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種の保護のため 分布は公表しません 種の保護のため 分布は
第2章 広島市の野生生物の現状 鳥類 広島市の絶滅のおそれのあるもの・情報不足 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で現状が不明である ■クマタカ(タカ目,タカ科) Spizaetus nipalensis ▲ 国内に留鳥として生息する。メスの全長 ▲ ▲ ▲ は約8 0 cm ,翼開張約1 6 5 cm ,オスはメス よりも小さい。上面は黒褐色で,下面は白 ▲ ▲ っぽい。後頭部に冠羽がある。 市域では安佐北区に生息し,繁殖も確認 ▲ 種の保護のため 分布は公表しません ▲ ▲ されている。個体数は少ない。営巣に必要 ▲ な大木のある森林や営巣地周辺の環境を保 ▲ 全することが重要である。 ▲ 鳥類 広島市の絶滅のおそれのあるもの・情報不足 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で現状が不明である ■ハヤブサ(タカ目,ハヤブサ科) Falco peregrinus がけ ▲ 全国に留鳥として生息し,崖地などに営 ▲ ▲ ▲ 巣する。オスは全長42cm ,メスは49cm 。 頭から背面は青黒色で,下面は白っぽく細 はん ▲ はん ▲ かい斑がある。ほおのひげ状斑が目立つ。 市域での確実な繁殖記録はない。島しょ ▲ 種の保護のため 分布は公表しません ▲ ▲ 部などで繁殖している個体が観察されるほ ▲ か,冬季には市街地でも観察される。営巣 ▲ がけ 地となる崖地の開発や,釣り人による圧迫 がある。 ▲ 173 鳥類 広島市の絶滅のおそれのあるもの・情報不足 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で現状が不明である ■ヤマドリ(キジ目,キジ科) Phasianus soemmerringii 本州∼九州の林に生息する。オスは尾が 長く全長1 2 5 cm で赤銅色,メスは尾が短 く全長55cm で茶褐色。 市内の全域に少数が生息していると思わ れるが,生息状況は不明。 鳥類 広島市の絶滅のおそれのあるもの・情報不足 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で現状が不明である ■コアジサシ(チドリ目,カモメ科) Sterna albifrons 夏鳥として渡来し,河原や埋立地などで とが 集団営巣地を作り繁殖する。黄色で尖った くちばし 嘴をもち,細長いスマートな翼をもつ。水 に飛び込んで小魚を捕らえる。 草が生えていない埋立地を利用して繁殖 しているので,埋立地の減少に伴い個体数 は減少している。人,カラス,トビ,ネコ, イヌ等の侵入により繁殖が妨害されている。 174 第2章 広島市の野生生物の現状 鳥類 広島市の絶滅のおそれのあるもの・情報不足 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で現状が不明である ■コミミズク(フクロウ目,フクロウ科) Asio flammeus 冬鳥として日本に渡来するが少ない。全 長38cm ,翼開張99cm 。短い羽角がある。 はんもん 上面は黒褐色で黄褐色の斑紋があり,下面 は淡褐色。ネズミなどを食べる。 市域の越冬場所は太田川下流域しかない が,1 9 8 0 年代からほぼ毎年渡来が確認さ れている。河川改修による越冬地の消失が 懸念され,人やイヌなどの圧迫がある。 鳥類 広島市の絶滅のおそれのあるもの・情報不足 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で現状が不明である ■ヨタカ(ヨタカ目,ヨタカ科) Caprimulgus indicus 夏鳥として九州以北の山林に渡来し繁殖 する。全長2 9 cm 。全体が黒褐色で,褐色 はんもん や白色の複雑な斑紋がある。夜行性で,飛 びながら昆虫類を捕食する。 1 9 8 0 年代にはかなりの確認記録があり, 繁殖の記録もある。しかし,1 9 9 0 年代に なると観察例が激減し,個体数の減少を示 唆している。 175 鳥類 広島市の絶滅のおそれのあるもの・情報不足 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で現状が不明である ■アカショウビン(ブッポウソウ目,カワセミ科) Halcyon coromanda 夏鳥として全国の山地に渡来し広葉樹林 に生息する。全長2 7 .5 cm 。