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3.特許庁 - 経済産業省

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3.特許庁 - 経済産業省
第3節
特許庁 ······················································································433
産業財産権をめぐる動向 ··································································· 433
1.我が国における出願・審査の動向 ··································································433
1.1.特許 ······················································································433
1.2.意匠
····················································································434
1.3.商標
····················································································435
1.4.審判
····················································································436
2.出願・登録動向に関する国際比較 ··································································437
2.1.特許
····················································································437
2.2.意匠
····················································································440
2.3.商標
····················································································441
3.我が国における知的財産活動の実態 ································································442
3.1.企業等における知的財産活動 ································································442
3.2.大学における知的財産活動 ··································································443
知的財産活動に対する政府の取組 ··································································444
1.特許における取組 ················································································444
1.1.必要な審査官の確保・先行技術文献調査外注の拡大など ········································444
1.2.出願人のニーズに応じた特許審査の実現に向けた取組 ··········································445
1.3.特許審査に関する国際協力の推進 ····························································445
2.国際的な取組 ····················································································447
2.1.特許に関する国際的動向と取組 ······························································447
2.2.知的財産保護のための国際的な取組 ··························································447
3.地域団体商標に関する取組 ········································································448
4.知的財産に関する農商工連携に関する取組 ··························································449
5.特許法等の一部を改正する法律 ····································································450
6.イノベーション促進に向けた新知財政策 ····························································452
企業・大学等への支援 ·············································································454
1.中小企業等に対する支援 ··········································································454
2.大学等に対する支援 ··············································································455
3.特許活用に関する支援 ············································································456
第3節
特許庁
2001 年 10 月以降の出願について審査請求期間が7
産業財産権をめぐる動向
年から3年に短縮されたことにより、審査請求件数の
1.我が国における出願・審査の動向
一時的な増大、いわゆる「請求のコブ」が生じていた
1.1.特許
が、2007 年の審査請求件数は、前年比 1.5%減の 37.6
万件となり、「請求のコブ」はピークを越えたものと
2007 年の特許出願件数は 39.6 万件となっている
推定される。
(前年比3%減)。これは、守りを主眼とした大量の
特許出願・取得から、コアとなる事業を展開する上で
一次審査件数は、任期付審査官の採用や先行技術調
有益な質の高い特許権の取得へと知的財産戦略を転
査外注の拡大等の様々な取組を着実に実施すること
換する企業が増えつつあるとともに、世界的視野での
により、審査体制の強化や審査の効率化が図られた結
出願戦略から国内出願を厳選し海外への出願を重視
果、2003 年の 22.6 万件から 2007 年の 30.8 万件へと
する考え方が、我が国の出願人に浸透しつつあること
36%増加している。
審査請求期間7年の全ての出願が 2008 年9月末ま
も背景と考えられる。
特許協力条約に基づく国際出願(PCT出願)は企
でに審査請求期間満了を迎えることから、審査請求件
業活動のグローバル化等を背景とし、2.7 万件(前年
数は 2008 年において減少に転じるものと予想され、
比2%増;世界第2位)と引き続き増加傾向にある。
審査順番待ち件数及び審査順番待ち期間についても
徐々に減少に転じるものと見込まれる。
【特許出願件数の推移】
(件数)
500,000
400,000
401,932 405,655
【新旧審査請求制度の共存による審査請求急増(請求のコブ)】
436,865 439,175 421,044
413,092 423081 427,078 408,674 396,291
2001年
2001年10月までの出願
10月までの出願
審査請求期間7年
300,000
200,000
7年間
2001年
2001年10月以降の出願
10月以降の出願
審査請求期間3年
100,000
0
1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007(年)
3年間
【PCT特許出願件数の推移】
(件)
30,000
24,290
25,000
この間審査請求が重複すること
この間審査請求が重複すること
で審査請求件数がピークとなる。
26,935
26,422
滞貨の急増
19850
20,000
17,097
15,000
10,000
6,022
7,429
9,447
11,688
13,879
2001年
2001年10月以降の出願
10月以降の出願
審査請求期間3年
2001年
2001年10月までの出願
10月までの出願
審査請求期間7年
2001年10月
5,000
2004年10月
2008年10月
0
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
【審査順番待ち件数と審査順番待ち期間】
(万件)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
審査待ち件数(万件)
25
52.2
26
60.6
審査順番待ち期間
75.5
26
83.8
26
88.8
27
【審査請求件数と一次審査件数の推移】
(年)
35
30
25.0
25
20.0
20
15.0
15
10.0
10
5.0
5
0.0
2004
2005
2006
2007
29.3
24.4
22.6
2003
(年)
433
37.6
38.2
32.8
35.0
30.0
一次審査件数(万件)
39.7
40.0
(ヶ月)
0
2003
審査請求件数(万件)
(万件)
23.4
2004
30.8
24.4
2005
2006
2007
(年)
1.2.意匠
2007 年の意匠登録出願件数は、3.7 万件で前年に比べて
2007 年の意匠登録出願の平均審査順番待ち期間(FA
ほぼ横ばいである。
期間)は、前年とほぼ同様の 7.3 月である。
部分意匠制度を利用する割合は年々増加しており、2007
一方、出願日から一次審査結果通知後に査定が発送され
年は出願件数全体の 26%である。関連意匠制度を利用す
るまでの期間(SA期間)は即登録件数の減少により若干
る割合は出願件数全体の 20%弱を維持している。
