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2008年度 簿記論1 後期期末試験
2008年度 簿記論1 後期期末試験 以下の資料に基づき、 答案用紙の各問題に答えよ。 株式会社ともだち 資産 現金 当座預金 小口現金 売掛金 受取手形 繰越商品* 土地 期首貸借対照表 2008年4月1日 金額 負債および資本 1,000 買掛金 15,000 支払手形 50,000 未払金 28,000 貸倒引当金 5,000 12,000 資本金 1,000,000 1,111,000 (単位は円) 金額 43,700 59,000 7,640 660 1,000,000 1,111,000 * 期首の商品は単価@120円 100個であった。 【期中仕訳】株式会社ともだち(以下、「ともだち」とする)が行った期中の仕訳は以下の通りである。 (1)4月20日、「ともだち」は仕入れ先の有限会社ヨゲンより商品の変装用マスクを1個あたり@140円で合計1 50個を仕入れた。支払いは小切手を振り出して行った。小切手については、主要取引銀行の20世紀銀行と限 度額50,000円までの当座借越契約を締結しており、その会計処理は二勘定制を採用していた。なお、「とも だち」では商品売買に係わる仕訳を三分法で処理し、売上原価の算定は先入先出法を採用している。 (2)5月6日近年の世界金融危機の影響により得意先の(有)ケンヂが倒産した。残念ながら「ともだち」は(有) ケンヂの発行した1,000円分の約束手形を有していた。しかし、期首に当期の債権回収が不可能となる場合 に備えて貸倒引当金(660円)を事前に積み立てていたので、これを利用して会計処理した。 (3)6月18日、「ともだち」は前年度の有限会社ヨゲンとの取引で生じていた掛3,000円と支払手形2,000円を決 済するため、現金を支払った。 (4)7月10日、 「ともだち」は仕入れ先の有限会社ヨゲンより商品の変装用マスクを1個当たり@135円で合計200 個を仕入れた。支払には現金が不足していたため、「ともだち」の得意先であるオッチョ商会に対して20,000 円分の為替手形を振り出し、同社の引受を得て有限会社ヨゲンに渡した。また支払分の残金は掛取引として処 理した。 (5)8月21日、「ともだち」で現金の実際有高を調べたところ、帳簿残高より10,000円多いことが判明したが、 原因は現時点では不明だったので適切に処理し、原因究明に努めることにした。 (6)9月3日、「ともだち」は得意先の(株)レックスに商品の変装用マスクを1個あたり@420円で合計130個売 り上げた。対価については(株)レックスが得意先から受け取った約束手形について裏書譲渡を受けた。 (7)上記8月21日に不明であった現金過不足について一部事実が判明した。その原因は、受取手数料8,400円の記 入漏れと、1,500円分多めに記帳されていた交通費の記帳ミスであった。また、以前に得意先との取引で売上 の対価を現金で400円を受け取ったように処理されていたが、実際は掛取引(売掛金)であったことが判明し た。「ともだち」はこれらの処理について適切に処理した。 (8)9月25日、「ともだち」は得意先の(株)レックスに商品の変装用マスクを1個あたり@420円で合計150個 売り上げた。対価については(株)レックスが30,000円の小切手を振り出し受け取ったので、その後、20世 紀銀行へすぐさま預け入れた。また対価の残額については掛取引として処理した。 (9)10月10日、「ともだち」がかねてより所有していた土地について、予定していた基地建設が中止になったた め、現在所有する半分を株式会社カンナへ500,000円で売却した。なお時価は取得原価から変動していなか った。カンナからの対価の支払については、カンナが振り出した約束手形250,000円と小切手100,000円を 受け取り、残額は6ヶ月後に受け取ることになった。受け取った小切手はすぐさま20世紀銀行の「ともだち」 の口座に預け入れた。 (10)11月17日、「ともだち」は現金を工面するため、上記10月10日にカンナより受け取った約束手形250,000 円を20世紀銀行で割り引くことにした。割引率は年7.3%、手形の満期日は12月10日であった。割引料を差 し引かれた額は「ともだち」の口座に預け入れた。なお割引手数料は日割計算で行っていた。 (11)11月30日、「ともだち」では経理部が月末に用度係から小口現金収支明細表を受け取った。それによれば、 用度係はこれまで交通費23,200円、消耗品費4,500円、水道光熱費6,900円を支払い、小口現金勘定の残額 が15,400円であることがわかった。そこで、経理部は当該勘定を小切手で補給した。なお「ともだち」では インプレスト・システムを採用している。 (12)12月1日、「ともだち」は30,000円の演説用マイクセット(備品)を購入した。代金の支払には、銀行から 現金を借り入れて支払った。この借入金の条件は、期間1年、年利2%で借り入れたもので、利息の支払は返 済時に行う。 解答例 【問題1】問題文にある(1)∼(12)の期中仕訳を示しなさい。 借方 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) 金額 仕入 21,000 貸倒引当金 貸倒損失 買掛金 支払手形 仕入 660 340 3,000 2,000 27,000 現金 (単位:円) 貸方 金額 当座預金 当座借越 受取手形 15,000 6,000 1,000 現金 5,000 10,000 売掛金 買掛金 現金過不足 20,000 7,000 10,000 受取手形 54,600 売上 54,600 現金過不足 売掛金 当座借越 当座預金 売掛金 受取手形 未収金 当座預金 当座預金 手形売却損 交通費 消耗品費 水道光熱費 小口現金 備品 現金 9,500 400 6,000 24,000 33,000 250,000 150,000 100,000 248,800 1,200 23,200 4,500 6,900 34,600 30,000 30,000 受取手数料 交通費 売上 8,400 1,500 63,000 土地 500,000 受取手形 250,000 小口現金 当座預金 34,600 34,600 現金 借入金 30,000 30,000 【問題2】以下の各問題に従って「ともだち」が行った期末決算整理仕訳および関連する質問に答えなさい(単位 は円)。 