ほぼ全身が黄 色みを帯びた赤色。樹洞に好んで営巣し, 魚やサワガニ,カエルなどを食べる。 県北部での記録が多く,市域では安佐北 区や安佐南区の山地に少数が渡来する。最 近の報告数は少なく,広葉樹林の消失に伴 えさ う餌及び営巣場所の減少で減少している。 鳥類 広島市の絶滅のおそれのあるもの・情報不足 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で現状が不明である ■オオアカゲラ(キツツキ目,キツツキ科) Dendrocopos leucotos 北海道から九州にかけて留鳥として生息 はん する。体長約2 8 cm 。背は黒く白い横斑が わき はん ある。胸は白くて腹は赤く,脇に黒い縦斑 がある。広葉樹林に生息し,大径木を必要 とする。 佐伯区や安佐北区で記録されているが, 繁殖は確認されていない。近年生息数が減 少しており,落葉広葉樹林の減少が原因の ひとつと考えられる。 176 第2章 広島市の野生生物の現状 鳥類 広島市の絶滅のおそれのあるもの・情報不足 環境庁・県RDB種あるいはそれに相当する種で現状が不明である ■サンコウチョウ(スズメ目,カササギヒタキ科) Terpsiphone atrocaudata 夏鳥として東南アジアから渡来し,山地 で繁殖する。オスは全長4 4 cm ,長い尾が 目立つ。背中は紫褐色で腹は白色,目の周 りはコバルト色。 安佐北区や東区で繁殖が確認されている が,個体数は多くない。暗い林を好むため, 森林伐採などの影響を受けやすく,野鳥愛 好家の圧迫もある。 鳥類 環境指標種 その種に注目することにより重要な自然環境の維持に貢献しうる ■サシバ(タカ目,タカ科) Butastur indicus 夏鳥として日本に渡来し,山林で繁殖す る。全長約5 0 cm ,翼開張約1 1 0 cm 。上面 はん は褐色,下面は白く,胸と腹に褐色の横斑 がある。ヘビやカエル,昆虫類などを食べ る。 市域でも繁殖が確認されているが,個体 えさ 数が減少している。山林の開発と餌となる 小動物の減少が原因と思われる。 177 鳥類 環境指標種 その種に注目することにより重要な自然環境の維持に貢献しうる ■ダイゼン(チドリ目,チドリ科) Pluvialis squatarola 旅鳥として河口や干潟に渡来する。大型 のチドリで,夏は下面の羽が黒い。 やはた 八幡川での観察がほとんどで,以前は毎 年数羽の越冬が確認されていたが,近年越 冬の記録はない。干潟面積の減少が原因と 考えられる。 鳥類 環境指標種 その種に注目することにより重要な自然環境の維持に貢献しうる ■ハマシギ(チドリ目,シギ科) Calidris alpina 冬鳥及び旅鳥として干潟に渡来する。や くちばし や長めの嘴をもつ小型のシギで,夏の腹の 色は黒色,冬は白色。多数の群れとなって えさ 干潟で餌をとる。 以前は数百羽の群れが観察されたことが あるが,近年,個体数が減少している。干 潟面積の減少が原因と考えられる。 178 第2章 広島市の野生生物の現状 鳥類 環境指標種 その種に注目することにより重要な自然環境の維持に貢献しうる ■アオバズク(フクロウ目,フクロウ科) Ninox scutulata 夏鳥として日本に渡来し,山林で繁殖す る。全長27∼30cm ,体は黒褐色で目は金色。 コウモリ,昆虫などを食べる。 市域では安佐北区や東区で繁殖が確認さ れているが,長年繁殖していた場所で繁殖 しなくなった例も増えている。営巣してい る木や建物の保全が重要である。 鳥類 環境指標種 その種に注目することにより重要な自然環境の維持に貢献しうる ■フクロウ(フクロウ目,フクロウ科) Strix uralensis 九州以北で留鳥として生息し,大木のあ る山林に住む。全長48∼52cm ,耳羽はなく, はんもん 体には灰白色,黒色,褐色の複雑な斑紋が ある。ネズミや小鳥などを食べる。 市域中心部に近い山でも観察されている が,繁殖記録は少ない。繁殖には大きな樹 洞が必要であるが,大きな樹洞を持つ大木 が減少しているので,繁殖個体の減少が懸 念される。 179 鳥類 環境指標種 その種に注目することにより重要な自然環境の維持に貢献しうる ■オオヨシキリ(スズメ目,ウグイス科) Acrocephalus arundinaceus 夏鳥として東南アジアから渡来し,アシ 原で繁殖する。全長1 8 .5 cm ,オリーブ褐 びはん 色に白色の眉斑がある。ギョギョシケケシ と騒がしく鳴く。一夫多妻の繁殖形態を持 つ。 太田川沿いには大きなアシ原が残ってい やはた るため近年も記録があるが,八幡川河口で は1 9 8 6 年以降記録がない。アシ原の消失 が原因と思われる。 180