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東北地域の排水処理の現状と 技術シーズに関する調査

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東北地域の排水処理の現状と 技術シーズに関する調査
平成23年度中小企業等産業公害防止対策調査
東北地域の排水処理の現状と
技術シーズに関する調査
調査報告書
平成24年2月
経済産業省 東北経済産業局
0
1
目次
はじめに ................................................................................................................................. 1
1. 東北地域における産業排水の現状と課題の把握............................................................... 2
1.1 排水処理に関る法令・制度.......................................................................................... 2
1.2 食料品製造業の排水処理の現状と課題 ..................................................................... 18
1.2.1 食料品製造業における排水量の現状 .................................................................. 18
1.2.2 食料品製造業の排水の性質と排水処理のプロセス............................................. 19
1.2.3 食料品製造業向けの新たな排水処理技術 ........................................................... 25
1.2.4 食料品製造業における排水処理の現状と課題の把握......................................... 32
1.2.5 食料品製造業の排水処理の課題・改善余地のまとめ......................................... 48
1.3 めっき業の排水処理の現状と課題............................................................................. 53
1.3.1 めっき業における排水量の現状と排水処理プロセス......................................... 53
1.3.2 めっき業向けの新たな排水処理技術 .................................................................. 54
1.3.3 めっき事における排水処理の現状と課題の把握 ................................................ 63
1.3.4 めっき業の排水処理の課題・改善余地のまとめ ................................................ 76
2. 排水処理関連企業の保有技術等の把握 ........................................................................... 80
2.1 排水処理関連企業が保有する技術等の内容把握....................................................... 80
2.2 食料品製造業・めっき業への効果的な排水処理技術及び技術導入の課題............... 88
3. 東日本大震災による水環境等への影響と課題 ................................................................ 98
3.1 マクロ的な水環境等への影響の整理 ......................................................................... 98
3.2 民間事業者の排水処理設備への影響・復旧の状況 ................................................. 103
3.2.1 食料品製造業における東日本大震災による排水処理設備への影響 ................. 103
3.2.2 めっき業における東日本大震災による排水処理設備への影響 ........................ 105
3.2.3 排水処理企業への震災による顧客の排水処理関連設備の被害状況 ................. 107
3.3 水処理に関する災害復興の課題と必要性のまとめ ................................................. 109
4. 東北地域における排水処理ノウハウの水平展開および排水処理技術の域外・海外展開方
策の提案 ..............................................................................................................................110
4.1 排水処理セミナーの実施 ..........................................................................................110
4.2 参加者におけるセミナーへの満足度 ........................................................................115
4.3 東北地方内・国内別地域への水平展開に向けた提言まとめ....................................118
4.3.1 食料品製造業における排水処理課題解決に向けた提言 ....................................118
4.3.2 めっき業における排水処理課題解決に向けた提言........................................... 120
4.3.3 水処理企業の国内展開・海外展開に向けた提言まとめ ................................... 122
参考資料 ............................................................................................................................. 123
食品プロセスの排水処理状況およびニーズに関するアンケート調査票 ....................... 123
2
めっきプロセスの排水処理状況およびニーズに関するアンケート調査票.................... 128
造水・浄水・排水処理等の水処理技術シーズに関するアンケート調査票.................... 133
セミナー資料:基調講演「水処理技術による東北地方の産業力強化」 ....................... 137
セミナー資料:イントロダクション「東北地方における排水処理の課題について」 . 157
セミナー資料:食料品製造業向け「低コスト・省スペース排水処理システム「ゴルゴ・
システムズ」の紹介」.................................................................................................... 163
セミナー資料:めっき業向け①「ガスセンサー制御技術を用いた新しい金属排水・汚泥
処理技術」 ...................................................................................................................... 175
セミナー資料:めっき業向け②「めっきプロセスにおける水・薬品・金属資源の回収再
利用技術」 ...................................................................................................................... 192
技術紹介シート:株式会社ティー・ビー・エム............................................................ 212
技術紹介シート:アイ・トリート有限会社 ................................................................... 213
技術紹介シート:株式会社セイスイ .............................................................................. 214
技術紹介シート:メタウォーター株式会社 ................................................................... 215
技術紹介シート:前澤工業株式会社 .............................................................................. 216
技術紹介シート:株式会社東芝 ..................................................................................... 217
技術紹介シート:オルガノ東北株式会社....................................................................... 218
技術紹介シート:株式会社クボタ(浄化槽) ............................................................... 219
技術紹介シート:株式会社クボタ(液中膜) ............................................................... 220
技術紹介シート:株式会社クボタ(脱水機) ............................................................... 221
技術紹介シート:秋田県健康環境センター ................................................................... 222
技術紹介シート:東北文化学園大学 .............................................................................. 223
技術紹介シート:秋田大学............................................................................................. 224
技術紹介シート:東北大学............................................................................................. 225
3
はじめに
排水処理は、水ビジネスとして国際的に注目を浴びており、近年、嫌気性水処理や高
濃度オゾン処理、低曝気処理、安価な膜処理、微生物活性薬剤など、省エネルギー及び
低コスト型の水処理技術が次々と開発、実用化されている。しかしながら、中小企業は、
排水処理設備を新設、または更新、増強する上で、上記のような技術情報やノウハウが
十分に共有されているとは言えない状況にある。
また、中華人民共和国では、水質汚染が深刻化していることから、第 12 次 5 カ年計
画において水環境保全が重要施策として位置づけられている。特に製紙業や食料品製造
業が原因となっている高 COD 対策や、化学産業やめっき業が主原因となっている重金
属対策には、今後 5 年間で総額 1 兆円以上の投資が計画されている。
このような背景のもと、本事業では、東北地域において、水質汚濁防止法の特定事業
場の多くを占めている食料品製造業とめっき業を対象に、現在の排水処理の状況と課題
を明らかにし、これらの課題に対して、効果的な技術シーズの発掘および整理を行った。
さらに、これらの有望な技術シーズを、東北地域の産業公害の防止、地域環境の持続的
保全の実現につなげるとともに、国際的に展開するための方策についても検討を行った。
1
1. 東北地域における産業排水の現状と課題の把握
1.1 排水処理に関る法令・制度
水質汚濁防止法は人の健康を守り、また生活環境を保全するために、事業所から排出
された排水により公共用水域や地下水が汚染されることを防ぐことを目的としている。
水質汚濁防止法は全国一律の基準と、事業所から公共用水域に排出される排水基準を都
道府県条例で規制強化することを認めている。この条例は以下の 2 つのうちのいずれか
の要件を満たしている汚水、または廃水を排出する特定施設に適用される。
(1)カドミウムなどの人の健康に被害を生じさせる恐れがある物質として政令で定め
る物質を含むこと
(2)化学的酸素要求量その他の水の汚染状態(熱によるものを含み、前号に規定する
物質は除く)を示す項目として政令で定める項目に関し、生活環境に係る被害を生じる
恐れがある程度のものであること
水質汚濁防止法は 1996 年の時点で約 30 万の事業所に適用されている。国の排水基
準は全国一律であり、人の健康に係るものと生活環境項目に係るもの 2 つのカテゴリー
から成り立っている。表 1-1 に示す人の健康に係る項目の 27 項目と表 1-2 に示す生活
環境にかかわる項目の 15 項目である。
2
表 1-1 人の健康にかかわる一律排水基準
(出典:社団法人海外環境協力センター、産業廃水処理技術移転マニュアル)
3
表 1-2 生活環境項目にかかわる一律排水基準
(出典:社団法人海外環境協力センター、産業廃水処理技術移転マニュアル)
4
水質汚濁防止法では、一律基準のほかに、上乗せ基準、総量規制、横出し基準 3 種類
の排水基準を設け、業種、地域、施設規模、規制項目によって排水規制の実効的な運営
が図られるようになっている。
上乗せ基準では、都道府県知事が、全国一律基準だけでは公共用水域の環境基準の確
保が不十分と判断した場合に、より厳しい排出基準を定めることを認めているものであ
る。この基準は、一律基準より厳しい排出基準を定める方法と、特定事業場のうちで日
排水量が 50 ㎥以下のものに広げる場合もある。一方、閉鎖水域の環境基準(COD)の
達成率は他の水域に比べて低い。これは窒素とリンを含む栄養塩の慢性的流入によるも
ので、富栄養化がより厳しくなっているためである。この閉鎖性海域では赤潮が頻繁に
発生している。
総量規制では、こうした汚染された工業地域周辺の閉鎖性海域の水質改善を図るため
に、汚濁負荷の低減を行うための地域別の総量規制を定める事を認めている。現在、東
京湾、伊勢湾と瀬戸内海の流域内の特定事業場の排水規制を厳しく規制させており、こ
れらの特定水域の COD 汚濁負荷低減目標の達成状況報告と、汚濁削減目標の設定が 5
年毎に行われている。2002 年春には第 5 次総量規制がスタートし、COD の削減と併せ
て窒素、リンのより効果的な削減が図られていることとなった。
横出し基準では、排水基準を定める項目を増やす方法と、特定事業場以外に規制をか
ける方法がある。
5
<水質汚濁防止法の東北 6 県の県別基準>
水質汚濁防止法は全国一律の基準と、事業所から公共用水域に排出される排水基準を
都道府県条例で規制強化することを認めている。以下は東北 6 県の上乗せ基準である
①青森県
排水基準の特例区域は、奥入瀬川河口左岸(上北郡おいらせ町新田十八番四地先)か
ら鮫岬北端(八戸市大字鮫町字小舟渡平十番地先)に至る陸岸の地先海域及びこれに流
入する公共用水域に排出される水について適用する。
(基準値に関しては表 1-3 を参照)
②秋田県
排出基準の特例区域は、県の定める第一種水域、第二種水域、第三種水域に適用する。
(水域の詳細に関しては秋田県公害防止条例第 52 号、付表参照。基準値に関しては表
1-4 を参照)
③岩手県
排水基準の特例区域は、新井田川河口水域と釜石湾水域を規制水域と定める。(基準
値に関しては表 1-5、1-6 を参照)
④山形県
排水基準の特例区域は、最上川、赤川、新井田川、小牧川及びこれらの河川に流入す
る公共用水域に適用する。(基準値に関しては表 1-7 を参照)
⑤宮城県
排出基準の特例区域は、松島湾、阿武隈川、仙台市内水域、石巻地先海域、二の倉地
先海域、気仙沼湾、万石浦。これらに流入する公共用水域に排出される水について適用
する。(基準値に関しては表 1-8 を参照)
⑥福島県
排水基準の特例区域は、A 水域:阿武隈川及びこれに流入する公共用水域(猪苗代湖
及び羽鳥湖を除く)
。B 水域:阿賀野川及びこれに流入する公共用水域(C 水域を除く)。
C 水域:猪苗代湖、田子倉湖及び羽鳥湖並びにこれらに流入する公共用水域。D 水域:
いわき市地先海域及びこれに流入する公共用水域。E 水域:相馬市、南相馬市、相馬郡
及び双葉郡の地先海域並びにこれらに流入する公共用水域。F 水域:久慈川及び黒川並
びにこれらに流入する公共用水域に適用する。(基準値に関しては表 1-9,1-10 を参照)
6
表 1-3 青森県の上乗せ排水基準
工場又は事業場の区分
許容限度
生物化学 化学的酸素 浮遊物質 ノルマルヘキ フエノール
的酸素要
求量
(単位 1ℓ
要求量
量
(単位 1 立方 c
類含有量
(単位 1ℓ につ (単位 1ℓ に 含有量(動植 (単位 1ℓ につ ㎥につき個)
き mg)
つき mg) 物油脂類含有
き mg)
量)(単位 1ℓ に
につき
mg)
つき mg)
160(120)
160(120) 200(150)
食 料 品 冷凍すり身製造業及び生すり 130(100)
100(80) 150(120)
豚房施設に係るもの
サン抽出物質
大腸菌群数
(3,000)
20
製 造 業 身製造業に係るもの
に 係 る 蒸りゆう酒・混成酒製造業、 130(100)
100(80) 150(120)
もの(一) 魚粉飼料製造業(フイツシユ
ソリユブル製造業を含む。)
及び有機質肥料製造業に係る
もの
その他のもの
食料品製造業に係るもの(二)
130(100)
100(80) 150(120)
10
30(20)
40(30)
10
140(110)
140(110)
80(60)
40(30)
40(30)
40(30)
化学肥料製造業に係るもの
30(20)
30(20)
60(50)
鉄鋼業、非鉄金属製造業及び金属製品
30(20)
30(20)
40(30)
ガス供給業に係るもの
30(20)
30(20)
旅館業に係るもの(十和田湖及びこれ
60(50)
50(40)
40(30)
と畜業に係るもの
80(60)
50(40)
60(50)
し尿処理施設に係るもの
40(30)
40(30)
80(60)
下水道終末処理施設に係るもの
30(20)
30(20)
その他のもの(畜房施設に係るもの、旅
60(50)
60(50)
パルプ製造業に係るもの
紙製造業及び紙加工品製造業に係る
もの
製造業に係るもの
1
10
1
80(60)
10
1
80(60)
10
1
に流入する公共用水域に水を排出す
るものに限る。)
館業に係るもの及び工場又は事業場
に係る汚水等を処理するものを除く。)
(出典:水質汚濁防止法第三条第三項の規定に基づく排水基準を定める条例、条例 3 号)
7
表 1-4 秋田県の上乗せ排出基準
番
有害物質又は項目
号
一
許容限度(1ℓ につき mg)
適用業種又は施設
カドミウム及びその化合物
*適用業種又は施設に関
第一種水域
第二種水域
カドミウム
カドミウム
0.05
0.05
しては秋田県公害防止条
第三種水域
1
例第52号、別表第二参
照。
二
三
シアン化合物
シアン
有機燐りん化合物(パラチオ
シアン
シアン
0.1
0.1
0.1
0.5
0.5
1
ン、メチルパラチオン、メ
チルジメトン及び EPN に
限る。)
四
六価クロム化合物
六価クロム
六価クロム
0.2
0.2
1
五
生物化学的酸素要求量
30
60
1
六
化学的酸素要求量
30
60
1
30
30
1
七
浮遊物質量
70
120
1
八
ノルマルヘキサン抽出物質
20
20
20
含有量(鉱油類含有量)
九
フェノール類含有量
0.5
0.5
0.5
十
銅含有量
1.0
1.0
2.0
十
窒素含有量
20
20
1
2
2
1
一
十
燐含有量
二
(出典:秋田県公害防止条例、第四十条)
8
表 1-5 岩手県、新井田川河口水域の上乗せ排出基準
項目
生物化学的酸素要求
浮遊物質量
量
ノルマルヘキサ
フェノール類
ン抽出物質含有
含有量
量(動植物油脂
類含有量)
(単位 1ℓ につき mg)
工場又は事業場の区分
水質汚濁防止法施行令(昭和 46
最大
日間平均
(単位 1ℓ につき mg)
最大
日間平均
(単位 1ℓ につき
(単位 1ℓ につ
mg)
き mg)
最大
最大
150
120
150
120
10
―
―
―
150
120
―
―
―
―
110
90
―
―
―
―
60
50
―
―
―
―
40
30
―
―
―
―
40
30
―
―
30
20
―
―
―
1
80
60
―
―
―
―
40
30
80
60
―
―
年政令第 188 号。以下「政令」
という。
)別表第1第2号から第
18 号までに掲げる施設(同表第
10 号に掲げる施設であって、蒸
留酒・混成酒製造業の用に供す
るものを除く。
)を設置するもの
政令別表第1第 10 号に掲げる
施設であって、蒸留酒・混成酒
製造業の用に供するものを設置
するもの
政令別表第1第 23 号に掲げる
施設を設置するもの
政令別表第1第 24 号に掲げる
施設を設置するもの
政令別表第1第 61 号及び第 63
号(金属製品製造業に係る部分
に限る。
)に掲げる施設を設置す
るもの
政令別表第1第 62 号に掲げる
施設を設置するもの
政令別表第1第 64 号(ガス供給
業に係る部分に限る。
)に掲げる
施設を設置するもの
政令別表第1第 69 号に掲げる
施設を設置するもの
政令別表第1第 72 号に掲げる
施設を設置するもの
9
項目
生物化学的酸素要求
浮遊物質量
量
ノルマルヘキサ
フェノール類
ン抽出物質含有
含有量
量(動植物油脂
類含有量)
(単位 1ℓ につき mg)
工場又は事業場の区分
政令別表第1各号(第1号(鉱
最大
日間平均
60
50
(単位 1ℓ につき mg)
最大
80
日間平均
(単位 1ℓ につき
(単位 1ℓ につ
mg)
き mg)
最大
最大
60
業 に 係 る 部 分 に 限る 。 以下 同
じ。)
、第1号の2、第 60 号及び
第 74 号を除く。
)に掲げる施設
のうち前各項に掲げる施設以外
のものを設置するもの
(出典:水質汚濁防止法に基づく排水基準を定める条例、第 31 号)
10
表 1-6 岩手県、釜石湾水域の上乗せ排出基準
項目
水素イオン濃度
生物化学的酸
化学的酸素要
素要求量
求量
浮遊物質量
ノルマルヘキ
フェノール類
サン抽出物質
含有量
銅含有量
含有量(鉱油類
含有量)
(水素指数)
工場又は事業場の区分
(単位 1ℓ につき
(単位 1ℓ につき
(単位 1ℓ につき
(単位 1ℓ につ
(単位 1ℓ につ
(単位 1ℓ につ
mg)
mg)
mg)
き mg)
き mg)
き mg)
最大
最大
最大
最大
日間
最大
平均
下水道整備地域に政令別
海域に排出されるもの
表第1各号に掲げる施設
5.8 以上
を設置するもの
8.6 以下
政令別表第1第1号
海域に排出されるもの
下
に掲げる施設を設置
5.8 以上
水
するもの
8.6 以下
道
政令別表第1第2号
海域に排出されるもの
整
から第 18 号までに掲
5.8 以上
備
げる施設を設置する
8.6 以下
地
もの
域
政令別表第1第 61 号
海域に排出されるもの
以
に掲げる施設を設置
5.8 以上
外
するもの
8.6 以下
11
日間
最大
平均
日間
平均
25
20
25
20
90
70
2
1
―
―
―
―
―
120
100
―
―
0.2
―
―
120
100
120
100
―
―
―
―
―
20
15
50
40
2
1
―
項目
水素イオン濃度
生物化学的酸
化学的酸素要
素要求量
求量
浮遊物質量
ノルマルヘキ
フェノール類
サン抽出物質
含有量
銅含有量
含有量(鉱油類
含有量)
(水素指数)
工場又は事業場の区分
(単位 1ℓ につき
(単位 1ℓ につき
(単位 1ℓ につき
(単位 1ℓ につ
(単位 1ℓ につ
(単位 1ℓ につ
mg)
mg)
mg)
き mg)
き mg)
き mg)
最大
最大
最大
最大
日間
最大
平均
の
政令別表第1第 72 号
海域に排出されるもの
地
に掲げる施設を設置
5.8 以上
域
するもの
8.6 以下
に
政令別表第1第 73 号
海域に排出されるもの
所
に掲げる施設を設置
5.8 以上
在
するもの
8.6 以下
す
政令別表第1各号(第
海域に排出されるもの
る
1号の2、第 60 号及
5.8 以上
も
び第 74 号を除く。)に
8.6 以下
の
掲げる施設のうち前
日間
最大
平均
日間
平均
40
30
40
30
90
70
―
―
―
25
20
25
20
90
70
2
1
―
50
40
50
40
90
70
2
各項に掲げる施設以
外のものを設置する
もの
(出典:水質汚濁防止法に基づく排水基準を定める条例、第 31 号)
12
表 1-7 山形県の上乗せ排出基準
(出典:山形県生活環境の保全等に関する条例)
13
表 1-8 宮城県の上乗せ排出基準
(出典:水質汚濁防止法に基づく排出基準を定める条例、宮城県条例第 40 号)
14
表 1-9 福島県の上乗せ排出基準
有害物質の種類
許容限度
カドミウム及びその化合物
1 リットルにつきカドミウム 0.01 ミリグラム
シアン化合物
検出されないこと。
有機燐りん化合物(パラチオン、メチルパラチオ
検出されないこと。
ン、メチルジメトン及び EPN に限る。)
鉛及びその化合物
1 リットルにつき鉛 0.05 ミリグラム
六価クロム化合物
1 リットルにつき六価クロム 0.05 ミリグラム
砒ひ素及びその化合物
1 リットルにつき砒ひ素 0.01 ミリグラム
水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物
1 リットルにつき水銀 0.0005 ミリグラム
ポリ塩化ビフェニル
検出されないこと。
トリクロロエチレン
1 リットルにつき 0.03 ミリグラム
テトラクロロエチレン
1 リットルにつき 0.01 ミリグラム
ジクロロメタン
1 リットルにつき 0.02 ミリグラム
四塩化炭素
1 リットルにつき 0.002 ミリグラム
1・2―ジクロロエタン
1 リットルにつき 0.004 ミリグラム
1・1―ジクロロエチレン
1 リットルにつき 0.02 ミリグラム
シス―1・2―ジクロロエチレン
1 リットルにつき 0.04 ミリグラム
1・1・1―トリクロロエタン
1 リットルにつき 0.3 ミリグラム
1・1・2―トリクロロエタン
1 リットルにつき 0.006 ミリグラム
1・3―ジクロロプロペン
1 リットルにつき 0.002 ミリグラム
チウラム
1 リットルにつき 0.006 ミリグラム
シマジン
1 リットルにつき 0.003 ミリグラム
チオベンカルブ
1 リットルにつき 0.02 ミリグラム
ベンゼン
1 リットルにつき 0.01 ミリグラム
セレン及びその化合物
1 リットルにつきセレン 0.01 ミリグラム
ほう素及びその化合物
海域以外の公共用水域に排出されるもの 1 リッ
トルにつきほう素 1 ミリグラム
海域に排出されるもの 1 リットルにつきほう素
23 ミリグラム