A.「ともだち」が係わった商品売買取引について、売上原価と期末商品の算定に関する仕訳を行え。 借方 金額 貸方 金額 仕入 繰越商品 12,000 22,950 繰越商品 仕入 12,000 22,950 B.「ともだち」が今期販売した商品の売上原価を算定し回答せよ。 売上原価の金額 37,050円 C. 売上債権(売掛金および受取手形)の期末残高に対して、2%の貸倒れを見積もった。当該仕訳を行え。 借方 金額 貸方 金額 貸倒引当金繰入 2,000 貸倒引当金 2,000 D. 引当金勘定に残高がある場合、必要な見積額と残高との差額を不足分として繰り入れる方法を何と言うか答えよ。 差額補充法 E. 期末時点で判明しなかった現金過不足を処理する仕訳を行え。 借方 金額 現金過不足 500 貸方 雑益 金額 500 F. 「ともだち」が本年12月1日に購入した演説用マイクセット(備品)について減価償却費を計上した。減価償却 には、残存価額は取得原価の10%、耐用年数は5年間で定額法を採用していた。計算は月割で行うとして、そ の仕訳を答えよ。 借方 金額 貸方 金額 備品減価償却費 1,800 減価償却費累計額 1,800 G. 定額法による減価償却費の一般的な計算公式を記述せよ。 (取得原価ー残存価額)/耐用年数 H.「ともだち」が上記備品を購入するために銀行から借り入れた借入金の利息について、経過利息の計算(未払利息 の計算)に関する仕訳を示せ。 借方 金額 貸方 金額 支払利息 200 未払利息 200 【問題3】 「ともだち」の損益計算書を完成させなさい (単位は円)。 株式会社ともだち 費用 仕入(売上原価) 支払利息 減価償却費 交通費 消耗品費 水道光熱費 貸倒引当金繰入 貸倒損失 手形売却損 当期純利益 損益計算書 2008年4月1日から年3月31日 まで 金額 収益 37,050 売上 200 受取手数料 1,800 雑益 21,700 4,500 6,900 2,000 340 1,200 50,810 126,500 (単位:円) 金額 117,600 8,400 500 126,500 【問題4】 「ともだち」の貸借対照表を完成させなさい (単位は円)。 株式会社ともだち 資産 現金 当座預金 小口現金 売掛金 受取手形 未収金 繰越商品 備品 ▲減価償却累計額 土地 合計 貸借対照表 2008年4月1日から年3月31日 まで 金額 負債および資本 6,000 買掛金 338,200 支払手形 50,000 当座借越 41,400 借入金 58,600 未払金 150,000 未払利息 22,950 貸倒引当金 30,000 資本金 (▲1,800) 当期純利益 500,000 1,195,350 合計 (単位:円) 金額 47,700 57,000 0 30,000 7,640 200 2,000 1,000,000 50,810 1,195,350 解答用紙 【問題1】問題文にある(1)∼(12)の期中仕訳を示しなさい。 借方 金額 (単位:円) 貸方 金額 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) 【問題2】以下の各問題に従って「ともだち」が行った期末決算整理仕訳および関連する質問に答えなさい(単位 は円)。 A.「ともだち」が係わった商品売買取引について、売上原価と期末商品の算定に関する仕訳を行え。 借方 金額 貸方 金額 B.「ともだち」が今期販売した商品の売上原価を算定し回答せよ。 売上原価の金額 C. 売上債権(売掛金および受取手形)の期末残高に対して、2%の貸倒れを見積もった。当該仕訳を行え。 借方 金額 貸方 金額 D. 引当金勘定に残高がある場合、必要な見積額と残高との差額を不足分として繰り入れる方法を何と言うか答えよ。 E. 期末時点で判明しなかった現金過不足を処理する仕訳を行え。 借方 金額 貸方 金額 F. 「ともだち」が本年12月1日に購入した演説用マイクセット(備品)について減価償却費を計上した。減価償却 には、残存価額は取得原価の10%、耐用年数は5年間で定額法を採用していた。計算は月割で行うとして、そ の仕訳を答えよ。 借方 金額 貸方 金額 G. 定額法による減価償却費の一般的な計算公式を記述せよ。 H.「ともだち」が上記備品を購入するために銀行から借り入れた借入金の利息について、経過利息の計算(未払利息 の計算)に関する仕訳を示せ。 借方 金額 貸方 金額 【問題3】 「ともだち」の損益計算書を完成させなさい (単位は円)。 損益計算書 2008年4月1日から年3月31日 まで 金額 収益 売上 受取手数料 雑益 株式会社ともだち 費用 仕入(売上原価) 支払利息 減価償却費 交通費 消耗品費 水道光熱費 貸倒引当金繰入 貸倒損失 手形売却損 (単位:円) 金額 【問題4】 「ともだち」の貸借対照表を完成させなさい (単位は円)。 株式会社ともだち 資産 現金 当座預金 小口現金 売掛金 受取手形 未収金 繰越商品 備品 ▲減価償却累計額 土地 合計 (▲ 貸借対照表 2008年4月1日から年3月31日 まで 金額 負債および資本 買掛金 支払手形 当座借越 借入金 未払金 未払利息 貸倒引当金 資本金 ) 当期純利益 合計 (単位:円) 金額