...

取扱説明書 - 理研計器

by user

on
Category: Documents
136

views

Report

Comments

Transcript

取扱説明書 - 理研計器
OT02-0011
超音波マルチパワー
ハッチリーク検知器
“Cygnus Hatch Sure”
MKⅡ
取扱説明書
お客様へのお願い
・ご使用になる前に、必ずこの取扱説明書をお読み下さい。
・ご使用は、取扱説明書の記載通りに行って下さい。
・保証期間の内外を問わず本製品をご使用することによって生じたいかなる事故及び
損害の補償はいたしません。補償は製品及び部品の交換の保証範囲に限ります。
・機器の異常が発見された場合は遅滞なく最寄りの営業所に連絡下さい。
〒174-8744 東京都板橋区小豆沢 2-7-6
ホームページ http://www.rikenkeiki.co.jp/
<目次>
1.製品のアウトライン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Cygnus Hatch Sure MKⅡ概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
2.機器構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
充電池・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
ハッチシュアシステム構成図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
3.ハッチシュア発信器・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
コントロール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
発信音・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
バッテリー電圧低下警告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
電源・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
4.ハッチシュア受信器・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
ヘッドホンとの接続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
バッテリー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
受信器ディスプレイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
受信器操作ボタン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
5.マイクロホンセンサーと収縮検知プローブ・・・・・・・・・・・・・・・・・16
6.操作方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
密閉値(OH)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
密閉値(OH)の設定方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
発信器テスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
7.ハッチカバー測定ガイドライン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
製品テスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
発信器の設置位置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
密閉値の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
テスト結果の記録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
8.トラブルシューティング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
発信器出力低下・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
