Comments
Description
Transcript
柏市水道事業ビジョン(PDF形式:2355KB)
柏市水道事業ビジョン 平成 27 年 12 月 柏市水道部○ 目次 目次 1.水道事業ビジョンの策定 .............................................................................................................................................................. 1 1-1 策定の趣旨.......................................................................................................................................................................... 1 1-2 位置づけ・計画期間 ......................................................................................................................................................... 2 2.水道事業の概要 .......................................................................................................................................................................... 3 2-1 水道事業の概要 ................................................................................................................................................................ 3 2-2 事業経営の概況 ................................................................................................................................................................ 7 3.水道事業の現状評価と課題 ................................................................................................................................................ 15 3-1 市民が安心できる水道................................................................................................................................................. 16 3-2 安定して供給できる水道 ............................................................................................................................................. 20 3-3 健全な経営を持続する水道 ...................................................................................................................................... 26 3-4 市民から親しまれる水道.............................................................................................................................................. 32 3-5 環境に優しい水道 .......................................................................................................................................................... 35 4.水道事業の将来見通し .......................................................................................................................................................... 37 4-1 水需要の将来見通し..................................................................................................................................................... 37 4-2 水道施設更新の将来見通し ...................................................................................................................................... 38 4-3 財政収支の将来見通し................................................................................................................................................ 40 4-4 長期的な将来見通し .................................................................................................................................................... 41 5.水道事業の将来像 .................................................................................................................................................................. 43 5-1 基本理念 ........................................................................................................................................................................... 43 5-2 基本目標 ........................................................................................................................................................................... 44 5-3 基本施策 ........................................................................................................................................................................... 45 6.将来像実現のための施策 ..................................................................................................................................................... 50 6-1 確実な給水の確保「強靭」 ~災害に負けない、たくましい水道~.............................................................. 50 6-2 安全な水道の確保「安全」 ~いつでも安全で信頼される水道~ ............................................................... 70 6-3 供給体制の持続性の確保「持続」 ~いつまでも市民とともにある水道~................................................ 78 7.施策実施に向けた推進体制................................................................................................................................................... 91 7-1 推進体制 ........................................................................................................................................................................... 91 7-2 進捗管理と評価・見直し .............................................................................................................................................. 91 7-3 公表..................................................................................................................................................................................... 91 資料 1 業務予定量 ........................................................................................................................................................................ 92 資料 2 ビジョン財政計画............................................................................................................................................................... 94 資料 3 アセットマネジメント検討結果 ........................................................................................................................................ 96 用語説明 ........................................................................................................................................................................................... 103 アスタリスク(*)を付した語句については、巻末の用語説明にて語句説明を掲載しています。 i 目次 ii 1.水道事業ビジョンの策定 1 1.水道事業ビジョンの策定 1 水道事業ビジョンの策定 1-1 1-1策定の趣旨 策定の趣旨 柏市水道事業は、信頼される水道事業の確立を目指して、平成 6 年 3 月に安定供給、安全性の確保、 有効利用、経営の健全化を基本方針とした、「柏市水道事業基本計画」を策定しました。この計画は、水 道事業の運営及び各種施策を長期的、総合的に示したものであり、平成 13 年 8 月に改訂後、平成 17 年 3 月の旧沼南町との合併を機に、事業計画全体の見直し及び再構築等を行い、これに基づき事業を 推進してきました。 また、平成 16 年 6 月(平成 20 年 7 月改訂)には、国(厚生労働省)から水道のあるべき将来像を示し た「水道ビジョン」が公表され、全国の水道事業体に対しては「地域水道ビジョン」の策定が求められまし た。 これを受け柏市では、基本計画に代わるものとして、平成 20 年 11 月に「柏市地域水道ビジョン」を策 定しました(計画期間:平成 21~27 年度。平成 24 年 3 月改訂)。このビジョンでは、「生命(いのち)の水 を未来につなぐ柏の水道」を基本理念とし、国のビジョンにおいて政策課題として示された「安心」、「安定」、 「持続」、「環境」及び「国際」の 5 つの視点を踏まえ、「市民が安心できる水道」、「安定して供給できる水 道」、「健全な経営を維持する水道」、「市民から親しまれる水道」、「環境に優しい水道」を基本目標に掲 げ、これを実現するための施策を実施してきました。 柏市の給水人口*及び給水量は、これまで増加傾向が続いており、当面の間は微増傾向が続くと推計 されていますが、将来的には減少傾向へ転じていく見通しとなっています。また、平成 23 年 3 月に発生し た東日本大震災及び平成 24 年 5 月に発生した利根川水系ホルムアルデヒド*水質事故等の被災リスク の顕在化や、柏市の人口急増期に建設した水道施設の老朽化に伴う大量更新も見込まれる等、水道事 業を取り巻く環境は、より一層厳しくなっていくことが想定されます。 国(厚生労働省)では、全国的に顕在化してきている人口減少や危機管理対策強化の必要性など、水 道を取り巻く環境の変化と課題に対応するため、今から 50 年後、100 年後の将来を見据え、理想像を示 し、取り組みの目指すべき方向性や実現方策を示した「新水道ビジョン」を平成 25 年 3 月に公表し、全国 の水道事業体に対して長期的視点を踏まえた戦略的な水道事業のマスタープランである「水道事業ビジ ョン」の策定を求めています。 このような背景から、柏市における事業環境の変化と課題を踏まえ、「柏市地域水道ビジョン」の見直し を行い、新たに「柏市水道事業ビジョン」を策定し、公表するものです。 1 1.水道事業ビジョンの策定 1-2 1-2 位置づけ・計画期間 位置づけ・計画期間 「柏市水道事業ビジョン」は、柏市の全体計画である「柏市第五次総合計画」に沿って策定する水道の 部門計画として位置づけるとともに、国の「新水道ビジョン」において規定されている「水道事業ビジョン」と して策定します。 また、「柏市水道事業ビジョン」は、水道事業の中長期の基本的方向性を示すものであることから、柏市 水道部の各課が個別に進める事業計画を定期的に反映し、実現性の高いものとしていきます。 「柏市水道事業ビジョン」の計画目標年次は、「柏市第五次総合計画」との整合を図り、平成 37 年度と し、平成 28~37 年度の 10 年間を計画期間(施策推進期間)として、基本施策と具体事業の実施を進め ていきます。 また、将来を見据えた持続可能なビジョンとするため、平成 38 年度以降の 10 年間(平成 38~47 年 度)を、長期的視点を踏まえた将来見通し期間と位置づけます。 図-1.1 柏市水道事業ビジョンの位置づけ 2 2 2.水道事業の概要 2 水道事業の概要 2.水道事業の概要 2-1 水道事業の概要 (1) 柏市水道事業のあゆみ 柏市の水道は、昭和 30 年 6 月 22 日から地下水を水源として給水を開始しました。この時の創設事 業における当初の計画給水人口*は 20,000 人、計画一日最大給水量は 4,000m3/日でした。 その後、急激な人口増加と都市化の進展による水需要の増加に対応するため、6 度にわたる拡張事 業を行い、水源地の建設や水道管の増設など水道施設の整備を進めてきました。平成 23 年 3 月に 完了した第六次拡張事業においては、旧沼南町との合併等により、最終的な計画給水人口は 400,500 人、計画一日最大給水量は 169,800m3/日となっています。 なお、給水量の増加により、地下水だけでは水源が不足してきたため、昭和 54 年から江戸川を水源 とする浄水を北千葉広域水道企業団*から受水*して地下水と混合して給水を行っており、現在、その 比率は河川水 8:地下水 2 となっています。平成 26 年 12 月から、北千葉広域水道企業団では高度 浄水処理*を導入したため、より一層安全性の高い水が給水されています。 現在は、安定した水圧確保とエネルギー効率向上のため、図-2.1 に示す 5 つのブロックを単位として 給水しています。 表-2.1 拡張事業の概要 事業名 創設事業 (昭和 29 年 6 月~昭和 34 年 3 月) 第一次拡張事業 (昭和 37 年 4 月~昭和 42 年 9 月) 富勢簡易水道*創設事業 (昭和 40 年 5 月~昭和 43 年 3 月) 第二次拡張事業 (昭和 44 年 4 月~昭和 54 年 3 月) 第三次拡張事業 (昭和 49 年 4 月~昭和 55 年 3 月) 第四次拡張事業 (昭和 59 年 7 月~平成 8 年 3 月) 第五次拡張事業 (平成 8 年 4 月~平成 11 年 3 月) 第六次拡張事業 (平成 14 年 4 月~平成 23 年 3 月) 計画給水人口 計画一日最大給水量 25,000 人 5,000 m3 57,000 人 20,000 m3 5,000 人 750 m3 150,000 人 67,500 m3 234,000 人 117,000 m3 289,200 人 122,500 m3 300,300 人 126,300 m3 400,500 人 169,800 m3 事業の背景と主な施設 市制施行に伴い水道事業を創設し(計画給水人口 20,000 人、計画一日最大給水量 4,000m3/日)、地 下水を水源とする第一水源地、第二水源地を整備 南部地域での活発な宅地開発を背景に、地下水を水 源とする第三水源地を整備 富勢地区への給水を行うため、簡易水道を創設し、 地下水を水源とする富勢水源地を整備 急速な市勢の発展を背景に、地下水を水源とする第 四水源地及び第五水源地を整備(富勢簡易水道を 統合、第二水源地を廃止) 市勢の発展への対応と地下水の汲み上げ規制を背 景に、1 県 7 市 2 町の構成団体により北千葉広域水 道企業団を設立し、新たな水源として受水を開始 都市化の進展と旧米軍柏通信所跡地利用計画の具 体化を背景に、第六水源地を整備(浄水*センターを 設立し、遠方監視制御システム*を導入) 水需要の更なる増加を背景に、水源施設給水区域* (4 ブロック)の設定や幹線配水管を整備 給水人口が前計画の計画目標値に達したこと、つくば エクスプレスの開通に伴う都市化の進展、旧沼南町と の合併等を背景に、安定給水を図るため、給水区域 を 5 ブロックに設定し、配水池*の拡張や幹線配水管 などを整備 ※計画給水人口、計画一日最大給水量欄の数値については、変更認可後のものを示している。 3 3 2.水道事業の概要 常磐自動車道 つくばエクスプレス 国道 16 号線 柏たなか駅 C ブロック 柏の葉 キャンパス駅 第五水源地 第六水源地 北柏駅 D ブロック 国道 6 号線 JR 常磐線 流山 おおたかの森駅 豊四季駅 柏駅 水道庁舎 第一水源地 A ブロック 岩井水源地 南柏駅 新柏駅 第三水源地 E ブロック 増尾駅 逆井駅 B ブロック 第四水源地 高柳駅 東武アーバンパークライン (野田線) 配水ブロック名称 供給拠点 水源 A ブロック 第一・第三水源地 地下水+北千葉受水 B ブロック 第四水源地 地下水+北千葉受水 C ブロック 第五水源地 地下水+北千葉受水 D ブロック 第六水源地 北千葉受水+第五水源地からの送水 E ブロック 岩井水源地 北千葉受水 ※第一水源地は休止中、第二・富勢水源地は既に廃止している。 図-2.1 配水ブロック図 4 4 2.水道事業の概要 (2) 柏市水道事業の特徴 昭和 30 年 6 月に地下水を水源として給水を開始した柏市水道事業は、急激な人口増加と都市化 の進展による水需要の増加に対応するため、昭和 54 年 6 月に江戸川を水源とする北千葉広域水道 企業団からの受水を開始し、現在は、受水を中心に地下水を水源とする自己水と混合して、皆様の家 庭へ供給を行っています。 河川水を水源とする北千葉浄水場からの受水は、これまでも水質基準*が遵守された安全なもので したが、平成 26 年 12 月からはオゾン処理*と生物活性炭*を組み合わせた高度浄水処理が開始さ れ、さらなる水質改善が図られています。 今後も、地下水源の保全のため、受水量を増量しながら水需要に対応していくこととなりますが、地 下水を汲み上げる深井戸*の管理を徹底し、清浄・低廉な柏市の地下水も適正な範囲内で最大限に 活用していきます。 図-2.2 北千葉広域水道企業団の浄水処理工程(高度浄水処理) (3) 水道事業を取り巻く状況の変化 全国的な人口減少が見られる中、柏市の人口は今後も 10 年程度は微増傾向が続くと見込まれて います。しかし、給水量については、節水意識の高まりや節水機器の普及、ライフスタイルの変化等に より、一人当たりの使用水量が減少しており、市全体としてもほぼ横ばいの状況が続いています(図 -2.3 参照)。 長期的な視点では、将来の給水人口、給水量は、ともに減少傾向へ転じると想定されており、水道 事業を運営していくための財源となる水道料金収入が減少することとなるため、水道事業の運営はより 厳しくなっていくことが見込まれます。 5 5 2.水道事業の概要 また、これまでは、給水人口や給水量の増加に対応するために、水道施設を建設し、拡張を進めて いく時代でしたが、今後は、これまでに建設した施設を健全な状態で維持していくための維持管理中心 の時代となります。特に、柏市の人口急増期に建設した大量の施設が、老朽化し更新時期を迎えてい くこととなるため、更新需要(更新に要する費用)が増大していきます。 さらに、柏市の水道にも大きな影響を与えた、平成 23 年 3 月の東日本大震災や平成 24 年 5 月の 利根川水系水質事故の発生等、過去に経験したことのない災害や事故にもより適切に対応していくこ とが求められています。 このように、近年は、水道事業を取り巻く環境が大きく変化しており、これらの環境の変化にも柔軟に 対応し、安全な水を安定して供給していくための対策が求められています。 一日平均給水量 一日最大給水量 列島渇水 人口(万人) 行政区域内人口 旧沼南町との合併 給水人口 つくばエクスプレス開通 45 給水量(千m3/日) 東日本大震災 40 125 35 100 30 25 75 20 50 15 10 25 5 0 150 H元年 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 年度 図-2.3 給水人口と給水量の推移 図-2.4 水道事業を取り巻く状況の変化 6 H22 H23 H24 H25 H26 0 6 2.水道事業の概要 2-2 事業経営の概況 (1) 水道施設、料金 1) 水源 柏市の水道は、地下水と利根川水系江戸川の水(北千葉広域水道企業団からの受水)を水源 としており、近年では、地下水の自己水源が約2割、受水が約8割となっています(表-2.2 参照)。 地下水は、柏市内にある 41 本の深井戸(深さ 200 メートル前後)からポンプでくみ上げています が、揚水量は井戸の老朽化により経年的に減少しています。また、地盤沈下対策として、千葉県 環境保全条例により地下水の採取が規制されています。 柏市では、将来に渡って地下水を有効に利用していくために、井戸のメンテナンスや掘り替え (更新)等の事業に積極的に取り組んでおり、揚水量の回復に努めています。 また、北千葉広域水道企業団から柏市への計画給水量は、現在 93,700m3/日となっています が、今後の水需要に対応するため、現在進められている八ツ場ダムや思川開発事業等により、 104,300m3/日まで増加する見込みとなっています。 表-2.2 水源割合の推移 年度 年間給水量 地下水 (自己水源) 北千葉 (受水) 昭和 50年度 1,630 万m3 100% - 55年度 2,163 万m3 74% 26% 60年度 2,794 万m3 56% 44% 5年度 3,443 万m3 40% 60% 10年度 3,637 万m3 38% 62% 15年度 3,513 万m3 39% 61% 16年度 3,892 万m 3 35% 65% 20年度 3,988 万m 3 25% 75% 25年度 4,040 万m3 20% 80% 26年度 4,005 万m3 18% 82% 平成 備考 旧沼南町との合併後 2) 水源地 平成 10 年度から、配水圧の適正化・均等化、水運用の効率化等のため、給水区域のブロック 化を行っています。1 つの配水ブロックには、1 つの水源地があり、それぞれの水源地から各配水 ブロック内に給水を行っています。 水源地の施設は、30~50 年を経過した施設や設備、また耐震性の低いものもあることから、配 水池建替え事業や耐震化事業を実施し、安定供給機能の強化に努めています。 7 7 2.水道事業の概要 なお、効率的な配水運用のため、第六水源地(浄水センター)に設置した中央監視制御システ ムにより、各水源地の水道施設を集中的にコントロールしています。 