海域以外の公共用水域に排出されるもの 1 リッ
ふつ素及びその化合物
トルにつきふつ素 0.8 ミリグラム
海域に排出されるもの 1 リットルにつきふつ素
1.5 ミリグラム
アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物
1 リットルにつきアンモニア性窒素に 0.4 を
及び硝酸化合物
あいl乗じたもの、亜硝酸性窒素及び硝酸性窒
素の合計量 10 ミリグラム
(出典:大気汚染防止法に基づく排出基準及び水質汚濁防止法に基づく排水基準を定める条例、
第十八号)
15
表 1-10 福島県のその他の地域別排出基準
有害物質の種類
施設の種類
許容限度
A 水域
日間
B 水域
最大
平均
日間
最大
平均
/
/
0.05
カドミウム及び
非 鉄金 属製 造業に 係る 施
設(水質令別表第 1 の第 62
〔日橋川
〔単位
号に掲げるもの)
に係るも
ウムの量に関し
の に 限
て、1 リットル
る。
〕
につきミリグラ
水質令別表第 1 に掲げるそ
ム〕
の他の施設
/
/
日間
D 水域
最大
平均
その化合物
カドミ
C 水域
0.05
日間
E 水域
最大
平均
日間
F 水域
最大
平均
日間
最大
平均
/
/
/
/
0.05
/
/
/
/
/
/
/
0.05
/
/
/
/
/
〔日橋川
に係るも
の に 限
る。
〕
シアン化合物
水質令別表第 1 に掲げる施
〔単位
設
シアン
/
0.5
/
0.5
/
0.5
/
0.5
/
0.5
/
0.5
/
0.2
/
0.2
/
0.2
/
0.2
/
0.2
/
0.2
の量に関して、
1 リットルにつ
きミリグラム〕
六価クロム化合
水質令別表第 1 に掲げる施
物
設
〔単位
六価ク
ロムの量に関し
て、1 リットル
につきミリグラ
ム〕
16
有害物質の種類
施設の種類
許容限度
A 水域
日間
B 水域
最大
平均
日間
C 水域
最大
平均
/
/
日間
D 水域
最大
平均
/
/
/
日間
E 水域
最大
日間
平均
/
/
8
水質令
特定事業場から
化合物
別表第
排出される 1 日当
〔海域
ふつ素
1 に掲
たりの平均的な
に排出
の量に関して、
げる施
排出水の量(以下
される
1 リットルにつ
設
「1 日平均排出水
ものに
量」という。)が
限る。〕
きミリグラム〕
最大
平均
ふつ素及びその
〔単位
F 水域
日間
最大
平均
/
/
/
/
/
10
/
/
10 立方メートル
以上 30 立方メー
トル未満のもの
1 日平均排出水量
/
/
/
/
/
/
/
8
が 30 立方メート
〔海域
〔海域
ル以上のもの
に排出
に排出
される
される
ものに
ものに
限る。〕
限る。〕
(出典:大気汚染防止法に基づく排出基準及び水質汚濁防止法に基づく排水基準を定める条例、第十八号)
17
1.2 食料品製造業の排水処理の現状と課題
1.2.1 食料品製造業における排水量の現状
表 1-11 は、東北地方の食料品製造業の業種分類別の水質汚濁防止法特定事業場
(50m3/日以上排水量のある事業場)の数と排水量をまとめたものである。全体で 358
の事業所があり、業種分類では水産食料品(145 事業所)、畜産食料品(76 事業所)、
飲料(41 事業所)の順に多く、この 3 業種で事業所全体の 73%を占めている。
表 1-11 東北 6 県の食料品製造業の事業所数と排水量
大分類
中分類
業種分類
事業場数
平均
排水量
排水量
合計
(m3/日) (m3/日)
11
1,211
13,324
水産食料品
145
347
50,304
畜産食料品
76
460
34,946
動植物油脂
4
1,241
4,962
236
439
103,535
みそ・食酢
10
288
2,875
めん類
11
280
3,081
菓子・製あん
3
226
678
洗米業
3
117
350
豆腐煮豆
18
462
8,315
保存食料品
24
268
6,443
冷凍調理食品
12
374
4,482
81
324
26,224
41
1,537
63,022
41
1,537
63,022
358
538
192,781
飼肥料
魚・油
魚・油計
食料品
粉・惣菜
粉・惣菜計
飲料
飲料
飲料計
食料品計
(出典:水質汚濁防止法特定事業場リストよりリサイクルワン作成)
18
1.2.2 食料品製造業の排水の性質と排水処理のプロセス
食料品工場から排出される排水の性状や排水量は製造業の種類や製造方法により異
なる。表 1-12 は食料品製造業の排水の性質を表している。主に「魚・油」の分野では、
COD が高く、
「粉・惣菜」では BOD、
「飲料」では pH など、それぞれ排水の持つ特徴
が異なることがわかる。
表 1-12 食料品製造業の小分類毎の排水の性質
分類
業種
魚・油
魚加工
製粉
粉・惣菜
飲料
SS
200-600
20-300
100-3,000
500-3,000
30-400
400-7,000
1,000-10,000
11,000
2,600-4,400
18,000
800-2,000
100-500
油脂製品
惣菜・冷凍食品
COD
n-へキサン
BOD
pH
6-7
4-6
50-110
4-6
菓子・パン
4,000
2500
清涼飲料水
400
50-70
6-11
ビール
1,500
65
7-10
乳飲料
600-800
100-200
300-400
60-200
10-11
(出典:社団法人海外環境協力センター、産業廃水処理技術移転マニュアル)
排水の特性に合った処理方法を選択しないことは、結果として排水処理全体の非効率
に繋がる。例えば、多くの工場が導入している生物処理では、前処理として固形物や油
分を取り除かなければ、生物処理の効果の最大化に繋がらない。
したがって、食品製造業者は、自社工場の排水の特徴を把握し、その特徴に最適な処
理方法を選択することにより、全体の排水処理効率を高め、省エネルギー化や運転費用
の削減が可能になると考えられる。
以下に、飲料、牛乳・乳製品、惣菜、農産物加工品、油脂製品の 5 つの食品製造業に
おける排水処理プロセスを示す。
19
(1) 飲料製品
課題
飲料製品の製造工程から生じる排水処理では、高い pH 値を解決することが課題である。
処理方法イメージ図
処理方法概要
この工場は排水基準が緩やかな場所にあり、また、排水処理場を十分に確保できる場所であっ
たため、余剰汚泥の発生量が極めて少なく、運転管理が容易なラグーン方式を採用した。原水は
沈砂池兼油分離槽で大きな固形物が除去された後、ラグーン槽に入り、活性汚泥により酸化分解
される。ラグーン槽の総容量は20,000㎥、滞留時間が5日、BOD-MLSS 負荷は通常の活性汚泥
処理の1 / 5~1 / 10 と低いため、汚泥の自己酸化が進み、余剰汚泥の発生量は極めて少ない。ラ
グーン槽は4槽に仕切られており、各槽のエアレーターは間欠運転され、酸素の供給と攪拌が行
われる。ラグーン最終槽は汚泥の沈降分離のための沈殿池を兼ねており、1日に4~7時間の曝気
を行い、上澄水はエアレーター休止中に、12時間かけてゲートから放流される。一方、ラグー
ン最終槽の沈殿濃縮汚泥の一部はラグーン第1槽にポンプで返送される。炭酸飲料排水は活性汚
泥の栄養素の窒素とリンが不足するため、原水に尿素とリン酸アンモニウムを添加している。
運転管理における留意点
運転管理が容易なラグーン方式であるがバルキングが発生する。BODと窒素、リンのバラン
スの管理を行いバルキングの発生を抑制することが大切である。また、BOD-MLSS 負荷の極め
て低い状態で運転されるため、原水中の窒素は酸化されて、硝酸塩となる。この硝酸塩はラグー
ン最終槽において無酸素状態に置かれると、容易に還元されて窒素ガスを発生させる。この窒素
の微細気泡が汚泥に付着して汚泥の沈降不良を起すことがある。その結果、汚泥の流出が起り、
ラグーン槽内のMLSSが減少し、処理水の水質を悪化させ、処理能力の低下を招く危険性がある。
出典
社団法人海外環境協力センター、産業廃水処理技術移転マニュアル
20
(2) 牛乳・乳製品
課題
牛乳・乳製品製造工程での排水処理では、高い BOD 濃度を解消することが課題である。
処理方法イメージ図
処理方法概要
牛乳・乳製品製造工場の排水は水量、汚濁負荷共に時間、日変動が大きいために標準活性汚泥
法を採用する場合は、調整槽で排水の質と量の均質化をできるだけ行ってから曝気槽に送ること
が望ましい。一方、別の対策として、負荷変動に対して安定性が高く、比較的運転が容易な長時
間曝気法が採用されることがあるが、標準活性汚泥法より広い設置場所を必要とする。本設備の
場合は標準活性汚泥法が採用された。牛乳・乳製品製造工場の排水はBODと窒素、リンのバラン
スが取れているので栄養塩を加える必要はない。標準活性汚泥法は長時間曝気法に比べて余剰汚
泥の発生量が一般的には多いが、本設備では濃縮された余剰汚泥を好気性消化して、長時間曝気
と同じ発生量に抑えている。原水はスクリーンで夾雑固形物を除去され、調整槽で均一化を図り
ながら後段の曝気槽へ送られる。沈殿池で汚泥と分離されて塩素滅菌されて放流される。余剰汚
泥は好気性消化槽で酸化分解されて減容化が図られる。
運転管理における留意点
乳業排水の場合には沈殿池での汚泥の沈降分離が難しくなり、処理水中のSS 濃度が高くなる
ことがある。この現象は汚泥が過曝気になり、汚泥フロックの凝集性が悪くなり、分散状態とな
って沈降性が悪くなることによる。一方、MLSS濃度が高くなると、曝気槽の溶存酸素は低下し
処理性能が低下する。この場合は汚泥の引抜を行って溶存酸素を1~2mg / ℓに回復する必要があ
る。
出典
社団法人海外環境協力センター、産業廃水処理技術移転マニュアル
21
(3) 惣菜製品
課題
惣菜製品の製造工程からの排水処理では、高い BOD と SS 濃度の解決が課題である。
処理方法イメージ図
処理方法概要
本設備は下水道整備地域にあるため、低濃度排水と高濃度排水を分けて処理をして下水道に放
流する。低濃度排水はスクリーンで夾雑固形物を除去し、凝集浮上処理をし、中和後放流する。
高濃度排水は低濃度排水と同様にスクリーンで夾雑固形物を除去後、調整槽から熱交換器を経て
嫌気性処理槽に送られる。嫌気性処理の方式は内部に樹脂製の充填材が浮遊する固定床式で、嫌
気性槽内はpH7、水温36℃付近に保たれる。pHは苛性ソーダで調整され、加温は蒸気で行われ
る。嫌気性処理槽で発生するガスは脱硫されて、ガスホルダーに貯えられ、ボイラーの熱源に使
われる。嫌気性処理装置をでた水は浮遊担体を保有する好気性処理装置で処理される。次いで、
担体の表面から剥離した汚泥と流入排水中のSSを除去するために、塩化第二鉄と高分子凝集剤
を添加して、凝集浮上槽で分離後、pH調整をして下水に放流される。
運転管理における留意点
食品製造工場では機器の洗浄に洗剤、消毒剤が用いられる。間違って多量に使うことや、漏洩
事故を起すと、嫌気性処理装置、好気性処理装置で異常な泡立ちを起す原因となる。特に殺菌剤
の漏洩は一時的に嫌気性処理装置、好気性処理装置の生物活性を低下させ、処理水水質の悪化を
招くので注意が必要である。また、排水に含まれる固形物は槽底に蓄積すると腐敗して悪臭発生
の原因となるので、排水ピット、調整槽、加圧浮上装置などの定期的な清掃が望ましい。
出典
社団法人海外環境協力センター、産業廃水処理技術移転マニュアル
22
(4) 農産物加工製品
課題
農産物加工製品の製造工程の排水処理では、製造方法により大きな差があるが、高い BOD と
SS の濃度の解決が課題である。
処理方法イメージ図
処理方法概要
排水は調整槽から熱交換器を経て嫌気性処理槽に入る。嫌気性処理の方式は内部に樹脂製の充
填材が浮遊する固定床式で、pH7、水温36℃付近に保たれる。pHは苛性ソーダで調整される。
加温は蒸気で行われる。嫌気性処理槽で発生するガスは脱硫後ガスホルダーに貯えられ、製品乾
燥の熱源に使われる。嫌気性処理装置を出た水は活性汚泥処理装置で処理され放流される。
運転管理における留意点
固定床嫌気性処理装置は優れた安定性を有するが、増殖微生物により充填材の閉塞が生じるの
で定期的に嫌気性処理槽の底部から窒素ガスでパージを行うことが必要である。この時には脱離
汚泥が曝気槽に流入するために活性汚泥処理の負荷が一時的に増加する。したがって、パージは
年末・年始の休業時、または夏季休業時に年1回ないし2回に分けて行われる。嫌気性処理を活
性汚泥の前処理として行うと活性汚泥のバルキングがほとんど解消され、沈殿池での汚泥の分離
が容易になったが、窒素が増加した。この窒素の低減は、曝気槽の一部を嫌気状態にするか、間
歇的に曝気を停めることにより容易に脱窒ができた。
出典
社団法人海外環境協力センター、産業廃水処理技術移転マニュアル
23
(5) 油脂製品
課題
油脂製品の製造工程からの排水処理では、高い n-へキサン抽出物質(油分)の値を解決する
ことが課題である。
処理方法イメージ図
処理方法概要
この処理設備は、排水中の有機物からメタンを回収し、また、活性汚泥処理への負荷を軽減し、
省エネを図ると同時に余剰汚泥の発生量を減らすことができる。原水は熱交換器で温度調整され
た後に嫌気性処理装置に入る。嫌気性処理槽内の水温は36℃前後に保たれ、内部には充填材が
ほぼ100%充填浮遊している。その表面には嫌気性菌が保持されており、有機物を分解しメタン
ガスなどに変える。嫌気性処理装置の処理水は脱窒槽に入り、沈殿池から返送されてくる返送汚
泥水中に含まれる硝酸を窒素ガスに還元する。脱窒槽を出た水は曝気槽に入り有機物の酸化分解
と硝化が行われる。次に脱窒槽に入り、硝酸が再度還元され、脱窒が行われる。脱窒槽を出た水
は沈殿池で汚泥を分離した後、処理水として放流される。沈殿池の汚泥と消化液は上流側の脱窒
槽に返送される。嫌気性処理槽で発生したガスは脱硫装置で硫化水素を除去し、ボイラーの熱源
に使われる。発生した蒸気は嫌気性処理槽の加温に用いられる。
運転管理における留意点
植物油製造工場の排水は比較的排水量が少なく変動も少ないが、多量の油分を含んでいるた
め、前処理の油分離槽で油を十分に取ることが重要である。嫌気性処理や活性汚泥処理を行って
いる場合には特に油分除去に注意が必要である。第2 ステージの凝集加圧浮上処理では排水の
アルカリ度や塩類濃度で凝集剤の効果が大きく変わるのでジャーテスターで最適な薬注条件を
求めることが大切である。同時に、なたねを原料にする工程排水と大豆を原料にする場合では凝
集条件が異なるため、それぞれの凝集特性を把握して管理する必要がある。
出典
社団法人海外環境協力センター、産業廃水処理技術移転マニュアル
24
1.2.3 食料品製造業向けの新たな排水処理技術
食料品製造業では、近年多くの新技術の導入が始まっている。以下に食料品製造業向
けの 7 つの最新の水処理技術を紹介する。
調整・浮上分離
(1)マイクロ・ナノバブル技術
(2)油水分離技術、浮上油回収技術
活性汚泥処理
(3)活性汚泥処理の処理能力増加技術
薬剤投入・pH 調整
(4)運転最適化による動力コスト・薬剤費等の削減技術
嫌気性処理
(5)嫌気性処理
膜処理
(6)膜処理
汚泥
(7)低コスト脱水技術
(1) マイクロナノバブル技術
技術イメージ図
技術概要
マイクロ・ナノバブルにより、常に酸素を槽内に供給することから、良性菌を活性化する。ま
た、低酸素環境で発生する糸状菌の増殖を抑制する。それにより、微生物処理効率を向上させる
ことができる。
適用可能分野
食料品排水など
導入効果
マイクロナノバブル技術の導入により、微生物の活性化が起こり汚泥物質の分解効率が向上す
る。それにより、全体の省エネ効果が期待される。また、装置の構造が簡単なため、大幅な改修
工事を必要としない。
出典
株式会社ナックコーポレーション
HP
25
(2) 油水分離技術
技術イメージ図
技術概要
排水処理の基準は、年々厳しくなり食品工場を運営する企業にとって甚大なコストである。
排水処理の初期段階として排水から油分を分離することで、生物処理、膜処理などの後段の排
水処理過程を軽減する。すなわち、初期段階で水と油を分離する技術を導入することにより、
排水処理全体のコストを削減することが可能である。
油水分離技術、浮上油回収技術(電気分解式、垂直重力式、油分解式等)による排水から油
分を分離する処理は、高効率に排水から油分の分離を行うことができる。さらに、この方法は、
薬物を注入することなしに、99.9%の油を水から分離することができる。
適用可能分野
食料品排水など
導入効果
この技術を導入することで、油分を除去し、生物処理、膜処理などの排水処理プロセスの負
荷を軽減する。そのため、特に産業排水の容量が多い工場では、処理費用を削減しライフサイ
クルコストの削減が可能である。
また、薬品を使わずに分離することができるため、分離された油の再処理を必要とせず、分
離された廃油はそのまま燃料としてもリサイクルが可能である。
出典
株式会社日建 HP
26
(3) 処理能力増強(担体投入活性汚泥法)
技術イメージ図
技術概要
多孔質の活性汚泥(BOD 酸化菌、硝化菌、脱窒菌)を保持する担体を反応タンクに投入
し運転する担体投入活性汚泥法。活性汚泥を高濃度に保持した担体は反応タンク内のみで
滞留するので、最終沈殿池の負荷を高めることなく、反応タンク内 MLSS のみを高濃度に
保持することが可能となる。よって、反応タンクや最終沈殿池の増設を行うことなく、わ
ずかな改造を行うだけで、処理水量の増加や窒素・リンの除去が可能になる。
適用可能分野
下水道、食料品排水
導入効果
既存の処理施設の拡張を行わずに処理水量(負荷)の増加できる。(水量 50%アップ)
既存の処理施設のタンク容量で BOD、SS のみならず、窒素・リンの同時除去が可能。
出典
一般社団法人日本下水道施設業協会
HP
27
(4) センシング技術
技術イメージ図
技術概要
国内の上水の水質基準は、ますます厳しくなってきており、その基準をクリアするため水処
理施設では、複数の薬品を注入し基準をクリアしている。しかしながら、高価な薬品であるに
もかかわらず、薬品注入は水量による比例制御によるものが主流で、基準値をクリアするため
に過剰注入になりがちである。
センシング技術による水処理最適化技術は、センサー機能と予測機能、制御機能で構成され、
センサー機能は、濃度や pH といった水質の状況をリアルタイムに計測し、予測機能では、その
複数の水質指標に対する複数薬品の投入効果を予測し、制御機能では、目標追従性と薬品コス
トの低減を両立させた最適な薬品注入制御を行う技術となっている。
適用可能分野
食料品排水、めっき排水
導入効果
この技術を導入することで、薬品注入率の最適化により薬品費を低減し、ライフサイクルコ
スト削減が可能となる。
水量が多い工場、また時期によってめっき処理工程が変化し、pH や処理対象物質など水処理
の運転環境が日々変化しているような工場においては、特にメリットが大きい。
出典
メタウォーター株式会社
HP
28
(5) 嫌気性処理(UASB 方式)
技術イメージ図
技術概要
排水を酸素の少ない嫌気状態に維持し、嫌気性微生物のみが活動できる環境をつくりだす。
それにより、嫌気性微生物に汚濁物質を分解させ、メタンや二酸化炭素に分解させる生物処理
方法である。
適用可能分野
食料品排水など
導入効果
余剰汚泥の発生率が好気性処理と比べて三分の一から十分の一程度と少なく、酸素の供給が
必要ないので、動力消費が好気性処理と比べて二分の一から~三分の一に減らせる。このこと
により、廃棄物減によるコスト削減、動力消費減によるコスト削減が可能である。
また、嫌気性処理工程では、メタンや水素が発生する。これらは燃料になるため、バイオエ
ネルギーに活用できる。
出典
APEC 環境技術交流バーチャルセンター
HP
29
(6) 膜処理技術による活性汚泥と排水の分離
技術イメージ図
技術概要
沈殿法では、水と活性汚泥を分離するために沈殿池を利用する沈殿法により処理されている。
しかし、沈殿法による排水処理は処理水側に活性汚泥を流出させてしまうキャリーオーバーのリ
スクを持つ。また、沈殿法では、濃度のコントロールのために大きな反応タンクを必要とする。
そのため、設備が巨大化してしまうことが避けられない。
膜処理の技術による排水処理は、従来の沈殿池を膜技術に変更して水と活性汚泥の固液分離を
行う。膜処理を通して排水と活性汚泥を強制分離することで活性汚泥のキャリーオーバーを防ぐ
働きをする。
適用可能分野
食料品排水など
導入効果
膜処理技術の導入により、キャリーオーバーを心配する必要がない。そのため、従来の砂ろ過
や消毒などを無くし、処理プロセス全体の簡略化が可能である。また、反応タンク内の活性汚泥
の濃度がコントロールできるため、反応タンクを小型化することができ、全体的に設備の縮小が
可能である。処理水を再利用することも可能である。
出典
栗田工業株式会社
HP
30
(7) 電気浸透式汚泥脱水機
技術イメージ図
技術概要
汚泥の処理は汚泥の量に比例してコストがかかる。それゆえ、高い含水率を有する汚泥を処
理することは合理的ではない。通常の汚泥脱水機を使い汚泥ケーキを作った場合の含水率は約
83~85%と非常に高いのが現状である。
低動力型ベルト汚泥濃縮機、爆砕乾燥機、減圧乾燥機などの脱水技術を導入することにより、
この汚泥の含水率を下げることが可能である。例えば、電気浸透式汚泥脱水機は、汚水の中に
電圧を作用させ、負の電荷を持っている汚泥は陽極付近に、正の電荷を持っている水を陰極付
近に集める原理を利用して脱水する。この技術により、含水率を 65~70%に削減し、汚泥重量
を約 50%まで削減することが可能である。
適用可能分野
食料品排水
導入効果
脱水技術により、汚泥を脱水し含水率を下げることで汚泥量を減らし、処分コストを大幅に
削減することが可能である。
出典
アタカ大機株式会社
HP
31
1.2.4 食料品製造業における排水処理の現状と課題の把握
食料品製造業における産業活動に伴う排水処理の現状と課題を把握するため、東北地
域に立地する食品製造業に対してアンケート調査を実施した。アンケート調査票は、水
質汚濁防止法の特定事業場リストより 50m3/日以上を抽出した。なお、発送には東日本
大震災の影響を考慮し、福島県や宮城県、岩手県の沿岸部は対象外とした。
発送数は全体で 227 通であり、有効回答数は 90、回答率は 39.6%であった。なお、
事業所の閉鎖等により返送されたアンケート票は発送数から除外している。
表 1-13 食料品製造業向けアンケート調査概要
項目
内容
対象事業者
食料品製造業。水質汚濁防止法の特定事業場リストより 50m3/日以上
調査期間
平成 24 年 1 月 16 日~同年 1 月 31 日
発送数
227 通(転居、閉鎖等により返送された場合は発送数から除く)
発送方法
書面一式を郵送
回収方法
FAX または返信用封筒同封による郵送回収
表 1-14 食料品製造業の所在地別アンケート回収率
所在県
青森県
岩手県
秋田県
山形県
宮城県
施設の管轄自治体
送付数
有効回答数
回答率
青森県
54
23
42.6%
青森市
17
5
29.4%
八戸市
26
13
50.0%
岩手県
57
23
40.4%
盛岡市
7
6
85.7%
秋田県
21
7
33.3%
秋田市
5
1
20.0%
山形市
8
1
12.5%
宮城県
29
8
27.6%
仙台市
3
3
100.0%
227
90
39.6%
合計
32
表 1-15 食料品製造業の業種分類別アンケート回収率
業種分類
送付数
有効回答数
回答率
8
2
25.0%
水産食料品
59
23
39.0%
畜産食料品
66
35
53.0%
動植物油脂
2
1
50.0%
みそ・食酢
7
3
42.9%
めん類
8
3
37.5%
菓子・製あん
3
1
33.3%
洗米業
3
0
0.0%
豆腐煮豆
12
2
16.7%
保存食料品
16
4
25.0%
7
3
42.9%
飲料
35
13
37.1%
合計
227
90
39.6%
飼肥料
魚・油
粉・惣菜
冷凍調理食品
33
(1) アンケート回答事業者の概要
アンケートを回答した事業者の業種や資本規模について、以下に示す。最も回答が多
かったのは、資本金は 1,000 万以上 1 億円未満で 57.8%、業種は水産・畜産加工品業で
40.0%であった。
無回答
1.1%
10億円以上
12.2%
1億~10億円未満
22.2%
1,000万円未満
6.7%
1,000万~1億円
未満
57.8%
図 1-1 食料品製造業のアンケート回答事業者の資本金 (n=90)
無回答
7.8%
飲料・酒類製造業
20.0%
その他製造業
24.4%
水産・畜産加工品
業
40.0%
めん・保存食品・
惣菜製造業
7.8%
図 1-2 食料品製造業のアンケート回答事業者の業種 (n=90)
34
(2) 排水規模
1 日に排出する排水量について質問したところ、最大値は 6,500t/日、最小値は 20t/
日、平均値は約 540t/日であった。回答値の分布は以下の図のとおりである。最も回答
が集中した排水規模は、500t/日未満であった。
表 1-16 食料品製造業の 1 日に排出する排水量の平均/最大/最小
平均値
最大値
539.7 t/日
最小値
6,500 t/日
n=89
20t/日
平均
回答数
40
30
20
10
0
0 ~50
~100
~300
~500
~800
~1,000
~1,500
~2,000
~3,000
~4,000
~5,000
排水量(t/日)
図 1-3 食料品製造業の 1 日に排出する排水量の分布 (n=89)
(3) 排水の放流先
排水の放流先については、河川が 66 と最も回答が多く、70%以上を占めていた。
12
海
湖沼
0
66
河川
10
下水道
5
農業用水
集合排水施設
0
3
その他
0
10
20
30
40
50
60
70
図 1-4 食料品製造業の排水の放流先 (n=90、複数回答あり)
35
~7,000
(4) 排水処理の現状と課題
排水処理の現状について、SS、pH、BOD は処理を行っているとの回答が 80 以上で
あった。処理に課題ありとの回答として、最も多かったのは BOD の 22 であり、課題
の内容としてコスト高が最も多く選択されていた。
表 1-17 食料品製造業の排水処理の現状・課題
(n=87、課題内容については複数回答あり)
規制項目
処理を
処理を行っている
課題認識あり
適切な技術
処理が
がない
不十分
コスト高
課題認識
行って
なし
いない
pH
80
16
3
2
12
64
7
BOD
80
22
5
6
16
58
7
COD
54
11
1
2
9
43
33
SS
82
13
5
3
8
69
5
油分(n-ヘキサン)
59
10
4
4
4
50
28
色
38
3
0
1
2
35
49
臭い
34
0
0
0
0
34
53
透視度
59
7
2
2
4
52
28
大腸菌数
66
9
2
1
6
57
21
全窒素
30
5
1
1
3
25
57
全りん
25
5
2
1
3
20
62
TOC
4
0
0
0
0
4
83
TDS
2
0
0
0
0
2
85
表 1-18 食料品製造業の排水処理の現状・課題(その他の回答)
処理を行っている
規制項目
課題認識あり
適切な技術
処理が
がない
不十分
課題認識
なし
コスト高
硫酸イオン
1
1
0
0
1
0
アルミニウム
1
1
0
0
1
0
原水
1
0
0
0
0
1
放流水
1
0
0
0
0
1
MLSS
1
0
0
0
0
1
36
(5) 保有する排水処理プロセス
保有する排水処理プロセスについては、標準活性汚泥槽や調整槽が 70 以上と最も回
答数が多かった。この他、凝集沈殿処理や浮上分離(油分の回収・分離)に 40 以上の
回答が見られた。
70
調整槽
浮上分離
(油分の回収・分離)
42
標準活性汚泥槽
76
47
凝集沈殿処理
12
ろ過
11
殺菌・オゾン処理
膜処理
5
活性炭処理
6
12
嫌気性処理
7
その他
0
20
40
60
80
図 1-5 食料品製造業が保有する排水処理プロセス (n=84、複数回答あり)
(備考:その他の排水処理プロセスについては、表 1-19
37
を参照)
表 1-19 食料品製造業の処理プロセスの技術面・ノウハウ面での特徴
処理プロセス
技術面・ノウハウ面での特徴
調整槽
ばっ気設備を有する
浮上分離(油分の回収・分離)
加圧浮上分離
標準活性汚泥槽
アクアレータ(水中機械式曝気攪拌装置)
回分型
浸漬濾床接触酸化方式
担体処理(ゲル)
ラグーン併用活性汚泥
ろ過
脱水機、凝集剤
殺菌・オゾン処理
固形塩素剤
有機系塩素剤投入
嫌気性処理
嫌気槽
その他
汚泥消化槽
消泡剤
凝集剤を用い、沈殿ろ過(接触酸化槽で、ばっ気処理)
