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平成24年度報告書

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平成24年度報告書
平成 21 年度文部科学省大学改革推進事業「看護師の人材養成システムの確立」
臨床教育看護師育成プラン
平成 24 年度
報告書
平成 25 年 6 月
滋賀医科大学医学部附属病院 看護臨床教育センター
滋賀医科大学医学部附属病院 看護部
滋賀医科大学医学部
看護学科
はじめに
文部科学省大学改革推進事業「看護師の人材養成システムの確立」に採択された「臨床教育看
護師育成プラン~専門分野の知を結集し臨床看護教育者を育てる」が開始になり、早4年が経過
しました。本事業により全国的にも珍しい病院内にスキルズラボを有した看護臨床教育センターを
設置することができました。そして、臨床教育看護師育成プログラムと新人看護師教育プログラム、
そして、臨床教育助産師育成プログラムを開発し、156 名のプログラム修了者を輩出しました。臨床
教育看護師育成プログラムにて育成された 10 名の臨床教育看護師のうち、2 名が看護臨床助教
の称号を得るまでに至りました。
看護実践におけるエビデンスは日々変化し、常に新しい知識をもって、根拠に基づいた技術を
実践していくことが求められます。そこで、WEB 上で Evidence に基づいた国際標準の看護基準(エ
ルゼビア・ジャパン社が提供している「ナーシングスキル」)を看護実践および教育のツールとして
新人看護師はもとより、全看護職員が業務中の電子カルテからも簡単にアクセスできるようにしまし
た。さらに平成 24 年 12 月からは、本学看護学科の学生も自宅のインターネット等から利用できるよ
うになりました。実践したことのない看護技術を動画で予習し、チェックリストやテストでの看護実践
後の復習や知識が不明瞭な技術の確認など幅広い学習に使用することができるようになりました。
看護学生から新人看護師そしてベテラン看護師までの継続した看護実践教育を具現化できたと考
えています。これらによって、臨床教育看護師を中心とした看護学科とのユニフィケーションがより
一層強固なものになりました。
平成 24 年度は地域への貢献が格段に推進されました。民間病院への新人教育プログラムと臨
床助産師育成プログラムの提供、「新人看護職員研修アドバイス事業」としての民間病院への新人
看護師育成プログラムの作成のアドバイスを行いました。さらに、スキルラボを活用した潜在看護師
を対象とした再就職支援講習会と滋賀県下の看護師等養成所の専任教員に対するフォローアッ
プ研修会も行いました。プログラム参加者は、看護臨床教育センターが有する人的・物的資源を活
用して、大学病院ならではの最新の看護技術や知識を学びたいという高いモチベーションをもって
いました。私達も、この思いに応えて行きたいと決意を新たにしました。
現在、学部と臨床そして地域との連携を少しずつ拡大して事業の更なる発展を試みています。
今後ともご協力とご支援をどうぞ宜しくお願いいたします。
滋賀医科大学医学部附属病院 副病院長 看護部長 藤野みつ子
目
次
Ⅰ.事業概要
1
Ⅱ.平成 24 年度活動報告
1.
教育プログラムについて
3
1) 開発した教育プログラム数
3
2) 教育プログラムによる教育を受けている看護師数
3
3) 教育プログラムの効果
4
(1) 臨床教育看護師育成プログラム
4
① 臨床判断能力強化の評価
4
② ジェネラリストの学びをサポートする能力の評価
(2) 新人看護師教育プログラム
2.
11
19
① 新人看護師教育プログラム実施の成果
19
② 新人看護師教育プログラムの評価
21
(3) 臨床教育助産師育成プログラム
68
① 臨床判断能力強化の評価
69
看護スキルズラボの利用状況
76
1) 看護スキルズラボの利用者数
76
2) シミュレータ等の利用者数
76
3) シミュレータ利用者内訳
77
4) 看護臨床教育センター主催研修会
78
3. 教育指導者の養成
87
1) 臨床教育看護師・助産師数
87
2) 養成の概要
87
3) 効果・成果
88
(1) 「部署における他者とのかかわりから得ているもの調査」
88
(2) 臨床教育看護師と臨床教育看護師(プレ)の組織への影響についての
91
アンケート
4. 人事交流の実施状況
94
1) 看護学科教員臨床勤務の実施状況
94
2) 看護学科教員の臨床勤務報告
95
3) 臨床教育看護師の看護学科演習参加状況
102
4) 看護学生との交流
116
5. キャリアパス構築
119
1) キャリアパスの概要
119
2) 効果・成果
119
6. 看護臨床教育センターへの相談状況
121
1) 相談件数
121
2) 平成 24 年度の相談内容と件数
121
7. 地域への貢献
122
1) 地域を対象にした研修
122
(1) 外部の新人看護師研修
122
(2) 再就職支援講習会
127
(3) 看護師等養成所の専任教員フォローアップ研修会
133
2) 社会貢献
140
8. 情報公開
141
1) 臨床教育看護師育成プランフォーラム
141
2) 平成 24 年度事業報告会1
164
3) 平成 24 年度事業報告会 2
164
4) 学会発表
165
5) 専門誌等の発表
172
9. 事業の改善・発展のための組織運営
174
1) 看護臨床教育センター運営会議
175
2) 評価委員会
177
Ⅰ.事業概要
滋賀医科大学は、「臨床教育看護師育成プラン~専門分野の知を結集し臨床看護教育者を育
てる~」が、平成 21 年度 文部科学省大学改革推進事業「看護師の人材養成システムの確立」に
採択された。この事業の目的は、大学病院看護部と自大学看護学部・看護学科が連携し、体系立
てられた臨床研修方法や体制等を、学問的検討を行って開発し、臨床の看護職および基礎教育
課程の教育レベルを向上させることにより、効率的・継続的な専門能力の習得と向上が図られ、国
内の安心・安全な看護提供体制を構築することとされている。
看護臨床教育センターは、この文部科学省事業の目的に沿い、臨床看護教育者を育成するた
めの体系的なカリキュラム開発に取り組み、本学のみならず学外(滋賀県下)の看護の質向上にも
貢献できるよう、6つのプロジェクトを実施している。
◆ 6つのプロジェクト
1. 教育プログラムの開発
1) 臨床教育看護師育成プログラム
2) 臨床教育助産師育成プログラム
3) 新人看護師教育プログラム
2. 教育指導者の養成
1) 臨床教育看護師の養成
2) 臨床教育助産師の養成
3. 臨床教育支援のための環境整備
1) スキルズラボの整備・運営
2) シミュレータの管理
3) 看護臨床教育センター専属の教員配置
4. 人事交流
1) 看護学科教員の臨床勤務
2) 臨床教育看護師・臨床教育助産師の看護学科の学生対象とした教育
1
5. キャリア支援
1) 個別のキャリアカウンセリング
2) 大学院進学に向けた広報活動
3) 看護管理者対象の対話カフェ
6. 地域医療への貢献
1) 滋賀県下(学外)の新人看護師教育研修
2) 滋賀県下(学外)の潜在看護師・助産師の就職・職場復帰支援研修
3) 自施設の臨床教育プログラムや臨床の教育指導者の養成に関する相談
4) 滋賀県下の看護教員対象の病院研修
5) 滋賀県が病院との人材派遣に関する相談
医学部附属病院
①教育
②教育指導者
プログラムの開発 の養成
・臨床教育看護師
育成プログラム
・臨床教育助産師
育成プログラム
・新人看護師教育
プログラム
・臨床教育看
護師の養成
・臨床教育助
産師の養成
③臨床教育
支援のため
の環境整備
・スキルズラボ
の整備・運営
・シミュレータの
管理
・センター専属
の教員配置
医学部看護学科
④人事交流
・看護学科教
員の臨床勤務
・臨床教育看
護師・臨床教
育助産師の看
護学科・学生
対象の臨床教
育
⑤キャリア支援
・個別のキャリア
カウンセリング
・大学院進学に
向けた広報活動
・管理者対象の
対話カフェ
キャリア支援
⑥地域医療への貢献
・滋賀県下(学外)の新人教育研修
・滋賀県下(学外)の就職・職場復帰支援研修
・自施設の臨床教育プログラムや臨床指導者
の養成に関する相談
・滋賀県下の看護教員対象の病院研修
・地域の看護師、教員フォローアップ
•ジェネラリストの成長と看護の質向上
•基礎教育への還元
•臨床教育看護師・助産師育成プログラムの提示
•滋賀県の看護の質への貢献
•新人看護師のリアリティショックによる離職率の低下
•看護職員離職率の低下
•安全・安心な看護技術の提供
2
Ⅱ.平成 24 年度活動報告
1. 教育プログラムについて
1)開発教育プログラム数
開発を予定していたプログラムの「臨床教育看護師育成プログラム」「新人看護師教育プログラ
ム」「臨床教育助産師育成プログラム」の全てを開発した。
事項
H21 年度
H22 年度
H23 年度
H24 年度
教育プログラム数
1
2
3
3
2)教育プログラムによる教育を受けている看護師数
(1) 臨床教育看護師育成プログラムの総受講者数は 20 名であり、受講予定者数 25 名の 80%
に達している。
(2) 臨床教育助産師育成プログラムの総受講者数は 3 名であり、受講予定者数 1 名の 3 倍であ
り、そのうちの 1 名は院外からの参加である。
教育プログラム名
H22 年度
H23 年度
H24 年度
臨床教育看護師育成プログラム
4
6
10
新人看護師教育プログラム
0
80
53
臨床教育助産師育成プログラム
0
0
3
3
3)教育プログラムの効果
(1) 臨床教育看護師育成プログラム
受講者が、各自の実践や体験を他者との対話を通してリフレクションし、最終的に自身の看
護実践から独自の持論や見解を抽出できるように、プログラムは、経験から学習できる内容と
している。受講者は自身から距離を置いて、今まで考えていたこと、思っていたことを問いなお
し、自身の課題や看護師として進む方向性を見出す機会を経験する。その経験をした受講者
は、部署のジェネラリスト教育にはジェネラリスト自身の実践を問い直す姿勢が重要であり、そ
れをサポートする必要性を認識していくことになる。授業は、プロセスレコードやロールプレイ、
討議、ケースメソッドなどにより、参加者同士の協調学習により批判的思考の育成も目的にし
ている。
このプログラムの目的である、臨床教育看護師自身や部署の看護の質向上のために必要
な臨床判断能力の強化、及びジェネラリストの学びを支援する能力の強化について評価した。
この目的は臨床教育助産師育成プログラムでも共通であるため、臨床教育助産師育成プログ
ラム受講者も含めて評価をしている。
① 臨床判断能力強化の評価
(ア) 「看護問題対応行動自己評価尺度」:プログラム受講前後の得点比較(対照群ジェ
ネラリスト)
1.
目的
プログラム受講者の臨床判断能力について、「看護問題対応行動自己評価
尺度」で測定し、プログラム受講前後で得点の変化を測定し、プログラムの効
果を明確にする。
2.
調査方法
1) 調査対象
(1) 平成 24 年度臨床教育看護師・助産師育成プログラム受講者 13 名
(2) 本院の部署看護師(看護師長・副看護師長・専門認定看護師・臨床教
育看護師{プレ、プログラム受講者を含む}を除く)ジェネラリスト看護師
377 名
4
2) 調査方法:質問紙調査
信頼性・妥当性を確認された看護の質を測定する、看護問題に対応する
行動の質を構成概念とし、5 下位尺度 25 質問項目から構成されている「看護
問題対応行動自己評価尺度」(125 点満点)を使用した。
3.
結果
1) プログラム受講者の回収率・有効回答率は 100%であった。
2) ジェネラリストの回収率 91.0%(344)、有効回答率 93.6%(322)であった。
3) 平成 24 年度プログラム受講者のプログラム受講前後の「看護問題対応行動
自己評価尺度」平均得点の変化(図 1)
(1) プログラム受講者の平均得点は、受講前 91.4 点、受講後 93.0 点であり、t
検定の結果平均得点の変化に有意差は見られなかった。変化率は 1.8%
であった。
(2) ジェネラリストの同時期に測定した平均得点は、95.3 点と 90.0 点、変化率
は-5.6%であった。
4.
考察
プログラム受講者の受講前後の平均得点の変化は、統計的な有意差は認
めていないが、受講後の平均得点は受講前の平均得点よりも高値となっている。
一方、同時期に測定をしたジェネラリストの平均得点は低下している。
また、受講前後の平均得点の変化率を比較すると、受講者はジェネラリストよ
りも高値を示していた。前年度も受講者の変化率は、ジェネラリストの変化率よ
りも高値であった。
これらの結果より、本プログラムの受講が「看護問題対応行動自己評価」の
平均得点上昇の要因であることが考えられる。
5
96.0
95.3
94.0
93.0
(点)
92.0
91.4
プログラム受講者
ジェネラリスト
90.0
90.0
88.0
受講前
受講後
図1 「看護問題対応行動自己評価尺度」平均得点の変化
H24プログラム受講者とジェネラリスト
6
(イ) 「看護実践の卓越性自己評価尺度ー病棟看護師用ー」:プログラム受講前後の得
点比較(対照群ジェネラリスト)
1.
目的
プログラム受講者の臨床判断について、「看護実践の卓越性自己評価尺度
ー病棟看護師用ー」で測定し、プログラム受講前後で得点の変化を測定し、プ