表-2.3 施設概要(平成 26 年度) 項目 第一水源地 供用開始 水源 給水能力 第三水源地 S30.6 第四水源地 S40.8 第五水源地 岩井水源地 S49.8 S63.11 S53.4 地下水+受水 地下水+受水 地下水+受水 地下水+受水 受水のみ 受水のみ 3 S46.6 第六水源地 13,000m /日 25,700m /日 24,500m3/日 25,500m3/日 33,500m3/日 12,700m3/日 4本 17本 9本 11本 ー ー 4池 6池 2池 4池 3池 6池 5,200m3 21,000m3 7,600m3 16,000m3 15,000m3 12,400m3 取水施設 (深井戸) 3 配水池 ※第一水源地は平成 27 年 3 月から休止中。第四水源地の 1 号池(3,800m3)は建替え中のため除いている。 3) 管路整備の状況 ① 管路延長 管路延長(平成 26 年度末現在)は、表-2.4 のとおり、約 1,376kmとなっており、このうち配水 管*が約 98%を占めています。 表-2.4 管路種別延長(平成 26 年度) 管路種別 項目 合計 導水管 送水管 配水管 延長(m) 15,898 9,679 1,350,173 1,375,750 割合(%) 1.2 0.7 98.1 100.0 ② 経年化の状況 管路の経過年数別延長の割合をみた場合、法定耐用年数*の 40 年を基準とした経年化管 路は管路全体の 3.0%を占めるにとどまっており、健全な管路状況といえます(表-2.5、図-2.5 参照)。 表-2.5 管路の経過年数別延長(平成 26 年度) 項目 10年以下 11~20年 21~30年 31~40年 導水管延長(m) 1,927 5,207 2,557 4,762 1,445 15,898 送水管延長(m) 939 1,609 3,882 616 2,633 9,679 配水管延長(m) 374,738 317,006 377,154 244,098 27.4 23.5 27.9 18.2 割合(%) 8 40年超 計 37,177 1,350,173 3.0 100.0 8 2.水道事業の概要 9 経年化管路 (40 年を超える管を 経年化管路とした場合) 経年化状況 [単位:%] 図-2.5 管路の経過年数別延長の割合(平成 26 年度) ③ 耐震化の状況 管路の更新時等に耐震管*への布設替を行うことにより、管路の耐震化率は年々上昇しており、 平成 26 年度末では、図-2.6 のとおり、21.1%(耐震適合管*の割合では 37.4%)となっていま す。 耐震適合管(耐震管を含む) 37.4% 21.1% 16.3% 0 62.6% 500,000 耐震管 1,000,000 耐震適合管 1,375,750 非耐震適合管 管路延長(m) 図-2.6 管路における耐震管と耐震適合管の割合(平成 26 年度) 注)耐震管とは、管体が強靭で離脱防止継手を有する管であり、地震等による大きな地盤変動が起きた場合でも 管体が破壊されず抜けないため、水道管としての十分な機能を維持できるとされています。一方、耐震適合管 は、管体が強靭で離脱防止継手を有していない管であり、ある程度の地盤の動きには対応できるため、地震等 の大きさや地盤の種別によっては地震発生時も水道管として一定の機能を維持できるとされています。 9 2.水道事業の概要 4) 水道水質 ① 原水*及び浄水水質 柏市の水道水の水質は、全て水道水質基準に適合しています。 水源の約8割を占める北千葉広域水道企業団からの受水の水質は良好です。平成 26 年 12 月からは、より安心して飲むことができる良質な水道用水の供給に向けて高度浄水処理が開始 され、柏市にも送水されています。 ② 水質管理 水質管理にあたり、毎年、水質検査計画*を策定・公表しています。 水質検査については、原水等の基本的な項目および重金属の大半などについては自己検査 によって、それ以外は、千葉県水道水質管理計画に基づき、北千葉広域水道企業団へ委託し て行っています。また、同企業団で取扱いのないダイオキシン類*については、水道法第二十条 の厚生労働大臣登録検査機関に委託しています。 水道法に基づく毎日検査(色・濁り・消毒の残留効果)については、市内 8 箇所の連続自動水 質監視装置により、配水系統ごとに 24 時間連続自動監視を行っています。 水質検査に際し、水質基準項目*については、全 51 項目をその検出状況に応じて年 4~12 回の頻度で検査を行っています。さらに、水質管理目標設定項目*について検査を行うとともに、 市民の関心の高いダイオキシン類等、市独自で必要な項目を設定して検査を行っています。 なお、放射性物質については、水源地ごとに月 1 回、原水及び浄水の検査を実施し、継続的 に監視しています。 5) 給水装置 ① 直結給水*の状況 給水方式には、直結式(直結給水)と受水槽式(貯水槽水道*)があり、受水槽式では、受水 槽の管理不十分等による水質面の懸念があることから、直結式を推奨しています。柏市では、3 階以下の建築物及び 4 階以上の高層建築物に対して、それぞれ直結・直圧式*または直結・増 圧式*の給水方法を採用しています。 ② 貯水槽水道の管理 小規模貯水槽水道(貯水量 10m3 以下)の適正管理に向け、施設管理者(施設の設置者、所 有者等)に対して定期的な清掃、日常点検、検査機関による検査、異常時の関係機関への連 絡等について、実態調査、水質検査、指導及び助言を実施しています。 10 10 2.水道事業の概要 ③ 鉛製給水管*の状況 鉛製給水管は、柔軟で扱いやすいことから広く使用されてきましたが、長い時間水道管内に水 が滞留していると鉛が溶出するとともに、老朽化による漏水*が多発していることから、対応が求 められています。 市内の鉛製給水管は、取替え工事により減少しており、また、柏市における鉛含有率の測定 値は 0.001 ㎎/L 未満であり、水道水質基準における 0.01 ㎎/L 以下に適合しています。 6) 料金体系等 柏市の水道料金は、口径ごとに定める基本料金と使用水量に応じて定める従量料金の合計額 に消費税等相当額を加算した額で算定しています(二部料金制)。 また、柏市では、基本水量は設定しておらず、節水努力が報われる料金体系となっています。 料金単価は、平成 11 年 7 月の改定以降維持しており、家庭用料金については表-2.6 のとおり となっています。 表-2.6 家庭用料金※1 の比較 柏市 1 ヶ月当たり家庭用料金 3 (10m 使用料金) 1,113 円 同規模事業体 全国事業体 997 円 1,396 円 (最大 1,680 円、最小 703 円) (最大 3,412 円、最小 335 円) ※1 口径が 13mm における水道料金(平成 24 年度当時の比較を行うため消費税率 5%込の金額) (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値(水道統計より算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 11 11 2.水道事業の概要 (2) 危機管理対策 1) 危機管理マニュアル作成状況 柏市では、平成 7 年 1 月に発生した兵庫県南部地震を契機として、「柏市水道部災害・水質事 故等対策指針」を平成 7 年 3 月に策定しました。その後、平成 10 年 6 月、平成 15 年 11 月、 平成 17 年 4 月、平成 27 年 3 月に改訂を行い、さらに平成 23 年 3 月に発生した東日本大震 災の経験を踏まえ、応急給水体制等の見直しを行い、現在運用しています。これに基づき、震災 や水質事故、施設事故、渇水等の災害時の応急対策の諸活動を、迅速かつ的確に実施するた めの体制を整えています。 また、随時見直しが図られている「柏市地域防災計画」を踏まえ、柏市全体としての危機管理 対策を強化しています。 図-2.7 柏市の応急給水体制 2) 応援協定 災害時には、他の水道事業体等の応援協力が非常に重要になりますが、柏市では表-2.7 に示 す応援協定を締結し、水道事業体相互の応援体制、民間企業からの応援体制を確立していま す。 表-2.7 応援協定一覧 協定名 協定締結機関名 千葉県水道災害相互応援協定 千葉県内事業体 (公社)日本水道協会千葉県支部災害時相互応援に関する協定 千葉県内事業体ほか 災害時における応急復旧活動の協力に関する協定書 柏市管工事協同組合 災害時における復旧工事等の協力に関する協定書 昱(株) 災害時の応援業務に関する協定書 ヴェオリア・ジェネッツ(株) 災害時等における物件の供給に関する協定書 水道関連メーカー5 社 12 12 2.水道事業の概要 3) 訓練等への取り組み状況 柏市では、災害時にも迅速かつ確実な応急対策が実施できるよう、地域の皆さまや関係団体と 協力して、応急給水訓練を継続的に実施しています。 表-2.8 応急給水訓練の実施箇所数 実施年度 応急給水訓練 平成 24 年度 21 箇所 平成 25 年度 30 箇所 平成 26 年度 8 箇所 4) 応急給水設備*と資機材の備蓄状況 柏市では、災害時においても計画的に応急給水活動を行うために、各水源地(配水池)及び市 内全箇所の耐震性貯水槽には緊急遮断弁*を設置して飲料水を確保するとともに、表-2.9 に示 すような資機材の備蓄を行っています。 しかし、水道施設の被災により、災害時に必要な貯留量が確保できない場合や、道路等の破損 により、被災地への搬送が困難になる事態も想定されます。 そのため、震災直後の飲料水 1 日分(1 人当たり 3 リットル)については、市内各地に応急給水 所を設置し、分散して給水源を確保しています(図-2.8 参照)。 表-2.9 資機材の備蓄状況 資機材 備蓄量 備考 給水車 3台 平成 26 年度末時点 給水袋(10 リットル) 100 枚×274 ケース 市内の防災倉庫に備蓄 給水袋(4 リットル) 250 枚×155 ケース 市内の防災倉庫に備蓄 キャンバス水槽 10 基 発電機 14 台 表-2.10 震災直後の供給可能量 項目 水源地の配水池貯留量 供給可能量 用途 28,600m3 + 井戸揚水量 飲料水 + 生活用水 貯水槽 (40 m3×15 基)+45 m3×1 基=645 m3 耐震性井戸付貯水装置 井戸揚水量 12 m3/h×16 基×8 時間=1,536 m3 飲料水 ※ 震災直後 1 日分 3L×40.4 万人=1,212 m3 耐震性貯水槽* 460m3 飲料水 (柏市地域防災計画資料編より) 13 13 2.水道事業の概要 ■ 災害用井戸設置給水所 名称 1 柏第三小学校 2 関場町防災備蓄倉庫 3 旭小学校 4 柏第四中学校 5 柏第二小学校 6 柏市役所 7 逆井分署 8 光ヶ丘中学校 9 酒井根小学校 10 藤心小学校 11 増尾西小学校 12 田中中学校 13 松葉第一小学校 14 柏中学校 15 西原小学校 16 県立柏の葉公園 所在地 若葉町4-54 関場町842-2 旭町6-5-17 名戸ヶ谷1-6-8 豊四季310 柏5-10-1 逆井1444-10 光ヶ丘4-23-1 酒井根19-2 藤心880-1 増尾台3-5-9 大室249-9 松葉町5-3 明原4-1-1 西原4-17-1 柏の葉4-1 ■ 飲料水給水に関する協定に基づく給水所 名称 1 二松学舎大学付属柏高等学校 2 ニッカウヰスキー柏工場 3 廣池学園 給水能力 貯水槽 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 40,000L 12,000 L/h 45,000L ■ 耐震性貯水槽設置給水所 名称 1 逆井並木第二公園 2 中原ふれあい防災公園 3 北柏第三公園 4 高田小学校 5 大津ヶ丘中学校 6 高柳近隣センター 所在地 南逆井2-2 中原1-28 北柏2-9 高田376-3 大津ヶ丘1-25 高柳1652-10 ■ 水源地の給水所 名称 1 第三水源地 2 第四水源地 3 第五水源地 4 第六水源地 5 岩井水源地 所在地 中原1811-12 南増尾4-9-1 松葉町3-12 高田1201-23 岩井802-4 ■ 給水タンク設置による給水所 名称 所在地 1 豊小学校 豊四季610-2 2 田中北小学校 大青田1536-1 3 富勢東小学校 布施2176-2 4 花野井小学校 花野井1652-34 5 手賀中学校 柳戸690 6 風早南部小学校 藤ヶ谷新田111-2 所在地 大井2590 増尾967 光ヶ丘2-1-1 ※ 給水タンク設置による給水所については、道路等の被害状況によっては設置出来ない場合もあります。 図-2.8 災害時応急給水所一覧 14 貯水槽容量 50 m3 100 m3 3 60 m 50 m3 100 m3 3 100 m 貯留容量 6,800 3,800 8,000 5,000 5,000 m3 m3 3 m m3 m3 タンク容量 500L×2 500L×2 500L×2 500L×2 500L×2 500L×2 14 3.水道事業の現状評価と課題 3 水道事業の現状評価と課題 3.水道事業の現状評価と課題 柏市ではこれまで、平成 20 年 11 月に策定した「柏市地域水道ビジョン(以下「旧ビジョン」という)」に掲 げた基本目標及び基本施策に基づき取組みを進めています(図-3.1 参照)。 基本目標1.市民が安心できる水道 施策1-1:水質の改善及び確保 施策1-2:直結給水の推進 施策1-3:貯水槽水道の適正な管理 基本目標2.安定して供給できる水道 施策2-1:水源地施設および管路の耐震化 施策2-2:安定供給の確保 施策2-3:危機管理の強化 基本目標3.健全な経営を持続する水道 施策3-1:組織体制の効率化・強化 施策3-2:運営管理の効率化・強化 施策3-3:広域化への取り組み 施策3-4:持続可能な経営と水道料金の適正化 基本目標4.市民から親しまれる水道 施策4-1:市民サービスの向上 施策4-2:広報・広聴の充実 基本目標5.環境に優しい水道 施策5-1:省エネルギーの推進、自然エネルギーの有効活用等 施策5-2:漏水防止対策の推進 施策5-3:廃棄物減量化・リサイクル 施策5-4:環境保全のための管理活動の拡充 図-3.1 「柏市地域水道ビジョン(H21~27)」における基本目標(旧ビジョン) 本章では、これまでの取組みを踏まえ、旧ビジョンの基本目標別に施策の進捗状況と現状の評価及び 今後の課題について整理します。 15 15 3.水道事業の現状評価と課題 3-1 3-1 市民が安心できる水道 市民が安心できる水道 「市民が安心できる水道」を達成するために、「水質の改善及び確保」、「直結給水の推進」、「貯水槽水 道の適正な管理」を施策に掲げ、各種具体事業に取り組んできました。 (1) 具体事業の取り組み 具体事業として、水質改善のための幹線整 備事業、トリハロメタン*低減化対策の検討、次 亜塩素*注入設備更新、管末測定*局更新、 老朽管改良事業、配水管洗浄事業、水質検 査体制の充実に取り組んできました。また、直 結給水推進に取り組むとともに、小規模貯水 槽水道の管理指導を行ってきました。 鉛製給水管の取替え(イメージ図) 事業は、概ね計画どおりに進捗しており(p.17 の表-3.2 参照)、特に、これまで課題であった鉛製給水管の取替え(老朽管改良事業に併せて実施) については、鉛製給水管率(PI:1117)の目標値 21%(平成 27 年)を達成しています(表-3.1 参照)。 今後も、より高いレベルでの「安心」が達成出来るよう、継続して事業を進めていく必要があります。 表-3.1 代表的な指標の推移(PI) 指標名称及び定義 (1117)鉛製給水管率(%) =(鉛製給水管使用件数/給水件数)×100 指標の 優位性 指標の意味 鉛製給水管の残存度合 いを示す指標。鉛製給 水管が解消されればこ の値は0%となる。 平成21年度 平成24年度 平成26年度 (ビジョン策定) (ビジョン改訂) (最新実績) 27.9 23.5 20.9 同規模 事業体 全国 事業体 平成27年度 (目標値) 2.8 0.0 21.0 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 16 16 3.水道事業の現状評価と課題 表-3.2 「市民が安心できる水道」の進捗評価 基本方針 実施方策 具体事業等 実施 状況 事業実施スケジュール H24 H25 H26 H27 事業の進捗と 今後の見通し H28以降 事業継続 の必要性 基本目標1 市民が安心できる水道 ●幹線整備事業 (第一水源地から第三水源 地への導水施設の整備) 計画 ●トリハロメタン低減化対策の 検討 計画 ●次亜塩素注入設備更新 事業 計画 実績 第三水源地への井戸整備に変更 実績 実績 計画 施策1-1 水質の改善 及び確保 ●管末測定局更新事業 実績 ●老朽管改良事業 (鉛製給水管の取替え) 計画 実績 計画 ●配水管洗浄事業 実績 施策1-2 直結給水の推進 施策1-3 貯水槽水道の 適正な管理 ●水質検査体制の充実 (水質監視強化) 計画 ●高度浄水処理水の供給 (北千葉広域水道企業団 から受水) 計画 実績 第三水源地周辺への井戸の掘り替えを実施するた め導水施設は整備しない。 不要 高度浄水処理水の受水開始による状況改善が期待 されるため、今後は状況に応じた対策を実施してい く。 継続 第三水源地、第四水源地、第五水源地の次亜塩素 注入設備更新が完了。 完了 計画どおり事業完了。 (一部計画変更) 完了 計画どおりに進捗しており、今後も継続的に実施して いく。 継続 計画どおりに進捗しており、今後も継続的に実施して いく。 継続 計画に基づいた水質監視を実施しており、今後も継 続的な実施が必要。 継続 計画どおり受水開始。 完了 安全性確保のため、今後も継続的な実施が必要。 継続 定期的な管理指導を実施しており、安全性確保のた め、今後も継続的な実施が必要。 継続 実績 計画 随時実施 ― 実績 ●小規模貯水槽水道 管理指導 計画 実績 事業スケジュールの凡例 計 画 :課題解決に向けて計画的に実施する方策 :継続的に実施する方策 :方策を実施した実績期間 :方策を実施する予定期間 実 績 (2) 現状 1) 水道水質 ① 原水及び浄水水質 z 夏期における C ブロック(第五水源地)のトリハロメタンについては、他の水源地に比べてやや高 い状況にあります。 ② 水質管理 z 平成 16 年度から、毎年、水質検査計画を策定・公表し、適切で効率的な水質検査を実施し ています。 z カビ臭*や総トリハロメタン濃度を見ても、水質に問題はありません。 17 17 3.水道事業の現状評価と課題 表-3.3 業務指標(PI)* 番号 1105 業務指標 指標の 優位性 カビ臭から見たおいしい 水達成率(%) 総トリハロメタン濃度水 1107 質基準比(%) ※最大値 指標の意味 H21 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 給水栓水で、2種類のカ ビ臭物質最大濃度の水 質基準値に対する割合 (%)をいう。全くカビ臭 物質が含まれないと 100%になる。 88.0 95.0 95.0 95.0 90.0 90.0 80.0 90.0 給水栓水におけるトリハロ メタンの水質基準値に対 する割合を表す指標。こ の値は低い方が良い。 62.0 62.0 54.0 54.0 39.0 61.0 29.5 21.0 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 2) 給水管と給水状況 ① 鉛製給水管の状況 z 柏市では、鉛製給水管の布設替えを進めており、平成 26 年度末現在、鉛製給水管率は 20.9%と年々減少していますが、同規模事業体と比べて残存率は高い状況にあります。(p16 の表-3.1 参照) ② 水道未使用者の状況 z 給水区域を市内全域としていますが、給水区域内で専用水道*や自家用井戸を使用している 世帯があることから、普及率は同規模事業体に比べてやや低い状況にあります。これらの専用 水道や自家用井戸は、利用者の要望に応じて、上水道への切り替えを進めています。 表-3.4 業務指標(PI) 番号 業務指標 指標の 優位性 2006 普及率(%) 指標の意味 H21 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 給水区域内で水道を 使っている人の割合を表 す指標。 93.2 93.3 93.4 93.5 93.5 93.7 99.9 99.3 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 (3) 今後取り組むべき課題 1) 水道水質 ① 原水及び浄水水質 z トリハロメタン低減化対策については、北千葉広域水道企業団で高度浄水処理が導入され、 ブレンド効果により改善が図られています。今後も継続的な水質監視を行い、必要に応じて対 策を検討していくことが必要です。 ② 水質管理 z 平成 16 年度から、毎年、水質検査計画を策定・公表し、適切で効率的な水質検査を実施し ています。水質監視体制については、北千葉広域水道企業団との共同検査体制をとっており、 強化が図られていますが、今後は職員の退職等により、水質管理の専門的な知見を持った 18 18 3.水道事業の現状評価と課題 職員の確保が課題となっています。技術継承を円滑に進めていくための組織体制の見直しや 研修体制の確立等の対策を図っていくことが必要です。 z 小規模貯水槽水道の管理指導については、定期的な管理指導を実施しており、今後も安全 性確保のために、継続的に実施していくことが必要です。しかし、施設管理者等が不明なもの も多く存在するため、これらの施設に対してどのように対処していくべきかを検討することが必 要となります。 2) 給水管と給水状況 ① 鉛製給水管の状況 z 鉛製給水管率は、老朽管更新事業の実施により年々減少していますが、全件解消に向けて 今後も重点的に取り組んでいかなければなりません。 19 19 3.水道事業の現状評価と課題 3-2 3-2 安定して供給できる水道 安定して供給できる水道 「安定して供給できる水道」を達成するために、「水源地施設及び管路の耐震化」、「安定供給の確保 (水需要への対応)」、「危機管理の強化」を施策に掲げ、各種具体事業に取り組んできました。 (1) 具体事業の取り組み 具体事業として、配水池耐震補強事業や老朽管 改良事業による配水管耐震化、幹線配水管整備 事業や井戸・配水池・水源地設備等更新事業、水 源地応急給水設備整備事業や応急給水等危機 管理体制強化に取り組んできました。 事業は、概ね計画どおりに進捗していますが、一 部の事業は未実施の状況にあります(p.21 の表 耐震化された配水池(第三水源地) -3.6 参照)。 これらの事業を含め、今後も継続的に進めていかなければならない事業が多くあります。 表-3.5 代表的な指標の推移(PI) 指標名称及び定義 (2209)配水池耐震施設率(%) =(耐震対策の施されている配水池容量 /配水池総容量)×100 (2210)管路の耐震化率(%) =(耐震管延長/管路総延長)×100 指標の 優位性 指標の意味 平成21年度 平成24年度 平成26年度 (ビジョン策定) (ビジョン改訂) (最新実績) 同規模 事業体 全国 事業体 平成27年度 (目標値) 耐震対策が施されている 配水池の容量の割合を 表す指標。 17.7 55.7 72.3 49.2 13.5 70.0 管路延長に占める耐震 管の割合を表す指標。こ の指標が高いほど地震 時も壊れない管路割合 が高い。 9.2 16.3 21.1 14.1 4.7 22.0 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 20 20 3.水道事業の現状評価と課題 表-3.6 「安定して供給できる水道」の進捗評価 基本方針 実施方策 具体事業等 実施 状況 事業実施スケジュール H24 H25 H26 事業の進捗と 今後の見通し 事業継続 の必要性 計画どおりに進捗しており、今後も継続的に実施して いく。 継続 計画どおりに進捗しており、今後も継続的に実施して いく。 継続 第三・第四水源地の建替え完了。 (次期ビジョンで第五水源地を実施予定) 完了 現時点では計画どおりに進捗しているが、今後は、用 地の制約等を踏まえた再検討が必要。 継続 第四水源地 北部幹線については、H23年度で完了。第四水源地 幹線 幹線については概ね計画どおり進捗しており、H26~ 28年度の継続分で完了。 第四水源地幹線 完了 H27 H28以降 基本目標2 安定して供給できる水道 施策2-1 計画 ●配水池耐震補強事業 実績 水源地施設 及び 管路の耐震化 ●老朽管改良事業 (配水管の耐震化) 計画 実績 第三水源地 計画 第四水源地 ●配水池建替事業 第三水源地 実績 第四水源地 計画 ●井戸更新事業 要検討 実績 施策2-2 計画 北部幹線 ●幹線配水管整備事業 実績 安定供給の 確保(水需要 への対応) ●北部地区整備事業 (中央地区、東地区) 計画 実績 計画 ●新設管整備事業 実績 計画 ●水源地設備更新事業 実績 ●水源地施設整備事業 (水道庁舎の耐震化及び 防災拠点化) 計画 ●水源地応急給水設備 整備事業 計画 ●非常用発電機燃料タンク 増設事業 計画 施策2-3 危機管理 の強化 実績 未 実 施 実績 計画 実績 事業スケジュールの凡例 実 績 計画どおりに進捗しており、今後も継続的に実施して いく。 継続 計画どおり進捗しているが、今後は整備計画の見直 しに伴う事業計画の再検討が必要。 継続 第一水源地の廃止時期との兼ね合いから、実施時 期等に関する方針が未決定。防災拠点としての重要 性から早期の検討が必要。 継続 全水源地施設への応急給水設備整備完了。 完了 屋外陸上設置型燃料タンク等の整備完了。 完了 計画どおりに進捗しており、危機管理強化のため、今 後も継続的に実施していく。 継続 定期的な訓練の実施による危機管理体制の強化に 努めており、今後も継続的な実施が必要。 継続 実績 計画 計 画 継続 実績 ●防災倉庫、備品整備事業 ●応急給水等危機管理 体制の強化 区画整理事業の進捗に合わせて実施するため、計 画どおりの進捗が困難である。 :課題解決に向けて計画的に実施する方策 :継続的に実施する方策 :方策を実施した実績期間 :方策を実施する予定期間 21 21 3.水道事業の現状評価と課題 22 (2) 現状 1) 水源地 z 配水池は、市内全体において望ましい貯留能力(一日最大配水量の 12 時間分以上)を確保 している状況となっています。 表-3.7 業務指標(PI) 番号 業務指標 指標の 優位性 2004 配水池貯留能力(日) 指標の意味 H21 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 一日平均配水量の何日 分が配水池で貯留可能 かを表しており、給水に 対する安全性、災害、事 故等に対する危機対応 性を示すものである。 