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レポート
永廣ゼミⅡ
インゼミレポート
「公的年金制度の問題点」
チームストレッチマン
板倉雄紀・織田恭人・木田美也子・絹谷典子・佐々木優
竹内佳孝・椿原保裕・福永司・政井雄太
はじめに
私たちは1年間、ゼミを通じて年金について学びました。勉強をしていくうちに、年金
の複雑さが原因かもしれませんが、いかに私たちが年金について知らなかったのかがわか
りました。また昨今、年金関連の問題がクローズアップされています。諸問題を抱える年
金、学ぶまで良く知らなかった年金について、もっと知る必要があると思いました。
1、公的年金制度の仕組み
まず公的年金制度の仕組みから見てみます。
日本の年金制度は保険料を25年以上支払うと年金が受給できるという制度となってい
ます。図1で示すように、第一号被保険者とは、20歳以上60歳未満の自営業者や学生、フ
リーターが対象であり、国民年金制度に加入し、定額の国民年金保険料を支払います。保
険料は月額約1万4千円で、老後受け取れる年金は満額で月額約6万6千円です。
次に、第二号被保険者は、対象はサラリーマン・OLと公務員で、国民年金にプラスし
て厚生年金または共済年金に加入します。厚生年金とはサラリーマン・OLが加入する年
金制度で、共済年金は公務員や私立の学校教員が加入する年金制度です。保険料は収入に
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応じた額で、現在は収入の約13.9%を本人と会社が半分ずつ支払います。保険料は給料か
ら天引きされるので、保険料の未納は起こりません。老後受け取れる年金は、基礎年金月
額約6万6千円に、保険料の支払いに応じた額が上乗せされます。ちなみに平均的なサラリ
ーマンで月額10万円程度です。そして、第三号被保険者は、第二号被保険者の被扶養配偶
者が対象です。第三号被保険者の場合は保険料を支払うことなく、老後は基礎年金の月額
約6万6千円を受け取ることができます。
最近では少子高齢化が進み、現在は現役世代3人で1人の老人を支えていますが、5年後
には1.2人で1人の老人を支えることになります。つまり保険料を払う人の負担が増え、保
険料の上昇が懸念されています。
2、保険料未納問題・年金記録漏れ問題
このように複雑な年金制度においては、さまざまな問題が生じています。その中で、保
険料未納問題、年金記録漏れ問題を取り上げたいと思います。
まずは、保険料の未納問題です。保険料の未納は年金財政を圧迫し、そのため保険料の
引き上げや給付額の引き下げを行わなければいけなくなります。よって、未納者の分をま
じめに納付してきた人や、まじめに納付している人が負担させられることになります。ま
た、個人の面から見ると、老齢年金の受給資格は保険料納付期間と保険料免除期間の合計
が25年以上となっているので、未納にしておくと、老後の生活を保障してくれる老齢年金
の受給額がゼロとなってしまいます。遺族年金や障害年金の受給資格も保険料納付済み期
間が加入期間の3分の2以上となっているので、保険料を未納にしておくと老齢年金だけで
なく障害年金や遺族年金の受給資格も得ることができなくなります。これらのことから、
保険料の未納は問題視されています。
2006年度末時点での未納者数は約322万人で、第一号被保険者に該当しているけれど加
入手続きを行っていないため第一号被保険者として把握されていない未加入者の18万人
を合わせると、約340万人が年金を納めていないことになっています。この340万という数
は公的年金加入対象者数7059万人の4.8%に過ぎず、国民の多くは年金を納付しています。
しかし、第1号被保険者が保険料を納付する国民年金の納付率は、2005年度より0.8ポイン
ト低下した66.3%となり、およそ3人に1人が保険料を納付していない状況で、政府の目標
納付率74.5%にも8.2ポイント届いていません。また、図2の年齢階級別納付率のグラフを
みても、ほとんどの階級で平成17年度の納付率より低下しています。さらに、55~59歳の
納付率79.3%が最も高く、25~29歳の54.2%が最も低くなっているように、若い年齢階級
に行くほど納付率が低くなっているのが分かります。
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年金未納の要因については、1つ目の要因として、年金制度の複雑さがあります。例え
ば、普通のサラリーマンは厚生年金に加入しているため、本人が意識しようとしまいと、
保険料は給料から天引きされます。しかし、会社を辞めた途端に、国民年金への切り替え