ログラムの効果を明確にする。
2.
調査方法
1) 調査対象
(1) 平成 24 年度臨床教育看護師・助産師育成プログラム受講者 13 名
(2) 本院の部署看護師(看護師長・副看護師長・専門認定看護師・臨床教
育看護師{プレ、プログラム受講者を含む}を除く)ジェネラリスト看護師
377 名
2) 調査方法:質問紙調査
信頼性・妥当性を確認された看護の質を測定する、看護の質を構成概念
とし、7 下位尺度 35 質問項目から構成されている「看護実践の卓越性自己
評価尺度ー病棟看護師用ー」(175 点満点)を使用した。
3.
結果
1) プログラム受講者の回収率・有効回答率は 100%であった。
2) ジェネラリストの回収率 89.4%(337)、有効回答率 97.0%(327)であった。
3) 平成 24 年度プログラム受講者「看護実践の卓越性自己評価尺度ー病棟看
護師用ー」平均得点の変化(図 2)
(1) プログラム受講者の平均得点は、受講前 120.0 点、受講後 125.4 点であ
り、t 検定の結果、平均得点の変化に有意差は見られなかった。変化率
は 4.5%であった。
(2) ジェネラリストの同時期に測定した平均得点は、124.0 点と 119.3 点、変
化率は-3.8%であった。
7
4.
考察
プログラム受講者の受講前後の平均得点の変化は統計的な有意差は認め
ていないが、受講後の平均得点は受講前の平均得点よりも高値となっている。
一方、同時期に測定をしたジェネラリストの平均得点は低下している。
また、受講前後の平均得点の変化率を比較すると、受講者はジェネラリストよ
りも高値を示していた。前年度も受講者の変化率は、ジェネラリストの変化率よ
りも高値であった。
これらの結果より、本プログラムの受講が「看護実践の卓越性自己評価尺度
ー病棟看護師用ー」の得点上昇の要因であることが考えられる。
8
126.0
125.4
124.0
124.0
(点) 122.0
プログラム受講者
ジェネラリスト
120.0
120.0
119.3
118.0
受講前
受講後
図2 「看護実践の卓越性自己評価尺度」平均得点の変化
H24プログラム受講者とジェネラリスト
9
(ウ) リフレクションシートの内容:プログラム受講中の継時的変化
1.
目的
体験をリフレクションする能力を持つことは、人としての成長と同時に専門職
者としての成長につながるといわれている。このことより、プログラム受講者の臨
床判断能力について、プログラム受講中のリフレクションシートの記載内容の経
時的な変化を評価し、プログラムの効果を明確にする。
2.
調査方法
1) 調査対象
平成 24 年度臨床教育看護師育成プログラム受講者 10 名
臨床教育助産師育成プログラム受講者は、一部分別のプログラムを受講
しているため、対象としなかった。
2) 調査方法
リフレクションシートは、プログラムの 1 単元毎に記載してもらい、評価基準
によって 3 段階(1 点、2 点、3 点)で評価した。
3.
結果
リフレクションシート評価の平均点の変化には、有意差は認めなかったが、
1.3 点、1.4 点、2.0 点と経時的に変化していた。
4.
考察
リフレクションシートの内容が描写から、分析、解釈ができ課題を具体的に記
述できるようになっており、リフレクションの能力が高まってきていると考える。
リフレクションの能力は、看護行為の質の変化に重要な要素となると言われ
ており、リフレクションの変化は、看護は専門職としての成長につながっていくと
考え、本プログラムが受講者自身の看護の質向上に効果があると示唆された。
10
② ジェネラリストの学びをサポートする能力の評価指標
(ア) 部署で実施する教育計画の視点の変化:プログラム受講前後の内容の比較
1.
目的
プログラム前後における部署の課題に対する視点の変化について評価をし、
プログラムによる教育的視点への効果について明確にする。
2.
調査方法
1) 調査対象
平成 24 年度臨床教育看護師・助産師育成プログラム受講者 13 名
2) 調査方法
(1) 部署の課題について、プログラム開始直後とプログラム修了時の内容
の変化について、学びの支援という視点の有無を比較した。
(2) プログラム修了時リフレクションの内容から、学びの支援の視点の有無
について検討した。
3.
結果
プログラム受講者 13 名全員から以下の結果を得た。
1) 部署の課題について、プログラム開始直後とプログラム修了時の内容の変
化について
(1) プログラム開始直後
① 部署の課題は、目に見ている現象を取り上げ、その現象に対して
対応策を考えていた。
(2) プログラム修了時
① 部署の課題は、目指したい看護の目標から、目に見えている現象
の意味することが何かを考えていた。
② 知識を与えるのではなく、実践者として役割モデルとなり、意図し
て実施している看護を示していくことが記載されていた。
③ 経験から学ぶことができるように、実践を振り返ったり、語り合ったり
する場の設定を考えていた。
11
2) プログラム修了時リフレクションの内容から、学びの支援の視点について
プログラム参加によって気づいたことや新たな発見とは何でしたか。
 普段自分が何気なく気づいていることや行っていることは、当たり前のことではなく、見る人や行う
人によって対応は違っているということ。
 普段疑問に思わないことに、疑問を持つ視点を教えてもらった。疑問をどのように持ったらいいの
か、批判的に考えるとはどういうことかを知るヒントを得ることができた。
 自分だけの考えでなく他の人の意見をたくさん聞く機会が得られ、自分の思考や言葉のとらえ方
の傾向を知ることができた。また自分だけでなく他者の立場や視点で物事を見ることの大切さを
学んだ。
 自分と他者は違うことを考えているものなのだということを学んだ。
 問題として挙げたことの本質がどこにあるのか、本当にそこが問題なのか。もっと他に原因はあ
るのではないのか、そういう思考過程のプロセスを学んだ。
 自分の考えを整理していくこと、他者と話をして新たな気づきや自分の側面を知ることが、成長し
ていくためには大事だと知った。
 自分が成長しようとする上で、知識を得る努力をするだけでなく、自身を振り返りそこから学びを
得ることが必要だと知った。
 成人の学びをサポートするということは伝えるのみでなく実際に参加していけるように関わってい
くことが大切だと学んだ。
 このプログラムを通して一番気づかされたことは、“自分の考え方、行動の傾向”である。
 私の気づきと他者のそれは必ずしも同じではないということや、学びには、動機づけや体験、学び
の場としての環境が重要であるということを知った。
 人により気づきは違うが、学びの場を提供し、意識的にリフレクションを行うことで、考え方や教え
方が違うものになり、学びに結びつく大きさも違ってくることがわかった。
12
あなたにとってその気づきや発見はどのような意味がありましたか。
 当たり前のことと考えずに、他の人は他の人の考えや見えていることがあり、それを尋ねるこ
とでお互いの考えや見えていることを理解し合え、看護の質向上につながるのではないか考
える。また、チームで働いていると思えるのではないかと考える。
 病棟で仕事をしていても、他の看護師や患者の発言に対して、どういう意味で言ってるの
か?自分と相手が同じ意味で捉えられているのか?と疑問をもつくせがつき、こういう意味で
言ってるの?と問いかけることが多くなった。また、どうしてこの人がこういうことを言ってるの
か、その背景を知ろうとする姿勢をもつようになった。
 カンファレンスをしている時に、プライマリーの看護師や患者などのそれぞれの人の立場に
立ってみるように努めるようになった。
 人と話すことで思考が整理でき、気づかないことに気づくことが出来ることを知れたのは、大
きな収穫であった。
 スタッフと共感できたり、体験を共有できるような関わりを増やして、お互いに学べる状況を
作っていきたい。
 これからは患者であれ、スッタフであれ“関わること”その時“感じたこと”、それを“問いかけ
る”ことを大事にしようと思う。嬉しいとか悲しいとかだけでなく、腹が立つことや悔しいことも
含めて。一番、楽で簡単なのは“知らんぷりや無関心”だと思う。
このプログラムで学んだことは、臨床教育看護師(プレ)活動にどのように活かせそうですか。
 1 年間を通した活動の中で、自分自身がロールモデルになれるように助産・看護を示してい
きたい。
 当たり前のことなのに・・・と考えるのではなく、もしかして気づいてないのかな、と考えること
で、説明の仕方や方法を選んでかかわりたい。
 教育というより、まず相手に興味を持ち、相手を知るところからはじめていこうと思う。そうす
ると、相互作用で気持ちや、行動に変化が起き、自分はもちろん相手の学びにもつながって
いく関わりができると思われる。
 経験年数、成育環境など、決して同じ人はいないため、それぞれに合わせた関わりが大事で
ある。
 このプログラムで自分が支援してもらった学びを病棟にフィードバック出来るよう、そして“聴く
こと、問いかける”ことを大事にする。
 チームを作り活動をともにしていくこと、その活動を支援するためにも個々の考え方を聴き、
話し合うことを大切にして活動していきたい。
13
4.
考察
部署の課題については、現象だけに目を向けるのではなく、現象から本質を
掴むことができるようになり、部署の看護をより良くするための内容に取り組むこ
とができるようになってきている。また、実践者として役割モデルとなる内容や、
経験から学べるような問いかけや他の看護師が実践した看護を振り返ることが
できるような仕組み作りを取り入れていることから、成人の学びや職場での学び
について理解し、学びを支援することが可能となっている。
修了時リフレクションの記載内容からは、組織学習を支える要因である①精
神的な安全、②違いの尊重、③新しいアイデアの許容について、このプログラ
ムを受講した経験を通して理解したと考えられる。
以上より、本プログラムは学びをサポートする能力の向上に寄与していると
考えられる。
14
平成 24 年度臨床教育看護師育成プログラム
【臨床教育看護師とは】
看護の質向上のために、看護師と看護学生に教育的にかかわる臨床の看護教育者である。
Ⅰ.臨床教育看護師育成プログラムの目的
 臨床教育看護師に期待する能力を強化する。
Ⅱ.臨床教育看護師に期待する能力
1. 看護観・倫理観・専門的知識に基づいて的確に判断し、熟練した看護技術を提供する。
2. 教育的視点を持って看護師や看護学生とかかわる。
3. 看護実践を通して役割モデルを看護師や看護学生に示し、看護の魅力を伝える。
Ⅲ.臨床教育看護師育成プログラム
臨床教育看護師に期待する能力を強化するために、二つの学習プログラムを設定する。
1. 自身の看護実践の質向上のために、臨床判断力を強化するためのプログラム
2. 部署全体の看護の質向上に向けて、部署の看護師の学びをサポートする力を強化するため
のプログラム
15
1.自身の看護実践の質向上のために、臨床判断力を強化するためのプログラム
到達目標
1)
看護の質とは何かを、プログラムの受講を通してそれぞれが検討する。
2)
自己の実践を分析し、人間観、健康観、環境観とともに看護観を概念化する。
3)
看護実践場面を振り返りながら、看護の意味や価値を見出し、次の看護実践につなげる方
法を習得する。
単元
課題
内容
第1
自己の実践を分析
(6 回)
し、人間観、健康観、
対話:テーマ「看護師がやっていることは皆、看護か」
環境観、看護観の概
講義:実践における看護理論の活用
念化する。
(1) ガイダンス:この単元の目標と学習概要の説明
(2) 事例報告:
テーマ「看護実践においてわたしが大切にしていること」
(3) 事例検討:事例をもとに、各自が看護の何を大切にしているかを、
対話を通して分析し、自身の「看護実践においてわたしが大切にし
ていること」を明確化する。
(4) 発表/対話:明確化した各自の大切にしている部分を分析し、な
ぜ、大切にしているのか、それは看護実践においてどういう意味あ
るいは価値をもつのか、対話を通して、それぞれの認知フレームを
変更していく。そのプロセスで、各自が、その大切にしている部分の
根底にある、自身の人間観、健康観、環境観、看護観を見出し、そ
れを概念化していく。
(5) 発表/対話:それぞれの概念化を通して、看護の質とは何かを検
討する。
講義:医療の質評価、看護の質評価
第2
看護実践場面を振り
ガイダンス/講義:よりよい看護実践に向けて要請される「リフレクショ
(15 回)
返りながら、看護の意
ン」とは何か
味や価値を見出し、
(1) 倫理的思考、批判的思考、専門的知識(病態生理、看護診断、対
次の看護実践につな
象理解、看護過程、看護技術など)を、リフレクションによる事例検
げる方法を習得す
討を通して学ぶ。
る。
倫理的問題のある事例・看護実践の場面の事例→2 事例を提出
看護学科教員による講義:看護の専門性と看護技術
講義:看護過程/ケアリング/自己と他者/倫理的思考/批判的
思考
(2) 発表/対話:それぞれの事例検討にあたり、看護の質とは何かを
検討する。
16
2.部署全体の看護の質向上に向けて、部署の看護師の学びをサポートする力を強化するためのプログラム
到達目標
1)
看護の質とは何かを、プログラム全部の受講を通して個人が検討する。
2)
成人の学びとは、成人の学びをサポートするとは何か、理解する。
3)
職場における看護師の学びのサポート体制を知る。