0.72 0.71 0.68 0.71 0.71 0.71 0.83 1.08 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 z 平成 26 年度末現在で、浄水施設、ポンプ所、配水池は、「耐震化率」が各々、0.0%、0.0%、 72.3%となっており、配水池の耐震化率は、水源地施設耐震化事業の推進により、大幅に上 昇していますが、浄水施設及びポンプ所の値が同規模事業体に比べて低い状況にあります。 表-3.8 業務指標(PI) 番号 業務指標 2207 浄水施設耐震率(%) 2208 ポンプ所耐震施設率 (%) 2209 配水池耐震施設率 (%) 指標の 優位性 指標の意味 震災時においても浄水 施設として安定的な浄水 処理ができるかどうかを 示したものである。 ポンプ設備も含め、その 設置の耐震性を保障し、 震災時においても安定 的な浄水処理ができる かどうかを示したものであ る。 耐震対策が施されている 配水池の容量の割合を 表す指標。 H21 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 13.7 0.0 17.7 36.4 44.8 55.7 60.8 72.3 49.2 13.5 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 2) 管路 z 平成 19 年度から、全ての管路の新設及び更新時には耐震管を使用しており、「管路の耐震 化率」は年々向上しています。平成 26 年度末現在では、21.1%となっており同規模事業体と 比べて高い状況にあります(p20 の表-3.5 参照)。 z 地震時もライフラインとしての機能を確保するため、今後も引き続き耐震化率の向上に向けて 事業を推進していきます。 22 3.水道事業の現状評価と課題 23 表-3.9 業務指標(PI) 番号 業務指標 指標の 優位性 2210 管路の耐震化率(%) 指標の意味 H21 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 管路延長に占める耐震 管※1の割合を表す指 標。この指標が高いほど 地震時も離脱せず壊れ ない管路割合が高い。 9.2 11.4 13.9 16.3 18.6 21.1 14.1 4.7 ※1 地震時やそれによる液状化等発生時においても、管路の破損や継手の離脱等の被害が軽微な管。 (耐震型継手を有するダクタイル鋳鉄管、溶接継手を有する鋼管・ステンレス管、高密度熱融着継手を有するポリエチレン管) (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値(PI2210 は(公財)水道技術研究センター算出であり、いずれも平成 24 年度値。 z 管路の更新率や、強度の高い管路の割合をみるダクタイル鋳鉄管*・鋼管*率は同規模事業 体と比べて高い状況です。 z 石綿セメント管*の耐震化改良は、区画整理区域を除き、平成 22 年度でほぼ完了しましたが、 一部の地域では、老朽化や耐震性に懸念のある塩化ビニル管*等が残存しています。 表-3.10 業務指標(PI) 番号 業務指標 2104 管路の更新率(%) 指標の 優位性 指標の意味 H21 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 - 管路総延長に対する年 間に更新された管路の 割合を示すものであり、 管路の信頼性確保に対 する執行度合いを示すも のである。 1.55 1.49 1.45 1.48 1.49 1.63 0.78 0.50 管の母材強度に視点を 当てた指標で、管路の安 定度、維持管理上の容 易性を示すものである。 76.0 75.5 78.6 78.4 81.3 82.5 73.8 40.6 ダクタイル鋳鉄管・鋼管 5102 率(%) (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 z 「経年化管路率」は、「老朽管更新事業」の推進により、平成 26 年度末現在で 3.0%となって おり、同規模事業体と比べると低い一方、全国事業体と比べると高い状況となっていますが、 今後、法定耐用年数を超える管路が増大することが予想されます。 表-3.11 業務指標(PI) 番号 業務指標 2103 経年化管路率(%) 指標の 優位性 指標の意味 H21 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 経年化した管路の割合 がどれだけあるかを示す もので、安定給水に向け て計画的に管路の更新 を実施しているかを示す ものである。 7.3 9.1 8.8 2.7 3.9 3.0 10.2 2.9 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 23 3.水道事業の現状評価と課題 24 3) 応急給水設備と資機材の整備状況 z 事故や災害時の応急給水に必要な資機材の整備状況は表-3.12 のとおりとなっており、ほと んどの指標で同規模事業体と比べて整備・備蓄が進んでいますが、給水人口一人当たり貯留 飲料水量はやや少ない状況にあります。 表-3.12 業務指標(PI) 指標の 優位性 指標の意味 H21 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 給水人口一人当たり貯 2001 留飲料水量(L/人) 災害時に一人当たりに確 保されている飲料水量を 表したもの。災害時の最 低必要量は一人一日3 Lとなっている。 109 108 101 105 105 104 138 198 給水拠点密度(箇所 2205 /100km2) 100k㎡当たりの応急給 水拠点数を示し、震災 時等における飲料水の 確保のしやすさを示した ものである。 41.8 41.8 41.8 41.8 40.9 40.9 32.6 28.3 0.0079 0.0079 0.0079 0.0079 0.0079 0.0065 0.0000 193.0 192.8 141.6 141.3 226.2 32.2※ 44.9※ 0.050 0.050 0.076 0.049 0.049 0.035 0.100 番号 2213 業務指標 給水車保有度(台 /1,000人) 可搬ポリタンク・ポリパッ 2214 ク保有度(個/1,000 人) 2215 車載用の給水タンク保 3 有度(m /1,000人) 給水人口1,000人当たり の給水車保有台数を表 すものであり、緊急時に 0.0081 水道事業体が有効な応 急給水活動を実施でき るかを示したものである。 給水人口1,000人当たり の可搬ポリタンク・ポリ パックをいくら保有してい るかを表すものであり、緊 196.0 急時に水道事業体が有 効な応急給水活動を実 施できるかを示したもの である。 給水人口1,000人当たり の車載用給水タンク容 量(m3)を表すものであ り、 主に大地震などの事 態が発生した場合におい 0.051 て、水道事業体が有効 な応急給水活動を実施 できるかを示したものであ る。 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 ※2214 可搬ポリタンク・ポリパック保有度は、水道統計から算出できないため、日本水道協会 HP に公表されている「水道事業 ガイドラインに基づき公表された業務指標(PI)について」における表から算出した値。同規模事業体は、水源が原水・浄水受水 で給水人口 30 万人以上事業体(22 事業)の中央値、全国事業体は、値が掲載されている事業体(121 事業)の中央値であり、 いずれも平成24年度値。 4) 水道庁舎 z 現在の水道庁舎は、昭和 53 年 2 月に建てられたもので、建築後約 40 年が経過しています。 耐震性能を調査した結果、耐震指標:Is 値は 0.37 と著しく低く、市有建築物の耐震化率が 9 割を超える中で、未対策の物件の中では最も耐震性能が低いものの一つであることが判明し ています。これは、震度 5 強以上の地震に耐えられない可能性があるレベルです。 z また、老朽化に伴う不具合や、日常的な修繕も多く発生している状況です。 z 水道庁舎は、水道部の拠点施設であり、災害時等に設置する対策本部(水道)となる施設で すが、防災拠点機能が十分には確保されていません。 24 3.水道事業の現状評価と課題 現在の水道庁舎(事務室棟) 現在の水道庁舎(ポンプ棟) (3) 今後取り組むべき課題 1) 水源地 z 配水池耐震補強事業、老朽管改良事業、配水池建替事業については、計画どおり進捗して おり、順調に耐震性等の改善を図っています。今後も耐震化の促進に向けて継続的に実施し ていく必要があります。 z 井戸更新事業については、現時点では計画どおり進捗しており、貴重な地下水の有効利用を 進めています。しかし、既存の井戸用地の敷地が狭く、掘り替え工事や改修工事等が実施で きない施設が残されており、今後はこれらの更新が困難な井戸の取り扱いについて、十分に 検討していくことが必要です。 z 水源地設備更新事業については、計画どおり進捗しています。しかし、受変電設備*等、大規 模な設備の更新が残されており、今後はこれらの大規模な更新事業を計画的に進めていく必 要があります。 2) 管路 z 今後、法定耐用年数を超える管路が増大することが予想されるため、管路の重要度や老朽 度を考慮しながら計画的に更新を行う必要があります。 z 地震時もライフラインとしての機能を確保するため、今後も引き続き耐震化率の向上に向けて 事業を推進していく必要があります。 3) 応急給水設備と資機材の備蓄状況 z 引き続き応急給水設備と資機材の備蓄に努める必要があります。 4) 水道庁舎 z 耐震性の低い水道庁舎の建替えについては、配水池耐震化を優先したこと、建替え用地の 選定や実施時期等の課題があり、これまでは具体的な検討が進んでいませんでした。水道庁 舎は、災害時の防災拠点として非常に重要な施設であることから、早期に対策を実施していく ことが必要です。 25 25 3.水道事業の現状評価と課題 3-3 健全な経営を持続する水道 「健全な経営を持続する水道」を達成するために、「組織体制の効率化・強化」、「運営管理の効率化・ 強化」、「広域化への取り組み」、「持続可能な経営と水道料金の適正化」を施策に掲げ、各種具体事業 に取り組んできました。 (1) 具体事業の取り組み 具体事業として、体系的な研修体制の確立と民間活力の拡大に取り組んできました。 体系的な研修体制の確立については、具体的な取り組みが進められておらず、技術の継承や職員 の技術力向上の面が課題となっています。 民間活力の拡大については、水道施設の運転管理等や料金徴収を外部委託化(業務委託)し、効 率的な運営管理の達成に努めてきました。今後はその他の業務についても外部委託化を検討し、より 一層の効率化・強化を進めていきます。 表-3.13 代表的な指標の推移(PI) 指標名称及び定義 (3105)技術職員率(%) =(技術職員総数/全職員数)×100 指標の 優位性 指標の意味 - 水道文化・技術の継承 の度合いを表す指標。 技術職員とは、水道施 設の物理的維持管理、 施設計画及び建設に携 わる職員のこと。 48.6 56.3 事業の収益性の分析の ための指標。 7.0 事業の収益性を見る際 のひとつの指標。100% 未満では営業損失が生 じていることを意味する。 118.4 (3008)給水収益に対する職員給与費の割合 (%) =(職員給与費/給水収益)×100 (3001)営業収支比率(%) =(営業収益/営業費用)×100 同規模 事業体 全国 事業体 平成27年度 (目標値) 54.8 47.2 41.7 55.0 5.5 5.4 12.8 12.6 6.0 124.3 121.3 107.3 113.5 120.0 平成21年度 平成24年度 平成26年度 (ビジョン策定) (ビジョン改訂) (最新実績) (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 表-3.14 「健全な経営を持続する水道」の進捗評価 基本方針 実施方策 具体事業等 実施 状況 事業実施スケジュール H24 H25 H26 H27 H28以降 事業の進捗と 今後の見通し 事業継続 の必要性 内部及び外部研修を積極的に実施しており、今後も 技術継承や生産性向上のための人材育成に向けた 研修体制を検討しながら進めていく。 継続 水源地施設の運転管理に係る包括委託を開始。今 後は他業務での導入も検討が必要。 継続 基本目標3 健全な経営を持続する水道 施策3-1 組織体制の 効率化・強化 ●体系的な研修体制の 確立 施策3-2 運営管理の 効率化・強化 計画 実績 計画 ●民間活力の拡大 実績 包括委託 事業スケジュールの凡例 計 画 実 績 :課題解決に向けて計画的に実施する方策 :継続的に実施する方策 :方策を実施した実績期間 :方策を実施する予定期間 26 26 3.水道事業の現状評価と課題 (2) 現状 1) 人事・組織 z これまで、組織機構の簡素化・効率化、事業の委託化等などの実施により、職員数の削減に 取り組んできました。今後は、専門性の向上とさらなる業務の効率化を進めていく必要がありま す。また、職員の平均年齢は 48 歳 2 ヶ月(平成 26 年度末現在)と高い状況が続いています。 そのため、知識・経験の豊富な職員の退職期を迎えて、技術の継承や専門職員の育成が急 務となっています。 ※ 水道事業管理者*、短時間勤務職員は含まない。 図-3.2 職員数の推移 表-3.15 職員の年齢別構成 区分 年数 25歳未満 事務職員 技術職員 その他の職員 合計 人員 比率 1 人 1 人 - 人 2 人 3.2 25歳~30 〃 - 3 - 3 4.8 30歳~35 〃 1 4 - 5 8.1 35歳~40 〃 - 4 - 4 6.5 40歳~45 〃 1 2 - 3 4.8 45歳~50 〃 7 5 1 13 21.0 50歳~55 〃 2 6 4 12 19.4 55歳以上 10 9 1 20 32.2 計 22 34 6 62 100.0 平均年齢 51歳3ヶ月 45歳5ヶ月 27 52歳5ヶ月 48歳2ヶ月 % 27 3.水道事業の現状評価と課題 z 職員一人当たり配水量は同規模事業体と比べて多い状況であり、組織効率は高いといえます が、さらに組織機構の見直しや、事務事業の効率化等を進めています。 表-3.16 業務指標(PI) 番号 3109 業務指標 指標の 優位性 職員一人当たり配水量 (m3/人) 指標の意味 H21 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 水道施設の経済性を総 括的に判断する指標で 565,000 613,000 632,000 628,000 641,232 645,967 379,240 373,494 あり、数値が大きいほど 効率的である。 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 2) 運営管理 ① 経費削減の取組み z 給水収益*に対する職員給与費の割合は、同規模事業体と比べて少ない状況でありますが、 引き続き組織・職員数の見直しのほか、手当の見直しや内部管理費の削減等を行っています (p26 の表-3.13 参照)。 z 組織機構の簡素化・効率化のため、水道メーターの検針業務及び料金徴収業務等の委託化 を進めています。水道メーターの検針業務は昭和 44 年から、料金徴収業務は平成元年から 委託を行っており、平成 22 年度からはこれに係る電算業務を加えた包括委託*を実施してい ます。また、水道施設の運転管理については、昭和 63 年度から委託を行っており、平成 24 年度から、民間活力による包括委託を導入し、管理体制の強化を図っています。 表-3.17 業務委託の実施状況 番号 委託業務 1 料金徴収・電算等(包括委託) 2 施設運転管理(包括委託) 3 庁舎総合管理 4 検定満期量水器取替 5 配水管等漏水状況現地確認 28 28 3.水道事業の現状評価と課題 3) 財務 ① 給水収益の推移 z 近年、有収水量は家庭用を中心に横ばい傾向が続いており、給水収益は伸び悩んでいます。 しかし、収益性を示す経常収支比率や事業の健全性を示す料金回収率 * 等については、 100%を上回る状況で推移しており、収益で事業費用を賄う健全な経営を維持しています。ま た、同規模事業体と比べてもこれら収益性を示す指標は良い状況にあります。なお、経常収 支比率については、平成 26 年度に地方公営企業会計制度の見直しが実施されたことにより、 営業外収益に現金収入を伴わない長期前受金戻入*が計上され、その影響により平成 25 年 度と比較して大きく上昇しています。 z 給水人口は伸びているものの、利用者一人当たり使用量の低下傾向や大口需要者による地 下水利用等の専用水道の設置が増加したことなどにより、有収水量*が伸び悩んでおり、今後 の事業経営に影響が見込まれます。 表-3.18 年間有収水量と給水収益の推移 項目 H21 H22 H23 H24 H25 H26 有収水量(千m3/年) 38,015 38,426 37,820 36,820 37,486 37,056 給水収益(億円/年) 70.2 70.8 69.5 68.0 69.0 68.3 収益的収入 資本的支出 億円 100 収益的支出 内部留保資金 資本的収入 収益的収支 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 H21 H22 H23 H24 図-3.3 財務状況の推移 29 H25 H26 29 3.水道事業の現状評価と課題 表-3.19 業務指標(PI) 指標の 優位性 指標の意味 H21 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 3002 経常収支比率(%) 経常費用が経常収益に よってどの程度賄われて いるかを示すものである。 100%未満であることは 経常損失を生じている。 110.7 121.7 112.9 120.4 118.6 129.6 105.3 107.3 3013 料金回収率(%) - 供給単価と給水原価の 関係を表しており、この 比率が100%を下回っ ている場合、給水に係る 費用が料金収入以外の 収入で賄われていること を示している。 104.0 115.1 106.4 113.3 112.2 124.4 96.6 100.4 3014 供給単価(円/m3) - 有収水量1m3当たりの販 売価格を表す。 184.7 184.1 183.6 184.7 184.1 184.4 162.2 172.0 3015 給水原価(円/m3) - 有収水量1m 当たりの生 産原価を表す。 177.6 160.0 172.6 163.0 164.1 148.2 167.1 172.0 番号 業務指標 3 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 ② 企業債*ほか z 5%以上の高金利企業債については、平成 23 年度までに約 23 億円を繰上償還しており、給 水収益に対する企業債利息や企業債償還金の割合は、全国や同規模事業体と比較して低く 抑えられています。また、企業債の発行は、元金償還額を上回らない範囲にとどめ、発行残高 を抑制しています。 z 財務安全性を示す流動比率や自己資本構成比率は、同規模事業体と比べて高い状況にあ り、財務安定性は高い状況を維持しているといえます。 ※なお、流動比率等については、平成 26 年度の地方公営企業会計制度の見直しにより、資 産や負債に計上する項目が大幅に変更となり、その影響により平成 25 年度との直接的な比 較は困難です。 表-3.20 業務指標(PI) 番号 業務指標 給水収益に対する企業 3009 債利息の割合(%) 3011 給水収益に対する企業 債償還金の割合(%) 3012 給水収益に対する企業 債残高の割合(%) 3022 流動比率(%) 3023 自己資本構成比率 (%) 指標の 優位性 指標の意味 H21 給水収益に対する企業 債利息の割合、事業の 収益性を分析する指標 5.9 のひとつであり、数値は 低い方が好ましい。 企業債償還金が経営に 与える影響を分析するた 10.0 めの指標であり、数値は 低い方が好ましい。 企業債残高の給水収益 に対する割合を示してお り、企業債残高の規模と 156.7 経営の影響を分析する ための指標。 流動負債に対する流動 資産の割合。財務安全 性を見る指標。100% 1,113.9 以上が必要、100%以 下であれば不良債務が 発生している。 総資本に占める自己資 本の割合を表しており、 財務的健全性を示す指 76.3 標。経営安定のためには 比率を高める。 H22 H23 H24 H25 H26 同規模 事業体 全国 事業体 5.5 10.8 2.9 2.8 2.7 4.6 8.3 10.6 46.8 6.2 6.3 6.5 14.6 22.6 144.9 100.9 102.7 100.7 101.0 181.6 330.2 912.7 581.0 801.6 738.1 542.4 444.7 973.1 77.8 82.8 84.1 84.5 85.9 70.8 68.8 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 30 30 3.水道事業の現状評価と課題 (3) 今後取り組むべき課題 1) 人事・組織 z 今後、知識・経験の豊富な職員の退職期を控えており、水道技術の継承が懸念されます。こ のため、組織体制の見直しとともに、体系的な研修体制の確立、専任職員の登用や再任用 職員の活用等により、技術力の向上及び技術継承が図られるよう対策を行う必要がありま す。 2) 運営管理 z 水道事業の経営状況は健全経営を維持していますが、将来に渡って健全な経営を維持でき るよう専門性の向上と業務委託範囲の拡大により、経営の効率化を推進していく必要がありま す。 3) 財務 ① 給水収益の推移 z 給水人口は伸びているものの、有収水量は伸び悩んでおり今後の事業経営に影響をおよぼ すおそれもあります。また、今後更新需要は増大すると見込まれており、経営基盤の強化とア セットマネジメント*による長期的な支出の把握や平準化に取り組む必要があります。 31 31 3.水道事業の現状評価と課題 3-4 市民から親しまれる水道 「市民から親しまれる水道」を達成するために、「市民サービスの向上」、「広報・広聴の充実」を施策に 掲げ、各種具体事業に取り組んできました。 (1) 具体事業の取り組み 具体事業として、口座振替促進事業と水道モニター制度の導入を掲げ、取り組んできました。 「口座振替促進事業」については、納入通知書等を発送する際、口座振替依頼書を同封して、普 及の促進を図っており、今後も継続して促進を図っていきます。 また、「広報・広聴の充実」については、導入を計画していた水道モニター制度は、検討の結果、実 施を見送ることとしましたが、水道施設見学会の拡大や、柏まつり等での広報活動の充実、水道事業 運営審議会の活性化、インターネットの活用等により、地域の皆様への情報発信や水道への理解を得 る機会を増やしてきました。 今後もより地域に根ざした水道事業を構築していくため、情報公開の手法や利用者の声を取り入れ る機会の拡充について、継続的に取り組む必要があります。 表-3.21 代表的な指標の推移(PI) 指標の 優位性 指標名称及び定義 平成21年度 平成24年度 平成26年度 (ビジョン策定) (ビジョン改訂) (最新実績) 指標の意味 利用者との双方向コミュ ニケーションの度合いを 示す指標。 (3204)水道施設見学者割合(人 /1000人) =(見学者数/給水人口)×1000 1.0 0.3 1.3 同規模 事業体 全国 事業体 平成27年度 (目標値) - - 1.5 表-3.22 「市民から親しまれる水道」の進捗評価 基本方針 実施方策 具体事業等 実施 状況 事業実施スケジュール H24 H25 H26 H27 H28以降 事業の進捗と 今後の見通し 事業継続 の必要性 水道利用者への広報を実施しており、今後も継続的 な広報による普及促進に努める。 継続 広報・広聴の充実に向けて、実効性のある手法の検 討が必要。 要検討 基本目標4 市民から親しまれる水道 施策4-1 市民サービス の向上 計画 ●口座振替促進事業 実績 施策4-2 広報・広聴の 充実 計画 ●水道モニター制度の導入 実績 未 実 施 事業スケジュールの凡例 計 画 実 績 :課題解決に向けて計画的に実施する方策 :継続的に実施する方策 :方策を実施した実績期間 :方策を実施する予定期間 32 32 3.水道事業の現状評価と課題 (2) 現状 1) 手続きサービス z 口座振替の推進やコンビニエンスストアにおける水道料金の納付等、市民の利便性の向上に 努めていますが、さらなるサービス向上のため、従来の取り組みに加え、納付方法の多様化 や納付機会の拡大などを検討しています。 表-3.23 水道料金の収納取扱い機関 水道料金の収納取扱い機関 説明 ① 銀行(ゆうちょ銀行含む) 市内に本支店を持つ金融機関 ② コンビニエンスストア 全国の主要コンビニエンスストア ③ 市行政機関の収納窓口 柏市役所、沼南支所、各出張所、柏駅前行政サービスセンター ④ 水道料金センター 水道部庁舎内 2) 広報・広聴 z 水道部ホームページでは水道事業の運営や財務、 サービス、事故、渇水に関する情報や FAQ(よくあ る質問)などを公開しており、水道部公式ツイッタ ーでは事故等の緊急情報を提供しています。 z 広報紙「かしわ水道だより」の発行や、学校や一 般の市民を対象とした水道関連施設の見学会の 実施等、柏市の水道に対する理解を深めてもらう ための広報活動を積極的に実施しています。 z 事業運営の適正化及び透明性確保のため、「柏 市水道事業運営審議会」を設置し、料金改定を はじめとする水道事業の経営に関する重要な事 項を審議しています。 広報紙「かしわ水道だより」 33 33 3.水道事業の現状評価と課題 表-3.24 現在実施している広報・広聴活動 内容 かしわ水道だより 期間・回数等 備考 年 2 回(6・12 月) 1 回あたり 136,500 部 主要日刊紙により市内全域に折り込み のほか、市役所・近隣センター等で配布 水道事業年報 ホームページ、ツイッター 水道施設の見学 年1回 柏市の行政資料室、図書館等に配架 随時更新 水道事業の紹介、事故等緊急情報、 FAQ の掲載等 年 1 回、その他随時 夏休み親子見学会ほか 柏まつり参加 年1回 直接飲用普及のため、冷たい水道水の 配布 パネル展示 年 1 回(水道週間) 市内近隣センター及び沼南支所にてパ ネル展示を実施 水道事業運営審議会 計画策定、料金改定等の水道事業経 随時 営に関する重要事項を審議 (注)上記のほか、市民 10 人以上の団体であれば誰でも開催できる勉強会(出前講座)への講師派遣要望に随時対応できる 体制を整えており、柏市教育員会における「生涯学習まちづくり出前講座」のメニューに登録している。 (3) 今後取り組むべき課題 1) 手続きサービス z 口座振替の促進は、利用者サービスの向上と合わせて徴収コストの低減にも効果的です。し かし、普及は飽和状態であり、従来の方法では利用率を大きく上げることは困難な状況です。 従来の口座振替促進事業は今後も継続的に実施していくとともに、口座振替率の向上を目 指し、新たなサービスの導入等の具体的な方策を検討していく必要があります。 2) 広報・広聴 z 広報・広聴体制については、水道事業の理解と水道利用の拡大につながるさまざまな事業を 展開するとともに、地域の皆様への情報を発信し、また要望や提案を受け入れていくための効 果的な手法の検討・見直しを継続し、市民サービスの向上及び水道利用の満足度向上につ なげていく必要があります。 34 34 3.水道事業の現状評価と課題 3-5 3-5 環境に優しい水道 環境に優しい水道 「環境に優しい水道」を達成するために、「省エネルギーの推進、自然エネルギーの有効活用等」、「漏 水防止対策の推進」、「廃棄物の減量化・リサイクル」、「環境保全のための管理活動の拡充」を施策に掲 げ、各種具体事業に取り組んできました。 (1) 具体事業の取り組み 具体事業として、単位水量あたりの電力消費量削減と計画的な漏水防止対策の推進に取り組んで きました。 単位水量あたりの電力消費量削減については、配水量 1m3 当たり電力消費量の 10%削減を目標 とし、配水ポンプの運転方法の見直し等により、平成 26 年度には平成 20 年度時点からの 10%削減を 達成しています。 また、計画的な漏水防止対策の推進については、老朽化した配水管の更新や鉛製給水管の取替え 等、漏水防止に向けた取り組みを実施し、一定の効果は得られていますが、目標達成には至っていま せん。 表-3.25 代表的な指標の推移(PI) 指標の 優位性 指標名称及び定義 3 (4001)配水量1m 当たり電力消費量 (kWh/m3) =(全施設の電力使用量/年間配水量) (5107)漏水率(%) =(年間漏水量/年間配水量)×100 平成21年度 平成24年度 平成26年度 (ビジョン策定) (ビジョン改訂) (最新実績) 指標の意味 同規模 事業体 全国 事業体 平成27年度 (目標値) 取水から給水栓まで1m3 の水を送水するのに要し た電力消費量を示す。 多くは送水・配水のため の電力量で、地形的条 件にも左右される。 0.32 0.30 0.27 0.16 0.44 0.29 配水量に対する漏水量 の割合を表す指標。この 値が小さいほど有効に使 用される水の割合が大 きいことを示す。 3.7 3.6 4.4 2.3 2.8 2.8 (注)同規模事業体は、水源が原水・浄水受水で給水人口 30 万人以上事業体(26 事業)の中央値(水道統計より算出)、全 国事業体は全国中央値((公財)水道技術研究センター算出)であり、いずれも平成 24 年度値。 表-3.26 「環境に優しい水道」の進捗評価 基本方針 実施方策 具体事業等 実施 状況 事業実施スケジュール H24 H25 H26 H27 H28以降 事業の進捗と 今後の見通し 事業継続 の必要性 過去5年での10%削減は達成したが、更なるレベル アップが必要。 継続 老朽管、鉛製給水管の更新事業が進捗中。 今後も継続的な実施が必要。 継続 基本目標5 環境に優しい水道 施策5-1 省エネルギーの推 ●単位水量あたり電力消費 進、自然エネルギー 量をH20年度比10%削減 の有効活用等 施策5-2 漏水防止対策 の推進 ●計画的な漏水防止対策 の推進 計画 実績 計画 実績 事業スケジュールの凡例 計 画 実 績 :課題解決に向けて計画的に実施する方策 :継続的に実施する方策 :方策を実施した実績期間 :方策を実施する予定期間 35 35 3.水道事業の現状評価と課題 36 (2) 現状 柏市の水道は、各水源地に設置されている配水ポンプを使用して地域の皆様へ水供給する「ポン プ加圧配水方式」となっていますが、この方式は、自然流下方式と比べて多くの電力を要します。この ため、浄水センターに設置されている中央監視制御システムにより、水圧を適正に調整し状況に応じ た効率的な配水運用を行っています。また、配水ポンプには、省エネ効果の高いインバータ制御方式 を採用し、電力消費量の抑制を図っています。 また、太陽光発電等の自然エネルギーの活用については、現在は進んでいないことから、導入につ いて検討していく必要があります。 (3) 今後取り組むべき課題 z 今後もさらなる省エネルギー化を推進するため、送配水エネルギーの省電力化に努めるとともに、 建替えを行う新水道庁舎への太陽光発電の導入や省エネ機器の設置等、「自然エネルギーの 有効活用」についても検討していく必要があります。 z 漏水防止対策については、今後も老朽管の更新や鉛製給水管の更新に取り組んでいくとともに、 漏水調査の実施等を検討し、水資源の有効利用を促進していく必要があります。 36 4.水道事業の将来見通し 4 水道事業の将来見通し 4.水道事業の将来見通し 4-1 水需要の将来見通し 柏市の総人口(行政区域内人口)は、現在も増加し続けており、今後も北部地域の宅地開発等により、 増加傾向は続く見通しとなっています。 また、行政区域内人口の伸びや水道未普及区域*の解消により、給水人口及び給水量についても、同 様の傾向で増加していくことが想定されます。 しかし、給水量については、一人一日当たりの使用水量が減少傾向にあることから、大幅な伸びは期待 できません。 また、行政区域内人口は、平成 37 年をピークとして、減少へ転じていくという推計結果が出ています (柏市第五次総合計画)。そのため、長期的には給水量や料金収入は減少していくと考えられ、より厳しい 事業環境となっていくことが想定されます。 一日平均給水量 人口(万人) 行政区域内人口 44.0 給水人口 水量(万㎥/日) 11.5 ピーク 42.0 40.0 11.0 38.0 給水人口・給水量 ともに減少 36.0 10.5 34.0 32.0 30.0 10.0 H21 H23 H25 H27 H29 H31 H33 H35 H37 H39 H41 H43 H45 H47 実績 予測 図-4.1 水需要の見通し 37 37 4.水道事業の将来見通し 4-2 水道施設更新の将来見通し 水道施設更新の将来見通し 4-2 (詳細は資料3を参照してください) 柏市の水道施設(土木構造物、建築物、機械・電気設備等)や管路の多くは、柏市の人口急増期に建 設されており、建設から 30 年以上を経過したものが多く存在しています。 これまでも老朽化した水道施設や管路の更新を積極的に進めてきましたが、法定耐用年数で更新する 場合の更新需要(更新に要する費用)は、今後は、これらの施設・管路の更新需要が大幅に増大していく 見通しとなっています(図-4.2、図-4.3 参照)。 柏市では、施設の健全性を確保しながら事業を実施するために、アセットマネジメント(マクロマネジメント) を実施し、全国一律の法定耐用年数ではなく、施設・管路の種別による使用年数の実績や使用環境、劣 化状況等を踏まえた更新時期(以下、更新基準年数といいます)の設定を行い、財政計画(将来の財政 収支見込み)との整合を図っています(詳細は「4-3 財政収支の将来見通し」を参照)。 さらに、「水道施設更新計画*」では、上記に加え、施設の重要度を考慮した事業優先順位を設定して います。これらにより、更新事業は、水道の安定供給の確保と事業経営の健全性の確保を両立した事業 計画に基づいて実施していきます。 図-4.2 水道施設更新の将来見通し 図-4.3 管路更新の将来見通し 38 38 4.水道事業の将来見通し 【柏市水道事業のアセットマネジメント検討について】 アセットマネジメント(マクロマネジメント)は、下図に示す手順で実施しました。 検討期間は将来 60 年間とし、水需要の見通しに基づいて、法定耐用年数で更新を進めた場合の更 新需要、財政収支の見通しを検討しました。 また、法定耐用年数では実態の使用実績より早く更新する計画となる場合が多いことから、各施設の 使用実績や重要度等に基づく本市独自の更新基準年数を定め、それに基づいた更新需要、財政収支の 見通しを検討しました。 さらに、更新基準年数に基づく更新計画に、事業計画(新規事業や耐震化計画等)を反映し、財政収 支の見通しと、将来における事業経営の健全性の把握を行いました。 参考図 柏市水道事業のアセットマネジメント検討フロー 39 39 4.水道事業の将来見通し 4-3 4-3 財政収支の将来見通し 財政収支の将来見通し (詳細は資料3を参照してください) 全国的な水需要の減少と水道料金収入の低下が課題とされる中、柏市では、人口の増加傾向が続い ていることや、経営の効率化促進への取り組み等により、健全な事業経営を進めてくることができました。 しかし、本ビジョン施策推進期間の 10 年間は、給水収益は減少しない見通しですが、その後、給水人 口は減少に転じることが想定されており、給水収益も減少していく見込みです。 一方で、水道施設や管路の更新需要(更新に要する事業費)は増大していく見通しです。 これらの状況を踏まえて、この度実施したアセットマネジメントでは、更新基準年数により更新した場合の 更新需要(年間平均約 23 億円(対象期間平成 27~87 年度の 61 年間の合計約 1,379 億円)を見込 んでおり、法定耐用年数により更新した場合(年間平均約 45 億円(同合計約 2,744 億円))と比較して年 間約 22 億円の低減が見込まれます。 この結果を踏まえ、本ビジョンでは、耐震化等の必要な事業は優先的に実施するとともに、事業費を平 準化した事業計画を策定しました。事業計画に基づいた将来の財政収支の見通しは、外的な変動要因 を考慮せず、また、料金改定を行わない条件で推計した結果、将来見通し期間である 20 年後の平成 47 年度時点で、収益的収支は黒字を維持し、内部留保資金が 28 億円程度確保される見込みとなり、収益 的収支で利益を確保していること及び内部留保資金が確保されていることから、経営の健全性は保たれ ると判断されました。 しかし、特に施策推進期間では、現状の建設改良費よりも多くの事業を実施する必要があり、内部留保 資金は徐々に減少していく見込みとなっているため、今後の収支状況等を注視していく必要があります。 図-4.4 財政収支の将来見通し 40 40 4.水道事業の将来見通し 4-4 長期的な将来見通し 概ね 50 年後までを見据えた将来見通しについては、人口減少に伴い水需要は約 10%減少し、水道施 設の更新需要も水源地の全面的な更新等、大規模な事業が見込まれます。そのため、現在の水道施設 の規模(能力)を維持したままでは、健全な経営状態を維持していくことが困難となることが予想されます。 また、これらの問題に効率的に対処していくためには、関係団体とも連携を図りながら、広域水道の視点 に立った取り組みについても積極的に進めていくことが必要になると考えられます。 図-4.5 水需要の見通し(長期) このたび実施したアセットマネジメント(マクロマネジメント)の結果からは、水需要の減少により給水収益 の減少が続くと見込まれ、現状の水道料金では、平成 55 年度に収益的収支は赤字に転じる見込みとな っています(図-4.6 参照)。 また、資金面では、水道事業ビジョンの施策推進期間には、耐震化をはじめとする事業を集中的に実 施するために事業費が増大し、企業債の借入を増額する必要があります。その後は、水道事業ビジョンの 施策推進期間に前倒しで実施したことによる事業平準化の効果により資金額は一定レベルを維持できま すが、給水収益が現状と比較して減少すること等により、企業債の借入を増額した場合でも平成 72 年度 には資金不足となる可能性があります(図-4.7 参照)。 平成 55 年度から平成 71 年度までは資金額は確保しているものの収益的収支が赤字である状況が継 続し、平成 72 年度には資金不足の可能性が示唆されたことから、更新需要等に係る事業費の大幅な圧 縮ができなければ、社会情勢や他事業体の動向等も踏まえた上で、水道料金値上げの検討も視野に入 れる必要があると考えられます。 41 41 4.水道事業の将来見通し ※折線で表示している収益的収支は、収益的収入-収益的支出-長期前受金戻入で算出した値 図-4.6 財政収支の見通し(収益的収支・長期) 図-4.7 財政収支の見通し(資本的収支・長期) 以上から、長期的な事業運営としては、水需要予測を定期的に見直すとともにアセットマネジメントを継 続的に実施することが重要であり、減少する水需要を考慮した適切な事業規模や施設規模への転換(ダ ウンサイジング)、事業費の更なる削減・抑制を前提とした施設・管路の更新・延命化・統廃合、近隣事業 体との広域化等を図り、持続的な安定供給に向けた経営努力を続けていく必要があります。 42 42 5.水道事業の将来像 43 5 水道事業の将来像 5.水道事業の将来像 5-1 基本理念 基本理念 5-1 国(厚生労働省)が公表した新水道ビジョンにおいては、「地域とともに、信頼を未来につなぐ日本の水 道」を基本理念として、地域住民と連携しながら、水道のレベルアップに向けて挑戦していくことが示されて います。 柏市の水道事業は、昭和 30 年の給水開始以来、生活様式の変化や市勢の発展に応じて、市民生活、 社会経済活動等を支えてきました。現在では、普及率が約 94%と、市民にとって欠くことのできないライフ ラインとなっています。しかし、水道事業を取り巻く環境は変化してきており、将来的には水需要と料金収 入は減少傾向に転じることが想定される中、施設の老朽化の進行による更新需要の増大が見込まれ、震 災や水質事故等に備えた危機管理体制のさらなる強化など、これまでとは異なる環境変化に対応してい かなければならないと考えられます。 平成 20 年 11 月に策定した「柏市地域水道ビジョン」(平成 24 年 3 月改訂)では、水道事業を取り巻く 社会の潮流と、様々な課題に的確に対応しながら、市民から信頼される持続可能な水道事業を確立し、 市民にとって欠くことのできない生命の水を未来へ引き継いでいくことを実現するために、『生命(いのち)の 水を未来につなぐ柏の水道』を基本理念(水道事業の将来像をスローガンとして表現したもの)に掲げてき ました。 この基本理念は、これからも柏市の水道事業が目指すべき普遍のものとして引き継ぎ、「柏市水道事業 ビジョン」においても、この基本理念の実現を目指していくこととします。 また、水道事業の将来像を、この基本理念が実現している状態と定義し、これに向けて具体的な取り 組みを示すこととします。 今後さらに厳しさが増す事業環境の中で、基本理念の実現に向けて挑戦していくためには、地域の皆 様の理解と協力を得ながら事業経営にあたっていく必要があります。柏市水道事業は、地域の皆様と連 携して挑戦していく姿勢で事業経営にあたり、水質、安定給水、経営、市民サービス、環境等の課題に対 し、次に示す基本目標と具体的な施策を定め、対応していきます。 43 5.水道事業の将来像 5-2 基本目標 基本目標 5-2 国の「新水道ビジョン」では、将来の水道の理想像を実現するために、「強靭」・「安全」・「持続」の 3 つ の観点から課題抽出や推進方策を具体的に示していくことが記されています(「新水道ビジョン」における 水道の理想像と「強靭」・「安全」・「持続」の概念を参考図に示します)。 柏市においても、基本理念を実現するための重点的な実現方策を、前述の 3 つの観点ごとに整理し、 基本目標として定めました。 図-5.1 基本理念の実現に向けた基本目標 参考図 「新水道ビジョン」における水道の理想像 (新水道ビジョンより) 44 44 5.水道事業の将来像 5-3 5-3 基本施策 基本施策 3つの基本目標を見据えた上で、柏市の抱える課題や事業環境の変化に対処していくために、基本目 標ごとに分類した推進項目に対する取組方針を、基本施策として定めました。 【「強靭」・「安全」・「持続」の 3 つの観点からの課題抽出】 「3.水道事業の現状評価と課題」で整理した課題を、3つの観点から再整理し抽出すると、表-5.1 の ようにまとめることができます。 表-5.1 抽出された課題 観点 課題のまとめ (「3.水道事業の現状評価と課題」より) 老朽施設の更新を計画的に実施するとともに、施設や管路の耐震化や災害時における 「強靭」 応急給水・応急復旧体制の拡充を推進することが必要です。 また、災害時の防災拠点となる庁舎の早期建替えが必要となっています。 適正な水質監視体制を継続していくとともに、トリハロメタン低減化対策をはじめとした水 「安全」 質リスクへの対応強化等に取り組み、更なる水質の向上を図ることが必要となっています。 また、自己水源である井戸の計画的な更新が必要です。 施設・管路の更新や耐震化事業を確実に推進するため、経営基盤の強化とアセットマネ ジメントによる支出の平準化が必要となっています。 「持続」 また、水道技術を確実に継承しつつ経営の効率化を一層進めるとともに、市民の要望が 反映できる体制の構築も求められています。 さらに、鉛製給水管の解消や漏水修繕による漏水率の低減への取組み、自然エネルギ ーの活用検討など、環境に配慮した施策に取り組むことも必要となっています。 【将来の事業環境】 「4.水道事業の将来見通し」で整理したように、柏市では表-5.2 のような事業環境の変化が予測され ています。 表-5.2 将来の事業環境の見通し 区分 事業環境の見通し ( 「4.水道事業の将来見通し」より) 給水人口・給水量は平成 37 年度までは増加する見通しですが、その後減少 将来 (概ね 20 年後まで) に転じ、20 年後の水需要は、現在と同程度か、やや減少する見込みです。 また、水道施設は建設から 30 年が経過した施設が多く存在し、更新が必要な 施設は増加していく見込みであり、耐震化等の施設整備も必要となることから、 内部留保資金は徐々に減少していくことが予測されています。 給水人口・給水量は減少を続け、50 年後の水需要は、現在と比較して約 10%程度減少する見込みです。 長期的な将来 (概ね 50 年後まで) また、市内のエリア別人口分布も大きく変化することが予測されており、配水ブ ロックごとの供給体制にも影響が出る可能性があります。 これらのことから、健全な経営状態を維持するために、施設規模や配置を見直 すことが必要になると見込まれています。 45 45 5.水道事業の将来像 以上の現状における課題と将来予測される事業環境を踏まえ、3 つの基本目標別に 13 の基本施策を 定めました。 基本目標1 『強靭』 災害に負けない、たくましい水道 大規模地震の発生等が危惧される中で、老朽施設・管路の更新や耐震化が必要となっています。 将来的には更新を必要とする施設・管路が増える中で、水需要は減少に転じると予測されており、健全 経営の持続も考慮した施設整備が必要です。このため、以下の 5 つの基本施策を定めました。 (基本施策1)老朽施設・老朽管の更新 z 老朽管更新や老朽設備の補修、更新を進め、管路や設備の事故リスクを低減させます。 z 補修による延命化を行うことにより、設備更新に要する費用の低減を図ります。 (基本施策2)水道施設の耐震化 z 管路や水源地施設の耐震化により、災害等が発生した場合にも必要な施設への給水、浄水処理の 継続を可能にします。 z 水道庁舎の建替えにより、応急給水や応急復旧対策の拠点が確保されます。 (基本施策3)水道施設のレベルアップ z z z z 近隣事業体との協力体制を検討することで、地域全体としての事業運営の効率化を目指します。 新設基幹管路*の整備により、災害時の安定給水確保を図ります。 配水管の洗浄作業により、濁水*の発生を予防します。 未普及区域や区画整理事業区域内に配水管を整備し、市内全域での水道サービスの提供を目指 します。 (基本施策 4)応急給水の確保 z 応急給水設備の整備と点検を実施することにより、災害時の応急給水が必要となる場合に、早く確 実な給水確保を図ります。 (基本施策 5)応急復旧体制の整備 z 危機管理体制の強化をはじめ、防災拠点の整備、防災備品や資機材を調達できる仕組みを整える ことにより、確実で迅速な応急復旧体制の整備を目指します。 46 46 5.水道事業の将来像 基本目標2 『安全』 いつでも安全で信頼される水道 更なる水質の向上が求められ、水源から給水栓までの水質管理体制の維持が必要となっています。 このため、以下の 3 つの基本施策を定めました。 (基本施策 6)適切な水源保全の推進 z 水源井戸の適正な維持管理の実施と適正な水量での地下水利用を行うことにより、自己水源の水 量や水質維持を図ります。 (基本施策 7)水質管理体制の強化 z z 水安全計画を策定することで、水質監視体制の強化と、水質リスクへの対応強化を図ります。 トリハロメタン低減化対策を進めることにより、より安全で安心な水道水の提供を図ります。 (基本施策 8)小規模貯水槽水道の適正管理 z 小規模貯水槽水道の実態調査を実施し、貯水槽等の管理不備による衛生問題の発生を防止しま す。 47 47 5.水道事業の将来像 基本目標3 『持続』 いつまでも市民とともにある水道 水道事業を持続させるためには、市民の意見を把握し、市民と連携して施策を進める必要があります。 また、施設耐震化等の事業を確実に実施するためには、経営基盤の強化と水道技術の継承が必要です。 さらに、環境に配慮した事業運営も求められています。 将来的には、水需要の減少により利益の確保が困難となることが予測され、さらに経営環境が厳しくなる ものと想定されます。このため、以下の 5 つの基本施策を定めました。 (基本施策 9)経営基盤の強化 z z z これまで民間委託してきた業務範囲の拡大等により、業務効率化を図ります。 鉛製給水管の解消及び修繕を行うことで、漏水の低減を図ります。 アセットマネジメントと水道事業運営審議会の実施により、安定した水道事業経営の継続と事業運営 の透明性確保を図ります。 (基本施策 10)効率的な組織体制への見直し z 組織体制の継続的な見直しと研修等による人材育成を進め、効率的で技術に裏打ちされた水道事 業運営の継続を図ります。 (基本施策 11)利用者サービスの充実 z z 水道事業に関する情報を様々な手段で発信することで、より多くの市民に伝わり、事業への理解や 信頼につながるよう取り組みます。 支払方法の拡充や口座振替の促進により、利用者の利便性の向上や、料金徴収業務の効率化を 図ります。 (基本施策 12)官民連携の推進 z 効果のある民間委託形態や新たな委託形態を検討することにより、事業運営の効率化を図ります。 (基本施策 13)環境保全の推進 z CO2 排出量削減の取り組みや、再生可能エネルギー*の利用促進などを進めることにより、環境に配 慮した事業運営を目指します。 48 48 5.水道事業の将来像 【柏市水道事業ビジョンの施策体系】 柏市では、3つの基本目標を具現化し、水道事業の将来像としての基本理念の実現を図るため、図 -5.2 に示すとおり、基本施策に基づく具体的な対応策としての取組み(以下「具体事業」といいます)を 13 の基本施策に沿って計画し、実行していきます(具体事業については、「6.将来像実現のための施策」 で詳述します)。 基本理念 : 『生命(いのち)の水を未来につなぐ柏の水道』 基本目標1:「強靭」 基本目標2:「安全」 基本施策1 :老朽施設・老朽管の更新 基本目標3:「持続」 基本施策9:経営基盤の強化 基本施策6:適切な水源保全の推進 基本施策10:効率的な組織体制への見直し 基本施策2 :水道施設の耐震化 基本施策3 :水道施設のレベルアップ 基本施策7:水質管理体制の強化 基本施策11:利用者サービスの充実 基本施策4 :応急給水の確保 基本施策8:小規模貯水槽水道の適正管理 基本施策12:官民連携の推進 基本施策5 :応急復旧体制の整備 具体事業の実施 基本施策13:環境保全の推進 具体事業の実施 『将来像』の実現 図-5.2 柏市水道事業ビジョンの施策体系 49 具体事業の実施 49 6.将来像実現のための施策 6 将来像実現のための施策 6.将来像実現のための施策 柏市水道事業の抱える課題を踏まえ、柏市水道事業の基本理念『生命(いのち)の水を未来につなぐ 柏の水道』を実現させるために、3つの基本目標(13の基本施策)に基づき具体事業を計画しました。具 体事業は、13の基本施策ごとに、誰が・何を・いつ行うのかを明確にし、施策推進期間の 10 年間と将来 見通し期間の 10 年間に分けて示しています。 6-1 6-1確実な給水の確保「強靭」 確実な給水の確保「強靭」~災害に負けない、たくましい水道~ ~災害に負けない、たくましい水道~ 災害に負けないたくましい水道となるために、老朽化した施設・管路の更新とともに、重要施設*の耐震 化やレベルアップ、災害時における応急給水確保や復旧体制の整備を進めます。施設・管路の更新等に ついては、アセットマネジメントや財政収支見込みを踏まえた柏市水道施設更新計画に基づき事業を実 施します。 表-6.1 基本施策別の具体事業内容(基本目標1:「強靭」) 基本施策 具体事業 1-01 老朽管の更新 〈基本施策 1〉 老朽施設・老朽管の更新 ① 老朽管改良事業 ② 未譲渡配水管の解消 1-02 老朽設備の修繕・更新 ① 老朽設備の修繕・更新 2-01 管路の耐震化 ① 重要施設管路の耐震化 〈基本施策 2〉 水道施設の耐震化 ② 基幹管路(導・送・配)の耐震化 2-02 水源地施設の耐震化 ① 土木施設の耐震補強、建築施設の耐震補強 2-03 水道庁舎の耐震化及び防災拠点化 ① 水道庁舎の耐震化 3-01 広域化への取り組み 基 本 目 標 1 〈基本施策 3〉 水道施設のレベルアップ 強 靭 ① 近隣事業体との広域化の協議・検討 3-02 新設基幹管路の整備・拡充 ① 新設基幹管路(導・送・配)の整備 3-03 配水管洗浄作業の実施 ① 計画排水作業の実施 3-04 配水管網の拡充 ① 未普及区域の解消 3-05 北部地域整備事業 ① 土地区画整理事業(北部中央・東地区)に合わせた管網整備 〈基本施策 4〉 応急給水の確保 4-01 応急給水設備の整備・充実 ① 耐震性貯水槽等の整備・維持管理 5-01 危機管理体制の強化 ① 応急給水訓練等の実施(地域との連携・協議) ② 災害・水質事故等対策指針の見直し 〈基本施策 5〉 応急復旧体制の整備 5-02 防災拠点の整備 ① 庁舎建替えに伴う防災拠点化事業 ② 各水源地への無線通信システム等の整備 5-03 防災備品の備蓄と資機材の確保 ① 防災倉庫の整備、備品の購入 ② 災害時仮設資材の確保 50 50 6.将来像実現のための施策 1-01 老朽管の更新 ① 老朽管改良事業 老朽化した管路を更新するとともに耐震化を図る。 ② 未譲渡配水管*の解消 未譲渡配水管の調査(特定)と更新を推進する。 事業の 効果 主な 取組み ・老朽管の更新と耐震化を進めることにより、管路の事故リスクが低くなるとともに、災害 等が発生した場合でも断水しにくい管路になります。 ・ダクタイル鋳鉄管等の更新基準年数は70年と設定し、強度が低く昭和40~50年代に布設された老朽塩化ビニル管や 老朽鋳鉄管を最優先として耐震管に布設替えしていく。 ・未譲渡となっている配水管約1,500mを調査し、所有者に対し無償譲渡について交渉する。水道部に譲渡された後、 更新するために必要な実施設計を行い、工事を施工する。なお、私道を占用している場合は、土地所有者に土地使用承 諾を得る。 H28 H29 L=平均11.0 km /年 年次 計画 調査・ 交渉 H30 H31 H32 H34 H35 H36 H37 老朽管改良 H38以降の10年 L=平均13.1km /年 未譲渡配水管の解消 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 H33 ・(PI:2104)管路更新率(%) [↑] =(更新された管路延長 / 管路総延長) × 100 指標の説明 年間の管路の更新の割 合を表す指標。仮に全 管路を40年間で更新す るとすると、この値は平 均2.5%となる。 事業費 ・老朽管改良事業 : 122.0 億円(H28~37) ・未譲渡配水管の解消 : 1.7 億円(H28~37) 参考図 <老朽管更新工事の様子> 51 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 1.63 1.23 1.23 現況値 1.21 125.0 億円 51 6.将来像実現のための施策 52 <(参考)将来必要となる管路更新延長(更新基準年数による)> 柏市独自に設定した更新基準年数による将来の更新需要の見通しを次図に示します。 更新需要は、今後 20 年間は年間 7~10km 程度と見込まれますが、その後増加し、20 年後~ 50 年後では年間平均の更新需要が約 20km となる見通しです。 このため、本ビジョンでは、アセットマネジメントの考え方を踏まえ、これまで更新が進んでいなかっ た管路は施設の健全性に配慮したうえで更新を繰り延べ、また、今後 20 年後以降に必要となる更 新の一部については、優先度合いに応じて前倒しをすることにより事業量の平準化を図り、整備計 画を策定しました。 これにより、年間の平均整備量は、本ビジョン期間(施策推進・将来見通し期間)中の平均で約 17km、その後は約 15km となります。 なお、管路更新に伴い耐震管への布設替えを行うため、管路更新の前倒しにより管路耐震化が 一層推進されます。 参考図 注 1) 年 間 平 均 需 要:矢印で示した期間の更新基準年数による平均的な更新需要(延長)。 注 2) 年間平均整備計画:矢印で示した期間の平均的な計画整備延長。 計画整備延長には、具体事業「1-01 老朽管の更新」の整備延長と「2-01 管路の耐震 化」の整備延長が含まれる。 52 6.将来像実現のための施策 1-02 老朽設備の修繕・更新 ① 老朽設備の修繕・更新 老朽化した設備の更新を実施し、安全性を確保する。定期的な修繕を実施し、設備機器の延命化 を図る。 ・老朽設備を更新することにより、水源地での各工程における事故リスクを低減させるこ 事業の 効果 主な 取組み とができます。 ・設備の延命化を進めることにより、更新に必要となる費用を低減させることができます。 ・水源地老朽化設備を計画的に改修・更新・整備し、リスクを伴う突発的な事後修繕等を極力生じさせない。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 受変電設備更新工事 第三水源地 年次 計画 工事設計 H35 H36 H37 H38以降の10年 第四水源地 第六水源地 工事設計 岩井水源地新館 工事設計 電気・機械設備更新工事(各水源地) 設備機器修繕 数値 目標 事業費 指標名称及び定義 [指標の優位性] 指標の説明 ・(PI:2102)経年化設備率(%) [↓]=(経年 化年数を超えている電気・機械設備数 / 電気・ 機械設備の総数) × 100 設備の経年化状況を表 す指標。この値が大き いほど古い設備が多い ことを示すが、使用の可 否とは一致しない。 : : : : : : : ・受変電設備更新工事 (第三水源地) ・受変電設備更新工事 (第六水源地) ・受変電設備更新工事 (第四水源地) ・受変電設備更新工事 (岩井水源地新館) ・電気・機械設備更新工事 ・設備機器修繕 ・合計 53 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 64.2 60.0 55.0 現況値 6.8 8.1 7.0 3.6 29.4 14.2 約69.1 億円(H28~29) 億円(H30~32) 億円(H32~34) 億円(H34~36) 億円(H28~37) 億円(H28~37) 億円(H28~37) 50.0 受変電設備更新 ほか 約46.3 億円 53 6.将来像実現のための施策 <受変電設備(屋内型)> <受変電設備(屋外型)> <配水ポンプ制御盤> <配水ポンプ> 参考図 参考図 <非常用発電機> 54 54 6.将来像実現のための施策 2-01 管路の耐震化 ① 重要施設管路の耐震化 重要施設への配水管の耐震化を図り、災害時等における給水ルートを確保する。 ② 基幹管路(導・送・配)の耐震化 災害時等にも安定供給が可能なよう既存の導・送水管*を含めた基幹管路の更新(耐震化)を行う。 事業の 効果 主な 取組み ・災害時に重要な役割を果たす管路を耐震化することにより、必要とする施設に給水で きるようになります。 ・重要施設への供給管路を更新し耐震化を図る。 ・第四水源地の幹線の布設替工事を、継続事業として進める。 ・導・送水管の布設替工事を新規事業として施工する。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 重要施設管路の耐震化 L=平均4.6km /年 H38以降の10年 L=7.7 km/年 (H38~42) 基幹管路(導・送・配)の耐震化 年次 計画 L=0.2 km L=1.4 km L=0.3km 第三水源地導水管 第三水源地導水管 第四水源池幹線工事 L=0.9km (H29~31) 第四水源地導水管 L=2.0km (H30~31) L=0.1km L=0.6 km L=3.7 km (H35~37) L=2.2km (H32~35) 第五水源地導水管 送水管 L=1.1km L=0.9 km/年 配水本管 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 事業費 指標の説明 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 現況値 ・(PI:2210)管路の耐震化率(%) [↑] = (耐震管延長(km)/管路総延長(km))×100 管路延長に占める耐震 管の割合を表す指標。 この指標が高いほど地 震時も壊れない管路割 合が高い。 21.1 29.3 35.9 48.8 ・重要施設管路耐震化 : 重要施設管路耐震 化率(%) [↑]=(目標年度に耐震化されている 重要施設管路延長/重要施設管路延長)× 100 病院・避難所等の災害 時に特に給水が必要な 施設への管路の耐震 化の割合を表す指標。 17.6 39.2 55.7 91.3 ・基幹管路の耐震化 : 基幹管路(導・送・配) 耐震化率(%) [↑]=(目標年度に耐震化され ている基幹管路延長 / 基幹管路延長)×100 水道システム上特に重 要な導水管、送水管、 基幹的な役割を果たす 配水管の耐震化割合を 表す指標。 33.7 51.2 62.3 64.7 ・重要施設管路の耐震化 : 73.0 億円(H28~37) ・基幹管路(導・送・配)の耐震化 : 22.3 億円(H28~37) 55 56.7 億円 55 6.将来像実現のための施策 <(参考)耐震適合性がある管の割合(基幹管路※)(%)> 68.8%(平成 26 年度末) ※ 柏市の管網システム*のうち、導水管・送水管・φ400 以上の配水本管のこと。 参考図 <基幹管路、重要施設管路のイメージ図> 56 56 6.将来像実現のための施策 2-02 水源地施設の耐震化 ① 土木施設の耐震補強、建築施設の耐震補強 災害時等にも安定供給が可能なよう施設の耐震性を確保する。 事業の 効果 ・水源地施設を耐震化することにより、災害等が発生した場合でも水道水の供給を継続 することができるようになります。 <配水池耐震補強(イメージ図)> 57 57 6.将来像実現のための施策 <配水池耐震工事の様子> <配水池耐震工事の様子> <ステンレス製配水池> <着水井*耐震補強工事の様子> 参考図 参考図 58 58 6.将来像実現のための施策 2-03 水道庁舎の耐震化及び防災拠点化 ① 水道庁舎の耐震化 防災拠点となる水道庁舎の耐震性を確保するため、建替えを行う。 事業の 効果 主な 取組み ・水道庁舎の建替えを行うことにより、災害時等に必要となる応急給水や応急復旧対応 の拠点が確保できるようになります。 ・庁舎建替えにより、耐震性を有する防災拠点を整備する。 ・有事の際を考慮した機能的な設計とし、防災拠点機能を構成するスペース(対策本部室、情報収集室、コールセン ター室など)を設置する。 ・建替え手法その他の検討に当たっては、水道部内に検討組織を設置して行う。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 - 100 H38以降の10年 第一水源地の撤去、庁舎建替え 年次 計画 第一水源地 第一水源地 撤去設計 撤去工事 庁舎計画・設計 数値 目標 事業費 4号配水撤去 緊急貯水槽設置 庁舎建築 工事 旧庁舎 撤去 指標名称及び定義 [指標の優位性] 指標の説明 ・庁舎建替え進捗率(%) [↑]=(事業開始か ら目標年度までの実施事業費 / 計画事業費 (事業費の増減があれば都度見込む))×100 災害時等に拠点となる 庁舎建替え事業の進捗 状況を表す指標。有事 の際にも庁舎機能が維 持されることにより、迅 速な応急給水や応急 復旧が可能となる。 ・第一水源地の撤去、庁舎建替え:約7 億円(H28~32) 参考図 <現在の水道庁舎> 59 現況値 - - - 59 6.将来像実現のための施策 3-01 広域化への取り組み ① 近隣事業体との広域化*の協議・検討 近隣事業体との広域化、災害時等の水の相互融通*等広域連携を検討、協議していく。 事業の 効果 主な 取組み ・近隣事業体との広域的な協力体制を検討・協議することにより、近隣地域全体として の事業運営の効率化を目指します。 ・市民へのサービスを考慮しながら、統合や連携の可能な領域を継続的に検討し、その上で、近隣事業体と広域化(広 義の広域化を含む)、災害時等の相互融通等を検討・協議していく。 H28 年次 計画 H29 H30 近隣事業体との広域化の協議・検討 H31 H32 H33 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 0 1 H38以降の10年 広域化への取り組み 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 H34 指標の説明 現況値 広域連携に向けた他事 ・広域連携に関する検討会議の実施(回/年) 業体との協議・検討の 機会の設定状況を示す [↑] 1 1 指標。 事業費 - - 60 60 6.将来像実現のための施策 3-02 新設基幹管路の整備・拡充 ① 新設基幹管路(導・送・配)の整備 新たな基幹管路の整備を図り、災害時においても安定供給が確保可能なようにする。 事業の 効果 主な 取組み ・新設基幹管路の整備を行うことにより、災害等が発生した場合でも断水しにくい管路シ ステムになります。 ・新設基幹管路を整備するとともに、整備状況に応じた配水幹線のループ化を検討し、災害時においても安定供給が確 保できるようにする。 H28 年次 計画 H29 H30 H31 H32 事業費 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 - 17.8 33.3 H38以降の10年 新設基幹管路の整備 L=0.8km L=0.7km 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 H33 ・新設基幹管路の整備:新設基幹管路(導・ 送・配)整備進捗率(%) [↑]=(事業開始から 目標年度までの整備総延長 / 計画整備総延 長)×100 指標の説明 水道システム上特に重 要な導水管、送水管、 基幹的な役割を果たす 配水管の整備進捗状 況を表す指標。 現況値 ・新設基幹管路の整備 :7.1 億円(H28~37) 100.0 6.7億円 参考図 <新設管布設工事の様子> 61 61 6.将来像実現のための施策 3-03 配水管洗浄作業の実施 ① 計画排水作業の実施 経年化した管路からの濁水の発生を低減し、給水サービスの向上を図る。 事業の 効果 主な 取組み ・経年化した配水管の洗浄作業を実施することにより、濁水の発生が予防されます。 ・比較的人口が密集した地域を対象に前回管洗浄を実施した年度を考慮して、管洗浄区域を定めて口径100mm以下 の配水管について直営及び委託で管洗浄を実施する。 H28 年次 計画 数値 目標 事業費 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 - 45 H38以降の10年 配水管洗浄作業の実施 60km/年 75km/年 指標名称及び定義 [指標の優位性] 指標の説明 ・管洗浄実施率(%) [↑]=(管洗浄を実施し た配水管延長/配水管洗浄計画延長)×100 配水管洗浄計画の進 捗状況を表す指標。計 画の確実な実施により 濁水の発生が予防され る。 現況値 ・管洗浄(委託料):2.4 億円(H28~37) 100 100 2.7 億円 参考図 <配水管洗浄作業の様子> 62 62 6.将来像実現のための施策 3-04 配水管網の拡充 ① 未普及区域の解消 未普及区域を解消し、給水サービスの向上を図る。 事業の 効果 主な 取組み ・未普及区域への配水管の整備を行うことにより、市内全域での水道サービスの提供を 目指します。 ・要望箇所を新規事業として施工する。 ・未普及区域を解消し、給水サービスの向上を図る。 H28 年次 計画 L=0.8 km/年 L=0.7 km/年 H29 H30 H31 H32 H33 H34 新設管工事延長(要望分) 事業費 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 0.82 0.8 0.8 0.8 0.0 0.7 0.7 0.7 93.9 94.5 95.0 95.6 H38以降の10年 新設管工事延長(道路整備等) 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 H35 指標の説明 ・新設管工事延長(道路整備等) (km/年) [-] 市民の要望に応じた新 設管工事の実施状況を 表す指標。 道路整備に伴う新設管 工事の実施状況を表す 指標。 ・普及率(%) [↑]=(給水人口 / 給水区域 内人口) × 100(各年度末) 給水区域内で水道を 使っている人の割合を 表す指標。 ・新設管工事延長(要望分) (km/年) [-] ・新設管布設事業: 14.6 億円(H28~37) 現況値 14.9 億円 63 63 6.将来像実現のための施策 3-05 北部地域整備事業 ① 土地区画整理事業(北部中央・東地区)に合せた管網整備 区画整理区域内の配水管網の拡充を図る。 事業の 効果 主な 取組み ・区画整理事業区域内に配水管を整備することにより、市内全域での水道サービスの提 供を目指します。 ・区画整理事業主からの受託工事として、年度協定を結び、区画整理事業に合わせ進めている。 ※北部東地区については、平成27年度に事業認可の変更あり。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38以降の10年 区画整理事業区域内水道管整備 年次 計画 区画整理事業区域内水道管整備設計 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 ・区画整理事業区域内の水道管整備率(中 央)(%) [↑]=(区画整理事業区域内(中央) 整備済み延長 / 区画整理事業区域内(中央) 計画延長) × 100 ・区画整理事業区域内の水道管整備率(東) (%) [↑]=(区画整理事業区域内(東)整備済 み延長 / 区画整理事業区域内(東)計画延長) × 100 指標の説明 北部中央地区の区画 整理区域内で整備され た配水管の割合を表す 指標。 整備事業の進捗状況を 示す。 北部東地区の区画整 理区域内で整備された 配水管の割合を表す指 標。 整備事業の進捗状況を 示す。 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 44.2 64.0 79.0 区画整理事業の進 捗に応じて対応 72.0 100.0 ー ー 現況値 区画整理事業の進 捗に応じて対応 事業費 64 64 6.将来像実現のための施策 4-01 応急給水設備の整備・充実 ① 耐震性貯水槽等の整備・維持管理 耐震性貯水槽増設、設備等の適切な点検等により,応急給水設備の充実を図る。 事業の 効果 主な 取組み ・応急給水設備の整備と点検を実施することにより、災害時の応急給水が必要となる場 合に、早く確実に市民の皆様へ給水できるようになります。 ・耐震性貯水槽清掃(全7箇所の内,毎年1箇所)。 ・緊急遮断弁点検・修繕(毎年全箇所)。 ・機械・器具維持点検業務(動力ポンプ等の動作確認 12箇所(貯水槽7箇所,水源地5箇所)、物品確認 36箇所)。 ・平成27年度に緊急遮断弁設置工事。 H28 H29 H30 1箇所/年 年次 計画 7箇所/年 ポンプ等の動作確認 12箇所/年 H31 H32 H33 H34 耐震性貯水槽清掃 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 1 1 1 1 5 7 7 8 H38以降の10年 緊急遮断弁点検 機械・器具維持点検業務 物品確認 36箇所/年 指標名称及び定義 [指標の優位性] ・耐震性貯水槽清掃箇所数(箇所/年) [↑] 数値 目標 ・緊急遮断弁点検箇所数(箇所/年) [↑] 事業費 指標の説明 耐震性貯水槽の年間 清掃実施箇所数を表す 指標。定期的に清掃を 実施することで、地震災 害時等において清潔な 水を応急給水できる。 緊急遮断弁の年間点 検箇所数を表す指標。 通常作動しない設備は 定期的に点検し、非常 時に確実に作動するよ う維持していくことが重 要である。 ・耐震性貯水槽清掃 : 12,200千円(H28~37) ・緊急遮断弁点検・修繕 : 22,000千円(H28~37) ・機械・器具維持点検業務 : 7,700千円(H28~37) 65 現況値 43,100千円 65 6.将来像実現のための施策 <耐震性貯水槽構造図> <耐震性貯水槽内> <応急給水設備①> <応急給水設備②> <給水車> <緊急遮断弁> 参考図 参考図 66 66 6.将来像実現のための施策 5-01 危機管理体制の強化 ① 応急給水訓練等の実施(地域との連携・協議) 住民や関係団体との連携も含めた、応急給水や応急復旧対応に係る訓練を実施していく。 ② 災害・水質事故等対策指針の見直し 指針の見直しを実施し、ソフト面での危機管理体制の強化を図る。 事業の 効果 主な 取組み ・危機管理体制を強化することにより、災害等が発生した場合に、より確実に応急給水 や応急復旧対応ができるようになります。 ・応急給水体制表を作成する。 ・各応急給水所における応急給水訓練、応急復旧対応のためのルート図確認訓練等を実施する。 ・関係機関との協定締結を進める。 ・「柏市水道部災害・水質事故等対策指針」は、毎年内部職員による検討会を実施し、見直しを図る。 H28 年次 計画 H29 H30 H31 H32 H33 H34 応急給水体制表の作成 H35 H36 H37 H38以降の10年 各応急給水所における応急給水訓練の実施 参加人数:120人/年 実施箇所:15箇所/年 「柏市水道部災害・水質事故等対策指針」検討会実施 毎年開催 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 ・応急給水訓練の実施箇所数(箇所/年) [↑] ・応急給水訓練の参加者数(人) [↑] 事業費 指標の説明 現況値 応急給水訓練の年間 実施箇所数を表す指 標。実施箇所数が多い ほど訓練への参加機会 が増え、住民との連携 が強化される。 応急給水訓練への参 加者数を表す指標。こ の値が大きいほど、説 明会の認知度や住民 参加度が高いことを示 す。 - 目標値 H37 H38以降の10年 H26 H32 6 12 18 24 191 240 360 480 - 参考図 <応急給水訓練の様子> 67 67 6.将来像実現のための施策 5-02 防災拠点の整備 ① 庁舎建替えに伴う防災拠点化事業 水道庁舎の建替えにあわせ防災拠点化を図る(耐震性貯水槽の設置、跡地の有効活用)。 ② 各水源地への無線通信システム等の整備 防災拠点としての機能拡充を図る。 事業の 効果 主な 取組み ・防災拠点が整備されることにより、災害時等に必要となる応急給水や応急復旧対応が 迅速にできるようになります。 ・耐震性貯水槽及び防災倉庫を設置し、応急給水所としての機能を備える。 ・電話回線不通時に代替通信手段となる無線等の通信機器を、各水源地等に配備する。 ・本庁対策本部及び浄水課との連絡体制を確保する。 ・停電に備えた電気系統を確保する。 H28 年次 計画 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 - 100 H38以降の10年 耐震性貯水槽、 防災倉庫を設置 無線通信システム等の整備、維持管理 数値 目標 事業費 指標名称及び定義 [指標の優位性] 指標の説明 ・災害対策本部及び各水源地への無線通信シ ステムの配備率(%) [↑]=(無線通信システム 配備数 / 計画無線通信システム配備数)× 100 計画されている無線通 信システム配備の進捗 状況を表す指標。 ・無線機初期導入経費 :6,000 千円(H28) ・維持管理経費等 :5,400 千円(H29~37) 68 現況値 - ー 6,000 千円 68 6.将来像実現のための施策 5-03 防災備品の備蓄と資機材の確保 ① 防災倉庫の整備、備品の購入 防災備品の備蓄、倉庫の整備を推進し、災害に備える。 ② 災害時仮設資材の確保 災害時の応急復旧時に優先的に資機材が調達できるよう供給体制を確保する。 事業の 効果 主な 取組み ・防災備品や資機材が調達できる仕組みを整えることにより、災害時等に必要となる応 急給水や応急復旧対応が迅速にできるようになります。 ・防災拠点(倉庫)備品の備蓄と資機材を購入して災害に備える。 ・運搬用の非常用水袋(4L用)は、全世帯分の確保を図る。 ・飲料水(500ml/本)は、20,000本を常時備蓄する。 ・災害発生時に委託業者に必要となる資材を要求する。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38以降の10年 防災備品の備蓄 年次 計画 優先的に仮設資材の供給を受けるための民間委託 指標名称及び定義 [指標の優位性] 現況値 H26 H32 20,000 目標値 H37 H38以降の10年 ・飲料水の備蓄数(本) [↑] 災害時に市民に配布す る飲料水の備蓄本数を 表す指標。 15,000 20,000 20,000 ・非常用水袋の備蓄数(枚) [↑] 災害時に市民に配布す る非常用水袋の備蓄枚 数を表す指標。 38,750 100,000 170,000 170,000 数値 目標 事業費 指標の説明 ・防災備品の備蓄 (購入費) :63,003 千円(H28~37) ・災害時における仮設資材の優先的な供給(委託料): 6,588 千円(H28~37) 66,600千円 応急給水器具倉庫 < 参考図 > <非常用水袋> 69 69 6.将来像実現のための施策 6-2 安全な水道の確保「安全」 ~いつでも安全で信頼される水道~ いつでも安全で信頼される水道となるために、自己水源を適切に管理して水源保全を進めるとともに、 水安全計画の策定や水質監視強化等に取り組み水質管理体制の強化を目指します。また、実態調査を 行い受水槽等の小規模貯水槽水道の適正な管理を推進します。 表-6.2 基本施策別の具体事業内容(基本目標 2:「安全」) 基本施策 〈基本施策 6〉 適切な水源保全の推進 具体事業 6-01 水源井戸の適正な維持管理の実施 ① 既存井戸施設の維持管理、老朽井戸の改修 6-02 地下水利用の適正化 ① 第一水源地井戸の掘り替え ② 受水量の検討(北千葉受水) 基 本 目 標 2 〈基本施策 7〉 安 水質管理体制の強化 全 7-01 水安全計画の策定 ① 水安全計画の策定 7-02 水質監視の強化 ① 管末測定局の設置・更新 ② 管末測定項目の拡充 ③ 水質検査機器の更新 ④ 魚類等監視水槽監視カメラ設置・更新 7-03 トリハロメタン低減化対策 ① ブレンド対策の実施(着水井建替え) ② 塩素注入率の低減 8-01 小規模貯水槽水道の適正管理の推進 〈基本施策 8〉 小規模貯水槽水道の適正管理 ① 小規模貯水槽水道設置者の管理指導・助言 70 70 6.将来像実現のための施策 6-01 水源井戸の適正な維持管理の実施 ① 既存井戸施設の維持管理、老朽井戸の改修 適正な維持管理を行い、将来に渡り井戸が有効に活用できるようにする。 事業の 効果 主な 取組み 年次 計画 数値 目標 事業費 ・水源井戸の適正な維持管理を実施することにより、自己水源である地下水の水量や 水質が維持されます。 ・水源地老朽化設備を計画的に改修・更新・整備する。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38以降の10年 井戸設備修繕の中で2本の井戸のテレビカメラ調査を実施 指標名称及び定義 [指標の優位性] 3 ・平均自己水源水量(m /日) [-] ※維持目 標 指標の説明 水源量に占める自己水 源量の割合を表す指 標。 現況値 H26 H32 20,109 20,000 目標値 H37 H38以降の10年 20,000 ・井戸改修 : 1.1 億円(H28~37) ※「1-02 老朽設備の修繕、更新」事業の『設備機器修繕 14.2億円』の中で 井戸改修を実施し,改修工事の中でテレビカメラ調査を実施していく。 参考図 <テレビカメラ調査の様子> <井戸内部の様子> 71 20,000 井戸改修 1.1 億円 71 6.