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Vol.04(2002年1月発行)

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Vol.04(2002年1月発行)
2002.01 Vol.4
∼目次∼
ご挨拶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
発表論文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Working Report
LC/MS(/MS)を用いた環境ホルモン分析について・・・・・4
気象情報の配信・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
最近の法制度の動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
Working Report
道路交通騒音評価システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
干潟創造への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
DNA分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
環境GISの今後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
ミニ知識 タイワンヒライソモドキ・・・・・・・・・・・・・・・14
GEカレッジ活動報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
海外出張報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
<表紙の説明> 梅 伊豆大瀬崎
シオマネキ
漁場の分布図 Asterionella glacialis
ご挨拶
21世紀の環境コンサルタントの役割
21世紀の環境コンサルタントの役割
∼継続的な発展を目指して∼
∼継続的な発展を目指して∼
国土環境株式会社 代表取締役社長
田畑日出男
当社の前身である気象予報会社が設立されてから、
動や生物多様性の保全の問題や有害物質に着目
来年でちょうど50年目を迎えようとしています。その
したPOPs問題等は国境を越えた問題であると同時
間、環境部門への本格的な進出を果たし、環境科
に、途上国に対する支援を求められている緊急の
学の総合コンサルタントとして名実ともに成長するこ
課題となってきています。
とを目標に、研究施設の整備や技術開発など積極
環境問題は、今世紀中に関係者が不断の努力を
的な一歩先を見る努力を重ねてきました。最近では、
傾注しても、なお課題が残される分野です。今後の
業務が拡大している沖縄での活動の拠点となる当
環境問題は、それだけを切り離して解決できるもの
社グループビルを那覇市に建設中で、本年4月に
ではなく、社会や経済のあり方と密接に関連するも
竣工の運びとなっています。
のになると考えられます。こうした条件下、環境のコ
しかし、会社を取り巻く状況は最近大きく変化して
ンサルタントとしての当社が今世紀にどのような継
きており、周知のように、これまで我が国の成長を
続的発展の方向を模索すべきかに、日夜心を砕い
支えてきた産業に変化の波が押し寄せ、多国間で
ているのが現状であり、おおよそ次のような姿を考
の競争の激化やグローバルスタンダードへの対処
えています。
があらゆる方面で求められています。国内では、急
① 環境アセスメント、調査、環境分析等の公正な
速に進む少子高齢化や経済構造の建て直しに迅
データをもって問題の解決のため、良きアドバイザ
速に対処することが必要となっています。一方、 IT、
ーとして活動すること。
ライフサイエンス、ナノテクノロジー、さらには環境
② 技術開発に努力を傾注し、これまでの実績をも
の分野には今後の技術開発のニーズが秘められて
踏まえ、環境の再生・創造、有害物質のリスク評価
いると認識され、今世紀の産業の有望分野となって
に常に新しい分野を開拓していくこと。
います。
③ 環境に関する最新の知識・情報をとりまとめ、最
私がコンサルタントとして環境問題に携わった30
新のIT技術等を活用して発信し、環境知識の普及
年の間に問題の性質は変化し、フロンティアは拡
にも活用していくこと。
大しつづけているかに見えます。例えば、汚染の問
④ 広く国際的な視野を持ち、国際協力や海外事
題は、当初の4大公害事件に代表される危機的な
業にも積極的に参加していくこと。
ものから環境ホルモン問題のように次世代へのリス
これらの業務展開の現状と将来を図にまとめてみ
クが想定される長期的な問題に移行し、また、廃棄
ました。各位に忌憚のないご意見を伺えれば幸い
物処理の諸問題は、日本の社会を循環型社会へ
です。
転換させることを要請しています。さらには気候変
今後の事業展開
凡例
現状部門
調査部門
生態系保全・修復
売上規模 大
自動化
精度管理
将来事業
環境創造
総合
環境調査
環境の総合 コンサルタント
生物部門
有害化学物質
土壌汚染 他
環境
アドバイザー
化学部門
安
定
リスク評価
アセス・
計画部門
環境コンテンツ
事業
成
長
海外事業
情報・数値
部門
沿岸・
気象部門
沖縄新社屋
完成予想図
バイオウェザー
GIS事業 他
海外部門
売上規模 小
−1−
海外拠点
事業本部
文
論
発表
韓国
第21回ダイオキシン類国際シンポジウム inin 韓国
2001年9月9日から14日にかけて第21回ダイオキシ
ン類国際シンポジウム(21st International Symposium
on Halogenated Environmental Organic Pollutants
and POPs, DIOXIN2001)が韓国の慶州(Gyeongji :
キョンジュ)で開催されました。本シンポジウムは年1
回、各国持ち回りで開催され、ダイオキシン類をはじ
めとする有機塩素化合物の調査、分析、解析、リスク
評価、法規制などに関する国際的な情報交換の場
となっています。本年度ブロック分けされた各セクシ
ョンの名称を下記に示します。
・Plenary(全体会合)
・Analysis(分析)
・Formation & Sources(生成と発生源)
・Bioanalytical Approaches for POPs Detection(POPs検出への
生物分析手法)
・Brominated Flame Retardants(臭素系難燃剤)
・Dioxin Reduction Technologies(ダイオキシン削減技術)
・Ecotoxicology(生態毒性)
・Endocrine Disrupters(環境ホルモン)
・Environmental Levels(環境中のレベル)
・Epidemiology(疫学)
・Human Exposure(人体暴露)
・International Treaties(国際対応)
・Levels in Aquatic Environment(水生生物中のレベル)
・Neurotoxicity(中枢神経系への影響)
・Other Chlorinated POPs of Concern(他のPOPs類)
・PCDD/F Gas-monitoring Methods(排ガスのモニタリング手法)
・POPs in Foodstuff, Vegetation & Animals(食品・野菜・POPs)
・Remediation Control Technologies(汚染修復技術)
・Risk Assessment(リスクアセスメント)
・Toxicology(毒性)
・Transport & Fate(輸送と挙動)
当社では、不参加の年もありましたが、第14回か
前半と後半に分かれて参加し、3つのセクションに
ら本シンポジウムに参加・発表を行って来ておりま
おいて計6つのポスター発表(下記、【 】内は当社
す。本年は、環境創造研究所環境リスク研究セン
発表者)を行いました。
ター及び環境化学グループから松村、深海、関が
Analysis
(1) Development of Solvent Cut Large Volume
(SCLV)Injection Technique with Dual Column
Configuration for Rapid and High Sensitive GC-HRMS
Analysis -(1)Narrow Bore Capillary Column Applied
to Low Femto Gram Dioxins -【増崎,松村】
Environmental Level
(4) Dioxins in Drinking Water Treatment Process【松村】
(2) High Sensitivity Analysis With Solvent Cut Large
Volume (SCLV) Injection Technique (Ⅰ)Low
Femtogram Level Dioxins Analysis for Human Blood.