長期化し 12.2 月となっている。
【意匠登録出願件数の推移】
45,000
39,352
40,000
37,368
38,496
39,423
1999
2000
2001
40,756
39,267
37,230
39,254
36,724
36,544
2006
2007
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
1998
2002
2003
2004
2005
【部分意匠、関連意匠の出願件数及び出願割合】
(件)
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
9,249
9354
8,853
部分意匠出願件数
8,732
30.0%
25.6%
23.8%
22.7%
25.0%
22.6%
6240
19.2%
7,082
6,733
6,826
20.0%
6,362
17.1%
18.0%
15.0%
17.3%
17.1%
16.7%
10.0%
5.0%
0.0%
2003 2004 2005 2006 2007 (年)
7,554
関連意匠出願件数
出願全体に占める部分
意匠の出願件数割合
出願全体に占める関連
意匠の出願件数割合
(備考)部分意匠:
「物品の部分」に係る意匠のこと。
関連意匠:同一出願人によって出願された場合に限り、自己の本意匠に類似する意匠(関連意匠)についても独自に
権利行使することを可能にしたものであり、1999 年に導入された。
平均FA期間
平均SA期間
【意匠審査の FA 期間と SA 期間の推移】
30.0
25.0
20.0
26.3
22.9
18.4
18.4
15.2
15.0
11.0
10.0
15.7
8.9
14.2
8.4
5.0
0.0
1998
1999
2000
2001
2002
12.3
12.1
11.6
7.7
7.5
6.9
2003
2004
2005
10.2
7.1
2006
12.2
7.3
2007
(備考)FA(First Action)期間:出願から審査結果の最初の通知が発送されるまでの期間
SA(Second Action)期間:出願日から一次審査結果通知後に査定が発送されるまでの期間
434
1.3.商標
2007 年の商標登録出願件数*は、前年比 5.5%増の 14.3
は、7.5 月である。また、出願日から一次審査結果通知後
万件であり、これは同年4月に導入された小売等役務商標
に査定が発送されるまでの期間(SA期間)は、13.1 月
制度の導入による影響と考えられる。
である。
2007 年の商標審査に関する一次審査件数(FA件数)
*国際商標登録出願を含む。
は 12.4 万件となっており、審査順番待ち期間(FA期間)
図:商標登録出願件数の推移
【商標登録出願件数の推移】
(件)
200,000
150,000
123,325
5,334
135,776
128,843
143,221
135,777
7,160
9,969
11,794
121,683
125,807
123,983
12,295
100,000
117,991
50,000
0
2003
2004
2005
2006
商標出願(国際商標登録出願以外)
130,926
2007
国際商標登録出願
【商標審査の平均FA・SA期間推移】
(月)
15.0
13.1
11.9
11.5
11.1
11.4
6.2
6.4
6.6
6.5
2003
2004
2005
2006
10.0
5.0
0.0
7.5
FA期間
SA期間
2007
(備考)FA 期間:出願から審査結果の最初の通知が発送されるまでの期間。
SA 期間:出願からファーストアクション後の査定が発送されるまでの期間。
435
(年)
(年)
1.4.審判
特許の拒絶査定不服審判の審決の内訳を見ると、請求不
特許の拒絶査定不服審判の請求件数は、3.3 万件で、近
成立とした審決の割合(請求不成立率)が、1998 年の 22%
年増加傾向にある。しかし、拒絶査定件数に対する請求件
から 2007 年の 56%へと増加傾向にある。また、特許の審
数の割合である審判請求率は概ね横ばい*であり、拒絶査
決取消訴訟(査定系審判)における審決取消率は 13.2%
定不服審判の請求件数は拒絶査定件数に概ね連動してい
であり、低いレベルを維持している。
る。また、意匠の請求件数は横ばいであり、商標の請求件
*審判請求率は、2003 年:20%、2004 年:21%、2005 年:
数は 2007 年減少に転じた。
21%、2006 年:20%、2007 年:22%と推移
【拒絶査定不服審判請求件数】
(件)
35,000
32,586
30,000
25,870
25,000
13,675
14,086
23,284
21,607
21,193
19,270
20,000
15,000
特許
意匠
22,444
商標
16,324
10,000
5,000
0
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
3,968
1,370
3,643
1,306
3,277
1,209
3,093
1,283
2,850
1,204
2,576
1,094
2,333
1,095
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2,065
930
2005
2,312
879
2006
1,808
1,094
(年)
2007
【拒絶査定不服審判事件における請求不成立率の推移(特許)
】
請求不成立率
22%
25%
1998
1999
31%
2000
39%
2001
46%
47%
46%
2002
2003
2004
57%
52%
2005
2006
56%
2007 (年)
【判決件数(2007 年)
】
特許・実用新案
請求棄却
査定系審判 *1
163
審決取消率
当事者系審判*2
決定取消率
審決取消
請求棄却
25
14
13.2%
79
審決取消率
異議申立
意匠
29
商標
審決取消
5
請求棄却
16
26.3%
0
0
1
5.9%
*1: 拒絶査定不服審判、補正却下不服審判、訂正審判
*2: 無効審判、取消審判
436
4
20.0%
31
26.9%
16
審決取消
13
29.5%
1
2
66.7%
2.出願・登録動向に関する国際比較
2.1.特許
特に、中国、韓国からの出願は、高い伸びを示している
経済のグローバル化の進展に伴い、世界の特許出願件数
(対前年比で中国 38%増、韓国 19%増)。
は急増しており、2007 年における世界のPCT出願件数
また、日中韓3か国の世界のPCT出願件数に占める割
は、前年比 4.9%増の 15.7 万件である。
合は合計で 26%に達した。
【PCT加盟国数及びPCT出願件数の推移】
(件)
200,000
(ヵ国)
PCT出願件数
PCT加盟国数
150,000
115
108
104
98
93,239
100,000
67,062
138
134
124
122
117
115,202
108,230 110,392
122,629
128
149,587
136,734
150
156,987
100
76,358
50
50,000
0
0
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2006年
2007年
(出願年)
【出願人国籍別PCT出願件数の推移】
(件)
60,000
2003年
52,492
2004年
2005年
50,000
40,000
27,714
30,000
17,793
20,000
7,059
10,000
0
6,030
米国
日本
ドイ ツ
韓国
フラ ン ス
5,536
英国
(出願人国籍)
437
5,459
中国
4,195
オラ ン ダ
3,715
スイ ス
3,641
スウ ェ ーデン
五大特許庁(日米欧中韓)における特許出願件数を見
PO・中・韓)への特許出願件数は、2006 年と比べ、全
ると、日本以外では特許出願件数が増加しており、特に中
体で約 1.3%増加しており、米国への出願が依然として多
国及び米国での特許出願件数の増加が大きくなっている
く、米国重視の傾向に変わりはないが、中国への出願は
(2007 年:米国 43.9 万件(前年比 5.1%増)
、中国 24.5
2003 年以降、EPOへの出願を上回っており、日本企業
万件(前年比 16.5%増)
)。
は引き続き成長著しい中国も重視していることがうかが
2007 年における日本人による主要な国・機関(米・E
える。
【五大特許庁における特許出願件数の推移】
(万件)
50
43.9
39.6
40
米国
30
24.5
20
17.1
14.1
10
日本
中国
韓国
欧州
0
2003
2004
2005
2006
2007
(出願年)
(備考)米国 Utility Patent が対象
米国の 2007 データは、2007 年度(2006 年 10 月~2007 年9月)の速報値
10
(万件)
8
米国
中国
EPO
韓国
6
4
2
0
2003
2004
2005
2006
2007
(出願年)
(備考)米国 Utility Patent が対象
米国の 2007 データは、2007 年度(2006 年 10 月~2007 年9月)の速報値
438
日本・欧州・中国・韓国から他庁への出願件数は、米
韓国からの他庁への出願の登録件数は、米国が最も多く、
国へのものが最も多い。韓国からの出願は、中国への出願
欧州・韓国からの出願の登録は、中国での登録件数が、日
件数が日本への出願件数を上回っている。また、特許登録
本での登録件数を上回っている。
についても出願状況を反映し、日本・欧州・中国・
【五大特許庁間の特許出願状況(2007 年)
】
78,794
3 9 6 ,2 9 1
26,026
32,870
22,887
24,611
666
6,347
18,100
35,588
64,000
4 5 6 ,1 5 4
22,976
3,903
12,103
24,420
22,887
1 4 0 ,7 2 5
1,145
4,934
11,084
8,467
2 4 5 ,1 6 1
296
1 7 2 ,4 6 9
(備考) ・枠内の数値は、各国・機関における 2007 年の出願件数の合計を示す。
・欧州からの件数は、2007 年末時点のEPC加盟国の出願人による出願件数を示す。
・欧州への件数は、欧州特許庁分のみを計上しており、各EPC加盟国への出願件数は含まれていな
い。
439
2.2.意匠
無審査国である中国における意匠出願が引き続き大幅
各国における自国国籍出願人の登録割合をみると、韓国
に増加しており、2007 年は、前年比 33%増の 26.8 万件で
では 92.0%、日本では 90.8%、中国では 88.7%であり、
ある。中国内からの出願の増加が主な要因となっている。