将来像実現のための施策 6-02 地下水利用の適正化 ① 第一水源地井戸の掘り替え 地下水の有効利用のため、第一水源地井戸の第三水源地側への掘り替えを実施する。 ② 受水量の検討(北千葉受水) 地下水の過剰揚水を避けるため、必要に応じた適正な受水量を検討する。 事業の 効果 主な 取組み ・適正な水量での地下水利用を図ることにより、将来にわたって自己水源の水量や水質 が維持されます。 ・国、県との調整を行いながら、第三水源地取水井等整備計画に基づき掘り替えを実施する。 ・用地買収、変更認可、井戸掘削、導水管の布設を行う。 ・北千葉広域水道企業団からの受水については、今後の水需給の動向に留意しながら、適正な受水量を判断し、要望 等を行っていく。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 - 1 H38以降の10年 第一水源地井戸の掘り替え 年次 計画 用地取得 認可変更委託 井戸掘削工事(1箇所) 導水管布設工事 井戸掘削工事(3箇所) 導水管布設工事 1km (H31~H32) L=3km (~H38) 受水量の検討 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 事業費 ・井戸掘り替え本数(本) [↑] 指標の説明 井戸の掘り替え本数 (当該年度で使用開始 した井戸本数)を表す 指標。 ・井戸掘替事業 : 5.9 億円(H28~37) 現況値 2 1 0.5 億円 72 72 6.将来像実現のための施策 7-01 水安全計画の策定 ① 水安全計画の策定 水安全計画を策定し、水源から蛇口までの水質監視体制の強化を図る。 事業の 効果 ・水安全計画を策定することにより、水質監視体制が強化され、水質リスクを伴う多様な 事態に対して迅速かつ柔軟に対応できるようになります。 <(参考)水安全計画による水質監視のイメージ> 73 73 6.将来像実現のための施策 7-02 水質監視の強化 ① 管末測定局の設置・更新 管末測定局を適正に配置し、ブロック間格差を解消する(B、E ブロックへの増設)。 ② 管末測定項目の拡充 配水管末端での水質監視の強化を図るとともに、利用者への情報発信を行う。 ③ 水質検査機器の更新 老朽化した水質検査機器を更新し、確実な水質監視が行えるよう努める。 ④ 魚類等監視水槽監視カメラ設置・更新 魚類監視*水槽と監視カメラの設置により、毒性物質の監視強化を図る。 事業の 効果 主な 取組み ・水質監視を強化することにより、水質リスクに対してよりきめ細かく迅速に対応できるよう になります。 ・水質検査結果を水道HP上に公開し、誰もが水の安全性を確認できるようにする。 ・各ブロックに設置している管末測定局を適正に配置しブロック間の格差を解消し水質監視の強化を図る。 ・北千葉の高度浄水処理をした水の受水開始(平成26年12月)に伴い、今後、取水の塩素注入管理を的確に行い配 水残留塩素の低減化を図り、より安全でおいしい水の供給に努める。 ・水質検査機器を耐用年数を考慮して的確に更新し、平成36年度まで自主検査体制を維持する。 ・魚類監視により、水質事故を未然に防止する。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38以降の10年 水質検査の実施・水質検査機器の更新・薬品の確保 年次 計画 管末測定局、水質監視装置の設置・更新 第四水源地 岩井水源地 水質検査機器更新 水質監視装置 管末測定局 管末測定局 コントローラ (岩井水源地) 1局増設 (6局)更新 更新 1局増設 更新 魚類等監視水槽監視カメラ設置・更新 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 ・(PI:1102)水質検査箇所密度(箇所 2 /100km ) [-] =(水質検査採水箇所数/給水 区域面積)×100 指標の説明 給水区域面積に対する 水質検査箇所数を表す 指標。水質検査箇所は 配水系統ごとに適切な 箇所選定される必要が ある。 現況値 目標値 H37 H38以降の10年 H26 H32 5.2 4.4 4.4 4.4 0.073 0.089 0.089 0.089 配水量に対する自動水 ・(PI:1103)連続自動水質監視度 (台 質監視装置の設置割 3 /(1,000m /日)) [↑]=(連続自動水質監視装 合を表す指標。測定局 を増設すればこの指標 置設置数/一日平均配水量)×1000 は大きくなる。 事業費 ・水質検査手数料 ・水質検査機器更新 ・管末測定局の設置 ・水質監視装置・管末測定局等の更新 ・薬品費 ・監視カメラシステムの更新 (魚類等監視水槽監視カメラを含む) ・合計 74 : : : : : : 0.8 億円(H28~37) 0.1 億円(H28~37) 1.0 億円(H28~29) 1.5 億円(H33~36) 4.4 億円(H28~37) 1.3 億円 (H34) : 約9.1 億円(H28~37) 約9.1 億円 74 6.将来像実現のための施策 <管末測定局> <管末測定局> <魚類等監視水槽> <水質検査の様子> 参考図 参考図 75 75 6.将来像実現のための施策 7-03 トリハロメタン低減化対策 ① ブレンド対策*の実施(着水井建替え) 必要に応じてトリハロメタン濃度の高い水と低い水を混合(ブレンド)することにより、供給水質としてのト リハロメタン濃度の低減化を図る。 ② 塩素注入率の低減 塩素注入管理の強化によるトリハロメタン濃度の低減化を図る。 事業の 効果 主な 取組み 年次 計画 ・トリハロメタン低減化対策を進めることにより、より安全で安心な水道水を提供できるよう になります。 ・水源地老朽化設備を計画的に改修・更新・整備を行う。 ・耐震基準を満たしていない第五水源地着水井の建替えを行う。 ・受水と取水が均等に配水池に流入するよう配管改良工事を実施する。 H28 H29 H30 着水井更新 場内配管 改良設計 H31 H32 事業費 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 61 30 H38以降の10年 着水井更新 場内配管改良工事 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 H33 ・(PI:1107)総トリハロメタン濃度水質基準比 (%) [↓]=(総トリハロメタン最大濃度 / 総トリ ハロメタン濃度水質基準値) × 100 指標の説明 現況値 給水栓水におけるトリハ ロメタンの水質基準値に 対する割合を表す指 標。この値は低い方が 良い。 ・着水井更新、場内配管改良工事 : 3.0 億円(H28~30) 参考図 <残留塩素*計> 76 25 25 ー 76 6.将来像実現のための施策 8-01 小規模貯水槽水道の適正管理の推進 ① 小規模貯水槽水道設置者の管理指導・助言 小規模貯水槽水道の安全性確保のため、実態調査を行い管理指導・助言等を行う。 事業の 効果 ・小規模貯水槽水道の実態調査を実施し、貯水槽等の管理不備による衛生問題の発 生を防止します。 <小規模貯水槽水道の実態調査(イメージ図)> 77 77 6.将来像実現のための施策 6-3 供給体制の持続性の確保「持続」 ~いつまでも市民とともにある水道~ いつまでも市民とともにある水道となるために、事業の透明性確保に努めながらアセットマネジメントの実 施をはじめとした経営基盤の強化を図ります。また、効率的組織体制への見直し、利用者サービスの充実、 官民連携の推進に取り組むとともに、環境保全の推進を図ります。 表-6.3 基本施策別の具体事業内容(基本目標 3:「持続」) 基本施策 具体事業 9-01 業務の効率化の推進 ① 直営業務への民間活力の導入 ② 既往の委託等業務範囲の拡大 9-02 漏水防止対策の推進 ① 鉛製給水管の解消 〈基本施策 9〉 経営基盤の強化 ② 漏水箇所の修繕 ③ 漏水調査の実施 9-03 アセットマネジメントの実施 ① アセットマネジメントの実施 ② 固定資産台帳システム、設備台帳、管網データの更新 並びにソフトウェアの保守管理 基 本 目 標 3 〈基本施策10〉 持 効率的な組織体制への見直し 続 9-04 水道事業運営審議会の実施 ① 柏市水道事業運営審議会の実施 10-01 効率的な組織体制の検討 ① 職員定数、組織体制の検討 ② 技術職の採用、プロパー採用の協議検討 10-02 技術継承と人材育成の促進 ① 内部研修、外部研修の実施(OJT、OFF-JT) ② 技術職員の配属期間の長期化 〈基本施策11〉 利用者サービスの充実 11-01 広報・広聴手段の整備・充実 ① 広報・広聴手段の整備・拡充(HP、ツイッター、防災メール、イベント事業等) 11-02 口座振替の促進 ① 口座振替の普及促進、ネット銀行での口座振替などの導入検討 〈基本施策12〉 官民連携の推進 12-01 民間委託形態の検討 ① 委託形態の見直し等 13-01 環境に配慮した水道事業運営 〈基本施策13〉 環境保全の推進 ① 低公害・低燃費型自動車の導入 ② 費用対効果を考慮した再生可能エネルギーの利用 ③ 建設副産物の再資源化 78 78 6.将来像実現のための施策 9-01 業務の効率化の推進 ① 直営業務への民間活力の導入 積極的な民間活用により、さらなる業務の効率化を図る。 ② 既往の委託等業務範囲の拡大 これまで民間委託してきた業務範囲の拡大等により、さらなる業務の効率化を図る。 事業の 効果 主な 取組み ・民間活力の導入やこれまで民間委託してきた業務範囲の拡大等により、組織のスリム 化等が進み、経営基盤の強化につながります。 ・直営業務については、組織のスリム化等による効率化推進のため、費用対効果や品質確保等を見極めたうえで、 積極的な民間活用を図る。 ・現状で既に民間活用が図られている業務についても、さらなる効率化や、民間事業者のノウハウの活用・参入機会 の提供拡大等の観点から、委託業務の範囲及び内容等について常に見直しを行い、契約内容や契約方法の改善 を図る。 H28 年次 計画 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 直営業務への民間活力の導入 ・損益勘定所属職員数(人) [-] 指標の説明 職員数を表す指標で、 職員数が少ない方が効 率が良いといえる半面、 事業の実施には適切な 人数の職員の確保が必 要である。 ・(PI:3007)職員一人当たり給水収益(億円/ 給水収益からみた職員 人) [↑] = (給水収益 / 損益勘定所属職員 一人当たりの生産性を 表す指標。 数) / 1,000 事業費 H38以降の10年 現状の委託業務の範囲の拡大,新規委託化の検討 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 H37 - 現況値 目標値 H37 H38以降の10年 H26 H32 42 40 38 35 1.63 1.74 1.76 1.83 - 79 79 6.将来像実現のための施策 9-02 漏水防止対策の推進 ① 鉛製給水管の解消 漏水原因となる鉛製給水管を解消する。 ② 漏水箇所の修繕 漏水箇所を確認し、修繕を行う。 ③ 漏水調査の実施 漏水低減による有効率*の向上を推進する。 事業の 効果 主な 取組み ・漏水原因となることの多い鉛製給水管の解消および修繕の実施により、漏水が少なく なり、事業効率の向上につながります。 ・配水管・給水管の維持補修を行うとともに鉛製給水管をステンレス製給水管に更新し、解消を進める。 ・老朽管更新事業が未実施の区域を対象に、漏水調査を実施する。 ・漏水個所の修繕について、今後さらに外部委託を拡大し、体制強化に努める。 H28 H29 鉛製給水管解消件数 H30 H31 H32 H33 H34 鉛製給水管の解消 H35 H36 H37 H38以降の10年 1,400件/年 年次 計画 漏水箇所の修繕 漏水修繕 委託件数 漏水修繕 委託件数 漏水修繕 委託件数 漏水修繕 委託件数 360件/年 440件/年 480件/年 600件/年 漏水調査の実施(3年ごとに実施) 指標名称及び定義 [指標の優位性] 指標の説明 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 20.9 18.0 14.0 8.0 4.4 3.5 3.3 3.0 現況値 鉛製給水管の残存度 数値 目標 ・(PI:1117)鉛製給水管率(%) [↓]=(鉛製 合いを示す指標。鉛製 給水管が解消されれば 給水管使用件数/給水件数)×100 この値は0%となる。 ・(PI:5107)漏水率(%) [↓]=(年間漏水量 /年間配水量)×100 事業費 配水量に対する漏水量 の割合を表す指標。こ の値が小さいほど有効 に使用される水の割合 が大きいことを示す。 ・鉛製給水管の解消 : 24.7 億円(H28~37) ・漏水箇所の修繕 : 9.7 億円(H28~37) ・漏水調査 : 0.2 億円(H28~37) 35.4 億円 80 80 6.将来像実現のための施策 <漏水調査の様子①> <漏水調査の様子②> 参考図 参考図 <漏水修繕の様子> 81 81 6.将来像実現のための施策 9-03 アセットマネジメントの実施 ① アセットマネジメントの実施 資産管理と中長期的な財政収支見通しの把握により、持続可能な事業経営を推進する。 ② 固定資産台帳システム、設備台帳、管網データの更新並びにソフトウェアの保守管理 資産情報、施設情報等の電子化により、管理の効率化を図る。 事業の 効果 主な 取組み ・アセットマネジメントを実施することにより、水道資産管理を効率化し、安定した水道事 業経営を将来にわたって継続できるようになります。 ・資産管理と中長期的な財政収支見通しの把握により、持続可能な事業経営を推進する。 ・資産情報、施設情報等の電子化により、管理の効率化を図る。 ・平成32年度において、中長期更新需要の見直しと中長期財政計画の修正を行い、見直し版ビジョンに反映する。 また、アセットマネジメントに係る各種データの整備・更新を行う(個別資産の状況診断を含む)。 H28 年次 計画 H29 H30 H31 H32 事業費 H34 H35 H36 H37 H38以降の10年 アセットマネジメント検討報告書の見直し及び運用 アセットマネジメントの実施、ビジョンの見直し 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 H33 ・内部留保資金(百万円) [-] 指標の説明 水道事業で確保してい る資金額。施設整備等 の事業の実施や突発的 な支出に対応するため に一定の資金は確保し ておく必要がある。 ・ビジョン改訂ほか業務(委託料) : 9,000 千円(H32、H36~37) 82 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 7,217 4,047 2,098 現況値 2,964 9,000 千円 82 6.将来像実現のための施策 9-04 水道事業運営審議会の実施 ① 柏市水道事業運営審議会の実施 適正かつ効率的な事業運営に向けた取り組みの一環として実施する。 事業の 効果 主な 取組み ・水道事業運営審議会の実施により、事業運営の透明性確保を目指します。 ・年に4回程度審議委員を招集し、審議会を行う。 ・柏市水道事業に対し、安全・経営・市民サービスなど様々な面から意見を聴取または審議し、事業運営の改善に反映 させる。 ・隔年で水道に関する施設等への視察研修を行う。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 3 4 H38以降の10年 水道事業運営審議会の実施 年次 計画 水道ビジョンの中間見直し 視察研修(2年に1回) 数値 目標 事業費 指標名称及び定義 [指標の優位性] 指標の説明 ・年間水道事業運営審議会実施回数(回/年) [-] 審議会の実施状況を示 す指標。事業運営の透 明性確保のため、適切 な回数、継続的に実施 することが重要である。 現況値 ・報酬その他運営に要する経費 : 12,000 千円(H28~37) 参考図 <審議会の様子(イメージ図)> 83 4 4 12,000 千円 83 6.将来像実現のための施策 10-01 効率的な組織体制の検討 ① 職員定数、組織体制の検討 必要最小限の人員で、効率的な経営が可能な組織体制の確立に向け、随時見直しを行う。 ② 技術職の採用、プロパー採用*の協議検討 技術継承が確実に行われるよう専従職員の採用を検討する。 事業の 効果 主な 取組み 年次 計画 数値 目標 事業費 ・組織体制を継続的に見直しすることにより、効率的に事業運営を継続できるようになり ます。 ・事務効率化として、内部管理事務を外部委託業務とする検討を行い、事務職員の削減、組織のスリム化等を図りつ つ、技術部門を拡充し技術継承を強化する。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 H38以降の10年 効率的な経営が可能な組織体制検討 現況値 指標名称及び定義 [指標の優位性] 指標の説明 ・(PI:3007)職員一人当たり給水収益(億円/ 人) [↑]= (給水収益 / 損益勘定所属職員 数) / 100,000,000 給水収益からみた職員 一人当たりの生産性を 表す指標。 1.63 1.74 1.76 1.83 ・(PI:3008)給水収益に対する職員給与費の 割合(%) [↓]= (職員給与費 / 給水収益)× 100 給水収益に対する職員 給与費の割合を表す指 標。水道事業の効率性 を分析するための指標 の一つ。 5.4 5.2 5.0 5.0 - - 参考図 <(参考)現在の組織体制> 84 84 6.将来像実現のための施策 10-02 技術継承と人材育成の促進 ① 内部研修、外部研修の実施(OJT、OFF-JT) 定期的かつ積極的な研修を実施し、技術継承と人材育成の促進を図る。 ② 技術職員の配属期間の長期化 技術継承と人材育成に主眼を置いた人員配置等を行う。 事業の 効果 主な 取組み ・研修等による人材育成を進めることにより、水道事業に必要な技術を継承し、技術に 裏打ちされた水道事業運営を続けることができるようになります。 ・職員定数64名の範囲内で、外部委託化などを活用しながら、職種別職員配置を最適化し、必要な技術の継承と人 材育成に努める。 ・技術職の在課年数を事務職より長くする等、技術の継承に配慮した人事を行う。 ・日本水道協会、外部団体等による実務研修を、積極的に活用する。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 7.3 9.0 H38以降の10年 内部研修、外部研修の実施 外部研修への参加 及び 内部研修の充実 年次 計画 技術職員の配属期間の長期化 技術職員の在籍年数長期化 技術継承のための年齢構成に配慮した職員配置 専任職の配置拡大 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 事業費 ・(PI:3106)水道業務経験年数度(年/人) [↑] = 全職員の水道業務経験年数 / 全職 員数 指標の説明 職員の平均水道業務 経験年数を表す指標。 水道業務の職員の習 熟度と関係が深い指標 である。 ・研修に要する経費 : 20,000 千円(H28~37) 現況値 9.5 10.0 20,000 千円 85 85 6.将来像実現のための施策 11-01 広報・広聴手段の整備・充実 ① 広報・広聴手段の整備・拡充(HP、ツイッター、防災メール、イベント事業等) 水道事業の紹介や災害時等の対応についての啓発・情報発信を強化する。 ・水道事業に関する情報をより多くの手段で発信することにより、水道に関する情報がよ 事業の 効果 主な 取組み り多くの市民に伝わるようになり、水道事業への理解や信頼につながり、水利用の促進が 図られます。 ・消費拡大を図るため、水道水の良さを実感してもらうことができるPR事業の強化(柏まつり、夏休み親子見学会、放課 後こども教室ほか、イベント開催機会の拡大。また、それらイベントの事前周知の強化、イベントを利用したモニタリングな ど)。 ・緊急時の迅速な情報提供(ホームページ、ツイッターなどにより、正確な情報を早急に知らせる)。 ・水道だよりの発行(多くの人に手にとってもらえるよう、堅すぎない内容での事業PR)。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 ホームページの充実、ツイッター、防災メール等管理作成 H38以降の10年 柏まつりへの出展、夏休み親子見学会、放課後子ども教室 年次 計画 事業紹介パネルの展示 水道だよりの発行 14万戸×年2回発行 パンフレット作成 2,000部 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 事業費 ・水道事業に係わるPR事業の開催回数(回/ 年) [↑] 2,000部 指標の説明 水道事業に係る情報発 信の度合いを表す指 標。 ・PR事業に要する経費 :30,000 千円(H28~37) ・PRパンフレット作成に要する経費 : 2,400 千円(4年に1回) ・合計 :32,400 千円(H28~37) 86 現況値 H26 H32 10 15 目標値 H37 H38以降の10年 20 20 32,400千円 86 6.将来像実現のための施策 <柏まつりの様子> <パネル展示の様子> 参考図 <親子見学会の様子> 87 87 6.将来像実現のための施策 11-02 口座振替の促進 ① 口座振替の普及促進、ネット銀行での口座振替などの導入検討 利用者サービスの充実と料金徴収業務の効率化を図る。 事業の 効果 主な 取組み 年次 計画 ・支払方法の拡充により、利用者の利便性が向上します。 ・口座振替の促進により、料金徴収業務が効率化されます。 * ・口座振替の普及を促進するため、口座振替対象者のみ、調定額 を各月(2回)に分割して納付することができるように する。 ・ネット銀行、クレジットカードなど、多様な納付方法の導入に向けた検討を行う。 H28 H29 H30 756,000件 762,000件 768,000件 H31 H32 H33 H34 口座振替データ伝送の実施 774,000件 816,000件※ 828,000件 840,000件 H35 852,000件 H36 864,000件 H37 H38以降の10年 876,000件 分割納付制度の実施 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 事業費 ・口座振替利用率(%) [↑]=(口座振替利 用件数 / 給水世帯数)×100 指標の説明 水道料金支払いにおい て口座振替を利用して いる世帯の割合を表す 指標。この値が大きい ほど料金徴収業務が効 率化される。 ・口座振替データ伝送費用:53,162 千円(H28~37) H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 69.6 70.0 70.1 現況値 70.2 56,298千円 (※)平成 32 年度を目途に、口座振替の対象者の納付方法を、これまでの隔月振替のみから、毎月振替も可能な制度に変更 する予定としている。この制度変更により、毎月振替へ移行する件数を一定程度見込んでいることから、伝送件数が大きく増加 する計画となっている。 88 88 6.将来像実現のための施策 12-01 民間委託形態の検討 ① 委託形態の見直し等 現在の委託形態に捉われず、官民連携推進の観点から、包括委託業務の見直しや新たな委託形 態(PFI*、第三者委託*等)の導入等を検討する。 ・新たな委託形態の導入が実現し、民間事業者のノウハウ等のより一層の活用が図られ 事業の 効果 主な 取組み 年次 計画 数値 目標 事業費 れば、業務の効率化のみならず、技術継承や人材育成を補完することが可能となり、円 滑で安定した水道事業経営につながります。 ・委託形態の見直しにあたっては、民間事業者の創意工夫や競争原理が活かされ、官民連携による相乗効果が 最大限発揮されるような発注形態や業務範囲を検討していく(契約期間の長期化、広域連携、民間事業者の 育成等を含む)。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 ー 12 H38以降の10年 新たな委託形態の検討 指標名称及び定義 [指標の優位性] ・検討会議開催回数(回/年) [↑] 指標の説明 民間委託形態の検討に 関する会議を年間に開 催した回数。 - 現況値 12 12 - 89 89 6.将来像実現のための施策 13-01 環境に配慮した水道事業運営 ① 低公害・低燃費型自動車の導入 公用車への電気自動車、ハイブリッド車等の導入促進を図る。 ② 費用対効果を考慮した再生可能エネルギーの利用 新庁舎の建替えに合せて、太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入を検討する。 ③ 建設副産物*の再資源化 工事で発生した建設副産物を廃棄処分せず再利用したり、再資源化施設へ搬出することにより、リ サイクルの促進に努める。 事業の 効果 主な 取組み ・CO2 排出量削減の取り組みや、再生可能エネルギーの利用促進などを進めることによ り、環境に配慮した事業運営を目指します。 ・今後の車両の買換え時にはエコカーの購入を促進する。 ・新庁舎設計時に、太陽光発電、LED照明等の機器を取り入れる。 ・建設副産物の再資源化への取り組みを促進する。 ・職員各自の環境配慮意識の向上を促す啓発を行う。 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H26 H32 目標値 H37 H38以降の10年 6.1 36.7 46.7 H38以降の10年 公用車・公用自転車の買換え、管理 年次 計画 新庁舎設計時に太陽光発電・LED照明を組み込み 指標名称及び定義 [指標の優位性] 数値 目標 事業費 ・環境配慮型車両(エコカー)導入比率(%) [↑]=(環境配慮型車両数 / 公用車総数)× 100 指標の説明 エコカーの導入割合を 表す指標。環境保全の 観点による取り組状況 を示す指標の一つ。 現況値 ・公用車、公用自転車の購入及び管理:59,960千円 ・新庁舎に係る部分は未定 37,920千円 参考図 <エコカー導入(イメージ図)> <太陽光発電(イメージ図)> 90 100.0 90 7.施策実施に向けた推進体制 91 7 7.施策実施に向けた推進体制 施策実施に向けた推進体制 7-1 推進体制 推進体制 7-1 取り組みを確実かつ効率的に推進していくために、年次計画や数値目標と照らし合わせながら、定期 的に進捗状況を把握し、評価と見直しを実施します。 進捗状況や評価結果については、水道事業運営審議会に報告するとともに、市民の皆様にも情報公 開し、ご意見をいただきながら計画の見直しに役立てていきます。 