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八木山動物公園運営方針について -百万人の動物園を目指して

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八木山動物公園運営方針について -百万人の動物園を目指して
八木山動物公園運営方針について
-百万人の動物園を目指して-
平成 25 年 8 月改定
建
Ⅰ
設
局
策定の趣旨
仙台市の動物園は,昭和 11 年に全国で 11 番目の動物園として,評定河原に創設した
仙台市動物園がその始まりである。その後,戦災による閉鎖,廃止を経て,昭和 32 年
に三居沢に子供動物園として復活し,昭和 40 年に八木山地区に現在の八木山動物公園
が誕生した。
以後,アフリカ平原放飼場や猛獣舎の改築など順次環境整備を進めるとともに,動物
園としての魅力を高め,より市民に親しまれる様々な取り組みを行い,年間約 50 万人
が訪れる全国有数の動物園となっている。
しかしながら,施設の現状や近年の全国的な動物園を巡る環境の変化や東日本大震災
を踏まえた災害時の取り組みの強化などを考慮すると,八木山動物公園が今後とも動物
園に期待される役割・使命を果たしていくためには,次のような課題に対応していく必
要がある。
① 施設の老朽化やバリアフリー化への計画的な対応と,災害時における安心と安全
確保のための取り組み
② 平成 27 年度開業予定である地下鉄東西線整備を見据えた施設の再配置
③ 環境教育や展示手法の工夫に重点を置いた動物園運営への取り組み
特に,地下鉄東西線整備による(仮称)動物公園駅の設置は,八木山動物公園の魅力
を高めていく絶好の機会であり,これを見据えた対応を図っていくことが重要である。
こうした観点に立ち,今後の八木山動物公園が果たしていくべき役割・使命を明確に
し,魅力ある動物園づくりを計画的に行っていくため,長期的な視点のもと,基本的な
運営方針を策定するものである。
Ⅱ
八木山動物公園運営の基本理念・基本方針
前述した課題認識や平成 17 年度に実施した利用者のアンケート調査を基に,以下に
掲げる基本理念及び基本方針を設定し,施設の再配置・リニューアル(ハード整備)と
創意工夫による運営(ソフト事業の展開)が一体となった取り組みを計画的に行ってい
くものとする。
1
基本理念
人と動物が触れ合う,杜の都の魅力ある動物園
2
基本方針
■人と動物が快適に過ごせる動物園づくり
来園した方々が安心して快適で楽しい時間を過ごせるよう,また動物達が生き生きと
快適に生活できるよう環境づくりを行う。
1
■動物が身近に感じられる動物園づくり
環境教育の充実を図るとともに,動物の自然な生態を見せる展示の工夫や動物を身近
に感じられるイベントの開催を行う。
■街づくりと連携した魅力ある動物園づくり
地下鉄ターミナルに隣接する都市型動物園として,街づくりと連携した魅力ある動物
園づくりを行う。
Ⅲ
基本方針に基づく取り組みの内容
今後,魅力ある動物園づくりを行っていくため,基本方針に基づき,下記の内容につ
いて計画的な取り組みを進めていく。
1
ソフト事業の充実
これまでも,写真コンクールや写生会,ナイトツアー等の事業を行い,市民に親し
まれる魅力ある動物園づくりに取り組んできたところであるが,前述した課題認識の
下,基本方針に掲げた動物園を目指して,今後,より積極的なソフト事業の展開を図
っていく。
① 人と動物が快適に過ごせる動物園づくり
■ビジターセンターの活用
○動物や自然に関する生涯学習教室や講習会を開催する。
○企画展の開催など魅力あるイベントを開催する。
■障害のある方や家族連れに配慮した案内システム
○障害のある方等に配慮した分かりやすいガイダンス機能の充実を図る。
■アメニティの向上
○食堂,売店のリニューアルに併せ,メニューや販売商品の充実を図る。
○来園の記念となるような記念グッズ等の充実を図る。
■人と動物の安全衛生管理
○感染症対策等の動物の衛生管理を徹底する。
○動物の飼育作業エリアと園路の分離を図る。
■快適な飼育環境づくり
○飼育環境に工夫を凝らすことにより,動物が快適に過ごせるようにする。
■防災・減災に関する対策の強化
○災害時に備え,来園者が安心して過ごせるよう対策の強化を図る。
② 動物が身近に感じられる動物園づくり