米国での 56.6%や欧州での 78.1%に比べ、自国国籍出願
また、我が国から中国への意匠出願も同様に伸びており、
人からの意匠登録の割合が高いことがわかる。
2007 年は 0.5 万件で前年比9%増である。
(件)
6,000
【主要国・機関における意匠出願件数】
(件)
300,000
200,000
中国
米国
OHIM
韓国
5,000
中国
OHIM
韓国
日本
米国
250,000
【日本から海外への意匠出願件数】
4,000
3,000
150,000
2,000
100,000
1,000
50,000
0
1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
0
2003
2004
2005
2006
2007
(備考)OHIM の件数は意匠数
(年)
(備考)OHIM の件数は意匠数
【日米欧中韓間における意匠登録の状況】
日本登録
30,151件
欧州
942件
米国 3.1%
930件
3.1%
米国登録
20,965件
韓国
178件
0.6%
2,442件
日本
2,442件
11.6%
米国
11,862件
56.6%
942件
178件
2,476件
5,736件
81件
578件
1,158件
欧州
50,251件
78.1%
1,234件 1,033件
554件
2,710件
日本
米国
3,849件
その他
1,502件
3.9%
欧州
2,089件
1.5%
2,710件
2.1%
2.8%
韓国
932件
1.0%
中国
86,645件
88.7%
日本
2,000件
3.1% 米国
5,736件
8.9%
その他
4,173件
中国 6.5%
1,158件
1.8%
韓国
1,033件
1.6%
2,000件
1,502件 3,849件
中国登録
97,727件
欧州登録
64,351件
日本
27,389件
90.8%
930件
その他
中国 3,053件
554件 14.6%
2.6%
韓国
578件
2.8%
欧州
2,476件
11.8%
中国
81件
0.3% その他
631件
2.1%
477件
545件
932件
その他
180件
中国 0.6%
32件
0.1%
32件
韓国
28,331件
92.0%
440
日本
1,234件 米国
4.0% 545件
1.8%
欧州
477件
1.5%
韓国登録
30,799件
(年)
2.3.商標
一方、韓国・欧州への商標出願件数は、ほぼ横ばいで推移
中国における商標出願件数は 2006 年に 76.6 万件(前年
している。
比 14%増)に達し、世界の商標出願の総数の約3割を占
日本からは中国への出願件数は、2006 年で 11,876 件と
める(中国は、1出願1区分の制度を採用)。
なっており、米国(4,705 件)、韓国(4,245 件)に比べて、
中国は自国内からの出願が 88%を占め、他国に比べて
中国への出願を重視している状況がうかがえる。
その割合が高い。
日本から米国への商標出願件数は増加している
(件)
900,000
【日本から海外への商標出願件数】
【主要国・機関における商標出願件数】
(件)
15,000
中国
米国
日本
韓国
ドイツ
スペイン
OHIM
800,000
700,000
600,000
500,000
中国
米国
韓国
OHIM
12,000
9,000
400,000
6,000
300,000
200,000
3,000
100,000
0
2002
2003
2004
2005
韓国国籍,
1,405件, 1%
中国国籍,
1,084件,
0.5%
欧州5国,
19,211件,
8%
2003
(年)
1,084件
日本国籍,
6,104件,
2%
その他,
49,197件,
12%
欧州への出願
(英・独・仏・瑞・伊)
1,501,478件
15,423件
5473件
韓国国籍,
2,395件, 0.2%
1,405件
中国国籍,
7,180件, 0.5%
欧州国籍(英・独・
仏・瑞・伊),
1,054,283件, 71%
112,326件
その他,
309,871件, 21%
韓国国籍,
1,420件,
0.4%
欧州5国,
49,375件,
12%
米国国籍,
112,326件, 7%
17,465件
9,152件
2,957件
27,705件
16,004件
中国への出願
675,038件
中国国籍,
1,373件 ,
1%
その他,
8,315件 ,
6%
韓国国籍,
3,299件, 0.5%
その他,
20,428件, 3%
3,299件
国ごとに1件とし、さらにそれぞ
出した。欧州はイギリス、ドイツ、
2,395件
中国国籍,
593,401件, 88%
HIM)出願のEU加盟国は加盟
れの出願の区分数を合計して算
7,180件
1,420件
日本国籍,
12,740件, 2%
国際登録出願(マドリッド協定・
は指定国ごとに1件、CTM(O
日本国籍,
15,423件, 1%
米国国籍,
17,465件, 3%
出願区分数は各国への直接出願、
マドリッド協定議定書)の指定国
米国国籍,
296,088件,
73%
欧州5国,
27,705件, 4%
2007
(年)
(備考)
49,375件
中国国籍,
2,957件,
1%
2006
日本への出願
227,357件
日本国籍,
181,789件,
80%
19,211件
12,740件
2005
その他,
10,612件,
5%
13,256件
6,104件
2004
【日米欧中韓間における商標出願状況(区分数)
】
米国国籍,
13,256件,
6%
米国への出願
405,141件
0
2006
日本国籍,
5,473件 ,
4%
韓国国籍,
108,060件 ,
72%
1,373件
欧州5国,
16,004件 ,
11%
441
米国国籍,
9,152件 ,
6%
フランス、スイス、イタリアの合
韓国への出願
148,377件
計出願区分数。中国への商標出願
区分数は 2005 年のものである。
3.我が国における知的財産活動の実態
3.1.企業等における知的財産活動
(1) 我が国企業等における知的財産担当者数
(3)我が国企業等における特許権の活用状況
2006 年度の我が国企業等の知的財産担当者数(全体推
2006 年度の我が国企業等の権利所有件数(全体推計値)
計値)は 4.8 万人(うち中小企業は 1.9 万人、約 39%)
は約 1,037,000 件であり、2005 年度から約 22,000 件増加
であり、2003 年度の 3.9 万人から増加傾向にある。企業
している。
等において知的財産の権利化や管理等のための体制構築
内訳をみると利用件数の増加が多く、2006 年度の利用
が着実に進んできていることがうかがえる。
率(利用件数/所有件数)は 49.7%となり、5割に近い
なお、本調査の全体推計値については、調査票の回答結
水準となった。また、2006 年度の「うち中小企業」の利
果を基に我が国全体についての推計を行った数値である
用率をみると、62.9%と、全体の利用率を上回っており、
ことに留意する必要がある。
比較的有効に活用されていることが分かる。
(2)我が国企業等における知的財産活動費
なお、本調査における利用の定義については、権利所有
2006 年度の我が国企業等における知的財産活動費(全
件数のうち「自社で実施している件数」と「他社に実施許
体推計値)は 8,800 億円であり、2003 年度の 7,800 億円
諾している件数」のいわゆる積極的な利用のみとしている
から増加している。
ため、「防衛目的」や「開放可能」の権利数は、未利用の
なお、2006 年度のうち、中小企業の知的財産活動費は
件数に含まれていることに注意を要する。
1,300 億円(全体のうち約 15%)であった。
2006 年度我が国企業等における
知的財産活動費の内訳
100%
90%
④その他費用
111,283
①出願系費用
②補償費
③人件費
④その他費用
70%
①出願系費用
528,586
②補償費 15,096
利 用 率 (% )
単位:百万円
③人件費 229,758
51.3%
51.8%
51.6%
50.3%
未利用件数
60%
50%
中
小
企
業
40%
30%
20%
①出願系費用
産業財産権の発掘から権利取得、権利の維
持に要した費用(弁理士費用等の外注費を含
む。他社からの譲受は除く)を指す。
②補償費
会社の定める補償制度に基づいて発明者、
創作者等に支払った補償費を指す。
③人件費
社内で知的財産業務を担当する者の直近の会
計年度総額を指す。
④その他費用
上記の3つに含まれない費用(知財にかかる係
争事務、契約管理、企画、調査、教育に要した費
用等)
37.1%
80%
48.7%
48.2%
48.4%
49.7%
62.9%
利用件数
10%
0%
2003年度 2004年度 2005年度 2006年度
2003年度 2004年度 2005年度 2006年度
国内特許所有件数(件) 990,272 996,417 1,015,183 1,036,868
うち利用件数
48.7% 48.2% 48.4% 49.7%
うち未利用件数
51.3% 51.8% 51.6% 50.3%
442
3.2.大学における知的財産活動
であり、2002 年の 2.0 千件から急増しており、ここ2、
知的財産の創造において、我が国の研究資源の多くを有
3年は横ばいである。
する大学の役割は極めて大きい。このような認識の下、全
2007 年に審査の結果が出たもののうち、特許とされた
国各地で大学知的財産本部や技術移転機関(TLO)が設
ものは、全体の約 60%(特許査定率)であり、過去5年
置され、また、大学知的財産アドバイザーの派遣や特許
間、大学及び承認TLOにおける特許査定率は全出願人に
料・審査請求料の減免措置などの施策が導入されてきた。
おける特許査定率よりも高い。また、大学等における特許
その結果、大学等の研究成果を権利化し、民間に移転する
権の実施料収入は、2002 年度の 2.5 億円から 2006 年度の
体制の整備は着実に進み、産学連携も促進されている。
約 8.0 億円へと3倍以上に増加している。
近年の産学連携の取組の推進とオープンイノベーショ
また、2007 年のPCT出願上位 500 中に、我が国の大学
ンの進展を背景に、大学等と企業等との共同研究や受託研
は6大学がランクインしている。6大学の内、最高位の大
究は、件数・金額共に増加しており、2006 年度における
阪大学は、世界の大学全体で見ても4番目に位置している。
国公私立大学等と企業等との共同研究は 14,000 件を突破
している。2007 年の大学からの特許出願件数は 7.9 千件
【我が国の大学・承認TLOからの特許出願件数】
(件)
9000
27%
8000
7000
6000
7352
20%
25%
25%
7569
1400
25%
1200
7859
26%
200
5%
0
2003
2004
出願件数
2005
2006
2007
58%
0%
(年)
111