や保険料の支払いを自分でやらなければいけなくなります。したがって、会社を転職する
場合でも、会社を移る間の空白期間だけ、国民年金に加入しなければなりません。このよ
うに働き方が変わると、加入する年金の制度も変わるといった複雑さがあります。2つ目
の要因として、フリーターなどの低所得者の存在が挙げられます。フリーターは労働時間
や年収が厚生年金の加入基準より少なく、ほとんどの場合、国民年金の加入対象となって
いますが、加入の必要があることを知らない場合も多いです。また、知っていても、低所
得で月額1万円あまりの保険料を支払い続けるのは容易ではないという現状があります。3
つ目の要因としては、年金制度や社会保険庁に対する信頼の低下が挙げられます。保険料
の未納者の増加や少子高齢化で負担が増加することが予想され、年金制度への不信感が高
まっています。また、今回の社会保険庁の保険料記録漏れ問題や市区町村職員の保険料の
着服により、社会保険庁への信頼が低下しており、保険料を支払わなくなる人が一層増え
るのではないかと思います。
次に説明するのは、今世間が最も話題にしている年金の記録漏れ問題についてです。ま
ず、記録漏れ問題とは我々の年金記録を管理している社会保険庁のデータに、年金記録が
正しく記録されていないという問題のことです。2007年5月に国会の社会保険庁改革関連
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法案の審議中に社会保険庁のオンライン化されたデータ(詳しく言うとコンピューター入
力した年金記録)にミスや不備が多いことがあきらかになったり、国会やマスコミにおい
て社会保険庁の年金記録のずさんな管理が指摘され、国民から批判されるようになったこ
とが問題の始まりです。そして、この問題は第21回参議院議員通常選挙で与野党の逆転を
招いた原因の1つといわれています。そもそも何故このような問題が起こってしまったか
というと、結婚や転職などで複数の年金番号をもっている人が多かったと考えられていま
す。それを解消するために1997年から基礎年金番号が導入されて「1人に1つの番号」とさ
れるようになりました。
この記録漏れによる問題としては、まず本来支給されるべき年金が一部受け取ることが
出来ないということがあります。最悪の場合年金が全くもらえなくなり、障害年金や遺族
年金も要件を満たさないので支給されないといった問題が出てきます。このようなことが
起きてしまっては社会保障であるはずの年金があてにならなくなってしまいます。
ここで、例を出して記録漏れの影響について説明したいと思います。国民年金の満額は
年間で約80万円です。例えばAさんは40年間保険料を払っていたとします。しかし記録漏
れが10年間ありました。この場合本来80万円受け取れるはずの年金が60万円になってしま
い年間で20万円の減額になります。しかもこの減額は一生続くことになります。このとき
仮に平均寿命を80歳とするともらえる年金の差は300万円の差になってしまいます。一方
Bさんは保険料を支払った期間が30年だったとします。本来満額80万円の4分の3の約60
万円から更に記録漏れ分の10年分減額されるので「40万円受け取れる」と普通は思います。
しかし実際は0円となってしまいます。
年金制度は原則25年間保険料を支払わないとまったく年金は受け取れないのです。Bさ
んの場合、保険料を支払った30年から記録漏れがあった10年間を引くと、20年間しか支払
っていないことになるので、まったく年金を受け取ることが出来なくなるのです。さらに
万が一障害を負った場合、Bさんは本来受け取れる障害年金も受け取れなくなる可能性が
あります。そもそも障害年金は、原則保険料を支払った期間が加入期間の3分の2以上必要
になるのです。このように記録漏れの影響は老後に大きなダメージを与えることになりま
す。
次に年金記録漏れ問題がおこった背景を見てみましょう。記録漏れが起きた理由は主に
コンピューター化によるものです。1980年代、年金情報は台帳管理からシステムに移行し
ました。その際に台帳に記載されていた年金データをすべてシステムに入力し直すという
作業が生じました。このデータの入力はすべて手作業であったため、相当数の入力漏れや
入力違いがあったと考えられます。台帳に記載されている氏名、生年月日、加入時期など
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をオペレーターが入力するので間違いがあるのは当然だと思います。そのため、データ移
行やデータ入力では二重三重のチェックを行うべきなのですが、生年月日が記載されてい
