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風力発電促進に向けた送電網整備【再掲】
経済産業省−9 風力発電促進に向けた送電網整備【再掲】 【経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー対策課】 【提案事項】 酒田・庄内地区を始めとする本県の特に風況の良好な地域を風力発電の重点整備地 区と定め、地域内の送電線網の整備を支援すること 【現状・背景】 ○風況が良好で、大規模な土地の確保が可能な風力発電に適した地域は限定されているうえ、 そうした地域では送電網がぜい弱であるため、風力発電の導入拡大に支障をきたしている。 風力発電の導入促進を図るためには、それらの地域の地域内送電網を強化することが課題 となっている。 ○国の総合資源エネルギー調査会 総合部会 電力システム改革専門委員会 地域間連系線等 の強化に関するマスタープラン研究会中間報告において、「特に風況の良好な地区(北海 道の一部(宗谷、留萌、石狩)や青森県の一部(下北、津軽)、秋田沿岸、酒田・庄内地 区等)を風力発電の重点整備地区と定めて国が地域内系統の整備を支援すべき」と記載さ れている。 ○国では風力発電の適地を風力発電の重点整備地区と定め、送電網整備を行う民間事業者を 支援し、技術課題等の実証を行うこととしており、25 年度については、北海道3地区(西 名寄地区(北西部)、西名寄地区(北東部)、留萌・オホーツク地区)における送電線敷 設に着手することとしている。 【本県の取組み】 ○本県では、エネルギー政策を県政の重要課題と位置付け、平成 24 年3月に、再生可能エネルギーの導入を中心に据えた「山形 県エネルギー戦略」を策定し、2030 年で 100 万kWの開発目標 を掲げ、豊富な自然エネルギーを活用した再生可能エネルギー の導入量を拡大していくことを目指している。 ○特に風力発電については、2030 年までの開発目標を、現状の 10 倍となる 45.8 万kWと掲げ、意欲的に取り組んでいる。 「地域間連系線等の強化に関するマ スタープラン研究会」中間報告書に 記載されている「酒田・庄内地区」 【課題】 ○本県の風力発電の導入拡大のためには、酒田・庄内地区を始め とする本県の特に風況の良好な地域内における送電線網の整備 が大きな課題となっている。 山形県内の風力発電適地の状況 ※ 山形県担当部署:環境エネルギー部 エネルギー政策推進課 -131- TEL:023-630-3279 農林水産省−10 農地における風力発電の導入拡大【再掲】 【農林水産省 農村振興局 農村政策部 農村計画課】 【提案事項】 風力発電事業の展開にあたっての農地転用については、優良農地の確保と再生可能 エネルギー導入拡大の調整が図られるような新たなルールづくりを行うこと 【現状・背景】 ○本県では、エネルギー政策を県政の重要課題と位置付け、平成 24 年3月に、再生可能エ ネルギーの導入を中心に据えた「山形県エネルギー戦略」を策定し、2030 年で 100 万kW の開発目標を掲げ、豊富な自然エネルギーを活用した再生可能エネルギーの導入量を拡大 していくことを目指している。 ○特に風力発電については、2030 年までの開発目標を現状の 10 倍となる 45.8 万kWと掲げ、 意欲的に取り組んでいる。 ○農用地区域内の開発については、平成 21 年の農振法改正により、地域の農業の振興を図 る計画により可能であった農用地区域からの除外が厳格化された。 【本県の取組み】 ○現在、本県企業局において、酒田市十 里塚地区に3基(1基あたり 2,300k W)の風力発電施設の建設を計画し、 平成 27 年度の稼動に向けて準備を行っ ているほか、市町村や民間事業者にお いても、風力発電施設の建設が計画さ れている。 <山形県のポテンシャル(主なもの)> 風力エネルギー 全国7位 中小水力エネルギー 全国8位 地熱エネルギー 全国 11 位 (出典:環境省 平成 22 年再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査) 【課題】 ○風力発電の適地は、優良農地の中に点在し ている場合が多いことから、優良農地の確 保に支障が生じないことを前提としつつ、 風力発電事業を実施する必要がある。 ○現状では、風力発電設備本体はもとより、 優良農地の確保に支障が生じる可能性が少 ない電線路や変電設備も立地が困難な状況 となっている。 【山形県庄内町の風力発電】 平成7年、日本ではじめての風力発電事業会社「(株)山形風 力発電研究所」を設立、400kW機2基を稼動。 ※ 山形県担当部署:環境エネルギー部 エネルギー政策推進課 TEL:023-630-3279 -132- 経済産業省−10 再生可能エネルギー固定価格買取制度の拡充【再掲】 【経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー対策課】 【提案事項】 (1)特定供給者が受けるべき利潤に特に配慮する期間(3年間)を、エネルギー種 別ごとに、運用開始までに要する期間に応じて延長すること (2)洋上風力発電や蓄電池を併設する風力発電の発電区分の設定と、その特性を踏 まえた買取価格の導入を早期に行うこと 【現状・背景】 ○「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」の施行は、再生 可能エネルギーの普及・拡大の原動力となっている一方、リードタイム(企画・設計から 着工、運用開始に至るまでの期間)が比較的短い太陽光発電に普及が集中している傾向に ある。 ○固定価格買取制度の価格を決める調達価格等算定委員会において、洋上風力に係るコスト データが把握可能となった時点で、陸上風力とは別途の区分を設けることも含めて、再検 討を行うこととされている。 ○また、東北電力管内では、蓄電池併設型の風力発電に係る系統連系枠が設けられているが、 固定価格買取制度においては、その発電区分による価格が設定されていない。 ○国においては、洋上風力発電や蓄電池併設型の風力発電の導入について、技術開発のため の実証事業や設置費用を対象とした補助事業により、導入コストを軽減していく取組みも 進めている。 山形県沖 洋上の風況 出典;NEDO局所風況マップ (地上高50m、500mメッシュ) ※ 【本県の取組み】 ○風力発電ポテンシャルを最大限に活用していくため、2030 年までの風力発電開発目標を、現状の 10 倍となる 45.8 万 kWと掲げ、意欲的に取り組んでいる。 ○現在、本県企業局において、酒田市十里塚地区に3基(1 基あたり 2,300kW)の風力発電施設の建設を計画し、平成 27 年度の稼働に向けて準備を行っているほか、市町村や民 間事業者においても風力発電施設の建設が計画されている。 ○山形県エネルギー戦略で掲げた 100 万kWのエネルギー資 源開発を達成するためには、洋上風力発電の導入が大きな 課題であり、現在、その導入に向け検討を進めている。 【課題】 ○固定価格買取制度施行後3年間に限り、特定供給者が受け るべき利潤に対して特別の配慮がなされているが、風力発 電のようにリードタイムの長い発電事業の普及を進めるた めには、価格変動による事業リスクを低く抑える必要があ る。 ○洋上風力発電及び蓄電池併設型の風力発電は、通常型の風 力発電に比べ建設費用が増嵩することから、コストデータ の把握を進め、調達価格を早期に設定する必要がある。 山形県担当部署:環境エネルギー部 エネルギー政策推進課 -133- TEL:023-630-3279 環境省−1 再生可能エネルギー等導入地方公共団体支援基金の拡充等【再掲】 【環境省 総合環境政策局 環境計画課】 【提案事項】 (1)再生可能エネルギー等導入地方公共団体支援基金の利子補給事業対象の拡充 (太陽光発電事業の追加) (2)再生可能エネルギー等導入地方公共団体支援基金の導入設備整備要件の緩和 (3)再生可能エネルギー等導入地方公共団体支援基金の積み増し及び事業期限の 延長 0 5,000 (千GJ) 10,000 15,000 20,000 25,000 【現状・背景】 風力エネルギー 23,725 ○再生可能エネルギー等導入地方公共団体基金(GND 太陽光エネルギー 17,110 基金)の中の風力・地熱発電事業等導入支援事業にお バイオマスエネルギー 9,169 いて、風力・地熱発電事業を導入する民間事業者に対 中小水力エネルギー 7,601 する利子補給事業が認められている。 