【増崎,松村】
(6) Dioxins and Coplanar PCBs in Diet Samples by
Duplicate Service Method【松村,関,泥谷,社本】
Human Exposure
(5) Use of Archived Duplicate-diet Samples to Measure
Past Dietary Exposure to Dioxins in Japan【関,松村】
(3) Relative Comparison of Commercially Available
PCB Standards【松村,増崎,関】
シンポジウム全体としては、測定方法の高精度化
の傾向と実務における重要度は必ずしも一致しな
と簡易化、リスク評価、環境ホルモン、POPs、臭素
いので注意が必要ですが、今後の方向性に関す
系化合物に関する発表が多く見られました。話題
るヒントは得られたと思います。
−2−
その他、2001年発表論文
発表年月
著者名
(当社関係者のみ抜粋)
発表先
論文名
2001年1月
大阪支店・野元ら
南紀生物第43巻第1号別冊
和歌浦で再発見されたワカウラツボ(腹足綱)
2001年1月
大阪支店・野元ら
南紀生物第43巻第1号別冊
奄美大島から記録された汽水産希少カニ類12種
2001年2月
創造研・松村徹
環境技術 vol.30
PCBの分析
2001年3月
創造研・松村ら
第10回環境化学討論会
塩素処理によるダイオキシン類の生成特性
2001年5月
創造研・松村ら
第10回環境化学討論会
水道水中のダイオキシン類化合物組成について
2001年5月
創造研・松村徹
第10回環境化学討論会
Column Switching Trap-Dual Column GC-HRMSによる
ダイオキシン類分析
2001年5月
創造研・倉本ら
第10回環境化学討論会
いくつかの液相GCカラムによるコプラナーPCBの測定
2001年5月
創造研・松村ら
第10回環境化学討論会
新しい液相の極微性カラムを用いたダイオキシン類の分
離定量
2001年5月
創造研・松村ら
第10回環境化学討論会
大気浮遊粉じん中ダイオキシン類濃度の経年変化につ
いて
2001年5月
創造研・松村ら
第10回環境化学討論会
陰膳食事試料中のダイオキシン類の分析
2001年5月
創造研・増崎ら
第10回環境化学討論会
品質管理確認試料を用いた血液中の超微量ダイオキシ
ン類分析の精度管理
2001年5月
創造研・松村ら
第10回環境化学討論会
大容量水試料濃縮装置とイオントラップ型GC/MSを用い
た水試料中のダイオキシン類測定
2001年5月
創造研・松村ら
第10回環境化学討論会
人工衛星を用いたダイオキシン類調査におけるサンプリ
ングの精度管理
2001年5月
創造研・松村ら
第10回環境化学討論会
化合物組成によるダイオキシン類測定分析結果の精度
管理
2001年5月
創造研・増崎ら
第10回環境化学討論会
市販PCB標準溶液の濃度相互比較の結果
2001年5月
創造研・池田ら
第10回環境化学討論会
LC/MSによる環境試料中のアルキルベンゼンスルホン
酸の分析
2001年5月
大阪支店・和田光明
天気 vol.48 N.5
ヨシ原焼きにより発生した雲
2001年6月
大阪支店・堀家健司
応用生態工学研究会
琵琶湖の湖岸環境に関する研究Ⅱ 沈水植物の群落面
積と季節変化
2001年6月
情報研・白井明夫
応用生態工学研究会
無土壌岩盤地における法面処理の変遷について
2001年6月
大阪支店・松本ら
応用生態工学研究会
ダム事業によるイヌワシ、クマタカへの影響に関する解
析手法の検討
水道協会雑誌67巻第10号
水道水中のホウ素とその一日全摂取量への寄与に関す
る研究
2001年
創造研・田畑ら
−3−
Working
Report
LC/MS(/MS)を用いた環境ホルモン分析について
LC/MS(液体クロマトグラフ質量分析計)の特徴
従来、環境中の化学物質の大部分は、低分子量
の有機化合物の分離・分析を得意とするGC/MS(ガ
スクロマトグラフ質量分析計)で測定されてきました。
さらに、GC/MSでは測定困難な難揮発性化学物質
や熱的に不安的な化学物質などを分析する装置と
して、高速液体クロマトグラフ/質量分析計(LC/MS
またはLC/MS/MS:四重極型タンデムMS、図1)の
利用が急速に広がっています。
図1 稼動中のLC/MS
現在、当社においてはLC/MS(/MS)で農薬、界
面活性剤(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性
剤)、フェノール類、ミクロシスチン、エストロゲン類
LC/MS(/MS)を用いた環境ホルモン分析について
の分析を実施しています。
①環境ホルモン問題に対する新しい展開
環境ホルモンのひとつ、ノニルフェノール(NP)は、
非イオン界面活性剤のノニルフェノールエトキシレー
ト(NPnEO)が分解して生成されるとされています。最近、
環境ホルモン作用をもつ、NPnEOの分解中間生成物
ノニルフェノールエトキシ酢酸(NPnEC)も環境ホルモ
ン作用を有するということが明らかとなっています。こ
のため、界面活性剤を含む、いろいろな排水が流入
する河川では、NP以外にNPnEO及びその分解生成
物の実態把握、影響評価に関する調査が必要になり
ます。NPnEO及びNPnECの測定方法検討の際、「標
準物質がない」、「GC/MSを含めた既存方法では測
定が困難」などの問題がありました。そこで、「必要な
標準物質を作る」、「測定は新しい機器(LC/MS)を使