密閉値(OH)が設定できない場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
断続的な受信器測定値・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
9.保管、サービス、校正・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
10.製品仕様・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
1.製品のアウトライン
Cygnus Hatch Sure MKⅡ概要
「Hatch Sure MKⅡ」はカーゴハッチカバーやドアの密閉強度測定を行う超音波式ポータ
ブルシステムです。本製品は持ち運びに役立つキャリングケースに収納されています。総
重量は3.8Kgであり航空機の手荷物としても手軽に持ち運びできます。送信器と受信
器はそれぞれ保護カバーに装着されています。受信器は付属の首掛け、腰掛けベルトによ
り両手を自由に使うことができ、船上での移動の安全性が確保されます。また送信器も安
全性、利便性を踏まえた肩掛けベルトが付属しています。Hatch Sure はハッチカバー密閉
度を迅速に測定し、船首、水密扉などカーゴに接する箇所やカーゴの密閉が必要とされる
隙間に使用されます。超音波測定方法はホース式測定とは異なり氷点下による環境下でも
使用できます。測定は他の船員の邪魔をすることなくカーゴ内で使用できます。
また、超音波発信出力を 6 段階に調節する切替機能を備え、あらゆる広さの空間に対応が
可能です。
本システムは19×40KHzの超音波を発信する充電器式送信器を含み、発信される超
音波は船倉内に一様に広がります。
本システムの受信器は船庫内の密閉差を音のエネルギーレベルとして表示し素早く正確に
漏洩箇所を認識します。
【注意】本製品は防爆仕様ではない為、防爆エリアでは使用できません。
2
2.機器構成
ハッチシュアキットは手軽に持ち運びできる防水タイプのソフトケースに収納されていま
す。これにより船内移動時に両手を使うことができカーゴへのアクセスが安易です。また
ソフトケースは落下しても中身を保護できるようパッドが入っており、チョーク、懐中電
灯、メモ帳などが収納できるスペースも確保されています。
5
ハッチシュアキットに含まれているアイテムは下記の通りです。
1.受信器(保護カバー、ストラップ付)
2.伸縮検知プローブ
3.マイクロホンセンサー(2個)
4.ヘッドホン(首掛けタイプ)
5.発信器(保護カバー、ストラップ付)
6.充電池(発信器用)
(12個)
7.充電池(受信器用)
(2個)
8.充電器
9.キャリングケース
3
10.2m延長ケーブル(写真掲載なし)
11.発信器用外部DC電源コード(写真掲載なし)
充電池
安全上ハッチシュアキットに付属される充電池は未充電状態で出荷致します。本製品を使
用する前に必ず充電池を充分に充電させてからご使用下さい。
充電池(発信器用)の充電方法については8ページをご参照下さい。
充電池(受信器用)の充電方法については11ページをご参照下さい。
ハッチシュアシステム構成図
ヘッドホン
受信器
発信器
発信器へリモート操作
延長採集プローブ
マイクロホンセンサー
作業者装着
船倉
4
3.ハッチシュア発信器
マイクロプロセッサー制御のハッチシュア発信器は保護ケースに収納されています。使用
する際には蓋をあけ各発信ユニットが露出するようにマジックテープで固定してください。
このケースは肩掛けベルトに固定することで船のデッキやハシゴの移動中に作業者の手を
自由に使用できるように安全性を高めています。
船倉に平坦なスペースがない場合や穀物のような積荷がある場合には下記のように4点金
具に固定して発信器を吊り下げます。
肩掛けベルトはドアや窓際で測定が必要とされる場合に床の垂直面に対して発信器を吊り
下げて使用できます。
5
コントロール
発信器上部に電源スイッチとLED電源ランプがあります。
電源スイッチ(電源 ON 時“I”側
電源 OFF 時”○”側)
LED電源ランプ
リモートスイッチ
(使用しません)
6 段階出力切替スイッチ
(MAX,5,4,3,2,MIN)
電源スイッチは発信器電源の切り替えを行います。
LED電源ランプは充電状態を示し使用時には点滅します。LED電源ランプの緑色は充
電状態が良好であり、赤色はバッテリー電圧が安定した使用には不十分であることを示し
ます。
6 段階出力切替スイッチ
超音波出力を 6 段階に切り替える事が出来るスイッチです。対象箇所の空間の大きさに応
じて最適な出力値を選択することで、正確な測定値が得られます。