ないといった基本的な誤りや、5000万件超の大量の不明な年金記録があったので、チェッ
クが十分に行われなかった可能性があります。
不明年金記録の中で起こりやすい例をあげてみると、最も多い例は転職経験のある人で
す。若い頃に転職をして、年金番号を複数持っているケースで転職を繰り返したり、その
間に国民年金に加入していたりして、年金番号を3つ以上も持っている人も多くいます。
この場合は自分の氏名、生年月日、過去に努めた会社名とその所在地、おおよその加入期
間が一致すれば、細切れの加入記録をすべて統合してもらえます。しかし、過去の記録が
曖昧だったため、裁定請求時に統合されずに宙に浮いてしまった記録がたくさん残ってい
ます。
次に多いのは結婚して苗字が変わった人です。多い例は、若い頃2、3年OLとして働い
て、その後結婚して扶養家族になった場合です。OL時代の年金はもらえないものと思い
こんでいる人が多く、扶養家族になった時に新しい番号をもらうと、OL時代の番号が宙
に浮いた状態になります。60歳の裁定請求時にも名字が変わっているため、そのまま発見
されない確率が高いとされています。
そのほかにも学生時代に親が国民年金の保険料を払ってくれていたというケースや、就
職した際に新しい年金番号をもらい、学生時代の番号が統合されずに宙に浮いているケー
スが多いです。また、一番厄介なのは、名前が読み間違えられやすい人です。これは、1980
年代の社会保険庁の年金記録コンピュータオンライン化作業のとき、誤った名前でデータ
登録されてしまい、97年の基礎年金番号が付与されたときにも気が付かれず今日に至って
しまった場合です。社会保険事務所で記録照会をしても、名前が違うために発見されにく
いのです。
この不明年金問題を打開すべく制定されたのが年金時効特例法案です。この法案は年金
記録の管理に対する国民の信頼を確保することを目的としています。内容を簡単にまとめ
ると、年金記録の訂正による年金の増額分は、時効により消滅した分を含めて本人または
遺族に対し、年金の時効である5年より以前の年金の支払いを行うというものです。これ
は2007年7月6日から施行されており今後の動向が気になります。
3、政府の対応策
それでは、そのような保険料未納問題、年金記録漏れ問題に対する政府の対応策はどの
ようなものでしょうか。まず、保険料未納問題に対する政府の取り組みから見てみたいと
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思います。
主な取り組みとしては、保険料を滞納している者に対する納付督励です。この取り組み
は、まず、納付期限の翌月から年6回にわたり催告状を送付します。そして、催告状を送
付したにもかかわらず滞納する者に対しては、夜間や休日を中心に電話による納付督励を
行います。それでも保険料を納めない場合は、短期未納者には国民年金推進員、長期未納
者や納付拒否者には職員が戸別訪問して制度の趣旨、義務を説明し、保険料納付を督励・
徴収を行います。その上で保険料を支払わない悪質な未納者に対して、社会保険庁は強制
徴収の大幅な拡充を打ち出します。強制徴収は、(1)最終催告状の送付
送付
(3)財産の差し押さえ
(2)督促状の
という手順で行われます。最終催告状を送付し、戸別訪
問により納付督励を行ったにもかかわらず保険料を納付しない滞納者や、納付約束をしな
がらもこれを履行しない滞納者に対しては、督促状を発行します。督促状を発行し、更な
る納付督励を行ったにもかかわらず、指定期限までに保険料を納付しない滞納者に対して
は、財産調査を実施した上で、財産の差し押さえ等の滞納処分を実施していくこととして
います。従来、強制徴収は例外的な措置でしたが、未納問題の深刻化で2006年度から積極
的に活用され始めました。
社会保険庁によると、2006年12月末で、最終催告状の送付件数は25万件を超え、財産差
し押さえは約1300件に上りました。催告状の送付件数は、2006年度末には35万件程度に
増える見通しです。2007年度は対策をさらに進め、市町村の所得情報を活用し、「所得が
あるのに保険料を払わない」というケースのうち、特に悪質な約60万件に対象を拡大して
いきます。社会保険庁は2007年度の保険料納付率の目標を80%としていますが、2005年
度末の保険料納付率は67・1%にとどまっています。
次に、年金記録漏れ問題に対する政府の対応策について見ることにします。
まず、年金記録の統合に向けての徹底的なチェックを行います。基礎年金番号に結びつ
けられていない記録の約5000万件について、国民からの相談・照会を受身で待つだけでは
なく、期限を限って徹底的なチェックを社会保険庁自らが行い、基礎年金番号に結びつけ