雪氷熱エネルギー 7,120 ○本県における太陽光発電については、積雪が多いなど 太陽熱エネルギー 5,015 条件不利地ではあるものの、民間企業においては様々 温度差エネルギー 4,029 な工夫を凝らしながら大規模太陽光発電の導入が進め 廃棄物エネルギー 3,156 られている。 地熱エネルギー 1,325 ○再生可能エネルギーの導入を拡大していくためには、 波力エネルギー 605 各家庭、事業所及び自治体での再生可能エネルギーを 山形県における再生可能エネルギー期待可採量 導入する取組みも重要である。 (山形県「緑の分権改革」推進事業委託業務 調査報告書(H23.2)) 【本県の取組み】 ○山形県の制度融資(商工業振興資金)の中で「再生可能エネルギー発電事業促進資金」を 設定し、太陽光発電を含む再生可能エネルギーを活用した大規模発電事業者に低利融資を 実施し、事業者を支援している。 ○制度融資を借り入れた風力・地熱発電事業者に対してはGND基金を活用し、平成 24 年 度から利子補給事業を実施している。 ○県及び市町村の防災拠点に再生可能エネルギー導入設備を整備している。平成 25 年度よ り民間の防災拠点も事業の対象とする。 【課題】 ○本県における太陽光発電事業の今後一層の導入拡大に向けては、積雪対策に伴う設置費用 が増嵩するため、気象条件等の地域特性に配慮した財政的な支援措置が重要であることか ら、利子補給の対象事業に太陽光発電を追加しその導入拡大を促進・加速化する必要があ る。 ○蓄電池のみで夜間の電力を賄うためには、維持更新経費も含めて多大な事業費が必要とな るため、導入設備整備要件として化石燃料による自家発電設備等の併用を可能とすること が必要である。 ○GND基金を活用することにより、大規模太陽光発電事業等が更に促進されることが見込 まれるため、GND基金を積み増しするとともに、利子補給など事業期限を延長すること により、一層の再生可能エネルギーの導入を促進する必要がある。 ※ 山形県担当部署:環境エネルギー部 環境企画課 -134- TEL:023-630-3247 経済産業省−11 家庭における再生可能エネルギー導入拡大に向けた支援の充実【再掲】 【経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー対策課】 【提案事項】 (1)家庭における再生可能エネルギー設備の導入拡大のための住宅用太陽光発電導 入支援復興対策基金造成事業の継続、補助対象設備の拡充及び地域特性に配慮 した支援の充実 (2)設備設置資金に係る贈与税の非課税措置等優遇税制の拡充 【現状・背景】 ○平成 25 年2月 14 日、東北電力株式会社が、国への電気料金の値上げに係る認可申請を行 ったが、家計への影響のほか、厳しい経営環境にある中小企業等のコスト増加に繋がるな ど、県民生活や県内地域経済に深刻な影響が及ぶことが懸念される。 ○電気料金値上げによる家庭への影響を緩和するためには、電源と熱源を含めた再生可能エ ネルギーの導入を促進することが重要である。 ○再生可能エネルギー設備の導入促進にあたり、本県のような積雪地では、太陽光発電パネ ルの破損など、雪によるハンディキャップがある。 ○国の住宅用太陽光発電システムの設置補助を実施する住宅用太陽光発電導入支援復興対策 基金造成事業は、平成 25 年度で終了予定である。 【本県の取組み】 家庭への導入イメージ ○「山形県エネルギー戦略」に基づき、家庭等への再 太陽熱 太陽光 (給湯) (電力供給) 生可能エネルギー等設備の導入を促進するため、平 成 24 年度から、太陽光発電設備を含め、木質バイ エコハウス ヒートポンプ オマス燃焼機器、太陽熱利用装置、地中熱利用空調 蓄電池 地中熱 (冷暖房・給湯・融雪) 装置、ガスコージェネレーション、風力発電設備の バイオマス (暖房) 6つの設備を総合メニュー化した補助事業を実施し 天然ガスコージェネ ている。 融雪設備 (電力供給・給湯) ○再生可能エネルギー設備の普及のための仕組みづく りとして、再生可能エネルギー標準導入モデルの検討のため、気象条件等の地域特性に応 じた施工方法、県内技術の活用等に係る勉強会及び普及啓発事業を実施している。 【課題】 ○再生可能エネルギー設備導入時の初期投資コストは、一般家庭にとって未だ高額であるた め、導入拡大に向けて継続した支援が必要である。 ○家庭への再生可能エネルギーの導入促進にあたっては、電力のみならず、木質バイオマス 燃焼機器、地中熱利用空調装置、ガスコージェネレーション等の熱エネルギーの導入支援 も必要である。 ○木質バイオマスの利活用は、森林の再生や林業の活性化、産業振興につながる。木質バイ オマスの利活用を促進するため、木質バイオマス燃焼機器が身近な生活器具として普及す ることが必要である。 ○積雪地での融雪装置等の設置加算など、気象条件等の地域特性に配慮した設備導入のため の支援が必要である。 ○祖父母や父母などから、住宅用再生可能エネルギー設備設置のための資金を贈与により取 得した場合、贈与税が非課税となる制度の創設など優遇税制の拡充が必要である。 ※ 山形県担当部署:環境エネルギー部 環境企画課 -135- TEL:023-630-2921 環境省−2 地球温暖化対策を目的とした省エネルギー設備等の導入拡大に 向けた支援の充実【再掲】 ○ 【環境省 総合環境政策局 環境経済課】 【提案事項】 (1)地球温暖化対策のための省エネルギー及び再生可能エネルギー設備の導入拡大 に向けた家庭・事業者向けエコリース促進事業における補助率の引上げ (2)家庭における省エネルギー設備の導入を拡大するための補助制度の創設 【現状・背景】 ○平成 25 年2月 14 日、東北電力株式会社が、国への電気料金の値上げに係る認可申請を行 ったが、家計への影響のほか、厳しい経営環境にある中小企業等のコスト増加に繋がるな ど、県民生活や県内地域経済に深刻な影響が及ぶことが懸念される。 ○家庭や中小企業への影響を緩和するため、省エネルギー及び再生可能エネルギー設備の導 入を促進し、節電やコスト削減に繋げることが重要である。 ○国では、家庭・事業者向けエコリース促進事業により省エネルギー設備等をリース導入し た際の助成制度(リース料総額の3%、節電効果の特に高い機器:5%)を実施している。 【本県の取組み】 家庭・事業所への導入イメージ ○家庭及び事業所への再生可能エネルギー等設備の導 入を促進するため、平成 24 年度から、太陽光発電 設備等6つの設備を総合メニュー化した補助事業を 実施している。 ○国の家庭・事業者向けエコリース促進事業への上乗 せ補助事業(事業所向けのみ:リース料総額の 3%・5%の補助)を実施している。 太陽熱 (給湯) 太陽光 (電力供給) エコハウス ヒートポンプ 蓄電池 バイオマス (暖房) 天然ガスコージェネ (電力供給・給湯) 地中熱 (冷暖房・給湯・融雪) 融雪設備 太陽光 (電力供給) 地中熱 (冷暖房・給湯・融雪) 【課題】 ○企業の省エネ設備導入に向けた取組みは、照明や空 調を中心に進んできているところであり、更なる導 入検討の動きが見られることから、電力料金値上げ による中小企業のコスト増加の負担を軽減するため にも、省エネルギー設備導入に係る補助率の一層の 引上げなどによる支援の充実が必要である。 ○家庭向け省エネルギー設備等について、リースによる導入は進んでいないことから、購入 により導入した場合の補助金制度など、新たな支援制度を創設する必要がある。 雪氷熱 (冷房) ヒートポンプ 天然ガスコージェネ (電力供給・冷暖房・給湯) ※ 山形県担当部署:環境エネルギー部 環境企画課 -136- バイオマス (冷暖房) TEL:023-630-2921 蓄電池 経済産業省−12 エリア供給システムの構築に向けた支援施策の創設【再掲】 【経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー対策課】 【提案事項】 (1)エリア供給システムの構築に向けた可能性調査から実証事業、事業展開に至る までの一体的な支援制度の創設 (2)エリア供給事業の展開を実現するための法制度の創設 【現状・背景】 ○地域に賦存する再生可能エネルギーを最大限活用し、エネルギーの地産地消を、省エネを 含め効率的に実現するためには、電力と熱の総合的な利用を実現する「エリア供給システ ム(自立分散型エネルギーマネジメントシステム)」の構築が重要であり、災害リスクに も対応した地域のエネルギー供給システムをつくりあげていく必要がある。 