大型バルクキャリアのハッチカバーの検査時は“MAX”にセットし、居住区のドアや窓、
小さな空間を検査する際は“MIN”にセットするといった空間の大きさに応じた使用方法
により、より正確な測定が行えます。
切替位置に対する出力値と測定距離目安
MAX
130dB
30m
5
119dB
25m
4
108dB
20m
3
97dB
15m
2
86dB
10m
MIN
75dB
5m
発信音
3種類の発信音が作業者もしくは発信器が作動している付近にいる人に対して発信し、製
品が不用意に電源が入っている状態で放置されることを防ぎます。
6
バッテリー電圧低下警告
発信器の電池が消耗するとLEDランプは赤くなり、この3種類の発信音は持続的な音調
から断続的な音調に変化し、作業者のヘッドホンから聴きとることができます。作業者は
発信器のバッテリー充電不足により測定ができないことがわかります。
【注意】一度バッテリー電圧が低下したら発信器充電池を交換するまで測定を中断して下
さい。
電源バッテリー
発信器はアルカリもしくはニッカド単三電池6本を必要とします。ハッチシュアキットに
は単三充電池「MaxE
2100mAh」が2セット(12個)と急速充電器が付属さ
れています。
「MaxE」充電池は最大で1年間フルチャージ状態を維持できます。(通常ニッケル水素
電池は1週間で充電の20パーセントが失われます。)そのため、充電後しばらく時間が経
過しても御使用が可能です。
【注意】
*数日間使用しない場合には発信器から電池を取り外して下さい。
*液漏れを防ぐため、高品質の電池を使用して下さい。
*新しい電池と古い電池は絶対に混合して使用しないで下さい。液漏れの原因となります。
バッテリー交換
バッテリーを交換する時は底蓋の電池蓋を取り外し新しい電池を入れて下さい。必ず電池
が正しく配置されているか確認して下さい。
7
バッテリー充電
単三電池充電器は一度に6個まで充電可能です。最大充電時間は3時間です。充電器はA
C100V~240V、50/60Hz仕様で、欧州タイプコネクタのアダプタになって
ます。
外部電源供給
発信器は12V~24VDC(0.5A)の外部電源入力が可能です。ハッチシュアキッ
トには1.8mの電源コードが付属されています。外部電源入力ソケットは下の写真のよ
うに発信器横部にありますので、収納ケースから取り出して接続して下さい。
外部電源入力ソケットは2.5mm中央ピンタイプのオス型プラグと接続できます。(逆極
性保護付)
【注意】入力電源は 12V-24VDC(0.5A)です。AC 電源出力端子等には絶対に接続しないで
ください。
8
4.ハッチシュア受信器
受信器は首掛け、腰ベルト付防水ケースに収納されているため、両手を使って作業するこ
とができます。
ジップファスナーを開きケースから取り外せるため、充電池交換が安易です。また取り外
し可能なオレンジ色の保護ゴムカバーが装着されています。
測定マイクロホンはBNCコネクタ-により受信器の裏面から接続できます。(下記)
9
受信器は拡張器が内蔵されているため、ヘッドホンに接続することなく超音波音を聴きと
れます。
ヘッドホンとの接続
受信器のソケットは3.5mmジャックプラグのヘッドホンであればどのタイプでも接続
可能です。ステレオ、モノクロ、またはシングルイヤホンでも接続できます。接続部のソ
ケットは受信器本体の右側面部にあります。
お好みのヘッドセットを使用できますが、ハッチシュアキットには安全ヘルメット着用時
でも使用できる首掛けタイプのヘッドホンが付属されています。
バッテリー
受信器は9V
PP3形アルカリ電池もしくは充電池を必要とします。本キットには「M
axE」9V型充電池が2個付属しています。
「MaxE」充電池は最大で1年間フルチャ
ージ状態を維持できます。
(通常のニッケル水素電池は1週間で充電の20パーセントが失
10
われます。)そのため、充電後しばらく時間が経過してもご使用可能です。
【注意】
*数日間使用しない場合には受信器から電池を取り外して下さい。
*液漏れを防ぐため、高品質の電池を使用して下さい。
*新しい電池と古い電池は絶対に混合して使用しないで下さい。液漏れの原因となります。
バッテリー交換
バッテリー部は受信器の裏面にあります。オレンジケースから受信器を取り外しカバーを
開けて下さい。
バッテリー充電
バッテリー充電器は9V
PP3形充電池を充電できます。最大充電時間は5時間です。
充電器はAC100V~240V、50/60Hz仕様であり、欧州タイプコネクタとア
ダプターが付属されています。
受信器ディスプレイ
大画面LCD表示は暗い場所でも画面が明るく表示されます。受信した超音波シグナルレ
ベルは音量値(dB値)とバーグラフ両方同時に表示されます。
11