う」という方針で検討し、NPnEO及びNPnECの測定方
法を確立しました。この測定方法を利用することにより、
いくつかの業務を実施しました。例えば、NPnECのク
ロマトグラムを示します。(図2)
②水質事故対応に対する新しい提案
河川水質事故への対応にLC/MSを使い、より広く
的確な原因物質(陰イオン界面活性剤、非イオン界
面活性剤)の特定を行っています。
図2 河川水中のNPnECのクロマトグラム
③将来必要となる測定技術の開発
NPnEC:ノニルフェノールエトキシ酢酸類
[C 9 H 19 - O - (CH 2 CH 2 O) n -1 - CH 2 COOH]
n=1∼10のNPnECが分離されている様子を示しています。
今後、LC/MS/MSによる農薬等の微量化学物質の
分析手法の検討を行う予定です。
(環境化学グループ 池田善郎、伊藤安紀)
−4−
Working
Report
気象情報の配信
気象情報システム
当社の気象情報システムは、昨年リニューアルして新
たなビジネス基盤として生まれ変わりました。新気象情
報システムは、気象庁や気象衛星(ひまわり)他データ・
ディストリビュータから受信した情報をデータベースに蓄
積します。こうして蓄積された気象情報は、社内から自
由に参照することができ、多くの業務の基盤として活用さ
れています。さらに、気象情報を活用し、ITと組み合わ
せたビジネス展開を目指して、様々な準備をすすめてい
ます。
当社が狙う気象ビジネス
・天気予報、気象データの配信
・バイオウェザーサービス(健康予報)
・気象コンサルティング・気象デリバティブ
今回は、この中から天気予報の配信をご紹介します。
国土環境㈱気象情報ページ
http://www.metocean.co.jp/weather/
天気予報の配信
当社ホームページの気象情報ページは、天気予報から
専門性の高い気象情報に至る幅広い情報を提供しており、
一般利用者から専門家まで、高い支持を受けています。
昨年の秋、気象ページを全面的にリニューアルし、さらに
使いやすくパワーアップしました。気象ページへのアクセス
数は1日あたり4∼8万ページビュー、台風シーズンになる
EzWeb
「お天気予報」のコンテンツ
と40万ページビューにも達します。今回のリニューアルでは、
会員ページを設け、利用者の個々のニーズにきめ細かく
対応すべく準備をすすめています。
一方、昨秋から携帯向けにも天気予報の提供を開始しま
した。au/EZWebの公式メニュー「お天気予報」では、一般
の天気予報に加え、位置情報サービスを組み合わせたピ
ンポイント予報、季節情報(紅葉、ゲレンデ・積雪、各シー
ズンの開花情報等)、暮らしの指数(不快指数、洗濯指数、
風邪指数)をビジュアルに提供します。
予想天気図(1週間先まで)
紅葉情報
箱根(芦ノ湖・仙石原)
色づき始め
雨 レーダ ー に よ る 降 雨 予 報 ( 3 時 間 先 まで)
ひまわり雲画像
季節情報
(IT事業推進部 宮下良治)
−5−
最 近 の法 制 度 の 動 き
最近の
環境関係の新規立法及び改正法の概要
2001年1月から6月まで150日にわたり開会された151通常国会において、環境関係で、次の4法が新規に成立
または改正されました。
1 計量法(改正)
2 PCB廃棄物処理推進特別措置法(新規)
3 フロン類の回収・破壊の確保法(新規:議員立法)
4 自動車NOx法(改正)
1
計量法改正
<背景>
・ 環境中のダイオキシン類等極微量物質の分析精度の確保の必要性。
・ 従来の環境分析の計量証明制度に加え、より高度な事業所認定の必要性。
<ポイント>
・ 計量士資格は従来と同じだが、事業所の要件強化。
・ 特定計量証明事業(環境計量の一部で極微量濃度の計量証明)の新設:当面、ダイオキシン類を対象とし、平
成15年4月以降は、計量証明に必要となる。
・ 特定計量証明事業者:ISO/IEC17025の内容に沿った認定<①技術能力②業務の実施方法③認定更新④経
験のある計量士>、(独)製品評価技術
・ ppt、ppqという低濃度単位の追加。
・ 証明書へのマーク(標章)の制度。
2
PCB廃棄物処理推進特別措置法の新設
<背景>
・ PCB類は絶縁体等の優れた性質を持った化学物質であったが、環境汚染が問題になり、昭和47年(法律上は
昭和49年に)製造と新規使用中止。その時点までで、日本の累積生産・輸入量は5万トン以上といわれる。
・ PCBを使用した変圧器等が廃棄物として保管されている(なお、一部に濃度は低いが再生絶縁油に含有され
ているものもある)。
・ 国内処理としては、①一部の紙製品、②国内製造メーカーが回収した液状PCB5500トンを兵庫県高砂市で熱
分解したのが、主な実績。
・ 保管が長期化したため紛失等の問題も発生。
・ 近年、工業製品中のPCBにダイオキシン類の一種であるCo-PCBが含有されていることが判明:放置できないと
の認識。
・ 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」も焼却の他に化学分解を認知し、処理に弾み。
・ 環境事業団事業も主体的に乗り出す。
<ポイント>
・ 対象:PCB廃棄物 → PCB、PCBを含む油、塗布物等、封入された廃棄物。
・ 保管の届出義務、保管状況の公表。
・ 期間内の処理義務(15年以内)
3
フロン類の回収・破壊確保法の新設
<背景>
・ 成層圏オゾン層を破壊するフロン類の国内新規製造・使用はほぼ完全に中止されているが、フロンを含む使用済
み製品等からの回収が課題であった。