ラグーン併用活性汚泥
回分方式
一つの槽で処理、沈殿、放流が可能
プラスチック製飲料容器を用いての処理や汚泥の循環
使用
38
(6) 技術・ノウハウの取り組み段階
食料品製造業における排水処理技術及びノウハウへの取り組み段階を以下に示す。脱
水汚泥や活性汚泥の処理技術については、検討している事業者や既に導入している事業
者が多い傾向が見られたが、マイクロ・ナノバブル等、新技術については、知らなかっ
たので情報を希望する事業者や未検討の事業者が多く見られた。
とくに興味がない
知っているが検討出来ていない
実証のため導入したが、効果が出なかった
マイクロ・ナノバブル技術
(n=64)
知らなかったので情報がほしい
採算性等を検討したが実証には至っていない
すでに導入している
33
18
12
1 00
脱水汚泥のリサイクル技術
(n=72)
16
13
21
4
16
2
低コスト脱水技術
(n=69)
26
19
11
11
20
油水分離技術、浮上油回収技術
(n=61)
21
20
11
8
10
膜処理 (n=60)
9
26
21
3
10
活性汚泥処理の処理能力増加技術
(n=68)
19
19
15
3
10
2
15
30
嫌気性処理 (n=64)
14
4
1 0
流入量調整、節水に関する技術
(n=65)
23
運転最適化による動力コスト・薬剤費等
の削減技術(センシング技術等) (n=68)
23
25
9
7
1 0
31
9
3
1 1
0%
20%
40%
60%
図 1-6 食料品製造業の技術・ノウハウの取り組み段階
39
80%
100%
(7) 排水処理費用の負担状況
月当たりの排水処理コストについて、最大値は 500 万円/月、最小値は 1 万円/月、平
均値は約 70 万円/月であった。
1 日あたりの排水規模から排水量あたりの費用負担を算出すると、1 か月の工場稼働
数を 25 日と仮定したところ、最大値は約 300 円/m3、最小値は 0.5 円/m3、平均値は約
70 円/m3 であった。排水量あたりの費用負担の分布では、0~30 円/m3 が最も該当する
事業者が多いことが示された。
表 1-20 食料品製造業の月当たりの排水処理コストの平均/最大/最小
平均値
698,078 円/月
最大値
最小値
5,000,000 円/月
n=77
10,000 円/月
表 1-21 食料品製造業の排水処理単価(処理コスト÷排水量)の平均/最大/最小
平均値
72.4 円/m3
最大値
最小値
287.4 円/m3
n=77
0.5 円/m3
(備考:1 か月の工場稼働日数は 25 日と仮定した)
平均
回答数
30
25
20
15
10
5
0
0~30
~50
~80
~100
~130
~150
~200
~250
~300
3
処理単価(円/m )
図 1-7 食料品製造業の排水処理単価(処理コスト÷排水量) (n=77)
40
301~
(8) 新技術導入の検討課題
事業者が現在抱えている排水処理課題について、解決可能な技術が存在した場合に導
入を検討する目安となる投資回収年数を質問したところ、3 年以内が過半数以上を占め
た。6 年以上と回答した事業者 11 社は 6 年から 20 年程度との回答でばらつきが見られ
たが、回答事業者全体の平均は 3.62 年であった。
導入検討の目安となるランニングコストの削減効果見込みについては、20%程度との
回答が最も多く、20%程度の削減効果が見込めた場合は、過半数以上の事業者が導入を
前向きに検討する傾向が伺えた。なお、30%以上と回答した事業者 17 社のうち、50%
と回答した事業者も 2 社あり、回答にばらつきが見られた。
6年以上
15.1%
1年
20.5%
5年
17.8%
2年
16.4%
4年
0.0%
3年
30.1%
図 1-8 食料品製造業の新技術導入を検討する投資回収年数 (n=73)
5%未満
2.9%
30%以上
25.0%
5%程度
5.9%
10%程度
13.2%
15%程度
7.4%
25%程度
14.7%
20%程度
30.9%
図 1-9 食料品製造業の新技術導入を検討するランニングコストの削減見込み (n=66)
41
(9) 食品プロセス排水処理で発生する汚泥の処理状況
食品プロセス排水処理で生じる汚泥の処理状況については、肥料化が回答数 43 と最も
多く見られた。有価売却している事例は少なく、多くの事業者が処理費用を負担し、処
理を行っていた。
年間委託量の平均は 293.8t/年(n=56)であり、費用負担の分布は図 1-12
のとおりである。処理単価は概ね 20 円/kg の前後に回答は集中していた。
含水率の平均は 81.6%(n=52)であり、一部の事業者では脱水や乾燥を行なっていた
が、多くの事業者は含水率 90%程度と高い含水率を示した。
荷姿では、バラ積みやコンテナが最も多く、排出頻度は月に数回が 40%と最も多か
った。
43
肥料
4
飼料
1
セメント
11
焼却
埋立
9
その他
9
0
10
20
30
40
50
図 1-10 食料品製造業の汚泥リサイクル/処分方法 (n=75、複数回答あり)
(備考:その他として、堆肥、土壌改良剤、発酵、メタン発酵、循環等の回答があった)
70
処理委託
5
有価売却
0
10
20
30
40
50
60
70
80
図 1-11 食料品製造業の汚泥の処理形態 (n=75、複数回答あり)
42
肥料
(円/t)
飼料
セメント
焼却
埋立
その他
120,000
委
託
費
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
(t/年)
0
売
却
代
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
4,500
-20,000
年間委託/売却量
図 1-12 食料品製造業の汚泥の処分方法別の年間委託/売却量と処理費/売却代の分布
(n=48、処分方法は複数回答あり)
(備考:処分方法、処理形態、年間委託(売却量)、汚泥 1t 当りの委託費(売却代)の全項目の回答
があった事業者のみ。費用は処理/売却単価のみとし、運賃は除外した)
回答数
40
30
20
10
0
0~10%
~20%
~30%
~40%
~50%
~60%
~70%
~80%
含水率(%)
図 1-13 食料品製造業の汚泥の含水率の分布 (n=52)
43
~90%
~100%
5
フレコン
32
コンテナ
37
その他
0
10
20
30
40
図 1-14 食料品製造業の汚泥排出時の荷姿 (n=74、複数回答あり)
(備考:その他として、バラ、バキュームカー、ダンプ、トラック、ドラム缶の回答があった)
毎日
8.3%
○ヶ月に1回
26.4%
週に数回
25.0%
月に数回
40.3%
図 1-15 食料品製造業の汚泥処理の委託先の回収頻度 (n=72、複数回答あり)
(備考:○ヶ月に 1 回と回答した事業者の平均値は 8.31 ヶ月(n=16)であった)
44
(10) 食品汚泥のリサイクルについて
食品プロセスにて発生する汚泥のリサイクルについて質問したところ、現状より安価
となるならば検討したいとの回答が 55.8%と最も多く、コスト増での検討は 0 であった。
また、現状の処理に不満がなく、新たに検討する必要性を感じていないとの回答も約 4
割見られた。
リサイクルを希望する汚泥の具体例については、以下の表に示す。
リサイクルの単価が現
状の処理単価と同等で
あれば検討したい
5.2%
リサイクルの単価が現
状の処理単価より多少
高くても検討したい
0.0%
現状の処理方法に満
足しており、新たにリサ
イクルを検討する必要
性は薄い
39.0%
リサイクルの単価が現
状の処理単価と比較し
て安くなるのであれば
検討したい
55.8%
図 1-16 食品製造業の汚泥のリサイクルの意向 (n=77)
表 1-22 食料品製造業のリサイクルしたい汚泥の種類・特徴(自由記述)
汚泥(余剰汚泥、脱水汚泥、乾燥汚泥、有機汚泥、活性汚泥等)及びその廃液(具体的な特徴の
記載なし)
活性処理汚泥。N 分の比率が高い
脱水汚泥(活性余剰汚泥)
。ケーキ状でふわふわしている
脱水汚泥。乳製品由来の排水であるため油分が多く、逆に塩分等は少ない
温水に生じる澱粉等の汚泥
魚肉片、野菜片、魚油
油脂汚泥・・・主に牛・豚等の加工工程から発生(野菜も含む)する汚水を分離槽で浮上したスカ
ム(汚泥)
。
45
表 1-23 食料品製造業の汚泥リサイクルに関する意見や要望(自由記述)
最新技術の情報(脱水技術、メンテナンス技術等)
低コスト化(脱水コスト、メンテナンスコスト等)
汚泥量の削減手法が知りたい(2 件)
マイクロエアーで汚泥発生量を減少させられると聞いたが、本当なのか知りたい
現状の処理量はバイオマス発電へ利用され、リサイクル化が図られている
汚泥処理としてではなく、有価物(アミノ酸、たんぱく質等の栄養物など)の抽出、メタ
ンガス利用などに移行したい
汚泥発生量が少ないため、考えていない
46
(11) 排水処理全般での課題
この他、排水処理全般で改善したいことや今後の課題、また業界や地域において共有
したい情報などについて質問した。自由記述での回答内容について、以下に示す。
表 1-24 食料品製造業の排水処理全般で改善したいことや今後の課題(自由記述)
排水量の削減
排水量の管理、安定化(2 件)
水質(pH、透明度、リン濃度、BOD 等)の管理、安定化(2 件)
水質(透明度等)の向上(3 件)
リンの安定除去、警報を含めた測定の充実化
BOD 負荷の変動、過負荷時の処理能力向上
薬剤コスト等のランニングコストの削減(5 件)
負荷変動に対応した設備及び運転管理、安定稼動させるための技術の向上(2 件)
処理能力の効率を高める新技術等、資金支援。
排水処理技術(脱水他)
、処理能力の向上(含有塩分対策)(6 件)
生産量増加等による処理設備の処理能力増強対策(3 件)
設備増強にかかる想定以上のコスト負担
設備の老朽化による突発的な故障(2 件)
汚泥量削減 (6 件)
汚泥処理コストの削減(2 件)
汚泥の性状課題対策(油分による泡及びスカムの多量発生、バルキング等)
(2 件)
夏場の安定処理(水温上昇、腐敗対策等)
冬場の処理能力不足、バクテリアの活性低下等
季節変動(温度等)に左右されない、運転浄化の安定
表 1-25 食料品製造業の業界や地域において排水処理全般で共有したい情報
(自由記述)
排水処理についての基礎知識(講習会等の案内)
対象企業向けのわかりやすいガイドライン、小冊子(マンガ入り)。(PDF 希望)
省エネ技術
事例紹介(設備の特色、運営ノウハウ、新設施設のシステム効果、トラブル等)
余剰汚泥のリサイクル情報(処理方法や効果、コスト削減のノウハウ)
委託事業者に関する情報(汚泥処理事業者数、受入可能量、安さ、メンテ対応の良さ等)
低価格の薬品紹介
今後の法規制
47
1.2.5 食料品製造業の排水処理の課題・改善余地のまとめ
食料品製造業の排水処理の課題と改善余地をより詳細に把握するため、東北地方にあ
る 6 社の食料品製造業に対してヒアリングを実施した。現在の排水管理の状況、汚泥処
理及びリサイクルの状況、排水処理プロセスの改善に向けた取り組み、本事業のような
情報共有に対するニーズについて調査を行った。
(表 1-26、1-27 参照)
表 1-26 東北地域の食料品製造業における排水処理の課題①
業種
業務用加工食品
排水状況
1 日に約 600m3 ほど。季
食肉加工食品
水産加工
1 日に 120m3 ほど。
1 日に 350m3 程度の排水。
・加工食品を中心に非常
・当社では食肉加工食品
・水産加工製品を製造し
に多くの種類の製品を生
を製造しており、その工
ている。排水対策として
産している。排水量は多
程から出る肉の切れ端や
は、BOD、SS、油分が主
節変動は大きい。
排水管理
く SS、BOD 負荷は高い。 調味液、製造設備の洗浄
な項目であり、油水分離
・調整槽でいったん排水
水などが排水に混じるた
した後、活性汚泥法で処
を貯めた後、加圧浮上で
め、その処理を行ってい
理し、最後に汚泥消化槽
油を分離、その後、活性
る。
を設けている。
汚泥法で処理した後、大
・活性汚泥による処理が
量の汚泥を減らすため嫌
中心で、その前に加圧浮
気性処理装置を導入して
上での油・SS の分離、後
いる。
工程で凝集沈殿を行って
いる。
汚泥処理
・汚泥は嫌気性処理した
・汚泥の年間発生量は
後、脱水乾燥させ、処理
300t ほどであり、リサイ
費を負担して肥料会社に
クルしている。
てリサイクルしている。
・リサイクルしてはいる
が処理費がかさむため、
汚泥発生量をより減らし
たい。
48
―
業種
業務用加工食品
食肉加工食品
水産加工
取り組み
・数年前から実施してい
・コンプライアンスや
の状況
る、社内プロセスの効率
CSR には万全の対策を行 の生物処理を行ってい
化や無駄の削減といった
っており、排水処理も課
る。これは、活性汚泥槽
取り組みにより、原料歩
題はない。
にハニカム構造の型枠を
留まり率を大きく改善し
・当社の製品製造の特徴
入れ、生物膜との接触面
た結果、月間数 t 単位で
上、高濃度な調味液が多
積を増やした処理方法
廃棄物排出量が削減さ
量に発生する。そのため、 で、維持管理が楽とのこ
れ、排水汚泥も削減につ
排水の塩分濃度が一般的
とで導入を決めた。確か
ながった。
な工場よりも高く、この
に手間が少なく、効果を
処理を効率的に行いた
得ている。
い。
・排水処理において課題
・浸漬濾床接触酸化方式
は特になく、現在の技術
や設備で十分な処理能力
がある。
情報共有
・加工食品を製造してい
・東北地方の有機汚泥の
ニーズ
るため、季節変動が非常
処理事業者について、処
に大きく、SS、BOD、n- 理対象汚泥やリサイクル
ヘキサンなどを含む排水
の内容、稼動状況、コス
の水量や水質の変化とそ
トなどの情報が共有され
の対応が大きな課題とな
れば良いと思う。
っている。
49
―
表 1-27 東北地域の食料品製造業における排水処理の課題②
業種
水産加工
畜産加工
排水状況
1 日に 150~200m3 ほど
1 日に 650m3 ほど
排水管理
・水産加工品を製造して
・畜産加工を行っており、 ・排水は活性汚泥で BOD
おり、魚を切り身にする
排水にはその工程から発
プロセスでの魚肉や血、
生する肉片や皮、毛、血、 ため薬剤を投入してい
加工工程での調味料や
油などが混ざる。また加
る。
油、各製造ラインの洗浄
工製品も製造しているた
・N を含んだ排水を活性
水などが、排水処理での
め、調味料なども一部含
汚泥で処理する際に、一
処理対象となる。
まれる。
部で硫酸イオンなどが発
・排水プロセスは、まず
・排水プロセスとしては、 生し、そのために pH が
調整槽にいき、その後浮
一般的な加圧浮上、活性
変動するといった問題が
上分離する。ここで凝固
汚泥法をした後、発生し
生じており、結果として
剤を入れ、魚屑が中心の
た汚泥も含めて嫌気処理
薬剤投入量が多くなって
SS を固め、有機汚泥とし を行う。
飲料製造
1 日に 3,000m3 以上
を処理した後、pH 調整の
しまっている。
て処理し、その活性汚泥
で BOD を処理した後、汚
泥を脱水するプロセスに
なっている。
汚泥処理
・浮上分離で凝固・分離
・嫌気処理後、汚泥は脱
・様々な飲料かすと合わ
した魚屑は、以前であれ
水をして、肥料化工場に
せて、汚泥は肥料化事業
ば、飼料化事業者に持込
処理費負担で委託してい
者にてリサイクルしてい
み、無料引取にてフィッ
る。
る。
シュミールとして再利用
されていたが、震災後は
工場数が少なく、飼料化
事業者に持ち込めなくな
ったため、現在は脱水汚
泥とともに、肥料化事業
者に処理費負担で処理委
託している。
50
業種
水産加工
畜産加工
飲料製造
取り組み
・排水処理を適性に行っ
・処理施設のプロセス上、 ・今後の課題として、水
の状況
ても売上増加にはつなが
SS や BOD は適正な対策
量管理、pH 管理、処理水
らないが、当社は海のも
が可能だが、血による水
の水質向上、薬剤コスト
のを加工して販売してい
の濁りや色は、現在の施
低減の 4 つがある。
るので、その海を汚すよ
設は得意としていない。
・震災の影響によって、
うな形にはしたくない。
・色への対策には活性炭
上水の利用量に影響が出
排水処理を適性に行わな
の導入や膜処理が必要と
たこともあり、一部で利
いと、長期的には汚い海
なり、非常にコストがか
用していた井戸水の利用
から出来たものといった
かるため、現時点では導
量を増加させる等、水源
形でブランドに傷がつ
入は考えていない。
を複数確保する取り組み
き、商品に影響が出ると
・現在の工場の稼働状況
が必要になると感じてい
考えている。
以上に生産量が増加する
る。
場合には、排水処理の能
力も増強が必要となる。
しかし、新たな調整槽や
活性汚泥処理を行う水槽
の新設は困難なため、追
加設備のような形で処理
能力が増強できればと思
っている。
情報共有
・排水処理コストを低減
・関心はあるが、開催地
ニーズ
するための、新たな技術
が他県の場合は参加が難
であれば興味があり、ぜ
しい。同県内開催であれ
ひ情報は得たいと思って
ば検討可能である。
いる。
51
―
以上のアンケート調査やヒアリング調査から明らかになった課題は、大きく 3 つに集
約することができる。
①処理能力の増強
アンケートやヒアリングの結果、製品製造量の増加による排水処理能力の不足や、塩
分濃度が高いことによる活性汚泥法での処理能力の低下、冬場の水温低下による活性汚
泥法での処理能力の低下等といった理由による、自社設備の処理能力の不足を感じてい
る食料品製造業が 1~2 割存在していることが判明した。しかしながら、既存の生産活
動の停止が困難であることから、設備の大規模な修繕や建て替えが難しい食料品製造事
業者は多い。したがって、求められる技術としては、既存の反応槽の改造や追加設備の
設置など、簡易かつ短期間にて施工可能な排水処理能力の増強技術が挙げられる。短期
間かつ低コストな排水処理能力増強技術を幅広く食料品製造事業者に認知させること
により、課題解決のための技術導入につながると考えられる。
②汚泥の減容化とリサイクル
調査の結果、汚泥処理に関するニーズとして、現在も脱水汚泥の削減や汚泥処理コス
トの削減等を挙げる事業者が 1~2 割存在していた。この課題を解決するための技術と
しては、低コストの脱水機の導入や汚泥脱水機の能力向上、嫌気性処理などの汚泥発生
量を削減する技術が挙げられる。また、これらの汚泥乾燥技術を導入する上で、どのレ
ベルまで乾燥すれば有価物化が可能なのか、どのような性状や品質であれば堆肥や飼料
としてリサイクルできるのか等、リサイクル事業者の受入条件や単価等の情報を望む意
見が見られた。これらの条件を把握できればより具体的に導入を進めることが可能にな
る等の意見があったことから、技術の認知向上だけでなく、処理後の副産物の受入条件
に関する情報も共有すべきと考えられる。
③排水処理技術の共有化
飲料メーカーを中心とした夏場と冬場での水量や水質の変化への対応や、リンの除去、
油分に伴うスカムの大量発生、排水の粘度に伴う泡の発生、透明度への対策などが食料
品製造業特有の課題として挙がっていた。これらの課題に対し、東北地方の食料品製造
事業者は、水量の安定化として、上水や水道のほかに井戸水を活用する技術の導入や、
色素対応には活性炭処理を、油分には油改修機の導入など、様々な技術導入で対応して
いることがアンケートやヒアリングから明らかになった。具体的な社名公表による情報
共有は難しいが、このような個別課題の対応に関する情報共有は効果的であると考えら
れる。
52
1.3 めっき業の排水処理の現状と課題
1.3.1 めっき業における排水量の現状と排水処理プロセス
表 1-28 は、東北 6 県の、電気めっき、表面処理、非鉄金属、金属製品などの重金属
等を含む排水を排出する事業所数と排水量を表す。めっき産業は、食品産業に続き東北
地方の水環境に影響を及ぼしていると想定される主な産業の1つである。
表 1-28 東北 6 県のめっき産業の事業所数と排水量
大分類
めっき
中分類
めっき
業種分類
事業場数
平均水量
水量計
(m3/日)
(m3/日)
金属製品
35
8,739
305,859
電気めっき
25
349
8,733
非鉄金属
8
36,568
292,540
表面処理
91
1,159
105,467
159
4,482
712,599
めっき計
(出典:水質汚濁防止法特定事業場リストより作成)
めっき工程における水洗工程から重金属を含む排水が発生する。図 1-17 に重金属排
水処理フローの例を示す。めっき排水処理では、排水をいくつかの槽を通して無害化処
理し、下水や河川に放水する。その工程で、重金属汚泥が発生する。
図 1-17 重金属排水処理フロー例
(出典:環境省、亜鉛の処理技術について)
53
1.3.2 めっき業向けの新たな排水処理技術
めっきの排水処理は、多くの課題を抱えている。汚泥の処理費用の負担や処理施設の
大型化、薬品によるコストの増加、汚泥のリサイクルなどがそれである。
また、平成 22 年 7 月 1 日から施行された「排水基準を定める一部の省令を改正する
省令の一部を改正する省令」でほう素、ふっ素、硝酸性窒素の暫定排水基準が改正され、
平成 23 年 11 月 1 日から施行された、
「水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省
令」にて亜鉛の暫定排水基準が変更されるなど、規制が厳しくなっている。このため、
該当する工場はさらに排水処理対策を行う必要がある。
このような状況を受け、めっき排水処理の抱える課題を解決する可能性を持つ新技術
が開発され、近年めっき工場で導入され始めている。以下に 8 つの新技術を示す。
凝集反応
(1)めっき排水リサイクル
(2)イオン交換膜
(3)マイクロ・ナノバブル
(4)センシング技術
沈殿槽
(5)重金属回収
(6)亜鉛回収
ろ過
(7)精密ろ過
汚泥処理
(8)汚泥乾燥
54
(1) めっき排水処理・リサイクル設備
技術イメージ図
技術概要
信頼性の高いめっき品質を確保するためには、めっきプロセスの各工程において多くの水を
用いて洗浄することが不可欠であり、その水量は、最大 1 時間あたり 45 ㎥にものぼる。
この設備では、最新水処理・膜分離技術を採用した。これにより、洗浄に使用した水の 70%
を洗浄水として、残り 30%の水はトイレの洗浄水として利用できるようになり、水の 100%再
利用を可能なる。
適用可能分野
めっき排水など
導入効果
膜を使うことによってスペースを取らずに水の純度をコントロールでき、ほかの方式に比べ
て使用する電気エネルギーが少なくてすむ。また、膜の使用により薬剤が不要になる。その結
果、排水処理コストの低減が見込まれる。
出典
三菱電機株式会社
HP
55
(2) イオン交換法による無排水処理化
技術イメージ図
技術概要
イオン交換法は、排水中の溶存イオンとイオン交換体のイオンを交換して重金属化合物、ア
ンモニア性窒素、リン酸化合物などの汚染物質の除去、有価物の回収再利用することに用いら
れる。さらに、汚染物質をほぼ 100%除去することが可能である。
また、イオン交換は汚濁物質濃度が低く、一方で水量が多い排水に適した処理であり、イオ
ン交換体を選択することによって目的とする汚濁物質を除去できる。濃度や流動が変動しても
処理が可能なことから重金属の処理に適している。
適用可能分野
めっき排水、特に重金属の処理
導入効果
薬品を使わないので、ランニングコストの削減が可能である。また、排水中の有価物を回収
して再利用することが可能である。
出典
「Asian Water」March 2009
56
(3) マイクロナノバブル技術による、水質向上と省スペース化
技術イメージ図
技術概要
近年の工場排水の規制が強化されたため、工場では排水処理設備を充実させることが求めら
れている。しかし、小規模な工場には大規模な排出設備を導入するスペースがないため、コン
パクトで水質を向上させる水処理設備が求められている。
マイクロナノバブル発生器は、処理対象とオゾンガスの気液混合流体を導入し、マイクロナ
ノバブル気泡を発生させると共に、汚濁物質の微細化を行うものである。
適用可能分野
めっき排水など
導入効果
オゾンの強力な酸化力によって有機成分による着色成分、最近の殺菌、臭気成分を分解し水
質が向上する。
また、マイクロナノバブル化することによって効率的な処理が可能になり、排水処理設備の
省スペース化を実現できる。それにより、設備全体の運営コストの削減が見込まれる。
出典
株式会社西原ネオ
HP
57
(4) センシング技術
技術イメージ図
技術概要
国内の上水の水質基準は、ますます厳しくなってきており、その基準をクリアするため水処
理施設では、複数の薬品を注入し基準をクリアしている。しかしながら、高価な薬品であるに
もかかわらず、薬品注入は水量による比例制御によるものが主流で、基準値をクリアするため
に過剰注入になりがちである。
センシング技術による水処理最適化技術は、センサー機能と予測機能、制御機能で構成され、
センサー機能は、濃度や pH といった水質の状況をリアルタイムに計測し、予測機能では、その
複数の水質指標に対する複数薬品の投入効果を予測し、制御機能では、目標追従性と薬品コス
トの低減を両立させた最適な薬品注入制御を行う技術となっている。
適用可能分野
めっき排水、食糧品排水
導入効果
この技術を導入することで、薬品注入率の最適化により薬品費を低減し、ライフサイクルコ
スト削減が可能となる。
水量が多い工場、また時期によってめっき処理工程が変化し、pH や処理対象物質など水処理
の運転環境が日々変化しているような工場においては、特にメリットが大きい。
出典
メタウォーター株式会社
HP
58
(5) 高濃度重金属含有排水を処理する設備フロー
技術イメージ図
技術概要
めっき産業では汚泥の処理コスト高騰を受け、めっき汚泥のリサイクルは急務の課題である。
埋め立て処理を行う際に、亜鉛、クロム、水銀などの金属を産業排水から取り除く必要がある。
また、排水中の金属はリサイクル可能な資源である。そのため、排水中の高濃度金属分を回収す
ることにより、効率的に水と金属をそれぞれ回収することができる。
このケースでは、電解疑集装置で重金属が析出され、さらに残った重金属類は金属捕集剤で微
細な懸濁物質にする。沈降性が悪い金属類のケースは、精密ろ過膜を使うことで段階的に精密ろ
過膜槽内の濃度は上がります。
適用可能分野
めっき排水など
導入効果
この技術では、金属類が非常にコンパクトな形で回収できる。また、処理水中の金属類に関し
ては、下水処理規制値以内に処理できる。そのため、排水処理コストを大幅に削減することがで
きる。
出典
日機装株式会社 HP
59
(6) めっき排水からの亜鉛回収技術
技術イメージ図
技術概要
めっき工場での汚泥は埋め立て処理される事例が多かった。しかし、近年、メッキ汚泥内の
金属を再資源化するための技術開発が進んでいる。
九州めっき工業組合が行った亜鉛メッキのリサイクル技術では、亜鉛めっき 1 次水洗排水の
分別処理を行い亜鉛の濃度の高い排水のみを取り出し、中和沈殿処理により高品位亜鉛スラッ
ジを回収する装置の開発を行った。同時に、販売先である亜鉛精錬工場の受入基準に適合する
品質の亜鉛スラッジとなるように技術開発を行い、精錬原料として販売する。リサイクルシス
テムの構築も行った。
適用可能分野
無機汚泥
導入効果
廃棄物を有価物化することにより、資源を有効活用することができる。さらに、廃棄量が減
るため廃棄にかかるコストを削減することが可能である。
出典
福岡県(記者発表資料)HP
60
(7) 精密ろ過膜
技術イメージ図
技術概要
メッキ排水は従来「凝集沈殿処理システム」が使用されてきたが、大きな設置スペースを要
すること、凝集しきれない重金属水酸化物が処理水側に漏れてしまう恐れ、年々厳しくなる排
出規制値などに適合するのが難しくなってきている。
精密ろ過膜は膜孔径が大きく透過水量が多く、膜材質が強度で耐薬品に優れている。その精
密ろ過膜で重金属排水を分離、ろ過し処理水質の向上を達成する。
適用可能分野
めっき排水など
導入効果
高価な高分子凝集剤を使用しないので、その分の薬品費がかからない。安定した処理水が得
られる。沈殿槽、急速ろ過装置など複数の装置が一つになるため、設置スペースを大幅に縮小
できる。そのため、メンテナンスや運営管理が容易になる。
出典
三菱重工メカトロシステムズ株式会社
HP
61
(8) 汚泥乾燥設備
技術イメージ図
技術概要
脱水処理後の汚泥は約 80%の含水率である。めっき汚泥の運搬費用、処理費用は重量によっ