1.電池残量サイン (Battery Level)
充電状態を表示します。黒のバーグラフが充電量を示し、電池残量が減るにつれてバー
グラフの表示が左に減り、電池が無くなると警告メッセージが表示されます。
2.電池タイプ (Battery Type)
充電池(R)か乾電池(D)のどちらが選択されているかを表示します。
3.測定値 (Signal Level)
超音波測定の現在値を表示します。
4.ピーク値 (Maximum Signal Level Measured)
ピーク値(最大値)が表示されます。これは最大漏洩箇所を探す場合に役立ちます。
5.OH値校正またはdB
Ref値 (OHV cal or dB Ref value)
この数値は100%密閉値(OH)を設定するために使用される校正値と参照値を表示
します。
6.測定値サブ表示 (Alternate Signal Level)
測定値のサブ表示(別測定単位)をします。音量値(dB)を本体ユニットで選択した
場合この数値は密閉値(OH)を表示します。
7.測定単位 (Measurement Units)
音量値(dB)か密閉値(OH)のメイン測定単位を表示します。
12
8.測定バーグラフ(Signal Level Bargraph)
測定バーグラフとして表示されます。これはバーグラフで漏洩箇所増減の検知・確認す
る時に役に立ちます。
9.スピーカー/ヘッドホン音量(Speaker/Headphone Volume)
現在の音量値を表示し、音量は垂直に表示されるほど高くなります。
受信器操作ボタン
Remote
(使用しません)
OH/dBスイッチ(表示切替スイッチ)
表示内容を密閉値(OH)か音量値(dB)の切り替えをします。
HOLD/MAXスイッチ(ピークホールドスイッチ)
現表示画面のままにホールドします。再度ボタンを押すとホールドが解除されます。表
示画面がホールドされている場合、表示画面上部に「HOLD」が表示されます。
13
3秒間押し続けるとピーク値(最大値)がリセットされます。この場合、「RESET
AX」が表示されます。
POWERスイッチ(電源スイッチ)
スイッチを押すと機器電源が入ります。再度押し続けると電源が切れます。
Backlightスイッチ(バックライトON/OFFスイッチ)
表示ディスプレイのバックライトを点灯させます。
SET
OHスイッチ(100%校正スイッチ)
押し続けると、100%密閉値を設定します。
Volume
Increase/Decreaseスイッチ
(スピーカー/ヘッドホン音量調整スイッチ)
2dB単位でヘッドホン/スピーカーの音量調整ができます。
14
M
発信器テスト機能
「Volume
Key」スイッチを同時に押し続けると送信器測定機能が開始します。
バッテリータイプの設定
受信器は充電池、乾電池どちらでも使用可能です。バッテリー残量を正確に表示させ、
残量が低下した時には9V形電池を使用することができることに注意して下さい。受信器
の画面上部には「R」か「D」が表示されます。表示切り替えをするには「OH/dB」
スイッチと「HOLD/MAX」スイッチを画面の表示が切り替わるまで同時に押し続け
て下さい。
15
【注意】異なる電池を使用すると受信器の測定値に影響を与えます。
5.マイクロホンセンサーと収縮検知プローブ
マイクロホンセンサーはカーゴハッチ密閉部付近の漏洩個所を探す為に使用されます。全
長200mmステンレス製のマイクロホンセンサーは柔軟に曲げることができます。
16
【注意】マイクロホンセンサーの先端部は水中に浸す等の行為はしないでください。先端
に水が溜り超音波を妨げる事があります。
収縮検知プローブはハッチ密閉部の隅々まで測定ができるように付属されています。この
プローブは1.2mまで延ばすことができ、マイクロホンセンサーとBNCコネクタで接
続できます。
17
マイクロホンセンサーと収縮検知プローブの接続
2m延長ケーブル
ハッチシュアキットに付属の2m延長ケーブルは収縮検知プローブに問題が発生し修理や
交換が行われている間に使用します。
マイクロホンセンサーの検査
マイクロホンセンサーは発信器テストによって検査することができます。マイクロホンセ
ンサーに不具合があり発信器テストが不合格の場合、他のマイクロホンセンサーと比較検
査を行い、使用したマイクロホンセンサーに問題にあるか確認します。
18
6.操作方法
密閉値(OH)
密閉値(OH)はハッチカバーが完全もしくは部分的に隙間がある場合に受信器側で確認
する超音波レベルです。測定値は100%校正値に設定し、漏洩個所測定はパーセンテー
ジ表示されます。
密閉値(OH)の設定方法
マイクロホンセンサーが正しく設置され、発信器が通常通り操作できるか確認して
1.
2.
