの維持管理の効率化 ・市民参加での課題解決でコスト削減効果(コスト効果の明示) <今後の展開> ・ちばレポは永遠のβ版 常に市民と意見交換を重ねながら 改善改良に努め、進化させていくことを目指しています。 ・目指せ! ジャパンスタンダード 他団体での流用可能な仕組みとしてシステムを開発しており、希望する団体へは可能な限り、ノウハウを 提供することとしています。 <導入費・維持費> 導入費用 26, 854千円(税込) 維持費用 5, 386千円/年間(税込) (問い合わせ先) 団体 千葉市 〒260-8722 千葉市中央区千葉港1-1 担当部署名:市民局市民自治推進部広聴課 TEL : 043-245-5294 FAX: 043-245-5796 r e po . C@c i t y. c hi ba . l g. j p e ma i l :c hi ba 3 3 Fut ur e Vo l . 18 2015. 3 1