・ 依然広がるオゾンホールの原因物質、温暖化ガスの一種としても注目されるなど、対策が急務であった。
・ 議員立法により成立。廃掃法から独立した立法である。
<ポイント>
・ 第1種特定製品
:業務用機器が対象
:冷蔵機器、冷凍機器(自販機含む)
・ 第2種特定製品:自動車のエアコン
・ 破壊業者:主務大臣の許可が必要
・ 料金:有料
4
自動車NOx法
<背景>
・ 尼崎公害訴訟一審判決で国(道路管理者)の責任(損害賠償、大気中の浮遊粒子状物質SPMの濃度に着目し、
一部の差し止めが指摘された)。訴訟自体はその後、和解したものの、一審のSPM差し止めレベルは大都市の
沿道に散在するレベルであり、道路の沿道対策が急務となった。
・ 自動車NOx法による二酸化窒素の環境基準の達成も困難であり、危機感が強まった。一方、低公害車の普及は
あまり進まず、東京都等自治体の条例の動きも加速していた。
<ポイント>
・ 対象物質(これまでNOx)に、SPMを追加(NOx等とした)。
・ 今後、対象地域に名古屋圏を追加(従来、NOxのみの指定では、首都圏、大阪圏のみ)をする方向。
・ 対象地域においては、SPMの総量削減計画も策定。
・ 特定排出基準:特にディーゼル車については今後かなりの対策が求められる内容。
−7−
道道路
路 交 通 騒 音 評 価システム
Working
Report
平成11年4月、新しい「騒音に係る環境基準」が
平成12年4月 環境庁」に従い開発いたしました。
施行されました。その後、騒音規制法第18条で規
本システムは、道路交通騒音の評価に必要な情報
定される自動車騒音の状況の監視業務は、地方自
や、評価した結果を地図上に表示する機能を有し
治法に規定される法定受託事務となっています。
ております。また、道路交通騒音対策の施策立案
当社では、自動車騒音の状況の監視のため、
に寄与するシミュレーション機能を付加することも可
効率的に道路交通騒音の面的評価を行う「道路交
能です。このため、環境保全対策、新規道路の計
通騒音評価システム」を「騒音に係る環境基準の評
画等で大いに役立つシステムとなっております。
価マニュアルⅡ.地域評価編(道路に面する地域)
機能説明
▲
メニューバー
項 目
主な機能
基 スケール
拡大、縮小、任意の縮尺による表示・出力
礎 計測
距離、面積等の計算
設 設定
評価区間、街区、測定地点、建物、道路の登録
定 編集
作成した図形の削除、変形、移動等が任意
位置関係
距離帯の判定、近接空間の判定
計 パラメータ
建物減衰パラメータの自動算出と画面表示
算 減衰計算
評価マニュアルに対応し適切な式を自動選択
推計計算
ASJ Model 1998による道路端騒音レベル算出
検 検索
評価区間、建物、測定点の検索
索 集計
計算結果、評価結果の集計機能
集 帳票作成
環境省報告様式対応、評価結果概要表等
計 データ編集
集計結果のエクセル出力、エクセル取込
評 出力結果
街区、評価区間、市町村、路線単位で出力
価 マップ作成
分かりやすい色分け表示(JIS対応)
要請限度
システムメニュー
▲
主な機能の説明
(1)基本データ設定
(2)計算機能
(3)検索・集計機能
(4)評価機能
(5)出力機能
▲
▲
マップウィンドウ
要請限度値による評価も可能
メッセージエリア
システム画面表示例
出力
①帳票
○環境省提出様式(帳票1 帳票2 帳票3)
○評価結果概要表
②騒音マップ
○区間毎/街区毎/路線毎/建物毎評価結果
・騒音レベル計算結果
・環境基準等評価結果
図 評価結果表示例
○広域路線ごと騒音状況
(環境計画グループ 植村圭司)
−8−
Working
Report
∼生き物の生息地復元を目指して∼
干潟創造への取り組み ∼生き物の生息地復元を目指して∼
干潟は生き物の宝庫
干潮時、潮のひいた干潟を歩くと様々な生き物に出
会います。河口のヨシ原近くに行けば、アシハラガニの
大群やトビハゼが泥の上を跳ねていくのがみられ、砂
を掘り起こせばアサリやゴカイなど多くの底生生物が生
息しています。春や秋にはハマシギなどの渡り鳥が訪れ、
豊富な底生生物をついばんで長い旅のための栄養を
蓄えます。
こうした様々な生物生息場である干潟は、近年の沿
岸開発に伴ってその多くが失われてきました。そのため、
ヨシ原周辺に生息するアシハラガニ
現在干潟復元に向けた事業が各方面で実施されており、
当社もその技術開発に取り組んでいます。
自然の作用と生き物の生態特性を理解し、
干潟地形を設計する
干潟地形の設計にあたっては、まずその場の自然条
件を理解することが重要です。干潟はそこだけで成り立
つわけではなく、波浪などの物理的外力や土砂供給、
河川水など、周囲から様々な作用を受けて成立するた
めです。また、生き物は種ごとの生態特性に応じ、それ
ぞれに異なる環境条件を好みます。そのため、目標と
する種の定着には、その種の特性理解と設計への反映
水陸両生生活を送るトビハゼ
が欠かせません。
創った後のモニタリング
自然は常に変化し、動いています。創造した干潟も、
初期の状態が永続的に維持されるとは限りません。そ
のため、望ましい干潟環境、生物相の維持のためには、
適性なモニタリング計画とそれに基づく調査、環境が
変化した場合の対応策の準備が重要です。
餌を探して歩くハマシギ
(環境技術グループ 三島京子)
−9−
Working
Report
D N A 分析
DNA分析とは
1993年、生物多様性の保全とその持続的な利用
そこで、すべての高等生物(動物・植物)がもつ遺
を行うことを目的として、「生物多様性条約」が発効
伝情報伝達物質である「DNA(=デオキシリボ核酸)」