101
149
242
2002
2003
特許査定
グローバル出願率
501
60%
60% 60%
364
40%
253
400
10%
0
60%
60%
600
1979
1000
80%
69%
1000
15%
2775
2002
100%
800
4604
4000
2000
(件)
30%
20%
5000
3000
【我が国の大学・承認TLOからの特許出願の審査結果の状況】
153
208
379
744
535
20%
0%
2006
2007
(年:発送日ベース)
拒絶査定、FA後取下げ・放棄
特許査定率
2004
2005
【2006 年PCT出願人上位 500 中に入った我
【我が国の大学等における特許実施料収入の推移】
が国の大学及び海外主要大学】
900百万円
801百万円
800百万円
700百万円
639百万円
600百万円
(
収
入
543百万円
543百万円
500百万円
)
300百万円
大学名
出願件数
30
THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
364
▲52
76
MASSACHUSETTS INSTITUTE OF TECHNOLOGY
175
8
114
7
128
400百万円
252百万円
200百万円
増減件数
順位
THE TRUSTEES OF COLUMBIA UNIVERSITY IN THE
CITY OF NEW YORK
(前年比)
159
国立大学法人 大阪大学
91
37
189
国立大学法人 京都大学
79
▲37
234
国立大学法人 東京大学
64
14
100百万円
305
国立大学法人 名古屋大学
51
21
0百万円
328
国立大学法人 東北大学
48
6
454
国立大学法人 東京工業大学
36
8
2002
2003
2004
(年度)
2005
2006
443
知的財産活動に対する政府の取組
1.特許における取組
2007 年度の先行技術調査の外注件数は 21.3 万件(前年
度比 8.1%増)であり、うち、審査効率が高い対話型外注*
1.1.必要な審査官の確保・先行技術文献調査外注の拡
大など
は 16.9 万件(外注件数の 79.3%)である。
先行技術調査の民間外注を積極的に進めてきた結果、我
質の高い特許審査を実現するための体制、手法の整備は
が国特許庁の審査処理能力は米国の特許庁と比較して3
各国特許庁に共通の課題となっており、各国特許庁におい
倍、欧州との比較では5倍のパフォーマンスを発揮してい
て、特許審査の質の維持・向上に向けた取組が進められて
る。
いる。
2008 年度は任期付審査官 98 名を含む 113 名の定員増を
*検索結果の報告を、検索者の口頭説明を交えて受け、ま
果たし、2004 年度から 2008 年度までの5年間で約 500 名
た、それを踏まえた上で、必要であれば検索者による補充
の任期付審査官を確保した。
検索等を合わせて実施する外注方式。
【一審査官当たりの審査処理件数】
(件数) 【一審査官当たりの審査処理件数】
250
219
【審査官数の推移】
人数(人)
JPO
5,000
200
EPO
150
3,000
100
73
50
1,000
0
日本
米国
2,594
2,000
43
欧州
4,177
USPTO
4,000
2,116
2,940
2,382
3,143 3,165
2,653
5,376
4,779
2,917
3,489 3,535
3,157
3,681
3,365 3,365
3,449
3,555
1,468
1,243 1,358 (294)
(196)
(98)
1,567
(392)
1,680
(490)
1,078 1,083 1,088 1,096 1,105 1,126
0
1998
(備考) 審査処理件数=一次審査件数+国際調査報告件数
(資料) 各国とも三極統計及び年報のデータから算出。
米国、欧州は2006年、日本は2006年度
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008 (年)
【特許審査の品質監理サイクル概念図】
【先行技術調査の外注件数(実績)の推移】
25
納品型件数
対話型件数
検索外注件数
14.2
20
15
10
5
7.2
10.0
2.8
11.4
9.4
16.0
11.4
21.3
19.7
18.7
16.9
17.8
15.7
14.8
13
継続的
改善
Check
審査結果の測定・分析
Do
審査、品質管理の実施
特許審査部で策定(Plan)した実施計画に基づき、各技術単位では審査、
及び、審査内容チェック等の品質管理を実施(Do)する。品質監理部門で
6.4
5.0
4.8
4.6
4.8
2001
2002
2003
2004
は審査の内容を事後的に測定、分析し(Check)、その結果を、関連施策の
3.9
4.0
4.4
2005
2006
2007
検討(Act)を行う部署に提供し、関連施策に反映させる。そして次の実
施計画(Plan)にこれらの施策を組み込むことによって螺旋を描くよう
に一周ごとに改善が図られる。
0
2000
Plan
実施計画の策定
Act
改善策の検討・実施
444
1.2.出願人のニーズに応じた特許審査の実現に向けた
また、審査結果においても、特許査定率は制度を利用し
取組
ない出願と比べて 10%以上高い値を推移している。これ
早期審査制度を利用した出願の平均審査順番待ち時間
は、制度を利用する出願は、発明の実施を前提としている
は、2007 年で早期審査の申し出から約 2.2 カ月となって
ものであることや、申請に際して先行技術調査を一要件と
おり、制度を利用しない出願と比べ審査順番待ち時間が大
すること等により出願が厳選された結果と考えられる。
幅に短縮されている。
【早期審査申立件数の推移】
特許 実用
(件数)
10,000
8,549
7,663
6,560
8,000
6,000
4,000
早期審査の開始
(1986年2月)
外国関連出願の対象
化(1996年1月)
2,000
中小企業、大学、TLOの
対象化(2000年7月)
中小企業等の申請要件緩和
(2006年7月)
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
0
「外国関連」、「中小企業」出願
の対象の拡大(2004年7月)
(年)
パリ優先権主張の基礎となる特許出願のうち、早期
1.3.特許審査に関する国際協力の推進
に審査請求されたものを、優先して審査着手する
第一庁で特許可能と判断された出願について、出願
「JP-FIRST」を、2008 年4月から実施している。
人の申出により、第二庁において簡易な手続で早期審
査が受けられるようにする「特許審査ハイウェイ」は、
日本国特許庁の一次審査結果を早期発信し、外国特
2008 年4月現在、日米間、日韓間、日英間及び日独
許庁におけるこれら結果の利用を促進させることで、
間で本格実施・試行をしており、今後更に対象国の拡
外国における適切な権利取得の支援、各国特許庁の全
大を図っていく予定である。
体的な審査負担の軽減が期待される。
445
図:特許審査ハイウェイの概要
第一庁
出願
出願
A
A
拒絶理由
拒絶理由
通知書等
通知書等
特許査定
補正書
補正書
・・
意見書
意見書
請求項
A
請求項Aと請求項A’を対応さ
せる必要有り
第二庁
自国での審査書類を提出
(庁間のネットワークで入手
できるものは提出不要)
出願Aの
出願Aの
拒絶理由
拒絶理由
通知書等
通知書等
の写し
の写し
請求項
A
請求項
A’
対応出願
対応出願
A’
A’
ハイウェイ
ハイウェイ
の申出
の申出
早期審査
調査及び
実体審査
注:申出を行うか否かは出願人の選択による。
【JP-FIRST の概要】
第一庁
出願
出願
一次審査
一次審査
最終審査
最終審査
第一庁は第一国出願を
優先的に審査。
一次審査結果の利用
第二庁
対応出願
対応出願
一次審査
一次審査
446
第二庁は第一庁の
審査結果を利用する。
2.国際的な取組
2.2.知的財産保護のための国際的な取組
2.1.特許に関する国際的動向と取組
二国間、多国間等の様々な枠組みを効果的に活用し、
特許制度の実体的調和に向け、先進国間で議論を進
めている。2007 年9月の先進国全体会合では、今後
アジア諸国における知的財産権の保護水準の向上に
の議論の対象となる項目リスト(先願主義、グレース
向けた制度の導入や運用の強化を要請するとともに、
ピリオドの期間・宣言等)に一定の共通理解が得られ、
その実現に必要な体制整備のため、人材育成や情報化
作業部会で更なる議論が進められることとなった。
に対する支援を行っている。
また、日米欧三極特許庁会合において、サーチ・審
また、企業活動に悪影響をもたらす模倣品問題の対
査結果の相互利用等による審査協力、出願人の手続負
策は急務であり、官民合同ミッションの派遣や二国間
担軽減のための取組、制度・運用の調和に向けた取組
協議を通じた相手国政府への模倣品対策強化の要請
及び情報システムの整備に関する取組に重点的に取
と協力、「模倣被害調査報告書」の作成等の模倣品対
り組んでいる。
策に必要な情報の収集・提供、取締機関との連携を実
2008 年5月に日米欧中韓五大特許庁副長官級会合
施している。一方国内消費者向けに、知的財産権の重
が開催され、各庁が出願増に対して行っている取組に
要性や模倣品の弊害を周知するため、「模倣品・海賊
ついての情報の共有を図り、また特許の質・審査の効
版撲滅キャンペーン」の実施による啓発活動等を行っ
率性の向上に寄与するワークシェアリングの協力的
ている。
な取組を進めることが重要であるとの共通の認識を
得た。
新聞広告
ロゴマーク
テレビCM
ポスター
特許庁ロビー展示
447
3.地域団体商標に関する取組
知られている場合には、商標登録を受けることができ
(1)地域団体商標制度の導入
るというものである。
(2)地域団体商標の出願・登録状況
地名と商品(役務)名を組み合わせた地域ブランド
をより適切に保護するため、2005 年に商標法が一部
地域団体商標出願は、2006 年4月1日に出願の受
改正され、2006 年4月より、地域団体商標制度が施
付を開始し、2008 年3月末までに 807 件が出願され、
行された。
371 件について登録されている。
(3)地域団体商標の周知活動
本制度は、地域振興、地域経済の活性化に向けた地
域の取組において、地域の事業者団体が本制度を積極
2007 年度は、
「審査基準説明会」及び地域団体商標
的に活用することによって、地域経済の持続的な活性
制度の説明会を全国において実施し、併せて、地域団
化につながることを目指し、導入されたものである。
体商標の審査の運用を踏まえたパンフレットを4万
5千部作成し、関係機関等に配布した。
具体的には、地名及び商品(役務)名のみからなる
また、地域団体商標制度の更なる普及を促すため、