4)
部署の看護師の学びをサポートするという視点で、自部署の質向上のための計画を立案す
る。
単元
課題
第3
成人の学びとは、成
(7 回)
人の学びをサポート
す る とは 何か 、理 解
する。
職場における看護師
の学びのサポート体
内容
(1) ガイダンス/講義:よりよい看護実践をサポートするために
要請される「リフレクション」「対話」とは何か
(2) 教育学専門家による講義:教育、成人教育、教育評価、対象者理
解、対象者の立場に立ったサポート
(3) 看護学科教員による講義:看護師養成教育の現状と課題、看護教
育カリキュラムについて、看護継続教育の意義について
制を知る。
第4
部署の看護師をサポ
(14 回)
ートするという視点
個人が実践する看護の質と部署全体の看護の質とを比較しな
で、自部署の質向上
がら、部署全体の看護の質について検討する。
のための計画を立案
する。
(1) 対話:部署全体の看護の質について
(2) 院内留学(他部署で1日勤務をする)
・院内留学前
課題の提示:自部署の看護の質について考えるために、課題を明確
にする→留学先の部署へ事前にその課題を提示
・院内留学後
発表/対話:事前に出した自身の課題に、院内留学で体験したことを
踏まえて、それぞれが応答する。
→その後、留学後の課題への応答をまとめ、その内
容をもとに部署の担当者と簡単にディスカッションす
る。
(3) 個人ワーク/グループワーク:部署の看護師をサポートする視点
で、部署全体の看護の質向上のための計画を立案する。
(4) 発表/対話:それぞれが立案した計画を、対話を通して洗練させ
る。
17
平成 24 年度臨床教育看護師育成プログラム日程
開催日:原則第 1 水曜日、第 3 月曜日 場所:原則 看護臨床教育センター
9:00~12:00
5月
21 日(月)
6 日(水)
6月
18 日(月)
4 日(水)
7月
23 日(月)
1 日(水)
8月
20 日(月)
5 日(水)
9月
10 月
18 日(火)
3 日(水)
15 日(月)
11 月
7 日(水)
19 日(月)
臨床判断②
倫理的思考・批判的思考1
臨床判断③
臨床判断④
倫理的思考・批判的思考2
倫理的思考・批判的思考3
臨床判断⑤
臨床判断⑥
看護の専門性と看護技術
倫理的思考・批判的思考4
学び③ 教育について
学び④ 教育について
学び⑤ 教育について
学び⑥ 教育について
臨床判断⑦
学び⑦ 院内留学前
倫理的思考・批判的思5
学び⑧⑨院内留学
臨床判断⑧
倫理的思考・批判的思考6
臨床判断⑨
倫理的思考・批判的思考7
学び⑩ 院内留学まとめ
臨床判断⑩ 看護観1
臨床判断⑪ 看護観2
臨床判断⑫ 看護観3
学び⑪
臨床判断⑬ 看護観4
看護教育・継続教育
臨床判断⑯
臨床判断⑰
看護過程・看護診断
看護実践の振り返り1
臨床判断⑱
臨床判断⑲
看護実践の振り返り2
看護実践の振り返り3
臨床判断⑳
21
臨床判断○
看護実践の振り返り4
看護実践の振り返り5
21 日(月)
学び⑫ 計画立案1
学び⑬ 計画立案2
6 日(水)
学び⑭ 計画立案3
学び⑮ 計画立案4
18 日(月)
学び⑯ 計画立案5
学び⑰ 計画立案6
6 日(水)
学び⑱ 計画立案7
学び⑲ 計画立案8
18 日(月)
学び⑳ 計画立案9
21 発表
学び○
17 日(月)
3月
臨床判断① 看護の質
学び② 対話
臨床判断⑮ 看護観6
12 月
2月
学び① リフレクション
臨床判断⑭ 看護観5
5 日(水)
1月
OL/アイスブレーキング
13:00~16:00
7 日(月)
18
(2) 新人看護師教育プログラム
① 新人看護師教育プログラム実施の成果
(ア) 部署での「屋根瓦」を支援する連携の構築
本院の新人看護師の教育体制は、プリセプターシップを実施しており、プリセプター・
プリセプティ・選任教育看護師(教育担当者)を中心に「屋根瓦方式」で支援をしていた。
また、リエゾン看護師が新人看護師のメンタルヘルスの支援にも取り組んでいた。
平成 23 年度より、1 年間を通じて看護臨床教育センターが新人看護師の集合研修を
実施することで、顔の見える継続した関わりのなかで得た新人看護師の反応を、業務中
心の部署と精神面中心のリエゾン看護師の両者と情報交換をして、多方面から新人看護
師の状況について考え、個別の対応が可能となった。このように部署-リエゾン看護師看護臨床教育センターが連携し、部署の「屋根瓦方式」を支援するシステムを構築した。
(イ) 新人看護教育の部署間の均てん化
看護臨床教育センターが「看護実践基準」を使用して看護技術の教育を実施すること
で、部署での教育ツールとして「看護実践基準」を使用することが浸透した。
(ウ) 世界標準の看護手順が学べるオンライン学習ツール「ナーシングスキル」の
導入
昨年度までは、当院が独自に作成した「看護実践基準」を、看護技術を学習し実践の
基盤とするものとして、教育に使用してきた。しかし、看護実践におけるエビデンスは
日々変化し、常に新しい知識をもって、根拠に基づいた技術を実践していくことが求めら
れる。そこで、当院の看護実践基準として、エルゼビア・ジャパン社が提供している「ナー
シングスキル」を実践および教育ツールとして導入することとした。「ナーシングスキル」は
世界レベルで活用されており、最新のエビデンスに基づき日々改訂されている。
この「ナーシングスキル」を当院の新人看護師はもとより、全看護師が自宅のインター
ネットからでも、また、業務中の電子カルテの端末からも簡単にアクセスできるよう契約し
た。これにより、実践したことのない看護技術を動画で予習し、チェックリストやテストでの
実践後の復習・知識が不明瞭な技術の確認など幅広い学習に使用することができるよう
になった。
導入後調査では、利用者の割合は 45%であったが、経験のない手技の予習(61.6%)、
経験のある手技を確実にするためのチェック(43.8%)、経験した手技の復習(24.7%)に
活用されており、有効な教育ツールとなっている。平成 24 年 12 月には本学看護学科学
生もアクセスを可能となり、本事業の目的である“効率的・継続的な専門能力の習得と向
上を図る”ことがさらに充実した。
19
平成 24 年度新人看護師教育プログラム
実施日
4/10,11,
12
8:45~10:15
袋、エプロンの着脱)
滅菌物の取扱
13:30~15:00
15:15~16:45
薬物療法における看
感染予防(未滅菌手
護の基本
点滴静脈内注射・ヘパリンロック
インスリン注射・血糖
輸液ポンプ、シリンジポンプの準備管理
測定
酸素吸入
4/16,17,
18
10:30~12:00
スライディングシー
吸引
静脈採血と検体の取扱
ト/イーバックチェア
パルスオキシメーターによる測定
の使用法
薬剤の基礎知識(薬剤部)(9:00~12:00)
システム型医薬品集について
5/19
メンタルヘルス1(リエゾン看護師)
注射・輸液の基礎知識
(13:30~16:30)
インスリン製剤の種類・用法・副作用
喜怒哀楽を共有しよう
抗生物質の用法と副作用
オピオイド製剤の作用・副作用
6/27,28,
29
心電図モニターと 12 誘導心電図の装着と管理
8/29,30
急変時の対応
インシデントから学ぼう
10/29,
困っていることを解決し
よう
メンタルヘルス2(リエ
30,31,
アセスメント能力
11/1
ゾン看護師)ストレッサ
ーへの対処法がわかる
人工呼吸器装着患者の看護
11/28
,30
(重症集中ケア認定看護師)
人工呼吸器の理解
(挿管チューブの固定、トラックケアによる吸引、
口腔ケア、体位変換)
1/30,
点滴静脈注射(静脈留置針)
31
3/9
2年目に向けて
6 月以降、臨床教育看護師が講師として参加し、看護技術を教育すると共に、臨床教育看護師
としてのモデルを示した。
20
② 新人看護師教育プログラムの評価
新人看護師教育プログラムはリアリティショックによる離職の防止と安全な看護技術を提供
できる能力の育成と目的に、①新人看護師がお互いを支援しともに学ぶ、②実践で安全な看
護技術を提供するために、看護技術の基本型を習得する、③メタ認知を育成する、ことを目標
に開発した。
この目標の到達について以下の評価を実施した。
(ア) 新人看護師対象とした研修毎に実施時期と内容についてのアンケート調査
(イ) 選任教育看護師を対象とした研修ごとの集合研修の必要性と実施時期についてのアン
ケート調査
(ウ) リフレクションシートの記述内容
(エ) 新人看護師のインシデント内容
(オ) 新人看護師を対象としたストレス調査
(カ) 新人看護師の離職率
評価の結果、新人看護師教育プログラムは、新人看護師にとって技術の学習支援と精神的
な支援になっている。また、部署での新人教育のツールや方法を見直す機会にもなり、部署側
の教育環境の整備につながっている。
リフレクションの評価では、経験から学ぶ方法を習得しつつあることも示しており、学習者とし
てのトレーニングになっていると思われる。
インシデントや離職率が 0 になることは不可能であり、昨年度より開始した新人看護師教育プ
ログラムの実施後の数値を鑑みた上で、本院での目標値を設定し、プログラムの効果を検討す
ることが必要であると考える。
評価の具体的な結果について、以下に示す。
21
(ア) 研修時期と内容についてのアンケート調査結果
対象:新人看護師
研修全般で、時期や内容の満足度は高かった。
自由記述の内容からも看護臨床教育センターで実施する集合研修は、部署で経験し
た技術の確認や疑問の解消にもなっており、部署での学習を補強することにもなって
いる。
基礎知識の確認後に手順に沿って実施したり、少人数のグループ制で個人のペース
に合わせて実施したり、実際の物品やシミュレータを使用したりすることで看護技術
の確認ができ、今後の課題を発見できている。
メンタルヘルスの研修では、同期と話し合うことや自分だけではないと感じること
で、精神的に楽になっている様子がうかがえている。
以下に結果を示す。
22
「感染予防 他」について(n=53)
研修時期
3.8%
良かった
早い方が良かった
遅い方が良かった
無記入
96.2%
研修内容
7.5%
わかりやすかった
難しかった
ものたりなかった
無記入
92.5%
23
内容について
・わからないところをわからないまま置いていかれることがなかった。
・なぜその手技を使うのか、ということを 1 つ 1 つ考えながらできたので良かった。
・実際に物品を用いて行わせていただいたので納得しやすかった。
・少人数で実践を交えて行えたからわかりやすかった。
・講師の方が前で実演、資料の配布、実際に自分たちで行う、この 3 つがあることでイメージに
残りやすく、また後日振り返る時に資料とイメージで再学習しやすいと思いました。
・前日までに病棟で教わった内容のなかで根拠がわからなかったことなども学ぶことができた。
・グループワークもしっかり考える機会となり良かった。
・病棟で見学していたが、スピードが速すぎて手順があやふやだったシリンジポンプの使い方
や、少し不安だったアンプルカットが十分できるまで練習できたのでとても良かった。
・2~3 人で確認しながらでき、他人の目から見てもらえたのも良かった。
・患者さんに実施できるようになるまでを考えると、もっともっと練習が必要とわかった。失敗か
ら学ぶことが多々あった。
・見て、練習して、実施して、自分なりに反省点が見えたためとても有意義になった。
インスリン注射の実施
輸液ポンプを操作
24
「酸素吸入・吸引・採血」について(n=52)
研修時期
7.7%
良かった
早い方が良かった
遅い方が良かった
無記入
92.3%
研修内容
1.9%
9.6%
わかりやすかった
難しかった
ものたりなかった
無記入
88.5%
25
内容について
・採血で、モデルでいろいろなパターンの採血を体験したりお互いにやりあうことで、自分の援
助を見直したり、他の人からの姿からも学ぶことができた。
・根拠もしっかり教えてもらえるので、大切なところは根拠と共に頭に残って良い。
・新人看護師同士で程よい緊張感のなかで学習できたのが良かったと思う。
・モデルがあり、自身の技術チェックや技術の向上、工夫に使えるのでよかったと思う。
・実際に物品を見たり実践できて、見て聞くだけでなく体でも考えられたから良かった。
・実際にやってみることで、何も経験がない状態で現場に出るよりは少しでも自信がつくと思っ
た。
・どういうことに気をつけなければいけないのかわかりやすく、実践時にも気をつけることができ
ると思う。
・見て、練習して、実施して、自分なりに反省点が見えたためとても有意義になった。
シミュレータで採血演習
口腔・鼻腔吸引の演習
26
「薬物の基礎知識・メンタルヘルス」について(n=51)
研修時期
3.9% 2.0%
良かった
早い方が良かった
遅い方が良かった
無記入
94.1%
研修内容
2.0%
2.0%
わかりやすかった
難しかった
ものたりなかった
無記入
96.1%
27
内容について
・自分達が薬剤を扱うようになってからの講義でわかりやすかった。
・今まで使っていたインスリンについて、知らなかった事、今一度意識し直そうと思ったことがあ
り、良かった。
・使用している薬剤が資料にもあってわかりやすく、興味を持って聞けた。
・薬剤について、病棟であまり使用しない物についても知ることができた。
・必要とされる基本的な薬剤の知識確認ができて良かった。
・患者に指導できる内容が聞けて良かった。