【本県の取組み】 ○エネルギーの地産地消を実現するため、気象条 エリア供給モデルイメージ 件や自然条件等の地域特性に応じて、太陽光、 住宅団地エリア 風力、中小水力等、電源として活用可能なエネ ルギーや、バイオマス、地中熱、雪氷熱、温泉 熱等の熱エネルギー、天然ガス等を活用したコ ージェネレーションシステムを組み合わせてエ ネルギーを供給する「エリア供給システム」の 電力供給 熱供給 構築に向けて、「施設園芸団地」、「住宅団 地」、「工業団地」のエリアごとに事業化可能 バイオマス 地中熱 太陽光発電 蓄電システム 性調査を実施するなど、事業化に向けた検討を 進めている。 ○また、県の施設を活用し、「エリア供給システ ム」の構築に向けて重要となる技術である、一定の地域内における需要者間でのエネルギ ー融通システムの開発を行うとともに、県内産業の振興、地域活性化にもつながる「地域 エネルギー会社」の創設に向けた検討に取り組んでいる。 エリア供給事業 【課題】 ○エリア供給システムの構築にあ たっては、可能性調査から実証、 切れ目のない『一体的な支援制度』の創設 事業展開まで、切れ目のない一 県内での 体的な支援制度の創設が、事業 事業化 実証事業 モデル事業 可能性調査 事業展開 化に向けて必要となる。 ○また、エリア供給事業の展開の 現状は競争資金等で 現状は競争資金等で 現状は競争資金等で 個別対応 個別対応 個別対応 一形態である地域コミュニティ における電力融通、例えば所有 者の異なる建物間の電力融通は、現行の電気事業法では実施できないなど、事業展開に際 して支障がある。 ※ 山形県担当部署:環境エネルギー部 エネルギー政策推進課 -137- TEL:023-630-3279 環境省−3 地球温暖化対策を目的とした地域の主体的な取組みの推進【再掲】 【環境省 地球環境局 地球温暖化対策課】 【提案事項】 (1)CO2削減ポテンシャル診断・対策提案事業における地域の主体的な取組みを 支援するための仕組みの構築 (2)小規模地方公共団体における LED 街路灯等導入促進事業における補助対象地 方公共団体の要件緩和など財政支援の拡充 【現状・背景】 ○平成 25 年2月 14 日、東北電力株式会社が、国への電気料金の値上げに係る認可申請を行 ったが、家計への影響のほか、厳しい経営環境にある中小企業等のコスト増加に繋がるな ど、県民生活や県内地域経済に深刻な影響が及ぶことが懸念される。 ○中小企業等への影響を緩和するため、省エネルギー及び再生可能エネルギー設備の導入を 促進し、節電やコスト削減に繋げることが重要である。 ○国では、CO2削減ポテンシャル診断・対策提案事業により、大・中規模企業(年間排出 量 3,000t-CO2 以上)に対する無料のエネルギー計測・診断を通じてCO2削減・節電対 策を提案し、企業における費用効率的な対策の実施を促進している。 ○国では、小規模地方公共団体におけるLED街路灯等導入促進事業により、特定市町村の LED照明導入調査や取付工事への補助事業を実施している。 【本県の取組み】 ○家庭及び事務所への太陽光発電設備を含む6つの設備を総合メニュー化した補助事業や、 国の家庭・事業者向けエコリース促進事業への上乗せ補助事業(事業所向け:3%・5% 補助)を実施し、再生可能エネルギー・省エネルギー設備の導入を促進している。 ○省エネ総合相談窓口を設置し、省エネ診断の実施や改修事業の提案など総合的な支援を行 うとともに、既存施設・設備の省エネ改修を支援し、事業所における節電を促進している。 【課題】 ○CO2削減ポテンシャル診断・対策提案事業について、対象事業者を小規模企業へ拡大す ることや、地方公共団体が事業主体となって、地域にある省エネ診断機関に対して委託す ることにより診断や対策提案事業を実施できるようにすることなど、地域の実情に応じ、 地域の主体的な取組みに対する支援が必要である。 ○街路灯等のLED照明への更新には多額の事業費を要するため、市町村の主体的取組みを 促進するためには、小規模地方公共団体におけるLED街路灯等導入促進事業における補 助対象地方公共団体の要件緩和(特例市を含み、人口規模 30 万人未満)などが必要であ る。 ※ 山形県担当部署:環境エネルギー部 環境企画課 -138- TEL:023-630-2921 農林水産省−16 森林整備等の森林吸収源対策の財源確保 【林野庁 企画課】 【提案事項】 森林整備等の森林吸収源対策を着実に推進するための財源を確保すること 【現状・背景】 ○森林吸収源対策の財源の確保について、平成 25 年度税制改正大綱において、次の内容が 盛り込まれた。 ・森林吸収源対策については、国土保全や地球温暖化防止に大きく貢献する森林・林業を 国家戦略として位置付け、CO2吸収源対策として造林・間伐などの森林整備を推進す る必要がある。このため、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を 行うための消費税法の一部を改正する等の法律」第7条の規定に基づき、財源の確保に ついて早急に検討を行う。 ○森林吸収源対策として森林整備や木材利用等を推進するには、地方公共団体の安定した財 源の確保が不可欠である。 【本県の取組み】 ○本県では、平成 19 年4月から「森林の有する県土の保 全、水源の涵養、自然環境の保全等の公益的機能の維 持増進及び持続的な発揮に関する施策」を実施するた め、「やまがた緑環境税」を導入している。 【課題】 ○地球温暖化対策の重要な柱である森林吸収源対策につ いて、地球温暖化対策のための税の使途に加えるなど、 必要な税財源の確保が必要である。 ○森林吸収源対策など地球温暖化対策に係る諸施策は、地域において省エネ対策等と総合的 に進める必要があることから、地方公共団体の財源を確保する仕組みの早急な検討が必要 である。 ※ 山形県担当部署:農林水産部 森林課 -139- TEL:023-630-2517 農林水産省−17 積雪地域の造林・育林技術の早期開発と再造林の支援制度の強化 【林野庁 森林整備部 整備課・研究指導課】 【提案事項】 再造林等の更新を確実に行い、森林の公益的機能を持続的に発揮させるため、積雪 地域に対応した低コストで省力的な造林・育林技術の早期開発と再造林の支援制度の 強化を図ること 【現状・背景】 ○本県の民有林における人工林のうち 10 齢級 以上の面積は 57 千 ha であり人工林の 46% を占め、今後も伐採適期を超えた森林の増加 が見込まれる。 ○平成 24 年7月に再生可能エネルギー固定価 格買取制度がスタートし、発電事業の参入等 により主伐面積が大幅に増加することが予想 される。 ○再造林費用が高く、補助金を含めても森林所 有者の負担が大きいことから、年間の主伐面 積 110ha に対し再造林面積は 30ha 程度で、 森林の更新が遅れている。 ○森林の持つ公益的機能を持続的に発揮させる ためには、再造林等の更新や育林が適正に実 行されるシステムを構築する必要がある。 山形県民有林齢級別人工林面積 民有林齢級別人工林面積(現在) 180 159166 160 145 14%126 140 13% 113 12% 120 10% 100 87 9% 84 (百ha) 80 667% 7% 60 455% 43 35 32 27 40 264% 20 14 3% 3% 3% 12 10 6 7 20 5 2% 2% 2% 1% 1% 1% 0% 1% 0 0% 1 4 7 10 13 16 19 (齢級) 山形県再造林面積の推移 再造林の推移 面積 (ha) 【本県の取組み】 ○本県では、国の森林環境保全直接支援事業等 の補助事業を活用しながら、森林所有者に対 し伐採後の再造林について支援を行っている。 ○林業経営費用に占めるウェートが大きい造林 から下刈り期における経費の抑制を目的に、 コンテナ苗の採用や高性能林業機械を利用し た伐採と一体化した地拵えを行うことによる 植栽作業の省力化など、低コスト造林の確立 に向けた試験研究に取組み始めたところである。 再造林 250 201180 200 150 135129 144 175 147 154 104 77 100 58 60 68 50 45 55 39 42 38 33 0 H5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 年度 【課題】 ○積雪地域に適した森林所有者の負担の少ない低コストで省力的な造林・育林技術の開発が 急務である。 ○林業の採算性が低く、現行の支援制度においては、森林所有者の負担が大きい伐採後の再 造林が進んでいないことから、補助率の上乗せが必要である。 ※ 山形県担当部署:農林水産部 森林課 -140- TEL:023-630-2525 環境省−7 海岸漂着物対策等に係る財政上の措置 【環境省 水・大気環境局 水環境課 海洋環境室】 【提案事項】 (1)平成26年度で終了する地域環境保全対策費補助金の延長など、海岸漂着物等 に係る回収処理、発生抑制等の推進に必要な恒久的な財政上の措置 (2)海岸漂着物等の削減につながる陸域発生ゴミの効果的な回収への支援 【現状・背景】 ○海岸漂着物問題は、発生源が国内だけでなく国外にも及び、流木、プラスチック類など大 量のゴミが毎年漂着し、沿岸地域にとって、回収が追いつかないのが現状である。 ○地域グリーンニューディール基金を活用した回収量は、本県では約 4,000 トン(H21∼ H23)と全回収量 5,000 トンの8割に上り、基金の効果により飛躍的に回収量が増加して いる。 ○海岸漂着物処理推進法第 29 条第1項により、政府は海岸漂着物対策を推進するため、必 要な財政上の措置を講ずることとされている。しかしながら、平成 24 年度補正予算で措 置された地域環境保全対策費補助金(海岸漂着物地域対策推進事業)は、平成 25 年度及 び 26 年度の2か年限りで、その後の財政措置については示されていない。 【本県の取組み】 ○法に基づき、「山形県海岸漂着物対策推進地域計画∼美しいやまがたの海づくりプラン ∼」を平成 23 年3月に策定し、回収処理及び発生抑制対策に取り組んでいる。 ○この地域計画では、「裸足で歩ける庄内海岸」を「目指す姿」として、全国で唯一「海岸 清潔度ランク」による短期目標及び中期目標を設定している。 ○発生抑制対策の一環として、平成 13 年から開催している「飛島クリーンアップ作戦」を はじめ、陸域発生ゴミの削減に向け、小学生等による川ゴミ調査や住民参加の体験型環境 学習等による普及啓発活動を行っている。 ○本県の母なる川、最上川中流域の上郷ダムでは毎年 150 トンのゴミが回収され、また支川 からは多いところで家庭用ゴミ袋約 1,100 袋に相当する量が流れ込んでいる。 【課題】 ○海岸漂着物対策は、全国の自治体、NPO及び ボランティアが連携して取り組む必要がある。 ○普及啓発、環境教育、NPO等への支援及び活 動推進員の育成などの発生抑制対策は、長期的 な取組みが重要である。 ○本県では、平成 32 年春の漂着ゴミ量を平成 23 年春と比較して半減する中期目標を設定してお り、達成に向けては計画的な取組みと恒久的な 財源措置が必要である。 ○漂着ゴミの多くは、内陸部から河川を通じて流 れ出るため、河川に関わる関係者が協力して効 果的に回収できるような支援制度が必要である。 ※ 飛島クリーンアップ作戦 山形県担当部署:環境エネルギー部 循環型社会推進課 -141- TEL:023-630-3021 農林水産省−15 漁場環境の保全対策の推進 【水産庁 増殖推進部 漁場資源課】 【提案事項】 (1)平成19年5月に国際海事機関で採択された「海難残骸物の除去に関する国際 条約」の早期批准 (2)海難残骸物の除去に関する処理責任の明確化、費用負担等に関する地元負担へ の配慮と法制度の整備 【現状・背景】 ○平成 14 年に韓国船籍の貨物船からコンテナが山形県の優良漁場に落下し、漁具が絡む被 害が発生した。 【本県の取組み】 ○平成 18 年3月から平成 19 年3月にかけ計4回にわたり、県は 原因者に対しコンテナ撤去又は撤去費用の請求を求めたが、相 手側は法的義務がないことを理由に請求に応じなかった。 ○平成 18 年8月に、「漁場環境保全創造事業」(水産庁)を活 用しコンテナを撤去したが、多大な費用を要した。 ○平成 20 年8月に、撤去費用の請求を求めて提訴を行った。 ○平成 22 年4月に、被告側と和解。 【課題】 ○当該事案については、結果として原因者と和解することとな ったが、撤去費用の全額を原因者が負担するものではないた め、沿岸自治体と漁業関係者が多大な負担を負うこととなっ た。 ○現状のままでは、同様の事案が発生した際には、沿岸自治体 や漁業関係者が、繰り返し多大な負担を負うことになる事態 が容易に想定されるため、あらかじめ原因者による処理責任 (撤去義務)と費用負担を明確にしておくことが課題であり、 条約の早期批准と法整備による制度化が不可欠である。 ※ 山形県担当部署:農林水産部 水産課 -142- 引き上げられるコンテナ TEL:023-630-2477 国土交通省−15 漁場環境の保全対策の推進 【国土交通省 海事局 総務課】 【提案事項】 (1)平成19年5月に国際海事機関で採択された「海難残骸物の除去に関する国際 条約」の早期批准 (2)海難残骸物の除去に関する処理責任の明確化、費用負担等に関する地元負担へ の配慮と法制度の整備 【現状・背景】 ○平成 14 年に韓国船籍の貨物船からコンテナが山形県の優良漁場に落下し、漁具が絡む被 害が発生した。 【本県の取組み】 ○平成 18 年3月から平成 19 年3月にかけ計4回にわたり、県は 原因者に対しコンテナ撤去又は撤去費用の請求を求めたが、相 手側は法的義務がないことを理由に請求に応じなかった。 ○平成 18 年8月に、「漁場環境保全創造事業」(水産庁)を活 用しコンテナを撤去したが、多大な費用を要した。 ○平成 20 年8月に、撤去費用の請求を求めて提訴を行った。 ○平成 22 年4月に、被告側と和解。 【課題】 ○当該事案については、結果として原因者と和解することとな ったが、撤去費用の全額を原因者が負担するものではないた め、沿岸自治体と漁業関係者が多大な負担を負うこととなっ た。 ○現状のままでは、同様の事案が発生した際には、沿岸自治体 や漁業関係者が、繰り返し多大な負担を負うことになる事態 が容易に想定されるため、あらかじめ原因者による処理責任 (撤去義務)と費用負担を明確にしておくことが課題であり、 条約の早期批准と法整備による制度化が不可欠である。 ※ 山形県担当部署:農林水産部 水産課 -143- 引き上げられるコンテナ TEL:023-630-2477 環境省−6 水資源・森林保全対策の推進 【環境省 水・大気環境局 水環境課】 【提案事項】 水が公共性の高い重要な資源であることに鑑み、水資源を保全するために必要な土 地の売買、利用及び開発等を規制する法律の整備 【現状・背景】 ○本県では、外国資本や企業による森林買収の事例が発生しており、水資源、森林資源や自 然環境の保全への影響を懸念せざるを得ない状況が生じつつある。 ○平成 23 年4月に改正された森林法により、新たに森林の土地所有者となった場合には市 町村長への届出が義務付けられたが、水資源の保全を図る目的から森林等の水源涵養機能 を有する土地の売買や開発行為について事前にチェックするための法制度は整備されてい ない。 【本県の取組み】 ○平成 25 年2月県議会定例会で「山 形県水資源保全条例」が成立し、 水資源の保全に関する施策の総合 的な推進を図るための計画の策定 や、保全が必要な水源涵養域にお ける土地取引及び開発行為に係る 事前届出制を導入し、水資源の保 全を図るための取組みを推進して いる。 山形県水資源保全条例の事前届出制度 <事前届出制度> 土地取引等 (売買契約等) 〔開発行為者〕 事前届 〔売主等〕 事前届 土地の利用に関する指導 開発行為に関する指導 買主等へ伝達 【課題】 <実効性を確保 するための ○水資源の保全について、地方公共 措置・罰則> 団体の条例制定による規制措置に ついては根拠となる法が整備され ておらず、財産権への制限との均 衡から一定の制約を受け、許可制 などの強制力のある措置を講じる ことが困難であることから、水資 源の保全を図るための土地の売買、 利用及び開発等に係る許可制度な ど国による実効性の高い規制措置 が必要である。 ※ 開発行為 <2月前まで知事に届出> 報告徴収 立入調査 勧告 命令 必要に応じ て行う 氏名、内容の 公表等 5万円以下の 過料 土地取引等及び開発行為に係る届出違反 (無届・虚偽届)の場合にも適用 山形県担当部署:環境エネルギー部 環境企画課 -144- 勧告 TEL:023-630-3247 正当な理由なく 従わない場合 又は違反した場合 農林水産省−18 水資源・森林保全対策の推進 【林野庁 計画課】 【提案事項】 地下水等の水資源の確保並びに森林等土地の買収、利用及び開発に係る規制措置の ために必要な法整備を行うこと 【現状・背景】 ○本県では、外国資本や企業による森林買収の事例が発生しており、 水資源・森林資源や自然環境の保全への影響を懸念せざるを得な い状況が生じつつある。 ○平成 23 年4月に改正された森林法により、新たに森林の土地所有 者となった場合には、市町村長への届出が義務付けられ、森林の 土地所有者の異動を把握することができるようになったものの、 外国資本や企業等による森林の土地の買収など、水源涵養機能を はじめとする公益的機能を阻害しかねない事例の発生が懸念され る。 【本県の取組み】 ○本県では、森林をはじめとする水源地域の保全を図る観点から、取水地点とその水源涵養 域における土地取引等及び開発行為を事前に把握し、適正な土地利用を促すため、平成 25 年3月に「山形県水資源保全条例」を制定した。 【課題】 ○山形県水資源保全条例に基づき指定された「水資源 保全地域」内の森林については、土地取引と開発行 為の事前届出を義務化する制度となっているが、区 域以外の森林については、事前に情報を把握する仕 組みがない。 ○多面的機能を有する森林の適正な保全管理の維持を 可能とするため、森林の売買における事前届出制度 や許可制度の創設など必要な措置の実施が必要であ る。 ※ 山形県担当部署:農林水産部 森林課 -145- TEL:023-630-3163 国土交通省−3 水資源・森林保全対策の推進 【国土交通省 土地・建設産業局 不動産市場整備課】 【提案事項】 水資源・森林保全のための土地取引に係る情報把握のための法制度の整備 【現状・背景】 ○平成 22 年に県南部の米沢市において外国資本 (シンガポール在住の個人)による森林約 10 haの買収事案が確認された。 ○このように本県では、外国資本や企業による 森林の買収事案が具体的に発生しており、水 資源・森林や自然環境の保全への影響が懸念 されている。 ○このような買収事案のうち一定規模以上のも のについては、現行の国土利用計画法では事 後届出とされており、売買等の当事者や利用 目的等を事前に把握し、指導できる仕組みに はなっていない。さらに、一定規模未満の買 収事案については事後届出も不要とされてい る。 ○また、現行の国土利用計画法では、知事が「監視区域」等を指定することができ、指定し た場合は、事前届出が義務付けられ、かつ、小規模取引も対象とすることができるが、当 該指定は地価の高騰を理由とする場合に限定されており、水資源の保全や国土の環境保全、 土地の適正利用等の観点から指定することはできない。 【本県の取組み】 ○知事が指定する水資源保全地域における売買等について事前届出を義務付ける「山形県水 資源保全条例」を平成 25 年2月議会で制定し、同年4月1日(一部は同年 10 月1日)に 施行した。 【課題】 ○水資源・森林や自然環境の保全は全国的な課題であるので、国において抜本的な対策が求 められるものであり、地価の高騰抑制に加え水資源・森林保全の観点からも「監視区域」 等の指定ができるよう、現行法の弾力的な運用を含め、法制度を整備して全国一律に規制 する必要がある。 ※ 山形県担当部署:県土整備部 用地課 -146- TEL:023-630-2579 経済産業省−15 地域の自然と共存できる採石業の振興 【経済産業省 資源エネルギー庁資源・燃料部 鉱物資源課】 【提案事項】 昭和25年の採石法制定以降、採掘技術の進歩など採石を巡る状況変化を踏まえ、 岩石採取計画認可において、水資源・景観・環境の保護等の観点から、認可権者が裁 量により処理できるよう採石法を改正すること。 【現状・背景】 ○中山間地域では、地域社会の活性化 のため、豊かな自然を大切な資源と し、これを守り活用している。一方、 社会基盤に必要な採石業も同じ区域 で行われ、対立する事例がある。 ○採石法は、昭和 25 年に社会基盤の整 備に必要な採石業の保護を目的とし て制定され、昭和 38 年に公害防止を 目的に改正されている。このため、 その地域が持つ特有の資源、例えば 景観、山林資源、地下水資源などよ りも優先されている。 ○岩石採取計画の認可事務は平成 11 年 に自治事務とされ、自治事務につい ては、地域の特性に応じて処理し得 るよう配慮することとされたが、採 石法に認可基準が定められているた め、実質的に処分庁に裁量権はない。 採石現場① 【本県の取組み】 ○岩石採取にあたり、採石業者が地域 住民と相互理解を図り、地域社会に 採石現場② 共存できるよう協定書を締結するよ う指導している。 ○水資源保全条例を制定し、環境保護の観点から指導できる体制づくりを行っているが、採 石業に対する指導の有効性には限界がある。 【課題】 ○社会資本の整備が進んで、岩石等の地下資源需要が少なくなってきていること、地方では その地域特有の自然環境等が重要な資源と位置付けられ、町おこし、地域活性化のため見 直されてきていることから、自然保護区域等と地下資源開発区域の調整を行うことが重要 な課題となっている。 ○昭和 25 年の採石法制定以降、採石技術は格段に進歩し、大規模な採掘を容易なものとし ている。一方、森林や水資源、景観の保全といった国民の環境に対する意識が高まってい る中、社会基盤を整備するために不可欠な採石を業とする採石業者を県が処分庁として適 切に指導できるよう、採石法の改正が必要である。 ※ 山形県担当部署:商工労働観光部 産業政策課 -147- TEL:023-630-2115 国土交通省−7 高速道路の整備促進について【再掲】 【国土交通省道路局 企画課、国道・防災課、高速道路課】 【提案事項】 格子状骨格道路ネットワークの早期形成を図るため、東北中央自動車道、日本海沿 岸東北自動車道、東北横断自動車道酒田線の整備の促進 (1)事業中区間の整備促進 (2)東北中央自動車道秋田県境区間の新規事業化 (3)東北横断自動車道酒田線月山∼湯殿山間の事業化に向けた検討 路 線 名 区 間 福島 JCT∼米沢 IC・米沢 IC∼米沢北 IC 東根 IC∼尾花沢 IC 南陽高畠 IC∼山形上山 IC 東北中央自動車道 尾花沢新庄道路 泉田道路 昭和∼金山、及位∼上院内 酒田みなと IC∼遊佐 IC 日本海沿岸東北自動車道 朝日まほろば IC∼あつみ温泉 IC 遊佐 IC∼象潟 IC 提 案 内 容 整 備 促 進 整 備 促 進 整 備 促 進 整 備 促 進 整 備 促 進 新規事業化 整 備 促 進 整 備 促 進 整 備 促 進 東北横断自動車道酒田線 月山 IC∼湯殿山 IC 事業化に向けた検討 -148- 【本県の取組み】 ○東日本大震災直後から、隣接する新潟県や秋田県、未事業化区間を抱える全国の都道府県、 また、沿線の市町村等と連携し、高速道路整備の必要性を国に働きかけてきた。 ○その結果、今年度、日本海沿岸東北自動車道の新潟、秋田両県境区間が新規事業化され、 東北中央自動車道秋田県境未事業化区間が計画段階評価を進めるための調査に着手されて いる。 【課題】 ○本県の高速道路は、供用率が低く、途切れ途切れのため、ネットワーク機能を十分に発揮 できていない(全国平均の 79%、東北平均の 78%に対し、本県は 59%)。 県内高速道路の整備状況 東北中央自動車道 41% 日本海沿岸東北自動車道 50% 49% 51% 16% 84% 東北横断自動車道酒田線 合 計 9% 59% 31% 10% 凡 例 供用済 事業中 未着手 ①事業中区間が 31%と多く、早期供用開始が必要である。 ②東北横断自動車道酒田線月山∼湯殿山間については、一般国道自動車専用道で一部整備 済みだが、高速道路としては未整備である。 国道7号 越波状況 (鶴岡市早田地区) 平成24年3月に開通した日東道あつみ温泉IC∼鶴岡JCT間 国道13号 冬期速度低下 (金山町金山地区) ※ 山形県担当部署:県土整備部 道路整備課 高速道路整備推進室 -149- TEL:023-630-2609 国土交通省−8 地域高規格道路等の早期整備【再掲】 【国土交通省 道路局 企画課、国道・防災課、環境安全課】 【提案事項】 (1)格子状骨格道路ネットワークの横軸道路を形成する地域高規格道路の早期整備 ①新庄酒田道路(一般国道47号) ○余目酒田道路、高屋道路、新庄古口道路の早期供用及び未着手区間の早期 着工 ○調査区間の整備区間への格上げ及び未調査区間の調査区間への格上げ ②新潟山形南部連絡道路(一般国道113号) ○梨郷道路の早期供用 ○調査区間の整備区間への格上げ及び未調査区間の調査区間への格上げ ③石巻新庄道路(一般国道47号) ○候補路線から計画路線への格上げ ④仙台山形道路(一般国道48号) ○候補路線の指定 (2)高速交通ネットワークを補完する幹線道路の防震災対策等の促進 ①一般国道47号、一般国道48号、一般国道113号 ○防震災対策、交通安全対策、雪寒対策の促進 ②一般国道347号 ○県の整備事業への支援 【現状・背景】 ○太平洋側と日本海側を横断的に結ぶ主な国道は、格子状骨格道路ネットワークを形成し、 またはこれらを補完する重要な道路であるが、線形不良、幅員狭小、事故多発、事前通行 規制など多くの課題があり、安定した交通機能やリダンダンシー機能が脆弱である。 ○東日本大震災では、日本海側と太平洋側を結ぶ「生命の道」として、物資輸送、人命の救 援・救護、被災者の避難など多くの機能を果たしたが、一方で走行速度の低下や渋滞など、 冬期における脆弱性が顕著となった。 ○東北地域全体の産業・経済の活性化に繋がる自動車関連産業の振興や、首都圏、東アジア との広域的・国際的な物流を担う道路として大きく期待されている。 【本県の取組み】 ○日本海沿岸東北自動車道と東北中央自動車道、東北縦貫自動車道を相互に連結し、ネット ワーク化を可能とする横軸道路の重要性を国に対し強く要望している。 ○また、現在、事業化されている地域高規格道路の進捗の支援に努めている。 【課題】 ○ 県 内の 地域 高規 格道 路 は、 供用 率 が 11%と低く、ネットワーク機能を発揮 地域高規格道路 の指定延長 できていない。 未調査区間 ○平成 10 年6月の追加指定以降、候補路 調査区間 線、計画路線の指定は行われていない。 整備区間 供用延長 事業中延長 候補路線数 -150- 山形県 (計画路線数:2) H24.4現在 全国 (計画路線数:186) 県合計 新潟山形南部 H22.4現在 新庄酒田道路 連絡道路 (左記2路線合計) 延長(km) 比率(%) 延長(km) 延長(km) 延長(km) 6,950 - 2,580 37% 1,022 50 50 100 - 5 25 30 30% 15% 7 11 18 18% 3,348 48% 38 14 53 53% 1,949 28% 4 7 11 11% - - 27 7 34 34% 1 0 110 比率(%) 1 象 潟 IC 雄 勝 こ まち IC 遊 佐 IC 秋田県 酒 田 み な とIC 酒 田 中 央 JCT 酒田市 鶴 岡 JCT 新 庄 IC 新庄市 鶴岡市 新庄酒田道路 湯 殿 山 IC 月 山 IC 野 黒 沢 IC 東北 中央 自動車 道 あつみ 温 泉 IC 石巻新庄道路 尾 花 沢 IC 東 根 IC 宮城県 山 形 JCT 仙台山形道路 朝 日 まほ ろ ば IC 村上市 山形市 山 形 上 山 IC 胎内市 小国町 南陽市 南 陽 高 畠 IC 白石市 新潟山形南部連絡道路 米 沢 北 IC 米沢市 新潟県 福島県 新庄酒田道路(国道 47 号) 新潟山形南部連絡道路(国道 113 号) 雨量通行規制区間での大雨による被災状況 ※ 山形県担当部署:県土整備部 道路整備課 -151- TEL:023‐630-2626 国土交通省−18 地方航空ネットワークの維持・拡大に向けた支援の拡充【再掲】 【国土交通省 航空局 航空戦略課、航空ネットワーク企画課】 【提案事項】 地方航空路線の維持・拡大に向けて地域が行う取組みに対する財政支援措置の創設 【現状・背景】 ○山形・庄内両空港は、東日本大震災後の対応により、 大規模な自然災害が東日本地域で発生した場合、被災 地への救援物資や旅客輸送の拠点空港として機能する ことが実証された。こうした大規模災害時のリダンダ ンシー機能を将来にわたって確保していくためにも、 両空港における路線の維持・拡大が重要である。 ○山形空港の就航路線は、平成 22 年 10 月末の札幌便、 名古屋便の運休により、現在は1日1便の羽田便と1 日3便の伊丹便の2路線のみとなっている。年間利用 者数も平成 24 年は約 11 万5千人と、ピークである平 成3年の約 74 万2千人の 15%まで減少している。本 県の高速交通ネットワークの充実を図っていくために も、山形空港における羽田便の複数便化や運休路線の 再開が大きな課題となっている。 ○庄内空港は羽田便が1日4便運航し、年間利用者数も 35 万人程度で比較的安定して推移しているが、地域経 済活性化のためにも、ダイヤ改善や運航機材の大型化、 増便といった一層の利便性向上が求められている。 東日本大震災後の山形空港 (臨時便と防災ヘリ) 【本県の取組み】 ○山形空港・庄内空港とも、県、地元市町村、各種団 体・企業を構成メンバーとする協議会を組織し、路線 の維持・拡大に向けて、利用者や旅行会社に対する助 山形空港利用拡大推進協議会 成や広報PR等の利用拡大事業を展開している。 の助成事業 ○また、就航する航空会社に対する支援として、県では 着陸料の減免(山形∼羽田便は 1/10、その他は 1/2)を行っている。 ○なお、両協議会及び県では、増便を含む就航路線の利便性向上や運休路線の再開、新規就 航等について、航空会社に対して継続的に要望を行っている。 【課題】 ○人口減少や地方経済の低迷、航空会社間の競争の激化等の影響で地方航空路線を取り巻く 環境が厳しさを増す中、路線の維持・拡大に向けて、地域における利用拡大の取組みや航 空会社に対する支援の拡充が求められているが、現状ではそれら取組みに対する財政支援 措置がないことから、財源の確保が大きな課題となっている。 ※ 山形県担当部署:企画振興部 交通政策課 -152- TEL:023-630-3017 国土交通省−19 羽田空港の地方航空ネットワークの維持・拡大に向けた 施策の拡充【再掲】 ○ 【国土交通省 航空局 航空ネットワーク企画課、航空事業課】 【提案事項】 地方路線維持のための「1便ルール」及び「3便ルール」の運用継続並びに少便数 路線を対象に発着枠を優先配分する新たな仕組みの創設 【現状・背景】 ○山形空港に就航する羽田便は1日1便、庄内空港に 就航する羽田便は1日4便も、うち1便は権益外便 であり、両路線とも少便数路線となっている。 ○羽田空港は国内航空ネットワークの中核であるとと もに、今後、国際線の拡充も予定されていることか ら、本県にとって、両空港の羽田便は首都圏との移 動はもとより、全国及び海外との交流を促進する上 で極めて重要な路線である。 ○このため、本県及び両空港の協議会では、長年、航 空会社に対し増便を要望してきたが、羽田空港のD 滑走路供用開始に伴い拡大した発着枠の配分後も、 両空港とも増便が実現することはなかった。 ○なお、平成 24 年 11 月の「羽田発着枠配分基準検討 小委員会報告書」では、1便ルール及び3便ルール を継続運用するとともに、地方路線維持のための政 策コンテストの実施を検討すべきとされていること から、本県においてもその動向を注視しているとこ ろである。 ●山形∼羽田便(JAL)の運航ダイヤ(H25.6.1∼) 便名 1254 山形発 羽田着 12:45 13:50 便名 1259 羽田発 山形着 14:25 15:20 運航機材:E 70(76席) ●庄内∼羽田便(ANA)の運航ダイヤ(H25.6.1∼) 便名 894 896 898 900 庄内発 羽田着 7:10 8:15 8:55 10:00 14:25 15:30 17:55 19:00 便名 893 895 897 899 羽田発 庄内着 6:55 7:55 12:35 13:35 16:10 17:10 20:20 21:20 運航機材:B767(270席) ←895便、897便、898便、 900便 運航機材:B738(167席) ←上記以外の便 「1便ルール」 それぞれの航空会社内における発着枠の他 路線への転用により減便される路線の当該転用 後の便数が、当該路線を運航している全航空 会社の便数の合計で1便未満になる場合に、当 該発着枠を回収し、運航を希望する航空会社を 募集することとする制度(=H14.11 にANAが 山形∼羽田便を廃止した際に適用され、H15.4 よりJASによって運航が継続) 「3便ルール」 少便数路線(総便数3便以下の路線)をグル ープ化し、減便時には他の少便数路線にのみ 転用することができることとする制度 「権益外便」 国から権益として航空会社に配分された発着 枠とは別に、朝・夜の比較的混雑していない時 間帯を利用し、運航している便のこと(=庄内∼ 羽田の 894 便が該当) 【本県の取組み】 ○山形空港・庄内空港とも、県、地元市町村、各種団 体・企業を構成メンバーとする協議会を組織し、羽 田便の増便実現に向けて、利用者や旅行会社に対す る助成や広報PR等の利用拡大事業を展開している。 ○また、両協議会及び県では、羽田便増便に向けて、航空会社に対して継続的に要望を行っ ている。 【課題】 ○航空会社を取り巻く環境が厳しさを増す中、収益性が劣る地方路線を維持していくために は、「1便ルール」及び「3便ルール」の運用継続が求められる。 ○また、上記ルールの対象となるような少便数路線については、地域では利便性向上のため 増便に対する要望が強いものの、航空会社では採算性や発着枠の制約から増便に難色を示 し、増便実現が困難になっているのが実情である。こうした状況の下、地域では政策コン テストに対する期待も大きいことから、同コンテストの実施にあたっては、一定の配分枠 を確保のうえ、少便数路線を優先する仕組みを導入すべきと考える。 ※ 山形県担当部署:企画振興部 交通政策課 -153- TEL:023-630-3017 国土交通省−13 奥羽・羽越新幹線の実現について【再掲】 【国土交通省 鉄道局 幹線鉄道課】 【提案事項】 奥羽新幹線・羽越新幹線の建設促進に必要な調査の実施 【現状・背景】 ○日本海沿岸地域は、発展が著しい対岸諸国に対して地理的優位性を有し、環日本海・アジ ア諸国との経済・文化等の交流が活発化し、環日本海交流圏の形成が進みつつある。 ○東日本大震災の発生を受け明らかになった課題や、今後発生が懸念される大地震等による 被災想定などを受け、政府においては、多極分散型の国土形成や複数国土軸の形成を進め、 国全体の強靱化を図るとされている。 ○こうしたことを踏まえ、太平洋側のリダンダンシーの確保、災害に強い多軸型の国土づく り、地域経済発展の観点から、日本海沿岸地域を戦略的に位置付け、社会資本整備等によ る「日本海国土軸」の形成を進めることが重要である。 ○東北地方においては、太平洋側の東北新幹線の全線開通により、太平洋側と日本海側との 間で、首都圏との時間距離の格差が拡大している。 山形新幹線(東京−新庄間 /約 421km)最短時間:3時間 11 分 東北新幹線(東京−新青森間/約 714km)最短時間:2時間 59 分 ○全国新幹線鉄道整備法による、昭和 47 年までに基本計画が決定された路線のほぼ全てが 平成 47 年度までに完成する目処がついた。 ○第二国土軸の必要性を踏まえ、中国、四国、東九州新幹線などで、基本計画路線の整備計 画策定に向けた活動が見受けられる。 ○全国知事会「日本のグランドデザイン構想会議」において、国土軸のリダンダンシーの確 立に向けた具体的な施策として「北海道から本州(日本海側)、四国・九州までの全国新 幹線網の早期整備の促進」が盛り込まれた。 ○北海道・東北地方知事会から国に対して「基本計画路線の整備計画策定に向けた調査の実 施」が提言された。 【本県の取組み】 ○広域的な取組みとして、沿線の関係各県とともに、「奥羽新幹線建設促進同盟会(会長: 山形県知事)」及び「羽越新幹線建設促進同盟会(会長:山形県知事)」と連携して、奥 羽・羽越新幹線の建設促進に必要な調査の実施について、国及びJR東日本に対して継続 した働きかけの実施 ○県内の取組みとして、山形県鉄道利用・整備強化促進期成同盟会(会長:山形県知事)と 連携して、奥羽・羽越新幹線の建設促進に必要な調査の実施について、国及びJR東日本 に対して継続した働きかけの実施 ○山形県民の理解と機運の醸成を図るため、奥羽・羽越新幹線整備による様々な効果につい て、今後、県内市町村や関係団体と連携し、継続的なPR活動の実施 【課題】 ○奥羽・羽越新幹線については、昭和 48 年 11 月 15 日に基本計画が決定された。同盟会を 通して関係県等と連携を図りながら、国及びJR東日本に対して「建設促進のための調査 の実施」について働きかけを続けてきたが、現在まで整備計画策定に向けた具体の進展が -154- 見られない状況である。 【奥羽・羽越新幹線整備の効果】 ○太平洋側の東北新幹線に対するリダンダンシーの確保及び国土軸の複線化。 ○東北新幹線沿線の太平洋側都市と日本海側都市との間に生じている首都圏からの到達時間 格差の解消、交流人口拡大、観光振興、企業誘致増加などの波及効果。 ○新幹線の整備に伴い、防災対策、強風対策等の抜本的な対策が講じられ、輸送の安定性が 確保され、また輸送機関としての信頼性が向上。 北海道新幹線 (札幌∼旭川) 旭川 札幌 長万部 北海道南回り新幹線 新函館 新青森 秋田 盛岡 奥羽新幹線 羽越新幹線 新潟 山形 仙台 福島 日本海国土軸 長野 金沢 山陰新幹線 松江 中国横断新幹線 長崎 鹿児島中央 ※ 熊本 高崎 北陸・中京新幹線 東京 名古屋 新大阪 岡山 下関 博多 鳥栖 敦賀 高知 大分 四国新幹線 四国横断新幹線 九州横断新幹線 東九州新幹線 山形県担当部署:企画振興部 交通政策課 -155- TEL:023-630-2161 国土交通省−12 在来線鉄道の安全・安定輸送の確保【再掲】 【国土交通省 鉄道局 総務課 企画室】 【提案事項】 (1)幹線鉄道の安全・安定輸送確保のためののり面強化等の降雨対策、防風柵設置 等の強風対策、吹雪・吹きだまり対策工等の防雪対策ができるような事業要件 の緩和 (奥羽本線(山形新幹線)、羽越本線、仙山線) (2)地方鉄道線の安全・安定輸送確保のためののり面強化等の降雨対策、防風柵設 置等の強風対策、吹雪・吹きだまり対策工等の防雪対策ができるような事業要 件の緩和 (陸羽東線、陸羽西線、左沢線、米坂線) 【現状・背景】 ○本県において鉄道は交通体系の骨格を形づくって おり、対首都圏との交流拡大や、通勤通学など日 常の足としても欠くことのできない重要な社会基 盤である。さらに、災害時においてはリダンダン シーの確保の観点からも安全・安定輸送の確保が 重要である。 ○山形新幹線は、平成 14 年5月までにJR東日本 による降雨防災対策工事が実施されたが、未だ、 山間部区間を中心に降雨に対する規制区間が残っ ている。また、奥羽山脈を通過する山岳部は豪雪 地帯でもあり降雪による運休も発生している。そ のため、大雨、大雪等による運行規制が発生した 場合、本県と隣接県及び首都圏との往来が困難な 状況となる。 ○平成 17 年 12 月に発生し た「羽越本線脱線事故」 以降、風に対する運転規 制値が強化され、運休及 び遅れが発生している。 特に、羽越本線は冬季の 季節風の影響により運休 及び遅れが頻発している。 【本県の取組み】 ○山形県鉄道利用・整備強化促進期成同盟会と連携し、国及びJR東日本に対し、「安全・ 安定輸送に対する取組みの推進」の働きかけを実施 【課題】 ○安全・安定輸送対策を強化するためには、対策が必要な箇所が広範囲に渡ることから、莫 大な費用を要する。現在はJR東日本株式会社の費用負担により対応しているが、本県の 主要交通機関である鉄道の安全・安定輸送を確保し、信頼性の高い輸送機関とするために は、国土の保全に資する事業に限定している鉄道防災事業費補助について、のり面強化等 の降雨防災対策、防風柵設置等の強風対策、吹雪・吹きだまり対策工等の防雪対策の事業 についても取り組むことができるよう要件の緩和が課題となっている。 ※ 山形県担当部署:企画振興部 交通政策課 -156- TEL:023-630-2161 国土交通省−16 酒田港の物流拠点としての機能強化【再掲】 【国土交通省 港湾局 計画課/道路局 企画課、国道・防災課】 【提案事項】 酒田港の物流拠点としての港湾機能の強化や港湾背後圏と結ぶ地域高規格道路等の 整備促進 (1)物流機能を強化する防波堤の延伸・改良A、泊地(−13m)の埋没浚渫Bの 整備促進 (2)リサイクルポート機能を強化する岸壁Cや大型船へ対応する岸壁Dの新規事業 化への支援 (3)酒田港と県内陸部や太平洋側を結ぶ国道47号等の整備促進 【現状・背景】 ○東日本大震災の際には、酒田港は、被災した太平洋側の港湾の物流を代替する機能を果た した。その後も震災前を上回る貨物取扱となっている。 ○酒田港では、まだ港内の静穏度が不足しているため、冬季風浪等による荷役障害が発生し ている。 ○酒田港は、リサイクルポート(平成 15 年4月)指定後、企業立地や取扱貨物量が順調に 伸びており、リサイクル貨物集積等における拠点化が期待される。 【本県の取組み】 ○取扱貨物量の増加に対応するととも に、太平洋側港湾の代替機能を果た せるようコンテナクレーンの増設や 上屋の新設などを進めている。 ○潜在的なリサイクル需要の掘り起こ しなどリサイクル貨物の取扱増加を 目指した取組みを官民一体で進めて いる。 A [国]防波堤の延伸・改良工事 D [国]新規高砂第1号岸壁(-14m) C [県]新規宮海第6号岸壁(-10m) (港内静穏度の向上) 日本海特有の北西からの 波浪を防ぐ防波堤整備 B [国]泊地(-13m)の埋没浚渫工事 【課題】 ○冬期でも安全・安心な荷役作業がで き、大型船舶の利活用に対応できる 港湾施設の整備が必要である。 ○リサイクル貨物取扱を増進するため、 新たな岸壁が必要である。 (宮海第6号岸壁) ○酒田港の利活用促進や災害時の代替 機能を強化するため、県内陸部や太 平洋側と結ぶ国道47号等の機能強 化が必要である。 酒田港の全景と提案位置 (千トン) 500 450 400 リサイクルポート指定時から 約 2.5 倍(H24:47 万㌧) 酒田港リサイクル貨物の推移 H15.4 リサイクルポート指定 その他 350 その他(廃土砂、廃タイヤなど) 中古品 (自動車関係) 古紙 300 250 中古品 200 廃プラスチック (自動車部品,エンジン,農機具など) 150 古紙 金属くず 100 石炭灰 廃プラスチック 金属くず(鉄スクラップなど) 合計 石炭灰(火力発電用石炭の灰殻) 50 0 H15 ※ H16 H17 山形県担当部署:県土整備部 空港港湾課 道路整備課 -157- H18 H19 H20 H21 H22 H23 TEL:023-630-2447 TEL:023-630-2626 H24 農林水産省−13 社会資本等の効果的・効率的な整備・活用 【農林水産省 農村振興局 設計課】 【提案事項】 (1)災害等から生命・財産を守る社会資本整備や、社会資本の長寿命化計画に基づ いた整備等の推進 (2)災害復旧事業費国庫負担金による財政措置等、頻繁に発生する災害への対応の 実態に応じた所要の財政措置 【現状・背景】 ○近年、本県においては局所的なゲリラ豪雨が発生 し、農地や農業用施設に被害が発生している。酒 田市と鶴岡市に跨る庄内砂丘地においては、平成 23 年6月から9月の豪雨により地下水位が上昇し、 約 200haの農地が湛水し、特産のメロンや花き などに作物被害が発生した。 ○本県の基幹的な農業水利施設の多くは昭和 40 年代 から 50 年代に整備され、県内水田面積の約8割を カバーしているが、今後 10 年間でその半数の施設 が耐用年数を迎え、揚水機場の緊急停止や送水管 水没した花きハウス団地(鶴岡市H23,9.25) の破裂など突発的な事故発生の恐れがある。 【本県の取組み】 ○庄内砂丘地の湛水被害の解消に向け、国の農村災害対策整備 事業を活用し、地下水位を低下させるための排水施設の設置 等恒久対策を実施中である。 ○農業用水の安定供給に向け、老朽化した農業水利施設の再整 備から維持管理費までを含めたライフサイクルコストを踏ま えた保全計画を策定し、計画的な対策工事により施設の長寿 命化を図っている。 ※国営造成施設 【農業水利施設の長寿命化】 造成後約 30 年が経過した揚水機 (保全計画策定:国、保全対策工事:国及び県) 揚水機の 部分更新 ※県営造成施設 (保全計画策定:県及び土地改良区等、保全対策工事:県及び土地改良区等) 【課題】 ○局所的な豪雨等により頻繁に発生する災害に対応し、迅速に 復旧するためには地域の実情にあった財政支援が必要である。 ○今後、農業水利施設の長寿命化対策を進めるに当たり、整備 補修や更新整備等に係る費用の増大が予想されるため、安定 的な財政支援が必要である。 ※ ※ 回転体の更新等による長寿命化 山形県担当部署:農林水産部 農村計画課 TEL:023-630-2506 山形県担当部署:総務部 財政課 TEL:023-630-2044 ○ -158- 国土交通省−5 社会資本等の効果的・効率的な整備・活用 【国土交通省 都市局/水管理・国土保全局/道路局/港湾局/航空局】 【提案事項】 (1)災害等から生命・財産を守る社会資本等整備や、社会資本の長寿命化計画に基 づいた整備等の推進、推進に要する財源措置 (2)災害復旧事業費国庫負担金及び地方交付税による財政措置等、頻繁に発生する 災害への対応の実態に応じた所要の財源措置 【現状・背景】 ○東日本大震災では、緊急輸送道路が落石や段差、陥没等の被 害を受け、20 数箇所で通行止めになるなど、迅速な物資輸送、 医療・応急活動等を阻害する要因となった。また、国道 347 号 は、本県北村山地域と宮城県大崎地域を最短ルートで結ぶ路 線であるが、県境部は、狭隘区間や雪崩危険箇所のため、冬 期間は通行できない状況であったため、支援物資の輸送車は 国道 47 号等を経由(迂回)せざるを得ない事態となった。 ○県内の社会資本整備は、高度経済成長の発展とともに加速し 緊急輸送道路における橋梁の耐震補強 た背景があり、多くの施設がこれから更新期を迎える。橋梁 (桁同士の連結による落橋防止対策) においては陥没による長期通行止め、河川 管理施設においては水門の開閉ができない 事態が発生する恐れがあるなど、安全・安心 が十分に確保されていない状況となってい ることから、これらの長寿命化を目的とし た計画的な施設整備・更新や耐震化等の対策 道路施設の長寿命化対策(橋梁の再塗装) が重要となっている。 【本県の取組み】 ○緊急輸送道路の橋梁の耐震化をはじめ、直轄・補助事業にか かわらず災害から生命・財産を守る河川や砂防施設等の社会 資本は、県民の安全・安心を確保し地域活性化を図るうえで 必要不可欠なものであるが、限られた予算の中での施設整備 となっている。 ○これまでの壊れてから保守する対症療法型の管理から壊れる 前に計画的に手当てする長寿命化計画に基づいた予防保全型 の管理を導入し、更新時期の延命化、管理コスト縮減、事業 費のピークの抑制を図るための計画作成を進め、社会資本全 体の事業化に努めている。 最上川 大旦川 大旦川の洪水被害(H9 年 6 月) 村山市河島 【課題】 ○今後、道路や河川、砂防、下水道、空港、港湾、都市公園等の防災・減災対策及び社会資 本の長寿命化計画の推進について、計画的な整備や補修・修繕に係る費用が増大すること が予想され、地方の実情に合った補助採択基準の緩和や補助率の引き上げ、国庫補助事業 制度の拡充、交付対象事業の範囲拡大等の財政支援の拡充、地方交付税による財政措置等、 災害対応に関する十分な財政支援が必要である。 ※ 山形県担当部署:県土整備部 都市計画課 TEL:023-630-2143、下水道課 TEL:023-630-2568、河川課 TEL:023-630-2615、 砂防・災害対策課 TEL:023-630-2635、道路整備課 TEL:023-630-2597、道路保全課 TEL:023-630-2610、 空港港湾課 TEL:023-630-2447 総務部 財政課 TEL:023-630-2044 -159-