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DUAL CITY press english 2015.6

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DUAL CITY press english 2015.6
 DUAL CITY A FILM BY YOKNA HASEGAWA
Nippon Visions Jury Award Special Mention
The 11th CO2 Grant Recipient Film
DUAL CITY
◼︎SYNOPSYS
In 2034, Japan is divided into North and South.
Yoriko is a nurse living in the north, who lost her daughter due to the northern war.
One night, she gets abducted by guerrilla terrorists and learns that her daughter is still
alive in a form of "information life": collective memories of the dead souls. Yoriko gets
involved with the hacker resistance to meet her daughter again, in exchange of
carrying a mysterious dead body from North to South. Through working with the
resistance, her unquestionable will leads her to witness the conspiracy between the
government and the Nephes enterprise.
◼︎DIRECTOR’S STATEMENT
"Dual city" is categorized as Sci-Fi genre; however, it depicts the dramas between
people living in future Japan.
This is a road movie of Yoriko, a nurse who lost her daughter due to the war.
Through traveling from North to South, she witnesses the love between human and
androids, and experiences the conflict between the hacker resistance and the
government of anti-humanism. The film portrays Japan in 2034 through various
computer graphics, expressing the "duals" in the not very distant future.
I made this film to visualize a process of one's personal love expanding towards love
for all human.
I pray that the world portrayed in "Dual City" intersects with the reality of the
audience, hoping that it could bring a birth of a new future.
Yokna Hasegawa
◼︎DIRECTOR : Yokna HASEGAWA
Based in Tokyo.Under the name of Yokna Patofa,has released many works on the
internet since 2006.As a photographer,she won the Honorable Mention award in the
Canon new Cosmos of Photography 2013. Dual City is the second part of the
Japanese Year Zero trilogy,after the first part, illuminations .
Shot by Daido M ORIYAM A
◼︎Filmography
2015
DUAL CITY (91 min)
第15回ニッポンコネクション(ドイツ/フランクフルト)
Nippon Visions Jury Award部門 審査員特別賞受賞
The 15th Nippon Connection(Frankfurt/Germany)
Nippon Visions Jury Award Special Mention Winner
第11回CO2助成作品/第10回大阪アジアン映画祭
インディーフォーラム部門正式招待作品
The 11th CO2 Grant-recipient Film/The 10th Osaka Asian Film Festival
Indie Forum Official Screening
2014
Illuminations (50 min)
2013
Ascension River / Photo Series
2013 年度キヤノン写真新世紀佳作
Canon New Cosmos of Photography 2013/Honorable Mention Award
◼︎Reviews
Alex Zahlten / ア レ ッ ク ス ・ ツ ァ ー ル テ ン ( ハ ー バ ー ド 大 学 准 教 授
映画評論家)
Dual City started as a project that made both the selection committee and the CO2 staff
nervous. The script outline was not a film, it was an expansive universe. Hasegawa Yokna
(Yokna Patofa) was obviously more interested in world-building than in just making a film,
and it was difficult to imagine how it could fit a 90-minute movie format. But the project
was original and ambitious, and everyone decided it was worth the bet. The finished film
similarly thinks big, on a global scale: The themes of clashing systems, transnational
corporations, refugee crisis , of technology and how it changes our relationship to memory.
The finished film still has its problems in terms of pacing or how well the ending makes
sense for the audience. As science fiction it is a genre film that uses many common sci-fi
themes, but in a way also uses them in the story. Nefes, the information bank where the
information of human beings circulates is much like genre itself. Luckily, especially Morita
Aki s straightforward acting helps give the film a human emotional anchor and keeps it
from slipping into abstraction. And apart from an impressive visual sense and a rich
fictional world there is a story here that is able to sustain a film. This is in itself an
impressive achievement by Hasegawa and her team. Stand Alone and Bakadoron are
promising and make me look forward to the directors next films. For Hasegawa and her
team I look forward to how they will continue to explore this expansive world through not
only film but many other media.