・プリセプターさんからの手紙がとっても嬉しかった、また明日から頑張ろうと思えた。
・メンタルヘルスは新たな気持ちになり、元気が出た。
・色々わからない事があったり、うまくいかなかったり、辛かったりするのが自分だけじゃなく他
の人も一緒なんだとわかって気持ちが楽になった。
・メンタルヘルスケアでは、ちょうど今の時期わからないことも多く、夜勤も始まり、しんどい時期
なので今の自分がどんな状態か見直すこともできた。
・1 カ月経って、色々思うところが出てきていた時期なので、皆と共有できて良かった。
メンタルヘルス1
先輩からひとりひとりに書かれたメッセージに感激
28
「心電図モニターと12誘導心電図」について(n=51)
研修時期
良かった
42.9%
早い方が良かった
遅い方が良かった
57.1%
無記入
研修内容
4.1%
8.2%
わかりやすかった
難しかった
ものたりなかった
無記入
87.8%
29
内容について
・心電図モニターの使い方はあまり詳しく教えてもらう機会がなかったので良い機会になった。
・12 誘導をとっている場面をみたことはあったが、電極をはる位置やあいまいな部分が多くあっ
たので勉強できて良かった。
・3 か月に入り、心電図モニターを装着している患者さんを受け持つことが増えてきている。波形
をしっかりみる必要があったり、自分でモニター設定する機会が増えている為、今回練習でき
たことは大きいと思う。
・実際に心電図を装着したり病棟で物品の位置を確認したりできる時間があって、普段の勤務
中にはできないことができて良かった。
・一人ずつ12誘導の体験をさせてもらえてわかりやすかった。
・物品の名称や場所を早く覚えなくてはいけないし、急変時に対応できるようがんばろう! と思え
る研修だった。
・過去のインシデント等、具体的な注意点を講義して頂きわかりやすかった。
・ちょうど緊急カートの中身を先輩と一緒に確認した所だったし、先日、急変した患者さんもいた
ので時期と合わせてわかりやすかった。
・一度学習してから病棟に戻って確認することでイメージしやすかった。
・気管内チューブ等実際に見ながらだったのでわかりやすかった。
シミュレータで心電図の電極を装着
部署の救急カートの中身を確認
30
「インシデントから学ぼう・困っていることを解決しよう」について(n=50)
研修時期
8.0%
良かった
早い方が良かった
遅い方が良かった
無記入
92.0%
研修内容
わかりやすかった
難しかった
ものたりなかった
無記入
100.0%
31
内容について
・薬剤の投与、特に内服薬の渡し方など、自分の中で患者確認が甘くなっていることに気づい
て良かった。
・業務に少しずつ慣れてきた反面、患者確認の手順が簡単になってしまっていた。問題を起こ
す可能性があることを頭に入れておこうと思った。
・自分の経験と照らし合わせてインシデントの事例を考えられた。
・1つのインシデントを使って 1 つ 1 つの手技を確認できたのはイメージもしやすく良かった。
・私もこれまでに何度かしたことがあるので、再度皆で確認できて良かった。実際インシデントを
起こして、何がダメだったのか、今後どうすれば良いかを考えることができたし、今後の自分の
行動に活かせると思った。
・久しぶりに同期と話せて良かった。仕事が嫌でしんどいのは自分だけではないと思った。
・自分の考えにない対処方法がわかった。
・他の科ならではの話や悩みが聞けて、自分の環境を客観的に改めて見ることができた。
・グループワークだったので自分の考えだけでなく、他の経験をしている人の意見をきくことがで
きた。
インシデントについて臨床教育看護師からコメント
アセスメントついてグループワークの発表
32
「アセスメント能力を高めよう・メンタルヘルス2」について(n=51)
研修時期
15.7%
良かった
早い方が良かった
遅い方が良かった
無記入
84.3%
研修内容
3.9%
7.8%
わかりやすかった
難しかった
ものたりなかった
無記入
88.2%
33
内容について
・半年間色々な場面を見た上で今日の研修だったので、改めてバイタルサインの大切さを感じ
た。
・バイタルサインでは改めて、何故測るのか、どのように判断すればいいか過程を考え直すい
い機会だった。
・バイタルサインについては、慣れて毎日の業務の一環として行うようになってきている今の時
期に基本的なことを再度確認できて良かった。
・もう一度、普段やっている手技を見直そうと思った。
・アセスメント能力について、この辺りがよくわかっていなかったと見直す指標になったので良か
った。
・GW が難しかった。でも、自分に足りないものがわかった。
・アセスメントでは、自分の不足したところが見えてきた研修だった。
・ストレス対処については、今の自分を見直してまた頑張ろうと思った。
・自分への期待が大きいとしんどくなるので、もっと自分に優しく、自分を大切にしようと思えるよ
うになった。
・対人関係については自分の中でルールを作ったりしながら調節していこうと思った。
・皆の話や本音が聞けて、皆もいろいろ思っていると思うと心が軽くなった。
・病棟の先輩 Ns すべての方と仲良くなりたい、ならないといけないと思い、日々自分の対応が
悪いのかと悩んだりしていたが、無理に頑張らなくていいと自分の気持ちが整理できて楽にな
った。
メンタルヘルス 2 は少人数で実施
困っていることをグループワーク中
34
「人工呼吸器の理解、看護」について(n=50)
研修時期
6.1%
良かった
早い方が良かった
34.7%
遅い方が良かった
59.2%
無記入
研修内容
2.0%
わかりやすかった
難しかった
44.9%
53.1%
35
ものたりなかった
無記入
内容について
・器械の波形やモードの意味が 1 回の説明では十分理解できなかったので、今後受け持つ患
者さんに当てはめて学んでいきたい。
・人工呼吸器のモニター使用方法が難しかった。現場で使用するとき、再確認の必要を感じた。
・午前に人工呼吸器の原理やシステムの基本について学んで理解したうえで、午後の人工呼
吸器装着時の看護を実際にすることができて分かりやすかった。
・実際に人工呼吸器を触ることができ、モードや設定、アラームの対処方法などが理解できた。
人工呼吸器を実際に操作
シミュレータで挿管患者さんの口腔ケアを実施
36
「点滴静脈注射(静脈留置針)」について(n=49)
研修時期
2.0%
30.6%
良かった
早い方が良かった
遅い方が良かった
無記入
67.3%
研修内容
4.1%
わかりやすかった
難しかった
ものたりなかった
無記入
95.9%
37
内容について
・レジュメで練習しながら方法を見学し、実施できたので分かりやすかった。
・練習しながら、疑問に思うことは質問し、見てもらうことで勉強になった。
・自分の手技の良いところ、改善した方がよい所を客観的に教えて下さってとても良かった。
・シミュレータで練習をして、自分のタイミングで実技テストに臨めた。
・他の病棟の人のルートの固定方法を知ることができた。
・1 つ 1 つの手順を細かく確認しながら進めていくのは、間違い防止につながると思う。
・指導して頂いた看護師さんがとても丁寧に教えて下さった。
・今までの経験等、細かくアドバイスしてもらえて良かった。
・どのように針が血管に入っていくのか、映像で見ることができ、わかりやすかった。
・近く(各テーブル)でデモが見られたので、わかりやすかった。
臨床教育看護師がコツを伝授
シミュレータでサーフローの挿入を練習
38
「2 年目に向けて」について(n=49)
研修時期
良かった
早い方が良かった
遅い方が良かった
無記入
100.0%
研修内容
2.1%
わかりやすかった
難しかった
ものたりなかった
無記入
97.9%
39
内容について
・振り返りをして看護師として働くモチベーションアップにつながった。
・自分の仕事に対する考え方を見つめなおす良い機会となった。
・自分がどんな看護師になりたいかということをもっとつめていき、それに向けて学びたいことを
積極的に取り込んでいきたい。
・客観的評価ができたのでわかりやすかった。
・2年目になれるか不安な時期にメンタルの話があるので良い。
・来年度からのラダーⅠ取得に向けてがんばっていこうと思う。
・1年間を振り返ってみて、入職当時の意識とは違っているかなと思った。意識は変えられると
いうことで今後の意識の持ち方も自分次第だと思うので、マイナスでなくプラスに考えられるよ
うがんばろうと思う。
・組織人としての意識がさらに高まった。
・1年目には1年目の、2年目には2年目の役割があると改めて気づいた。なりたくはないけど、
2年目になると思えた。
リエゾン看護師からひとりひとりにメッセージ
看護部長から修了証の授与
40
(イ)集合研修の必要性の有無と研修時期についてのアンケート調査結果
平成 23 年度の選任教育看護師の意見では、「研修内容が部署とつながっていない」という
こともが指摘された。そのため、平成 24 年度から、研修内容は研修資料を部署に配布するこ
と、新人の学びの状況を把握してもらうために、リフレクションシートを部署でも読んでもらえる
システムとした。その結果、部署でも研修内容やそれによって新人看護師が学んだことが把握
でき、部署の教育に活用できている。
以下に調査結果を示す。
対象:選任教育看護師 12 名
「感染予防、滅菌物の技術・知識を学ぶ」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
早い
遅い
0
適切
41
「薬物療法における看護の基本/血糖測定・インスリン皮下注射法 」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
早い
遅い
0
適切
42
「点滴静脈内注射・ヘパリンロック・輸液ポンプ、シリンジポンプの準備/管理」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
早い
遅い
0
適切
43
「酸素吸入療法・吸引(経口・経鼻・気管切開) ・サチュレーションモニターによる測定」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
早い
遅い
0
適切
44
「静脈血採血と検体の取扱」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
早い
遅い
0
適切
45
「薬剤の基礎知識」について
必要性の有無
12
10
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
10
10
8
(人) 6
4
2
1
1
早い
遅い
0
適切
46
「メンタルヘルス」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
時期
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
早い
遅い
0
適切
47
「心電図モニターと12誘導心電図の装着と管理」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
10
11
8
(人) 6
4
2
1
0
早い
遅い
0
適切
48
「急変時の対応(必要な物品の場所や使い方がわかる)」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
10
11
8
(人) 6
4
2
1
0
早い
遅い
0
適切
49
「インシデントから学ぼう」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
10
10
8
(人) 6
4
2
0
2
0
適切
早い
50
遅い
「困っていることを解決しよう」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
12
10
8
(人)
6
4
2
0
0
早い
遅い
0
適切
51
「アセスメント能力を高めよう」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
10
8
(人) 6
6
6
4
2
0
0
適切
早い
52
遅い
「メンタルヘルス 2」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
10
11
8
(人) 6
4
2
0
1
早い
遅い
0
適切
53
「人工呼吸器の理解・人工呼吸器装着患者の看護」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
10
10
8
(人) 6
4
2
1
1
早い
遅い
0
適切
54
「静脈留置針」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
10
11
8
(人) 6
4
2
0
1
早い
遅い
0
適切
55
「2 年目に向けて」について
必要性の有無
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
必要
不要
研修時期
12
12
10
8
(人) 6
4
2
0
0
早い
遅い
0
適切
56
選任教育看護師の自由記述
1.研修後に部署宛に研修資料と新人看護師の記入したリフレクションシートの配布について
 研修をどの程度理解できたのか、どのように感じたのか等知ることができ、指導する上で参
考になった。

