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「年金確保支援法」への対応のポイント
年金コンサルティングニュース みずほ総合研究所株式会社 年金コンサルティング部 03-3591-8950 CopyrightⒸみずほ総合研究所 2011 無断転載を禁ず 2011.8-① 「年金確保支援法」への対応のポイント 8月4日の年金確保支援法の成立により、確定拠出年金に従業員拠出の仕組みが導入され、従業員は65歳まで加入 できるよう改善されました。国際会計基準ではIAS19号が改正され、企業年金の更なる見直し機運も高まって きています。今回は、確定拠出年金及びIAS19号の改定のポイントについて解説します。 ■ 確定拠出年金の改定のポイント 年金確保支援法における確定拠出年金の主なポイン トは次のとおりです。 2.まだ確定拠出年金を導入していない場合 この場合は、確定拠出年金を導入する目的を明確に することが望ましいといえます。目的と対応を2つの ○従業員拠出(マッチング拠出) 2012年1月から会社が拠出する掛金の範囲内で従業 ケースについて例示します。 例1 員の拠出が可能となります。 目的 退職給付債務の削減と退職後の資産形成 対応 退職給付制度の一部を確定拠出年金に移 例えば、従業員の掛金は次のようになります。 ・確定拠出年金あり、他の企業年金なし 拠出限度額(51千円/月)を最大限利用するケース 事業主掛金 30千円 行しつつ、従業員拠出を導入します。 例2 目的 退職後の資産形成の充実 対応 従業員の掛金1万円に対して会社が1万 従業員掛金 21千円 円の掛金を拠出します。これにより退職 事業主掛金の範囲内で掛金を最大にするケース 事業主掛金25.5千円 従業員掛金25.5千円 ・確定拠出年金あり、他の企業年金あり 拠出限度額(25.5千円/月)を最大限利用するケース 事業主掛金 13千円 従業員掛金 12.5千円 従業員が拠出する掛金は、税務上、所得金額から控 除することができます。従業員掛金として毎月10,000 円払い込むと、税率10%の場合、毎月1,000円の税金が 後の生活がより豊かになります。 ■ 「IAS19号」の改定のポイント IAS19号の改定版が6月16日に公表されました。 新しい基準は2013年以後開始される決算期から適用さ れます。改定内容の主なポイントは次のとおりです。 1.即時認識 2.表示 損益を純利益とその他包括利益で認識 純利益:勤務費用、純利息収入(費用)、 節約できます。 清算と縮小に係る費用 ○資格喪失年齢の引き上げ 資格喪失年齢がこれまでの60歳から65歳へ引き上げ 回廊方式の廃止 ※純利息収入(費用):資産と債務の差額の利息 その他包括利益:再測定(債務の数理差異、資産の られました。これによって、60歳以降も加入者として 掛金を拠出することができます。定年年齢が60歳を超 える場合など制度設計上も60歳での強制的な資格喪失 は使い勝手が悪いといえましたが、これが改善されま した。 ■ 従業員拠出の利用方法 従業員拠出の利用方法については、次のような例が 考えられます。 1.すでに確定拠出年金を導入している場合 収益(除く利息部分)) 3.開示 確定給付制度の特徴や資産配分、数理計算の仮定に 関する感応度分析の結果等を開示 ■ 対応のポイント 企業年金制度の改定については運営管理機関、総幹 事や中立的なコンサルタントなどの専門家を活用し、 将来的なIFRS対応も睨みつつ改定を進めていくこ とが望ましいと考えられます。 事業主掛金の範囲内かつ事業主掛金との合計が拠出 限度額を超えないような掛金を加入者が拠出できるよ 本件に関してご不明点等ございましたら、ご遠慮なく下記電話番号 う規約を変更します。 までお問い合わせください。みずほ総合研究所株式会社 サルティング部 年金コン ℡.03-3591-8950 ※確定拠出年金への移行割合を高めるような改定も考えられます。 当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。本資料は、当社が信頼できる と判断した各種データに基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。また、本資料に記載された内容 は予告なしに変更されることもあります。