ください。
「SET
OH」スイッチを押し続けて
下さい。
OH
超音波レベルが弱い場合には「SIGN
AL
TOO
LOW」メッセージが表
示されます。
3a ・発信器の電源は入っていますか。
・マイクロホンセンサーは接続されてい
ますか。
・発信器を動かしてみましたか。
超音波レベルが許容範囲内であれば、測
定値の校正を行い「MEASURING」
メッセージが表示されます。進行バーグ
3b ラフにより測定進行状況が確認できま
す。
測定校正値が決まると、表示画面には1
00%に設定された測定値(OH)と密
4.
SET
閉校正値(OH
CAL)が表示されま
す。
19
必要に応じて「UP」、「DOWN」ス
イッチで校正値を調整します。密閉校正
5. 値(OH
CAL)は1単位で変更でき
ます。
2秒間スイッチを押さないとLCDディスプレイは通常測定画面を表示し、密閉校
正値は適用され保存されます。
6.
この設定された密閉校正値は記録として保存され、受信器電源がオフになるか電池
が取り外されるまで保持されます。
発信器テスト
受信器から各発信ユニットが十分な超音波量を放出しているかテストできます。これは通
常測定開始時に行われます。
発信器電源をオンにする。
1.
2.
マイクロホンセンサーを受信器に接続してください。採集プローブを使用しても
構いません。
「UP」、「DOWN」スイッチを押し
続け、画面に「Emitter
3.
Tes
t」表示させます。
各発信ユニットの上にマイクロホンセ
ンサーを固定し、受信器ディスプレイの
数値を確認して下さい。
4.
20
40%以上の数値であれば発信状態が
良好であり、「OK」メッセージが右隅
5.
に表示されます。40%未満の場合には
潜在的に発信ユニットに問題が生じて
いることを表します。
6.
7.
8.
多少数値は変動しますが問題ありません。また各発信ユニットの超音波レベルに
は若干の誤差がありますが問題ありません。
発信ユニットが数か所機能しない場合でもハッチカバー測定を行うことができま
すが修理が必要です。
テストが終了したら、スイッチを押し「Emitter
出して下さい。
21
Test」画面から退
7.ハッチカバー測定ガイドライン
ハッチカバー測定にはトレーニングと経験が必要であり、それにより作業者が様々な状況
や船種に対応できるようになります。そのため一般的なハッチカバーテストに対する具体
的なガイドラインを示すことはこの取扱説明書の範囲外ですが、ハッチカバーを題材とし
た冊子やその背景を題材とした冊子がありますのでご参照ください。
1. Hatch Covers. Operation, Testing and Maintenance by Mike Wall
(ISBN 13: 978-1-85609-344-6)
2. Hatch Cover Inspections: A Practical Guide by Walter Verlvloesem
(ISBN 1870077628)
製品テスト
発信器テストを実行し、各装置が正しく機能するか確認してから測定を開始して下さい。
発信器の設置位置
船倉は中央に大梁や甲板のような障害物がある場合や、長細く形成されている場合など多
種多様であるため、発信器を正しく設置することは正確な測定をする上で重要です。超音
波量は19個の発信ユニットから直線上に放出され、発信器から離れるにつれ三角形を形
成していきます。19個の発信ユニットは放射状に均等に配置されているため、音声エリ
アは広範囲を網羅しています。
しかしながら、船倉のような密閉された空間では超音波はより均等に広がります。15m
×25m×6m(L×W×H)の場所で発信器が中央に置かれ場合、フロアの端で測定さ
れた最低値は参考値から-20dB低くなりました。
側面から見た超音波拡散パターン
22
斜面から見た超音波拡散パターン
発信器を設置する際、一定の超音波音が全体のハッチ密閉部の裏に届くようにして下さい。