商標であっても、事業協同組合や農業協同組合等によ
って、商品の産地である等の地域との密接な関連性を
2006 年度に商標登録された 185 件の商品やサービス
有する商品等に使用されたことにより、その商標が当
の内容について紹介した冊子「地域団体商標 2007」
該組合又はその構成員のものであると一定程度広く
を6月に発刊した。
中部
地域団体商標MAP
平成20年3月31日までに登録査定された商標(371件)
海外
九州
【福岡県】
博多人形
博多織
小石原焼
合馬たけのこ
上野焼
八女提灯
八女茶
福岡の八女茶
【鹿児島県】
かごしま知覧茶
知覧茶
本場奄美大島紬
本場大島紬
薩摩焼
川辺仏壇
知覧紅
かけろまきび酢
鹿児島黒牛
【佐賀県】
神埼そうめん
佐賀のり
伊万里梨
佐賀産和牛
小城羊羹
【大分県】
関あじ
関さば
大分麦焼酎
大分むぎ焼酎
豊後別府湾ちりめん
豊後牛
日田梨
【長崎県】
長崎カステラ
五島うどん
五島手延うどん
島根
山口
佐賀
【宮崎県】
宮崎牛
宮崎ハーブ牛
宮崎の本格焼酎
北浦灘アジ
広島
【沖縄県】
石垣の塩 沖縄そば
首里織 琉球びんがた
琉球泡盛 本場久米島紬
沖縄黒糖 八重山かまぼこ
石垣牛
沖縄
鳥取
岡山
福岡
香川
大分
熊本
愛媛
岐阜
兵庫
【香川県】
庵治石
【愛媛県】
真穴みかん
西宇和みかん
菊間瓦
西条の七草
今治タオル
道後温泉
宇和島じゃこ天
高知
徳島
群馬
長野
埼玉
京都
山梨
大阪
奈良 三重
宮城
福島
愛知
東京
神奈川
静岡
茨城
千葉
【高知県】
土佐打刃物
四万十川の青のり
四万十川の青さのり
徳谷トマト
【宮城県】
仙台味噌 仙台みそ 仙台牛 仙台黒毛和牛
【福井県】
越前漆器 越前竹人形 越前瓦 若狭かれい 若狭塗箸 越前がに
若狭ぐじ 若狭ふぐ 越前打刃物 越前織
【滋賀県】
雄琴温泉 近江牛 琵琶湖産鮎 信楽焼
近江の麻 近江ちぢみ
【兵庫県】
豊岡鞄 灘の酒 淡路瓦 豊岡杞柳細工 城崎温泉 龍野淡口醤油
明石鯛 加西ゴールデンベリーA 播州毛鉤 三田牛 三田肉
須磨海苔 神戸ビーフ 神戸肉 神戸牛 播州そろばん 但馬牛
但馬ビーフ 淡路ビーフ 有馬温泉 播州織 三木金物
【大阪府】
大阪欄間 和泉木綿 泉州タオル
泉州水なす 大阪泉州桐箪笥 大阪仏壇
堺刃物 堺打刃物
【京都府】
京あられ 京おかき 京仏壇 京人形 間人ガニ 舞鶴かまぼこ
京石工芸品 鴨川納涼床 京つけもの 京漬物 京都名産すぐき
京都名産千枚漬 北山丸太 京雛 京印章 京仏具 京くみひも
京黒紋付染 京房ひも 京甲冑 京仕立 京表具 京小紋
京友禅 西陣爪掻本綴織 西陣御召 西陣金襴 京鹿の子絞
京扇子 京うちわ 京味噌 京念珠 宇治茶 京飴 京せんべい
京都肉 京石塔 京都米 京の伝統野菜 京とうふ 京たんご梨
京菓子 誂京染 湯の花温泉 京焼・清水焼 京たたみ 北山杉
京の色紙短冊和本帖 京竹工芸 京漆器
関東
【栃木県】
本場結城紬 塩原温泉
【茨城県】
本場結城紬 笠間焼
【埼玉県】
岩槻人形 草加せんべい
【山梨県】
やはたいも 甲州手彫印章
【群馬県】
高崎だるま 上州牛 伊香保温泉 草津温泉 十石みそ
桐生織 群馬の地酒
近畿
【徳島県】
渭東ねぎ
なると金時
徳島唐木仏壇
鳴門わかめ
【岩手県】
いわて牛 いわて短角和牛 南部鉄器 江刺りんご
真崎わかめ
【新潟県】
小千谷縮 小千谷紬 新潟清酒 安田瓦 新潟茶豆
越後上布
和歌山
鹿児島
【福島県】
土湯温泉 南郷トマト
会津みそ
【山形県】
平田赤ねぎ 刈屋梨 米沢織 米沢牛 山形佛壇
山形おきたま産デラウエア
栃木
宮崎
四国
沖縄
山形
【青森県】
たっこにんにく 嶽きみ
大間まぐろ
富山
福井
滋賀
長崎
岩手
新潟
石川
【熊本】
球磨焼酎
黒川温泉
阿蘇たかな漬
熊本名産からし蓮根
天草黒牛
小国杉
大正メークイン
大正長いも
大正だいこん
苫小牧産ほっき貝
幌加内そば
ほべつメロン
【秋田県】
秋田由利牛 比内地鶏 秋田諸越 白神山うど
秋田
【富山県】
入善ジャンボ西瓜 黒部米 高岡仏具 高岡銅器
加積りんご
【鳥取県】
三朝温泉
東伯和牛
東伯牛
【岡山県】
岡山白桃
千屋牛
青森
【愛知県】
三州瓦 常滑焼 有松鳴海絞 三河木綿 豊橋筆
名古屋仏壇 一色産うなぎ
【島根県】
石州瓦
しまね和牛
【北海道】
十勝川西長いも
鵡川ししゃも
豊浦いちご
はぼまい昆布しょうゆ
虎杖浜たらこ
東北
【三重県】
松阪牛 松阪肉 大内山牛乳 伊勢茶 伊勢たくあん
伊勢ひじき 伊賀くみひも 伊勢うどん
【山口県】
下関うに
北浦うに
長門ゆずきち
厚保くり
【広島県】
福山琴
広島みかん
広島はっさく
広島の酒
府中家具
広島かき
高根みかん
広島レモン
広島針
【カナダ国】
カナダポーク
北海道
【岐阜県】
岐阜提灯 飛騨一位一刀彫 下呂温泉 飛騨牛乳
山岡細寒天 美濃焼 飛騨ヨーグルト 飛騨高原牛乳
飛騨春慶 飛騨アイスクリーム 飛騨牛 郡上鮎
飛騨のさるぼぼ みずなみ焼 飛騨の家具
飛騨・高山の家具 美濃白川茶
中国
【イタリア国】
PROSCIUTTO DI PARMA
北海道
【石川県】
金沢仏壇 七尾仏壇 加賀みそ 山代温泉 和倉温泉
大野醤油 加賀友禅 山中温泉 粟津温泉 美川仏壇
片山津温泉 牛首紬金沢箔 九谷焼 輪島塗 中島菜
能州紬 田鶴浜建具 加賀蒔絵 小松瓦 加賀野菜
加賀太きゅうり 加賀れんこん 能登牛 能登大納言
【和歌山県】
紀州うすい しもつみかん 有田みかん
和歌山ラーメン 紀州備長炭 紀州箪笥
紀州みなべの南高梅 すさみケンケン鰹
紀州梅干 南紀白浜温泉
【奈良県】
高山茶筌 吉野材 吉野本葛 吉野葛
大和肉鶏 吉野杉 吉野桧 吉野割箸
【長野県】
市田柿 信州鎌 蓼科温泉 飯山仏壇 木曽漆器
【千葉県】
房州びわ 八街産落花生 市川のなし 市川の梨
富里スイカ 矢切ねぎ
【東京都】
稲城の梨 江戸甘味噌 江戸押絵羽子板 江戸甲冑
江戸衣裳着人形 江戸指物 江戸木目込人形
江戸木版画 江戸切子 江戸からかみ 東京銀器
東京染小紋 江戸更紗 東京無地染
【神奈川県】
小田原蒲鉾 小田原かまぼこ 松輪サバ 湯河原温泉
足柄茶 横濱中華街 小田原ひもの
【静岡県】
駿河湾桜えび 由比桜えび 焼津鰹節 丹那牛乳
三ヶ日みかん 川根茶 静岡茶 駿河漆器 沼津ひもの
掛川茶
※各経済産業局担当地域別
448
について話し合いが行われた。
4.知的財産に関する農商工連携に関する取組
(1)知的財産分野における農林水産省と経済産業省の
(3)2007 年度における具体的な成果について
連携
2007 年 10 月 30 日、若林農林水産大臣と甘利経済
知的財産分野における両省の連携について、具体的
産業大臣との間で、農林水産業では知的財産が付加価
な成果の実現に向けてワーキンググループで検討を
値の創造に重要な役割を担っており、両省が密接かつ
重ねた結果、2007 年 12 月に農林水産省が地域におい
有機的に協力・連携し、知的財産の創造、保護及び活
て農林水産分野の知的財産の保護、創造・活用を促進
用を更に促すことにより、地域経済の活性化に貢献し
することを目的に、地方農政局及び沖縄総合事務局に、
ていくため、知的財産分野に関して両省が連携して施
知的財産に関する相談窓口を設置し、これを受けて、
策を進めていくべきとの認識で一致した。
経済産業省では地方経済産業局及び沖縄総合事務局
の相談窓口と地方農政局等の相談窓口との連携を通
(2)知的財産連携推進連絡会議
じ、知的財産に関する相談機能の強化を行った。具体
2007 年 10 月 30 日に第1回連絡会議が開催され、
的には、地方農政局等が特許・商標等に関する専門的
連携に関するワーキンググループの設置について話
な相談を受けた場合に地方経済産業局等と連携し対
し合われ、[1]知的財産の保護・活用の基盤づくり、
応することとし、地方経済産業局等が農林水産分野の
[2]諸外国における知的財産の保護強化、[3]知的財産
相談を受けた場合には地方農政局等と連携し対応す
権制度に関するワーキンググループの設置が決めら
ることとしたことにより、相談者が迅速に問題を解決
れ、事務方でより具体的な連携の実現に向けて話し合
できる体制を構築した。また、このほかにも地方農政
われることとなった。
局等と地方経済産業局が連携し、地域の実情にあわせ
た知的財産権セミナー等を開催するなどとした。
また、2008 年3月 24 日に第2回連絡会議を開催し、
連携施策の進捗状況と 2008 年度以降の連携の進め方
知財分野にお ける農商工連携(
概要)
地域における知的財産の「創造・保護・活用」を更に促すため、農林水産省と経済産業省は、知的財産分野において密接かつ有機的に
連携をとりつつ、各種施策を積極的に展開。
両省の連携施策
経済産業省の施策
第1 農林水産関連の知的財産の保護・活用の基盤づくり
<相談から活用までのきめ細やかな施策強化>
○ 総合相談:各経済産業局特許室、 (独)工業所有権情報・研修館、
産業財産権専門官
○ 専門家による個別無料相談:年間4,000回以上
○ 知財駆け込み寺による相談取次を含め、地域の知財支援体制を整
備
○ 特許庁支援:料金の軽減(例:審査請求料約20→10万円)、早期審査
制度、審査請求前の技術調査を支援
○ 支援人材育成:説明会・セミナー・実践研修。
○ 特許流通アドバイザー( (独)工業所有権情報・研修館):今年度は1
06名を自治体・TLO・経済局に派遣。(H9からの累計成約件数が1
万件を達成。)
○ 特許流通データベース( (独)工業所有 権情報・研修館) :約50,000
件のライセンス情報等をインターネットを通じて公開。
<アジア等における模倣品対策の強化>
○ 「模倣品・海賊版拡散防止条約」 (仮称)の早期実現。
○ 先進国とのEPAにおける高いレベルの模倣品関連規定の追及。
○ 模倣品被害の調査及びサポート。
○ 官民合同模倣品対策ミッションの派遣。
○ 消費者に対する普及啓発及び企業の模倣品対策に対する支援。
○国内での対策強化
・特許庁と警察、税関との連携
知財権侵害事件に関する特許庁への照会件数:773件(06年)
・水際での取締り強化
税関での輸入差止件数:約2万件(06年)
税関での輸入差止点数:約98万点(06年)
<地域ブランドの活用等の推進>
○ 地方によるセミナー開催やマニュアル作成:地域ブラン ド 《必携》ガイ
ドブック(北海道)等各地域知財戦略本部による実施。
○ 地域団体商標の出願状況:748件(07年9月末現在)
産品別出願内訳
農水産一次産品:357件 加工食品: 90件
菓子: 30件 麺類: 30件 酒類: 15件
工業製品:195件 温泉: 31件 その他: 10件
<地方農政局・経済局の連携を通じた相談機能の連携強化>
○ 全国の両省の地方局で、各々の専門を生かした相互補完相談システムの構築。
<制度普及・啓発機能の強化>
○ 各地域の実情にあわせたセミナー・無料相談会等を全国の地方局で共催。
○ 中小企業向け審査請求前の技術調査支援(無料)を、農林水産分野でも活用 。
