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ダイオキシン類濃度と関連の深い項目の検索と異性体構成比率
香川県環境保健研究センター所報 創刊号(2002) ダイオキシン類濃度と関連の深い項目の検索と異性体構成比率 −平成12年度土壌調査− Research of Items Related to the Concentration of Dioxins and Isomer Patterns −2000 in Soils− 鈴木 Kayoko 佳代子 山本 SUZUKI 石川 大津 Tsutomu YAMAMOTO 英樹 *西岡 Hideki ISHIKAWA Ⅰ 務 和久 Kazuhisa OTSU 信浩 Nobuhiro NISHIOKA 2 はじめに 調査地点 県内合計 49地点 ダイオキシン類対策特別措置法に基づき,平成12 一般環境土壌 38地点(県内3kmメッシュ188 年度から土壌の常時監視調査が実施されることに 地点を5年に1回1巡する。(高松市を除く)) なった。この調査で得られた土壌のダイオキシン類 発生源周辺土壌 濃度から,県内の土壌中のダイオキシン類濃度の状 11地点(廃棄物焼却炉から の最大着地濃度発生地点) 況を把握し,含水率や強熱減量等の調査項目からダ 3 イオキシン類濃度と関連の深い項目を調べるととも 測定方法および分析方法 に,残留農薬由来の異性体との関係や各異性体の構 告示(平成11年環境庁告示第68号) 成比率のパターンによる分類分け等について検討し ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル た。 (平成12年環水土第12号) また,発生源周辺土壌については,最大着地濃度 発生地点において一般廃棄物焼却炉の排出するダイ Ⅲ 調査結果 オキシン類が土壌に及ぼす影響を調べ汚染の実態を 1 把握しようと試みたので報告する。 土壌中のダイオキシン類濃度の状況 平成12年度土壌調査の結果を表1に示す。香 Ⅱ 川県49地点の濃度は0.00055∼9.0 pg-TEQ/ g 調査方法 (平均値1.2pg-TEQ/g)で,全国3031地点の濃 1 調査期間 度0∼1200pg-TEQ/ g(平均値6.9pg-TEQ/ g)の 範囲内であった。土壌環境基準(基準値:1000 平成12年9月∼平成13年3月 表1 土壌中のダイオキシン類濃度(平成12年度)1) 毒性等量(TEQ) (pg-TEQ/g) 平 最 最 *環境部 均 小 大 値 値 値 香川県 n=49 全 国 n=3031 1.2 0.00055 9.0 6.9 0 1200 廃棄物対策課 − 110− 香川県環境保健研究センター所報 創刊号(2002) pg-TEQ/ g以下)を超過した地点は県内にはな 4 PCDDs/ PCDFs全実測濃度と農薬由来 の異性体濃度との相関 かった。 T4CDDsは残留農薬のCNP由来,O8CDDは残 2 留農薬の PCP由 来とされている 3 ) 。そこで, ダイオキシン類濃度の分布 図1に示したように,ダイオキシン類濃度が PCDDs/ PCDFs全実測濃度と農薬由来の各異性 1.0pg-TEQ/ g以下のものが36地点(約73%)を 体濃度との相関を調べてみると,実測濃度とO 占めており,全国の平均値より高いものは2地 8CDDとの間の相関係数Rは土壌全体が0.9949, 点であった。 一般環境土壌が0.9959,発生源周辺土壌が0.9947 で有意の相関(危険率0.01)が認められた。T 3 ダイオキシン類濃度と各項目との相関 4CDFsとの相関は,土壌全体では相関係数Rが 表2及び図2に示すようにTEQと実測濃度と の間の相関係数Rは0.8535で有意の相関(危険 0.5349で有意の相関(危険率0.01)が認められ た。(表3,図3参照) 率0.01)が認められ,含水率と実測濃度,強熱 O8CDD濃度はPCDDs/ PCDFs全実測濃度の約 減量と実測濃度及びTEQともそれぞれ有意の相 60%を占めており,これが O8 CDD濃度が高い 関が認められた。 