リフレクションシートを見ていると学んだ内容がそれぞれで、1 年目の個別性が見えてくるた
め必要である。

研修資料を見直したりしているので、新人は活用している。

メンタルヘルスなどはフォローする上で役立った。

研修内容の資料をもとに部署で実践に取り組み事ができるので必要である。
1.新人研修でやってほしかったこと
2.新人看護師教育プログラムについて

病態関連図の研修があると助かる。

基本的な看護技術が不十分なことが多く、実習でもセルフケアの経験が少ないようなのでフ
ォローしてもらえると助かる。

4 月の研修に BLS を入れて欲しい。

普段の緊張からリフレッシュできる環境で学習できる良い機会である。

ドレーン管理や膀胱留置カテーテルの管理も研修項目に入れて欲しい。

研修で聞いたことを業務中に思い出すこともあるようで、基礎を学んだ上で現場で身につけ
られる良い仕組みになっている。

新人同士のつながりができる良い機会になっている。
57
(ウ) リフレクションシートの内容
研修ごとにリフレクションシートを記載し、自身の学習状態を自分で評価し課題を明確にで
きるよう、メタ認知能力の育成を実施している。
平成 24 年度は、リフレクションの内容を定量的に評価するために、「リフレクション評価基準」
に基づき、A 3 点・B 2 点・C 1 点・判定不可 0 点の 4 段階で評価をした。
その評価結果を月別に比較するために、分散分析を行った。その結果 F(5,240)=4.13、P
<.05 となり、付きの主効果が認められた。Bonferroni 法による多重比較の結果、10 月 11 月の
リフレクションの点数は 4 月に比較して、有意に高いことが認められた。また、有意差は認めて
いないが、4 月以降平均得点が高くなっている傾向にあることが認められている。
これらのことから、4 月以降リフレクションが深くなり、メタ認知能力の育成につながっている
ことが考えられる。
リフレクションシート平均得点の変化
2.00
1.90
1.80
1.70
(点)
1.60
平均値
1.50
1.40
1.30
1.20
4月
5月
6月
10月
58
11月
1月
リフレクション評価基準-新人看護師教育プログラム-
評価
C
研修で演習したことの分析
描写のみの記述
表現例
・実際にやったこと、他者から
~を聞いた
聞いたことを単純に記述して
~を知った
やったこと、聞いたこ
いる。
~と思った
と、<学んだ>ことか
・自分がやったこと、感じたこ
~をやった
ら、実際の 学びの解
とを単純に記述している。
~を失敗/成功した
釈に進まない。
・やったことの個人的な感想
(そのときにコツはこうかと考えた)
1点
や反省が述べられている。
~がわかってよかった。
学んだ、勉強したという表現があっても、そ
の前の文章が描写の場合も多い
B
やったこと、聞いたこ
・実際にやったこと、他者から
2点
とから何が学びとなっ
聞いたことの意味を深める
た か に つい て 、 自 分
ための記述がある。
針を深く刺してしまうので、何ミリくらい刺した
か、角度はどうかを確認していきたい。
の解釈を加えている。
・解釈を伴った記述がある。
(採血された患者体験を通して)看護師が不
(一部のみ)
・自分がやったこと、感じたこ
安そうにしていては、患者に不安を与えてし
と・思ったことから、何を学
まうので、自分の手技に自信をもって技術を
んだかを書いている。
提供できるようになりたい(自分の傾向性)
血糖測定では失敗してしまった。原因は強く
先端を指先に押せていなかったことだと考え
た(ここまでが描写)。易感染性の患者さんで
あれば、傷一つでも感染徴候につながるとも
考える。自分自身もあせることでリスクが増
え、リスク因子の増加は事故にもつなが
る・・・
A
全体が解釈を加えた
3点
記述になっている。
判定
研修で聞いたこと・や
不可
ったことなど具体的な
同上
同上
内容に触れていない
もの(一般論で話すな
ど)
59
(エ) 新人看護師のインシデント内容の検討
新人看護師が報告するインシデント件数一人当たり 5.6 件で、昨年度と変化がなかった。ま
た、影響レベル 3b以上のインシデントはおこしていない。
以下に結果を示す。
H22 年度
H23 年度
H24 年度
新人看護師数
64
81
53
新人看護師インシデント件数
241
438
348
新人看護師一人のインシデントの件数
3.8
5.4
5.6
0
0
0
新人看護師のインシデントのうち
影響レベル3b 以上の発生件数
60
(オ) 新人看護師の精神状態に影響する職務トレッサーの検討
~過去 3 年間の調査結果の比較から~
平成 22 年度~平成 24 年度の新人看護師に実施した精神的健康状態調査(GHQ28)
の結果を図1に示した。
H22年度GHQ比較
20
15
10
5
0
合計平均
身体
不安
社会
うつ
3ヶ月
15.06
4.08
4.85
3.92
2.21
7ヶ月
11.69
3.68
4.07
2.52
1.57
11ヶ月
11.31
3.75
3.95
2.09
1.53
H23年度GHQ比較
20
15
10
5
0
合計平均
身体
不安
社会
うつ
3ヶ月
11.79
3.28
4.22
2.68
1.61
7ヶ月
11.96
3.68
4.01
2.61
1.66
11ヶ月
11.45
3.59
3.78
2.46
1.62
H24年度GHQ比較
20
15
10
5
0
合計平均
身体
不安
社会
うつ
3ヶ月
14.06
4.14
4.71
3.14
2.06
7ヶ月
10.92
3.56
4.02
2.12
1.22
11ヶ月
10.92
3.66
3.8
2.1
1.36
図1GHQ28 調査 平成 22 年度~平成 24 年度の結果
61
図1にあるように、平成 22 年度と平成 24 年度は、就職後 3 ヶ月がもっとも高い値となる
類似したグラフとなっているが、平成 23 年度は 1 年を通して値の変化がみられなかった。
また、この結果は GHQ28 の総合点で重度神経症と評価される 15 点以上の看護師数の
割合の変化でも同様の傾向であった(表1)。
表1 GHQ28 調査で合計点 15 点以上の看護師数(%)
H22 年度(n=50)
H23 年度(n=76)
H24 年度(n=53)
3 ヶ月
29(49.1)
26(34.2)
25(51.0)
7 ヶ月
14(27.5)
24(31.5)
15(30.0)
11 ヶ月
16(29.1)
22(30.3)
13(26.0)
さらに、精神的健康状態の結果に考察を加えるため新人看護師職務ストレッサー調査
の結果を表 2 に示した。この調査項目は 26 項目からなり、「業務に関するストレッサー」と
「対人関係に関するストレッサー」の 2 つに分けられ、3 ヶ月後と 11 ヶ月後の 2 回調査を
実施する。その結果「業務に関するストレッサー」は 3 ヶ月後調査で高値であるが 11 ヶ月
後には低くなり、「対人関係に関するストレッサー」はその逆で、低値から高値に変化する
のが特徴である。その結果は調査したどの年度も同様の傾向を示した。
しかし、3 ヶ月後の値を比較した結果、平成 23 年度は「業務に関するストレッサー」の
16 項目のうち「他の NS に頼らず自分で援助方法を考える自信がない」「家族の気持ちの
支えとなっていない」「患者の心理的な状況を察知した援助ができていないと感じる」
「「患者への対処方法の判断に自信がない」「「判断した看護方法を具体的に実行する力
量がないと感じる」の項目が低値であり、平成 22 年度もしくは平成 24 年度との間に有意
な差があった。つまり、平成 23 年度では全体として就職 3 ヶ月のストレッサーの値は低く、
平成 22 年度や 24 年度のように精神的不健康状態が約半数に達することはなかった結
果に一致しており、約 30%の看護師が不変的に存在していたと思われる。
また、平成 22 年度、24 年度では GHQ 調査 3 ヶ月後の値が 15 点以上であった看護
師の 20%は次第に軽快していくが、どの年度も約 30%が重度に不健康な状態であること
に検討を加え、対策を講じる必要がある。
62
表2 職務ストレッサー調査 H22~H24 の 6 月の結果
26 項目
H22 年度
H23 年度
H24 年度
6 月n=51
6 月n=73
6 月 n=49
平均
得点
SD
平均
得点
SD
平均
得点
SD
力量 1:自分で判断できそうなことでも指示が必要なことがある
3.82
0.93
3.47
1.02
3.47
1.04
看 2:Ns間でケアの意見交換が十分できない
3.02
1.04
2.70
0.98
3.14
1.06
患 3:患者の気持ちの支えとなっていないと感じる
3.61
1.00
3.26
1.19
3.47
1.08
上 4:上司や先輩との考え方の食い違いがある
2.86
0.87
2.81
1.11
2.71
1.00
支 5:要求の多い気難しい患者をケアすることがある
2.92
1.16
3.22
1.18
3.02
1.16
医師6:医師に不適当な処置を命じられる
1.78
0.76
1.77
0.89
1.88
1.09
力量 7:他のNsに頼らず自分で援助方法を考える自信がない
3.78
1.08
3.55
0.94
4.04
0.96
力量 8:看護業務として行ってよいのか判断に悩むことがある
3.53
0.95
3.33
1.08
3.59
1.10
看 9:同じ部署に一緒に働きたくないNsがいる
2.88
1.35
2.61
1.40
2.82
1.40
患 10:家族の気持ちの支えとなっていないと感じる
3.37
1.11
2.92
1.12
3.49
1.06
上 11:上司や先輩が自分の気持ちをわかってくれない
2.71
1.01
2.53
0.97
2.47
1.08
支 12:患者の死を看取ることがある
1.76
1.18
2.00
1.32
1.86
1.08
力量 13:患者の心理的な状況を察知した援助ができていないと感じる
3.59
0.98
3.34
1.04
3.82
0.95
力量 14:患者のケアにミスをしないかと恐れを感じる
4.22
1.05
4.23
0.77
4.53
0.68
看 15:同じ部署のNsと体験や感情を共有できない
2.51
1.14
2.45
0.99
2.57
1.16
力量 16:期待されている役割が果たせていないと感じる
4.18
0.91
3.81
0.95
4.10
0.82
力量 17:器具の操作や機能がはっきり分からない
3.94
0.86
3.66
0.85
3.94
0.97
看 18:協力的でないNsと一緒に働くことがある
2.39
1.08
2.55
1.16
2.43
1.10
患 19:家族への対応を十分にできていないと感じる
3.59
1.10
3.38
0.98
3.63
1.15
上 20:上司や先輩の対応が期待通りでない
2.76
0.93
2.60
1.00
2.80
1.04
支 21:予後が悪い患者の対応に困ることがある
3.10
1.25
3.11
1.09
3.22
1.23
医師 22:医師との考え方に食い違いがある
2.22
1.05
1.99
0.92
1.98
1.03
力量 23:患者への対処方法の判断に自信がない
4.08
0.85
3.56
1.01
4.10
0.87
力量 24:患者の状況を正確に理解できていないと感じる
4.18
0.79
3.82
0.99
4.16
0.92
看 25:相談や助言をくれるNsがいない
1.96
0.92
1.86
0.90
1.82
0.97
力量 26:判断した看護方法を具体的に実行する力量がないと感じる
3.90
1.04
3.59
0.94
4.08
0.93
看護師を続けたい
3.71
0.99
3.59
1.01
3.45
1.19
:対人関係に関するストレッサー
63
:有意差がある項目
井崎ら(2010)は、大学の新入生を対象に GHQ28 を行った研究から GHQ 得点および
「抑うつ傾向」因子が他の群よりも有意に高い、この高さが早期の適応や予後と関連して
いることが示唆されることを報告している。当院で行った GHQ28 の調査項目の中で「抑う
つ傾向」因子のうち、多重解析によって関連性のみられた「生きていることに意味が無い
と感じた」「この世から消えてしまいたい」の 2 項目で「まったくない」から「たびたびあった」
の 4 段階の回答で得られた結果を図3に示した。
どちらの年度も「あった」と回答した者の割合は同様であるが、「たびたびあった」と回
答する者は平成 24 年度では 0 名になるが、平成 23 年度では 4~2 名が存在していた。
実際に個人面接を実施した者は、平成 23 年度が 12 名、うち 1 回のみが 6 名、5 回以上
継続した者が 6 名あり、精神科等を受診した者 6 名のうち 4 名が病気休暇に至った。病
気休暇後、軽減勤務から職務復帰し 2 年目を迎えたが、3 名は退職となり、1 名が軽減勤
務を継続している。平成 24 年度は個人面接を行った者が 4 名おり、3 名は受診に至り、2
名が退職となった。
当院では過去に新人看護師職務ストレス状態の把握を行ってきた結果から、精神的
健康状態に影響するストレッサーが「同じ部署に一緒に働きたくな NS がいる」と「上司や
先輩が自分の気持ちをわかってくれない」という人間関係に関する項目に特定し、平成
23 年度より新人看護師研修プログラムの 10 月に対人関係療法を基にしたストレスマネジ
メント研修を取り入れた。しかし、40 名前後の集合研修の形式で行ったアンケート結果か
ら、職場適応がスムーズな新人看護師としんどさを抱えている新人看護師のニーズに大
きな差がみられた。そこで、平成 24 年度は 10 名前後の小グループで一人一人の表情を
確認できる形式にし、職場適応の様子を確認しながら、難しさを感じている対人関係の
持ち方の具体的なヒントが得られるような企画に修正し実施してきているが、その効果を
確認できる調査結果は得られてはいない。また、これまで述べてきたように、その年度に
よる看護師の特徴の違いもあるものも、精神的不健康状態にある看護師が 20%前後で存
在する現状を踏まえサポートプログラムの見直しを行っていきたいと考える。
文献1)大学新入生のメンタルヘルスーGHQ によるスクリーニングと面接を施行して
井崎ゆみ子、武久美奈子、前田健一、精神科治療学、25(4):523-530、2010
64
「生きていることに意味が無いと感じた」
H23年度
(%)
0
3ヶ月
20
40
60
48.7
80
100
30.3
14.5
5.3 1.2
まったくない
あまりない
あった
7ヶ月
44.60
37.50
8.90 7.10 1.90
たびたびあった
無回答
11ヶ月
46.1
31.6
18.4
2.6 1.3
H24年度
(%)
0
3ヶ月
20
40
60
53.1
80
20.4
16.3
100
10.2
まったくない
あまりない
あった
7ヶ月
60.8
19.6
17.6 2.0
たびたびあった
無回答
11ヶ月
52
34
14
図3-1 GHQ28「抑うつ傾向」因子「生きていることに意味がないと感じた」の
平成 23 年度と平成 24 年度の結果
65
「この世から消えてしまいたい」
H23年度
(%)
0
20
40
60
3ヶ月
80
56.6
21.1
100
15.8
まったくない
あまりない
あった
7ヶ月
48.2
26.8
14.3
8.9 1.8
たびたびあった
無回答
11ヶ月
48.7
26.3
21.1
3.9
H24年度
(%)
0
3ヶ月
20
40
60
46.9
80
24.5
100
18.4
10.2
まったくない
あまりない
あった
7ヶ月
64.7
13.7
17.6 2.0 2.0
たびたびあった
無回答
11ヶ月
56.0
20.0
22.0 2.0
図3-2 GHQ28「抑うつ傾向」因子「この世から消えてしまいたい」の
平成 23 年度と平成 24 年度の結果
66
(カ) 新人看護師の離職率
H22 年度
H23 年度
H24 年度
新人看護師数
64
81
53
新人看護師離職数
5
3
3
新人看護師離職率
8.2%
3.8%
5.7%
新人看護師の離職率は 5.7%であり、平成 24 年度の全国平均 7.5%と比較して低値であっ
た。
67
(3) 臨床教育助産師育成プログラム
平成 24 年度より、正常妊婦の妊娠中から分娩、産褥期および新生児を継続的にトータルケア
し、かつ系統立てた助産師教育が実践できる臨床教育助産師育成を目的とした、臨床教育助
産師育成プログラムを開始した。
このプログラムは、臨床教育看護師育成プログラムと協同で開発されたもので、プログラムは、
専門の異なる者が集うことの利点を活かせる授業が多いので、臨床教育看護師育成プログラム
を受講する看護師と一緒の受講が多いが、助産実習も組まれている。