内部に超音波を阻害する障害物がある場合や音の聞こえない場所がある場合には発信器を
移動させ再度試して下さい。
しかしながら、超音波はほとんどの場所は貫通しますが、平坦な鋼鉄面に跳ね返り貨物の
ような柔らかい物質によって吸収されてしまいます。
最も単純なケースでは内部障害物が存在しない四角形の船倉になります。このケースでは
発信器は船倉の中央に設置され、発信器を移動させることなく測定できます。
23
甲板が設置されている場合
船倉に甲板が設置されている場合、超音波は表面を跳ね返りながら移動するため、甲板上
部の超音波レベルは弱くなります。可能であれば、発信器は甲板部のハッチエリアに置い
て下さい。
中央大梁が設置されている場合
船倉に中央大梁がありハッチカバーが2つある場合、ハッチカバーごとに別々に測定して
下さい。
24
長船倉の場合
長細い船倉では四角形に測定セクションを分割して測定を行って下さい。発信器は第一セ
クションの中央に設置します。漏洩測定は通常通り密閉値(OH)で測定し、次に第二セ
クションの中央に発信器を設置して同様に測定を行います。
密閉値の設定
密閉値(OH)の目的は現在の超音波量を使用して100%の参考値を設定することです。
これはパーセンテージで表示することで検知される漏洩個所を評価できます。例えば、1
0%OH以上の漏洩は暴雨に耐えられないと評価できます。
密閉値(OH)を設定するときは1つのハッチカバーを部分的に開いた状態にし、測定マ
イクロホンを発信器上部の隙間に直接入れられるようにします。
25
発信器への超音波が障害されない限り、船倉へのアクセスハッチからの測定は密閉測定値
と近い結果になることが証明されています。
アクセスハッチを利用したOH値の設定
密閉値(OH)を設定する際は下記ご注意下さい。
1.強すぎる超音波量(発信器に近すぎる、もしくはカーゴエリアが小さすぎる)
受信器入力部に超音波エネルギーが溢れ、受信器が密閉値(OH)を設定できないと
判断します。
2.弱すぎる超音波シグナル
(受信器が発信器から離れすぎている、もしくはカーゴエリアが大きすぎる)
超音波量が密閉値(OH)の設定に必要な最低値を達してない可能性があります。こ
の場合測定エリアをいくつかのセクションに分割することを検討して下さい。また発
信器テストで発信器が正常に機能しているか確認してください。
漏洩聴取
密閉値(OH)が設定され、ハッチカバーとアクセスハッチが密閉されると漏洩検知を開
始できます。ハッチカバーが完全に密閉されていないとハッチカバーの角やヒンジ部の結
合部付近から漏洩を検知する微量の超音波音が聴きとれるかもしれません。船庫の通気カ
バーがクリートされていない場合があり、その場合も超音波音を聴きとれます。漏洩検知
の超音波音が全く聴こえない場合には発信器の電源を確認してください。
ヘッドホンを使用して結合部付近の漏洩部を探すことが一番素早い測定方法です。超音波
音を受信器画面に登録される前にヘッドホンで聴きとれるからです。一度超音波音を聴い
たら作業を止め、漏洩部の位置を正確に把握しマーキングしてください。
26
ハッチカバー結合部の測定
ピンポイントリークチェック
27
ヒンジ部の測定
テスト結果の記録
ハッチカバー測定を行っている間に漏洩検知された場所のマーキングや記録方法は測定す
る機関によって異なります。そのため、フォーマットの推奨はありませんが一般的なフォ
ーマットは下記の通りです。この情報に追加して作業者は常に密閉校正値(OH
CAL)
と密閉校正値設定後に得られる参照音量値(dB)の記録することをお勧めします。
28
8.トラブルシューティング
発信器出力低下
受信器を使い全発信ユニットの出力テストを行い異常がないか確認してください。発信器
は最大2ユニット故障しても使用できますが、3ユニット以上の場合は発信器の修理を検
討してください。
発信ユニットに水が入っていませんか。水が発信ユニットに入り込んだ場合超音波出力部