ほど PCDDs/ PCDFs全実測濃度も高い理由の一 強熱減量は有機物の指標とされているが,今 つと考えられる。 回の結果は,有機物が多いとダイオキシン類の 濃度が高い傾向があるという報告2)と一致した。 ダイオキシン類濃度分布 n=49 18 16 14 地点数 12 10 8 6 4 2 0 0.1≦ 0.1< 0.5< 1.0< 1.5< 2.0< 2.5< 3.0< 3.5< 4.0< 4.5< 5.0< 5.5< 6.0< 6.5< 7.0< 7.5< 8.0< 8.5< ≦0.5 ≦1.0 ≦1.5 ≦2.0 ≦2.5 ≦3.0 ≦3.5 ≦4.0 ≦4.5 ≦5.0 ≦5.5 ≦6.0 ≦6.5 ≦7.0 ≦7.5 ≦8.0 ≦8.5 ≦9.0 ダイオキシン類毒性等量(pg-TEQ/g) 図1 表2 相 関 ダイオキシン類濃度分布 ダイオキシン類濃度と各項目との相関係数 係 数 含 水 率 (%) 強熱減量 (%) TEQ(pg-TEQ/g) 0.3249 0.5605** 実測濃度(pg/g) 0.3953** 0.6663** n=49 実測濃度 (pg/g) 0.8535** **:危険率0.01 − 111− 香川県環境保健研究センター所報 創刊号(2002) ダイオキシン類実測濃度と含水率との相関 n=49 3 3 2.5 2.5 2 2 含水率(%) 含水率(%) ダイオキシン類毒性等量と含水率との相関 n=49 1.5 y = 0.0698x + 1.1587 R = 0.3249 1 1.5 y = 0.0002x + 1.1362 R = 0.3953 1 0.5 0.5 0 0 0 2 4 6 8 0 10 1000 7 7 6 6 5 5 4 y = 0.2987x + 1.9662 R = 0.5605 2 4000 4 3 y = 0.0009x + 1.8805 R = 0.6663 2 1 1 0 0 0 2 4 6 8 10 0 1000 毒性等量(pg-TEQ/g) 4000 3500 3000 2500 2000 y = 328.5x + 87.189 R = 0.8535 1500 1000 500 0 0 2 4 6 8 10 毒性等量(pg-TEQ/g) 図2 2000 実測濃度(pg/g) ダイオキシン類毒性等量と実測濃度との相関 n=49 実測濃度(pg/g) 3000 ダイオキシン類実測濃度と強熱減量との相関 n=49 強熱減量(%) 強熱減量(%) ダイオキシン類毒性等量と強熱減量との相関 n=49 3 2000 実測濃度(pg/g) 毒性等量(pg-TEQ/g) ダイオキシン類濃度と各項目との相関 − 112− 3000 4000 香川県環境保健研究センター所報 創刊号(2002) 表3 PCDDs/PCDFs全実測濃度と農薬由来の異性体濃度との相関係数 T4CDDs (pg/g) 土壌全体 一般環境土壌 発生源周辺土壌 n=49 n=38 n=11 O8CDD (pg/g) T4CDFs (pg/g) 0.9949** 0.9959** 0.9947** 0.5349** 0.3910 0.7117 0.3193 0.0803 0.4602 **:危険率0.01% 全体 n=49 一般環境土壌 実測濃度とT4CDDsとの相関 n=38 y = 0.0025x + 18.762 R = 0.0803 40 20 0 2000 3000 4000 0 1000 実測濃度とO8CDDとの相関 n=49 3000 2500 2500 2000 2000 O8CDD(pg/g) 3000 1500 y = 0.8494x - 46.956 R = 0.9949 500 0 4000 1000 2000 3000 4000 500 0 1000 2000 3000 1000 0 実測濃度とT4CDFsとの相関 n=38 1000 20 T4CDFs(pg/g) T4CDFs(pg/g) y = 0.004x + 5.1102 R = 0.3910 25 3000 実測濃度(pg/g) 図3 4000 15 10 0 1000 2000 3000 4000 