され、1995年には条約の目的を実現するための基
の配列の違いを読み取ることにより、個体、地域個
本方針を定めた「生物多様性国家戦略」が閣議決
体群、種など様々なレベルにおける生物の遺伝的
定されました。
な違いを明らかにする、「DNA分析」が使われてい
そのなかでは「地域個体群」のような、同一種であ
ます。また、DNA分析は、ヒレの一部や体毛、葉っ
っても遺伝的には異なる集団を保全すること(=遺
ぱ1枚といったサンプルでも分析可能であることから、
伝的多様性の保全)も求められていますが、従来の
生物を殺すことなくサンプリングできるという利点が
外部形態に基づく分析では、その存在を把握する
あります。
ことは非常に困難です。
マイクロサテライト分析
親子鑑定(=個体の識別)DNAフィンガープリント法
●野生集団または種苗生産などにおける繁殖に参加した親個体数の推定。
●大型ほ乳類等における集団内血縁関係の推定。
高等生物の多くは、受精時に父親(精子)及び母
親子判別の場合は、DNAの中でも特に個体差の
親(卵)から染色体を半分ずつ、その子供へと受け
大きい領域を選択し、その配列の違い(実際には電
渡します。したがって、子供のDNAはどの部分をとっ
気泳動像の違い)を調べることによって、血縁関係の
ても父親か母親、または両者と同じ配列をもっている
有無を判定します。
ことになります。
子の遺伝子パターン
Ex. マイクロサテライト分析
#1
145/147
#2
176/180
#3
155/193
#4
203/211
遺伝子座
#1
親候補A(♂) 遺伝子型 141/143
親候補B(♂)
145/149
親候補C(♂)
145/145
親候補D(♂)
143/143
#2
168/178
172/180
164/166
170/178
#3
155/181
155/161
165/189
157/169
#4
199/201
203/209
195/199
205/213
139/149
143/147
143/147
145/149
174/184
176/188
176/182
170/174
149/168
173/193
151/177
157/183
199/205
201/211
205/211
203/209
遺伝子座
遺伝子型
あらかじめ、多型的であることを確認した複
数の遺伝子座(=DNA上の遺伝子の位置)を
子型と親候補の遺伝子型を比較する。
親候補の遺伝子パターン
調べ、各個体の遺伝子型を決定し、子の遺伝
すべての遺伝子座
で同じ遺伝子をもつ
親候補を検索する。
親候補E(♀)
親候補F(♀)
親候補G(♀)
親候補H(♀)
分析の結果、父親はB、母親はFであると推定される。
−10−
地域個体群の判別
●移植・放流事業における在来群と移入群との遺伝的な違いの確認。
●同胞種や生態型、品種のような種内変異型の識別(琵琶湖産コアユと海産アユなど)。
形態的な分類では同種とされる生物でも、島しょ
全管理する上でのひとつの単位とされており、種の
や山地、湖沼など地理的に隔離された集団では、
遺伝的多様性を保全するためには、こうした地域個
DNAの一部がその集団に特徴的なパターン(=種
体群を保全することが非常に重要であるとされてい
内変異)を持つことがあります。このような種内変異
ます。
をもつ集団は「地域個体群」と呼ばれ、生物種を保
種判別
●無脊椎動物は一部の魚類など、成体と幼生の形態が大きく異なる生物の種判別。
●食品や胃内容物、死体などの生物組織片の種判別。
生物種の中には、成熟個体では外部形態により
存在します。このような種であってもDNAの一部は
容易に種が判別できるが、卵や幼生期では他種と
種特異的なパターンを示す場合があり、この違いを
形態的に類似しており、種の判別が困難なものが
調べることにより種を判別します。
Ex. 電気泳動のパターン(PCR-RFLP法による)
PCR法によりDNAの特定部位を増幅し、制限酵素と呼ばれる試薬
でDNAを処理すると、種特異的な電気泳動像を示します。右の電
気泳動像には3つのパターンが表れていることから、この4つのサン
プルには、種A、B、Cの3種類が含まれていたことが判ります。(最左
列は、DNAの長さを知るための目盛り)
当社では、自動塩基配列解読装置(オートシーク
多くの分析方法は泳動度の違い(=DNAの長さの
エンサー)、大型電気泳動装置等、DNA分析に必
違い)を調べますが、本装置を用いた「直接塩基決
要な解析機器等を配備しております。下図の装置
定法」では解析操作は煩雑になりますが、塩基配
はDNAの塩基配列を読み取る装置で、一度に500-
列そのものを知ることができます。
600塩基対の長さのDNA配列を読むことができます。
自動シークエンサー
(アマシャムファルマシアバイオテク社 Long-Read Tower)
(環境生態グループ 山本一生)
−11−
特集
1
環 境 GI S の 今 後
環境G
GIS(地理情報システム)とは
GISの機能
GIS(Geographic Information System:地理情報シ
ステム)とは緯度・経度を基に、図形情報と属性情
報を統合管理するシステムです。具体的には地図
数値地図
の上に各種データを重ね合わせ、検索・表示、編集・
衛星画像他
業務アプリ
表示
加工、印刷、解析を行うことができ、カーナビゲーシ
編集・加工
GIS
調査データ
ョンシステムが身近な事例です。
GISは既に一般的な用語として定着しており、環
境分野においても一部において利用が進んでいる
ものの、ソフトの価格が高く、利用者が限られており、