<知的財産人材の育成>
○ 製造業等における知的財産流通に関する業務経験のある人材(特許流通アドバイ
ザーとして、これまでに約200名の企業等のOB人材を活用)等、知財を活用する人材の育成
のための研修ノウハウを、農林水産分野の知的財産人材育成のために提供。
○ 弁理士が農林水産業や食品産業関係の知財関連知識を習得するための環境整
備。
<特許流通データベースの活用等>
○ 農林水産・食品分野における知的財産の活用のために特許流通データベースを
有効に活用した情報提供方策について、共同で検討。
○ 地域をまたいだ特許流通の促進について両省連携して検討(例:北海道と島根県「保
冷力抜群の段ボール箱」)。
第2 諸外国における知的財産の保護強化
<知的財産分野における制度調和の推進>
○ 知的財産分野における制度調和を実現するため、各国政府との交渉状況等
に係る情報共有や連携強化。
<模倣品問題の解決に向けた対応>
○ 経済産業省が有するノウハウ、海外駐在員ネットワークを活用した模倣品対
策への協力。
○ 農林水産関係における模倣品被害の調査及びサポー ト 。
○ 各国政府への要請や協力提案等における情報共有・連携強化。
○ 知的財産制度、模倣品問題の実態等に関する情報共有。
第3 地域団体商標制度の活用
○ 地域ブランドを普及させるためのセミナー等により、両省連携していく。
第4 両省連絡会議の設置
○ 知的財産分野における両省の連携を有機的に推進するため、連絡会議を設
置。
449
(2)法改正の概要
5.特許法等の一部を改正する法律
我が国経済は、人口減少や国際競争の激化といった
知的財産権の戦略的な活用の促進と、迅速かつ適正
成長制約要因を抱える中、知的財産の創造・保護・活
な権利保護の観点から、特許法、実用新案法、意匠法、
用の好循環の加速化によりイノベーションを一層促
商標法及び工業所有権に関する手続等の特例に関す
進し、中長期的な生産性の向上を通じて産業競争力の
る法律について、以下のような措置を講ずる。
強化を図ることが求められている。
(ア) 通常実施権等登録制度の見直し(特許法・実用
新案法)
このような中で、利用者のニーズに合致した、より
利便性の高い知的財産権制度を実現するため、知的財
○特許の出願段階におけるライセンス(他者への実施
産権の戦略的な活用と適正な保護を図る観点から、通
許諾)を保護するための登録制度を創設。
(登録に
常実施権に係る登録制度の見直しを行うとともに、適
よりライセンシーが第三者対抗力を具備。)
正な権利の保護のための環境整備を図るために、不服
○特許権・実用新案権に係る通常実施権の登録事項の
審判の請求期間や特許関係料金の見直し等を行った。
うち、秘匿の要望が強い登録事項([1]ライセンシ
(1)法改正の経緯
ーの氏名等、[2]通常実施権の範囲)の開示を一定
知的財産ビジネスの多様化や国境を越えた企業再
の利害関係人に限定。
(イ) 不服審判請求期間の見直し(特許法・意匠法・
編(M&A)の活発化等に伴う産業財産権の流動性の
商標法)
高まりや、ライセンス(他者への実施許諾)の拡大が
○特許制度において、拒絶査定不服審判請求期間(現
進展する中で、企業等がライセンスに基づく事業活動
を安定して継続できる環境の整備が求められている。
行:30 日以内)を「3月以内」に拡大。また、権
そこで、産業構造審議会知的財産政策部会特許制度
利を求 める技術的範囲(特許請求 の範囲 )等の 補
小委員会の下に通常実施権等登録制度ワーキンググ
正可能時期(現行:審判請求から 30 日以内)を、
ループを設置し、現行の通常実施権等の登録制度がよ
審判請求と同時にのみ可能と変更。
り活用されるための方策について審議を行った。
○意匠制度と商標制度において、拒絶査定不服審判と
また、同ワーキンググループで検討された事項に加
補正却下決定不服審判に係る審判請求期間(現
えて、審判制度の在り方、国際的なワークシェアリン
行:30 日以内)を「3月以内」に拡大。
グの在り方、特許・商標関係料金の在り方、決済シス
(ウ) 優先権書類の電子的交換の対象国の拡大(特許
テムを始めとした更なる電子化の在り方等について、
法・実用新案法)
特許制度小委員会、意匠制度小委員会、商標制度小委
○出願人の利便性向上及び行政処理の効率化の観点
員会において検討を行い、2008 年1月の知的財産政
から、優先権書類(※)の電子的交換を世界的 に
策部会において報告書が取りまとめられ、了承された。
実現するため、優先権書類 の発行国のみなら ず 、
「特許法等の一部を改正する法律」は、同報告書等
その他 の国や国際機関(WIPO 等)で電子化 さ
を踏まえて立案され、2008 年2月1日に閣議決定さ
れた優先権書類のデ ータの受け入れについても 可
れた後、同日第 169 回通常国会に提出された。同法案
能とする。
は、3月 26 日に衆議院経済産業委員会において提案
※最初に出願した国(第一国)への出願日がその後に
理由説明。4月2日に質疑及び採決を経て、4月3日
出願した他の国(第二国)での審査上の 判断基 準
の本会議において可決、また、4月8日に参議院経済
日となることを証明する書類。
産業委員会において提案理由説明、4月 10 日に質疑
(エ) 特許・商標関係料金の引き下げ(特許法・商標
及び採決を経て、4月 11 日の本会議において可決・
法)
○中小企業等の負担感の強い 10 年目以降の特許料を
成立した。
重点的に引き下げるなど、特許料の引き下げ。
(平
※公布日:2008 年4月 18 日
均 12%の引き下げ)
450
関する手続等の特例に関する法律)
○諸外国と比較して高額であり、中小企業等の利用割
○国庫金の電子決済インフラの整備に伴い、特許料等
合の高い(件数で 36%)商標の設定登録料等の引
き下げ。(平均 43%の引き下げ)
の料金 の納付手続の簡素化を図る 観点か ら、料 金
(法施行5年経過後に、料金関係規定の施行状況
納付について、銀行 口座か らの振替えによる納 付
について検討を行うこととしている。)
制度を導入。
(オ) 料金納付の口座振替制度の導入(工業所有権に
特許法等の一部を改正する法律の概要
知的財産権の戦略的な活用を促進する観点から、通常実施権等に係る登録制度の見直しを行うとともに、迅速かつ適正な権利
の保護のための環境整備を図るため、不服審判請求期間、特許関係料金の見直し等を行う。
Ⅰ.通常実施権等登録制度の見直し
○特許の出願段階におけるライセンスに係る登録制度の創設 〈特許法〉
・大学TLOや中小・ベンチャー企業等で活用ニーズが強い「特許の出願段階における
ライセンス(他者への実施許諾)」を保護するための登録制度を創設。
(登録によりライセンシーが第三者対抗力を具備。)
○現行の通常実施権登録制度の活用に向けた見直し 〈特許法・実用新案法〉
・ライセンスの拡大等によるライセンシー保護の必要性の高まりを踏まえ、特許権・
実用新案権に係る通常実施権の登録事項のうち、秘匿の要望が強い登録事項
(①ライセンシーの氏名等、②通常実施権の範囲)の開示を一定の利害関係人※に限定。
現行の通常実施権登録制度
破産、事業譲渡等
※ライセンサー、ライセンシー、対象特許権の取得者、破産管財人等。
Ⅱ.不服審判請求期間の見直し
〈特許法・意匠法・商標法〉
権利の移転
特許権者
(ライセンサー)
通常実施権許諾契約
(ライセンス契約)
譲受人等
差止・損害賠償請求
契約解除
登録
通常実施権者
(事前に特許庁に登録すれ
(ライセンシー)
ば第三者対抗力を具備)
Ⅲ.優先権書類の電子的交換の対象国の拡大
〈特許法・実用新案法〉
○拒絶査定(特許しない旨の審査結果)を受けた出願人の手続保障等 ○世界的な特許出願の増大に対応して、出願人の利便性向上及び行政
処理の効率化の観点から、優先権書類※の電子的交換を世界的に実
の観点から、以下の措置を講ずる。
<特許>
現するため、優先権書類を電子的に交換できる対象国を拡大。
・拒絶査定不服審判請求期間(現行:30日以内)を「3月以内」に拡大。
現 行 :優先権書類の発行国(第一国)で電子化されたデータの受け
・権利を求める技術的範囲(特許請求の範囲)等の補正可能時期(現
入れが可能。
行:審判請求から30日以内)を、審判請求と同時にのみ可能と変更。
改正後:第一国以外の国や国際機関(WIPO等)で電子化されたデー
タの受け入れも可能。
<意匠・商標>
※最初に出願した国(第一国)への出願日がその後に出願した他の国(第二国)
・拒絶査定不服審判と補正却下決定不服審判について、審判請求期
での審査上の判断基準日となることを証明する書類。
間(現行:30日以内)を「3月以内」に拡大。
Ⅳ.特許・商標関係料金の引き下げ
〈特許法・商標法〉
Ⅴ.料金納付の口座振替制度の導入
〈工業所有権に関する手続等の特例に関する法律〉
○中小企業等の負担感の強い10年目以降の特許料の重点的引き下げ
○国庫金の電子決済インフラの整備に伴い、特許料等の料金の納付
を含む特許料の引き下げ(平均12%の引き下げ)。
手続の簡素化を図る観点から、料金納付について、銀行口座からの
○諸外国と比較して高額であり、中小企業等の利用割合の高い(件数
振替えによる納付制度を導入。
で36%)商標の設定登録料等の引き下げ(平均43%の引き下げ)。
ダイレクト方式口座振替
〔料金引き下げ前後における費用比較〕
(平成21年1月運用開始予定)
特許(権利を10年間維持)
商標(権利を10年間維持)
<現在>49万円 <改定後>44万円
<現在>13万円 <改定後>7万円
特許(権利を20年間維持)
<現在>168万円 <改定後>134万円
(注)我が国の特許・実用新案のオン
ライン出願率は、97%。
申請書
振替番号
申請者に代わり 特許庁が振替指図を行う。
JPO
24時間可能
(法施行5年経過後に、料金関係規定の施行状況について検討を行うこととしている。)
451
国庫金歳入ルートは申請から
収納まで全てオンライン。
24時間納付が可能。
このため、2007 年 12 月 18 日、特許庁に「イノベ
6.イノベーション促進に向けた新知財政策
ーションと知財政策に関する研究会」(座長:野間口
近年の知的財産権制度を取り巻く環境は、経済のグ
ローバル化の進展や技術の高度化・複雑化、オープン
有
三菱電機株式会社取締役会長)を設置し、今後の
イノベーションの進展などを背景として、大きく変化
我が国知財政策の在り方について、幅広く議論を行い、
してきている。このような知的財産権制度を取り巻く
プロパテント政策の基本理念の下、イノベーションを
環境の変化を受けて、世界各国において知財政策の在
促進する観点から、知的財産権制度を取り巻く環境の
り方についての様々な議論が行われている。
変化に対応した新たなプロイノベーションの知財シ
ステムの構築に向けて、以下の観点から具体的な提言
我が国はこれまで、プロパテント政策によりイノベ
ーションの促進を図ってきたところであるが、このよ
を行った。
うな知的財産権制度をめぐる環境が大きく変化して