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 2000 2500 3000 y = 0.0217x + 0.1142 R = 0.7117 0 500 1000 実測濃度(pg/g) PCDDs/PCDFs全実測濃度と農薬由来の異性体濃度との相関 − 113− 1500 実測濃度とT4CDFsとの相関 n=11 0 2000 500 実測濃度(pg/g) 5 1000 y = 0.8307x - 71.874 R = 0.9947 0 30 0 3000 500 4000 35 y = 0.0104x + 4.2131 R = 0.5349 2500 1500 実測濃度(pg/g) 実測濃度とT4CDFsとの相関 n=49 2000 実測濃度とO8CDDとの相関 n=11 y = 0.869x - 42.251 R = 0.9959 1000 -500 1500 2000 実測濃度(pg/g) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 1000 2500 0 0 500 実測濃度(pg/g) 1500 0 -500 y = 0.0314x + 29.729 R = 0.4602 実測濃度とO8CDDとの相関 n=38 3000 1000 2000 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 実測濃度(pg/g) O8CDD(pg/g) 1000 実測濃度(pg/g) O8CDD(pg/g) T4CDDs(pg/g) 80 60 n=11 実測濃度とT4CDDsとの相関 n=11 100 y = 0.0156x + 20.441 R = 0.3193 0 T4CDFs(pg/g) 発生源周辺土壌 120 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 T4CDDs(pg/g) T4CDDs(pg/g) 実測濃度とT4CDDsとの相関 n=49 n=38 1500 2000 実測濃度(pg/g) 2500 3000 香川県環境保健研究センター所報 創刊号(2002) 5 一般環境土壌と発生源周辺土壌のダイ これらの揮散による影響と思われる。 オキシン類実測濃度の比較 一般環境土壌と発生源周辺土壌との差は, 表 4 に 示 す よ う に , PCDDs/ PCDFs及 び PCDDs/ PCDFs,Co-PCBともにあまりみられな Co-PCB全実測濃度ともに,平均値は発生源周 かった。 辺土壌のほうが高かった。 7 6 一般環境土壌と発生源周辺土壌の異性 異性体構成比率による分類 PCDDs/ PCDFsの異性体構成比率を,農薬由 体構成比率の比較 来の異性体の特徴から図5に示すようにA∼D ダイオキシン類の異性体構成比率は,PCDD の4種類のパターンに分類した。パターンBが s/ PCDFs, Co-PCBそれぞれについての総実測 最も多く全体の約43%を占め,次にA,Cがそ 濃度に対するPCDDs/PCDFs及びCo-PCBの各異 れぞれ約26.5%で,Dは約4%であった。 性体濃度の比率で表した。 環境質別(環境大気,河川水,地下水,海水, 環境中のダイオキシン類の発生源の主なもの 底質,土壌)に異性体構成比率のパターンがあ として,農薬や殺虫剤の製造過程で生成される ることが報告5)されており,これと比較すると, もの,ごみの燃焼過程で生成されるもの,残留 Aは土壌タイプであるが,Bは河川水,Cは地 農薬由来のもの等があるといわれている。3) 下水に似ており,Dは類似するタイプがなかっ 図4に示すように,PCDDs/PCDFsはO8CDD た。A,Bは残留農薬由来のものが多いが,C, が最も多く,次にT4CDDsとなっており残留農 DはPCDFsがA,Bより多いことから焼却系発 薬由来のものが多いことがわかる。 生源からの影響も考えられる。 