母子女性診療科外来にて妊婦健診および保健指導 5 例

母子女性診療科病棟にて分娩介助 3 例

上記外来および病棟にて継続事例 1 例
このプログラムの目的である、臨床教育助産に自身や部署の助産の質向上のために必要な助
産能力の強化は、「看護問題対応行動自己評価尺度」と「看護実践の卓越性自己評価尺度―病
棟看護師用―」、「医療機関における助産の質評価ー自己点検のための評価基準ー」を測定し、
プログラム受講前後の得点の変化を確認した。
学びをサポートする能力は、「教育に関するリフレクションシートの内容」「部署で実施する教育
計画の視点の変化:プログラム受講前後の内容の比較」で評価をした。
「医療機関における助産の質評価ー自己点検のための評価基準ー」以外は、臨床教育看護
師育成プログラムで評価をしている。
68
① 臨床判断能力の強化の評価
(ア) 「医療機関における助産の質評価ー自己点検のための評価基準ー」:プログラム受
講前後の得点比較
1.
目的
プログラム受講者の助産の質について、「医療機関における助産の質評価
ー自己点検のための評価基準ー」で測定し、プログラム受講前後で得点の変
化を測定し、プログラムの効果を明確にする。
2.
調査方法
1) 調査対象
(1) 平成 24 年度臨床教育助産師育成プログラム受講者 2 名
院外の参加者は質問項目で「該当しない」が多数あり、比較が不可能
であった。
2) 調査方法:質問紙調査
「医療機関における助産の質評価ー自己点検のための評価基準ー」使用
し、レベル 1~4 を点数化し、プログラム受講前後で得点数を比較した。
3.
結果(図1)
1) プログラム受講者の回収率・有効回答率は 100%であった。
2) 平成 24 年度プログラム受講者の「医療機関における助産の質評価ー自己
点検のための評価基準ー」平均得点の変化は、演習実施前 466.5 点、演習
実施後 540.0 点であり、変化率は 15.8%であった。
3) 下位尺度では、「ケアリング」7.3%、「妊娠期の診断とケア」の変化率は
27.1%、「分娩期の診断とケア」は 12.9%「、産時褥期の診断とケア」は
16.7%、「新生児の診断とケア」は 10.4%であった。
4.
考察
演習実施前後で得点数は上昇している。また、下位尺度では演習で行った妊娠
期、分娩期、産褥期の診断とケアの変化率が高く、演習の効果が示唆されている。
69
(点)
(%)
160.0
30.0
140.0
25.0
120.0
20.0
100.0
80.0
15.0
60.0
10.0
40.0
5.0
20.0
0.0
ケアリング
妊娠期の
診断とケア
分娩期の
診断とケア
産褥期の
診断とケア
新生児の
診断とケア
前
75.0
107.0
89.0
114.0
81.5
後
80.5
136.0
100.5
133.0
90.0
変化率
7.3
27.1
12.9
16.7
10.4
0.0
図1 「医療機関における助産の質評価」下位尺度の演習実施前後の変化
70
(イ) 「医療機関における助産の質評価―自己点検のための評価基準―」
:院外プログラム受講者の「該当なし」項目の変化
1.
目的
院外のプログラム受講者の助産の質について、「医療機関における助産の質
評価―自己点検のための評価基準―」の「該当しない」の項目数のプログラム
受講前後の変化を確認し、プログラムの効果を明確にする。
2.
調査方法
1) 調査対象
(1)平成 24 年度臨床教育助産師育成プログラムの院外からの受講者 1 名
2) 調査方法:質問紙調査
「医療機関における助産の質評価―自己点検のための評価基準―」を使用し、
プログラム受講前後の「該当しない」項目の回答数を比較した。
3.
結果
1) プログラム受講前の「該当しない」の項目数は、23 項目であり、「妊娠期の診
断とケア」の 22 項目と「分娩期の診断とケア」の 1 項目であった。
2) プログラム受講前の「該当しない」の項目数は、1 項目であり、「妊娠期の診
断とケア」0 項目と「分娩期の診断とケア」の 1 項目であった。
4.
考察
助産師の教育は、分娩主体から妊娠期から育児期にかけての継続した助産
師基礎教育に変化している。現在教育担当している助産師は、分娩主体の助
産師教育を受けており、就職し臨床の場でも妊婦の健康審査や保健指導を実
践する機会も少なく、分娩期から退院までの初期産褥時期の対象のみに助産
ケアを行っているのが現状である。その背景から、臨床教育助産師プログラム
では、妊娠期 5 例、妊娠期から産褥 1 ヶ月健診までの継続事例を 1 例、分娩期
の実習を 3 例の演習を取り入れている。
今回、参加した助産師は、演習前「母体の健康審査」「胎児の健康審査」「妊
婦のケア計画」「ケアの連携・継続」「母乳育児に対するニーズの把握」「母乳育
児に関するケア・指導」の項目で「該当しない」と回答していた。しかし、演習後、
上記の項目で「該当しない」という回答がなくなった。
このことは、プログラムに参加した助産師が演習を通して、今まで実践してき
た助産ケアに対し意識化できたことや未実践であった助産ケアを経験すること
71
により、自己の助産ケアの向上および臨床教育助産師として後輩への伝承に
つながるのではないかと考える。
72
平成 24 年度臨床教育助産師育成プログラム
Ⅰ.臨床教育助産師育成プログラムの目的
 臨床教育助産師に期待する能力を強化する。
Ⅱ.臨床教育助産師が期待される能力とは
1. 助産観・倫理観・専門知識に基づいて的確に判断し、熟練した助産・看護技術を提供し、指
導する。
2. 助産実践を通して役割モデルを看護スタッフに示し、助産の魅力を伝える。
3. 教育的視点を持って看護スタッフとかかわる。
Ⅲ.臨床教育助産師育成プログラム
臨床教育助産師に期待する能力を強化するために、二つの学習プログラムを設定する。
1. 自身の助産・看護実践の質向上のために、臨床判断力を強化するためのプログラム
2. 部署全体の看護の質向上に向けて、部署の助産師(看護師)の学びをサポートする力を強化
するためのプログラム
73
1.自身の助産・看護実践の質向上のために、臨床判断力を強化するためのプログラム
到達目標
1)
助産の質とは何かを、プログラムの受講を通してそれぞれが検討する。
2)
自己の実践を分析し、助産観を概念化する。
3)
助産理論を理解し、実践につなげることができる。また、助産実践場面を振り返りながら助
産の意味や価値を見出し、次の助産実践につなげる。
単元
課題
内容
第1
自己の実践分析し、助産
ガイダンス:この単元の目標と学習概要の説明
(6 回
観を概念化する。
(1) 臨床教育看護師育成プログラムに準じる
(2) 事例報告 テーマ:「自分が大切にしている助産」
自分が大切にしている助産について文章化し、自己の考えを明確
にする。
(3) 臨床教育看護師育成プログラムに準じる
(4) 臨床教育看護師育成プログラムに準じる
第2
助産に必要な知識を学ぶ
(1) ガイダンス/講義:臨床教育看護師育成プログラムに準じる。
(15 回)
看護・助産実践を振り返り
その他の講義 ・国際助産学・災害時の助産活動・不妊治療
ながら、助産の意味や価
(2) 倫理的思考、批判的思考、専門的知識を、リフレクションによる
値を見出し、次の助産実
事例検討を通して学ぶ。
践につなげる方法を習得
テーマ:「自分が助産師として悩んだ一事例」
する。
倫理的問題のある事例・助産実践の場面の事例→1 事例を提出
講義:看護過程/ケアリング/自己と他者/倫理的思考/批判的思考
(3) 臨床教育看護師育成プログラムに準じる
ガイダンス:この単元の目標と学習概要の説明
(1) 実習前準備
・妊娠期の健康審査、分娩介助を妊婦人形およびファントーム
を使用し演習する。
・演習後自己課題を明確にする。
(2) 実習
・母子女性診療科外来にて妊婦健診および保健指導 5 例
・母子女性診療科病棟(6A)にて分娩介助 3 例
・上記外来および病棟にて継続事例 1 例
(3) 実習後事例検討
自己の助産観の概念を明確にし、助産の質を検討する。
また、自己の課題を見出し、次の助産実践につなげる。
74
2.部署全体の看護の質向上に向けて、部署の助産師(看護師)の学びをサポートする力を強化するための
プログラム
到達目標
1) 助産の質とは何かを、プログラム全部の受講を通して個人が検討する。
2) 成人の学びとは、成人の学びをサポートするとは何か、理解する。
3) 部署の助産師の学びをサポートするという視点で、自部署の質向上のための教育計画を立
案する。
単元
課題
第3
成人の学びとは、成人の
(7 回)
学びをサポートするとは何
か、理解する。
内容
(1) 講義
成人学習理論、教育方法、教育評価、対象理解など
*臨床教育看護師育成プログラムに準じる
(2) 講義
・助産師養成教育の現状と課題
・看護教育カリキュラムについて
第4
部署の助産師の学びをサ
(14 回)
ポートするという視点で、
(1)~(4)臨床教育看護師育成プログラムに準じる
自部署の質向上のための
教育計画を立案する。
75
2.看護スキルズラボの利用状況
看護スキルズラボの利用者は、平成 23 年度の約 2 倍となり、シミュレータの利用者は平成 23 年
度の1.7倍に増加している。
シミュレータの利用者の内訳は、院外の看護師や院内の理学療法士・作業療法士・臨床工学技
士にも拡大しており、他職種の技術獲得に貢献している。さらにシミュレータは、患者を対象とした
実技指導や退院指導にも使用されている。また、看護学科でのオープンキャンパスにも利用されて
いる。
1) 看護スキルズラボの利用者数
H22 年度
H23 年度
H24 年度
78
766
1627
H22 年度
H23 年度
H24 年度
277
1539
2667
利用者数
2) シミュレータ等の利用者数
利用者数
76
3) シミュレータ利用者内訳
シミュレータ利用者内訳
800
728
700
600
(人)
500
526
425
370
400
300
250
200
144
94
100
58
51
2
8
8
看
護
学
科
教
員
潜
在
看
護
師
学
外
の
看
護
教
員
3
0
看
護
学
生
新
卒
看
護
職
員
新
卒
看
護
職
員
以
外
の
看
護
職
員
院
外
の
看
護
職
員
他
職
種
(
作
業
療
法
士
・
理
学
療
法
士
)
77
メ
デ
ィ
カ
ル
ア
シ
ス
タ
ン
ト
高
校
生
医
師
医
学
科
学
生
患
者
家
族
4) 看護臨床教育センター主催研修会
(1) フィジカルアセスメント研修会の実施
① 開催回数 10 回
講師は、看護学科遠藤教授です。
呼吸系のアセスメントで、直接観察できるものは何
か、呼吸音の評価を中心に行います。
講義だけではなく、シミュレータを使用して、実技も
行います。
内容は、各回同じです。
これでよかったっけ?
対象は看護職員全員です。
この音は???
開催場所:看護臨床教育センター
研修時間:17:30~18:30
研修日程
5月16日(水)
6月 6日(水)
7月 4日(水)
8月 2日(木)
9月 5日(水)
10月 3日(水)
1月16日(水)
12月12日(水)
2月 6日(水)
3月 6日(水)
参加希望の方は、看護師長に申し込んでください。
主催:臨床教育看護師・看護臨床教育センター
研修会お知らせのポスター
78
② 参加者数:187名
参加者経験年数内訳
4%
4% 4%
1~3年目
4~6年目
12%
47%
7~9年目
10~12年目
13~15年度
16年目以上
29%
経験の浅い看護師が、自己研鑽のために参加していることが伺える。
79
③ アンケート結果
研修内容1
3%
4%
わかりやすかった
難しかった
ものたりなかった
93%
わかりやすかった理由
・写真を使って説明してもらったので分かりやすかった。
・分かりやすい説明の仕方で、実際の正常音・異常音が聴けたので良かった。
・解剖から異常呼吸音がどんなものなのか、どんな時に出現するのかわかりやすかった。
・実際に機械で音の聴き分けをすることができ、紙面上の研修だけでなくわかりやすかった。
・肺の構造から確認できたので忘れていた部分もあり、復習できて良かった。
・呼吸音の種類が明確で良かったと思う。
・日頃検温をしていても「これは何音?」と悩むことがあるので実際聞いてみて良くわかった。
難しかった理由
・手術部で直接 Ns が聴診することはまずないため、知識もかなり浅かったため。
ものたりなかった理由
・聴診以外のフィジカルアセスメントも興味がある。
・モデルを使用しましたが、音の違いが分かりにくかった。
・もっといろんな肺音の聴診が出来る時間とスペースがあれば良い。わかりやすかった。
80
研修内容2
1%
6%
今後に活かせる
今後に活かせない
どちらとも言えない
93%
今後に活かせる理由
・実際の肺音聴取の注意点を理解できたので、今後肺音を聴く際注意していくことができると思
う。
・異常の音の違いが実際にきけたので、活かせると思った。
・今後のアセスメントに活かせそうだ。
・自分の弱点として強化していきたい。
・正常の呼吸音がわかった。
・呼気、吸気で連続性、継続性と違いがあることを知らなかったので、今後いかしていきたい。
・「肺雑」ですませることが多かったので、正しくカルテに書こうと思った。
・しっかり見分ける力をつけて判断できれば活かせると思う。
・背面から肺音を聞いた事がなかったので、今後背中からも聴いてみようと思った。
今後に活かせない理由
・音の聴き分けが難しかった。基本的なことを一から学べたのは良かった。
・何度も聴いて慣れることが必要である。
81
本日の研修から学んだこと
・ていねいな呼吸音の聴取を改めて気をつけていきたい。
・背部の音はほとんどきいてなかったので良い復習になった。
・聴診の正しい方法を学べた。
・病気と雑音の関係
・聴診の際、しっかり時間をかけその原因なども考えながら聴診するということ。
・呼吸音の聴き分け方、どこに異常があるかの違い。
・呼吸音について、もっと慎重に聴取しなければいけないと感じた。
・基本から復習できて良かった。聴き分け方など、細かい疑問が解決できた。
・皮膚の摩擦音を少なくする方法を理解できた。
・肺炎や無気肺の好発部位、痰の溜まりやすいところが理解できた。
・Ns でもフィジカルの勉強ができれば Pt の細かな気づきを発見できると感じた。
・聴診器を温めて聴く配慮を忘れないようにする。
・肺の解剖をイメージして聴診する。
・音の聞き分けは難しいが、連続性か断続性かを判断することが重要だということ。
・断続性、連続性を意識して聴くことで原因も推測がつき介入の手助けになることがわかった。
・説明はわかりやすく復習になった。実際に聞いてみるとどの複雑音に当たるのか区別しにく
く、正常と異常をしっかり見分ける力をつけなければいけないと感じた。
・背部の聴診を日頃の勤務でなかなかしていなかったので、改めて大切さを思い出した。オペ
後臥床時は特に注意していきたい。
・モニター類に頼るのではなく、実際に見て聴取することが大切であると思った。
・異常音はノーマルの音がわかっていなければ判断できない事なので、ノーマル音をわかること
が大事。聴診の際のポイントを知れて良かった。
・副雑音の種類、聴診の方法を再確認することができた。
・換気障害区分など、いつも呼吸機能の検査で確認していたのでどういった患者さんなのか理
解できた。
・呼吸器疾患の患者に対して、自分で聞いて耳を慣らしていきたい。
・術後の肺合併症の多い中、特に全身がしんどそうな時こそ確認が必要と思った。
・どういう機序で異常音が発生するのか良くわかった。
82
(2) 看護技術研修の実施
① 12 誘導心電図の電極の付け方
(ア) 参加者数 43 名
経験年数
14%
1~3年目
12%
48%
4~6年目
7~9年目
10年目以上
26%
経験を積んだ 10 年目以上の看護師の参加も多く、技術の復習に利用されていた。
83
研修内容1
7%
わかりやすかった
難しかった
ものたりなかった
無記入
93%
わかりやすかった理由
・実際に電極を確認しながら貼れて、体験できたことがよかった。とても分かりやすかった。
・資料及び説明がわかりやすく、器械も色分けや表示があり、わかりやすかった。
・少人数制で丁寧に教えてもらってわかりやすかった。
・人形を使って丁寧に教えてもらった。
・実際に 1 人 1 人実施できたので。
・肋骨間をどうやって探すか良くわかった。
・資料の説明をきいて実際にやることで理解が増した。
難しかった理由
・電極を貼る位置を少しでも間違ったら正しい心電図が取れないので、位置を確認するのが難し
かった。
・第 4 助間胸骨右縁とV4 をみつけるのが難しかった。
・実際にはるのは位置を見つけられず難しかった。
84
研修内容2
今後に活かせる
今後に活かせない
どちらとも言えない
無記入
100%
今後に活かせる理由
・今まで心電図をとったことも触ったこともないので全てが勉強になった。
・来月、救急外来に行く予定があるのでしっかり学べた。
・実際に心電図を付けなければならない人がいるので、場所を覚えられて良かった。
・心電計の使いかたがわからなかったので、教えてもらって良かった。
実際に確認しながらできたので、次に少し自信を持つことができた。
研修から学んだこと
・実際に貼ってみると少しずれていたりとかして、もう少し練習が必要だと思った。
・実際患者さんを目の前に装着する時もあせらず行うこと、むやみに強く皮膚を押さないよう気
を付けようと思う。
・練習して緊急時に対応できるようにする。
・実際に貼る位置が、自分の思っていたところと違っていた。
・12 誘導の貼付位置を解剖学的な側面から知ることができた。臨床で実施できるよう覚えようと
思う。
・12 誘導の貼り方や滋賀医大で使用している機器の使用方法について復習でき、自信が少しも
てた。
85
② 安全な排泄援助:グリセリン浣腸と摘便
(ア) 参加人数:9 名
(イ) アンケート結果
研修内容:わかりやすかった 6 名 無記名 3 名
わかりやすかった理由
・説明後の演習であったため、演習中に実際の工夫も交えて教えてもらえた。
・1 つ 1 つ手順を踏まえながら行ったのでわかりやすかった。
・見学しかしたことはなく、あまりモデルを使ってもしなかったので、モデルで実際にできて難しさ
や注意点を学べた。
今後に活かせる 4名 どちらとも言えない 2 名 無記名 3 名
今後に活かせる理由
・実際の患者ではどうかなどを教えてもらえたので、参考にしたい。
・GE してこられた方でも、術中に出たりするので、あとのケアに活かしたい。
研修から学んだこと
・背部からするケアは、患者の状態を見忘れがちなので常に意識する。
・大切なのは、その援助よりその後のアセスメントであること。
・ケアしながらも患者さんの状態をしっかり観察する。
86
3.教育指導者の養成状況
1) 臨床教育看護師・臨床教育助産師数
H22 年度
H23 年度
H24 年度
臨床教育看護師育成プログラム参加者
4
7
10
臨床教育助産師育成プログラム参加者
0
0
3(内 1 名外部)
臨床教育看護師(プレ)
0
4
6
臨床教育看護師
0
0
4
2) 養成の概要
プログラム受講者は 1 年間のプログラム受講後、臨床教育看護師(プレ)として部署で 1 年間の
活動をする。その活動は、臨床教育看護師会(毎月開催)を通して看護臨床教育センターでフォロ
ーし、臨床教育看護師(プレ)の活動・評価・修正のプロセスを審査する。審査の結果、臨床教育
看護師として認定された者に対して、学長名で認定書を発行する。認定の更新は 1 年とし、臨床教
育看護師としての活動計画立案・実施・評価のプロセスを看護臨床教育センターが審査し、認定
する。
平成 24 年度の臨床教育看護師会は、9 月と 1 月に開催し、計画の進捗状況を報告し、ピアレビ
ューを行い、平成 25 年度の計画立案を行った。また、臨床教育看護師(プレ)会は、6 月、8 月、11
月 2 月に開催し、計画の進捗状況を報告し、ピアレビューを行い、平成 25 年度の計画立案を行っ
た。
1年目
2年目
• プログラム受講
• 臨床教育看護師・助産師(プレ)として活動
3年目 • 臨床教育看護師・助産師として活動
以降
87
3) 効果・成果
平成 24 年度には 6 名が、臨床教育看護師として認定された。また、10 名が臨床教育看護師育
成プログラムを修了した。
臨床教育看護師と臨床教育看護師(プレ)の活動に対して、「部署における他者とのかかわりか
ら得ているもの調査」と部署の看護師長を対象(10 名)にアンケートを実施した。その結果、臨床教
育看護師と臨床教育看護師(プレ)は部署において、看護実践者としてのモデルとして、また、臨
床の看護教育者として活動していることが明らかになった。
(1) 「部署における他者とのかかわりから得ているもの調査」
① 目的
職場における看護師の学びのサポート体制について理解できているかについて、
リフレクションシートの内容から評価をし、プログラムの効果を明確にする。
② 調査方法
(ア) 調査対象
本院のジェネラリスト看護師(看護師長・副看護師長・専門認定看護師を除く)
看護師 423 名
(イ) 調査方法 :質問紙調査
「職場学習論」(中原淳:東京大学出版会)の質問紙を一部変更して使用した。
質問項目は、日常業務において職場で最もかかわりを大切にしている人につい
て、1.看護師長、2.副看護師長、3.臨床教育看護師(プレ、プログラム受講者を
含む)、4.選任教育看護師 5.同僚・同期、 6.後輩、 7.その他、の中より選択し
てもらい、選択した人とのかかわりの内容 17 項目(業務支援 6 項目、内省支援 6
項目、精神支援 5 項目)について、「良く当てはまる」「あてはまる」「どちらでもない」
「あてはまらない」「まったくあてはまらない」の 5 段階から選択してもらった。
(ウ) 結果(図 1)
a.
回収率 87.2%(369)、有効回答率 80.2%(296)
b.
臨床教育看護師(プレ、プログラム受講者を含む)とジェネラリストで、受け手
が感じる「業務支援」「内省支援」「精神支援」の質に違いがあるかを比較す
るために分散分析(ノンパラメトリック)を行った。その結果、臨床教育看護師
(プレ、プログラム受講者を含む)の支援内容が、統計的に有意差が見られ
たものは以下のものであった。
88