■環境教育の充実
○動物の生息国や海外の動物園との交流を図り,動物の自然の生態や進化の過程
の学習を通じた総合的な環境教育の拠点を目指す。
【例】マダガスカル:チンバザザ動植物園(アイアイ等の原猿類)
○環境省と共同で,シジュウカラガン羽数回復のため普及・啓発活動を行う。
2
○宮城教育大学を始めとした研究機関と連携し,動物を通じた環境教育プログラ
ムの企画から実践,評価に至る一連の事業を展開していく。
■園内イベントやプログラムの充実
○動物に感動し,動物を体感できるイベントやプログラムの充実を図る。
○ゴールデンウィーク期間,開園記念日,動物感謝祭,八木山フェスタ等におけ
るイベントの充実を図る。
○利用者のニーズに応え,正月開園,夜間開園等を実施する。
○文学館や博物館等と連携し,動物の新たな魅力を引き出す取り組みを行う。
■市民参加の推進
○園内イベントや環境美化への市民ボランティア制度の導入等による市民参画型
の運営に取り組んでいく。
○市民や企業に各種事業を支援してもらう動物園サポーター制度の推進を図る。
■情報発信の強化
○動物園の情報誌を発行し,定期的に動物園の情報を提供する。
○インターネットや携帯電話による情報提供の充実を図る。
③ 街づくりと連携した魅力ある動物園づくり
■地下鉄東西線との連携
○地下鉄東西線(仮称)動物公園駅に隣接する都市型動物園として一体的な整備
を行い,駅から動物園までの快適な誘導を図る。
■観光資源としての情報発信
○杜の都の動物園として,動物園の特性を活かした季節ごとのホームページやメ
ディアへの情報提供を積極的に行うとともに,市内の観光施設やミュージアム
施設と連携した情報発信を充実強化し,仙台のシティセールスに寄与する。
■地域の街づくりとの連携
○八木山地区の地域団体等が行う街づくりに対する協力や,動物園のイベントへ
の地域の方々の参加などを通じ,地域の街づくりとの連携を図る。
2
八木山動物公園再整備計画
(1)計画方針
基本理念・基本方針に基づき,園内空間をその特性に応じ,エントランスエリア
と次の3つのゾーンに分け,ゾーン毎にテーマを設定し,施設の再整備を行う。
①ゾーン計画
■Aゾーン
(自然と出会うゾーン)
まちの喧騒から一歩動物園の中に入ると,大自然とそこで暮らす動物たちの世界へ。
再現した生息地環境の中で動物たちに出会い,驚き,感動を得るゾーン
■Bゾーン (動物に触れるゾーン)
動物たちの生活の場へ入り込み,動物たちを身近に感じ,実際に触れる体験や,まるで触れ合っ
ているかのような体験を通して,さらに動物の生態や生息地環境への興味・関心を持つゾーン
■Cゾーン (能力を知るゾーン)
3
多様な生息地環境に適応・進化した動物たちの能力を体感し,その環境と人との関わりを知るこ
とにより,環境問題について理解を深め,私たちの生きる地球への想いを馳せるゾーン
(2)計画期間
地下鉄東西線開業を見据えて平成 27 年度までを第1期,それ以降,平成 37 年度
までを第2期とする。
①整備スケジュール
■第1期(平成 27 年度まで) 概算事業費
19 億円
○地下鉄東西線の開業を見据えて,メインエントランスを正門から南門に変更し,
ビジターセンター,ふれあい動物園を整備する。
○分かりやすいサイン計画や緩やかな勾配に配慮した動線計画に基づき,園路等
の整備を行う。
○園内のバリアフリー化を図る。
○ゆとりある休憩施設や広場等の公園的機能の充実を図る。
○トイレや飲食施設,売店等の利便施設の充実を図る。
【主な施設整備】
・ビジターセンター建築
・南エントランス整備
・ふれあい動物園整備
・中央広場飲食・売店施設
■第2期(平成 27 年度以降)
地下鉄開業後に,アイアイ・マダガスカル館等を新たに整備するとともに,老
朽化した施設の段階的な改修を行っていく。また,地下鉄開業や新規整備等によ
る入園者数の状況等を踏まえ,正門前の売店等の施設の再整備等についても検討
する。
なお,具体的な整備内容については,第1期の整備の進捗状況等を踏まえ,検討
していく。
4
再整備計画図
ビジターセンター建築 (平成 22 年 4 月完成)
南エントランス整備
ふれあい動物園整備
中央広場飲食・売店施設整備
アイアイ・マダカスカル館整備
5
正門ゲート施設整備
正門広場整備
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