て料金設定がされている。そのため、汚泥の含水率低減は廃棄物コストに直接関わる問題である。
汚泥乾燥設備では、まず脱水された汚泥を乾燥機に投入する。乾燥機内では、蒸気または電気
を熱源とした乾燥体が回転することで、効率よく均一に汚泥を乾燥させ、含水率を大幅に(10%
~40%)に下げることが可能である。
適用可能分野
汚泥全般
導入効果
乾燥システムを使い脱水された汚泥を乾燥汚泥にすることで汚泥の重量を減らす。それにより、
汚泥の回収コストの削減が可能である。また、大型の乾燥タンク、モーターなどが不要のため設
備の簡素化が可能である。
出典
アムコン株式会社
HP
62
1.3.3 めっき事における排水処理の現状と課題の把握
めっき業における産業活動に伴う排水処理の現状と課題を把握するため、東北地域に
立地するめっき業に対してアンケート調査を実施した。アンケート調査票は、水質汚濁
防止法の特定事業場リストより排水規模 50m3/日以上のめっき業(表面処理、電気めっ
き)を抽出した。この他、東北表面処理工業組合の加盟企業など、昨年度調査のリスト
からも選定を行った。なお、発送には東日本大震災の影響を考慮し、福島県や宮城県、
岩手県の沿岸部は対象外とした。
発送数は全体で 66 通であり、有効回答数は 18、回答率は 27.3%であった。なお、事
業所の閉鎖等により返送されたアンケート票は発送数から除外している。
表 1-29 めっき業向けアンケート回収率
発送先の県
送付数
有効回答数
回答率
青森県
2
0
0.0%
岩手県
13
3
23.1%
秋田県
6
3
50.0%
山形県
14
4
28.6%
宮城県
15
5
33.3%
福島県
16
3
18.8%
合計
66
18
27.3%
(1) アンケート回答事業者の概要
アンケートを回答した事業者の業種や資本規模について、以下に示す。最も回答が多
かったのは、資本金は 1,000 万以上 1 億円未満で 72.2%、業種は電気めっき業で 72.2%
であった。めっきの種類は、ニッケル、亜鉛、無電解ニッケルが回答数 10 以上と多か
った。
10億円以上
5.6%
1,000万円未満
0.0%
無回答
11.1%
1億~10億円未満
11.1%
1,000万~1億円
未満
72.2%
図 1-18 めっき業向けアンケート回答事業者の資本金 (n=18)
63
無回答
5.6%
その他製造業
11.1%
半導体製造業
5.6%
金属製品塗装業
0.0%
電気めっき業
72.2%
溶融めっき業
5.6%
図 1-19 めっき業向けアンケート回答事業者の業種 (n=18)
9
銅
13
ニッケル
4
装飾クロム
7
硬質クロム
11
亜鉛
9
スズ
4
半田
8
金
5
銀
11
無電解ニッケル
無電解銅
0
4
その他
0
2
4
6
8
10
12
図 1-20 取り扱っているめっきの種類 (n=18、複数回答あり)
64
14
(2) 排水規模
1 日に排出する排水量について質問したところ、最大値は 720t/日、最小値は 3t/日、
平均値は約 200t/日であった。回答値の分布は以下の図のとおりである。最も回答が集
中した排水規模は、100t/日未満であった。
表 1-30 めっき業の 1 日に排出する排水量の平均/最大/最小
平均値
最大値
192.6 t/日
最小値
3 t/日
720 t/日
n=18
平均
回答数
5
4
3
2
1
0
0 ~50
~100
~150
~200
~250
~300
~350
~400
~450
~500
~550
~600
~650
~700
~750
排水量(t/日)
図 1-21 めっき業の 1 日に排出する排水量の分布 (n=18)
(3) 排水の放流先
排水の放流先については、河川が 12 と最も回答が多く、約 70%を占めていた。
海
0
湖沼
0
12
河川
5
下水道
農業用水
0
1
集合排水施設
その他
0
0
2
4
6
8
10
12
図 1-22 めっき業の排水の放流先 (n=18、複数回答あり)
65
14
~800
(4) 排水処理の現状と課題
排水処理の現状について、pH、ニッケル(Ni)、銅(Cu)の処理を行っているとの
回答が 15 以上であった。一方で、カドミウム(Cd)や銀(Ag)、金(Au)の処理を行
なっていないという回答が多く見られた。これは使用していない金属であるためと考え
られる。
処理に課題ありとの回答は少なかった。亜鉛(Zn)について 3 事業所が課題ありと
回答しており、その内容として処理が不十分やコスト高が選択されていた。
表 1-31 めっき業の排水処理の現状・課題 (n=18、課題内容については複数回答あり)
規制項目
処理を
処理を行っている
課題認識あり
pH
適切な技術
処理が
がない
不十分
コスト高
課題認識
行って
なし
いない
17
0
0
0
0
17
1
9
0
0
0
0
9
9
13
0
0
0
0
13
5
油分
8
1
1
0
0
7
10
リン(P)
8
1
0
1
0
7
10
ニッケル(Ni)
15
0
0
0
0
15
3
6 価クロム
10
0
0
0
0
10
8
3 価クロム
9
0
0
0
0
9
9
12
0
0
0
0
12
6
金(Au)
5
0
0
0
0
5
13
銀(Ag)
4
1
0
0
0
3
14
銅(Cu)
15
1
0
0
1
14
3
亜鉛(Zn)
12
3
1
2
2
9
6
1
0
0
0
0
1
17
COD
SS
シアン
カドミウム(Cd)
66
表 1-32 めっき業の排水処理の現状・課題(その他の回答)
規制項目
処理を行っている
課題認識あり
適切な技術
処理が
がない
不十分
課題認識
なし
コスト高
F
3
1
0
1
0
2
BOD
2
1
0
0
1
1
ふっ素
2
0
0
0
0
2
S-Fe
2
0
0
0
0
2
B
2
0
0
0
0
2
ほう素
1
0
0
0
0
1
テトラクロロエチレン
1
0
0
0
0
1
Pb
1
0
0
0
0
1
Sn
1
0
0
0
0
1
T-cr
1
0
0
0
0
1
67
(5) 保有する排水処理プロセス
保有する排水処理プロセスについては、pH 調整や中和処理、還元処理、脱水が 15
以上と最も回答数が多かった。ろ過を行っている事業者は比較的少なかった。
16
還元処理
14
酸化処理
pH調整
17
15
凝集沈殿処理
9
ろ過
17
中和処理
16
脱水
2
その他
0
5
10
15
20
図 1-23 めっき業の保有する排水処理プロセス (n=18、複数回答あり)
(備考:その他として、キレート処理の回答があった)
表 1-33 めっき業の排水処理プロセスの技術面・ノウハウ面での特徴
技術面・ノウハウ面での特徴
処理プロセス
還元
酸化
pH
凝集沈
処理
処理
処理
殿処理
処理
○
○
○
○
○
○
○
ろ過
中和
脱水
一部センシング技術の導入により、投入薬剤
費および動力コストを削減
ORP 針にて自動制御、自動補給
PH 計にて自動補給、カウンター調整によりタ
○
イムラグ補正可能
○
塗装で実施
活性炭塔のほかにカートリッジフィルター
○
(50um,100um)、プレコートフィルター有
○
前処理の違う排水を混合し、脱水効率の UP
○
フィルタープレス使用
○
一部脱水汚泥の乾燥による減量化
その他(脱水汚泥、減容機)
汚泥を乾燥させ減容→コストダウン
ライン全般
センシング技術導入済
68
(6) 技術・ノウハウの取り組み段階
めっき業における排水処理技術及びノウハウへの取り組み段階を以下に示す。センシ
ング技術導入によるコスト削減については、既に導入しているとの回答が多く見られた。
イオン交換法による無排水処理化や、膜技術よる重金属水酸化物の分離処理、排水中の
高濃度金属分の回収技術については、知っているが未検討との回答が多く見られた。
採算性などを検討したが実証には至っていないとの回答が多かったのは、無機汚泥の
リサイクルであり、知らなかったので情報がほしいとの回答が多かったのは、マイクロ
フロート技術による水質向上と省スペース化技術であった。
とくに興味がない
知っているが検討出来ていない
実証のため導入したが、効果が出なかった
センシング技術導入による、運転を最適化する
ことによる動力コスト削減(n=16)
知らなかったので情報がほしい
採算性等を検討したが実証には至っていない
すでに導入している
4
1
5
6
0 0
マイクロフロート技術による、水質向上と
省スペース化(n=16)
5
5
5
1
00
処理廃液再利用によるコスト削減等
の効果創出(n=14)
1
4
5
1
3
0
排水中の高濃度金属分の回収
(n=15)
1
3
6
2
3
0
無機汚泥のリサイクル
(n=15)
2
3
7
3
0
0
イオン交換法による無排水処理化
(n=14)
8
4
1
0
膜技術による重金属水酸化物の
分離処理(n=16)
0
1
2
1
8
5
0 0
汚泥乾燥システムによる、無機汚泥の
高濃縮化によるコスト削減(n=14)
1
5
2
4
2
0
排水処理系列の単一ライン化による
低濃度金属成分の回収効率向上(n=14)
7
6
1
0
0%
20%
40%
0
60%
図 1-24 めっき業の排水処理技術・ノウハウの取り組み段階
69
80%
0
100%
(7) 排水処理費用の負担状況
月当たりの排水処理コストについて、最大値は 400 万円/月、最小値は 9.5 万円/月、
平均値は約 90 万円/月であった。
1 日あたりの排水規模から排水量あたりの費用負担を算出すると、1 か月の工場稼働
数を 25 日と仮定したところ、最大値は約 2,000 円/m3、最小値は 77.8 円/m3、平均値は
約 400 円/m3 であった。排水量あたりの費用負担の分布では、150~200 円/m3 が最も該
当する事業者が多いことが示された。
食料品製造業と比較すると、めっき業の平均コストは約 6 倍であり、排水対策に費用
をかけていることが明らかになった。
表 1-34 めっき業の月当たりの排水処理コストの平均/最大/最小
平均値
933,235 円/月
最大値
最小値
4,000,000 円/月
n=17
95,000 円/月
表 1-35 めっき業の排水処理単価(処理コスト÷排水量)の平均/最大/最小
平均値
359.4 円/m3
n=17
最大値
最小値
2,000 円/m3
77.8 円/m3
(備考:1 か月の工場稼働日数は 25 日と仮定した)
平均
回答数
6
5
4
3
2
1
0
0~50
~100
~150
~200
~250
~300
~350
~400
~450
~500
3
処理単価(円/m )
図 1-25 めっき業の排水処理単価(処理コスト÷排水量) (n=17)
70
~1000
1,001~
(8) 新技術導入の検討課題
事業者が現在抱えている排水処理課題について、解決可能な技術が存在した場合に導
入を検討する目安となる投資回収年数を質問したところ、最も多かったのは 5 年の
35.7%であったが、一方で 3 年以内と回答する事業者が合計では過半数を占めていた。
6 年以上と回答した事業者 2 社のうち 1 社は 15 年との回答ではあったが、回答事業者
全体の平均は 4.43 年であった。
導入検討の目安となるランニングコストの削減効果見込みについては、20%、25%
程度との回答が 28.6%と最も多く、25%程度の削減効果が見込めた場合は、ほとんどの
事業者が導入を前向きに検討する傾向が伺えた。なお、回答事業者全体の平均は 17.14%
であった。
1年
14.3%
6年以上
14.3%
2年
7.1%
5年
35.7%
3年
28.6%
4年
0.0%
図 1-26 めっき業の新技術導入を検討する投資回収年数 (n=14)
30%以上
0.0%
5%未満
0.0% 5%程度
14.3%
10%程度
14.3%
25%程度
28.6%
15%程度
14%
20%程度
28.6%
図 1-27 めっき業の新技術導入を検討するランニングコストの削減見込み (n=14)
71
(9) めっきプロセス排水処理で発生する汚泥の処理状況
めっきプロセス排水処理で生じる汚泥の種類は混合スラッジが多く、処理状況につい
ては、埋立処理が最も多く見られた。処理委託している事例が多かったが、一方で、有
価売却している事例が 4 件見られた。年間委託量の平均は 60.0t/年(n=14)であり、食料
品製造業の約 1/5 であった。費用負担の分布は図 1-31 のとおりである。処理単価は食
料品製造業同様、概ね 20 円/kg の前後に回答が集中していた。
含水率は、80%程度に最も多く分布しており、平均は 62.8%(n=15)であった。めっ
き業では、脱水や乾燥を行なっている事業者が多いことが伺えた。荷姿では、フレコン
やコンテナが多く、排出頻度は数ヶ月に 1 回が約 70%と最も多かった。
17
混合スラッジ
単一めっきスラッジ
0
分別スラッジ
0
0
5
10
15
20
図 1-28 めっき業の汚泥の種類 (n=17)
セメント
0
5
製錬
2
焼却
11
埋立
1
その他
0
5
10
15
図 1-29 めっき業の汚泥の最終処分方法 (n=17、複数回答あり)
(備考:その他として、造粒固化の回答があった)
72
13
処理委託
4
有価売却
0
5
10
15
図 1-30 めっき業の汚泥の処理形態 (n=16、複数回答あり)
精錬
(円/t)
焼却
埋立
80,000
委
託
費
60,000
40,000
20,000
0
0
20
40
60
80
100
120
-20,000
売
却
代
140
(t/年)
-40,000
-60,000
年間委託/売却量
図 1-31 めっき業の最終処分方法別の年間委託/売却量と処理費/売却代の分布(n=13)
(備考:最終処分方法、処理形態、年間委託(売却量)、めっき汚泥 1t 当りの委託費(売却代)の全
項目の回答があった事業者のみ)
表 1-36 めっき業の汚泥の含有金属と平均濃度
含有金属
含有あり
平均濃度(%)
銅
10
3.16
n=8
ニッケル
10
8.32
n=9
クロム
7
7.88
n=6
亜鉛
8
17.45
n=6
錫
5
2.99
n=4
鉛
2
0.05
n=2
金
1
0.00
n=1
銀
2
0.83
n=2
S(硫黄)
1
-
n=0
P(リン)
3
1.00
n=1
73
回答数
10
8
6
4
2
0
0~10%
~20%
~30%
~40%
~50%
~60%
~70%
~80%
~90%
含水率(%)
図 1-32 めき業の汚泥の含水率の分布 (n=15)
7
フレコン
6
コンテナ
3
その他
0
2
4
6
8
10
図 1-33 めっき業の汚泥排出時の荷姿 (n=16、複数回答あり)
(備考:その他として、バラ、ドラム、ドラム缶の回答があった)
毎日
0.0%
週に数回
0.0%
月に数回
31.3%
数ヶ月に1回
68.8%
図 1-34 めっき業の汚泥処理の委託先の回収頻度 (n=16)
(備考:数ヶ月に 1 回と回答した事業者の平均値は 1.59 ヶ月(n=11)であった)
74
~100%
(10) めっき汚泥のリサイクルについて
めっきプロセスにて発生する汚泥のリサイクルについて質問したところ、現状と同等
単価であれば検討したいとの回答が 56.3%と最も多く、コスト増での検討は 0 であった。
また、現状の処理に不満がなく、新たに検討する必要性を感じていないとの回答も約 4
割見られた。
リサイクルを希望する汚泥の具体例については、以下の表に示す。
リサイクルの単価
が現状の処理単
価より多少高くても
検討したい
0.0%
現状の処理方法
に満足しており、
新たにリサイクルを
検討する必要性
は薄い
43.8%
リサイクルの単価
が現状の処理単
価と同等であれば
検討したい
56.3%
図 1-35 めっき業の汚泥リサイクルの意向 (n=16)
表 1-37 めっき業の汚泥リサイクルしたい金属の元素名(自由記述)
Ni
Zn,Ni,Cu
Mi,Cu
銅
銀、錫、ニッケル
表 1-38 めっき業の汚泥のリサイクルに関する意見や要望(自由記述)
現在の含有金属濃度では、リサイクル不可能(リサイクルコストが高い)との回答を
リサイクル事業者から受けた。
現在ニッケル回収後、アスファルト路盤材となっているが、処理委託なので有価売却
したい。
汚泥内からの金属抽出方法が知りたい。(各金属のリサイクル可能含有率等も)
75
1.3.4 めっき業の排水処理の課題・改善余地のまとめ
めっき業の排水処理の課題と改善余地をより詳細に把握するため、東北地方 3 社のめ
っき業に対してヒアリングを実施した。現在の排水管理の状況、汚泥処理やリサイクル
の状況、排水処理プロセスの改善に向けた取り組み、本事業のような情報共有に対する
ニーズについて調査を行った。(表 1-39 参照)
表 1-39 めっき業における排水処理の課題
業種
排水状況
電気めっき業
各工場 100t/年未満。
電気めっき業
1 日に 50m3 ほど。
電気めっき業
全工場あわせて 1 日に
500m3 以上と思われる。
排水管理
・業務内容に応じて排水の水質 ・排水処理は、3 価クロムを
・ISO14001、ISO9000 を取
が変化するため、処理プロセス 水酸化クロムとし凝集沈殿
得し、環境面だけでなく、品
も臨機応変な対応が必要とな
させている。
質管理の面からも排水処理
る。
・三価クロメートの処理は排 に力を入れ、管理を行ってい
・排水中に複数種類の金属成分 水処理管理も難しく、徹底し る。
が共存するため、排水処理が難 た管理体制が求められる。そ ・技術部に環境管理課を設
しい。
のため弊社では、厳しい環境 け、各工場それぞれに担当者
・排水中の含有金属が低濃度の 基準をクリアし、環境保全と を配置し、排水管理を行って
ため、リサイクルが難しい。
汚染防止のため、有害物質を いる。
・排水基準は自治体基準の半分 取り除く最新の排水処理施
を社内基準としている。
設を導入している。
・キレート剤が多量に存在する ・具体的には、ORP 計と酸
条件下では、従来の排水処理プ 化還元電位計を用いてイオ
ロセスに向かない。
ン量を計測し、投入薬剤の自
動制御を行っている。
汚泥処理
・県内には特管物の処分場がな ・フィルタープレスで汚泥を ・多種類の金属めっきを取り
いため県外処理となるが、震災 脱水させた後、乾燥させ、コ 扱っていることから、汚泥が
後は受け入れ条件が厳しく、工 ストダウンを図っている。リ 混合スラッジとなってしま
場内での追加検査のコスト負
サイクルはこれまで何度か
い、発生量は多いものの、リ
担が大きい。
検討したが、困難であった。 サイクルができていない。現
・排水中の含有金属が低濃度の
在は乾燥機を導入し、埋立処
ため、リサイクルが難しい。
理を行っている。
・凝集沈殿方式は汚泥が大量発
・金属ごとのリサイクルも検
生するため、処理コストの負担
討したが、採算性が合わず、
が大きい。
導入には至っていない。
76
業種
電気めっき業
電気めっき業
電気めっき業
取り組み
・マイクロフロートによる水質 ・発がん性物質を取り扱って ・限られたスペースの中で、
の状況
向上及び省スペース化を一部
いるという自覚のもと、「地 日々変わる注文に対応して
工場で実施している。しかし、 球の環境保全」を重要テーマ いるため、さまざまな金属の
他の工場では排水処理系統を
として、徹底した品質管理体 排水処理が必要となること
止めることが困難なため、導入 制を行い、環境対策を重要課 から、膜処理を導入した。初
スペースが確保できず断念し
題として取り組んでいる。
期コストはかかるが、排水規
ている。
・今後は、廃液中の金属のリ 模がある程度大きい場合や、
・センシングによるオートメー サイクルに取り組みたい。
様々な種類のめっきを取り
ション化を実施中である。
扱うのであれば、膜処理は効
・ダイカストのアルミを処理し
果があると思われる。
た苛性ソーダを沈殿剤として
・別ラインの処理廃液を別の
使用し、コスト削減に取り組ん
ラインに投入し、沈降剤とし
でいる。
て活用するなどの試みを一
・金属回収は金のみ実現した。
部導入している。
ニッケルやスズは回収可能性
があるが、期待濃度 30~40%
の半分未満のため難しい状況
である。
・汚泥の乾燥やリサイクルの新
技術へのニーズはあるが、コス
ト面だけでなく設置スペース
の問題がある。
・有望技術もあるが、工場稼動
中は排水処理が止められない
ため、工期の確保が困難。
77
業種
電気めっき業
電気めっき業
電気めっき業
情報共有
・現在、めっき組合の会報程度 ・排水処理のノウハウをどの ・イオン交換に興味がある。
ニーズ
しか情報共有の機会がないの
ように蓄積して引き継ぐか
マイクロナノバブル技術に
で、同業間で情報共有する機会 が課題であり、この点につい ついては、多少知ってはいる
があってもいいと考えている。 て、他社の取り組みに関心が が、技術の導入効果について
・汚泥処理は課題が多いので、 ある。
は知らないので、情報が欲し
リサイクル事業者による無機
い。
汚泥リサイクルの実例紹介を
期待している。
・国際資源大学校で行われた排
水処理技能研修は非常に参考
になった。
78
以上のアンケート調査やヒアリング調査から、めっき業における課題は大きく 2 つに
集約することができる。
①排水処理担当作業員の業務負荷を下げる技術の導入
めっき事業者へのヒアリングの中で課題として挙げられたのは、高度で化学的な知見
を必要とする排水処理の担当者が少ない、もしくは社内に数名だけの体制で、その限ら
れた排水処理担当の方に大きな業務負荷がかかっていることであった。そのような企業
がこれからも現在と同じような排水処理を行っていくためには、その処理設備の運転ノ
ウハウを新たな担当者に引き継いでいく必要がある。
一部の企業が既に導入し、また多くの企業がこれから具体検討を始めたいとしている
センシング技術やマイクロナノバブルといった技術は、薬剤費の削減につながるだけで
なく、センシングにより排水パラメーターを細かく指標化し、最適運転状態を明確化す
るといった効果がある。また、マイクロナノバブル技術は、生産終了後の排水設備の洗
浄といった肉体労働を効率化させ、高齢者でも対応可能にするといった副次効果もある。
薬剤費の削減効果など、直接的な効果のみでは投資が難しい企業も、担当作業員の業
務効率改善によるコスト削減効果やノウハウのマニュアル化など、間接的な効果を含め
たより総合的な視点から技術を検討することで、導入が進むと考えられる。このために
は、技術概要の普及ではなく、技術導入による総合的なメリットについての情報共有を
図っていくことが効果的であると考えられる。
②廃液中の金属リサイクル技術
汚泥のリサイクルに関しては、既に多くの企業が取り組み、その上で経済合理性の観
点から実施に至っていない状況であった。混合スラッジの状態からの分別、乾燥、リサ
イクルについては、ほとんどがコスト的に合わないと結論を出していた。一方で、汚泥
に含有されているニッケルや銅のリサイクルを希望する事業者は多く、いくつかの企業
では混合スラッジからではなく、排水中での金属イオンの単体分離、リサイクルを検討
していた。これらの取り組みに対する関心は高いことから、今後は、新たなリサイクル
技術の開発支援や実証支援、実機の導入支援といった制度とともに、その導入による経
済的効果や資源循環性についての情報共有が図られることで、リサイクルが推進されて
いくと考えられる。
79
2. 排水処理関連企業の保有技術等の把握
2.1 排水処理関連企業が保有する技術等の内容把握
東北地域における排水処理関連企業の保有技術等を把握し、東北地域の排水処理関連
ビジネスの振興を図るため、東北地域に立地する排水処理技術関連企業及び大学・公的
研究機関に対してアンケート調査を実施した。
発送数は全体で 153 通であり、有効回答数は 37、回答率は 24.2%であった。なお、
事業所の閉鎖等により返送されたアンケート票は発送数から除外している。
表 2-1 排水処理関連企業の所在地別アンケート回収率
所在地
送付数
有効回答数
回答率
青森県
4
4
100.0%
岩手県
4
3
75.0%
秋田県
17
4
23.5%
山形県
12
4
33.3%
宮城県
102
20
19.6%
福島県
14
2
14.3%
153
37
24.2%
合計
表 2-2 排水処理関連企業の機関分類別アンケート回収率
機関分類
企業
送付数
回答率
広域企業
48
9
18.8%
地元企業
11
2
18.2%
7
5
71.4%
23
12
52.2%
1
1
100.0%
大学
58
7
12.1%
高専
5
1
20.0%
153
37
24.2%
地方衛生研究所
地方公設試験研究機関
研究機関
有効回答数
公的研究機関
合計
80
(1) アンケート回答者の概要
アンケート回答者の業種や資本規模について、以下に示す。最も回答が多かったのは、
大学・公的研究機関で 70.3%だった。民間企業の業種では、プラントエンジニアリング
や機械設備、排水処理が多く、資本金規模では 10 億円以上が 18.9%で最も多かった。
1,000万円未満
0.0%
無回答
0.0%
1,000万~1億円未満
8%
1億~10億円未満
2.7%
10億円以上
18.9%
大学・公的研究機関
70.3%
図 2-1 排水処理関連企業向けアンケート回答者の資本金 (n=37)
プラントエンジニアリング
8
機械設備
8
3
化学品・薬剤
8
排水処理
4
その他事業
26
大学・公的研究機関
0
5
10
15
20
25
30
図 2-2 排水処理関連企業向けアンケート回答者の業種 (n=37、複数回答あり)
(備考:その他事業の内容は、鋼構造・エネルギー等、土壌浄化事業、発電機・電動機、セラミ
ック製造の回答があった)
81
(2) 顧客層
アンケートに回答のあった民間企業に対し、業種や排水規模等の顧客層について質問
した。食料品製造業では、水産関連や惣菜関連が顧客層であるとの回答が多く見られた。
排水規模は、100t/日以上の大規模事業者がやや多い傾向が見られた。
表 2-3 食料品製造業で顧客として対象となる業種・処理水量規模
業種
処理水量規模
10 未満
(t/日)
10 以上 100 未満
100 以上 1,000 未満
1,000 以上
水産関連
5
6
6
5
惣菜関連
5
6
5
4
飲料関連
4
4
6
4
でん粉
1
1
1
1
そ
医薬製剤
1
1
1
1
の
乳業
-
-
1
1
他
食肉加工
-
-
1
1
菓子
1
1
1
-
表 2-4 めっきプロセスを保有する製造業で顧客として対象となる業種・処理水量規模
業種
処理水量規模
10 未満
(t/日)
10 以上 100 未満
100 以上 1,000 未満
1,000 以上
電気めっき
1
2
2
2
溶融めっき
1
1
2
2
金属表面加工
1
1
2
2
半導体製造業
2
2
2
2
機械部品
1
1
1
製紙
1
1
1
そ
の
他
82
表 2-5 その他業種で顧客として対象となる業種・処理水量規模(自由記述)
その他業種
処理水量規模
10 未満
(t/日)
10 以上 100 未満
100 以上 1,000 未満
1,000 以上
活性汚泥処理
1
-
-
-
非熱殺菌
1
-
-
-
重金属イオン回収
1
-
-
-
公共事業
1
-
-
-
畜産汚水
1
1
-
-
余剰汚泥
1
1
-
-
下水
1
1
-
-
下水道
1
1
1
2
プラ)
-
-
1
1
浄水場
-
-
-
1
浄化槽
1
1
1
1
浸出水処理施設
-
-
1
1
全製造業における汚泥処理
1
1
1
1
生活排水
1
1
1
1
下水処理場及び下水道類似
施設(農集排・漁集排・コミ
83
(3) 保有技術
食料品製造事業者およびめっきプロセス保有事業者からのアンケート結果にて挙げ
られていた排水処理ニーズに対し、提供可能なソリューションを質問した。
食料品製造業向けでは、活性汚泥処理の能力増加技術や、嫌気性処理など有機汚泥の
発生量を抑制する技術について、提供可能とする事業者が最も多かった。ナノバブル技
術は提供可能と回答した事業者は 1 社であり、他社との差別化が見られた。
めっき業では、省スペースで導入できる浄水・水処理設備や、排水中の高濃度金属の
回収について、技術提供可能とする事業者が最も多かった。
1
ナノバブル技術
3
加工排水・脱水汚泥の肥料化・飼料化
低コスト脱水技術
4
海水分離技術、浮上油回収技術
4
6
膜による高度処理技術
活性汚泥処理の能力増加技術
7
嫌気性処理など、有機汚泥の発生量を抑制する技術
7
3
流水量を調整・一定化させる技術
センサー導入等による運転を最適化することによる動
力コスト削減
5
0
2
4
6
8
図 2-3 食料品製造事業者に提供可能なソリューション (n=14、複数回答あり)