※2008 年8月8日報告書公表
いる中で更なるイノベーションの促進を図るために
(1)持続可能な世界特許システムの実現
は、変化に対応した新たな知財政策について、グロー
(2)特許システムの不確実性の低減
バルな視点で検討することが必要となっている。
(3)イノベーション促進のためのインフラ整備
20 08 年8 月
特 許 庁
イノベーションと知財政策に関する研究会 政策提言
基本的な考え方
知財政策の基本理念である「プロパテント政策」を、イノベーション促進の観点からより
強化するため、グローバル化や技術の高度化などの変化に対応した新たなプロイノベー
ションの知財システム(知財制度の体系)を構築する。
(1)基本理念:プロパテント政策の維持・強化
○知的財産は人類全体の資産。日本は、約10年前から知財の保護をより強化する政策
(いわゆるプロパテント政策)をとってきているところ。
○プロパテント政策の基本方針は、知財の「創造」、「保護」、「活用」という知的創造サイク
ルを活発にすること。
○本研究会は、このプロパテント政策の基本方針は重要であることを引き続き確認し、今
後の政策においてもこれを維持することは当然であると考える。そして更に、プロイノ
ベーションの知財システムの強化を提言する。
(2)政策提言:変化に対応した、イノベーション促進のための知財システムの構築
○世界の知財システムは「グローバル化」と「技術の高度化」の大きな変化に直面している。ま
た、いわゆる「オープンイノベーション」も広がりを見せている。このような変化は、「知財を巡
る激しい企業間競争」を生み出してもいる。
○これらの変化の背景には「情報技術(IT)の進展」がある。ITの進展は、グローバル化や技術
の高度化を促進するとともに、特許の検索環境にも大きな変化をもたらしつつある。
○イノベーションを促進するためにも、日本と世界の知財システムは、権利の「質」を重視しつ
つこうした環境の変化に対応しなくてはならない。また、その際には、ITを最大限に活用する
必要がある。
○本研究会は、知財システムが直面する変化の現状を踏まえ、イノベーション促進のためのグ
ローバル・インフラストラクチャーとしての知財システムの構築に向けた具体的な提言を行う。
提言(案)の概要
<現状分析>
グローバル化による
(1) 国際的な特許保護ニーズの高まり
○一つの発明をグローバルな特許として効
率的に保護する必要性が高まっている。
グローバル化による
(2) 世界の特許出願の急増
○世界の特許出願は約170万件に急増。
○このうち約4割が重複出願。
グローバル化による
(3) 知財をめぐる南北の対立
○途上国における特許出願のほとんどが
先進国からのもの。
○知財の議論も、マルチフォーラ化。
特許を巡る企業間競争の熾烈化による
(4) 不確実性とビジネスリスクの増大
○知財訴訟のコストは高額化している。
○いわゆる「パテントトロール」の活動もビ
ジネスリスクを増している。
技術の高度化・融合化、世界的な知識の共有による
(5) オープンイノベーションの進展
○垂直統合型の研究開発体制に加え、
オープンイノベーションが進展。
○研究開発が大学やベンチャーなどの多
様な主体によって担われている。
オープンイノベーションの進展、グローバル化、IT技
術の進歩などによる
<基本目標>
<変革への提言>
Ⅰ.持続可能な世界特許システムの実現
一つの発明をグローバルな特許として効率よく保護するため、
(i) ユーザーニーズに応じて柔軟かつ適時に
審査を行う体制の整備及び国際協力の強化
が必要。
世界の特許出願の急増に対処するため、
ITを最大限に活用することにより
「効率的」で「効果的」な知財システムを実現するため、
(iv)途上国の開発など世界経済全体にとって
「効果的」な知財システムの整備が必要
特許の不確実性とビジネスリスクを低減するための
(v) 「特許の質」の向上と、「透明」で「予見
性」の高い知財システムの整備
提言1
早期審査制度を拡充するなど、メリハリの効いた審査迅速化を
行うため
④国際的な制度調和を推進する
提言3
知財が途上国のビジネスの発展につながる、という活用事
例を共有することにより、
②出願人の多様なニーズに応じた柔軟な審査 ⑤途上国による知財制度の活用を促進する
体制を構築する
提言2
ITの進展と、グローバルな制度調和を踏まえて
(iii) 「特許の質」の向上とグローバルな調和
が必要
Ⅱ.特許システムの不確実性の低減
①「仮想的な世界特許庁」の構築を目指す
中庸な制度を有する日本の特徴を活用し、日本が制度調和
の議論をリードすることにより
提言4
(ii) 特許審査を「効率化」することが必要
知財をめぐる南北対立を解消するため、
先進国間の審査ワークシェアリングの推進と、途上国への審査
結果発信などの協力により
③官民によるワークシェアリングを検討する
審査基準を恒常的に見直し、審査の安定性を高めるための
⑥模倣品・海賊版対策を着実に実施する
特許権を行使する際の「権利濫用」の考え方を明確にする
①透明で予見性の高い特許審査メカニズムを ②パテントトロール問題への対応のための
構築する
ガイドラインについて検討する
提言5
オープンイノベーションの進展において、多様な主体による研究
開発を戦略的にプロデュースして、知財を生み出していく
提言6
幅広い研究者や技術者の知見を、うまく引出すための
①総合プロデュース型知財ビジネスの設立を支 ④コミュニティパテントレビューの試行を開始
する
援する
提言11
提言8
オープンイノベーションの進展により重要性が高まっている標準
化について
②標準に係る知財の活用の円滑化を図る
「知財の目」で、研究開発政策の効率を高めるため
⑤研究開発政策と知財政策との連携を図る
提言9
提言12
(6)イノベーション主体の多様化と地理的 Ⅲ.イノベーション促進のためのインフラ整備
論文や内外特許情報等を横断的に一括して検索可能で研究開
広がり
複数の大学・研究機関等が参加する研究開発コンソーシア
発と特許システム双方にとっての基盤となる
オープンイノベーションの進展に対応した
○オープンイノベーションに伴い、学術論文
ムの研究開発を促進するため
③シームレスな(継ぎ目のない)検索環境を実 ⑥知財プロデューサー派遣事業を創設する
(vi)イノベーション促進のためのインフラ環
と知財の競争が重なりつつある。
現する
○諸外国の知財情報や技術情報も、より
境(エコシステム)の「再構築」が必要 提言7
提言10
提言13
重要になっている。
452
審査基準の策定プロセスの透明性を高めつつその検
(1)持続可能な世界特許システムの実現
世界の特許出願は 2005 年において年間約 166 万件
討内容を充実させる等、特許制度・運用について、透
にまで急増している。このような状況の中、一つの発
明性・予見可能性のより高い特許審査メカニズムが必
明を効率的にグローバルな知財として保護すること
要となる。
が重要となっており、出願人にとって、いわば「仮想
特許出願段階から紛争段階に至るまで、知的財産を
的な世界特許庁」として機能するような、実質的な国
とりまく様々な関係者にとって透明で予見性の高い
際協力の枠組みの構築が求められている。
特許システムとなるためにはどのような政策が必要
すなわち、経済のグローバル化がますます深まる現
か、という視点から政策提言を行った。安定的な特許
状においては日本国内だけの対応では不充分であり、
システムを構築するためには、国際的な制度とその運
一つの発明が効率的に世界全体で知的財産として保
用の調和、さらに常に変化し続けるイノベーションへ
護されるような世界的な特許庁間の連携が以前にも
の的確な対応が鍵となる。
増して重要になってきているのである。そのためにも、
(3)イノベーション促進のためのインフラ整備
日本に閉じた知財政策ではなく、世界全体を見据えた
技術の高度化・複雑化やITの進歩がイノベーショ
グローバルな知財政策についての政策提言を展開す
ンの創出環境にも様々な影響を与えている。特に、企
ることが、本研究会の狙いの一つである。
これに加え、日本国特許庁が目指すべき政策目標と
業内において全ての研究開発を垂直統合で行う従来
して、日本国特許庁に対する特許出願について、多様
型のイノベーション形態に代わり、新たな研究開発の
化する出願人のニーズに柔軟に対応しながら、審査の
タイプとして、企業の枠を越えて大学等の様々な主体
迅速化・効率化を高めることが求められている。
と連携しながら、他者の研究開発を積極的に活用する
こうしたグローバルな観点から、世界の知財政策が
いわゆる「オープンイノベーション」への動きが世界
どのようにあるべきか、そのために世界の特許庁がど
的に進みつつある。こうしたオープンイノベーション
のように連携を行うべきか、日本国特許庁としてどの
環境の下では、知的財産は、知識・技術の流通を円滑
ような貢献が可能か、また多様な出願人のニーズにど
化する手段としての役割を担うようになってきてい
のように対応していくか、という視点から政策提言を
る。また、グローバルに存在している有益な知識や情
行った。
報を効率的に獲得・処理していくことも重要となって
おり、オープンイノベーション環境に対応したイノベ
(2)特許システムの不確実性の低減
ーション促進のためのインフラの整備が必要である。
特許制度はイノベーションを促進するためのイン
研究会ではオープンイノベーション環境に対応し
フラとして必要であるが、質の低い特許権の増加は、
たイノベーション促進のためのインフラをどのよう
特許紛争の増加を招くなど、ビジネスリスクを高める
に整備していくべきか、という視点から政策提言を行
要因になるとの指摘もある。質の低い特許権は、「特
った。
許の藪」及び「パテントトロール」といった言葉で表
されるような問題の要因の一つとされ、イノベーショ
ンを阻害するのではないかと指摘されている。また、
国際的な特許庁の連携を強化するためには、特許の質
の向上のための取組が不断に行われ、各国特許庁間で
その目標が共有されることが必要不可欠である。
そこで、特許権を取得する段階や、保護の段階にお
ける不確実性を極力抑え、ビジネスリスクをこれまで
以上に低減するためにも、特許の質の維持・向上と、
453
企業・大学等への支援
また、各経済産業局等の管轄地域ごと(9カ所)に
1.中小企業等に対する支援
地域経済の担い手として大きな役割を果たす中小
「地域知財戦略本部」を設置しており、同本部の策定
企業や、新規産業の創出が期待されるベンチャー企業
する「地域知財戦略推進計画」に基づき、中小企業等
等に対して、先行技術調査の支援やセミナー・説明会
の知的財産に関する意識の向上及び適切な利用を促
の実施など様々な施策を通じて総合的に支援してい
進するための事業を実施している。
る。
中小企業等に対する総合的な支援の概要
中小企業等に対する総合的な支援の概要
人材育成・相談
人材育成・相談
活用支援
活用支援
総合的な支援
総合的な支援
○個 別 無 料 相 談 会
