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新型インフルエンザ特集・最新ニュース編 No.58

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新型インフルエンザ特集・最新ニュース編 No.58
No.09-105
2010.02.23
新型インフルエンザ特集・最新ニュース編
<2009 年度 No.58>
2 月 23 日 10 時現在で、弊社が取りまとめた新型インフルエンザに関する情報をお届けします。
なお、今号の発行をもって、新型インフルエンザ特集・最新ニュース編は、当面更新を休止します。
これまでのご愛読ありがとうございました。
<流行状況について>
国立感染症研究所感染症情報センターの発表によると、2010 年第 6 週(2 月 8 日~2 月 14 日)にお
けるインフルエンザの一協力医療機関当たりの患者報告数は、前週の 4.26 から 2.81(患者報告数 13,479)
に減少した。
全国の医療機関を 1 週間に受診した患者数の推計値は、約 15 万人で、これまでの累積の患者数は推
計で約 2,043 万人である。警報レベルを超えている保健所地域は 4 箇所(3 県)、注意報レベルのみを
超えている保健所地域は 4 箇所(4 都道県)と共に減少した。日本国内における流行は収束した状態が
継続しているものと推測される。
定点当たり報告数、都道府県別
2010年06週(02月08日~02月14日)
10
9
8
定
点
当
た
り
の
報
告
数
7
6
5
4
3
2
1
0
全 北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 和 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖
国 海 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 奈 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 歌 取 根 山 島 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 児 縄
平 道 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 都 川 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 府 府 県 県 山 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 県 島 県
均
県
県
県
(国立感染症研究所 感染症情報センターHP の情報を基にインターリスク総研にて作成)
世界保健機関(WHO)が発表した全世界の感染確定死亡者数は以下の通り。
感染確定死亡者:(最低でも)15,921 名
地域名
WHO アフリカ地域(AFRO)
WHO アメリカ地域(AMRO)
WHO 東地中海地域(EMRO)
WHO ヨーロッパ地域(EURO)
WHO 東南アジア地域(SEARO)
WHO 西太平洋地域(WPRO)
(2 月 19 日時点)
死亡者
167
(最低でも)7,433
1,018
(最低でも)4,056
1,562
1,685
1
<わが国の状況>
・ 2 月 17 日、沖縄県庁は、昨年 8 月以来 26 週間発令されていたインフルエンザ流行警報を解除す
ると発表した。沖縄県では、新型インフルエンザの流行が長期的に継続しており、今後の日本に
おける流行動向を考える上で、沖縄県における感染拡大の動きは注目されてきた。
・ 2 月 19 日、厚生科学審議会予防接種部会は、新型インフルエンザワクチンについて、従来の任
意接種とする位置づけを見直し、国が積極的に接種を推奨する「勧奨接種」とする提言を確定し
た。この提言では、副作用が発生した場合の補償水準について、現行よりも引き上げること、接
種費用については原則として接種を受ける本人から徴収することが定められた。この提言は、新
型インフルエンザワクチンのみならず、予防接種に関するかなり広い範囲の提言となっている。
この提言を受けて、厚生労働省は、今国会に予防接種法の改正案を提出するとしている。
・ 2 月 19 日、厚生労働政務官は、上記の厚生科学審議会予防接種部会の席上、今国会に提出され
る予防接種法の改正は、第一段階であるとし、今後、予防接種に関する抜本的な制度の見直しを
行うと表明した。論点としては、国の公衆衛生政策における予防接種の位置づけの明確化、予防
接種の研究開発の促進と生産基盤の確保、予防接種に関する評価・検討組織の設置、予防接種に
関する情報提供などが挙げられている。
・ 2 月 19 日、厚生労働政務官は、政府の新型インフルエンザ対策本部にて今年度中に今回の新型
インフルエンザ対策が適切だったかどうかの検証を開始することを明らかにした。検証の論点と
してはいわゆる「水際検疫」の是非や他国が取った対応との相違点についての検証が挙げられて
いる。
・ 2 月 20 日、政府の新型インフルエンザ対策本部の専門家諮問委員会がこれまで行った会議の議
事録などの記録を一切保管していないことが明らかになった。これにより、2009 年の日本政府
の新型インフルエンザ対策の政策決定過程の検証は困難になるものと想定される。
・ 2 月 23 日、東京大学医科学研究所などの研究チームは、鳥インフルエンザウイルス H5N1 型と