84
センサー導入等による運転を最適化することによる動
力コスト削減
2
6
省スペースで導入できる浄水・水処理設備
2
処理廃液再利用によるコスト削減等の効果
6
排水中の高濃度金属分の回収
4
無機汚泥のリサイクル
3
イオン交換法等による無排水処理化
4
重金属水酸化物の分離処理
3
無機汚泥の高濃縮化によるコスト削減
5
低濃度金属成分の回収効率向上
0
2
4
6
8
図 2-4 めっきプロセス保有事業者に提供可能なソリューション
(n=14、複数回答あり)
表 2-6 推奨技術(自由記述)
対象
推奨技術
食料品製造
磁気-フェライト処理法を用いることで活性汚泥の減容化・非熱殺菌にラボ
事業者
スケールで成功
無エネルギー技術
高濃度有機排水処理(嫌気処理)
連続洗浄式固定生物膜による排水処理装置 UASB 設備
オゾンによる高度処理技術
有機物の C・H・O を微生物が消化汚泥発生を高酸化触媒還元水にて CO2
+H2O 汚泥削減脱臭除去技術
めっきプ ロセス
ゼオライトを用いた電極の作製動電処理技術を金属イオン除去に用いる
保有事業者
維持管理手間の削減
無薬注ろ過システム
重金属類の無害化
85
(4) 今後の展開方針
民間企業に対し、現在または今後注力したい技術分野とその状況、海外展開について
質問したところ、各分野において実用化させている事業者が比較的多く、一部機能水製
造については未検討が多く、実用化させている事業者が 2 と少なかった。
海外展開については、未検討が 41.2%で最も多かったが、一方で、既に展開済みの事
業者が 35.3%であり、二極化が見られた。展開先として関心の高い国は、中国、ベトナ
ムであり、必要としている支援は、現地事業者とのマッチングや市場調査支援であった。
未検討
造水
(n=13)
研究中
5
浄水
(n=12)
4
開発中
実証中
2
1
実用化
1
4
2
6
0
機能水製造
(n=12)
0
9
1
0
排水処理
(n=16)
2
下水処理
(n=15)
2
2
3
2
2
2
0
8
3
7
0
汚泥処理
(n=14)
3
2
1
8
0
リサイクル
(n=12)
3
3
1
5
0
0%
20%
40%
60%
80%
図 2-5 現在また今後注力したい技術分野とその状況
展開後に撤退した
0.0%
すでに展開済み
35.3%
未検討
41.2%
現地パートナー探索中
11.8%
市場調査中
11.8%
図 2-6 海外展開の検討段階 (n=17)
86
100%
10
中国
6
台湾
4
韓国
5
シンガポール
4
マレーシア
6
インドネシア
5
タイ
8
ベトナム
5
フィリピン
インド
3
その他
3
0
2
4
6
8
10
12
図 2-7 展開先として興味のある国 (複数回答)
(備考:その他として、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、豪州、バングラデシュの回答があった)
8
現地事業者とのマッチング
4
資金調達・補助金情報
8
現地の市場情報
その他
0
0
2
4
6
8
図 2-8 海外展開する上で必要としている支援 (複数回答)
87
10
2.2 食料品製造業・めっき業への効果的な排水処理技術及び技術導入の課題
水処理技術を保有している事業者へのヒアリングを実施し、現在展開している技術の
概要や、その技術導入に向けて行っている取り組み状況を把握、食料品製造業、めっき
業向けに効果的な技術のまとめを行った。
(表 2-7~2-10 参照)
表 2-7 食料品製造業、めっき業向けの効果的な技術①
所在地域
業種
民間企業
民間企業
民間企業
東北地域
東北地域
東北地域
各種水処理機器・装置の販売 水処理施設の設計・施工・メ 排水処理、プラントエン
および設置工事
主な技術内容
ンテナンス、水質分析
ジニアリング
・本社が技術研究および開発 -
・当社開発の化学触媒セ
を一括して担当しており、当
ラミックボールは、脱臭、
社は地域営業子会社のため、
抗菌、除菌などの効果が
独自技術はない。
あり、排水処理場の脱臭
や、汚泥の減容効果があ
る。
主な顧客と事 ・施設規模 50t/日以上。
業の状況
・水量規模 50~500t/日が多
・セラミックボールを、
・民間であれば半導体関連と いが、50t/時未満もある。
農業・漁業集落排水処理
食料品関連。公共では造水・ ・施設規模 100t/日をメイン
場の脱臭装置として 230
浄水から下水処理まで。めっ ターゲットとしている。
箇所以上納入している。
き事業者は少ない。
・中心顧客は、病院等の医療 その他、病院や製造工場、
・小規模なところでは家庭用 排水事業者と、レストランや 病院などにも実績があ
浄水器なども販売している。 給食センター、宿泊施設とい る。
った厨房排水事業者である。
・最近は公共案件を中心に全
国規模の大手が参入してき
ているため、事業環境が厳し
くなっている。
88
所在地域
顧客の課題
民間企業
民間企業
民間企業
東北地域
東北地域
東北地域
・震災の影響により、原水と ・中小企業は、水処理施設の ・既存の排水処理プロセ
排水の水質確認のための負
専任担当を置けず、資金調達 スの大きな変更は難しい
荷が増加している。(水質確 も厳しいため、投資額数千万 が、排水処理能力や脱臭
認対象や回数の増加と、それ 円超の施設や設備は、ニーズ 効果の増強を望む顧客は
に伴うコスト増)
があっても実現するのは稀
・震災復興補助金は、申請要 である。
多い。汚泥の減容もニー
ズがある。
件が現実的でなく、結局自主 ・猪苗代湖の油分の基準が厳 ・当社は上記のための最
資本に頼らざるを得ない状
格化したため、施設の改善要 適な前処理として提案を
況である。また震災前の状態 求への対応に苦慮している
に再度設備を戻すことが申
行い、評価を受けている。
という声を聞く。
請の前提となっており、新技
術や改善は認められない等、
課題も多いと聞く。
震災関連の課 ・震災に伴い用水の確保が難 ・震災により、浄化槽は FRP
題
-
しくなったメーカーに向け、 製よりも RC 製のほうが強
水量確保のために工業用水
いことが分かった。
に加え井戸水を活用する設
備を整備した。
・放射能汚染された汚泥の処
理は、自治体等の公共排水処
理従事者共通の悩みとなっ
てくると思う。
取り組み状況
・膜処理は、設置スペース、 ・中小規模の顧客向けの対応 -
処理速度、汚泥処理の問題が として、コストダウン(自社
解消されるため、これからの では設計、機器施工、定期メ
トレンドになると予測。
ンテナンスのみ実施し、他は
・食料品製造業・水産加工業 外注活用)や、定期メンテナ
向けに、原材料の鮮度を保つ ンス以外にも、現場の運転管
水処理技術があり、多くの事 理代行サービスを行ってい
業者から発注がある。
る。
89
所在地域
民間企業
民間企業
民間企業
東北地域
東北地域
東北地域
情報共有につ ・東北地域特有の技術は特に ・当社と同規模の同業者がお ・当社の技術は他の水処
いて
存在せず、大手数社にとって らず、同業者間での情報共有 理企業とバッティングせ
情報は世界規模のものと変
が出来ないため、薬剤卸等の ず、他社の前処理や浄化
わらないと考えられる。
商社や顧客から情報を得て
・排水事業者間での情報共有 いる。
能力と連携可能な技術で
ある。このため、排出事
は非常に少ない印象である。 ・中小企業向けの新技術や設 業者との情報交換と同時
特に守秘義務契約が厳しい
備導入に関する情報があれ
に、水処理会社とも情報
業界では、情報共有はほとん ば、入手方法を教えて欲し
共有出来るセミナーは、
どされていない。
非常に有益な機会であ
い。
・当社では積極的に技術情報
る。
を発信・提供しているが、東
北地域では大規模事業者の
一部にしか届いていない。
90
表 2-8 食料品製造業、めっき業向けの効果的な技術②
所在県
業種
民間企業
民間企業
民間企業
東北地域
東北以外
東北以外
排水処理、プラントエンジニ
排水処理、廃油リサイクル 排水処理、プラントエン
アリング
ジニアリング
主 な 技 術 ・水処理については、膜技術 ・当社は水と油を分離させ ・有機物分解法という、
内容
や活性汚泥処理、嫌気性処
る設備や技術を持ってい
理、センサー技術など、幅広 る。
独自の嫌気性処理・好気
性処理を連続して行う
い技術提供が可能である。
・惣菜工場などでは、排水 技術により、汚泥発生量
・推奨技術は UASB メタン
中の油はほとんどが回収
を抑制できる技術を展
醗酵槽による嫌気性処理で
されずに汚泥として焼却
開している。
ある。BOD が 2,000mg/l 以
処理されている。また、排 ・これは、格子状の特殊
上の食品関連事業者から多
水中の油は、BOD、COD
な装置を、既存の活性汚
く問い合わせを受けている。 負荷をあげるだけでなく、 泥法の調整槽に入れる
この技術の特徴は、加水分解 排水処理設備の管を詰ま
のみであり、容易に改造
菌やメタン生成菌などが粒
らせる原因となっている。 が可能である。好気性処
状で高密度に集合した粒状
・当社の油水分離装置を排 理に比べ、曝気のための
汚泥を醗酵槽の下に敷き詰
水プロセスの前段階で導
め、そこに排水を通すこと
入することで、廃油を分離 発生量を削減によって
空気量の少量化と汚泥
で、高負荷下でも効率的な運 回収し、重油代替燃料とし ランニングコストを大
転が可能な点である。嫌気性 てリサイクルできるとと
処理により汚泥発生量も少
幅に削減することが可
もに、排水処理負荷を大き 能である。
ない。生成されるメタンガス く下げることが可能であ
はボイラー燃料としての利
る。
用も可能である。
・汚泥のリサイクル技術につ
いては、現在開発中である。
主 な 顧 客 ・当社では食料品、めっきも ・現在は、関東地方を中心 ・ドレッシング工場な
と 事 業 の 含め、幅広い業種に対応して に駅ビルや食品工場、レス ど、多くの食料品メーカ
状況
おり、水量規模も 10~1,000 トランなどに導入してい
ーなどに納入実績があ
m3/日と幅広い対応が可能
る。
る。
である。
91
所在県
民間企業
民間企業
民間企業
東北地域
東北以外
東北以外
顧 客 の 課 ・汚泥の減容化とともに、熱 ・廃油処理と言うだけでは ・初期投資を抑え、汚泥
題
や電気を工場内で循環させ、 目新しさがなく、顧客の関 量や消費エネルギーを
生産性を改善するニーズが
心も低いが、「残渣からエ 削減し、コストダウンす
あるため、UASB メタン醗
ネルギーを創出できる技
るニーズはある。
酵槽のような、工場廃棄物や 術」と謳うことで顧客の関 ・更に、問い合わせ後、
排水残渣を利用したエネル
心が高まる。
検討から回答までの迅
ギー転換システムへの関心
・コスト削減は当然のニー 速さも重要となる。
は高い。
ズとしてあるが、低炭素時
・一方で、大規模な設備入れ 代であることを踏まえて
替えではなく、既存設備の入 CO2 削減やエネルギーの
れ替えや簡易改造といった
課題と絡めることで、提案
ニーズもある。
力が増すと感じている。
震 災 関 連 ・東北地方には 10 件ほど顧
の課題
-
-
客があるが、大きな被害はな
かったとのことである。
取り組み -
・中小企業は、1 社 1 社の ・これまでの導入実績や
状況
ネットワークが小さく、営 様々な工場排水の分析
業力も乏しいため、案件開 結果を踏まえ、顧客の排
発が難しい。このため、当 水処理状況や目標とす
社では、技術的にシナジー る汚泥縮減率、処理コス
効果のある会社同士で連
ト水準を把握し、必要な
携を行い、それぞれの顧客 装置ラインやコスト削
を相互に紹介しあうなど
減の提案を行っている。
して、営業力を高めてい
る。
情報共有 -
-
について
92
-
表 2-9 食料品製造業、めっき業向けの効果的な技術③
所在県
業種
民間企業
民間企業
民間企業
東北以外
東北以外
東北以外
排水処理、設備販売、プラ 排水処理、設備販売、プラント
排水処理、設備販売、プラント
ントエンジニアリング
エンジニアリング
エンジニアリング
主 な 技 ・当社は、井戸水を膜ろ過 ・従来の活性汚泥法では、余剰
・めっきや排水中の重金属回収
術内容
の技術開発を行っている。
して利用する設備の設
汚泥が発生し、その処理コスト
計・販売・メンテナンスを やエネルギー消費が課題であっ
行っている。
た。
・当社開発の「低曝気活性汚泥
法」は、曝気量を下げ、酸素以
外の硝酸等の物質でも呼吸でき
るように汚泥のバクテリアを活
性化させるシステムで、好気性
でありながら、嫌気性のような
特徴を持つ。これにより、従来
方式と比べ、余剰汚泥発生量の
大幅減容を実現する他、嫌気性
のデメリットであった臭気や
H2S の問題も少なくなる。
主 な 顧 ・病院や旅館、大学、研究 食品工場(惣菜)、食品工場(菓 ・めっきプロセスや重金属を用
客 と 事 機関、製造工場に導入して 子)、乳製品製造メーカーなど、 いる電子機器産業の工場に導
業 の 状 いる。
2 年前より食品工場関連の導入
入されている。また、廃液処理
況
実績が増えてきた。
を行う産業廃棄物処理事業者
にも導入されている。
顧客の -
・汚泥の減容とランニングコス
・顧客というよりも、業界全体
課題
トの低減がニーズとしては最も
として水酸化物法の限界があ
大きい。
るため、新硫化物法(NS 法)
を用いて、革新的なリサイクル
の提案を行いたいと考えてい
る。
震 災 関 ・これまでの上水や工業用 -
-
連 の 課 水から井戸水に一部を切
題
り替えることにより、コス
ト削減とともに、災害時に
おける水源の複数確保(リ
スク分散)に寄与する技術
として、評価を受けてい
る。
・東北地方においても、災
害対策、災害に強い会社つ
93
所在県
民間企業
民間企業
民間企業
東北以外
東北以外
東北以外
くりで、セミナーの講演依
頼もあり、実施した。関心
は高いと感じている。
取 り 組 ・井戸水は放射能の影響を ・当社は、低曝気活性汚泥シス
み状況
・NEDO との連携で硫化物法
受けにくく、震災後は工場 テムを広めるため、2005 年 1 月 を活用し、これまで大量に廃棄
のライフライン確保も含
に設立した、まだまだ歴史の浅
されてきた重金属含有汚泥か
め、問い合わせを多く受け い会社である。NEDO から研究 ら有用な金属を回収すると同
ている。
開発補助金を受け、さらに科学
時に、廃棄物を大幅に削減する
・東北経済産業局主催のセ 技術振興機構の助成事業にも参
プロジェクトを実施した。
ミナーにも参加し、顧客へ 画し、技術確立と実証を行なっ
・金属水酸化物汚泥中の有用金
の情報発信を行っている。 てきた。近年、その成果として
属の 80%以上の回収、80%以
民間工場等への納入実績が増え
上の汚泥発生量の削減に成功
ている。
した他、汚泥中の銅については
硫化銅として有価物化し、硫化
ニッケル汚泥はエネルギー消
費の少ない方法で金属ニッケ
ルとして回収することに成功
した。来年度には、この開発し
た設備を数件納入する予定で
ある。
・ただし、NS 法は硫化物が発
生するため、規制やこれまでの
運転管理のあり方から、日本で
の導入はそこまでスムーズに
いかないと感じている。中国な
ど諸外国で開発し、日本に逆輸
入することもアイディアとし
てあると思う。
情報共 -
-
-
有につ
いて
94
表 2-10 食料品製造業、めっき業向けの効果的な技術④
所在県
業種
民間企業
大学
大学
東北以外
東北地域
東北地域
排水処理、設備販売、プ 大学
大学
ラントエンジニアリン
グ
主 な 技 術 ・ろ過を中心とした水処 ・マイクロバブルに良く似 ・フェライト粉体とは、砂鉄の
内容
理技術を幅広く扱って
た技術を応用・改善し、水 ように強い磁力を持つ、酸化鉄
いる。めっき関連では、 産資源を日持ちさせる技
を主成分とするセラミックス
最近はイオン交換膜を
術を開発。現在、生えびの のことである。余剰汚泥に 50
活用した水再生と重金
運搬に実際に使われてお
属の回収とリサイクル
り、鮮度維持の効果が大き 体を入れ、磁石を使って密集と
を提案している。
く出ている。
~80 ミクロンのフェライト粉
拡散を繰り返すことで微生物
・また、水産加工の加工屑 同士が衝突し、摩耗等により死
を凝固させることで飼料
滅するという原理である。微生
化させる技術などの実証
物の死骸は、汚水槽に戻し、活
研究も行っている。
性汚泥として汚水とともに分
解処理する。
主 な 顧 客 ・北海道と沖縄以外の全 -
-
と 事 業 の 国にサービスを展開し
状況
ている。
顧 客 の 課 ・排水中の重金属の回収 -
題
-
とリサイクルのニーズ
はあるが、濃度や発生量
の観点からリサイクル
出来ていない場合が多
い。
震災関連 -
・震災後の復興は、新しい
の課題
仕組みを作るという前提
-
でなければならないと考
えている。水処理単体の問
題ではなく、生成された副
産物まで考えることが重
要である。
取 り 組 み ・東北地方には既存顧客 ・水産加工業では加工排水 ・ラボスケールでは、磁気-フェ
状況
のメンテナンスサービ
に混ざった加工屑を飼料
スを行うスタッフがお
化する技術がある。環境省 活性汚泥の減容と非熱殺菌に
ライト処理法を用いることで
り、営業は東京支店が行 の助成を受け、プラントメ 成功した。
っている。まだまだプレ ーカーと共同開発し、練り ・ラボにて容量 7l のタンクで実
ゼンスが不足している
物工場と協力して実証試
95
験したところ、余剰汚泥の発生
所在県
民間企業
大学
大学
東北以外
東北地域
東北地域
ため、これから認知度を 験を行ったところ、加工屑 量は、通常の汚水処理の半分程
上げる活動を行ってい
飼料は栄養価など既製品
度という結果になった。この方
きたい。
と遜色ない品質が確認で
法は、既存の機械にフェライト
・前処理をうまく行うこ きた。量が安定的に集まる システムを組み込むだけであ
とで、排水処理全体がう 環境であれば十分に事業
り、コストや入れ替えの手間が
まくいくということを
化が可能であると思われ
ほとんとないので、普及に期待
提案していきたい。
る。
ができる技術である。
・現在は実用化を目指し、大量
の汚泥を処理できるよう、電磁
石を使ってフェライトをより
ダイナミックに動かし、効率的
に、そして経済的に余剰汚泥を
粉砕・減容化する方法を確立す
ることが課題となる。
情報共有 -
・水産関連業の復興が鍵に
について
なる。事業化や設備導入の
ための補助金等の情報発
信を期待している。
96
-
①食料品製造業向けの排水処理技術
アンケート調査によって、食料品製造業における主な排水処理課題として、処理能力
の増強と汚泥の減容化の 2 つが挙げられた。処理能力の増強に対しては、油の分離回収
及びリサイクル技術、機能水の製造技術等、処理プロセスに投入する前の前処理技術の
ほか、好気性と嫌気性の連続処理や低ばっき型処理システム等の既存の反応槽に装置を
追加する、もしくは改造することで処理能力を大幅に増加させる技術があった。汚泥の
減容化については、前述の嫌気性処理のほかに、メタン醗酵技術や、まだ実証段階では
あるが、磁気-フェライト処理法を用いた全く新しい汚泥縮減技術も見られた。
②めっき業向けの排水処理技術
アンケート調査によって、めっき業における主な排水処理課題として、作業員負荷の
低減、専門担当員の引継ぎ、排水中の金属回収の 3 つが挙げられた。作業員負荷の低減
には、センシング技術のほかに、事業者によるイオン交換膜の定期交換サービス等もあ
った。排水中の金属回収では、現在実証段階が完了し、これから実機によるリサイクル
が開始される段階ではあるが、従来の水酸化物法によるめっき排水処理ではなく、硫化
物法(NS 法)による金属リサイクル技術が見られた。
97
3. 東日本大震災による水環境等への影響と課題
3.1 マクロ的な水環境等への影響の整理
東日本大震災では多くの下水処理場が甚大な被害を受けた。全国で 120 箇所の下水
処理場が被災し、その内の東北 6 県(青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島
県)では、計 70 箇所の下水処理場が被災した。下水処理場の被害は宮城県の 38 箇所
が一番深刻であり、全体の 31%を占め、東北 6 県の下水処理場被害の 54%を占めてい
た。次に福島の 17 箇所、岩手の 10 箇所と被害が大きかった。
表 3-1 東北地方太平洋沖地震での下水道施設の被害状況と復旧状況について
県名
被災した下水処理施設数
青森県
3
秋田県
0
岩手県
10
山形県
2
宮城県
38
福島県
17
集計
70
(出典:国土交通省 2011,5)
98
現在、震災の被害を受けた地域の下水処理場の復旧が遅れている状況である。今回の
東日本大震災の被害の特徴として、被害箇所が広域かつ多数にのぼり、特に津波被害を
受けた宮城県、福島県、岩手県では、多くの下水処理場の施設、設備ともに大きな被害
を受けた。そのため、被災により稼動を停止した計 48 箇所の下水処理場1の内、津波で
の被害地域外の 24/28 箇所(85%)の下水処理場では速やかに稼動が再開されたが、津
波被害を受けた沿岸部の約 20 箇所の下水処理場で早々に再稼動されていたのは、南相
馬市の鹿島浄化センターだけであった。
再稼動の進んでいない処理場からの汚水の垂れ流しによる河川や海洋の自然環境汚
染が懸念されている。復旧が進んでいない沿岸部の下水処理場の中には、汚水流入のあ
る下水処理場が 13 箇所ある。水処理機能を震災前の基準では稼動させることができな
いため、汚水を沈澱させて上澄みを塩素殺菌して放流する簡易処理しか行えず、周囲の
自然環境への影響が懸念されている。宮城県の HP 上でも、現在の下水処理場の水処理
能力が低い状態であるため、節水や汚れ物の流入を抑えるように呼びかけている(2012
年 2 月 17 日時点)。福島県沿岸部では、原発の影響から被災状況調査さえ行えない下
水処理場が 9 箇所ある。それらの下水処理場も、津波の影響による下水処理施設の設備
損傷が予測される。そのため、汚水による周辺地域の自然環境が同じく懸念される。
また、東日本大震災は、東北地方の工場へも甚大な被害を与えた。図 3-1 は震災によ
り建物が全壊する被害が起きた地域を表している。図 3-1 が表すように、津波の被害を
受けた青森県、岩手県、宮城県、福島県の沿岸部での被害が多い。
図 3-1 全壊棟数の多い地域
(出典:消防庁・防災科学技術研究所 HP)
1
停止していた 48 箇所の処理場の被災前の現有能力は約 906,526 ㎥/日(日最大)である。
99
この地域内には多くの東北地域の水質汚濁防止法の特定事業場が存在する。表 3-2 は
食料品製造業とめっき業における水質汚濁防止法上の特定事業場が建物の全壊被害の
起きた地域にどれだけ位置するのかを表したものである(12 月 12 日時点)。表 3-2 か
らわかるように、食料品では 56%(200/358)、めっきでは 50%(80/159)の事業所が
該当地域に位置しており、これらの事業者においては、排水処理施設や設備に何らかの
損傷が起きたことが予測される。
表 3-2 全壊被害が起きた地域内の事業所数
事業所数(件)
業種分類
被災にあった県
青森県
岩手県
宮城県
東北地域の
福島県
小計
特定事業所全体
食料品
23
84
72
21
200
358
めっき
10
30
11
29
80
159
(出典:消防庁・防災科学技術研究所 HP、及び水質汚濁防止法特定事業場リスト)
100
図 3-1 の地域内の事業所の業種別の事業場数を表 3-2 に示した。食料品の水産食料品
が 80 事業場と多く占める。めっきでは表面処理が占める割合が多い。そのため、これ
らの事業所の水処理機能の改善に対して対策を取ることが、東北地方での自然環境汚染
のリスクを減らすことに繋がると考えられる。
表 3-3 全壊被害の起きた地域の事業所の総排水量
事業所数(件)
業種分類
大分類
被災にあった県
中分類
業種分類
青森県
岩手県
宮城県
東北地域の
福島県
小計
特定事業所全体
3
2
1
0
6
11
水産食料品
32
17
24
7
80
145
畜産食料品
9
11
9
2
31
76
動植物油脂
1
0
1
1
2
4
44
30
35
10
119
236
みそ・食酢
4
0
1
1
6
10
めん類
1
1
1
1
5
11
菓子・製あん
1
0
1
0
1
3
洗米業
1
0
0
0
1
3
豆腐煮豆
4
1
2
3
10
18
保存食料品
3
2
4
4
12
24
冷凍調理食品
1
1
2
1
5
12
粉・惣菜 集計
14
5
11
10
40
81
飲料
14
2
6
1
23
41
14
2
6
1
23
41
72
37
52
21
182
358
金属製品
1
2
3
13
19
35
電気めっき
1
3
2
1
7
25
非鉄金属
2
0
1
1
4
8
表面処理
7
7
19
13
47
91
11
12
25
29
77
159
めっき計
11
12
25
29
77
159
総計
84
48
77
50
259
517
飼肥料
魚・油
魚・油計
食料品
粉・惣菜
飲料
飲料計
食料品計
めっき
めっき
めっき計
(出典:消防庁・防災科学技術研究所 HP、及び水質汚濁防止法特定事業場リストより作成。図
4-1 の全壊被害の起きた地域にある特定事業所をもとに数字を算出。ただし、全壊被害にも程度
があるため、要考慮)
101
【ヒアリング】水産関連業界団体
日時
2011 年 10 月 28 日(金)
13:30~14:30
ヒアリング結果
①事業について
・ 当会は、複数ある水産関連事業者が一括して政府に働きかける等の動きをするための団体で
あり、漁業、水産加工業、かまぼこ製造業等の複数団体から構成されている。
・ 震災後は、主に①漁業従事者の生命・財産の保護、②漁業従事者の雇用確保を目的として政
府や政党に働きかけを行っている。
②被災地域の水産業の状況について
・ 被災した水産関連事業者は、大半がまだ事業・施設の復旧すら出来ていない状況であり、や
っとのことで事業を再開した事業者も、排水処理までは十分に手が回っていない状況にある。
・ それでも水産関連事業者は排水環境を十分に気にしており、資金の余裕が無い現状でも国や
自治体に相談を行っている。
・ 復興にあたり、集団化する仕組みや団地化計画が出来れば、事業者としてもそれを前提とし
て動くことが出来るが、現時点ではそのような状況ではないため、資金調達が出来る事業者
は他地域に出て行くケースもある状況である。
・ とくに宮城県内は土地使用制限が厳しいため、宮城県内から大船渡や東北地域外への事業者
の流出が見られる。
・ 一方で、出て行きたくとも事業すら再開出来ていない事業者も多く、残った事業者と県外に
出た事業者関係性は芳しくない状況である。
③政府・自治体等による支援の状況
・ 会として、震災後はまずは激甚災害指定を得られるよう働きかけた。これは急場をしのぐた
めに必須の内容であった。ただし、この資金は現状復旧にしか適用できず、額も小さいため、
復興には使えず、あくまで急場しのぎの策である。
・ 二次補正予算の農水省予算で何とか漁業までは安定化してきている。
・ また、日本政策金融公庫の無利子無担保融資の枠も取り付けている。
・ 3 次補正では水産庁経由で水産加工業向けの補助金を用意できる見込みになっている。これ
は復旧ではなく、復興に使える原資となる予定。
・ 共同活用資金という形で幾つかの省庁から資金が出ている。経産省系は計画が共同であれば、
事業者の所在は同所でなくともよいため、同業種間の寄り合いで、緊張感が存在する中小企
業の組合等でも使いやすい。
102
3.2 民間事業者の排水処理設備への影響・復旧の状況
3.2.1 食料品製造業における東日本大震災による排水処理設備への影響
アンケート調査にて、東日本大震災による影響について、震災後の生産状況、排水処
理施設の流入量の変化及び被害状況について質問した。その結果、生産量はほとんど変
化していないと回答した事業者が 42.0%と最も多く、排水処理施設も従来とほとんど変
化していないが 71.9%と最も多い結果となった。排水処理設備への被害は殆ど無いが
68.2%と最も多く、被害への対応についても、自己資本による対応が 78.6%であった。
ただし、アンケート調査は、福島県や、宮城県、岩手県の沿岸部を対象外としている
ため、本結果は、比較的被害の少ない事業者からの回答であることに留意が必要である。
生産量が著しく増えた
4.5%
生産量が著しく減った
9.1%
生産量が若干増えた
19.3%
生産量が若干減った
25.0%
生産量は殆ど変化し
ていない
42.0%
図 3-2 食料品製造業の震災の影響による生産量の変化 (n=88)
基準流入量を大きく下回ったため、
