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Ⅷ 加西の自然環境・希少動植物 1 自然環境の概要 加西市の北部には

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Ⅷ 加西の自然環境・希少動植物 1 自然環境の概要 加西市の北部には
Ⅷ
加西の自然環境・希少動植物
1
自然環境の概要
加西市の北部には古生層の山地が、中央部には青野ヶ原台地や鶉野台地が、南部には中
世代の山地が広がっています。また、加西市は加古川の支流域に位置し、万願寺川をはじ
めとする大小多くの河川が、下流域の住民の生活基盤となっています。さらに、瀬戸内式
気候の影響で冬季の降水量が少なく、古くから水資源に恵まれなかったため、約 1,000 ヶ
所のため池が築造され、全国でも有数のため池密集地帯となっています。このため池に生
息・生育する水生生物は種数が多く、貴重な水生生物も多い地域です。そして、ため池を
中心に周辺の水路・河川・農地・里山にさまざまな生き物が生息・生育しており、里地里
山一帯が生態系の多様な地域となっています。
・兵庫県版レッドデータブックとは…
レッドデータブックは、絶滅のおそれのある野生生物などをリストアップ
して、その現状をまとめた報告書です。世界的には、1966 年に国際自然保
護連合(IUCN)が、哺乳類と鳥類について世界的な規模で絶滅のおそれのあ
る種をリストアップした報告書を公表し、以後改訂が続けられています。わ
が国においても 1989 年に㈶日本自然保護協会ほかが「わが国における保護
上重要な植物種の現状」を、1991 年に環境庁(現環境省)が「日本の絶滅
のおそれのある野生生物」として、脊椎動物編及び無脊椎動物編を公表しま
した。
兵庫県では、1995 年に他県に先駆けて、地域版レッドデータブックとし
て、「兵庫の貴重な自然―兵庫県版レッドデータブック―」を公表しました。
その後、8 年が経過し、新たな情報の蓄積や、前回作成時にあまり得られなか
った生物分野の情報収集が進んできました。これらの情報に基づく選定・評
価の見直しが必要となってきたため、2003 年に「改訂・兵庫県の貴重な自
然―兵庫県版レッドデータブック―2003」を作成しています。これは、野生
動植物のほか、植物群落、地形、地質、自然景観をも選定評価の対象として
います。
- 47 -
・貴重性評価の区分
環境省による改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物(以下、改訂・日
本版レッドデータブック)のカテゴリー区分(定性的要件)に準じて、貴重
性のランクを設定しています。改訂・日本版レッドデータブックでは、
「絶滅」
というカテゴリーが設定されていますが、兵庫県版では、厳密に絶滅と判断
できなくても県内には生息・生育しなくなったと推定されるものも含めて「今
見られない」というカテゴリーを設定しています。また、改訂・日本版レッ
ドデータブックにはないものとして、要注目種、地域限定貴重種というカテ
ゴリー区分を置いています。
内
カテゴリー
容
兵庫県内での確認記録、標本があるなど、かつては生息・生育していた
と考えられるが、現在は見られなくなり、生息・生育の可能性がないと考
今見られない
えられる種が該当します。鳥類にあっては、過去に兵庫県内で毎年また
は通年見られたが、現在は稀に迷鳥としてしか見られなくなった種につ
いては、この区分に含みます。
改訂・日本版レッドデータブックの絶滅危惧Ⅰ類に相当します。兵庫県
A ランク
内において絶滅の危機に瀕している種など、緊急の保全対策、厳重な
保全対策が必要な種です。
改訂・日本版レッドデータブックの絶滅危惧Ⅱ類に相当します。兵庫県
B ランク
内において絶滅の危険が増大している種など、極力生息環境、自生地
などの保全が必要な種です。
C ランク
要注目種
地域限定
貴重種
改訂・日本版レッドデータブックの準絶滅危惧に相当します。兵庫県内
において存続基盤が脆弱な種です。
最近減少の著しい種、優れた自然環境の指標となる種などの貴重種に
順ずる種です。
兵庫県全域で見ると貴重とはいえないが、兵庫県内の特定の地域にお
いては A、B、C、要注目のいずれかのランクに該当する程度の貴重種を
有する種です。
改訂・日本版レッドデータブックの情報不足に相当します。兵庫県での生
要調査種
息・生育の実態がほとんどわからないことなどにより、現在の知見では
貴重性の評価ができないが、今後の調査によっては貴重種となる可能
