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現代経営学応用研究(RST)最終レポート
現代経営学応用研究(RST)最終レポート 平成 24 年 2 月 25 日 ロールス・ロイス社 1 ロールス・ロイス社概要 ロールス・ロイス社の起源は、1906 年に遡る。今回、我々が訪問させていただいたイ ギリス・ダービーにある同社は、航空機エンジンや船舶・エネルギー関連機械を製造・ 販売しているイギリスの工業メーカーであり、かつて高級車の代名詞であった自動車部 門について、現在は、ドイツの大手自動車製造業者 BMW が受け継ぎ、ロールス・ロイ ス・ブランドの乗用車を販売している。 2 戦略 同社では TOM 氏のお話を聞くことができた。民間と軍用航空機エンジン以外に、船舶 推進システム(マリン)部門、発電機器などの部門があり、それぞれが異なるカルチャー を持っている。TOM 氏によると、同社は明確な戦略を持っており、100 年以上もの歴史が あるインフラ設備の分野には多大な投資を行っている。研究開発(R&D)に莫大な投資を 行い、エンジニアリングのケイパビリティは幅広い。潜水艦用の原子炉も成長している分 野である。特に航空機ジェットエンジン分野は最も注目している分野であり、ボーイング 787 に同社のトレント 1000 が搭載されている。 3 航空機用ジェットエンジン 航空用ジェットエンジンのカスタマー・トレーニング・センターを見学することができ た。同社は 1940 年代からジェットエンジンを開発していたそうで、GE など世界に 3 社あ る航空ジェットエンジン製造業者の一つである。近年は大型機の製造が活発であり、エン ジンメンテナンスのなど成長が著しい分野である。実際にカスタマートレーニングセンタ ー内にあるエンジンを拝見させていただいたが、中の部品は日本製(住友精密製)が多く 使われていた。帰国後分かったことだが、弊社・新大阪の支店が住友精密と取引があり、 実際に同社へ空輸しているとのことであった。 4 総括 現在、日本の製造業ではパナソニックやソニー、シャープなど選択と集中に注力できな かった企業が苦戦し、三菱電機や日立など不採算事業をいち早く切り離し、明確な戦略を 打ち出した企業はそれほど大赤字ではない。昨年 4 月に MBA 生活最初の講義であった三品 先生のゼネラルマネジメントで学んだ GE が同じ航空機エンジン事業を営んでいることも あり、GE の事業を変遷させた成功例を思い出させてくれる。ロールス・ロイス社はサッチ ャー政権下で一時イギリス国営企業となったものの、自動車部門を切り離し、見事に復活 1 した大企業の事業モデルは今後の日本企業に大変参考になるモデルである。わずかな時間 であったので、事前の調査が不足していたが、個人的には、今後の動向に注目したい企業 となった。 末筆ではございますが、たいへん貴重な研修を引率していただいた波田先生と中井先生 に改めて感謝申し上げます。今後ともご指導のほどお願い申しあげます。 2