は故障します。水分を取り除き、発信テスト活用し各ユニットが正常に機能するか確認し
て下さい。
密閉値(OH)の設定ができない場合
超音波音が大きすぎませんか。受信器が62dB以上を表示した場合発信器に近づきすぎ
ています。
超音波音が小さすぎませんか。受信器画面に「SIGNAL
TOO
LOW」が表示さ
れた場合、再度密閉値を設定して下さい。考えられる原因は下記の通りです。
1.カーゴエリアが大きい(長い)場合、発信器から離れすぎているかもしれません。ま
たは超音波量が密閉値の設定に必要な最低値に達していないかもしれません。この場合、
測定エリアをいくつかのセクションに分割することを検討して下さい。
2.発信器出力テストを実行し、発信器が正しく機能しているか確認して下さい。
3.マイクロホンセンサーが故障していませんか。水やオイルに浸透していませんか。ハ
ッチシュアキット付属品である別のマイクロホンセンサーを使用して試して下さい。
【注意】マイクロホンセンサー部に雨水等が溜まっている場合は、正しく測定できない場
合があります。その場合はマイクロホンセンサー部の水を除去してください。
断続的な受信器測定値
測定中受信器の測定値が断続的に途切れる場合、下記原因が考えられます。
1.別の超音波の発生があれば遮断して下さい。受信器は Hatch Sure 製発信器の超音波量を
検知しますが、同じ周波数で別の超音波量が検知される場合があります。ヘッドホンを
使って認識された超音波量を聴き取ってノイズの原因を探り遮断するか音が出ないよう
にして下さい。
2.伸縮検知プローブかマイクロホンセンサーに問題があるかもしれません。ハッチシュ
アキット付属品の2m延長ケーブルを使用して伸縮検知プローブに問題があるか確認し
て下さい。また別のマイクロホンセンサーを使用して下さい。
29
9.保管、サービス、校正
クリーニング
*製品と付属品を湿らせた布できれいにして下さい。
*研磨材を使用しないで下さい。
*溶剤を使用しないで下さい。
*クリーニング中に製品を液に浸さないで下さい。
バッテリー
*数日以上使用しない場合には電池を取り外して下さい。
*液漏れ対策の電池だけを使用して下さい。
環境
*製品を液に浸さないで下さい。
*60℃以上の温度にさらさないで下さい。
*長時間高湿度の所に置かないで下さい。
修理
本製品はお客様が修理できる部分はありません。修理が必要な際は弊社までご連絡願いま
す。
アフターサービス
Cygnus Instruments 社の製造工場によるサービスが可能です。
必要な際は弊社までご連絡願います。
【注意】バッテリー、ケーブルを含んだハッチシュアキット全体で必ず発送して下さい。
本製品は原理上劣化部分が少なく、測定中に起きる問題のほとんどは製品の使い方が原因
です。しかしながら、修理で製品を返却する場合にはサービス向上の為、問題の詳細をお
知らせください。
校正
ハッチシュア製品は出荷時に校正、検査を行い検査成績書が発行されます。全測定機器と
同様に、定期的に仕様の範囲内で測定できるか確認することが重要です。
Cygnus Instruments 社もしくは正規代理店で製品の全体的な確認テストと校正を行い、検
査成績書が発行されることをお勧めします。サービス確認内容は以下の通りです。
1.発信器出力機能
2.発信器各ユニット部
3.受信器感度
4.マイクロホンセンサー感度
5.充電池コンディション
6.ケーブルコンディション
30
10.製品仕様
表示器
型式
寸法
質量
電源
連続使用時間
保護等級
温度範囲
表示
機能
保証期間
Cygnus Hatch Sure
110mm(幅)×185mm(高さ)×45mm(厚み)
約 500g(電池含む)
9V PP3 電池 2xMaxE(充電タイプ)
4~5 時間(充電池) 8~9 時間(アルカリ電池)
IP65(本体のみ)、IP66(ソフトケース収納時)
使用温度範囲:-10~+50℃
保管温度範囲:-10~+60℃