人のインフルエンザウイルス H3N2 型(いわゆる香港型)が混合すると、実際に病原性や感染力
が高まることを実験で確認したと報じられた。この実験は H5N1 型インドネシア株と香港型が混
ざったウイルスを遺伝子操作で作製し、マウスに接種する形で行われた。
<海外の状況>
・ 2 月 13 日、国際獣疫事務局は、鳥インフルエンザウイルス H5N1 型の動物への流行状況を発表
した。これによれば、2 月 13 日現在感染拡大が確認されているのは、中国、ベトナム、カンボ
ジア、ミャンマー、バングラディッシュ、インド。特にベトナムでは国内 10 箇所以上で感染拡
大が確認されており、鳥の殺処分が推進されている。
・ 2 月 17 日、世界保健機関(WHO)は、エジプトにおける鳥インフルエンザウイルス H5N1 型の
鳥から人への感染例と死亡例を確認したと発表した。エジプト保健省によれば、今年に入ってか
らエジプト国内で、鳥インフルエンザウイルス H5N1 型が鳥から人に感染した事例は、9 例で、
そのうち 3 名が病死している。また、感染者は、従来子どもが多かったところ、今年に入ってか
らは大人中心となっており、今後の動向が注目される。なお、エジプトでは、今年に入って鳥イ
ンフルエンザウイルス H5N1 型が鳥から鳥に感染した事例が 10 例以上報告されている。
・ 2 月 18 日、WHO は、2010‐2011 年シーズンにおけるインフルエンザワクチンには、新型イン
フルエンザウイルス(A/H1N12009pdm)を加えるべきとする声明を発表した。このほかの選定
株は、H3N2 型香港株、B 型インフルエンザ。
2
・ 2 月 19 日、WHO は、世界新型インフルエンザ対策計画に基づき宣言中のパンデミック警報フェ
ーズ6について、2 月 23 日に引き下げの是非を検討すると発表した。引き下げ後は、「ポストピ
ーク期」と呼ばれる次の流行に備える期となる。引き下げは、WHO事務局長の諮問機関「緊急
委員会」により決定される。現時点では、フェーズが引き下げられる公算が高い。
<新型インフルエンザの発生からこれまでの経緯>
4 月 23 日  メキシコ政府が、新型インフルエンザの流行を発表
 WHO が、国際保健規則に定める「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」
4 月 25 日
に該当するとの決定を発表
4 月 26 日  アメリカ政府が、「公衆衛生に関する緊急事態」を宣言
4 月 27 日  WHO が、警戒レベルを「フェーズ 3」から「フェーズ 4」に引き上げ
 日本政府が、「新型インフルエンザの発生」を宣言し、内閣総理大臣を本部長と
4 月 28 日
する「新型インフルエンザ対策本部」を設置、機内検疫などの対策を開始
4 月 29 日  WHO が、警戒レベルを「フェーズ 4」から「フェーズ 5」に引き上げ
 横浜市内の高校に通う男子生徒に「感染の疑い」ありと発表(その後、従来型イ
5月1日
ンフルエンザであることが判明)
5月8日
 日本人の初感染が判明(シカゴ在住の 6 歳男児)
 日本国内で初の感染者を確認。感染者は、カナダから帰国した大阪府立高校の男
5月9日
子生徒 2 人と男性教諭 1 人で、成田空港の検疫で感染が確認された。
 検疫以外で初めて国内感染者が、兵庫県および大阪府で確認された。(感染が確
認された高校生に海外渡航歴なし)
5 月 16 日
 政府は、国内の警戒レベルを「第一段階(海外発生期)」から「第二段階(国内
発生早期)」に引き上げ
 橋下大阪府知事が、流行警戒宣言を発令
5 月 18 日
 厚生労働省が、兵庫県、大阪府に全中学・高等学校の臨時休校を要請
5 月 20 日  滋賀県で初の感染者を確認
 東京都および神奈川県で初の感染者確認。感染者は、アメリカから帰国した神奈
川県川崎市内の高校に通う女子生徒 2 名。
 埼玉県で初の感染者を確認
5 月 22 日  政府の新型インフルエンザ対策本部が「新型インフルエンザ対策基本的対処方
針」を改定
5 月 25 日  兵庫県、大阪府の休校措置を解除、一方福岡県で初の感染者を確認
5 月 28 日  神戸市が「とりあえず安心宣言」
6月3日
 兵庫県が「安心宣言」
6月5日
 京都府、京都市が「安心宣言」、一方愛知県で初の感染者を確認
6 月 11 日  WHO 新型インフルエンザパンデミックの発生を公式に宣言。警戒レベルを「フ
ェーズ 6」に引き上げ
6 月 19 日  厚生労働省が「医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関す
る運用指針」の改定を発表
6 月 30 日  デンマークで世界初のタミフル耐性ウイルスを検出
8 月 15 日  沖縄県で国内初の新型インフルエンザによる死者が確認される。
8 月 19 日  日本政府が新型インフルエンザの流行期入りを宣言
9月4日
 厚生労働省が新型インフルエンザワクチン接種の実施案を公表
9 月 10 日  中国で世界初の新型インフルエンザワクチン接種開始
10 月 19 日  国内で新型インフルエンザワクチンの接種開始
12 月 18 日  WHO 発表の全世界の確認死亡者数が 1 万人を超える。
1 月 31 日  国内の感染者が累計で 2,000 万人を突破
2 月 19 日  国内の死亡者が 194 人に達した。
以上
不許複製/Copyright 株式会社インターリスク総研 2010
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