印刷
解析データ
解析
トレース
画像解析
統計データ
また必要とするデータが不足しているため、未だ一
2
般的に普及・利用されているとは言えません。ワー
扱います。ベクトルデータには観測位置等を表す
プロ普及期の初期がそうであったように、現段階の
点(ポイント)データ、行政境界等を表す線(ライン)
GISは地図の清書ソフトとしての利用が多く、GISが
データ、植生区分等を表す面(ポリゴン)データで
ワープロや表計算ソフトのように誰にでも利用され
構成されます。
活用されるには至っていません。
また、GISではレイヤー(地図要素や項目毎に作
GISで取り扱う地図情報にはアナログ地図とデジ
られた地図の階層)管理により地図を自由に重ね
タル地図があり、前者はラスターデータ(画像デー
合わせて表示することが可能であり、データに様々
タを点情報の集まりとして管理され、イメージデータ
な属性情報を付加することにより特定条件によるデ
とも呼ばれます)、後者はベクトルデータとして取り
ータの抽出等が可能です。
GISで何が出来るのか
GISでは任意の点の緯度・経度表示、2点間の距
離の測定、任意図形の面積計算はもちろん、解析
機能としてはオーバーレイ(重ね合わせ解析)、ネッ
トワーク解析(最短経路の探索等)、ポロノイ分割(例
えば、学校の通学区域の割り当て)等があります。
一般に環境分野における調査、解析データは個
別の図または表として管理されていますが、GISで
はそれらをコンピュータ上で統合管理して自由に検
索し、各種の環境要因、生物データ等を重ね合わ
せて地図上に表示できるため、解析を行うための思
考プロセスを補助するツールとして、またその結果
を分かり易く表現するツールとして大変有効です。
例えば、右図に示すように、瀬戸内海のイカナゴ
の漁獲量分布と産卵場、藻場の分布、砂質の分布
などを重ね合わせて表示することにより、漁獲量と
環境要因の関係をより直感的に理解することが可
能となります。
−12−
瀬戸内海の GIS 利用例
<凡例>
イカナゴ漁獲量(赤∼ピンク色)
産卵場(青のハンチング)
砂質(茶のハンチング)
藻場(緑)
3 我が国おけるGISの現状
国・自治体の行政においては地図をベースとした
2003年度までに電子情報を紙情報と同等に扱う行
空間データによる作業の割合は70∼80%を占める
政を実現することとしており、GISは「行政の情報化
といわれており、我が国においても22省庁による地
及び公共分野における情報通信技術の活用の推進」
理情報システム関係省庁連絡会議を設置し、1996
の重要なツールとして位置付けられています。特に、
年度に「国土空間データ基盤の整備及びGISの普
国土交通省においてはバーチャルな国土や地域
及促進に関する長期計画」が策定され、基盤整備
社会をGISで構築し、公共事業等のシミュレーショ
が行われています。また、2001年6月にはIT戦略会
ンを目指した「電子国土」構想が提唱されています。
議において「e-Japan2002プログラム」が策定され、
4 Networkig GISの提案
現状のGIS利用は各個人(各部署)が独立して、
ータ(空間データの所在、内容、品質などを記述し
ローカルコンピュータに大量のデータを異なるフォ
たデータ)で管理し、異なるGISエンジンで作成され
ーマットで保有していることが多く、GISデータの流
たデータをデータ変換して流通させる仕組みが必
通を阻害している一面があります。今後は地図等の
要となります。弊社では2000年4月に、国産のGISエ
空間データの基盤が整備され、GISの普及が進め
ンジンの開発を行っている㈱ベーシックエンジニア
ばネットワーク上で自由に空間データが検索でき、
リングと共同でジーイーネット㈱を設立し、この
異なるフォーマットのデータを流通させる仕組みが
「Networking GIS」の実現をコンセプトとして、環境
重要となります。
分野へのGIS利用を積極的に推進しております。
つまり、下図に示すような「Networkig GIS」は分散
環境下にある複数の空間データサーバーをメタデ
IIMSによるNetworkingGISとクリアリングハウス
環境政策課
提供 土地被覆分類 図
データ
利用 基図、森林 計 画 図 、流
データ 域下水道計画 図
GBコンポ
IIMS/DSS
庁内LAM
メタ データ
空間
データ
GBコンポ
ダウンロード
林政課
提供 森林計画図、保 安 林 指
データ 定区域
利用 基図、道路 図
データ
出先機関、 市町村とのネッ トワ ークに よ る 連 携
環境行政支援システム
GBコンポ
検索
IIMS/DSS
空間
データ
検索
メタ データ
ダウンロード
データセン タ ー
( 衛星画 像 )
情報政策課
IIMS/DES
オーダ
地域整備課
提供 土地利用基本 計 画 図
データ
利用 基図、農業 地 域 図 、都
データ 市計画図
既存GIS
セン トラル
メタデータ
IIMS/DSS
メタ データ
空間
データ
一般ユー ザ ー
WWWサーバ
都市計画課
提供 都市計画図
データ
利用 基図、緑地分 布 図 、道
データ 路図
GBコンポ
空間
データ
既存GIS
インターネット
IIMS/DSS
情報提供
メタ データ
GeoBasic/IIMSの特徴
①ソフトが低価格
お問い合わせは
②他のソフトとの互換性を重視
http://www.ge-net.co.jp/
③NetworkingGISを実現
−13−
mini知識
河川水域に生息する希少種“タイワンヒライソモドキ”
タイワンヒライソモドキとは?