また、地域の民間企業や関係団体、研究機関等の関係者との連携も強化し、進捗管理と評価・見直し を実践していくことで、取り組みのより一層のレベルアップを図ります。 図-7.1 推進体制と実践サイクル 7-2 進捗管理と評価・見直し 進捗管理と評価・見直し 7-2 柏市水道事業ビジョンは、継続的な進捗管理と評価を行い、適切な期間を定めて見直しを実施しま す。 見直しの実施時期は、施策推進期間である平成 28 年度から平成 37 年度の 10 年間の中間時点(概 ね 5 年後)とし、具体事業ごとに設定した年次計画や数値目標に対する取り組み状況を評価するとともに、 新たな課題が明確となった場合には、施策体系の見直しについても実施します。 また、個々の具体事業について見直しの必要が生じた場合には、時期に捉われず、進捗管理と評価を 行っていく中で、適宜見直しを実施していくこととします。 7-3 公表 7-3 公表 基本施策や具体事業の進捗状況については、広報紙やホームページ等で随時公表し、地域住民の皆 様からの意見やニーズも取り入れた進捗管理と評価・見直しを実践していきます。 91 資料 1 業務予定量 資料 1 業務予定量 業務予定量 資料1 柏市における人口と給水量の将来見込(業務予定量)は以下のとおりとなっています。 1.1 人口の見通し 柏市の行政区域内人口は、つくばエクスプレスの開業とそれに伴う住宅開発等により、増加傾向にあり ます。平成 26 年度は、前年度から約 2,000 人増加して、409,447 人でした。 この傾向は今後も続くと考えられますが、少子化等により日本全体としては人口減少社会となっており、 柏市においても将来は人口の増加率は鈍化し、長期的には減少傾向へ転じるものと見込まれます。なお、 行政区域内人口の見込値は、柏市第五次総合計画における人口推計値を踏まえて設定しています。 柏市の普及率は、平成 26 年度時点で約 94%となっており、これまで微増傾向にあります。過去の実 績を踏まえて、普及率は施策推進期間最終年度(平成 37 年度)において 95%と設定しました。 以上から、施策推進期間最終年度(平成 37 年度)の給水人口は、398,000 人(平成 26 年度比 +3.5%)と見込まれます。 平成 47 年度までの将来見通し期間では、普及率は増加するものの、行政区域内人口は減少が見込 まれることから、普及率 96%、給水人口 394,000 人(平成 47 年度)(平成 26 年度比+2.5%)と見込ま れます。 1.2 給水量の見通し 柏市の給水量(一日平均給水量)は、横ばいから微減傾向にあり、平成 26 年度は 109,726m3/日とな っています。これは、節水意識の高揚や節水機器の普及により一人あたりの使用水量が減少しているため で、全国的に見られる傾向です。ただし、節水機器はある程度普及が進んでいること、今後は高齢化率の 上昇とともに在宅時間が増加し一人あたりの使用水量を押し上げる可能性があることから、将来の一人当 たりの使用水量の減少率は小さくなっていくものと考えられます。 以上から、施策推進期間最終年度(平成 37 年度)の給水量(一日平均給水量)は、110,904m3/日 (平成 26 年度比+1.1%)と見込まれます。 平成 47 年度までの将来見通し期間では、給水人口の減少が見込まれることや、老朽管路更新等によ り漏水量の減少に努めることから、給水量(一日平均給水量)は 108,849m3/日(平成 47 年度)(平成 26 年度比Δ0.8%)と見込まれます。 92 92 資料 1 業務予定量 93 表-1.1 人口と給水量の将来見込(業務予定量) 項 目 実績(見込) 施策推進期間 将来見通し期間 長期見通し H26 H27 H32 H37 H42 H47 H77 409,447 411,000 417,000 419,000 417,000 412,000 369,000 411,277 417,050 419,060 417,583 412,262 369,727 384,500 386,000 394,000 398,000 397,000 394,000 354,000 93.91% 93.92% 94.48% 94.99% 95.20% 95.63% 95.93% 169,165 171,000 178,000 181,000 181,000 179,000 157,000 2.273 2.257 2.213 2.199 2.193 2.201 2.255 40,049,942 40,220,000 40,380,000 40,480,000 40,130,000 39,730,000 35,740,000 うち北千葉受水量 33,328,900 33,220,000 33,380,000 33,480,000 33,130,000 32,730,000 28,740,000 北千葉協定水量 34,200,500 34,294,200 36,244,500 38,069,500 38,069,500 38,173,800 38,069,500 行政区域内人口(人) 人口推計 給水人口(人) 普及率( %) ※給水人口/行政区域内人口 給水戸数(戸) 一戸当りの人数 ※給水人口/給水戸数 給水量(m 3) 北千葉1日平均 91,312 90,765 91,452 91,726 90,767 89,426 78,739.7 受水割合(%) 83.22 82.60 82.66 82.71 82.56 82.38 80.41 うち自己水源量 6,721,042 7,000,000 7,000,000 7,000,000 7,000,000 7,000,000 7,000,000 109,726 109,891 110,630 110,904 109,945 108,849 97,918 285.37 284.69 280.79 278.65 276.94 276.27 276.60 119,853 120,034 120,841 121,140 120,093 118,896 106,956 37,056,048 37,430,000 37,990,000 38,460,000 38,430,000 38,250,000 34,670,000 一日平均給水量(m 3 ) 一人一日平均給水量(ℓ) 一日最大給水量(m 3 ) 有収水量(m 3 ) 有収率(%) 92.52 93.06 94.08 93 95.01 95.76 96.27 97.01 資料 2 ビジョン財政計画 資料22 ビジョン財政計画 ビジョン財政計画 資料 業務予定量に基づく、将来の財政収支見込を表-2.1 に示します。 本計画の施策推進期間では、給水収益はほぼ横ばい傾向となる見込みですが、施設整備に伴う減価 償却費の増大により、収益的収支における損益は減少していくものと見込まれています。 また、長期的視点にたって事業を実施する必要があることから、事業費の増大にあわせて企業債の借 入を増額し、持続可能な健全経営に必要な資金ストック(内部留保資金)を確保する予定です。 将来見通し期間(平成 47 年度まで)以降の財政収支見通しについては、資料 3 を参照してください。 なお、この計画は、北千葉広域水道企業団からの受水に係る費用の単価の動向や、社会情勢の変化 による給水量等の変化を踏まえて、必要に応じて見直しを行います。 94 94 95 3,004 668 2,911 688 原水及び浄水費 配水及び給水費 173 41 6,376 182 648 6,874 支払利息 その他 400 495 570 55 1,520 400 169 567 29 1,165 企業債 工事寄附負担金 収入 給水申込負担金 その他 15 4,425 13 3,847 その他 151.2 182.9 148.2 184.4 給水原価 (円) 供給単価 (円) 7,086 37,430 7,217 37,056 3 収支不足額 内部留保資金 -2,905 460 445 支出 企業債償還金 -2,682 3,170 2,798 改良費 計 780 591 建設費 計 878 1,455 計 1,896 1,892 206 173 総係費 減価償却費 資産減耗費 388 380 業務費 損 益 費用 410 7,929 1,495 675 9,072 6,844 743 H27 6,834 H26 計 その他 183.1 152.1 37,439 6,654 -3,145 4,349 20 475 3,143 711 1,204 20 618 266 300 797 6,409 28 166 1,915 210 389 745 2,956 7,891 352 685 6,854 H28 183.1 153.7 37,551 5,999 -3,318 4,597 20 459 3,286 832 1,279 20 618 341 300 735 6,496 28 157 1,929 211 389 771 3,011 7,926 356 695 6,875 H29 183.1 157.8 37,663 5,405 -3,124 4,403 21 487 3,186 709 1,279 20 618 341 300 579 6,676 27 148 1,951 413 390 762 2,985 7,960 359 705 6,896 H30 182.6 158.7 37,879 4,615 -3,285 4,564 21 466 3,428 649 1,279 20 618 341 300 530 6,749 20 139 1,965 214 391 989 3,031 7,994 363 715 6,916 H31 22,124 104 2,381 16,131 3,508 6,320 100 3,090 1,630 1,500 3,021 33,253 123 741 9,743 1,394 1,959 4,177 15,116 39,799 1,796 3,525 34,478 計 H 28~ H3 2 182.6 162.6 37,990 4,047 -2,932 -15,804 4,211 22 494 3,088 607 1,279 20 618 341 300 380 6,923 20 131 1,983 346 400 910 3,133 8,028 366 725 6,937 H32 182.5 154.1 38,095 3,643 -3,087 4,327 22 503 3,237 565 1,240 20 579 341 300 694 6,627 20 123 1,988 248 401 773 3,074 8,056 370 735 6,951 H33 推計(施策推進期間) 182.3 155.8 38,201 3,024 -3,238 4,478 106 509 3,298 565 1,240 20 579 341 300 624 6,715 20 114 1,996 249 402 834 3,100 8,084 374 745 6,965 H34 181.7 157.7 38,411 2,704 -2,853 4,093 23 463 3,042 565 1,240 20 579 341 300 523 6,834 20 107 2,009 246 403 828 3,221 8,112 378 755 6,979 H35 182.0 160.2 38,412 2,258 -2,893 4,133 108 404 3,055 566 1,240 20 579 341 300 436 6,938 20 102 2,009 253 403 858 3,293 8,139 381 765 6,993 H36 ○財政計画は,現行水道料金を基本とし,持続可能な健全経営のため,委託事業の拡大や,アセットマネジメントによる事業の平準化を取り入れ算出した。 有収水量 (千m ) 資本的 収支 収益的 収支 収益 長期前受金戻入 給水収益 項 目 ←実績→ 表-2.1 財政収支見込 20,856 282 2,256 15,491 2,827 6,200 100 2,895 1,705 1,500 2,690 34,093 100 544 10,015 1,248 2,023 4,151 16,012 40,558 1,888 3,775 34,895 計 H33 ~H 37 182.2 160.8 38,460 2,098 -2,585 -14,656 3,825 23 377 2,859 566 1,240 20 579 341 300 413 6,979 20 98 2,013 252 414 858 3,324 8,167 385 775 7,007 H37 30,690 268 2,642 24,997 2,783 8,508 200 5,308 0 3,000 3,196 69,759 200 999 19,851 2,461 4,368 8,591 33,289 80,458 3,721 7,503 181.0 162.2 38,250 2,964 -30,460 -22,182 42,980 386 4,637 31,622 6,335 12,520 200 5,985 3,335 3,000 5,711 67,346 223 1,285 19,758 2,642 3,982 8,328 31,128 80,357 3,684 7,300 69,234 H 38~ H4 7 H 28 ~H3 7 69,373 将来 見 通 し期 間 施策 推進期間 (単位:百万円) 資料 2 ビジョン財政計画 95 資料 3 アセットマネジメント検討結果 資料 アセットマネジメント検討結果 資料 3 3 アセットマネジメント検討結果 本ビジョンの策定と並行して、今後 60 年間のアセットマネジメント検討を行いました(検討方法の概要等 は本編p39【柏市水道事業のアセットマネジメント検討について】を参照してください)。 3.1 事業計画の実施による将来の資産健全度 アセットマネジメントでは、法定耐用年数による更新需要と、更新基準年数(各施設の使用実績や重要 度等に基づく本市独自の基準)による更新需要を算出しました(更新基準年数設定の考え方については 資料 3 3.2 を参照してください)。 また、本ビジョンの計画期間内においては、施設更新計画等の内容を踏まえ、長期的な年度別事業量 を算出し、事業計画へと反映させました。 この事業計画に基づいて事業を実施した場合、法定耐用年数からみた資産(管路、構造物及び設備) の健全度がどのように推移するかを、表-3.1、3.2 及び図-3.1、3.2 に示します。 管路については、更新基準年数に基づく更新時期を一部前倒しして更新を実施することにより、健全管 路(法定耐用年数を超過しない管路)を全体の 5 割以上維持できる見通しです(表-3.1、図-3.1 参照)。 構造物及び設備についても、本ビジョンの計画期間内に更新事業を進めることにより、平成 27 年現在 で既に法定耐用年数を経過している資産があることから、健全資産(法定耐用年数を超過しない資産)を 全体の 6 割以上維持できる見通しです(表-3.2、図-3.2 参照)。 なお、図表中の経年化資産・老朽化資産とは、新設してからの年数が法定耐用年数を経過した管路・ 施設等を表していますが、実際の機能が損なわれているかどうか(健全度)を示すものではありません。管 路については、柏市の土壌や管路の種別等から、法定耐用年数を超えても機能が損なわれないと想定さ れています。また、設備等についても、適切に維持管理を行うことで機能の確保を図ることができます。更 新基準年数設定の考え方も、これを踏まえたものとしています。 96 96 資料 3 アセットマネジメント検討結果 表-3.1 事業計画に基づいて事業を実施した場合の健全度(管路) 【全体】 区 分 健全管路 経年化管路 老朽化管路 計 【比率】 区 分 健全管路 経年化管路 老朽化管路 計 H27年 1,307.8 53.6 0.1 1,361.5 H32年 1,250.5 111 0 1,361.5 H37年 1,199.1 162.3 0 1,361.5 H42年 1,093.9 267.5 0 1,361.5 H47年 1,035.1 326.4 0 1,361.5 H52年 967.1 394.4 0 1,361.5 H57年 885.7 475.8 0 1,361.5 H62年 824.3 537.2 0 1,361.5 H67年 753.6 561.1 46.8 1,361.5 H72年 747.8 521.6 92 1,361.5 H77年 737.8 476 147.7 1,361.5 H82年 754 404.1 203.3 1,361.5 H27年 96.1 3.9 0.0 100.0 H32年 91.9 8.2 0.0 100.0 H37年 88.1 11.9 0.0 100.0 H42年 80.4 19.7 0.0 100.0 H47年 76.0 24.0 0.0 100.0 H52年 71.0 29.0 0.0 100.0 H57年 65.1 35.0 0.0 100.0 H62年 60.5 39.5 0.0 100.0 H67年 55.4 41.2 3.4 100.0 H72年 54.9 38.3 6.8 100.0 H77年 54.2 35.0 10.9 100.0 H82年 55.4 29.7 14.9 100.0 健全管路 管路延長 km 1,600 経年化管路 単位:km H87年 760.1 345.2 256.2 1,361.5 単位:% H87年 55.8 25.4 18.8 100.0 老朽化管路 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 H27年 H37年 H47年 H57年 H67年 H77年 H87年 年度 健全管路:布設後の経過年数が法定耐用年数を超えていない管路 経年化管路:布設後の経過年数が法定耐用年数は超えているが、法定耐用年数×1.5倍を超えていない管路 老朽化管路:布設後の経過年数が法定耐用年数×1.5倍を超えている管路 ※本図は、法定耐用年数を目安とした経年化度を示した図であり、管路機能の劣化度を示すものではない。 また、経年化・老朽化の定義は、厚生労働省「水道事業におけるアセットマネジメント(資産管理)に関する手引き」 による。 図-3.1 事業計画に基づいて事業を実施した場合の健全度(管路) 97 97 資料 3 アセットマネジメント検討結果 表-3.2 事業計画に基づいて事業を実施した場合の健全度(構造物及び設備) 【合計】(管路は除く) 区 分 H27年 健全資産 147.6 経年化資産 28.5 老朽化資産 35.1 計 211.3 【比率】(管路は除く) 区 分 H27年 健全資産 69.9 経年化資産 13.5 老朽化資産 16.6 計 100.0 H32年 143.4 18.6 49.3 211.3 H37年 139.7 21.5 50.1 211.3 H42年 163.1 18.5 29.7 211.3 H47年 177.5 17.3 16.5 211.3 H52年 174.0 20.9 16.4 211.3 H57年 165.0 32.9 13.4 211.3 H62年 149.4 50.9 11.0 211.3 H67年 154.7 44.0 12.5 211.3 H72年 151.1 48.8 11.3 211.3 H77年 127.0 71.7 12.6 211.3 H32年 67.9 8.8 23.3 100.0 H37年 66.1 10.2 23.7 100.0 H42年 77.2 8.8 14.1 100.0 H47年 84.0 8.2 7.8 100.0 H52年 82.4 9.9 7.8 100.0 H57年 78.1 15.6 6.3 100.0 H62年 70.7 24.1 5.2 100.0 H67年 73.2 20.8 5.9 100.0 H72年 71.5 23.1 5.3 100.0 H77年 60.1 33.9 6.0 100.0 健全資産 資産額 億円 250 経年化資産 単位:億円 H87年 136.2 63.3 11.7 211.3 単位:% H82年 H87年 62.7 64.5 29.5 30.0 7.9 5.6 100.0 100.0 H82年 132.4 62.3 16.6 211.3 老朽化資産 200 150 100 50 0 H27年 H37年 H47年 H57年 H67年 H77年 H87年 年度 健全資産:設置後の経過年数が法定耐用年数を超えていない資産 経年化資産:設置後の経過年数が法定耐用年数は超えているが、法定耐用年数×1.5倍を超えていない資産 老朽化資産:布設後の経過年数が法定耐用年数×1.5倍を超えている資産 ※本図は、法定耐用年数を目安とした経年化度を示した図であり、構造物や設備機能の劣化度を示すものではない。 また、経年化・老朽化の定義は、厚生労働省「水道事業におけるアセットマネジメント(資産管理)に関する手引き」 による。 図-3.2 事業計画に基づいて事業を実施した場合の健全度(構造物及び設備) 98 98 資料 3 アセットマネジメント検討結果 3.2 更新基準年数の設定 施設更新を計画する場合、これまでの考え方では法定耐用年数(地方公営企業法施行規則の有形固定 資産の耐用年数(平成 20 年 9 月 19 日改正、総務省))より更新時期を決定してきました。しかし、法定耐用 年数は、あくまでも減価償却を行うための会計上の目安であることから、アセットマネジメント検討では、今後の 柏市の水道施設の更新を考えていく上で、実際の使用状況に応じた更新基準年数を設定しました。更新基準 年数の設定に当たっては、使用実績を基にした既往の研究報告書や他事業体の設定事例を参考とし、施設 や設備の種別や材質等を考慮した設定としています。 更新基準年数の概念は図-3.3 に示すとおりとなっており、更新基準年数までに更新整備を終了する〔更新 基準年数=更新事業の終了点〕ことを目標としています。 本計画における事業計画では、これまで実施できていなかった水道施設の更新実施や一部前倒しを検討し、 事業費の平準化を図っています。 法定耐用年数 (40年) 更新基準年数 更新期間 図-3.3 更新基準年数の考え方(管路の例) 99 99 資料 3 アセットマネジメント検討結果 表-3.3 にアセットマネジメント検討における法定耐用年数と更新基準年数の概要を示します。 管路を例にとると、管路の材質や継手形状、防食の有無等を考慮して、各種調査報告書や他事業体 の設定例を参考として更新基準を設定しています。また、他事業体の設定例を参考とする場合は、管路 の腐食に影響の大きい土壌の種別が類似している例を参考としています。柏市は、市域の大部分がロー ム層となっており、一般的には腐食性の低い土壌であるといわれています。 表-3.3 法定耐用年数と更新基準年数(概要) 法定耐用 区分 種別 土木構造物 種類/用途/細目 ※1 更新基準 年数(年) 構築物/その他/鉄筋コンク リート造のもの 建物/鉄筋コンクリート造のも の/事務所用 機械及び装置/水道用又は 工業用水道用設備/ポンプ 設備 機械設備 同 ポンプ設備 同 滅菌設備 同 薬品注入設備 同 電気設備(その他) 同 (蓄電池電源設備) 同 (内燃力・汽力発電設備) 電気・計装設備 同 計測設備 同 その他計量器 建物附属設備/冷房等 建築附帯設備 建物附属設備/消火設備等 60 建築物 構 造 物 及 び 設 備 50 15 15 10 15 20 6 15 10 10 13~15 8 90 65 60 75 50 送・配水ポンプ 15~26 電動機(送・配水ポンプ用)等 次亜注入設備 除鉄・除マンガン設備 その他機械設備 受変配電設備 直流電源盤、蓄電池盤等 自家用発電設備 監視制御設備等 計器・計装 その他電気設備 その他計装設備 空調設備 消火・排煙又は災害報知設備 15~26 12 20 24 23 6~15 30 12~15 12~15 25 21 13~15 8 耐震継手2(GX形) 溶接継手 フランジ等 融着継手 RR継手、TS継手 メカニカル継手 ギボルト ねじ込み 鋼管 年数(年) 鉄筋コンクリート造のもの SUS製のもの 上記以外 鉄筋コンクリート造のもの 上記以外 一般継手・耐震継手 ダクタイル鋳鉄管 管 路 分類条件 PS※2無し PS有り PS無し・有り 構築物/水道用又は工業用 40 水道用のもの/配水管 ポリエチレン管 塩化ビニル管 鋳鉄管 石綿セメント管 鉛管 ※1 地方公営企業法施行規則別表第二号による ※2 PS(ポリエチレンスリーブ):ポリエチレン製の筒状のもので、管路の腐食を防止する目的で使用される。 100 70 80 100 60 40 60 40 50 40 40 100 資料 3 アセットマネジメント検討結果 3.3 事業計画の実施による長期財政収支見通し 事業計画を実施した場合の長期的な財政収支の見通しでは、事業費の増大にあわせて企業債を借入 れることで、平成 71 年度までは資金(内部留保資金)の確保を図ることができる見通しですが、平成 87 年度には企業債残高の金額が約 120 億円と、現在(平成 26 年度)の約 1.7 倍となる見込みです。 また、長期的に見込まれる給水量の減少に伴い、事業収益(給水収益)が減少する見込みとなっており、 平成 55 年度には収益的収支が赤字となる見込みです。このため、事業効率化等による費用の縮減努力 を続けながら、事業収益確保のための方策について検討する必要があります。 表-3.4 収益的収支総括表 ●収益的収支(総括表) 実績← →推計 年度 H22年~ H26年 3 業務量 年間有収水量(千m ) 収入の部 給水収益(料金収入) 支出の部 37,522 37,659 H38年~ H42年 38,316 H43年~ H47年 38,469 H48年~ H52年 38,343 37,892 H53年~ H57年 H58年~ H62年 37,295 36,699 H63年~ H67年 36,102 H68年~ H72年 35,505 H73年~ H77年 H78年~ H82年 34,909 34,312 H83年~ H87年 33,715 68.9 69.8 69.4 69.0 70.2 69.3 68.3 67.3 66.4 65.4 64.5 63.6 長期前受金戻入 1.5 7.0 7.6 7.5 7.5 7.4 7.6 7.5 7.2 6.7 6.6 6.5 6.5 その他営業外収益 0.1 3.7 3.8 3.7 3.7 3.1 3.3 3.4 3.6 3.8 4.0 4.2 4.4 特別利益 2.