稼動を停止させる設備もあった
1.1%
流入量は減少したが、既存の施設
で対応可能な範囲には維持され
た
14.6%
基準流入量を遥かに超える排水
処理が必要となり、従来設備では
対応できなくなった
2.2%
基準流入量超える排水処理が必
要となったが、既存の施設で対応
可能な範囲に収まった
10.1%
従来と殆ど変化していない
71.9%
図 3-3 食料品製造業の排水処理施設の稼動状況 (n=89)
103
大きな被害があったため、全面
的に設備の新設が必要な状
況であった
0.0%
被害があったため、一部設備
の入れ替え、増設が必要な状
況であった
4.5%
被害はあったが、改修で対応
可能な範囲であった
14.8%
被害は無かった
68.2%
軽微の被害はあったが、改修
は必要なく予備部品への交換
等で対応できる範囲であった
12.5%
図 3-4 食料品製造業の排水処理施設の被害状況 (n=88)
対応できていない
0.0%
外部からの資金調達により
対応した
21.4%
設備投資資金が調達できな
いため、他事業者や施設か
ら排水処理設備の提供を受
けて対応している
0.0%
自己資金により対応した
78.6%
図 3-5 食料品製造業の排水処理施設の被害への対応 (n=14)
(備考:排水処理施設に被害があり改修・増設の必要があった事業者のみ回答)
104
3.2.2 めっき業における東日本大震災による排水処理設備への影響
アンケート調査にて、東日本大震災による影響について、震災後の生産状況、排水処
理施設の流入量の変化及び被害状況について質問した。その結果、生産量が若干減った
が 44.4%と最も多く、次いで、生産量はほとんど変化していないと回答した事業者が
33.3%であった。排水処理施設は、従来とほとんど変化していないが 83.3%と最も多か
った。排水処理設備への被害は殆ど無いが 44.4%と最も多く、被害への対応についても、
自己資本による対応が 100%であった。
ただし、アンケート調査は、食料品製造業同様、福島県や、宮城県、岩手県沿岸部を
対象外としているため、本結果は、比較的被害の少ない事業者からの回答であることに
留意が必要である。
生産量が著しく増
えた
0.0%
生産量が著しく
減った
5.6%
生産量が若干増
えた
16.7%
生産量が若干減っ
た
44.4%
生産量は殆ど変
化していない
33.3%
図 3-6 めっき業の震災の影響による生産量の変化 (n=18)
従来水準を超えて、従
来設備では賄えなく
なった
0.0%
従来水準を大きく下
回ったため、稼動を停
止させる設備もあった
0.0%
従来水準より減少した
が、既存の施設で対
応可能な範囲には維
持された
16.7%
従来水準を超えたが、
既存の施設で対応可
能な範囲に収まった
0.0%
従来と殆ど変化してい
ない
83.3%
図 3-7 めっき業の排水処理施設の稼動率 (n=18)
105
被害があったため、一部
設備の増設が必要な状
大きな被害があったた
況であった
め、設備の新設が必要な
0.0%
状況であった
0.0%
被害は無かった
44.4%
被害はあったが、改修で
対応可能な範囲であった
33.3%
軽微の被害はあったが、
改修は必要なく予備部
品への交換等で対応で
きる範囲であった
22.2%
図 3-8 めっき業の排水処理施設の被害状況 (n=18)
他事業者や施設から排
水処理設備の提供を受
けて対応している
0.0%
対応できていない
0.0%
外部からの資金調達によ
り対応した
0.0%
自己資金により対応した
100.0%
図 3-9 めっき業の排水処理施設の被害への対応 (n=6)
(備考:排水処理設備に被害があり改修の必要があった事業者のみ回答)
106
3.2.3 排水処理企業への震災による顧客の排水処理関連設備の被害状況
アンケート調査にて、排水処理技術を保有する民間企業に、顧客の被災状況について
質問したところ、設備に被害はなかった、軽微な被害はあったが改修の必要はなく、部
品交換で対応可能な範囲で済んだ等、大きな損傷は少ないとの回答が多く見られた。一
方で、大きな被害があり、設備を新設する必要があった事例も多く見られた。
表 3-4 震災後の復旧・復興に関する顧客事業者の状況
顧客事業者の排水処理設備の震災被害状況
設備に被害は無
軽微の被害はあ
被害はあった
被害があったた
大きな被害があ
かった
ったが、改修の
が、改修で対応
め、一部設備の
ったため、設備
必要はなく予備
可能な範囲であ
増設が必要な状
の新設が必要な
部品への交換等
った
況であった
状況であった
で対応できる範
回答者
囲であった
A社
-
70 社程度
-
-
45 社程度
B社
50 社程度
10 社程度
57 社程度
-
-
C社
20 社程度
-
-
-
-
D社
10 社程度
-
-
-
-
E社
5 社程度
-
-
-
-
F社
5 社程度
-
-
-
-
G社
-
-
1 社程度
-
2 社程度
H社
-
-
-
1 社程度
I社
-
-
-
-
1 社程度
J社
-
-
-
-
4 事業所
107
表 3-5 排水処理設備復旧・復興についての特徴的な事例(自由記述)
津波による浸水リスクが高い地域での次世代型無エネルギー汚水処理技術として、人工湿地技
術の提案が可能である。放射線が高い雨天時流出水対策技術についても現在構想中であり、研
究開始予定である。
当社の顧客は主に官公庁であり、臨海部の処理施設は壊滅的な被害を受けたが、復旧に向け現
在も鋭意取り組んでいる。
震災後は、納入済みの膜分離装置の状態確認を行った。
復興支援として、特別価格対応と特急対応を実施した。
①価格対応として、同一設備の再納入であることから、設計費等を除外した。
②same as 製作による工期短縮と災害対応であることを関係部門や関係会社に徹底通知した。
・農業集落排水処理場の東北沿岸部での津波による排水処理場が被害にあい、住民が現在も住
居できず支障をきたしている。
・下水処理場の汚泥貯留槽での脱臭試験の実施効果を収めたが、台風により地盤陥没により中
止した。
・現在汚泥の削減として、当社の有機物汚泥(C・H・O)が、過酸化触媒還元水により実施が
進んでいる。
・廃油につき、津波による影響で、現在油の分解がヒドロキシルラジカル反応にて CH3CHOOH
となり、鉱物油 N-hx5 以下、食物油の分解 N-hx が 30 以下となる。
108
3.3 水処理に関する災害復興の課題と必要性のまとめ
本アンケート調査の実施にあたり、震災の影響を考慮し、震災の影響が比較的大きく
ない地域を対象としたことから、企業の排水処理設備にダメージはほとんどなかった、
もしくは既存のメンテナンスで十分に対応可能であった等と回答が多く見られた。一方、
ヒアリングでは、石巻のような海岸沿いの水産加工工場は甚大な被害を受けており、今
なお、多くの工場が再開できていない状況にあった。
災害復興における課題の一つめとして、事業者の意識がある。製造事業者は限られた
資金を可能な限り生産設備に投入したいと考えており、大規模な排水処理設備への投資
は難しい。この問題に対する根本的な解決方法はないが、海域汚染は長期的には水産物
や水産加工物のブランドを低下させるため、事業者ごとの対応ではなく、地域単位にて
排水処理における取り組みレベルの統一化と徹底が望まれる。
二つめは、排水処理設備の改修や新設に活用可能な補助金の申請要件が、複数の事業
者が連携するグループ補助金の形式であることである。そこで、個別の水産加工工場で
はなく、水産加工団地での構想をいち早くまとめ、全体計画を明らかにすることで、地
域全体の排水処理設備の設計や整備を進めることが出来ると考えられる。
また一方で、比較的被害が少なかった企業に発注が集中し、予定外の生産量増加が生
じたことにより、施設の排水処理能力が不足する課題が顕在化し始めている。これらの
企業は、既存の排水処理設備の増強や改善、または新規の排水処理施設を建設する必要
がある。その際には、単なる設備増強に留まるのではなく、CO2 排出量の抑制や汚泥
リサイクル率の向上、最終処分量の低減等に寄与する新たな仕組みを作ることで、先進
事例として東北地方全体を牽引し、新技術導入の進展や排水処理レベルの底上げが図ら
れると考えられる。
109
4. 東北地域における排水処理ノウハウの水平展開および排水処理技
術の域外・海外展開方策の提案
4.1 排水処理セミナーの実施
東北地域における排水処理の課題解決や意見交流、ビジネス振興を図るため、東北地
域の食料品製造業及びめっき業の事業者、ならびに排水処理技術保有者を対象に、業種
別の処理技術紹介セミナーと名刺交換会を行った。セミナーは仙台市で開催し、講師 7
名に講演を依頼した。参加者は当日参加含め 65 名であった。
セミナー終了後、参加者による名刺交換会も行った。参加者による盛んな意見交流が
行われ、終了後、案件問い合わせにつながった等、成果が見られた。
表 4-1 セミナー概要
項目
内容
平成 24 年 2 月 10 日(金)
日時
13:30~17:00
TKP 仙台カンファレンスセンター
場所
ソララガーデンオフィス 2F
セミナー会場
ホール 2A (13:00~16:00)
名刺交換会
ホール 2B (16:00~16:45)
募集人員
80 名
事前申込人数
60 名
参加者人数
65 名
食料品製造業
12 名
めっき業
7名
水処理関連企業
29 名
その他研究機関等
6名
不明(当日参加)
11 名
表 4-2 プログラム
時間
13:35~
プログラム
40 分
講師
水処理技術による東北地方の産業力強
石巻専修大学
化
生産工学科
教授 高崎みつる氏
14:15~
10 分
東北地域の排水処理における課題
㈱リサイクルワン
副事業部長 東誠悟氏
14:25~
40 分
低コスト・省スペース排水処理システム
㈱TBM
代表取締役 佐原邦宏氏
「ゴルゴ・システムズ」の紹介
㈱セイスイ
特別顧問
アイ・トリート㈲
代表 田口聡氏
㈱アクアテック
代表取締役 大西彬聰氏
めっきプロセスにおける水・薬品・金属
㈱三進製作所
執行役員
資源の回収再利用技術
営業技術本部
名刺交換会
-
15:05~
25 分
ガスセンサー制御技術を用いた新しい
磯川行男氏
金属排水・汚泥処理技術
15:30~
16:00~
25 分
45 分
110
-
阿部裕士氏
表 4-3 名刺交換会概要
項目
内容
形式
自由参加型意見交換、名刺交換会。会場では、休憩席のみ設けた。
配布資料
食料品製造業向け、めっき業向けの排水処理技術パンフレット、会社概
要、技術紹介シート等
※セミナー講師事業者ならびに、処理技術保有事業者のうち、アンケー
ト調査にて技術紹介シートに記載のあった事業者の有志参加
ブース数
食料品製造業向け:4 社、めっき業向け:3 社
技術紹介シート:14 シート(技術数)
その他工夫点
名刺交換会への参加を促すため、以下の事項を行った。
・ 名刺交換会でのブース配置図を参加者に配布し、資料閲覧を促進
・ セミナー参加者に業種別に色分けしたネームタグを配布し、中に名
刺を入れてセミナーと名刺交換会への参加を依頼
・ 会期中は、名刺交換会会場を資料閲覧場所として開放
・ 各講師の講演終了後に必ず、隣室にて資料配布していること、終了
後の名刺交換会にて質疑応答が可能なことを司会がアナウンス
・ セミナー終了後に、再度名刺交換会への参加呼びかけ
・ ホットコーヒー、お茶等の提供
他
ネームタグ
111
お飲み物
※敬称略
⑤
⑥
⑦
技術紹介シート(14シート)
めっき業様向け排水処理技術コーナー
図 4-1 名刺交換会 ブース配置図(当日配布資料)
図 4-2 フロア見取り図(当日配布資料)
112
ご休息用椅子
【食品製造業向け】
①ゴルゴシステムズ/TBM、セイスイ、アイ・トリート
②東芝
③前澤工業
④クボタ
食料品製造業様向け排水処理技術コーナー
【めっき業向け】
⑤東芝
⑥アクアテック
①
②
③
④
⑦三進製作所
表 4-4 会場写真
セミナー会場
セミナー会場
石巻専修大学 高橋みつる氏
㈱リサイクルワン 東誠悟氏
㈱TBM
佐原邦宏氏
㈱セイスイ 磯川行男氏
113
アイ・トリート㈲
田口聡氏
㈱アクアテック 大西彬聰氏
㈱三進製作所 阿部裕士氏
セミナー会場
名刺交換会
名刺交換会
114
4.2 参加者におけるセミナーへの満足度
参加者におけるセミナーへの満足度は高く、概ね好評であった。今後のセミナーテー
マとしては、廃棄物対策・資源循環関連や、環境汚染防止・浄化関連を望む事業者が多
かった。
参考にならなかった
0.0%
普通
23.1%
大変参考になった
20.5%
参考になった
56.4%
図 4-3 基調講演の満足度 (n=39)
参考にならなかった
0.0%
大変参考になった
17.9%
普通
28.2%
参考になった
53.8%
図 4-4 イントロダクション:東北地域の排水処理における課題の満足度 (n=39)
参考にならなかった
0.0%
業界が異なる
7.7%
大変参考になった
20.5%
普通
30.8%
参考になった
41.0%
図 4-5 食料品製造業向けセミナーの満足度 (n=39)
115
業界が異なる
13.5%
大変参考になった
18.9%
参考にならなかった
2.7%
普通
18.9%
参考になった
45.9%
図 4-6 めっき業向けセミナー①の満足度 (n=39)
業界が異なる
13.5%
大変参考になった
21.6%
参考にならなかった
2.7%
普通
24.3%
参考になった
37.8%
図 4-7 めっき業向けセミナー②の満足度 (n=39)
表 4-4 参考となったポイント(自由記述)
講演
基調講演
参考となったポイント
水産資源の陸上養殖の実現に期待
水産業の付加価値に向け今後の課題
新しい方法によって処理が可能である事がよくわかった
ナノバブルの今後の活用性について
イントロダクション
各事業主様の排水に対する問題認識の調査結果
食料品製造業向け
実際に使用している排水処理施設に使用可能なシステムであった
油脂リサイクル、余剰汚泥の減少
めっき業向け①
汚泥中の重金属を選択的に分離回収する技術の将来性など
めっき業向け②
イオン交換(めっき排水処理)
-
汚泥削減に関しては取組んだ事もあったが、失敗だったので、このよ
うな方法もあると感心した
116
東北経済局のHP
7
東北経済局のメルマガ
7
10
チラシ
5
関係団体の案内・メルマガ等
7
その他
0
5
10
15
図 4-8 セミナー参加のきっかけ (n=35、複数回答あり)
(備考:その他として、アンケートに同封したチラシ、会社紹介、社内他部門からの紹介などの
回答があった)
5
環境ビジネス全般
17
環境汚染防止・浄化関連
14
省エネ・新エネ関連
19
廃棄物対策・資源循環関連
環境ビジネスの海外展開関連
3
環境ビジネスへの参入・立ち上げ関連
3
その他 0
0
5
10
15
20
図 4-9 セミナー等で情報発信してもらいたいテーマ (n=37、複数回答あり)
117
4.3 東北地方内・国内別地域への水平展開に向けた提言まとめ
4.3.1 食料品製造業における排水処理課題解決に向けた提言
今回の調査を通じて浮かび上がった課題に対して、以下の 4 つの提言を行う。
①低コストで排水処理能力を増強できる技術の普及
アンケート結果から、食料品製造事業者の中で排水処理に課題を認識している事業者
は 20%存在した。その中でも最も多くの事業者が課題としているのが、水量や水質の
変化、排水処理負荷増への対応である。
食料品は消費者の嗜好や消費動向に左右される。例えば乳製品の製造工場であれば、
週末販売用の製品製造のために木曜日や金曜日の排水量が増加する。飲料工場であれば、
夏場は冬場に比べて消費量が莫大に増加する。食料品製造業では、これらの製造量の変
動により、排水量は大きく変化する。
処理能力不足による排水処理停滞を避けるためには、ピーク時を想定した排水施設の
設計と建設が必要だが、大規模な設備導入は高コストとなるため、困難な状況である。
そこで、このような課題解決のための技術の一つとして、セミナーでも紹介されたよ
うな、既存の排水処理設備への追加により、生産ラインを止めることなく、低コストで
の排水処理能力増強を可能にする技術が有望と考えられる。もう一つは、排水処理プロ
セスに入る前段階にて処理負荷を下げる前処理技術の導入である。
食料品製造業アンケートによると、このような処理能力増強技術や前処理技術を認識
していない食料品製造事業者が 30%以上見られたことから、まずは技術概要や導入メ
リットについての普及啓発が求められる。
②一次産業強化につながる水技術の開発と実証
東北地域には水産加工工場や食肉加工工場、製麺工場、野菜加工工場など、地域の特
産物を活用した食料品製造業が多い。これらの加工事業者の排水処理対応も課題である
が、より重要性が高いのは、セミナーにおいても提唱された、水を排水処理の観点だけ
で処理するのではなく、機能水を製造し、再度活用することで、魚の鮮度維持や野菜の
加工収率の向上化等、水の付加価値を向上させる技術が重要と考える。これらの加工事
業者が新たな水技術を導入することで、東北地方の特産物の付加価値が高まり、国内は
もとより、海外も視野にいれた事業展開が可能となると考えられる。
マイクロナノバブル技術に代表されるこのような技術は、まだ開発途上や実証段階の
ものが少なくないが、東北地方全域での産業活性が求められていることから、今後は、
積極的な技術導入と実証実験が行われることが期待される。
118
③水量安定と水源確保のための技術の普及
食料品製造事業者と水処理技術事業者へのヒアリングを通じて明らかになった課題
として、東日本大震災の影響により、いくつかの食料品製造事業者では工業用水が絶た
れ、設備があるにもかかわらず、生産活動の停止を余儀なくされたことである。水は食
料品製造においては必要不可欠な資源であるため、このような状況を踏まえ、水の調達
ラインを複数化することが求められる。具体的にはこれまでの工業用水や水道に加え、
井戸水を活用することによるリスク分散の技術である。このような発想や技術は、食料
品製造業だけでなく、その他の様々な業種についても効果的であるといえる。
深井戸水を活用する技術は、年々そのコストと設備規模の小型化が進んでおり、年間
に 10,000m3 以上の水を使用する工場であれば、十分に投資採算性も合うようになって
いる。このように、井戸水や雨水の有効利用、工場内での水の再生利用など、より多角
的な視点からの水量安定や水源確保の技術導入が重要性を増しており、技術の普及啓発
が望まれる。
④食料品製造事業者向けの水処理に関する普及啓発セミナー等の開催
東北地方における排水処理の最も大きな課題は、排水処理担当者の認識及び知識向上
であると考えられる。めっき産業のアンケート結果と比較しても、排水処理に課題を感
じながらも、それがどのような技術で解決するのかといった排水処理技術に関する知識
が不足しており、その結果として、技術の具体検討が進んでいない状況になっていると
考えられる。
本事業で実施したセミナー終了後、参加した事業者が水処理会社に問い合わせを行い、
具体的な検討を始めた等の反響が得られたことから、食料品製造事業者と水処理技術企
業の交流の場があれば、処理技術への関心が高まり、技術導入の具体的な検討が進めら
れると考えられる。今後も、セミナーを開催する等、事業者同士の交流の場を提供し、
普及啓蒙の機会を広げていくことが重要と考えられる。
119
4.3.2 めっき業における排水処理課題解決に向けた提言
アンケート調査やヒアリング調査から明らかになったこととして、めっき事業者は全
体的に排水処理に関する認識や知識レベルは高く、水処理企業も顧客に対して様々なソ
リューションを提案していた。したがって、排水処理を課題とする事業者は比較的少な
かったが、散見されたいくつかの課題と、よりよく発展するための提言を 4 つ行う。
①排水処理担当作業員の業務負荷を下げる技術の導入
めっき事業者へのヒアリングを通じて課題として見られたのは、排水処理担当者が少
なく、担当者に大きな業務負荷がかかることである。このような企業が今後も現在と同
様の排水処理を行うためには、その処理設備の運転ノウハウを後継者に引き継ぐととも
に、少人数で対応可能にするために業務負荷を軽減する必要がある。
排水の水質を分析し、その数値に応じて薬剤を投入し、生産活動終了後には排水処理
設備を洗浄する等の、排水処理を管理し、運転するためには多くの業務が必要である。
センシング技術やマイクロナノバブルといった技術は、それらの業務の最適化と効率化
を図る上で効果的な技術である。更に、薬剤費の削減だけでなく、センシングにより排
水パラメーターを細かく指標化し、最適運転状態を明確化する効果がある。また、マイ
クロナノバブル技術は、生産終了後の排水設備の洗浄等の労働を効率化し、高齢者でも
対応可能にする等の副次効果もある。したがって、排水処理技術の導入には、処理能力
だけでなく、総合的な視点から検討を行う必要がある。
②硫化物法(NS 法)による廃液中金属回収の開発・実証
アンケート結果から、めっき事業者の多くは汚泥の処理コストに課題を抱えている他、
リサイクルについて、既に様々な方策を検討したが、未だ実現できていない事業者も少
なくなかった。この課題を解決するためには、既存のめっき業における排水処理プロセ
ス(水酸化物法等)にて混合スラッジとして汚泥を処理するのではなく、硫化物法等に
よる個別金属イオンの沈殿処理と化合物のリサイクル、もしくは個別の水槽からイオン
交換膜で重金属を回収するなどの、新たな重金属回収技術が期待される。(技術概要に
ついてはセミナー資料参照)
120
③排水処理と汚泥リサイクルの一体型サービスの普及
めっき事業者は、排水処理の重要性をよく理解し、技術の情報収集を行い、効果検証
も行っているが、水処理設備の新たな導入は、既存の生産活動や工場のスペースの問題、
発生する汚泥の処理の問題など、排水処理系だけで検討や導入が進まない場合が多い。
このような状況下で、既存のめっき工場が排水処理設備を増強するためには、限られ
たスペースに導入できる小型分散型の排水処理技術、例えばカートリッジ式の膜処理や
イオン交換膜の検討や、そのカートリッジ交換と同時に汚泥のリサイクルが実施される
ような、技術導入としてではなく、サービス導入に近いビジネスモデルが効果的である
と考えられる。
このような環境視点からの新たなサービスのことをグリーンサービサイジングと言
い、コピー機のトナーの交換、リユース、リサイクルサービスなどが代表的である。水
処理事業では、一部の超純水のオンサイト製造や水の販売などがある。既存の排水処理
の発想にはない、排水と汚泥のリサイクル事業者が連携した新たなサービス開発が今後
は必要となると考えられる。
④事業者間の連携
本事業の中でも、半導体工場など、めっきプロセスを保有する大規模工場に対するヒ
アリングを試みたが、いずれも守秘義務の関係で実現せず、また廃液の事業者間連携に
よる有効活用の技術についても、機密事項とのことでセミナーでの講演は実現しなかっ
た。排水処理はめっき業の中では極めて重要だが、機密保持の関係から、事業者間での
ノウハウ共有は難しい状況にある。
しかし一方で、セミナーに参加しためっき事業者からは、同業者との対話により排水
担当者としての課題や悩みの共有や、類似事例への対応実績を持つ水処理企業との情報
交換に大きな価値を感じたとの意見が得られた。排水データの開示は困難でも、担当者
レベルの情報交換会であれば継続的な実施は効果的であると考えられる。
121
4.3.3 水処理企業の国内展開・海外展開に向けた提言まとめ
本調査において食料品製造業にて見られた、排水中に含有するバイオマスや油の有効
利用による排水処理能力増強技術や、一次産業の活性化につながるマイクロナノバブル
等の水技術、井戸水の膜ろ過等の水量や水質の安定技術は、国内だけでなく海外におい
てもニーズの高い技術と考えられる。
中華人民共和国では、精糖工場や加工食品工場から発生する高い BOD 濃度の排水の
処理が追いつかず、長江を中心に河川の汚染が進んでおり、排水処理能力の増強が求め
られている。バイオマスや油の有効利用についても、中国沿岸部のレストランなどの商
業施設での廃油処理が課題となっている他、ベトナムでは国家戦略としてバイオマスや
油の有効利用が進められている状況である。インドネシアでは、魚加工工場からの排水
が垂れ流しとなっており、温室効果ガスの発生や海域の汚染が進んでおり、排水設備の
導入や、フィッシュミールの有効活用技術のニーズが高い。インドでは、水需要が急増
しているものの、惰弱な水道網のために水需要が賄えておらず、その課題解決のために
井戸水ろ過の技術が求められている。
以上のことから、食料品製造業に関連した技術は、国内での開発や実証、導入の先に
海外市場への展開の可能性があり、海外市場を見据えた取り組みが望まれる。
めっき業においては、汚泥リサイクルなど多くの技術は既に検討されており、硫化物
法に代表される新たな革新的な排水処理プロセスの開発が求められる。しかしながら、
国内ではめっき事業者の新規工場の建設案件は少なく、めっき業自体が成長段階にない
ため、排水量も横ばい状態であり、新たな技術開発や新工場でのめっき排水処理プロセ
スの新規導入等は期待できない。
一方で、海外に目を向けると、中華人民共和国では、家電や自動車、電気機器といっ
た最終製品の生産量増加に伴い、めっき業も飛躍的に拡大している。その結果として排
水量も急増しており、第 11 次 5 カ年計画に続き 2011 年度からの第 12 次 5 カ年計画に
おいても、めっき業からの排水処理は国家的な環境関連の重要課題として取り上げられ、
技術開発補助の制度が整備されている。
以上のことから、国内で開発したものを海外に展開するのではなく、工場建設やめっ
き排水処理設備の新設が目覚しい中華人民共和国などの海外にて技術開発や実証を行
い、現地で通用する低コスト排水処理技術が確立できた後、日本に逆輸入するような展
開も効果的ではないかと考えられる。
122
参考資料
食品プロセスの排水処理状況およびニーズに関するアンケート調査票
食品プロセスの排水処理状況およびニーズに関するアンケート調査票
平成24年1月
経済産業省東北経済産業局 資源エネルギー環境部循環型産業振興課
(調査委託先:株式会社リサイクルワン)
問1. 貴社の概要をご記入ください。
貴社名
本社所在地
東北地域に存在する拠点所在地(複数
ある場合は、主たる拠点を記載)
資本金(当てはまるものを一つ選択)
□1,000万円未満 □1,000万~1億円未満 □1億~10億未満 □10億円以上
業種(当てはまるものを一つ選択)
□飲料・酒類製造業 □水産・畜産加工品業 □めん・保存食品・惣菜製造業
□その他製造業(製品品目をご記載ください: )
貴社の主要生産品目
排水処理関連のご担当部署名
排水処理関連のご担当者氏名
電話番号/FAX番号
/
メールアドレス
問2. 問1で記載いただいた東北地域の主たる拠点について、1日に排出する排水量についてお答えください。主たる
拠点に複数の工場や排水ラインが存在する場合には、その各工場または各ラインからの排水の合計量1日分を
記載ください。
m3/日
問3. 問2で記載された排水について、その放流先を選択してください。複数のライン別に放流先が異なる場合には、
当てはまるものを全て選択してください。
□海 □湖沼 □河川 □下水道 □農業用水 □集合排水施設 □その他( 問4.
)
食品プロセス排水に関する各種規制項目について、現在の排水処理の現状・課題についてお答えください。
規制項目/管理項目
現在の処理に課題があ
現在、処理を行っている
現在の処理の課題について、該当するものを全
ると認識されている項目
項目に○を記載ください
て選択してください
に○を記載ください
pH
BOD
COD
SS
油分(n-ヘキサン)
色
臭い
透視度
大腸菌数
全窒素
全りん
TOC
TDS
その他( )
その他( )
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
□高コスト □処理能力不足 □水量・水質変化への対応
123
保有されている排水処理プロセスについて、伺います。下記の処理プロセスのうち所有しているもの全てに○を
記入してください。また、とくに技術面や運転管理面などで工夫や特徴のあるプロセスにつきましては、差し支え
ない範囲でそのプロセスの概要を記載ください。
問5.
処理プロセス
保有プロセスに○
他と違った技術面・ノウハウ面での特徴があれば概要を記載ください
○
センシング技術の導入により、投入薬剤費および動力コストを削減
調整槽
浮上分離
(油分の回収・分離)
標準活性汚泥槽
凝集沈殿処理
ろ過
殺菌・オゾン処理
膜処理
活性炭処理
嫌気性汚泥処理
その他
(記載例)中和処理
問6.