Co-PCBは # 118が最も多く,次に #105と Co-PCBの異性体構成比率についても同様に なっており,これは一般的なPCB製品の異性体 分類しようと試みたが, PCDDs/ PCDFsのよう 構成パターン(#118:50%,#105:20%,そ な特徴はみられなかった。 の他:10%未満)4)とほぼ一致することから, 表4 一般環境土壌と発生源周辺土壌のダイオキシン類実測濃度の比較 実 測 濃 度(pg/g) PCDDs/PCDFs Co-PCB 一般環境土壌 n=38 平均値 最小値 最大値 582 7.4 3300 51 0.26 820 発生源周辺土壌 n=11 平均値 最小値 最大値 722 100 2500 103 5.7 730 − 114− 香川県環境保健研究センター所報 創刊号(2002) 発生源周辺土壌のPCDDs/PCDFs構成比率 n=11 70 60 60 50 50 40 40 40 35 35 30 30 25 25 Co-PCBs O8CDF H7CDFs H6CDFs HpCB (#189) HxCB (#167) HxCB (#157) HxCB (#156) PeCB (#123) PeCB (#118) PeCB (#114) PeCB (#105) HxCB (#169) PeCB (#126) HpCB (#189) HxCB (#167) HxCB (#157) HxCB (#156) PeCB (#123) PeCB (#118) PeCB (#114) 0 PeCB (#105) 5 0 HxCB (#169) 10 5 PeCB (#126) 15 10 TeCB (#81) 20 15 TeCB (#77) % 20 TeCB (#81) P5CDFs 発生源周辺土壌のCo-PCB構成比率 n=11 40 TeCB (#77) % 一般環境土壌のCo-PCB構成比率 n=38 8 T4CDFs PCDDs/PCDFs PCDDs/PCDFs 図4 O8CDD H7CDDs O8CDF H7CDFs H6CDFs T4CDFs O8CDD H6CDDs P5CDDs 0 T4CDDs 10 0 P5CDFs 20 10 H7CDDs 30 20 P5CDDs 30 H6CDDs % 70 T4CDDs % 一般環境土壌のPCDDs/PCDFsの構成比率 n=38 Co-PCBs 一般環境土壌と発生源周辺土壌の異性体構成比率の比較 一般環境土壌,発生源周辺土壌別の異 性体構成比率 0.05),Co-PCBが相関係数R=0.6762(危険 率0.05)で有意の相関が認められた。 表5に示すように,一般環境土壌では,パ また,土壌中の Co-PCB実測濃度とばいじん ターンBが38地点中18地点で全体の約47%を占 の実測濃度に相関係数R=0.8803(危険率0.01), めているのに対し,発生源周辺土壌ではAが11 Co-PCB実測濃度と焼却灰の実測濃度に相関係 地点中の約45%を占めており,両者の異性体構 数R=0.6312(危険率0.05)で有意の相関が認 成比率のパターンに違いがみられた。 められた。発生源からの距離との相関は認めら れなかった。 9 廃棄物焼却炉の排ガス等のダイオキシ 異性体構成比率のパターンを 一般的な焼却 ン類実測濃度と最大着地点における土壌 施設のパターン( PCDFsが主成分, Co-PCBは 中のダイオキシン類実測濃度との相関 #118と#77が高い 5))と比較すると,一般環 表6に示すように,廃棄物焼却炉の排ガスの 境土壌と比べてPCDFsや#77がやや高いものが ダイオキシン類実測濃度と最大着地点における あり,発生源の影響を多少は受けている可能性 土壌中のダイオキシン類実測濃度との相関は があると思われる。 