後輩の業務支援のすべての項目

後輩の内省支援の 6 項目中 3 項目
「自分について客観的な意見を言ってくれる」
「自分の良い点を伸ばしてくれる」
「自分にない新しい点を伸ばしてくれる」
c.
臨床教育看護師(プレ、プログラム受講者を含む)のかかわりの「内省支援」
では、臨床教育看護師と部署の教育担当の選任教育看護師では変わらな
い。しかし「業務支援」の「自分にない専門的知識を提供してくれる」や「精神
支援」の 5 項目全てにおいて、臨床教育看護師(プレ、プログラム受講者を
含む)選任教育看護師よりも高値である。
(エ) 考察
臨床教育看護師の役割は、教育的な視点を持って看護師とかかわるだけでは
なく、看護実践を通して役割モデルを示すことでもある。教育的なかかわりを示す
「内省支援」は、教育担当者である選任教育看護師と同様にできている。さらに臨
床教育看護師は、それ以外の「業務支援」「精神支援」のかかわりもできているこ
とから、臨床教育看護師は実践者として支援と教育者としての支援といった、二
つの期待する役割を果たしていると考える。
89
図 1 「部署における他者とのかかわりから得ているもの調査」
ジェネラリストの平均値
90
(2) 臨床教育看護師と臨床教育看護師(プレ)の組織への影響についてのアンケート
① 目的
臨床教育看護師と臨床教育看護師(プレ)の組織への影響の有無について評価を
する。
② 調査方法
(ア) 調査対象
臨床教育看護師と臨床教育看護師(プレ)のいる部署の看護師長 10 名
(イ) 調査方法:質問紙調査
臨床教育看護師と臨床教育看護師(プレ)の活動が部署に影響を与えていると
思うかを、「とてもそう思う」「そう思う」「あまり思わない」「そう思わない」の 4 段階か
ら選択してもらった。また、「とてもそう思う」「そう思う」と回答した者には、その内容
を具体的に記述してもらった。
(ウ) 結果
1) 回答率 100%(10) 有効回答率 100%(10)
2) アンケート結果
91
1.
臨床教育看護師(プレ)の活動は、部署に影響を与えていると思いますか。
6
5
5
4
3
(人)
3
2
1
1
1
0
とてもそう思う
2.
そう思う
あまり思わない
そう思わない
「とてもそう思う」「そう思う」の具体的な内容
 自分の活動内容や計画をスタッフと共有し、部署全体で取り組むことができている。
 スタッフの良き役割モデルとなっている。(スタッフにアドバイスをするにあたって、経験知だけ
ではなく具体的にどうしていけば良いのかを自ら提示する行動ができている。)
 選任教育看護師がスタッフに対して具体的に教育計画をするときに、アドバイスや実践を一緒
に行うことで選任教育看護師の教育および不安の軽減になっている。
 2年目看護師に対して、事例検討と通して看護を振り返る機会を設けたり、リーダートレーニン
グ前にリーダーの役割について考えさせたり、自分自身の不足部分について振り返る機会を
設けたりすることで2年目看護師の成長を促している。これらを通して、先輩看護師も看護を
振り返る機会となり、病棟全体に臨床教育看護師の活動の影響が見られている。
 看護師としての視点や病棟へのプレゼンテーションにより、スタッフは刺激を受けていた。
 ナラティブ会の開催など知の伝授にリーダーシップを発揮している。
 根拠に基づいた看護実践が他の看護師に対して看護モデルとなっている。
 病態整理、看護技術、機器の取り扱いなど豊富な知識をもとに、他の看護師に指導できてい
る。
 部署の看護師の教育の必要性や充足部分を個々人に見出して、アプローチしている。
 教育的な視点でスタッフに関わり、改善への取組が進んでいるため。
92
3.
臨床教育看護師の活動支援で、困難を感じたことがありますか。
6
5
5
はい
いいえ
5
4
(人) 3
2
1
0
4.
「はい」の具体的な内容
 研修の担当が多く、部署で実務をする機会が少なくなる。
 研修による勤務調整が多く必要とされる。
 スタッフ数がギリギリで夜勤にも最大限の回数入ってもらわなくてはいけないため、活動のフォ
ローをしたいが困難がある。
 どのように支援をしたら良いのかわからない。
 臨床教育看護師の役割を考えると、常に看護の質向上を意識しなければならず、本人のモチ
ベーションや自覚をしっかりと持たないと業務を見つめなおす余裕がない。
 常に看護の動向やエビデンスを伝えていってもらいたいが、スタッフと同じ業務を実施する中
では伝える機会が少なく感じるので、QM ナースとして活動してもらうことも考えている。今後臨
床教育看護師が増えると、QM ナースの位置づけを見直し、病棟の中で看護を語ることも考え
ている。
 今回2年目看護師の教育に取り組んだので、病棟内でも臨床教育看護師の存在は意識付け
られた。しかし、これだけが役割であるとスタッフが誤解していないか気になる。
 ゆっくり関わる時間が持てない。
10 人中 6 人が臨床教育看護師(プレを含む)の活動が、部署に良い影響を与えていると回答し
ている。その内容は看護実践のモデルと教育的なかかわりを示しているため、臨床教育看護師とし
ての役割を果たしていると考えられる。ただし、影響をあまり感じていない部署もあるため、引き続き
活動の支援は必要と考える。
93
4.人事交流の実施状況
1) 看護学科教員臨床勤務の実施状況
役職
勤務先
人事交流の延べ日数
助手(2 人)
外来・病棟・センター
62
助教(1 人)
外来
30
看護学科教員は、自ら作成した臨床勤務計画書に添って勤務し、勤務終了後に「臨床勤務で
得たこと」「活用したこと」「学生の反応」を臨床勤務成果報告書に記載し、看護臨床教育センター
に提出している。
センターは臨床勤務での問題点の有無を確認し、勤務時間の調整や勤務方法の確認と周知を
行った。また、臨床勤務を実施しやすいようにするために、計画の変更にも柔軟に対応した。
看護学科教員の臨床勤務は、平成 22 年度から継続して実施している。特に1年だけではなく 2
年間継続している教員は、勤務場所の看護師の一員として看護実践を行っており、臨床勤務を継
続して実施することで、看護教員の実践能力の向上が期待できる。
94
2) 看護学科教員の臨床勤務報告
氏
名
白坂真紀
勤務部署
滋賀医科大学医学部附属病院 小児科外来
勤務期間
30 日間(2012 年 12 月から 2013 年 3 月まで)
勤務内容
診察および検査・処置の介助(主に新生児外来において)。
臨床勤務で得たもの

情報として得た事柄
活用したこと

授業・演習・実習の場で
新生児外来担当医師と看護師の、
授業や演習では、臨床勤務で経
子どもと家族への細やかな気遣いと
験したことをもとに、検査や処置の
育児支援の視点での関わり方。
介助の具体的な方法や注意点につ
家庭における臍ヘルニアのスポン
ジ圧迫法。
疾患や治療、療育など、専門施設
いて伝えた。例えば、子どもに検査
や処置の内容を発達段階に応じて
わかりやすく伝えること、同意を得
や機関について。
ることを大切にしている。子どもは

思いもよらない行動をするため、常
思考面で影響を得た事柄
重篤な疾患をもって生まれても、退
に安全の確保には注意するように
院して複数の病院で治療を受け続け
伝えている。子どもだけではなく、家
ながら自宅での生活を送る子どもと、
族への配慮についても重視してい
NICU から退院できない子どもがお
る。
り、生まれた子どもが家族の一員とし
実習では、小児看護学の実習場
て受け入れられ地域生活が可能とな
所は小児病棟・NICU だけでなく外
る要因や支援の在り方について考え
来が含まれており、退院後は地域
たいと思った。
で生活する子どもと家族であること