現在の水処理における課題やニーズに関してお伺いします。食品プロセスの排水処理に関する課題に対して、
下記に挙げる様な技術・ノウハウが知られるようになって来ました。これらの技術・ノウハウに関する貴社の取り
組み段階に近いものに○を記載してください。各技術・ノウハウに関して回答は1つとしてください。
技術・ノウハウの概要
詳しく知らない 知っているが
とくに興味が
ので情報が欲 導入検討はし
ない
ていない
しい
導入検証を
行った
業者見積り、
すでに導入し
サンプル実験
ている
等を行った
マイクロ・ナノバブル技術*1
脱水汚泥のリサイクル技術
(肥飼料化、燃料化、ガス化、等)
低コスト脱水技術 (低動力型ベルト汚泥濃縮
機、爆砕乾燥機、減圧乾燥機、等)
油水分離技術、浮上油回収技術
(電気分解式、垂直重力式、油脂分解菌式、等)
膜処理
活性汚泥処理の処理能力増加技術
(多孔質の担体投入、水槽の分割、等)
嫌気性処理
流入量調整、節水に関する技術
(特殊形状弁、生産管理と連動した水量管理、等)
運転最適化による動力コスト・薬剤費等の削減技
術 (センシング技術*2、等)
*1:マイクロ・ナノバブル技術・・・・・水に酸素、オゾン、窒素など目的に応じてさまざまな気体を導入することによって、
微小な気泡を大量に含ませた水を生成させ利用する技術。フロス除去や強力殺菌効果など様々な効果が見込まれる。
*2:センシング技術・・・・・センサーを使って排水の動きを検知することで、連続プロセス中で排水が流れている部分のみを
リアルタイムに稼動させる技術。投入薬剤量や使用動力の削減によるコスト削減効果が見込まれる。
124
問7.
現在、月当たりの排水処理にかかっているコストをお答えください(おおよその数値で結構です)。
円/月
問8.
現在、直面されている排水処理課題について、解決可能な技術が存在した場合、どの程度の投資回収年数であ
れば導入を検討されますか。近いものを一つ選択してください。
□1年 □2年 □3年 □4年 □5年 □6年以上( 年程度 )
問9.
現在、直面されている排水処理課題について、解決可能な技術が存在した場合、現状からどの程度ランニング
コスト削減が見込まれれば導入を検討されますか。近いものを一つ選択してください。
□5%未満 □5%程度 □10%程度 □15%程度 □20%程度 □25%程度 □30%以上( %程度)
問10.
現在、食品プロセス排水処理で生じる汚泥について記載ください。
汚泥リサイクル/処分方法
①肥料 ②飼料 ③セメント ④焼却 ⑤埋立 ⑥その他( )
処理形態(該当するものを全て選択)
①処理委託 ②有価売却
年間委託量(売却の場合は売却量)
汚泥1t当りの委託費 (売却の場合は
売却代)
t/年
処分費: 円/t 運賃: 円/t 合計: 円/t
含水率
%
排出時の荷姿
①フレコン ②コンテナ ③その他( )
委託先の回収頻度
①毎日 ②週に数回 ③月に数回 ④( )ヶ月に1回
問11.
食品汚泥のリサイクルについて、貴社のお考えをお聞かせください。
リサイクルの意向について、最も近
いものを1つ選択してください
①現状の処理方法に満足しており、新たにリサイクルを検討する必要性は薄い
②リサイクルの単価が現状の処理単価と比較して安くなるのであれば検討したい
③リサイクルの単価が現状の処理単価と同等であれば検討したい
④リサイクルの単価が現状の処理単価より多少高くても検討したい
リサイクルしたい汚泥の種類・特徴
汚泥のリサイクルに関する、その他
ご意見・ご要望など(自由記述、新技
術の情報が知りたい等)
問12.
汚泥処理に関わらず、排水処理全般で改善したいことや今後の課題について、お聞かせ下さい。
また、業界や地域の中で排水処理関連で共有したい情報はありますか?お考えをお聞かせ下さい。
排水処理全般で改善したいこと、
今後の課題について
業界や地域において
排水処理関連で共有したい情報
125
問13.
東日本大震災による事業環境への影響についてお伺いします。震災に影響により、生産の状況をどのように変
化していますか。次の中から現状に最も近いものを1つ選んでください。
□生産量が著しく増えた
□生産量が若干増えた
□生産量は殆ど変化していない
□生産量が若干減った
□生産量が著しく減った
問14.
問13でお答えいただいた状況において、排水処理施設の稼働状況はどのように変化していますか。次の中から
現状に最も近いものを1つ選んでください。
□排水処理施設の基準流入量を遥かに超える排水処理が必要となり、従来設備では対応できなくなった
□排水処理施設の基準流入量を超える排水処理が必要となったが、従来設備で対応可能な範囲に収まった
□排水処理施設の基準流入量は従来と殆ど変化していない
□排水処理施設の基準流入量と比較して流入量は減少したが、既存の施設で対応可能な範囲には維持された
□排水処理施設の基準流入量を大きく下回る排水処理量となったため、稼動を停止させる設備もあった
問15.
震災による排水処理設備への被害状況についてお伺いします。次の中から最も近いものを1つ選択してくださ
□1. 排水処理設備に被害は無かった
□2. 排水処理設備に軽微の被害はあったが、改修は必要なく予備部品への交換等で対応できる範囲であった
□3. 排水処理設備に被害はあったが、改修で対応可能な範囲であった
□4. 排水処理設備に被害があったため、一部設備の入れ替え、増設が必要な状況であった
□5. 排水処理設備に大きな被害があったため、全面的に設備の新設が必要な状況であった
問16.
問15で3、4、5とお答えいただいた方にお伺いします。震災による排水処理設備への被害に対して、現在どの様
に対応されていますか。次の中から最も近いものを1つ選択してください。
□1. 自己資金により対応した
□2. 外部からの資金調達により対応した
□3. 設備投資資金が調達できないため、他事業者や施設から排水処理設備の提供を受けて対応している
□4. 対応できていない
問17.
問16で3または4とお答えいただいた方にお伺いします。排水処理設備の被害に対して、今後どの様に対応され
るご計画ですか。次の中から最も近いものを1つ選択してください。
□事業進捗に併せて、3ヶ月以内に自社保有の排水処理設備を設置する予定である
□事業進捗に併せて、半年以内に自社保有の排水処理設備を設置する予定である
□事業進捗に併せて、1年以内に自社保有の排水処理設備を設置する予定である
□自社保有の排水処理設備を設置する予定であるが、1年以上先の予定である( 年程度の見込み)
□当面は現状維持になると見込まれる
問18.
本アンケート調査の結果を踏まえ、2012年2月10日(金)午後、仙台駅近くにて「排水処理課題の解決に関するセ
ミナー」を開催する予定です。本セミナーへの参加を希望されますか(当てはまるものを1つ選択)。
□参加を希望する
□参加を検討する
□参加を希望しない
問19.
上記セミナーについて、ご要望があればお聞かせください(当てはまるものを全て選択)。
□新技術の情報が知りたい □排水処理設備の運営ノウハウが知りたい □復興の成功事例が知りたい
□相談できる排水処理技術メーカーを紹介してほしい □排水処理への設備投資に使える補助金が知りたい
126
問20.
東北経済産業局では、環境ビジネスや3Rの情報をメルマガで配信しています。メルマガ配信を希望下さる場合
は、お教え下さい。
□メルマガへの登録を希望する(東北経済産業局が手続きをいたします)
□メルマガへの登録を希望しない
□すでにメルマガに登録済み
以上、ご協力ありがとうございました。
アンケート回答期日 : 2012年1月31日(火)必着
ご回答頂きましたアンケート票は、FAX(03-5774-0601)または同封の返信用封筒にて、ご返送下さい。
127
めっきプロセスの排水処理状況およびニーズに関するアンケート調査票
めっきプロセスの排水処理状況およびニーズに関するアンケート調査票
平成23年11月
経済産業省東北経済産業局 資源エネルギー環境部循環型産業振興課
(調査委託先:株式会社リサイクルワン)
問1. 貴社の概要をご記入ください。
貴社名
本社所在地
東北地域に存在する拠点所在地(複数
ある場合は、主たる拠点を記載)
資本金(当てはまるものを一つ選択)
□1,000万円未満 □1,000万~1億円未満 □1億~10億未満 □10億円以上
□電気めっき業 □溶融めっき業 □金属製品塗装業 □半導体製造業
□その他製造業(製品品目をご記載ください: )
めっきの種類(当てはまるものを全て選 □銅 □ニッケル □装飾クロム □硬質クロム □亜鉛 □スズ
択)
□半田 □金 □銀 □無電解ニッケル □無電解銅 □その他(
業種(当てはまるものを一つ選択)
排水処理関連のご担当部署名
排水処理関連のご担当者氏名
電話番号/FAX番号
/
メールアドレス
問2. 問1で記載いただいた東北地域の主たる拠点について、1日に排出する排水量についてお答えください。主たる
拠点に複数の工場や排水ラインが存在する場合には、その各工場または各ラインからの排水の合計量1日分を
記載ください。
m3/日
問3. 問2で記載された排水について、その放流先を選択してください。複数のライン別に放流先が異なる場合には、
当てはまるものを全て選択してください。
□海 □湖沼 □河川 □下水道 □農業用水 □集合排水施設 □その他( )
問4.
めっきプロセス排水に関する各種規制項目について、現在の排水処理の現状・課題についてお答えください。
規制項目
現在の処理に課題があ
現在の処理の課題について、該当するものを全
現在、処理を行っている
ると認識されている項目
項目に○を記載ください
て選択してください
に○を記載ください
pH
COD
SS
油分
リン(P)
ニッケル(Ni)
6価クロム
3価クロム
シアン
金(Au)
銀(Ag)
銅(Cu)
亜鉛(Zn)
カドミウム(Cd)
その他( )
その他( )
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
□適切な技術がない □処理が不十分 □コスト高
128
問5.
保有されている排水処理プロセスについて、伺います。下記の処理プロセスにうち所有しているもの全てに○を
記入してください。また、とくに技術面・ノウハウ面などでとくに工夫しているプロセスがある場合には、差し支えな
い範囲でそのプロセスの概要を記載ください。
処理プロセス
保有プロセスに○
他と違った技術面・ノウハウ面での特徴があれば概要を記載ください
○
センシング技術の導入により、投入薬剤費および動力コストを削減
還元処理
酸化処理
pH調整
凝集沈殿処理
ろ過
中和処理
脱水
その他( )
その他( )
(記載例)中和処理
問6.
現在の水処理における課題やニーズに関してお伺いします。めっきプロセスの排水処理に関する課題に対して、
下記に挙げる様な技術・ノウハウが知られるようになって来ました。これらの技術・ノウハウに関する貴社の取り
組み段階に近いものに○を記載してください。各技術・ノウハウに関して回答は1つとしてください。
技術・ノウハウの概要
採算性等を検 実証のため導
知らなかった 知っているが
とくに興味が
討したが実証 入したが、効 すでに導入し
ので情報が欲 検討出来てい
ない
ている
には至ってい 果が出なかっ
しい
ない
ない
た
センシング技術(*1)導入による、運転を最適化
することによる動力コスト削減
マイクロフロート技術(*2)による、水質向上と省
スペース化
処理廃液再利用によるコスト削減等の効果創出
(例)廃液を沈降剤として使用することによるコスト
削減効果
排水中の高濃度金属分の回収
無機汚泥のリサイクル
イオン交換法による無排水処理化
膜技術による重金属水酸化物の分離処理
汚泥乾燥システムによる、無機汚泥の高濃縮化
によるコスト削減
排水処理系列の単一ライン化による低濃度金属
成分の回収効率向上
*1:
センシング技術・・・・・センサーを使って排水の動きを検知することで、連続プロセス中で排水が流れている部分
のみをリアルタイムに稼動させる技術。投入薬剤量や使用動力の削減によるコスト削減効果が見込まれる
*2:
マイクロフロート技術・・・・・・滞留する水の中に決め細やかな気泡を生じさせることで、水質を向上させる技術。
また、そのプラントの省スペース性にも注目が集まっている
129
問7.
現在、月当たりの排水処理にかかっているコストをお答えください(おおよその数値で結構です)。
円/月
問8.
現在、直面されている排水処理課題について、解決可能な技術が存在した場合、どの程度の投資回収年数であ
れば導入を検討されますか。近いものを一つ選択してください。
□1年 □2年 □3年 □4年 □5年 □6年以上( 年程度 )
問9.
現在、直面されている排水処理課題について、解決可能な技術が存在した場合、現状からどの程度ランニング
コスト削減が見込まれれば導入を検討されますか。近いものを一つ選択してください。
□5%未満 □5%程度 □10%程度 □15%程度 □20%程度 □25%程度 □30%以上( %程度)
問10.
現在、めっきプロセス排水処理で生じる汚泥(以下、めっき汚泥)について記載ください。
めっき汚泥の種類(該当するものを
①混合スラッジ ②単一めっきスラッジ ③分別スラッジ
全て選択)
最終処分方法
①セメント ②製錬 ③焼却 ④埋立 ⑤その他( )
処理形態(該当するものを全て選
択)
①処理委託 ②有価売却
年間委託量(売却の場合は売却量)
t/年
めっき汚泥1t当りの委託費(売却の
処分費: 円/t 運賃: 円/t 合計: 円/t
場合は売却代)
銅
% ニッケル
%
クロム
% 亜鉛
%
含有金属とその濃度(おおよその数
錫
値で結構です)
%鉛
%
金
%銀
%
S(硫黄)
% P(リン)
%
含水率
%
排出時の荷姿
①フレコン ②コンテナ ③その他( )
委託先の回収頻度
①毎日 ②週に数回 ③月に数回 ④( )ヶ月に1回
* 混合スラッジ・・・・・一般的な混合汚泥。多種類の金属の水洗水を合流して排水処理した場合に生じる汚泥
* 単一めっきスラッジ・・・・・一種類の金属の水洗水を排水処理した場合に生じる汚泥
* 分別スラッジ・・・・・特定金属の水洗水を分けて排水処理した場合に生じる汚泥
問11.
めっき汚泥のリサイクルについて、貴社のお考えをお聞かせください。
①現状の処理方法に満足しており、新たにリサイクルを検討する必要性は薄い
リサイクルの意向について、最も近
いものを1つ選択してください
②リサイクルの単価が現状の処理単価と同等であれば検討したい
③リサイクルの単価が現状の処理単価より多少高くても検討したい
リサイクルしたい金属の元素名(自
由記述)
汚泥のリサイクルに関する、その他
ご意見・ご要望など(自由記述、新技
術の情報が知りたい等)
130
問12.
東日本大震災による事業環境への影響についてお伺いします。震災に影響により、生産の状況をどのように変
化していますか。次の中から現状に最も近いものを1つ選んでください。
□生産量が著しく増えた
□生産量が若干増えた
□生産量は殆ど変化していない
□生産量が若干減った
□生産量が著しく減った
問13.
問12でお答えいただいた状況において、排水処理施設の稼働状況はどのように変化していますか。次の中から
現状に最も近いものを1つ選んでください。
□排水処理施設の稼働率は従来水準を超えて、従来設備では賄えなくなった
□排水処理施設の稼働率は従来水準を超えたが、既存の施設で対応可能な範囲に収まった
□排水処理施設の稼働率は従来と殆ど変化していない
□排水処理施設の稼働率は従来水準より減少したが、既存の施設で対応可能な範囲には維持された
□排水処理施設の稼働率は従来水準を大きく下回ったため、稼動を停止させる設備もあった
問14.
震災による排水処理設備への被害状況についてお伺いします。次の中から最も近いものを1つ選択してくださ
□1. 排水処理設備に被害は無かった
□2. 排水処理設備に軽微の被害はあったが、改修は必要なく予備部品への交換等で対応できる範囲であった
□3. 排水処理設備に被害はあったが、改修で対応可能な範囲であった
□4. 排水処理設備に被害があったため、一部設備の増設が必要な状況であった
□5. 排水処理設備に大きな被害があったため、設備の新設が必要な状況であった
問15.
問14で3、4、5とお答えいただいた方にお伺いします。震災による排水処理設備への被害に対して、現在どの様
に対応されていますか。次の中から最も近いものを1つ選択してください。
□1. 自己資金により対応した
□2. 外部からの資金調達により対応した
□3. 設備投資資金が調達できないため、他事業者や施設から排水処理設備の提供を受けて対応している
□4. 対応できていない
問16.
問15で3または4とお答えいただいた方にお伺いします。排水処理設備の被害に対して、今後どの様に対応され
るご計画ですか。次の中から最も近いものを1つ選択してください。
□事業進捗に併せて、3ヶ月以内に自社保有の排水処理設備を設置する予定である
□事業進捗に併せて、半年以内に自社保有の排水処理設備を設置する予定である
□事業進捗に併せて、1年以内に自社保有の排水処理設備を設置する予定である
□自社保有の排水処理設備を設置する予定であるが、1年以上先の予定である( 年程度の見込み)
□当面は現状維持になると見込まれる
問17.
本アンケート調査の結果を踏まえ、2012年2月10日(金)午後、仙台駅近くにて「めっきプロセスをお持ちの事業
者向けに排水処理課題の解決に関するセミナー」を開催する予定です。本セミナーへの参加を希望されますか
(当てはまるものを1つ選択)。
□参加を希望する
□参加を検討する
□参加を希望しない
問18.
上記セミナーについて、ご要望があればお聞かせください(当てはまるものを全て選択)。
□新技術の情報が知りたい □排水処理設備の運営ノウハウが知りたい □復興の成功事例が知りたい
□相談できる排水処理技術メーカーを紹介してほしい □排水処理への設備投資に使える補助金が知りたい
131
問19.
東北経済産業局では、環境ビジネスや3Rの情報をメルマガで配信しています。メルマガ配信を希望下さる場合
は、お教え下さい。
□メルマガへの登録を希望する(東北経済産業局が手続きをいたします)
□メルマガへの登録を希望しない
□すでにメルマガに登録済み
以上、ご協力ありがとうございました。
132
造水・浄水・排水処理等の水処理技術シーズに関するアンケート調査票
造水・浄水・排水処理等の水処理技術シーズに関するアンケート調査票
平成24年1月
東北経済産業局 資源エネルギー環境部 循環型産業振興課
(調査委託先:株式会社リサイクルワン)
問1. 貴社の概要をご記入ください。
貴社名
貴社名(英文表記)
本社所在地
東北地域に存在する拠点所在地(複数
ある場合は、主たる拠点を記載)
資本金
□1,000万円未満 □1,000万~1億円未満 □1億~10億未満 □10億円以上
□大学・公的研究機関のため資本金は存在しない
業種(該当するものを全て選択)
□プラントエンジニアリング □機械設備 □化学品・薬剤 □排水処理
□その他事業(内容: ) □大学・公的研究機関
ご担当部署名
ご担当者氏名
電話番号/FAX番号
/
メールアドレス
*問1にて、大学・公的研究機関を選択された方で、実証試験段階の技術や製品化技術をお持ちでない方は、
問2~問6を飛ばして、問7にお進みください。
問2.
下表中の業種・処理水量規模で、現在、貴社の顧客として対象となるもの全てに○を記載してください。
業種
処理水量規模(t/日)
10以上100未満
100以上1,000未満
10未満
水産関連
惣菜関連
食料品製造業
飲料関連
その他( )
その他( )
電気めっき
溶融めっき
めっきプロセス
を保有する製
造業
金属表面加工
半導体製造
その他( )
その他( )
その他( )
その他( )
その他( )
*その他の場合は( )中に具体的内容をご記載ください
133
1,000以上
問3.
昨今の食料品製造事業者およびめっきプロセス保有事業者の水処理ニーズとして、下表の内容が多く挙げられ
ています。これらに関して、貴社として提供可能なソリューションが存在する項目を全て選択してください。また、
そのほかに貴社の推奨技術があれば最後段に記載ください。
業種
食料品製造事業者
当てはまる
ものに○
めっきプロセス保有事業者
ナノバブル技術
センサー導入等による運転を最適化す
ることによる動力コスト削減
加工排水・脱水汚泥の肥料化・飼料化
省スペースで導入できる浄水・水処理設
備
低コスト脱水技術
処理廃液再利用によるコスト削減等の効
果 (例)廃液を沈降剤として使用するこ
とによるコスト削減効果
油水分離技術、浮上油回収技術
排水中の高濃度金属分の回収
代表的な水
処理ニーズ 膜による高度処理技術
当てはまる
ものに○
無機汚泥のリサイクル
活性汚泥処理の能力増加技術
(例)汚泥との反応面積の拡大ツールな
ど
イオン交換法等による無排水処理化
嫌気性処理など、有機汚泥の発生量を
抑制する技術
重金属水酸化物の分離処理
流入量を調整・一定化させる技術
無機汚泥の高濃縮化によるコスト削減
センサー導入等による運転を最適化す
ることによる動力コスト削減
低濃度金属成分の回収効率向上
推奨技術を
記載下さい
問4.
東北経済産業局では、造水・浄水・排水処理等の水処理分野の産業振興・技術シーズの育成を行おうと考えて
います。つきましては、貴社の今後の方針についてお聞かせください。
技術分野
現在または今後注力し
たい技術分野とその状
況(当てはまる分野全て
について、段階1つを選
択し、○をつけてくださ
い)
未検討
研究中
注力状況
開発中
実証中
実用化
造水
浄水
機能水製造
排水処理
下水処理
汚泥処理
リサイクル
その他技術( )
海外展開の検討段階として最も
□未検討 □市場調査中 □現地パートナー探索中
近いものを1つ選択し、チェックを
□すでに展開済み □展開後に撤退した
つけてください
展開先として興味のある国を全 □中国 □台湾 □韓国 □シンガポール □マレーシア
て選択し、チェックをつけてくださ □インドネシア □タイ □ベトナム □フィリピン □インド
い
□その他( )
水処理技術の海外展開 展開する上で必要としている支
について、貴社の方針 援があれば全て選択し、チェック □現地事業者とのマッチング □資金調達・補助金情報
□現地の市場情報 □その他( )
をお知らせください をつけてください
とくに東北経済産業局へ相談したい案件等がございましたらご記載ください:
*その他の場合は( )中に具体的内容をご記載ください
134
問5.
震災後の復旧・復興に関する貴社の顧客事業者の状況についてお聞かせ下さい。
貴社の顧客事業者の排水処理設備の震災被害状況
該当事業者数
(おおよその社数)
排水処理設備に被害は無かった
社程度
排水処理設備に軽微の被害はあったが、改修は必要なく予備部品への交換等で対応できる範囲で
あった
社程度
排水処理設備に被害はあったが、改修で対応可能な範囲であった
社程度
排水処理設備に被害があったため、一部設備の増設が必要な状況であった
社程度
排水処理設備に大きな被害があったため、設備の新設が必要な状況であった
社程度
問6.
貴社が関わった震災後の排水処理設備復旧・復興について、とくに特徴的な事例があればお聞かせ下さい。
現在、普及に向けて活動している企業への参考情報として活用させて頂きたいと思います。
(業種・事業社名・被害状況・復旧にかかった期間・設備規模・貴社の関わり・特徴的と考えられた理由、等を可能な範囲
でご記載ください)
問7.
東北経済産業局では、環境ビジネスや3Rの情報をメルマガで配信しています。メルマガ配信を希望下さる場合
は、お教え下さい。
□メルマガへの登録を希望する(東北経済産業局が手続きをいたします)
□メルマガへの登録を希望しない
□すでにメルマガに登録済み
問8.
情報公開についてお伺いします。東北地域に水処理技術の情報を広く普及させるため、貴社保有の技術につい
て、「技術紹介シート」を準備し、冊子化したのちに地域内の食料品製造業およびめっきプロセス保有事業者を
中心として、広く技術情報の提供を行う計画です。「技術紹介シート」の作成・公開をご希望されますか。
□1. 「技術紹介シート」の一般公開を希望する
□2. 「技術紹介シート」の作成を希望するが、一般公開を希望せず、東北経済産業局への技術紹介のみ行いたい
□3. 「技術紹介シート」の作成・一般公開ともに希望しない
*問8にて、1または2を選択された方(「技術紹介シート」の作成を希望された方)のみ、
別添の「造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート」をご記載ください。
以上、ご協力ありがとうございました。
アンケート回答期日 : 2012年1月31日(火)必着
ご回答頂きましたアンケート票は、FAX(03-5774-0601)または同封の返信用封筒にて、ご返送下さい。
135
下記にご記載いただいた内容をもとに技術紹介シートを作成し、東北地域の食料品製造業およびめっきプロセスを保有
する事業者向けの、情報発信に用いる計画です。つきましては、お手数をおかけしますが公開用の貴社概要および技術
概要について、ウェブサイトより下記シートをダウンロードの上、ご記入・ご送付ください。
技術紹介シートの追加ダウンロードウェブサイト: http://www.recycle1.com/lp/ec/tohoku-water/techinfo
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
会社紹介(歴史・特徴・
得意分野など)
食料品製造業向け
水処理の実績
めっきプロセス向け
水処理の実績
その他業種向けの
水処理の実績
とくに導入を進めたい
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
一押し技術の
導入実績
当該技術のご担当者名
ご担当部署
ご連絡先(Tel/E-mail)
/
136
セミナー資料:基調講演「水処理技術による東北地方の産業力強化」
137
138
139
140
141
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153
154
155
156
セミナー資料:イントロダクション「東北地方における排水処理の課題につい
て」
157
158
159
160
161
162
セミナー資料:食料品製造業向け「低コスト・省スペース排水処理システム「ゴ
ルゴ・システムズ」の紹介」
163
164
165
166
167
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170
171
172
173
174
セミナー資料:めっき業向け①「ガスセンサー制御技術を用いた新しい金属排
水・汚泥処理技術」
175
176
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181
182
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184
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187
188
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191
セミナー資料:めっき業向け②「めっきプロセスにおける水・薬品・金属資源
の回収再利用技術」
192
193
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196
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211
技術紹介シート:株式会社ティー・ビー・エム
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
株式会社ティービーエム
TBM,Inc.
東京都小平市小川町2-1247
http://kankichikun.com/
水と油の環境技術を開発する環境ベンチャーとして1999年9月に設立。源流管理を基本に、
会社紹介(歴史・特徴・ 排水負荷の初期低減にもっとも効果のある高濃度油脂の分離回収を行い、さらに回収した油脂
をバイオマスとして灯油・重油代替燃料化し、化石燃料削減とCO2削減に貢献する独自ノウハ
得意分野など)
ウを有する。経済産業省新連携認定事業。
食料品製造業向け
水処理の実績
大型商業施設のレストラン街や食料品製造販売ゾーンの排水管理
めっきプロセス向け
水処理の実績
その他業種向けの
水処理の実績
とくに導入を進めたい
ゴルゴシステムズ
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
排水管理を通した高濃度油脂の分離回収とその燃料化技術を有する当社と、触媒イオン水に
よる環境浄化技術を有する㈱セイスイ、および好気性と嫌気性の連続分解による排水処理技
術を有するアイ・トリート㈲が連携し、それぞれの固有技術をベストミックした、ユーザーメリット
の多い理想的な環境技術である。
一押し技術の
導入実績
3社各様で個別に豊富な実績を有する。(当社においてはJR東日本グループ)
212
技術紹介シート:アイ・トリート有限会社
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
アイ・トリート有限会社
i-treat co.Ltd.