性のある種です。
- 48 -
2
希少動植物・環境学習
平成 20 年度
①
かさいエコカレッジ
平成 20 年 7 月~21 年 3 月
ごみの減量化や地球温暖化防止策などについて学ぶシリーズ
講座「かさいエコカレッジ」を開講。
・開講式、片平敦氏講演会「気象予報士からみた地球温暖化」
・川の水生生物調査
万願寺川上道山町構江橋周辺
・「こうべ環境未来館」見学
・「関西電力㈱大飯発電所」「エルガイアおおい」見学
・「加西の自然について」講師
②
尾内良三氏、閉講式
マダラナニワトンボ生息調査
平成 20 年 9 月 28 日、10 月 12 日、26 日 陸上自衛隊青野ヶ原演習場一帯
兵庫トンボ研究会と合同調査を実施。26 種を確認。
③
ため池オアシス運動
平成 10 月 26 日
西笠原町五郎池雑魚取り大会
魚のつかみ取りとため池周辺のごみ拾いや外来種(ブラックバス、ブ
ルーギル)の駆除。
④
ため池ふれあいイベント
平成 20 年 11 月 9 日 玉野町蓮池
「魚をつかまえよう。ため池を学ぼう。ため池をきれいにしよう。」
をテーマに開催。
⑤
特定外来生物オオフサモの駆除
平成 21 年 1 月 10 日 倉谷町芋畦池
倉谷町、加西ナチュラリストクラブ、播磨ウェットランドリ
サーチ、県立農業高校生物部、播磨農業高校生物部、北播磨
県民局、加西市などが参加して特定外来生物に指定された水
草「オオフサモ」の除去作業が行われた。
⑥
加西の環境パネル展示
平成 21 年 1 月 26 日~2 月 6 日 市役所庁舎 1F ロビー
- 49 -
⑦
村上敦講演会
平成 21 年 1 月 18 日 健康福祉会館
ドイツ在住の環境ジャーナリスト村上敦氏による「持続可能な発展の環境政策について」
の講演。
平成 19 年度
①
ため池の歴史と文化散策~飯盛野そ水を歩く~
平成 19 年 6 月 30 日
玉丘史跡公園から水辺の自然豊かな長倉池、飯盛野
そ水の歴史を学びながら田園地帯を抜け、フラワー
センター内の飯盛山に登るハイキング。
②
ため池観察会~ため池の植物~
平成 19 年 7 月 22 日 玉丘町長倉池周辺
ミズトラノオやマネキシンジュガヤなどの希少種を観察。
③
ため池観察会~ため池の動植物~
平成 8 月 5 日
玉丘町長倉池から播磨農業高校にかけての水路
加西市でも貴重な水辺空間を歩きながら、水生動植物を観察。
④
加西のため池展
平成 19 年 8 月 3~12 日
アスティア加西地域交流センター
ミニビオトープや水生植物のサンプル、写真、活動紹介の
パネル展示など。
⑤ ため池フォーラム in 加西―見直そう加西のため池―
平成 19 年 8 月 19 日 加西市健康福祉会館
ため池の歴史と機能や価値をあらためて確認し、地域の財
産としてのため池を見直すことを目指して開催。玉岡かお
る氏の基調講演の他、講演 3 氏 1 グループ、環境活動紹介
など。
- 50 -
⑥
マダラナニワトンボ生息調査
マダラナニワトンボ
平成 19 年9月9日、17日、24日
陸上自衛隊青野ヶ原演習場一帯にて、兵庫トンボ研究会と
合同調査を実施。天候(霧、曇天)のせいか、目的のマダ
ラナニワトンボ(兵庫県版レッドデータブックAランク)
には会えず、3日間の調査で 32 種のトンボを確認したが、個体数は減少傾向。
⑦
ため池オアシス運動「逆下池雑魚取り大会」
平成 19 年 10 月 28 日 笹倉町逆下池
講演「ため池にすむ動植物について」、ため池周辺のクリーンキャンペーン、雑魚取り
など身近な水辺環境であるため池にふれ、自然環境保全の意義について学習。
⑧
播磨農業高等学校の活動紹介
平成 20 年 1 月 11~18 日
市役所ロビー
播磨農業高等学校の環境問題への取り組みに
ついて、資料やパネルで紹介。
平成18年度
① 市内のレッドデータ
調査なし
② 「加西の自然環境展」の開催
平成18年8月4日~13日
アスティアかさい地域交流センター
兵庫県立人と自然の博物館等の協力を得てヌートリアやアラ
イグマの剥製、貴重動植物、写真パネル、市内の生きた動植物の展示
- 51 -
③ 環境学習会「水と生物の関わりについて」
平成 18 年 8 月6日
アスティアかさい集会室
④ 環境学習会「ため池の動植物について」
平成 18 年 8 月8日
玉丘史跡公園~播磨農業高校水路
⑤ ため池の自然写真コンテスト
平成 18 年7月から 10 月にかけて、播磨地域のため池周辺で見られた動植物を対象と
した「ため池写真コンテスト」を実施。平成 18 年 12 月 14 日から 12 月 20 日にか