PCDDs/ PCDFsが相関係数R=0.6155(危険率 − 115− 香川県環境保健研究センター所報 創刊号(2002) PCDDs/PCDFs構成比率 パターン A (n=13) PCDDs/PCDFs構成比率 パターン B (n=21) 100 80 80 60 60 % % 100 40 20 20 0 0 T4 CD Ds P5 C DD s H6 CD Ds H7 CD Ds O8 C DD T4 CD Fs P5 C DF s H6 CD Fs H7 CD Fs O8 C DF T4 CD Ds P5 C DD s H6 CD Ds H7 CD Ds O8 C DD T4 CD Fs P5 C DF s H6 CD Fs H7 CD Fs O8 C DF 40 PCDDs/PCDFs PCDDs/PCDFs PCDDs/PCDFs構成比率 パターン C (n=13) PCDDs/PCDFs構成比率 パターン D (n=2) 100 80 80 60 60 % % 100 40 20 20 0 0 T4 CD D s P5 C DD s H6 CD Ds H7 CD Ds O8 C DD T4 CD Fs P5 C DF s H6 CD Fs H7 CD Fs O8 C DF T4 CD Ds P5 C DD s H6 CD Ds H7 CD Ds O8 C DD T4 CD Fs P5 C DF s H6 CD Fs H7 CD Fs O8 C DF 40 PCDDs/PCDFs PCDDs/PCDFs 図5 各分類別の異性体構成比率図 PCDDs/PCDFs A:O8CDDが75%以上 B:O8CDDが75%未満でT4CDDsが2番目に高く,他の異性体の合計が35%未満 C:O8CDDとT4CDDsを除く他の異性体の合計が35%以上 D:T4CDDsが1番目に高く,2番目にO8CDDが高い 表5 一般環境土壌,発生源周辺土壌のパターン別地点数 一般環境土壌 発生源周辺土壌 A B C D 計 8 5 18 3 10 3 2 0 38 11 − 116− 香川県環境保健研究センター所報 創刊号(2002) 表6 廃棄物焼却炉の排ガス等のダイオキシン類実測濃度と最大着地点における 土壌中のダイオキシン類実測濃度との相関係数 廃棄物焼却炉のダイオキシン類実測濃度 最大着地点における 土壌中の実測濃度 (pg/g) 排 ガ ス (ng/m3N) n=13 PCDDs/PCDFs 0.6155* Co-PCB 0.6762* ばいじん (pg/g) n=11 −0.1231 0.8803** 焼 却 灰 (pg/g) n=12 発生源からの距離 (m) n=13 0.4810 −0.4356 0.6312* −0.4566 *:危険率0.05% **:危険率0.01% 排ガス等の測定日と土壌の採取日が異なって 文 献 いること,土壌の採取地点が必ずしも最大着地 点ではないこと等から発生源の影響をみるのは 1)平成12年度ダイオキシン類に係る環境調査結果 難しいが,今回調査した焼却炉のように排ガス 濃度が基準値よりも低い所では,発生源の影響 について(環境省) 2)平成12年度全国一級河川におけるダイオキシン 類に関する実態調査の結果について(国土交通 をそれほど受けていないことがわかった。 省) Ⅳ 3)堀込広明:ダイオキシン汚染問題解決への展望, まとめ 203−221, 工業技術会(1992) 1.平成12年度土壌調査の結果,県内のダイオキ 4)高菅卓三,井上毅,大井悦雅:環境化学, 5, 3, 647−675(1995) シン類濃度は環境基準を超過する地点もなく, 全国の結果と比較しても低いレベルであった。 5)山本 2.TEQとダイオキシン類実測濃度には有意の相 関が認められた。強熱減量は有機物の指標とさ れているが,強熱減量とTEQにも相関が認めら れた。また, PCDDs/ PCDFs実測濃度と残留農 薬由来の異性体( O8 CDD)の濃度にも有意の 相関が認められた。 3. PCDDs/ PCDFsの異性体構成比率は農薬由来 の異性体であるO8CDD,T4CDDsが高いことが わかった。農薬由来の異性体の特徴から異性体 構成比率をA∼Dの4つのパターンに分類した ところ,A,Bは残留農薬由来のものが多く, C,Dは焼却系発生源由来と思われるPCDFsが A,Bより多かった。 4.廃棄物焼却炉の最大着地点において,焼却炉 から排出されるダイオキシン類が周辺土壌に及 ぼす影響を検討した結果,発生源の影響を顕著 に受けているとは認められなかった。 − 117− 務他:香川県環境研究センター所報, 25, 86−94(2000)