LCD(5×3cm)、
バックライト機能付き 0~100 OH%(ハッチ開放時の基準は 100 OH%)
OH% /dB 表示切り替え(メイン表示、サブ表示)、ピークホールド、
バックライト ON/OFF、音量調整、校正機能(オープンハッチ
レファレンスレベル設定) 注)OH とは Open Hatch
3 年間
マイクロホン式超音波検知ヘッド部及び伸縮自在プローブ
検知ヘッド部
プローブ(4 段伸縮式)
延伸時:最長約 1.2m
長さ:24cm
寸法
寸法
(ケーブル長 0.95m は含まず)
直径:15mm
収納時:約 36cm
材質
ステンレス蛇腹タイプ
接続口
BNC コネクター
接続口
BNC コネクター
重量
約 300g
保証期間 1 年間
保証期間 1 年間
発信器
寸法
質量
120mm(幅)×150mm(高さ)×90mm(厚み)
680g(電池含む)
単 3NiMH 充電池 2100mAh 6 本(または、単 3 アルカリ電池 6 本)
電源
外部入力電源 12-24VDC(1A)接続可能
連続使用時間 約 4.5 時間
充電器
100-240V、50/60Hz 充電時間約 1 時間
保護等級
IP40(ソフトケース収納、超音波発信素子部は露出状態)
発信素子
40kHz 超音波発信(直径 16mm)×19 個
発信力
毎分 130dB
温度
使用温度:-10~+50℃
保管温度:-10~+60℃
電源表示(LED)緑色点滅時電源 ON、正常、赤色点滅時電源容量低下
機能
動作確認ブザー:断続ブザー音 3 回
電池電圧低下ブザー:連続
保証期間
3 年間
ABS,NK,CE,BS EN60945:2002(海事航路交信機器及び装置に対する一般要
適合規格
求、試験方法及び要求事項)
環境適合
RoHS,WEEE 適合
31
お客様へのお願い
・ご使用になる前に、必ずこの取扱説明書をお読み下さい。
・ご使用は、取扱説明書の記載通りに行って下さい。
・保証期間の内外を問わず本製品をご使用することによって生じたいかなる事故及び損害
の補償はいたしません。
補償は製品及び部品の交換の保証範囲に限ります。
・機器の異常が発見された場合は遅滞なく最寄りの営業所に連絡下さい。
本社
理研計器本社
〒174-8744 東京都板橋区小豆沢2-7-6
℡ (03)3966-1111㈹
営業所・出張所
札
仙
鶴
宇
水
埼
千
神
厚
浜
名
四
金
大
神
水
四
広
徳
福
熊
大
都
奈
古
日
幌
台
岡
宮
戸
玉
葉
川
木
松
屋
市
沢
阪
戸
島
国
島
山
岡
本
分
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
℡
(011)733-7505㈹
(022)722-7835㈹
(0235)28-3156㈹
(028)684-1181㈹
(029)306-9321㈹
(048)548-8711㈹
(043)214-3565㈹
(044)355-8631㈹
(0463)92-6971㈹
(053)437-9421㈹
(052)411-3636㈹
(059)333-7221㈹
(076)226-8247㈹
(06)6350-5871㈹
(078)261-3031㈹
(086)446-2702㈹
(0897)37-3775㈹
(082)875-4151㈹
(0834)28-6144㈹
(092)691-6372㈹
(096)373-1230㈹
(097)523-3811㈹
製造元
Cygnus Instruments Ltd
▪ Cygnus House ▪ 30 Prince of Wales Road ▪ Dorchester ▪ Dorset ▪ DT1 1PW ▪ United Kingdom
Tel: +44 (0)1305 265533 ▪ Fax: +44 (0)1305 269960 ▪ Web: www.cygnus-instruments.com
32
Fly UP