『デュアル・シティ』は選考委員内でも議論になった企画であった。脚本以前の提出された物語
はまだ映画用の物語にはなっておらず、作品の広大な世界観だけがあった。 監督する長谷川億名
は、映画を作ることよりも世界観を作り上げることに興味を持っており、それを 90 分近い映画の
フォーマットに移行させるのがどれだけ困難か。し かし企画は独特であり野心的なものだった。
そこでこの賭けに挑戦してもらうこととなった。完成した作品は膨大でグローバルな作品となっ
た。システムの崩壊、多国籍 企業化の世界、難民、テクノロジーの進化による人間と記憶との関
係の変化。完成した作品には、まだ観客が十分理解できる物語の進行やエンディングに問題があ
ったのは確かだ。しかし面白いところで溢れている作品でもある。SF 映画のジャンルとしては決
して目新しくはない主題かもしれないが、人類の記憶情報を蓄積しているというネフェスのアイ
ディアもまさに SF 映画のジャンルそのものであった。特に主演の森田亜紀の素直な演技が功を奏
して、この作品の感情的な表現の座標となり、抽象的な表現に陥ることを防いでいる。加えてイ
ンパクトのある視覚表現や豊富な世界観が作品の物語を持続させることとなった。これが長谷川
氏とそのチームによって達成された成果である。
直井卓俊
(株式会社スポッテッドプロダクションズ代表取締役)
『デュアル・シティ』は映画監督が本業ではない長谷川さんのプレゼンも絵など視覚的な角度
からで抽象的な物だったし、選考委員内で一番ギリギリで決まり、全員が不安を共有したまま
「賭けてみよう」となった企画であった。しかし出来上がった作品は明確な意志と美学に貫かれ
たプリミティブな衝動に溢れる力作だった。スタッフたちとも相当ぶつかりあって、悩んで、苦
しんで、それでも作りたいのだ!という意志に溢れ、1シーンたりとも飽きさせまいという気合
いがすごい。多少設定わからずとも、母親の想いは普遍でシンプル。娘に会いたいという気持ち
母親役の森田亜紀さんがしっかりと映画の軸になっている。驚きは低予算ながら的確で無駄のな
い CG の使い方とそのクオリティ。クライマックスがもうちょっと整理されたら本格的なエモー
ションを獲得したかもしれない。最後、まだ物語はここから始まるのだという宣言。 バイクで走
る映像から流れるように上を向いたカメラはどこまでも続く橋を捉える。エンドロールに突入し
て音楽が流れた時、不覚にも鼻の奥がツンとした。エンドロールに刻まれた全スタッフ&キャス
トに拍手。今回、企画当初の不安から大逆転、最大の成果を生んだ作品だと思う。
万田邦敏(映画監督)
リチャード・フライシャーの『ソイレント・グリーン』は、人口増加によって食糧危機に陥っ
た、2000年代半ばのアメリカを描いている。そこでは「ソイレント・グ リーン」という人工
食品が常食となっているのだが、その原料は、じつは死んだ人間の肉だったということがわか
る。『デュアル・シティ』は、ほぼ同じ時代の日本を描いているが、ここでは死んだ人間の肉で
はなく記憶がデータ化され、それが国際的な企業になにやら悪用されているらしい。肉と記憶
(とそのデータ化)。その対比に昔 (『ソイレント・グリーン』の原作小説は60年代中盤、映
画は70年代初頭)と現代の違いが現れているのだろう。違いとは、つまり肉の直接性と記憶
(のデータ化) の非直接性(バーチャルといってもいい)だ。しかし、この映画に肉が描かれな
いかというとそうではなく、問題はやはり肉なのだ。この映画の登場人物たちは、いずれも肉の
直接性と記憶の非直接性の中間地帯にいるのだが、つまるところみな肉を希求しているからだ。
誰も彼もが、手に触れることのできない記憶を、手に触れることのできる肉に戻したいと望んで
いる。おそらくその点が、近未来的な体裁にもかかわらず、この映画がなにか古めかしい印象を
持つ所以だろう。じっさい、子どもをなくし、 もう一度その子に触れたいと強く願う主人公を演
じる森田亜紀の古典的で端正な顔立ちは、深い絶望と一縷の希望の間で揺らぐ母親の表情を完璧
に表現している。彼女にとって、南北に分裂したデュアル・シティの何がなにやらよくわからな
い、わかったところで大して面白くもなさそうな状況などどうでもよく、ただひたすら子を想う
こと、けが人を治療すること、それだけが生きる目的なのだ。まさに彼女は、子を想うこと(記
憶の非直接性)とけが人の治療(肉に触れる直接性)の間を生きているのである。
元木隆史(映画監督)
「デュアル・シティ」は企画選考時には「賭け」であった。長谷川監督の世界観が大きく膨ら
み過ぎて、作品に落とし込むには並のことではないと感じていた。だけど 我々は「デュアル・シ
ティ」を選んだ。私は最後の最後まで悩んだのだが、本当にこれだけの世界観を自主映画で落と