る予定です。そして、5000万件の記録とすべての人の記録と名寄せを行います。また、社
会保険庁のマイクロフィルムや市町村が保有する記録と、社会保険庁のオンライン記録と
の突合を、計画的に実施し、進行状況を半年ごとに公表します。また、年金記録相談体制
の強化があります。国民の立場に立って、利用しやすい相談体制を敷くとともに、相談に
対しては丁寧に説明し、迅速に対応するよう窓口に徹底しています。相談の方法は、電話
での対応のほかに、来訪相談、出張相談、インターネットによるものがあります。
さらに、納付記録がない場合は第三者委員会及び検証委員会による判断を行います。社
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会保険庁や市町村に記録がなく、本人にも領収書などの証拠がない場合であっても、銀行
通帳の出金記録、元雇用主の証言など周辺の状況にみられる事実を基に、第三者委員会に
よって、総合的に判断します。第三者委員会の委員には、各地域の弁護士、社会保険労務
士、行政相談員、市町村公務員経験者、税理士などが任命されます。検証委員会とは、外
部有識者が、年金記録の管理・事務処理に関して、今回問題化した諸事項についての経緯、
原因、責任等の検証などを行うものとして設置されています。
そして、新たな年金記録管理システムの構築として、住民基本台帳ネットワークと連携
し、住所異動、氏名変更、死亡といった変動が年金管理記録に反映される仕組みに転換さ
れます。また、一人一枚のカードを導入し、安全かつ迅速な年金記録の確認の実現に向け
て動いています。
4、社会保険方式と税方式
しかし、現在このような政府の対応策ははっきりとした効果を発揮できていない状態で
す。保険料未納・記録漏れ問題を根本的に解決するために、現在の社会保険方式から、税
方式への移行が検討されています。
現在、日本は保険料を徴収し、それに応じて給付をする「社会保険方式」を適用してい
ます。社会保険方式では、基礎年金の財源の約3分の2を保険料、約3分の1を税で賄ってい
ます。
特徴として、社会保険方式は日本の考え方と整合している点があります。日本は現役時
に働いて収入を得て保険料を払うという自助努力を行う者に対して、その努力に応じて年
金給付を行うことを基本にしており、自助と自律の精神を基本とする我が国の在り方にふ
さわしいのです。また、もう一つの特徴として、負担と給付の対応関係が明確であるとい
うことがいえます。社会保険方式では、「保険料を支払った」、「払ったから将来支給され
る」という関係がわかりやすく、逆に保険料を払わなければ不利益が生じてしまうという
こともはっきりしています。
しかし、このような特徴の反面、欠点もあります。第一に、先ほど説明のあった未納・
未加入の問題、第二に、保険料収入の1割前後という膨大な保険料徴収コストがかかるこ
と、第三に、半分以上が専業主婦である第三号被保険者から保険料を徴収するかという問
題などがあげられます。
次に、「税方式」についてです。税方式とは、基礎年金の財源で、税の割合を100%にし
て、基礎年金分の保険料を徴収しない仕組みのことです。
特徴として、まず、低年金者もしくは無年金者に対しても、一定水準の給付が可能です。
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また、財源を消費税とする場合、モノやサービスを購入する限り、誰もが消費税を納める
ため、未加入・未納といった問題が生じず、負担も統一化され、公的年金全体の「一元化」
が進むことになります。さらに、未納者に対する不公平感、働く女性と専業主婦の間で相
互に高まる不公平感が解消されます(これは第三者被保険者問題の解決にもなる)。
税方式には、第一に、現在の保障水準を維持すると、14~31兆円の財源が必要となり、
増税が余儀なくされ、これを消費税で賄うとすると、現在の5%から11%~17%まで引き
上げなければならない、第二に、景気動向に伴う税収の変動などのために長期的な財源と
しての安定性に欠けるという欠点もあります。
この社会保険方式と税方式について、現在様々な議論がなされています。政府・与党は、
2009年度までに税の割合を2分の1にまで引き上げるという方針を掲げています。これに対
して、民主党や日本経団連などは100%税で賄う税方式に移行するよう強くていますが、
政府・与党は、基礎年金が生活保護に似た仕組みに変質する、また税方式だと負担と給付
の対応関係が薄くなり、給付水準の全体的な引き下げや高所得者の年金カットが行われや
すくなると主張し、税方式に反対しています。しかし、2009年度までに税の割合を二分の