東京都八王子市兵衛2-32-18
http://www.i-treat.co.jp/
弊社は「水質浄化のプロとして顧客、社会から高い評価を潤技術・浄化システムを提供する」
事を念頭に、自然水域の水質調査を行い、河川・湖沼にあった浄化施設の設計する建設コンサ
ルタントとして平成13年スタートしました。
水質浄化の経験・技術を基に平成15年に嫌気分解と好気分解を同一槽で効率よく行う「有機
会社紹介(歴史・特徴・ 物性汚濁排水の浄化装置」で特許出願し、平成19年に特許権を設定登録しました。
得意分野など)
この特許を基にiP浄化法を販売開始したところ、浄化水質が安定してきれい、汚泥の発生量が
少ない、メンテナンスが簡単、ランニングコストが安いとの評価をもらっています。
現在のところ、客先は食品産業が100%で、浄化が難しい排水(米のとぎ汁排水、ニンニク排
水、唐辛子排水など)の実績が多く、水質の種類、濃度、排水量、敷地にあわせた浄化施設を、
オーダーメイドで設計・施工・維持管理を行って好評を得ています。
食料品製造業向け
水処理の実績
下水放流水質を放流基準に合う除害施設の設計・施工・維持管理、公共用水域への排水基準
に合う浄化施設の設計・施工・維持管理を行っています。技術的なトラブルに対しても迅速に対
応しているため、客先からの厚い信頼を得ています。排水浄化の難しい下記業種で実績を積み
重ねています。
米のとぎ汁排水浄化(清酒製造業、米菓製造業の排水浄化)
魚類の加工排水浄化(漁協の食品工場の廃水浄化)
ドレッシング加工排水・スパイス製造排水浄化(調味料製造業の加工排水)
惣菜製造排水浄化(食堂、もやし工場等排水浄化)
めっきプロセス向け
水処理の実績
なし
その他業種向けの
水処理の実績
浄化槽の設置、維持管理についても行っています。
とくに導入を進めたい
一押し技術の名称
iP浄化法
一押し技術の
概要・特徴
原理
嫌気分解と好気分解を同一槽で効率よく行う。
効果
①汚泥の発生量が活性汚泥法に比べ1/3~1/5に減少する。
②薬品代、汚泥処分費用が1/2以下になる。
③電気代が20~50%程度削減。
④汚泥の発生量削減、電気代の削減からCO2排出削減量が計算できる。
一押し技術の
導入実績
岩手(米菓製造業排水浄化)、宮城(大学養殖排水を浄化し循環水として再利用)、福島(米とぎ
汁排水浄化)と東北地方の各業者の実情にあった、オーダーメイドの浄化施設の設計、施工、
維持管理を行っている。
導入事業者は排水量10m3/日~300m3/日の業者が多い。
活性汚泥法の改造も多数実績があります。
213
技術紹介シート:株式会社セイスイ
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
株式会社セイスイ
SEISUI CO.,Ltd.
仙台市宮城野区小田原1-7-25
http://www.seisui.jp
東北大学金属材料研究所高酸化触媒還元水のセラミックを研究開発し、下水道の発生汚泥を
会社紹介(歴史・特徴・
削減又これの脱臭装置の技術を有している。この他メカセラ水を燃料に混入し燃料臭の軽減を
得意分野など)
図る。目下放射能除去向けの触媒開発を進めている。
食料品製造業向け
水処理の実績
スカムの発生削減・油の分解、ノルマルヘキサンの分解等々多くの食品工場に納入。
めっきプロセス向け
水処理の実績
その他業種向けの
水処理の実績
クーリングタワー、冷凍機関連設備の運転状件改善。下関シーモール、ニチレイ、ダイマル、ダ
イエイ等々納入稼動中、半導体工場の排水処理技術。
とくに導入を進めたい
1.マルチェコの普及 2.汚泥減容技術 3.脱臭装置 4.放射能除去
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
1.フェライト系セラミック触媒によるクーリングタワーのスケール除去又アオコ防止、冷却効果改
善その他関連機器営のスケール除去、防錆
2.汚泥削減技術(環境省実証事業(ETV))
3.脱臭技術
一押し技術の
導入実績
・マルチェコ納入先 大手タイヤ製造業・養豚業
・農業集落排水処理(市町村向け)
・高速道路SA向け脱臭装置
214
技術紹介シート:メタウォーター株式会社
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
メタウォーター株式会社
METAWATER Co., Ltd
東京都港区虎ノ門四丁目3番1号
http://www.metawater.co.jp
2008年4月に、日本ガイシ㈱と富士電機㈱の水環境部門が分社し、事業統合にて設
会社紹介(歴史・特徴・ 立された。
得意分野など)
セラミック膜、オゾン発生装置等のコア技術を持ち、水処理総合エンジニアリング会
社。
食料品製造業向け
水処理の実績
排水処理のオゾン装置による、COD低減、脱色・脱臭処理水の再利用処理設備。高
速メタン発酵設備。
めっきプロセス向け
水処理の実績
その他業種向けの
水処理の実績
製紙工場の排水脱色処理。硫化水素対策処理。
とくに導入を進めたい
高速ろ過、高速メタン発酵設備。
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
高速ろ過:雨水の合流改繕処理
高速メタン発酵:5日間でのメタン発酵による設備省スペース化
一押し技術の
導入実績
高速雨水ろ過:全国20自治体各所
高速メタン発酵:廃乳排液処理によるメタン発酵発電
215
技術紹介シート:前澤工業株式会社
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
前澤工業株式会社
Maezawa Industries, Inc
埼玉県川口市仲町5番11号
http://www.maezawa.co.jp/
当社は、国および地方公共団体の上・下水道および農業用水・河川関係の各種処理
施設並びに、これらに関連した単体機器および装置の設計・製作・据付を一貫して
会社紹介(歴史・特徴・ 行っている上下水道用機器・水処理装置専業メーカーであり、販売活動は全国の諸官
得意分野など)
公庁を対象として行っております。さらに環境関連分野における民間の市場に対し、
土壌・地下水汚染浄化事業、産業廃水処理事業など積極的に進出を図り、実績を積
み上げながら事業の拡大を図っております。
食料品製造業向け
水処理の実績
乳業:5社、水産加工:4社、醸造:3社、食肉加工:3社、飲料:2社、
その他惣菜加工会社、缶詰加工会社等の実績あり
めっきプロセス向け
水処理の実績
その他業種向けの
水処理の実績
住宅関連:1社、製紙:3社、化学:3社、電気:1社、
輸送用機器:2社、陸運送:1社、サービス業:4社
とくに導入を進めたい
連続洗浄式固定生物膜による排水処理装置
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
従来の固定生物膜法の欠点であった充填材の生物膜による目詰まりを装置下部に設
置された回転する散気管により連続洗浄を行い、解消し安定した処理性能と高BOD負
荷による処理を実現したコンパクトな排水処理装置です。スペースが限られた排水処
理設備の能力増強を行う際に高いパフォーマンスを発揮致します。
一押し技術の
導入実績
○食品89箇所(飲料・菓子・食肉加工・惣菜加工・乳業・醸造・その他)
○製紙15箇所
○電気5箇所(液晶・半導体)
○その他(動物系・洗車排水)
216
技術紹介シート:株式会社東芝
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
株式会社 東芝
TOSHIBA CORPORATION
東京都港区芝浦1-1-1
http://www.toshiba.co.jp
歴史と沿革
1875年 田中製造所創設 → 1904年 芝浦製作所(重電の流れ)
1890年 白熱社創設 → 1899年 東京電気(エレクトロニクスの流れ)
1939年 東京電気と芝浦製作所が合併し、東京芝浦電気株式会社が発足。
1984年 新本社「東芝ビルディング」完成。株式会社東芝に社名を変更。
会社紹介(歴史・特徴・
特徴
得意分野など)
当社は、「デジタルプロダクツ」、「電子デバイス」、「社会インフラ」を主力事業とする、複合的な
電機メーカーです。この3分野と家庭電器を合わせた4分野において、注力事業の成長を加速す
ると同時に新たな収益基盤の確立を図っています。
得意分野
社会インフラ事業において水ビジネスでの長い歴史と幅広い実績を有しております。
食料品製造業向け
水処理の実績
国内最大級の高濃度有機性排水処理設備(メタン発酵処理システム)をはじめ、惣菜・飲料等
各食品会社に幅広く設備を納入しております。高濃度有機性排水処理設備は殆どメンテナンス
を必要としない設備で、余剰汚泥の発生が殆ど無く排水設備に関わる使用電力低減も可能な
設備です。また、低濃度有機性排水にも対応可能な設備も納入しており、さまざまな排水処理
設備をご提案・納入が可能です。
めっきプロセス向け
水処理の実績
無機系排水処理向けに、環境影響負荷の低減と運用コストの削減を実現可能とする東芝独自
開発による新しい水処理技術の提供が可能です。「無薬注ろ過システム」は、一般の排水処理
で使用している凝集剤を使用せず東芝独自開発の「機能粉」を循環利用することで、機器製造
工場等の排水(無機系)処理において、ランニングコストを大幅に削減(薬品レス・汚泥量削減)
可能な、東芝独自の新しい排水処理システムです。
その他業種向けの
水処理の実績
上下水道施設の電気設備および水処理設備において、全国に多数の実績を有しております。
とくに導入を進めたい 【食料品製造業】高濃度有機排水処理技術
一押し技術の名称 【めっきプロセス】無薬注ろ過システム
一押し技術の
概要・特徴
【高濃度有機排水処理技術】
・標準活性汚泥方式では難しい排水や広い敷地を要する排水処理を嫌気処理技術を用いてコ
ンパクトな排水処理設備を実現可能
・排水量に関わらずオーダーメードで対応可能
【無薬注ろ過システム】
・水平ろ過器と東芝独自開発した「機能粉」をろ過助剤として使用することで、薬品(凝集剤)を
使わずに排水をろ過することが可能
・「機能粉」は循環利用が可能で、薬品量・汚泥発生量が低減され、ランニングコストを大幅に削
減可能
一押し技術の
導入実績
【高濃度有機排水処理技術】
・食品会社(でんぷん製造・飲料・惣菜・製餡等)をメインに余剰汚泥・使用電力低減を目指して
いる事業者
【無薬注ろ過システム】
・プリント基板製造工場
217
技術紹介シート:オルガノ東北株式会社
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
オルガノ東北 株式会社
ORGANO TOHOKU CORPORATION
仙台市青葉区本町1-11-1(仙台グリーンプレイス)
http://tohoku.organo.co.jp/
総合水処理のオルガノ株式会社のグループ会社として、東北地方の地域・顧客密着のために
設立し、仙台を本社として、盛岡、郡山に営業所を有しております。
主に中型・小型の用水・純水及び排水装置の販売、エンジニアリング及びメンテナンス業務を
会社紹介(歴史・特徴・
行っております。 更に水処理に関連した薬品、イオン交換樹脂、逆浸透膜等を扱っています。
得意分野など)
当社の特長はオルガノ㈱を含めた総合水処理メーカーとして、工場、発電所、病院等の広範囲
なプラントエンジニアリングを主に、開発からメンテナンス、装置診断、更には水処理薬品まで
幅広い水処理のノウハウを蓄積しております。
食料品製造業向け
水処理の実績
工場、井水、工水等のろ過設備、排水処理設備。
東北地方ではブロイラー工場をはじめとして、各種食料品工場の用水処理及び排水処理。
グループ会社としてオルガノフードテック㈱では食品素材や食品加工剤も扱っております。
めっきプロセス向け
水処理の実績
液晶及びプリント基板の製造ラインからのメッキ重金属排水処理で多数の実績があります。
その他業種向けの
水処理の実績
半導体工場の超純水装置、排水回収装置及び排水処理装置の実績が多数あります。
その他発電所、パルプ工場の用排水及び病院・研究機関・医製薬用の純水装置等幅広い分野
で実績があります。
とくに導入を進めたい
①フッ素処理技術 ②高速凝集沈殿技術 ③各種生物処理 ④その他
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
①フッ素処理技術・・・フッ素排水の高効率凝集沈殿(オルスレック法)、フッ素の回収技術(エコ
クリスタ)
②高速凝集沈殿・浮上分離技術・・・省スペースによる沈殿及び浮上分離技術。
③各種生物処理・・・流動床法、固定生物法等による省スペース化、省力化技術。
一押し技術の
導入実績
①フッ素処理技術・・・半導体製造工場等で多数。
②高速凝集沈殿・浮上分離技術・・・半導体製造工場他。
③各種生物処理・・・各種食品工場。
218
技術紹介シート:株式会社クボタ(浄化槽)
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
(株)クボタ
KUBOTA Corporation
住所
滋賀県湖南市高松町2-1
ウェブサイト
http://jokaso.kubota.co.jp/
私たちクボタは、1世紀以上にわたって、ずっと環境のことを考えてきました。その間、あらゆるジャ
ンルで培った テクノロジーのすべては水処理分野にも活かされ、いま、日本はもちろん世界の水処
理シーンをリードしています。 クボタの産業排水処理システムは、それらの経験が育んだ技術・ノウ
会社紹介(歴史・特徴・
ハウの粋をひとつに集約した、高濃度排水の高効率処理を実現するトータルシステムです。 極めて
得意分野など)
高度で安定した処理を可能にするクボタ独自の液中膜(平膜)方式、そして、優れた汚泥保持性で大
きな負荷変動にも対応する担体流動方式など。 その処理レベルや用途・目的に応じた技術・設備
の組み合わせを検討し、皆さまにとって理想の水処理環境をご提案します。
食料品製造業向け
水処理の実績
【食品排水】
<概要>食品加工工場から排出される高濃度排水について、高負荷に対応する担体流動法よって
処理した後、河川放流。
<特徴>食品製造工程から排出される洗浄排水について、運転管理の容易な担体流動法を用い
ながら高負荷に対応。バルキングのない安定した処理水を確保しつつ、設置スペースのコンパクト
化も実現しました。
めっきプロセス向け
水処理の実績
【酒造排水】
<概要>日本酒・焼酎・ビールの製造工程から排出される高濃度排水を膜分離活性汚泥法によっ
て処理後、河川放流。
<特徴>酒造工程から排出される高濃度排水を、一段のみで放流レベルまで 処理することができ
る膜分離活性汚泥法の採用により、複雑な三次処理設備を設置する必要がなく、非常にコンパクト
な施設とすることが可能となった。合せて安定した処理能力に定評がある有機平膜によって、良好
なメンテナンス性も確保されている。
その他業種向けの
水処理の実績
【透析排水】
<概要>人工透析排水を、嫌気性ろ床法と担体流動法の組み合わせにより、下水道排除基準以
下まで処理し、下水道放流。
<特徴>透析機器に使用される高濃度の次亜塩素は、通常チオ硫酸ナトリウムなど薬品処理に
よって中和・還元されることが多いが、嫌気性ろ床法を組み合わせることにより無薬注処理を達成。
ランニングコストの低減とともにメンテナンス性の向上を確保している。また、クボタが専用に開発し
た担体による担体流動法を組み合せることにより、高負荷に対する安定した処理能力の確保と、余
剰汚泥の低減を両立している。
【ビル中水利用】
<概要>事務所ビルより排出される生活系雑排水を膜分離活性汚泥法により 処理した後、トイレ
洗浄水として再利用。
<特徴>飲料水である上水をそのままトイレの洗浄水として 使用することは、建物の規模が大きく
なるほど膨大な 上下水料金が発生するばかりでなく、資源の有効利用 という観点からも望ましくな
い。大腸菌も通過させない微多孔性膜を使用する膜分離活性汚泥法は、非常にコンパクトな設備ス
ペースでありながら濁りのない良質な処理水を 確保することができ、再利用に適した処理方法と
なっている。
とくに導入を進めたい
一押し技術の名称
極めて高度で安定した処理を可能にするクボタ独自の液中膜方式による産業排水処理システム
●窒素・リンの除去が可能
膜分離方式の採用によって高濃度活性汚泥運転が可能となり、BODなどの有機汚濁物質だけでな
く、窒素も容易に除去できます。リンについては、ばっ気槽に凝集剤を直接添加するだけで簡単に
除去することが可能です。
●後処理なしで処理水の再利用が可能
液中膜(R)の小さな孔(1mmの1万分の4)を通過したものだけが処理水として排出されるので、処理
水質のレベルは極めて高く、安定しています。バクテリアなども通過しないため、処理水は高度処理
施設なしでも中水道や散水用水として再利用できます。
一押し技術の
概要・特徴
●設置面積がコンパクト
濃度活性汚泥運転でばっ気槽容量を小さくできるほか、沈殿槽や汚泥濃縮槽などが不要なため、
従来方式の浄化槽に比べて設置面積が30~60%で済みます(当社比)。
●シンプルな処理工程で運転管理が容易
処理フローがシンプルで、かつ負荷変動にも強いため、運転管理が容易。電話回線を利用した遠隔
監視システムもご用意しています。
●改修工事にも適応
既存の施設を利用した改修工事により処理能力の向上を図れます。
一押し技術の
219
技術紹介シート:株式会社クボタ(液中膜)
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
株式会社クボタ
Kubota Corporation
大阪府大阪市浪速区敷津東1丁目2-47
http://www.kubota.co.jp
当社は、『For Earth , For Life』をスローガンに、今、人類が直面している食料・水・環境の課題解決に向
け、国内・海外全ての社員がひとつになって、事業をグローバルに展開しています。
特に、水・環境問題に関しては、浸漬型平膜『液中膜』を中心に、国内外を問わず、排出事業者皆様の排
会社紹介(歴史・特徴・
水処理ニーズ(浄化・再利用など)にお答えすべく、製品販売、エンジニアリングに力を入れ、活動しており
得意分野など)
ます。
また、『液中膜』のアフターサービスについても、国内を中心にきめ細やかなサービスを実施させて頂いて
おり、皆様からご好評の声を頂いております。
食料品製造業向け
水処理の実績
『液中膜』は、国内食料品製造業向けでは、約1,000件の実績を有しており、その他、浄化槽、中水道およ
び海外に数多くの実績を有しています。特に、食品製造業向けで多く利用されており、通年を通して安定
的に排水される事業者様や、排水が季節に大きく左右される事業者様まで、幅広くご利用頂いておりま
す。
また、『液中膜』アフターサービスについても、導入頂いたお客様の多くに加入頂いており、素早い対応と
技術力に自信を持っています。
めっきプロセス向け
水処理の実績
『液中膜』は有機系排水を主体としており、重金属類を凝集沈殿除去した後の生物処理として使用する事
例がございます。無機系の排水に対しても凝集膜分離として適用試験を実施の上でご導入頂くことが可能
です。
『液中膜』ご使用により、固形分流出による問題改善に寄与できるものと期待しております。
その他業種向けの
水処理の実績
浄化槽、公共下水道はもちろん、病院の透析排水、学校給食排水の処理にも利用可能です。
とくに導入を進めたい
『液中膜』を用いた膜分離活性汚泥設備
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
一押し技術の
導入実績
膜分離活性汚泥設備は、固液分離を膜分離で行うため、従来設備(標準活性汚泥設備)で必要な沈殿槽
が不要になるだけでなく、ばっ気槽容量も小さくすることができます。設備を新設する際、占有する敷地が
小さくなるのはもちろん、既存設備の改造による負荷量増加にも、水槽の増設を行うことなく、対応するこ
とが可能です。
『液中膜』を用いた膜分離活性汚泥設備は、国内2,700件、海外800件、合計3500件の納入実績がありま
す。
220
技術紹介シート:株式会社クボタ(脱水機)
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
株式会社クボタ
Kubota Corporation
大阪府大阪市浪速区敷津東1丁目2-47
http://www.kubota.co.jp
当社は、『For Earth , For Life』をスローガンに、今、人類が直面している食料・水・環境の課題解決に向
け、国内・海外全ての社員がひとつになって、事業をグローバルに展開しています。
会社紹介(歴史・特徴・ 特に、水・環境問題に関しては、国内では浄水場・下水処理場を中心に水処理設備を多く納めて参りまし
た。
得意分野など)
近年では官需だけではなく民需にも力を入れており、今回ご紹介するフィルタープレス脱水機は官需で
培った技術やノウハウをもとに、民需で競争できるコストレベルや維持管理性を実現した製品です。
食料品製造業向け
水処理の実績
めっきプロセス向け
水処理の実績
その他業種向けの
水処理の実績
・浄水場、下水処理場から発生する汚泥の脱水
・製鉄所集塵排水からのスラッジ回収
・機械、化学等の工場排水処理汚泥の脱水
とくに導入を進めたい
全自動圧搾ろ布走行式フィルタープレス脱水機
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
クボタ独自の無端ろ布走行式により、
1.ろ布交換などのメンテナンスが容易
2.雑時間短縮による高い稼働率の実現と設置スペースの削減
3.高圧圧搾による低含水化
などが可能となっています。
一押し技術の
導入実績
官公庁向けを中心に60台以上
221
技術紹介シート:秋田県健康環境センター
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
秋田県健康環境センター
Akita Research Center for Public Health and Environment
秋田市千秋久保田町6-6
http://www.pref.akita.lg.jp/rcphe/
秋田県健康環境センターは、平成18年に旧秋田県衛生科学研究所と旧秋田県環境センター
が統合して設立され、地域保健対策の推進支援と環境保全という役割を担っている公設試験
会社紹介(歴史・特徴・ 研究機関です。
秋田県民の健康と秋田県の環境を守るために必要とされる様々な試験検査及び調査研究に取
得意分野など)
り組んでいます。環境保全分野においては、湖沼等の水質改善や廃棄物の循環的利用等に力
を入れています。
食料品製造業向け
水処理の実績
なし
めっきプロセス向け
水処理の実績
なし
その他業種向けの
水処理の実績
とくに導入を進めたい
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
事業者向けではありませんが、九州農政局等が実施している諫早湾水質浄化事業において、
当センターが開発した水質浄化材(下記参照)が実証試験される予定です。
もみ殻を原料としたリン選択性を有する水質浄化材
もみ殻にカルシウムの水溶液を含浸後、炭化する方法により、リン酸イオンを選択的に吸着で
きる水質浄化材の製造方法を開発しました(特許第4840846号)。
水中の低濃度(数ppmレベル)のリン酸イオンを0.1mg/L以下まで除去できます。また、リン
吸着後の水質浄化材には、土壌改良材や肥料としての効果が期待できます。
下水処理施設、し尿処理施設、畜舎排水処理においての活用が見込まれます。
一押し技術の
導入実績
来年度から、諫早湾水質浄化事業(長崎県)において実証試験される予定です。八郎湖水質浄
化事業(秋田県)においても検討されています。
秋田県畜産試験場と連携し、畜舎排水処理工程への組み込みについても検討しています。
222
技術紹介シート:東北文化学園大学
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
東北文化学園大学
TOHOKU BUNKA GAKUEN UNIVERSITY
宮城県仙台市青葉区国見6-45-1
http://www.tbgu.ac.jp/ept/
人間環境デザイン学科は、健康・福祉住環境、設備・環境工学、建築・インテリア工学
会社紹介(歴史・特徴・ の各分野を核として、環境・空間構成技術の獲得とその実践をとおして、充実した基礎
得意分野など)
教育と時代に適合した先端教育を行い、人間生活と環境の適正な関係の改善に寄与
できる人材を育成します。
食料品製造業向け
水処理の実績
めっきプロセス向け
水処理の実績
その他業種向けの
水処理の実績
とくに導入を進めたい
ハイブリッド型高度排水処理技術
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
我々は、これまでに水処理分野において培った先端的な共通技術や、微生物の浄化
作用と電気分解作用を組み合わせた、新たな処理法を活用して効率的な環境負荷の
低減に関する研究開発を行った。特徴としては、低電流の微弱な電流を用いた鉄電極
の電解反応における省エネルギー型及び単一装置内での有機物・リン同時除去・バ
ルキング抑制・臭気除去を可能とする排水処理装置であり、生物反応槽内に鉄棒電
極を回転させながら直接挿入する電解槽により電極が均等に劣化し、電解効率を維
持することが可能となった。更に、運転管理・メンテナンスが容易に行うことができ、薬
剤を使用しないため環境にやさしいシステムである。
一押し技術の
導入実績
223
技術紹介シート:秋田大学
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
秋田大学 鈴木研究室
AKITA UNIVERSITY
SUZUKI LABORATORY
秋田市手形学園町1-1
秋田大学 http://www.akita-u.ac.jp/ 鈴木研究室 http://kc6.ee.akita-u.ac.jp
鈴木研究室では電気電子の幅広い分野で研究が行われていますが、そのなかから
排水処理・余剰汚泥処理および重金属除去技術に関してご紹介いたします。
汚泥土壌から重金属などを除去するため原位置処理法の一つである動電現象を用い
た処理方法に関する研究をしています。また、重金属の除去にゼオライト電極を開発
会社紹介(歴史・特徴・
しました。
得意分野など)
下水/排水処理施設では問題となっている余剰汚泥(有機汚泥)の処理方法として磁
気-フェライト処理法を開発し、ラボスケールでゼロ・エミッションの排水処理設備を実
現できました。これらの成果を学術誌、国内外の学会などで報告しています。詳細は
鈴木研究室のHPをご覧ください。 http://kc6.ee.akita-u.ac.jp
食料品製造業向け
水処理の実績
なし
めっきプロセス向け
水処理の実績
なし
その他業種向けの
水処理の実績
なし
とくに導入を進めたい ・動電処理による金属イオンの除去技術
一押し技術の名称 ・フェライトモーションコントロールによる余剰汚泥の減容化
一押し技術の
概要・特徴
【動電処理による金属イオンの除去技術】
・重金属イオンの除去に動電処理を用いると二次汚染の心配はない
・ゼオライトの電極を用いることで70%以上の重金属回収に成功
【フェライトモーションコントロールによる余剰汚泥の減容化】
・電磁石を用いてフェライト粒子を有する汚泥のフェライトモーションを制御することでラ
ボスケールでゼロ・エミッションシステムに成功
・非熱殺菌方法・汚泥の脱水方法としての可能性
一押し技術の
導入実績
ラボスケールで成功しています。
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技術紹介シート:東北大学
造水・浄水・排水処理等の水処理技術紹介シート
会社・団体名
英文名
住所
ウェブサイト
東北大学
TOHOKU University
仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-06
http://www.rpip.Tohoku.ac.jp/seeds/profile/46
東北大学大学院工学研究科では、世界最先端の水質浄化技術を集めた人工湿地実
験施設を設置し、川渡野外実験フィールドセンターにおいて毎日2トン発生する30頭の
乳牛に由来する汚水を受け入れ、エネルギーを使わずに高度に浄化処理する実証実
会社紹介(歴史・特徴・ 験を継続しています。本実証実験により、東北地方の寒冷な気候条件下で高度処理
2
得意分野など)
を行うのに必要な湿地面積は人口ひとりあたり2m 前後であることが明らかとなりまし
2
2
2
2
た(BOD:1.82m 、ss:1.67m 、TN:1.94m 、TP:2.31m )。この研究成果の産業応用を地
方自治体、畜産農家、各種企業等と共同で進めたいと考えています。実証実験の視
察の希望があれば遠慮なくご連絡ください。
食料品製造業向け
水処理の実績
めっきプロセス向け
水処理の実績
その他業種向けの
水処理の実績
とくに導入を進めたい
一押し技術の名称
一押し技術の
概要・特徴
無エネルギーかつ低コストかつ省メンテナンスで排水処理が行える人工湿地技術を確
立しました。東北地方の寒冷な気候条件下での年間の浄化性能原単位(面積あたり
2
2
の浄化速度)として、BODでは23.3g/m ・d、懸濁物質(ss)では20.7g/m ・d、総ケル
2
2
2
ダール窒素では1.63g-N/m ・d、総窒素では1.55g-N/m ・d、総リンでは0.39g-P/m ・d
を達成可能です。
一押し技術の
導入実績
乳牛排水6件、豚舎排水1件、PETリサイクル排水1件の導入実績があります。
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平成23年度中小企業等産業公害防止対策調査
(東北地域の排水処理の現状と技術シーズに関する調査)
平成 24 年 2 月
東北経済産業局
資源エネルギー環境部 循環型産業振興課
調査請負会社:株式会社リサイクルワン
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷 3-10-13 渋谷 R サンケイビル 6F
TEL:03-5774-0600
FAX:03-5774-0601
URL:http://www.recycle1.com/
※ 無許可の転載・掲載を禁じます。
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