しこめるパワーがあるのか?やれるものならやってみぃ!と半ば挑発に近い選考となった事をこ
こに告白する。それはいまのインディペンデント映画に対する挑発でもあった。 しかし「デュア
ル・シティ」は見事な完成を遂げた。突破したパワーが映像に満ち溢れていた。そこが本当に素
晴らしい。想像を超えてきた映像に魅了され、私のチンケ な挑発など吹き飛ばされて、ワクワク
しながら最後まで観ることができた。SF であるが、都市としての大阪の再発見にもなった。 も
う少し物語を追いかけやすい構成テクニックがあると、より多くの人が取付き易いとは思うが、
それは次回の第 3 部に期待をしたい。そして長谷川監督の世界を映画に仕立てあげた、この作品
に関わる全てのスタッフに敬意を表します。
山下敦弘 (映画監督)
企画のプレゼンの時には物語やキャラクターが断片的にしか伝わってこなかったが、 イメージ
をちゃんとひとつの 世界 として描ききったことに対して先ずは拍手を送りたい。現場での集団
作業の際、有意義な時間が流れていたんじゃないと勝手に想像 してしまった。特殊な時代設定、
様々に絡み合うキャラクターたちなどが複雑で、描くことの分量が多いなか、娘を亡くした主人
公の存在感が、観客を最後まで引っ張って行ってくれて、物語においても迷子にならずに済むこ
とが出来た。 映画全体を通して 悲しみ が原動力になっているように感じたが、それぞれの悲し
みの度合いにバラつきがあって、若干そこが勿体ないように思った。その原因は男性キャラクタ
ーたちの存在感が女性キャラクターに比べ薄く描かれているように感じたせいかもしれない。こ
の映画の中でアクションを起こしていくのは女性たちなので、 男性たちの描き方に、演出を含め
てもっと考えて欲しいと思ってしまった。最後に企 画段階の際には『アビス』というタイトル
で、深海のような記憶の奥底のようなイメージが監督の頭の中にあったように思うが、どういっ
た経緯でこの『デュアル・シティ』に変わっていったのか個人的に聞いてみたいと思った。また
新大阪という響きと、これまで誰もが想像していた大阪とは異なった都市としての大阪を魅せて
くれることもよかった。
◼Screening
The 10th Osaka Asian Film Festival Indie Forum Official Screening
第10回大阪アジアン映画祭
インディ・フォーラム部門招待作品
Nippon Connection 2015(Germany) NipponVisions Forum Official Screening
ニッポンコネクション2015(ドイツ)NIPPON VISIONS 部門招待作品
◼︎AWARD
Nippon Visions Jury Award Special Mention
◼︎CAST
Yoriko : MORITA Aki
Ayum i : MABUCHI Tomomi
Kurata : TANI Keigo
Takao : UEDA Tatsuya
M onroe : ARATANI Norma
Jun : MISAKA Chieko
Vones : SAITOU Ryubun
Itam i : ODA Atsushi
Aom i : Minami Aoba
Yu Saeki : Rin Sugihara
◼︎STAFF
Director/Screenplay : HASEGAWA Yokna
Producer/Screenplay : HARA Tomohiro
Line producer/Assistant Director : TAKINO Hirohito
Cinem atography : NAKASE Kei
Lighting : KATO Daiki
Recording : IZUTA Kadoaki
Production Design : YOSHIMURA Satoshi
SHIOKAWA Setsuko
CG Director : MORIYA Yusuke
M usic : Shinda Bokuno Kanojo、Oliver Ho、Party Trash、Naoyuki Kobayashi
◼︎WEB
DUAL CITY
Trailer https://www.youtube.com/watch?v=qLkefIv7zg4
◼︎CONTACT
Office EK-STASE
Address : 〒183-0001
4-2-28 Sengenchou,Fuchu-si,Tokyo,Japan
Contact : 042-362-2858
E-m ail: [email protected]
W eb :http://ek-stase.under.jp
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