○知 財 駆 け込 み寺
○知 的 財 産 権 制 度 説 明 会
(初 心 者 向 け・実 務 者 向 け・法 改 正 )
○中 小 ・ベンチャー 企 業 向 けセミナー
○外 国 知 的 財 産 権 制 度 に関 する相 談
○産 業 財 産 権 専 門 官
○経 済 産 業 局 特 許 室
「知的創造」から「権利活用」まで
「網羅的」かつ「きめ細か」な
中小企業支援
海外
○特 許 流 通 アドバイザー
○特 許 流 通 データベース
○ 開放特許活用例集
○ 特 許 ビジネス市
○特 許 流 通 講 座
○地 域 中 小 企 業 知 的 財 産 戦 略
支援事業
○ 知 財 で元 気 な企 業 2007
国 内 外 における専 門 家 相 談
模 倣 対 策 セミナー・マニュアル
出 願
出 願
審査請求
審査請求
○特 許 電 子 図 書 館 (IPDL)
○ 特許情報活用支援
アドバイザー
○出 願 アドバイザー
○ 共 同 利 用 パソコンの設 置
○特 許 出 願 技 術 動 向 調 査
○中 小 企 業 等 特 許 先 調 査
術 調 査 の支 援
審 査 請 求 料 の軽 減 措 置
○
○ 審 査 請 求 料 の軽 減 措 置
○審 査 請 求 料 返 還 制 度
審査・審判
審査・審判
登 録
登 録
○ 早 期 審 査 ・審 理
○面 接 審 査 ・審 理
○巡 回 審 査 ・審 判
○テレビ面 接 審 査
○特 許 料 の軽 減 措 置
○ 特 許 料 の軽 減 措 置
地域知財戦略本部の展開
08年3月現在
北海道知的財産戦略本部
広域関東圏知的財産戦略本部
近畿知財戦略本部
【本部長:局長:本部員11名】
○自治体・知財関係支援機関等による支援活動の一体化を
通じた支援活動の効率化
○情報提供体制の拡充
○中小・ベンチャー企業による知財の創造に対する支援
○中小・ベンチャー企業による知財の保護に対する支援
○中小・ベンチャー企業による知財の活用に対する支援
○知財活用を通じた地域の活性化
○中小・ベンチャー企業の社内体制整備に対する支援
(本部設置 H17. 5.27 当初計画策定 H17. 5.27)
【本部長:局長:本部員10名】
○地域での計画的な普及・啓発施策の実施
○関連機関との連携による支援体制の強化
○地域の知財支援人材の育成
○地域の相談体制の強化、講師派遣事業の推進
○知財を活用したビジネスの活性化支援
○広報活動の拡充
(本部設置 H17. 5.30 当初計画策定 H17. 9.20)
【本部長:北海道知事:本部員22名】
○大学、企業等における知的財産の創造
○模倣品・海賊版に対する啓発、取締の強化等知的財産の保護
○中小・ベンチャー企業に対する支援等知的財産の活用
○知的財産を活用した地域ブランドの確立
○知的財産に関する支援機関・人材のネットワーク化
○知的財産に関する相談体制の強化
○知的財産関連人材の育成及び制度等の普及啓発
(本部設置 H17. 7. 8 当初AP策定 H18. 3.27)
東北地域知財戦略本部
【本部長:局長:本部員17名】
○知的財産についての意識醸成
○中小企業等への支援施策・制度の周知
○知的財産教育支援、支援人材育成事業の強化
○産学連携の取り組みによる知的財産創出、活用の推進
○支援機関等のネットワーク構築
○地域ブランドの確立支援
(本部設置 H17. 7. 8 当初計画策定 H18. 2.15)
中国地域知財戦略本部
【本部長:局長:本部員13名】
○知財マインドの醸成
○知財活動に取り組んでいる企業の知財レベルの向上
○企業の知財活動を補完する人材確保
○大学を中心とする知財の円滑な移転の促進
○技術流出防止、地域ブランド化の促進
(本部設置 H17. 9. 8 当初計画策定 H18. 3.30)
中部知的財産戦略本部
【本部長:商工会議所副会頭:本部員13名】
○中小企業の支援と産学連携の促進
○デザイン・ブランドの振興
○知財マインドの向上
○支援インフラの整備
(本部設置 H17. 9.30 当初計画策定 H18. 3.23
九州知的財産戦略協議会
【本部長:九州経済連合会副会長:本部員19名】
○企業における知的財産戦略策定への支援
○企業のニーズにあわせた支援の展開
○知的財産を担う人材育成・確保
○自治体・知的財産関係支援機関との連携強化
(本部設置 H17. 6.22 当初計画策定 H17. 6.22)
四国地域知的財産戦略本部
【本部長:局長:本部員27名】
○広報・意識啓発の涵養
○個別相談体制の強化
○知財戦略支援の充実
○知財支援組織の連携
(本部設置 H17. 6.10 当初計画策定 H17. 6.10)
454
沖縄地域知的財産戦略本部
本部長:経済産業部長:本部員21名】
○知的財産推進に向けた意識啓発の強化
○知的財産基盤の充実
○知的財産支援人材の育成・確保
○知的財産活用による地域振興
(本部設置 H17. 8. 3 当初計画策定 H18. 3. 8)
2.大学等に対する支援
おけるイノベーションを促進する上で重要である。
我が国の大学等における共同研究や受託研究の件
数及び金額は年々増えているが、産学官連携を推進し、
大学等には、研究成果である知的財産の帰属や取扱
大学等における研究の成果を産業界に移転し、より確
を明確にし、その管理や活用を戦略的に行うことが求
実に事業化に結びつけるとともに、産業界におけるニ
められており、それを進めるための様々な支援策が展
ーズを大学へフィードバックしてニーズを踏まえた
開されている。
研究がより多く大学等で行われることは、我が国に
大
大学
学の
の知
知的
的財
財産
産活
活動
動へ
への
の支
支援
援策
策
発明の創出から権利活用までの網羅的な支援策を展開
発明の創出段階
権利化段階
○ 大 学 研 究 者 向 け セ ミナ ー
の開催
○大学知的財産
ア ドバ イザ ー の 派 遣
○大学研究者向け知財
テキ ストの 配 布
○知的財産管理体制
構築マニュアルの 提供
・セ ミナ ー の 開 催
○特許情報の提供
特 許 電 子 図 書 館 (IP D L )
○特許料、
審査請求料
の減免措置
○大学関連出願
の早期審査
パ テ ン ト マ ッ プ ・特 許 出 願 動 向 調 査
特許文献
6 ,5 0 0 万 件
大学知財研究推進事業
※ 大 学 等 向 け IPD L 公 報
固 定 アドレスサ ービス
論文情報と特許情報
の統合検索システム
(J S T P a tM )
権利の活用段階
大
機関帰属
大学研究者
の発明創出
特 許 流 通 DBの 提 供
大学等の保有する特許
シー ズ をデ ー タベー ス
に 無 料 で 登 録 し、特 許
の流通を円滑に促進
技
学
術
移
転
ライセンス料
大学における知的財産の
取 得 ・管 理 ・活 用 部 門
大学
TLO
知財本部 (内部型 ・ 外部型)
特 許 流 通 ア ドバ イザ ー
の派遣
大学等の保有する特許
シー ズと導 入 企 業 の
発掘を行い知的財産の
技術移転を支援
産業界
2008 年度は新たに体制構築支援を受ける8大学を
○大学知的財産アドバイザーの派遣
含め 24 大学に大学知的財産アドバイザーを派遣し、
大学が知的財産活動を行うにあたって、まずは大学
これまでの派遣実績は延べ 48 大学にのぼる。
組織内に知的財産管理体制を構築することが必要で
ある。大学における知的財産管理体制の構築を支援す
また、本事業で得られた大学における知的財産管理
るために、特許庁では大学へアドバイザーを派遣する
体制構築のノウハウは、「大学における知的財産管理
事業を 2002 年度から実施しており、2007 年1月に独
体制構築マニュアル」としてまとめられ、セミナー等
立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)へ
を通じて公表している。
同事業を移管した。
455
3.特許活用に関する支援
を、自治体・TLO等からの要請により派遣している
特許庁は、他者の実施に供する意思のある特許(い
(2007 年度末:106 名)。
わゆる「開放特許」)を企業間や大学・公的研究機関
と企業の間において円滑に移転させることにより、中
また、2007 年度からは、上記活動に加え、特許の
小・ベンチャー企業等における新規事業の創出や新製
流通を促進する活動が地域に根付き、自立的に行われ
品開発を活発化させるため、特許流通促進に向けた各
るような環境を整備するため、自治体において、人材
種事業(「特許流通促進事業」)を、独立行政法人工業
育成や特許流通アドバイザーが蓄積する特許流通に
所有権情報・研修館(INPIT) を通じて実施し
関するノウハウの継承をするための支援活動を行っ
ている。
ている。
この特許流通アドバイザーを利用した技術移転に
そのうち、主な事業は以下のとおりである。
(1)人材活用等による特許流通の促進
関する相談やアドバイスの無料サービスによって、大
・特許流通アドバイザーの派遣
学から中小・ベンチャー企業等への特許流通の成功事
大学・公的研究機関、企業等が保有する開放特許の
例が、数多く生み出されている。
(2007 年度末の成約
件数累計:10,672 件)
発掘と、中小・ベンチャー企業等の技術導入に対する
ニーズを把握し、両者のマッチングを図ることを目的
として、知的財産権や技術移転に関する豊富な知識・
経験を有する専門人材である特許流通アドバイザー
特許提供企業
大学・研究機関
←必 要 な技 術 はどこにあるのか
特許導入
企業
活 用 できる企 業 はないのか →
←交 渉 はどうすればよいのか →
無料!
特許流通アドバイザーによる橋渡し(技術移転)
全国ネットワーク
456
(2)開放特許情報等の提供・活用の促進
研究機関、企業等が保有する開放特許をデータベース
・特許流通データベース
化し、特許流通データベースとしてインターネットを
通 じ て 公 開 し て い る 。( 2007 年 度 末 登 録 件 数 : 約
活用可能な開放特許を産業界や地域の企業に円滑
52,000 件)
に流通させ実用化を推進していくため、大学・公的
特 許 流 通 DB
開 放 特 許 を広 く開 示 したい
開放特許を
探 したい
特許技術提供希望企業
・ライセンス情報
大学・研究機関
・ニーズ情報
特許導入希望企業
開 放 特 許 をデータベース化
インターネットで無 料 提 供
また、自治体が企画・開催する地域版の特許ビジネ
(3)知的財産取引事業の育成支援のための環境整備
ス市に対して、開催支援・協力を行っている。(2007
・特許ビジネス市
年度実績:3回開催(東京2回、大阪1回) 参加者
特許技術などのシーズを保有する企業が、技術の
数 439 名)
内容やビジネスプランを提示し、参加者から当該技術
についてライセンス締結や共同研究、資金提供等の各
種アライアンスの申し出を募る場市)である「特許ビ
ジネス市」を開催している。
457
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