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株式会社 エピック

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株式会社 エピック
企業訪問-(
企業訪問-(株
-(株)エピック
2001/04/24
小さな大メーカー
株式会
株式会社 エピック
会社概要
●設 立 昭和53年6月
●資 本 金 3,000万円
●従 業 員 10名
●所 在 地 新治郡八郷町山崎2927-24
●電 話 0299-46-5508
●事業内容 各種ホットメルトアプリケーター、接着自動機械設計製作、接着工程コンサル
タント業務、接着剤コンサルタント、接着剤販売
厳しい経営
しい経営環境
経営 環境が
環境が続く状況下、
況下、各中小企業においては
各中小企業においては生
においては生き残りを懸
りを懸けて、
けて、自社製品や
自社製品や自
社技術の
の開発など、
社技術
など、自社の
自社の強みを活
みを活かした企業活動
かした企業活動が
企業活動が求められている。
められている。このような中
このような中、筑
波山の
波山の東麓にあり
東麓にあり、
かな自然に
まれ、多種の
多種の果樹が
果樹が生産されている八
されている八郷町に、小規
にあり、緑豊かな自然
自然に恵まれ、
模ながらニッチ
ながらニッチ分野
ニッチ分野に
分野に進出し
進出し、接着自動機メーカー
自動機メーカーとして
メーカーとして活躍
として活躍している
活躍している、
している、株式会
株式会社エピックを
エピックを
今回訪問した
今回訪問した。
した。
(自らの信念
らの信念により
信念により独
により独立)
代表取締役 上杉 勝美 氏
同社の現社長である上杉氏は、或る接着剤大手メーカーの従業員として、接着剤及び接
着機械装置の製造・販売に携っていた。しかしその後、機械装置の製造が中止されるととも
に、配置転換となった上杉氏は、「自分のやりたい仕事を続けたい」という信念により、昭和
53年6月、塗布機器専門のメーカーとして独立、千葉県柏市に「日本エピー工業株式会社」
を設立した。スタッフは、外部からの協力も併せて約30名。サラリーマン時代に培った技術
を活かし、経営は順調に伸びていった。しかし、工場周辺に住宅が建ち始めると、切削音等
に対しての苦情が出るようになり、同地での仕事の継続は難しい状況となっていた。この為
工場の移転を考え、不動産会社に相談したところ、現在の所在地である八郷町を紹介され
たことが、当地に工場を移転するきっかけであった。移転したのが平成3年11月、当地は山
や緑に囲まれた非常に環境の良い町で、住宅も隣接していないことから夜間作業も可能と
なり、非常に満足しているという。また移転を契機に心機一転、社名も現在の「株式会社エ
ピック」に変更した。しかし移転当初はバブル崩壊に伴い、金融機関の貸し渋り等により資
金繰りに大変苦労したという。また、移転及び社名変更により、既存の取引先から廃業した
と誤解を招かれてしまい、当時は社名変更を後悔したという。
現在では、「エピック」という名前も定着し、安定した経営を続けている。
(ホットメルトアプリケーターの
ホットメルトアプリケーターの開発)
※ホットメルト・・・・・・・・接着剤の一種。
※アプリケーター・・・・・接着剤などの塗布器具。
菓子・医療品・ティッシュ等の小物の包装・接着システムの「スー
パーシーラ」
チーズ容器自動貼合せ装置
同社は、世界で初めてホットメルトアプリケーターのマイコン制御塗布装置「メルトコン」の
開発に成功して以来、これまでに様々な製品を製造してきており、自動車・家電、食品、医
薬品等の各メーカーと取引があり、関連業界も多く、裾野は広いという。開発には自社のみ
で行うこともあるが、接着剤が不可欠であることから、接着剤メーカーの協力を得て製造す
ることが多いという。
これらアプリケーターは主にアッセンブリメーカーの組立ラインにおける接着工程の自動
化装置として取り入れられる。
用途としては、光デイスクの張り合わせ、自動車・家具のシート張り合わせ、口紅充填、折
り箱組立、食品包装、靴底の張り合わせ、プリント基盤や玩具の組み立て等多岐に渡って
いる。
ところで「ホットメルト」とは、熱可塑性樹脂を主成分とした100%固形の接着剤で、アプリケ
ーターの中で加熱溶融し、瞬間的に接着が完了する無公害接着剤のことであり、包装をは
じめ機械、車輛、食品、電気、電子、医薬品、化学、化粧品、電線、建築、ゴム、その他あら
ゆる産業分野で利用されている。ホットメルトは約200℃程度に加熱溶融して、1,000分の1
秒単位という瞬間的な速さで終了させる必要があり、加熱溶解しなければならないにもかか
わらず、熱の安定性が悪く、熱劣化・熱変質を起こしてしまうなど熱を嫌うというやっかいな
性質をもっている。また、ホットメルトにも数多くの種類があり、これら一つ一つが接着に最
適な溶解温度がある為、接着装置を自動化するには、ホットメルトの特性に合わせたアプリ
ケーター作りが必要となる。ところで同社が開発した接着方法は、完全接着ではない為に剥
がしやすく、再利用がし易い等の利点があり、環境にやさしい接着方法として注目されてい
る。
いままでの開発製品としては「スーパーシーラー」「高速自動封函機」「工業用フイルター
接着自動機」「マイクロコンピュータ組込開発メルトコン」「光デイスク用精密面状塗布装置」
「ミクロ面状塗布装置」等数多くある。
(お客のニーズにあった
ニーズにあった製品作
にあった製品作り
製品作り)
現在同社の従業員は10名と小規模であるが、当業界はニッチ分野の為、大手メーカーと
の競合が少なかったことが接着自動機メーカーとして成長してきた要因の一つである。ま
た、上杉社長は良い製品を安価に提供することを経営方針としており、その為には社長自
らがお客様と直接対応することが信用を得る為に大切な事であると考えている。さらに同社
では、営業活動はほとんど行っておらず、口コミによる注文が多いことから、同製品のニー
ズの高さが窺える。会社の規模を大きくすることは考えなかったのかと尋ねると、「受注が減
少した時のことを考えて、小規模の方が人件費等コストがかからない分耐えることが出来る
と思う。」と敢えて規模を大きくしない理由を語った。
ところで同社は、これまでの優れた技術が認められ、当公社で開催した平成12年度工業
技術開発奨励賞を授与をされている。受賞をうけた製品は「スーパーコーターメルトコン」で
従来のホットメルトアプリケーターより、ホットメルト接着剤の熱劣化の低減や、接着剤の使
用量の削減と省エネの効果、セルフクリーニング構造によりメンテナンス・掃除時間の短縮
が図られ、接着方式もノズル方式とローラー方式のそれぞれの利点を活用し全面塗布を可
能とした装置である。主な用途は、発泡ウレタン製品の接着作業(自動車、電気製品等)パ
ッキン類の接着作業、シーリング剤の塗布作業、シート状の張り合わせ作業、包装材へ接
着・封函・製函等となっている。
(今後の
今後の方針)
方針)
今後については、さらに研究開発を進めていくが、「将来的には接着剤を使用せずに、しか
も材質に変化を与えることなく、物質を接着する技術を開発したい」と更なる開発に意欲を
見せていた。
スーパーコーターメルトコン
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