甲羅の幅が10数㎜の小型のイワガニ科のカ
ニで、河川汽水域潮間帯の転石下に生息し、
大阪湾から台湾まで記録がありますが、まとま
った個体群としては、和歌山県の紀の川が北
限であると考えられています。世界自然保護
基金日本委員会(WWF-japan)が発行した「日
本における干潟海岸とそこに生息する底生生
タイワンヒライソモドキ
Ptychognathus ishii
物の現状」(通称:干潟レッドデータブック)に
おいて、「希少種」に指定されています。
紀の川での取り組み
和歌山県の紀の川では、既存の固定堰を取り
その結果、移植した個体の定着および繁殖、次
壊して、その下流側に新たな可動堰を建設する
世代の個体の加入が確認され、人工的に新たな
紀の川大堰建設事業が進行中です。ところが、
生息環境を創造することがある程度可能であるこ
現在のタイワンヒライソモドキの生息地が、新たな
とが実証されました。
可動堰の上流側にあり、堰運用後は淡水化によ
現在は、その試験結果に基づき、より広範囲で
り生息できなくなることが明らかになったため、堰
の代替生息地の造成および個体の移植を行い、
の下流側に新たな生息地を造成することを主眼
その後の変化についてモニタリング調査を継続
とした保全対策が実施されることになりました。
しているところです。
まず、生態のほとんど分かっていないタイワンヒ
河川汽水域に生息する希少底生生物について
ライソモドキについて、生息環境や他種との関係
のこのような取り組みは全国的にも例がなく、紀
などについて、調査・研究を行いました。次に、そ
の川での取り組みが、他の河川における環境保
の調査に基づいて、試験的に小規模な場所での
全対策についての参考事例となるものと期待して
人工生息地の造成及び個体の移植を行い、その
います。
後の推移について追跡調査を実施しました。
旧来のタイワンヒライソモドキ生息地
造成した代替生息地
(なお、この業務は平成10年∼13年度に、国土交通省近畿地方整備局より委託を受けて行っているものであり、平成12年度
には優秀建設技術者の表彰を受けております。)
(生態解析グループ 野元彰人)
−14−
ッジ
レ
G E カ動 報 告
活
小中学生のための企業講師集団
小中学生のための企業講師集団
「つづき博士倶楽部」に協力!
2001年9月13日、神奈川県横浜市都筑区の川
つ企業の社員が地域貢献の一環として、区内の
和東小学校において、当社の栗本洋二常務が、
小中学校にボランティア講師として派遣される制
同校6年生を前に教壇に立ち、地球の環境問題
度ができました。これにより小中学生は一流の技
についての授業を行いました。 これは都筑区が
術に触れ、理科や科学への関心を育むとともに、
全国に先駆けて行いました「つづき博士倶楽部」
自ら興味を持って学ぶための力を育む、という教
という試みの第一弾となるものです。
育観に基づいた学習を推進できるという狙いが
2002年4月より導入される小中学校の「総合的
あります。
な学習の時間」に対応し、都築区内に拠点をも
近年、小中学生の理科離れが盛んに取り沙汰
される中、日々新技術や製品開発を研究しつづ
ける技術者の指導は明確で、まさに「実学」とい
「つづき博士倶楽部」のしくみ
▼
講座登録
小中学校
▼
講師派遣
▼
▼
企業
ったところです。当社の場合は「地球規模的な環
受講申込み
境問題から身近な家庭生活での環境問題の実践」、
「横浜の川と海の魚」、「気象の解析と天気図の
作成」など、自然に関する講座もあり、それぞれ
講師登録簿の
配布
の個性を生かした講座が準備されています。
区役所
また、地球環境カレッジ㈱では他にも中高生の
等、環境教育や地域貢献に力を注ぎ、未来の技
職場訪問や、インターンシップ制度を受け付ける
術者の育成にも取り組んでおります。
−15−
特集
海外特
海 外 特集集
UILI参加
ACIL総会、テロで中途散会!
報告:河野信子(海外環境事業部)
報告:光本育郎(海外環境事業部)
ACILとはAmerican Council of Independent
2001年9月27∼28日に、カナダのオタワ市で開催
Laboratoriesの略で、民間分析機関の団体です。当
されたUILIの役員会・総会に、日環協からの代表団
社社長・田畑が現在会長を務める 社 日本環境測定
として日環協会長・田畑(当社社長)、松村徹(当社
分析協会(日環協)のアメリカ版に相当します。
環境リスクセンター所長)、河野(筆者)の3名が当社
ACILと日環協は近年交流を深めており、お互い
から、また、他社会員を含む計6名が出席しました。
の年次総会に代表団を送るなど、活発な情報交換
UILI(Union Internationaledes Laboratoires Independants:
を行っています。今年のACIL総会では海外環境事
国際独立試験所連合(仮称))とは、アメリカ、ヨーロッ
業部の光本が日環協の事務局となり、4人の日本代
パ、カナダ等、22カ国より650会員以上のメンバーが
表団の一員として参加しました。
加盟している独立分析機関の組織であり、今回、日
総会中日の9月11日は、ニューヨークからの異様
環協も本組織に正式加盟することになったため、会
な光景のニュースを見ることから始まりました。総会
議に代表団が派遣される運びとなりました。
は結局、この日以降のスケジュールはすべてキャン
直前にアメリカで起こった事件のため、会員の一部
セルとなり、自然解散を余儀なくされましたが、それ
が急きょ欠席となり、また、北アメリカ本土での警戒
までのプログラムは濃密な内容で、日環協としては
態勢が続く緊張・混乱の状態にありましたが、日本
実りのあるものでした。詳しい報告書は日環協に提
の代表団は他国会員から大変暖かい歓迎を受ける
出していますが、一言で言えば、ACILは民間企業
ことができました。短い日程でありながら、UILIの活
が業界ルールを主体的に作って政府に承認を迫っ
動について理解を深め、また、代表会員との交流に
ているたくましい団体であるといえます。ハーパー
より他国の分析事情に若干なりとも触れたりと、貴重
会長、キャサディー事務総長を始め、尊敬すべき、
な機会でした。次回の役員会議は2002年3月ロンド
まぶしい成功者の集まりでもあります。日環協は今
ン開催を予定して閉会なりました。また、2001年10月
回から新しくACILのAffilate Member(団体会員)と
末にはUILIから代表団を派遣しているILAC
なり、より密接な関係を築いていこうとしています。
(International Laboratory Accreditation Co-operation:
テロのため帰国便の飛行機が飛ばず、1週間ほど
国際試験所認定協力機構)の会議が京都で開催さ
アリゾナに足止めとなりましたが、全員無事帰国し、
れます。ここに早速、日環協のメンバーも参加いたし
各自成果を記録に残しているところです。