一にまで引き上げること、税の割合を増やすのに新たに必要な年約3兆円の税財源につい
ての議論はまだ終結していません。
5、私たちの解決策
以上の年金の諸問題や政府の対応策について調べた結果、今のままでは少子高齢化や年
金保険料上昇による未納の増加などが進み、年金制度は破綻していくと私たちは予想しま
す。現在の年金制度を維持していくためには、新たに根本的な制度改革を行う必要があり
ます。そこで、私たちは現在の社会保険方式から、段階的な税方式への移行という政策を
考えました。
まず、税方式に移行するに
あたって増税をしなければな
りません。そのとき、図3に示
すように、税率の引き上げは
段階的に行い、それと同時に
保険料を引き下げることで、
財源の確保と不満感の少ない
増税が行えると考えます。
2009 年 に は 基 礎 年 金 の 財 源
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の割合は、税と保険料の割合が50パーセントずつです。これは実際に政府から発表されて
いることです。そして私達の考えた政策では、そこから税が上がると同時に保険料を下げ
ていきます。そして最終的には保険料0%、税100%に移行していきます。この場合増税と
なりますが、保険料が減額されていくので、個人が使えるお金、つまり可処分所得が増え
るので増税が必ずしも損だということではありません。
税方式にした時の給付は、受給者の生活水準によって金額を変えるという方式にします。
そのときの判断基準は、都市や地方などといった居住地域、単独世帯であるかそうでない
か、そして資産額などを指標として給付額を決めます。
税方式への移行に伴う問題点としては、今まで保険料を支払っていた人にとっての不公
平感があります。それに対しては、今までその人が払っていた保険料に応じて、特別給付
を行い、「給付の上乗せ」という形でカバーします。保険料の納付期間によって、数千円~
数万円の上乗せとなります。
これらはあくまで私たちが話し合ううちに出した解決策ですが、政府に対しても、この
ように年金制度の維持や国民に安心を提供するための政策を是非行ってほしいものです。
最後に
今回の私たちの発表を通じて公的年金制度の仕組み、問題点などを少しでも理解しても
らえればと思い、このテーマに取り組みました。年金問題は最近のニュースでもよく取り
上げられます。私たちにとって年金は重要な制度であり、「知らない」「関係ない」「面倒く
さい」では済まされません。すでに年金制度は、今までのような絶対的で安心できる制度
ではなくなっています。誰のためでもなく、なによりも自分のために年金のことを考えて
いくべきです。
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参考文献
・社会保険庁
http://www.sia.go.jp/
「現行の年金制度の仕組み」 http://www.sia.go.jp/seido/nenkin/shikumi/index.htm
「年金記録問題について」 http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/
・金融ナビゲーションサイト
・年金生活ネット
・厚生労働省
http://www.ifinance.ne.jp/learn/socin/siv_1.htm
http://nenkin.ok-style.net/
http://www.mhlw.go.jp/shingi/
「厚生白書(平成 11 年版)」
http://wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wpdocs/hpaz199901/b0017.html
・YOMIURI
ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/index.htm
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20070221mh11.htm
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kaigo/nenkin/20060222ik0b.htm
・財務省
http://www.mof.go.jp/
「社会保障関係」 http://www.mof.go.jp/singikai/zaisin/siryou/syou011a.htm
・中垣陽子『社会保障を問いなおす』(ちくま新書
10
2005 年)
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