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 計 ① 76.9 79.6 81.1 80.7 80.3 80.8 80.1 79.3 78.1 76.8 76.0 75.2 74.5 原水・浄水・配水・給水・ 業務・総係費等 43.4 45.1 47.1 48.9 48.9 48.6 48.6 48.6 48.7 48.7 48.7 48.7 48.7 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 減価償却費資産減耗費 16.7 19.4 20.0 19.9 19.9 20.6 22.9 25.7 28.1 27.2 26.3 26.0 26.0 計 ② ①-②-長期前受金戻入 3.4 1.5 1.1 1.0 1.0 1.2 1.5 1.8 2.1 2.4 2.5 2.6 2.7 63.6 66.0 68.2 69.8 69.8 70.4 73.0 76.2 78.9 78.3 77.5 77.3 77.4 11.8 - 累計(2014年度基準) 原価・単価 H33年~ H37年 73.3 支払利息 損益 単位:億円/年 H27年~ H32年 6.5 5.4 3.4 3.0 3.0 △ 0.5 △ 4.4 △ 7.9 △ 8.1 △ 8.0 △ 8.6 △ 9.4 39.0 65.9 82.9 97.9 112.6 110.1 87.9 48.3 7.9 △ 32.3 △ 75.4 △ 122.6 供給単価(円/m3) 184.2 182.9 182.1 180.5 180.1 179.9 179.9 179.9 179.9 179.9 179.9 179.9 179.9 給水原価(円/m3) 161.6 156.0 157.7 161.3 161.8 166.2 175.6 187.1 198.7 201.7 203.1 206.5 210.3 ※5年ごと(平成27~32年のみ6年)の平均値を表示している。 ※給水原価は、費用から長期前受金戻入を控除した値で計算している。 収入 支出 損益 料金収入 損益 億円 収入・支出 億円/年 90 資本費(支払利息+減価償却費) 15 80 10 70 80 70 料金への比率 料金収入に対する比 率 % 料金・費用 億円/年 50.0 45.0 40.0 60 60 5 35.0 50 30.0 40 25.0 30 20.0 50 0 40 -5 30 15.0 20 20 -10 5.0 0.0 0 -15 0 10.0 10 10 H22年 H27年 H33年 H38年 H43年 H48年 H53年 H58年 H63年 H68年 H73年 H78年 H83年 ~H26 ~H32 ~H37 ~H42 ~H47 ~H52 ~H57 ~H62 ~H67 ~H72 ~H77 ~H82 ~H87 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 H22年 H27年 H33年 H38年 H43年 H48年 H53年 H58年 H63年 H68年 H73年 H78年 H83年 ~H26 ~H32 ~H37 ~H42 ~H47 ~H52 ~H57 ~H62 ~H67 ~H72 ~H77 ~H82 ~H87 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 収益的収支 原価・単価 円/㎥ 給水原価 料金収入と資本費の比率 供給単価 250 200 150 100 50 0 H22年~ H27年~ H33年~ H38年~ H43年~ H48年~ H53年~ H58年~ H63年~ H68年~ H73年~ H78年~ H83年~ H26年 H32年 H37年 H42年 H47年 H52年 H57年 H62年 H67年 H72年 H77年 H82年 H87年 原価・単価 図-3.4 収益的収支の推移 101 101 資料 3 アセットマネジメント検討結果 表-3.5 資本的収支総括表 ●資本的収支(総括表) 実績← →推計 和暦年度 収入の部 H22年~ H26年 企業債 工事寄付負担金 不足額 H33年~ H37年 H38年~ H42年 H43年~ H47年 H48年~ H52年 H53年~ H57年 H58年~ H62年 H63年~ H67年 H68年~ H72年 H73年~ H77年 H78年~ H82年 H83年~ H87年 2.4 3.2 3.0 3.0 3.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 0.03 3.5 3.4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 給水申込負担金等 支出の部 単位:億円/年 H27年~ H32年 0.3 6.1 5.8 5.3 5.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 国庫(県)補助金 0.04 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 計 ① 10.7 13.1 12.4 8.5 8.5 11.0 11.0 11.0 11.0 11.0 11.0 11.0 11.0 事業費 40.4 39.3 36.6 27.8 27.8 30.7 30.7 30.7 30.7 30.7 30.7 30.7 30.7 企業債償還金 0.9 4.7 4.5 3.2 2.1 1.9 2.2 2.6 3.4 3.9 4.2 4.5 4.8 その他 0.1 0.2 0.6 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 計 ② 41.4 44.2 41.7 31.2 30.1 32.8 33.1 33.5 34.3 34.8 35.0 35.4 35.7 ①-② △ 30.6 △ 31.2 △ 29.3 △ 22.7 △ 21.6 △ 21.8 △ 22.1 △ 22.5 △ 23.3 △ 23.8 △ 24.1 △ 24.4 △ 24.7 ※5年ごと(平成27~32のみ6年)の平均値を表示している。 ●資金残高・企業債残高(総括表) 単位:億円 和暦年度 資金収支 H26年 H32年 H37年 H42年 H47年 企業債残高 69.0 59.6 52.1 51.1 55.7 資金残高 70.3 40.5 21.0 23.5 29.6 H52年 H57年 71.0 38.3 84.8 39.7 H62年 H67年 96.8 104.9 33.7 H72年 H77年 H82年 110.6 114.8 117.4 18.2 △ 4.9 △ 34.0 △ 69.0 支出 資金残高 H87年 ※各年度末値を表示している。 事業費 企業債 起債比率 収入 45 18 収入・支出 億円 50 資金残高 億円 80 40 16 45 60 35 14 40 40 30 12 35 20 30 0 25 -20 20 -40 事業費・起債額 億円 起債比率 % 25 10 20 8 15 6 15 -60 10 4 10 -80 5 2 5 0 0 0 H22年 H27年 H33年 ~H26 ~H32 ~H37 年 年 年 -100 -120 H22年 H27年 H33年 H38年 H43年 H48年 H53年 H58年 H63年 H68年 H73年 H78年 H83年 ~H26 ~H32 ~H37 ~H42 ~H47 ~H52 ~H57 ~H62 ~H67 ~H72 ~H77 ~H82 ~H87 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 H38年 H43年 H48年 H53年 H58年 H63年 H68年 H73年 H78年 H83年 ~H42 ~H47 ~H52 ~H57 ~H62 ~H67 ~H72 ~H77 ~H82 ~H87 年 年 年 年 年 年 年 年 年 年 事業費と起債比率 資本的収支・資金残高 企業債残高 億円 140 120 100 80 60 40 20 0 H26年 H32年 H37年 H42年 H47年 H52年 H57年 H62年 H67年 H72年 H77年 H82年 H87年 企業債残高 図-3.5 資本的収支の推移 102 118.1 △ 109.9 102 用語説明 用語説明 用語説明 語 句 説 明 ページ アセットマネジメント (マクロマネジメント) 中長期的な視点に立ち、水道施設のライフサイクル全体にわたって効率的かつ効果的に水 道施設を管理運営する体系化された実践活動のこと。現在保有している資産の状態・健全 度を適切に診断・評価し、中長期の更新需要見通しを検討するとともに、財政収支見通し を踏まえた更新財源の確保方策を講じる等により、事業の実行可能性の確保を図る。 p.31 塩化ビニル管 塩化ビニル樹脂を主原料とする管。耐食性・耐電食性に優れ、スケールの発生もなく軽量 で接合作業が容易であるという長所があるが、衝撃や熱に弱く、紫外線により劣化し、凍結 すると破損しやすいという短所がある。また、シンナーなどの有機溶剤に侵されるので、使用 場所や取扱に注意が必要である。 p.23 遠方監視制御システム 遠方に設置された施設及び設備機器を電話回線等を使用して監視制御するシステムのこ と。省力化と管理の集中化が図られる。 p.3 応急給水設備 地震、渇水及び配水施設の事故などにより、水道による給水ができなくなった場合に、被害 状況に応じて拠点給水、運搬給水及び仮設給水などにより、飲料水を給水するための設備 のこと。配水池等から給水するための緊急遮断弁、耐震性貯水槽、給水車等がある。 p.13 オゾン処理 オゾンの酸化力により、細菌やウイルスの不活化、色度の除去、異臭味の除去、有機物の 酸化分解、凝集促効果などが期待できる処理。高度浄水処理の方式の一つ。 p.5 カビ臭 水道水の臭気の一つであり、その原因は主として藍藻類や放線菌が産生する発臭物質2メチルイソボルネオール、ジェオスミンである。0.01μg/l以下の非常に低い濃度でも感じら れるといわれている。カビ臭物質の除去にはオゾン処理、活性炭処理、生物膜処理などが 有効といわれている。 p.17 簡易水道 計画給水人口が100人を超え5,000人以下の水道のこと。 p.3 管末測定(局) 配水管内の水の水質監視に必要な情報を収集するために設置する連続測定用の計器の こと。配水管網内では、管網の末端部分が最も配水池等から離れていることから、末端に設 置される。主な水質測定項目は、色度・濁度・残留塩素等である。 p.16 管網システム 配水管は網の目のようなネットワークを構成しており、これら全体を管網システムという。 p.56 基幹管路 基幹的な役割を果たす管路。一般に導水管、送水管、配水本管(口径が大きく多量の水 を輸送するなど重要な役割を果たしている配水管)を指す。 p.46 企業債 水道事業において、建設、改良等の費用に充てるために国等から借りた資金。 p.30 北千葉広域水道企業団 水道企業団とは、水道事業という一部の事務について共同処理を行う、地方公共団体の組 合をいう。北千葉広域水道企業団は千葉県、松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子 市、習志野市及び八千代市の1県7市の水道施設に水道水を供給する用水供給事業体 である。 p.3 給水区域 水道事業者が厚生労働省または都道府県の認可を得て給水義務を負う区域。 p.3 給水収益 水道料金による収入のこと。 p.28 給水人口 給水区域内に居住し、水道により給水を受けている人口をいう。給水区域外からの通勤者 や観光客は給水人口には含まない。 p.1 公益社団法人日本水道協会が2005年1月に定めた規格である「 水道事業ガイドライン」に おける業務指標。137項目からなり、水道事業の多岐にわたる業務を統一し た基準で数値 化することにより、利用者への情報開示、透明性の高い事業経営及び説明責任を客観的に 示す手段として活用されることを目的としている。 p.18 魚類監視 水槽に魚類を飼育して、その行動から水質の異常を判断する方法。 p.74 緊急遮断弁 地震や管路の破裂などの異状を検知するとロックやクラッチが解除され、自動的に自重や 重錘または油圧や圧縮空気を利用して緊急閉止できる機能を持ったバルブ。 p.13 計画給水人口 計画目標年次の推定人口のうち給水対象となる人口。 あ か 業務指標 (PI=Performance Indicator) 103 p.3 103 用語説明 原水 浄化処理する前の水。水道原水には大別して地表水と地下水があり、地表水には河川水、 湖沼水、貯水池水が、地下水には伏流水、井水などがある。 p.10 建設副産物 建設工事により発生するコンクリート塊、アスファルト塊、土などのこと。建設副産物は再利 用、埋め立て材などの適正な処分が必要とされている。 p.90 広域化 市町村の行政区域を越えて経営される水道を広域水道といい、広域化とは広域水道を形 成することをいう。市町村単位で水道事業を経営するよりは、水道を地域的に広域化するこ とにより、水資源の広域的利用や重複投資を排した施設の合理的利用による給水の安定 化と財政基盤の強化が図られるとの考え方に基づくものである。 p.60 鋼管 鋼を管体の材料としている管のこと。強度、靭性に富み、延伸性も大きいため、大きな内・外 圧に耐えることができる。また、溶接継手により連結されるため、管路の一体化が可能であ り、継手部の抜け出し防止策が不要となる。一方で、材質的にさびやすいため、内外面に防 食塗装をが必要である。 p.23 高度浄水処理 通常の浄水処理では十分に対応できない臭気物質、トリハロメタン前駆物質、色度、アンモ ニア態窒素、陰イオン界面活性剤などの処理を目的として、通常の浄水処理に追加し て導 入する処理をいう。代表的な高度浄水処理の方法としては、オゾン処理、活性炭処理、生 物処理及びストリッピングがあり、処理対象物質などによってこれらの処理方法が単独また はいくつかの組み合わせで用いられる。 p.3 再生可能エネルギー 太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱などのエネルギーのこと。一度利用しても 比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇しないエネルギーである。 p.48 残留塩素 水に注入した塩素が、消毒効果をもつ有効塩素として消失せずに残留している塩素のこと。 水道法施行規則において給水栓水の残留塩素濃度は遊離塩素0.1mg/L以上とされてい る。 p.76 次亜塩素(酸ソーダ) 水道水の酸化と消毒を目的として注入される塩素剤の一つ。酸化剤としては、塩素の酸化 力を利用して、マンガンや鉄の酸化、アンモニア性窒素の分解などが行える。一方消毒剤と しては、塩素の強い殺菌作用を利用して、微生物や病原菌などを殺菌し、水の安全性を確 保することができる。 p.16 重要施設 地震等の災害時に優先的に水を供給すべき施設。避難所、病院、学校等が該当する。 p.50 受水 水道事業者が、水道用水供給事業から浄水(水道用水)の供給を受けること。柏市は、北 千葉広域水道企業団から受水している。 p.3 受変電設備 受電設備とは、電力会社などから特別高圧または高圧で電気を受電する設備をいい、変 電設備とは必要とする電圧に変電する設備をいう。 p.25 浄水 河川、湖沼、地下水などから取水した原水の水中に含まれている物質などを取り除き、飲 料水とするための適切な処理を行うこと。水道水は、水道法に定められた水質基準に適合 した水を供給しなければならない。 p.3 水質管理目標設定項目 水質基準を補完する項目であり、評価値が暫定であったり検出レベルは高くないものの水道 水質管理上注意喚起すべき項目のこと。平成 27 年4月1日現在26項目が定められてお り、最新の知見により常に見直しがなされる逐次改正方式が採用されている。 p.10 水質基準 水道法により規定される水質基準であり、水道水が備えなければならない水質の要件。 p.5 水質基準項目 水道水が備えなければならない水質の要件として、水道法第4条の規定に基づき、「水質 基準に関する省令」(平成4年厚生省令69号)で規定されている項目のこと。平成 27 年4 月1日現在51項目が定められており、最新の知見により常に見直しがなされる逐次改正方 式が採用されている。 p.10 水質検査計画 水質管理を効率的・合理的に行うための計画。水質検査計画には、検査項目・頻度・検査 地点・検査主体等の基本事項とその考え方を盛り込むこととされている。 p.10 水道事業管理者 管理者とは、地方公営企業を経営する地方公共団体に、地方公営企業の業務を執行させ るため、地方公営企業法2条1項に規定する事業ごとに置かれ、その業務の執行に関し当 該地方公共団体を代表する者をいう(同法7条、8条)。水道事業においては水道事業管 理者といい、原則として事業ごとに管理者を置かなければならない。 p.27 水道施設更新計画 水道施設の更新・耐震化等について総合的に検討し 、今後の整備内容を定める計画。柏 市では、平成27年8月に目標年度を20年後の平成47年度とする計画を策定した。更新計 画では、既存施設の老朽度及び耐震性の評価、更新優先順位の設定を行うとともに、将来 の水需要に応じた統廃合及びダウンサイジングの検討を行い、効率的かつ効果的となる事 業計画を策定した。 p.38 さ 104 104 用語説明 生物活性炭処理 粒状活性炭処理の一つで、運転の継続とともに活性炭層に微生物が増殖している状態 (BACと略記)。吸着だけでなく、生物による処理効果により、アンモニア性窒素や生物分解 性の有機物の除去も期待できる。 p.5 石綿セメント管 石綿繊維(アスベスト)、セメント、硅砂を水で練り混ぜて製造した水道用管。アスベスト セメ ント管、石綿管とも呼ばれる。長所としては耐食性,耐電食性が良好であるほか、軽量で、 加工性が良い、価格が安い等があげられるが、アスベスト 吸入による健康への影響が問題 となり製造が中止されている。なお、厚生労働省ではアスベストは呼吸器からの吸入に比べ 経口摂取に伴う毒性はきわめて小さいこと、また、水道水中のアスベストの存在量は問題と なるレベルにないことから、水道水質基準として基準を設けていない。 p.23 専用水道 寄宿舎、社宅、療養所等における自家用の水道その他水道事業の用に供する水道以外の 水道で、100人を超える者にその居住に必要な水を供給するもの、もしくは、その水道施設 の一日最大給水量が飲用その他生活の用に供することを目的とする水量が20m 3を 超える ものをいう。 p.18 相互融通 災害時等に連絡管等を用いて、相互に水を融通すること。 p.60 ダイオキシン類 ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)にコプラナーPCB を含めたものの総称。PCDDの一種である2,3,7,8-テトラクロロジベンゾパラジオキシンは、急 性毒性、慢性毒性、変異原性、発癌性、催奇形性が強いとされている。また、内分泌撹乱 作用(いわゆる環境ホルモン作用)を有することも問題になっている。 p.10 第三者委託 水道事業者、水道用水供給事業者、専用水道の設置者は、水道の管理に関する技術上 の業務の全部または一部をほかの水道事業者、水道用水供給事業者または当該業務を 実施できるだけの経理的・技術的基礎を有する者に委託することができる。なお、水道事業 者等は、業務を委託した時は、遅滞なく厚生労働大臣または都道府県知事に届け出なけ ればならず、委託の効力を失ったときも同様である(水道法第24条の3)。 p.89 耐震管 離脱防止継手を有し、地震により地盤変動がおきた場合でも管の破損や継手の離脱等の 被害が軽微な管のこと。 p.9 耐震性貯水槽 地震対策として応急給水を確実に実施するために、地震時の外圧などに対し、十分な耐 震、耐圧設計によって築造された飲料水を貯留する施設。圧力式(有圧密閉型) と自由水 面方式(大気開放型)とがある。貯水槽は、滞留による水質の劣化や残留塩素濃度が低下 しない構造とし、さらには流入・流出管に緊急遮断弁を設置するなど、飲料水の流出、汚水 の流入を防ぐ仕組みを有している。 p.13 耐震適合管 地盤によっては、地震による地盤変動がおきた場合でも管の破損や継手の離脱等の被害 が軽微な管のこと。 p.9 濁水 管路が老朽化すると内面腐食や内面の汚れが発生しやすくなり、それにより酸化された鉄 錆を原因とする赤水や濁水を発生させる場合がある。予防のためには、管路の定期的な洗 浄が有効とされている。 p.46 ダクタイル鋳鉄管 ダクタイル鋳鉄とは、鋳鉄に含まれる黒鉛を球状化させたもので、鋳鉄と比べて強度や靭性 に富んでいる。施工性が良く、現在水道用管として広く用いられているが、重量が比較的重 い。 p.23 着水井 浄水場などへ流入する原水の水位動揺を安定させ、水位調節と流入量測定を行うために 設ける池あるいはマス(桝)のこと。また、水質異常時の薬品の注入箇所、数系統からの原 水受水、原水の分配などの機能をもつものもあり、柏市では浄水受水の機能を もつものを受 水井と称している。 p.58 長期前受金戻入 新会計制度適用に伴い計上されるようになった項目。水道管などの資産の財源である長期 前受金(工事負担金、新規給水加入金など )を、減価償却に合わせ、耐用年数の期間に わたって各年度に収益として計上する。 p.29 調定額 調定とは、当該料金についての所属年度、収入科目、納入すべき金額、納入義務者等に 誤りはないか、法令等に違反していないかなどを調査し、確定する内部行為のこと(自治令 154条1項)である。水道における調定額とは、水道メーターの検針から使用水量を確定し、 それに給水条例で定められた料金表を当てはめ、個々の使用者に対し て確定し た水道料 金のことである。 p.88 貯水槽水道 水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であって、水道事業の用に供する水 道から供給を 受ける水のみを水源とするもの。簡易専用水道及び受水槽の有効容量が 10m3以下のもの(いわゆる小規模貯水槽水道)の総称。 p.10 直結給水 必要とする水量、水圧が確保できる場合に、受水槽を経由せずに配水管の圧力を利用し て給水する方式をいう。直結直圧式給水と直結増圧式給水がある。 p.10 直結・直圧式 使用者に対して、受水槽を経由せずに配水管の圧力を利用して給水する方式をいう。 p.10 直結・増圧式 受水槽を経由せずに配水管の圧力を利用しながら、さらに増圧ポンプで給水圧を 高め、給 水する方式をいう。ビルやマンション等の中高層建物で利用される場合がある。 p.10 た 105 105 用語説明 導・送水管 導水管は、取水施設から浄水場まで原水を送る管のこと。送水管は、浄水場から配水池等 の配水施設まで浄水を送る管のこと。 p.55 トリハロメタン メタン(CH4)の水素原子3個が、塩素、臭素、あるいはヨウ素に置換された有機ハロゲン化 合物の総称。THMと略称される。これらのうち、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモク ロロメタン、ブロモホルムの各濃度の合計を総トリハロメタン(TTHM)と呼ぶ。水道水中のトリハ ロメタンは、水道原水中に存在するフミン質などの有機物を前駆物質として、塩素処理に よって生成する。なかでもクロロホルムは発癌物質であることが明らかとなっている。 p.16 主原料が鉛でできた給水管のこと。サビが発生せず、柔軟性に富み、加工・修繕が容易な ことから欧米をはじめ日本でも多く用いられた給水管の一つであったが、管から溶出する恐 れのある鉛の健康リスクの問題から現在では新たな使用はされていない。 p.11 PFI 公共施設の設計、建設、維持管理及び運営に民間の資金とノウハウを活用し、公共サービ スの提供を民間主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るという 考え方。英国で生まれたものであり、わが国では平成11年(1999)7月に「民間資金等の 活用による公共施設等の整備の促進に関する法律(PFI法)」が制定された。 p.89 配水管 配水池等の配水施設から使用者まで浄水を配る管。 p.8 配水池 給水区域において必要とされる水量に応じて適切な配水を行うために、浄水を一時的に蓄 える池。 p.3 深井戸 被圧地下水を取水する井戸のこと。深さは、30m以上のものが多く、600m以上に及ぶこと がある。一般に水質が安定している。 p.5 ブレンド対策 トリハロメタン低減化対策の一つ。トリハロメタン濃度の高い水と低い水を混合することで、供 給水質としてのトリハロメタン濃度の低減化を図る。 p.76 プロパー採用 水道部が直接職員を採用すること。主に、技術継承や経験を積んだ職員の育成を目的とし ている。 p.84 包括委託 業務委託のうち複数の業務を包括的に行うこと。 p.28 法定耐用年数 固定資産が、その本来の用途に使用できると見られる推定の年数。固定資産の減価償却 を行うための基本的な計算要素として、取得原価、残存価額とともに必要なものである。そ の年数は、使用及び時間の経過による物質的原因と技術の進歩による陳腐化などの機能 的原因に基づき、過去の経験等を参考として決定するものである。地方公営企業において は、有形固定資産は地公企則別表2号、無形固定資産は同則別表3号による年数を適用 することとされている(同則7条、8条)。 p.8 ホルムアルデヒド アルデヒドの一種で有機化合物。分子式はCH20。 平成24年5月に利根川・江戸川の水を水源とする浄水場でホルムアルデヒドが検出され、 千葉県を含む流域の6浄水場で取水を停止・制限した。このときの原因は、流域に立地す る産廃処理工場からヘキサメチレンテトラミンが排出され、浄水処理を行うことによりホルム アルデヒドが生成されたとされた。 p.1 未譲渡配水管 配水管は水道事業で管理するものであるが、一部過去に布設された配水管で個人等の所 有になっているもの。 p.51 未普及区域 給水区域内において、財政上、地形上あるいは物理的理由などにより、配水管が布設され ていないため、水道水の供給を受けることができない区域のこと。 p.37 有効率 有効水量を給水量で除したもの。有効水量とはメーターで計量された水量の合計で、使用 上有効とみられた水量である。 p.80 有収水量 料金徴収の対象となった水量のこと(他水道事業への分水量を含む)。 p.29 料金回収率 給水にかかる費用のうち水道料金で回収する割合のこと。100%を下回っている場合、給 水にかかる費用が料金収入以外の収入で賄われていることを意味する。 p.29 漏水 水道管等から水が漏れること。地上に漏れ出して発見が容易な地上漏水と、地下に浸透し て発見が困難な地下漏水がある。漏水量が減ると有効率が向上する。 p.11 な 鉛製給水管 は ま や ら 106 106 107 柏市水道事業ビジョン 平成 27 年 12 月 発行 発行 柏市水道部 〒277-0025 柏市千代田一丁目 2 番地 32 号 TEL:04-7166-3181 FAX:04-7167-1165 http://www.city.kashiwa.lg.jp/kashiwa_suido/ 107