ました。
左より、
日本環境㈱山本氏、当社・光本、ACILキャサディ事務総長、
日環協・山田部長、㈱日本総合科学・高田常務(副会長)
−16−
日中韓3カ国共同環境研究資料
日中韓3カ国共同環境研究資料
作成業務について
作成業務について
COP7出張報告
報告:土肥和彦(海外環境事業部)
報告:細田昌広(環境情報本部)
平川善行(海外環境事業部)
この業務は、日中韓3カ国環境大臣会合において
モロッコのマラケシュで2001年10月29日∼11月9
合意された「環境共同意識の向上」を目指して行わ
日に開催された「気候変動枠組条約第7回締約国
れました。3カ国の環境行政の中核を担う行政官が
会議(COP7)」に、財地球人間環境フォーラムととも
一堂に会して開催される共同研修プログラムの一
に、NGOとして同行し、出席しました。
環として必要とされたものです。研修生が北東アジ
COP7ではCOP6会合後のCOP6再開会合で成立
アの環境の現況、課題及その対策について共同意
したボン合意を前提に、より詳細で具体的な運用ル
識をもつための教材を英語で作成すべく、 社 海外
ールを作成、吸収源、京都メカニズム、遵守制度に
環境協力センターに出向して実施いたしました。
ついての作業が主要な議題となりました。
作成した資料の内容は、自然環境の概況、生活
COP7ではこれらの運用ルールについて各国の精
環境の汚染問題、経済指標等であり、日中韓3カ国
力的な交渉の末、おおむね合意がなされました。ア
の資料を用いてとりまとめました。中国、韓国所要
メリカの参加がなかったことが残念ですが、各国の
の資料を収集すること、及び、各国間での空間的な
合意がとれたことは地球温暖化防止に対して大き
広がりの違いや情報量の粗密があるなかで、それ
な一歩だと思います。
でも一貫性のある成果を出すことには難しさがあり
COP7の会場ではいろいろな個室で政府間交渉
ました。しかし、“日中韓3カ国共同環境研修準備委
が非公式で行われるのに並行してNGO会議も開催
員会”のご指導をいただきながら、最終的には発注
されました。NGOが主催した主なセミナーを記載し
機関の方々や委員の先生方にもお褒めの言葉を
ます。
頂戴することができました。また、この業務を通じて、
①Nuclear Energy and Public Opinion
中国、韓国の主要な環境研究機関とのパイプを一
②Energy Policy and Nuclear Power
層太くできたこと、及び、両国の主な環境情報資料
③Perspectives on JI/CDM by the Japan Private についての知識を深められたことは、今後の業務に
Sector
も大きな糧になるものと考えています。
④Japan Emissions Management Simulation
⑤Methodology Options for Project Evaluation and
Baseline Assessment
完成資料
会議場
−17−
Information
新商品紹介
ダイオキシン類等の詳細研究への第一歩!
「MEWS-2100
小型軽量化バージョン
重量:65kg(濃縮装置本体)
■ 水中の微量有機化学物質濃縮装置
誰でも簡単な操作で正確に、水試料を現場で大量濃縮(約2000l)
でき、水中のダイオキシン類やコプラナーPCB等、微量有機化学物
質の超微量分析を可能にします。従来品と比較して、約20kg軽量化
されたため運搬が楽になり、また、操作機能アップと低価格を実現し
ました。
機能UP!
運転中の運転履歴はCSVファイルで
保存しますので、サンプリングの精度
管理が容易にできます!
例)表計算ソフトで簡単にレポート作成
TAP Water Sampler System
QA/QC Report
お問い合わせは・・・・・・
販売元
300
250
200
150
イーアイエス・ジャパン株式会社
100
50
0
1999/9/1
1 13:12
1999/9/1
1 14:24
1999/9/1
1 15:36
1999/9/1
1 16:48
1999/9/1
1 18:00
1999/9/1
1 19:12
1999/9/1
1 20:24
1999/9/1
1 21:36
1999/9/1
1 22:48
EIS Japan Co.,Ltd.
−Environmental Instruments and Systems−
〒421-0212 静岡県志太郡大井川町利右衛門1334-5
TEL.:054-664-0835 FAX.:054-664-0836
環境科学の総合コンサルタント
本
西 日 本 支
環 境 情 報 研 究
環 境 創 造 研 究
東
北
支
名 古 屋 支
大
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支
九
州
支
沖
縄
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営
業
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業
社
社
所
所
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店
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店
店
所
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〒154-8585 東京都世田谷区駒沢 3-15-1
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〒421-0212 静岡県下太郡大井川町利右衛門 1334-5
〒983-0841 宮城県仙台市宮城野区原町 3-2-55
〒455-0032 愛知県名古屋市港区入船 1-7-15
〒550-0002 大阪府大阪市西区江戸堀 3-2-23
〒812-0044 福岡県福岡市博多区千代 4-29-24 三原第3ビル
〒900-0002 沖縄県那覇市曙 2-24-3 PMC事務所1階
福島、千葉、新潟、北陸、金沢、静岡、神戸、中国、四国、北九州
釜石、沖縄
電話:03-4544-7600
電話:06-6448-2551
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電話:054-622-9551
電話:022-792-2021
電話:052-654-2551
電話:06-6448-2551
電話:092-641-7878
電話:098-868-8884
ホームページURL http://www.metocean.co.jp/
(編集・発行:経営情報部広報室)
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