けて、アスティアかさい地域交流センターにおいて、入賞
作品並びに応募作品全点の展示
⑥ ため池ふれあいイベント
平成 18 年11月12日
野条町上深池にて、播磨ため池自然再生クラブなどと池干
し、じゃこ取り、ため池の清掃を実施
平成17年度
①
市内のレッドデータ
②
平成17年5月14日
調査なし
田水池
ベッコウトンボ観察会実施
③
播磨農業高校よりミズトラノオを借用し、展示
- 52 -
ミズトラノオ
平成16年度
①
市内のレッドデータ(兵庫県版レッドデータブック 2003)
動物
カテゴリー
類 名
魚類
A ランク 4 種
カワバタモロコ
コバンムシ
タイコウチ
トンボ
カモ
タカ
ハヤブサ
アオガエル
サンショウウオ
コバンムシ
ヒメタイコウチ
ベッコウトンボ
コハクチョウ
オオタカ
ハヤブサ
モリアオガエル
カスミサンショウウオ
魚類
ドジョウ
ナガレホトケドジョウ
昆虫類
アゲハチョウ
ギフチョウ
キツツキ
ツグミ
ホオジロ
ホオジロ
アカガエル
アカガエル
セミ
トンボ
トンボ
アオゲラ
ルリビタキ
アオジ
クロジ
ニホンアカガエル
シュレーゲルアオガエル
ヒメハルゼミ
ハッチョウトンボ
ナニワトンボ
16 科
20 種
昆虫類
両生類
鳥類
C ランク 9 種
種 名
コイ
鳥類
B ランク 7 種
科 名
両生類
昆虫類
カワバタモロコ
オニバス
- 53 -
植物
カテゴリー
類 名
科 名
種 名
カヤツリグサ
ミスミイ
タヌキモ
ミカワタヌキモ
ヒシ
ヒメビシ
A ランク 6 種
草本類
ヒルムシロ
コバノヒルムシロ
ヒルムシロ
オヒルムシロ
マチン
ヒメナエ
オモダカ
アギナシ
オモダカ
マルバオモダカ
ゴマノハグサ
ゴマクサ
サンショウモ
サンショウモ
シソ
ミズトラノオ
スイレン
オニバス
ハナヤスリ
コヒロハハナヤスリ
草本類
B ランク 15 種
ハナヤスリ
ヒロハハナヤスリ
ハマウツボ
キヨスミウツボ
マチン
アイナエ
ミクリ
ヒメミクリ
ミクリ
ミクリ
ラン
クマガイソウ
ラン
サギソウ
木本類
バラ
クサボケ
アヤメ
ノハナショウブ
ウリ
ゴキズル
カヤツリグサ
フトイ
シソ
ミゾコウジュ
スイレン
コウホネ
スイレン
ヒメコウホネ
タヌキモ
ムラサキミミカキグサ
トチカガミ
ミズオオバコ
ミクリ
ナガエミクリ
C ランク 18 種
草本類
ミズニラ
ミズニラ
ムラサキ
オオルリソウ
モウセンゴケ
イシモチソウ
モウセンゴケ
コモウセンゴケ
ユリ
カタクリ
ラン
エビネ
ラン
カキラン
ラン
ギンラン
ラン
トキソウ
22 科
39 種
② 平成17年3月13日 玉丘町 長倉池
アカガエルとカスミサンショウウオの産卵観察会を開催。
- 54 -
平成 15 年度
①
市内のレッドデータ(兵庫県版レッドデータブック 2003)
カテゴリー
動物
A ランク 2 種
類 名
科 名
種 名
植物
魚類
コイ
カワバタモロコ
昆虫類
コバンムシ
コバンムシ
2科
2種
ヒシ
ヒメビシ
ハナヤスリ
ヒロハハナヤスリ
ハマウツボ
キヨスミウツボ
イネ
ウキシバ
ラン
エビネ
5科
5種
A ランク 1 種
草本類
B ランク 2 種
草本類
C ランク 2 種
草本類
黄色い実のナナミノキ(モチノキ科)を確認
②
平成 15 年 10 月 11 日
田原町
海草池
兵庫水辺ネットワークと合同でカワバタモロコの捕獲保護及び同池の生態調査を実施。
地元小学校児童参加。
③
夏休み親子環境教室
平成 15 年 7 月 27 日 アスティアかさい 3 階地域交流センター
小学 4~6 年生を対象にした環境教室を実施。地球温暖化防止、自然、ごみ減量リサイ
クルの 3 つのテーマについて学習。70 名の参加。
平成 14 年度
①
市内のレッドデータ(兵庫県版レッドデータブック 1995)
カテゴリー
動物
植物
②
B ランク 1 種
C ランク 1 種
類 名
昆虫類
木本類
科 名
種 名
アゲハチョウ
ギフチョウ
1科
1種
ビャクダン
ツクバネ
1科
1種
ため池調査西池(岸呂町)、王子池排水路(鎮岩町)にて実施。植物相、動物相全ての
確認を実施したが貴重種は確認されなかった。
③
カンアオイ・ヒメカンアオイ調査
市南部においてギフチョウ(B ランク)の生息及び生息に必要な食草の調査実施。
④
環境教室
地球温暖化防止活動推進員ならびに協力員の協力を得て、小学校高学年を対象に 3 校
にて環境教室を実施。
- 55 -
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