を常に考え、病気の治療や健康の
情動面で影響を受けた事柄
一定期間継続して一外来の診察
維持・促進を支援することについて
介助を行うことで、通院する子どもと
理解が深まるように伝えている。検
ご家族に愛着と親しみを感じた。
査やリハビリテーションなど、病棟
外での子どもと家族への看護の役
割も大切にしている。
95
学生の反応
氏 名
勤務部署
勤務期間
園田 奈央
NST
臨床研究開発センター
禁煙外来
滋賀脳卒中データセンター
糖尿病経過外来
2012 年 8 月~2012 年 9 月
2012 年 12 月~2013 年 3 月
勤務内容
【NST】
1) 入院中の患者に対する栄養管理の方法について理解する。
2) NST ラウンドにより当該病棟や主治医、他職種との連携を学ぶ。
3) 栄養障害を有する患者に対し適切な看護支援を行う。
【臨床研究開発センター】
4) 治験業務について学び、研究支援業務や治験に関わる医師及び他部
所との連携について理解する。
5) 被験者の身体的・心理的・社会的な問題について理解し、支援方法を学
ぶ。
6) 被験者への説明方法や指導内容、治験中の処置や対応について学ぶ
【禁煙外来】
7) 禁煙に向けた心理的なサポートを行い、医師と協力して適切に禁煙の
開始・継続ができるようにする。
【滋賀脳卒中データセンター】
8) 脳卒中を発症した患者の、基本属性・入院中の経過退院後の ADL 等、
発症登録に必要なデータの収集
【糖尿病経過外来】
9) 経過外来に通院する患者との関わりを通じて、患者個々の療養生活に
ついて理解する。また、患者が抱えている身体的・心理的・社会的問題
を理解する。
10) 経過外来で行われている検査内容や検査の手技・手順について見学
や実践を通して習得する。
96
臨床勤務で得たもの

情報として得た事柄
活用したこと
学生の反応
【NST】
・学生が受け持ち患者の栄養状
【NST】
実習中の学生に対し
態や食事摂取状況に興味をも
主治医に変更が必要な点につい
NST の回診日を伝え、
ち、栄養状態や食事に関しても
てカルテ記載をするだけでなく、
回診に参加するように
計画に組み込み、患者をみるこ
病棟看護師に直接伝えることで
促した。
とが出来ていた。また実習中は
より迅速に対応できるように配慮
継続的に NST に参加することが
されていることも学んだ。
出来た。
【臨床研究開発センター】
・他のカンファレンス(退院指導
・治験コーディネーターとして、被
やリエゾン)などにも積極的に参
験者が不利益を受けることなく、
加しようとする学生が増えた。
より安全に治験に参加できるよう
に、関連する部署の看護師や医
師、薬剤師、検査技師など多くの
職種との連絡・調整を行っている
ことを理解することができた。
・治験薬を使用した OPE も見学さ
せていただき、OPE 場での盲検
性の確保や治験薬の払い出し~
投与までの正確性・安全性を確
認するための作業などの実際を
学ぶことができた。
・被験者からの質問などに対応
するために 24 時間電話対応され
ていること、診察の際は効果や副
作用の有無確認を行うとともに、
被験者の負担ができるだけ少な
くなるように検査や診察状況の管
理・付き添いをし、積極的に声を
かけ信頼関係の維持・形成に努
められていることが分かった。
【経過外来】
・年1回フォローアップを行うこと
で、様々な検査を一括で行い、異
常を発見した際は速やかに主治
97
医に連絡して対応できる体制が
とられていた。

思考面で影響を得た事柄
【臨床研究開発センター】
・治験は被験者に害が無いことが
当然であり、そのために様々な部
門と連携をとっていること、少しで
も不明な点があれば問い合わせ
を行うとともに、できる限り被験者
に負担の少ない形で実施できる
ように相談されており、改めて医
療現場で患者さんの安全を守る
ために、できる限りの対策や準備
を行うこと、自己学習をし、常に
新しい知識を身につけることの重
要性を確認することができた。

情動面で影響を受けた事柄
【NST】
・栄養状態の悪い患者さんに対
し、食事が入らないのか、吸収が
できていないのか、必要な量の
点滴や水分が入っていないの
か、データからの情報だけでな
く、担当看護師や患者さん本人と
相談しながら、より患者さんに合
った方法で支援することを心がけ
ていることがわかった。
98
氏 名
森野 亜弓
勤務部署
1.
2.
3.
4.
5D 病棟
患者支援センター
禁煙外来
滋賀脳卒中データセンター
勤務期間
2012 年 4 月~2013 年 3 月
勤務内容
1. 5D 病棟(計 2 日)
1) 脳神経疾患および眼科の手術が患者にもたらす身体的・心理社会的影
響を理解し、看護援助を行う。
2) セルフケアが不足している患者の日常生活援助を行う。
3) 脳外の手術後のドレーン管理を理解する。
2. 患者支援センター(計 11 日)
1) 退院調整カンファレンスに参加し、病棟看護師と情報を共有し、必要な支
援を考える。
2) 地域との連絡窓口になるように、地域の保健師、訪問看護等と連携をと
り、スムーズに在宅生活へ戻れるように支援するノウハウを習得する。
3. 禁煙外来(計 10 日)
1)禁煙外来の患者の心理状況を理解し、 Dr と連携をとりながら、禁煙支援
の方法を考え、実践する。
4.滋賀脳卒中データセンター(計7日)
1)滋賀医科大学(滋賀脳卒中データセンター)で取り組んでいる脳卒中患者
の発症登録業務に従事する。具体的には、脳卒中を発症した患者の、基
本属性・入院中の経過、退院時状況等、発症登録に必要なデータを診療
録から収集する。
99
臨床勤務で得たもの
活用したこと
学生の反応
・実習中に、学生に対
・実習中に SW さんの役割を知
1. 【5D 病棟】
して、患者の退院調整
り、退院支援では看護師だけ
・脳卒中の患者は、さまざまな後遺
に関わるそれぞれの職
でなく、多職種が連携して、そ
障害を抱えて入院生活を送られて
種の役割について説明
れぞれの役割の中で患者を
いることを学んだ。
することができた。
支援していることについて考

情報として得た事柄
・脳外の患者のドレーンの管理の手
えられていた。
技を学び、厳重に行うことの重要性
・5D 病棟での実習中
・入院中の生活だけでなく、退
を学んだ。
に 、ドレーン管 理につ
院後の生活にも目を向ける学
2. 【患者支援センター】
いて学生に説明するこ
生が増えた。
・多職種が連携し、退院調整を行っ
とができた。
ていくためには、情報共有が重要で
ある。
3. 【禁煙外来】
・禁煙外来は患者の生活環境など
を考慮して、個別性に応じた禁煙支
援が重要であることを学んだ。

思考面で影響を得た事柄
1.【5D 病棟】
病棟看護師による日々のセルフケ
アの介助も、日常生活の自立に向
けたリハビリにつながることを学ん
だ。
2.【患者支援センター】
・顔を見て話せる環境作りが大切で
あり、そのためにカンファレンスの場
は重要な役割を果たしていることを
学んだ。
・それぞれの職種の立場から患者
に とっ て、よ り 良 い退 院 先 に つ い
て、意見交換することが患者の
QOL の向上につながることを学ん
だ。
3.【禁煙外来】
看護師が相談しやすい環境を整え
100
ることで、患者の安心感につなが
り、禁煙外来継続に良い効果をもた
らすのではないかと思う。

情動面で影響を受けた事柄
1.【5D 病棟】
脳卒中患者は、身体的な不自由さ
から不安や葛藤を抱えて入院生活
を送られていることを知り、そのよう
な患者の気持ちに寄り添うために
は、やはり日々の関わりの中で信
頼関係を築いていくことが重要であ
ることを改めて学んだ。
101
3) 臨床教育看護師の看護学科演習参加実施状況
(1) 平成 24 年度臨床教育看護師が参加した看護学科演習
講義名
成人看護学Ⅰ・Ⅱ
日時
5 月 1 日(5 限)
5 月 22 日(5 限)
育成期小児学
テーマ
事例演習
循環機能障害を有する成人の看護
事例演習
内部環境調節機能障害を有する成人の看護
6 月 5 日(4、5 限)
経管栄養・中心静脈栄養管理
6 月 26 日(4、5 限)
ドレーン・水分出納管理
7 月 20 日(1、2 限)
点滴・輸液管理
7 月 4 日(1、2 限)
検査介助・呼吸管理・保育器管理
7 月 11 日(1、2 限)
子供の採血・輸液管理
7 月 18 日(1、2 限)
離乳食・与薬・罨法・包帯法
臨床教育看護師の事例演習の講義
臨床教育看護師の技術演習
102
臨床教育看護師の演習参加後に看護学生を対象にしたアンケート用紙
103
(2) 平成 24 年度臨床教育看護師看護学科演習参加アンケート結果
臨床教育看護師が看護学科の演習に参加したことにより、学生は知識と看護技術の
関係性を認識し、学習への動機づけとなっている。また、臨地実習や臨床への関心が
強くなっている。看護学科の教員からも、臨床教育看護師の演習参加により、学生は
興味を持って演習を行っているという意見がある。
以上のことから、臨床教育看護師の看護学科への演習参加により、学生は臨床への
関心や興味を持ち、学習の必要性を認識する良い機会となっている。
以下に、アンケート結果の詳細を示す
① 成人看護学Ⅰ・Ⅱ
(ア) アンケート対象:3 年生の講義受講者
(イ) アンケート回収率:77.6%(回収数 45)
1.学習の必要性を強く認識した
2.2%
35.6%
とてもそう思う
62.2%
まあそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
無回答
104
2.今学習していることが、臨床の看護に活かされると実感した
2.2%
31.1%
とてもそう思う
66.7%
まあそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
無回答
3.臨床のことをもっと知りたくなった
2.2%
4.4%
35.6%
とてもそう思う
57.8%
まあそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
無回答
105
4.患者さんをイメージしやすくなった
2.2%
8.9%
42.2%
とてもそう思う
まあそう思う
46.7%
あまりそう思わない
まったくそう思わない
無回答
5.臨床の様子がリアルに伝わり、理解しやすかった
2.2%
4.4%
46.7%
とてもそう思う
46.7%
まあそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
無回答
106
6.臨地実習に行くのが楽しみになった
2.2%
17.8%
35.6%
とてもそう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
44.4%
無回答
7.臨床で指導を受けることが楽しみになった
2.2%
11.1%
44.4%
とてもそう思う
まあそう思う
42.2%
あまりそう思わない
まったくそう思わない
無回答
107
8.臨床の看護師に親しみを感じた
2.2% 2.2%
33.3%
とてもそう思う
まあそう思う
62.2%
あまりそう思わない
まったくそう思わない
無回答
9.看護師になりたいという思いが
強くなった
2.2% 2.2%
11.1%
46.7%
とてもそう思う
まあそう思う
37.8%
あまりそう思わない
まったくそう思わない
無回答
108
10.「臨床教育看護師」に興味を持った
2.2%
26.7%
24.4%
とてもそう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
46.7%
無回答
11.その他(自由記述)
 演習で全く関わることができなくて残念だった。
 現在臨床ではどのようにしているのか等の質問にも即答してもらえるので、演習内容が有意
義なものになっていると感じている。
 臨床教育看護師が指導に来ている間に、臨床に負担がかかっているのではないかと思っ
た。
 臨床の話を聞くことで、様子がリアルに伝わり、とても勉強になる。
臨床教育看護師の成人看護学技術演習支援
109
② 育成期小児看護学
(ア) アンケート対象:3 年生の講義受講者
(イ) アンケート回収率:100%(回収数 57)
1.学習の必要性を強く認識した
28.1%
とてもそう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
71.9%
まったくそう思わない
2.今学習していることが、臨床の看護に活かされると実感した
28.1%
とてもそう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
71.9%
110
3.臨床のことをもっと知りたくなった
1.8%
21.1%
とてもそう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
77.2%
4.患者さんのことをイメージしやすくなった
7.0%
とてもそう思う
50.9%
42.1%
まあそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
111
5.臨床の様子がリアルに伝わり、理解しやすかった
1.8%
7.0%
とてもそう思う
33.3%
まあそう思う
57.9%
あまりそう思わない
まったくそう思わない
6.臨地実習に行くのが楽しみになった
15.8%
45.6%
とてもそう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
38.6%
まったくそう思わない
112
7.臨床で指導を受けることが、楽しみになった
15.8%
49.1%
とてもそう思う
まあそう思う
35.1%
あまりそう思わない
まったくそう思わない
8.臨床の看護師に親しみを感じた
1.8%
24.6%
とてもそう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
73.7%
113
まったくそう思わない
9.看護師になりたいという思いが強くなった
1.8%
8.8%
42.1%
とてもそう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
47.4%
まったくそう思わない
10.「臨床教育看護師」に興味を持った
1.8%
17.5%
22.8%
とてもそう思う
まあそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
57.9%
114
11.その他(自由記述)
 技術論ですら実技としてできなかったことができて本当に良かった。
 臨床での視点、考え方を学ぶことができた。
 臨床のスーパーナースに親しみを持った。
 説明がとてもわかりやすく、きちんと指導してもらってとても良かった。
 すごくわかりやすかった。
 楽しかったし興味がわいた。自分も小児の分野を将来のひとつの視野に入れようと思った。
正直今一番ひかれている。
 分りやすく現場のことを説明してもらったりして、とても良い機会になった。
 実際の臨床でのやり方や使用物品などを教えてもらえて、より臨床でのイメージができて良
かった。
 実際の子どものことをわたしたちは知らないので、すごく参考になった。
 ペーパーしか知らないので具体化できているけれど、実際はもっといろいろ情報が増えると
思うので、きちんとまとめられるか不安だが、頑張る。
臨床教育看護師の小児看護学の技術演習支援
115
4) 看護学生との交流
本学看護学科学生と本学卒業の看護師との交流会を開催した。
看護学科 4 年性を対象に平成 24 年 5 月 8 日と 3 年生を対象に平成 25 年 3 月 1 日の 2 回実
施した。
臨床で働く先輩看護師が看護学生に対して、臨床でいきいきと働いている様子をじかに伝えた
ことで、臨床看護師としての役割モデルとなった。
(1) 参加者数と参加者内訳
学生
教員
病院職員
総数
1 回目
29
14
57
100
2 回名
7
2
31
40
H22 年度
H23 年度
H24 年度
H25 年度
就職者数
29
42
26
31
就職率
41.4%
60.0%
37.1%
44.3%
(2) 本学からの就職者数と就職率
116
交流会案内ポスター
117
日程:平成25年3月1日(金)
17:30~19:00
場所:福利棟1階 生協食堂
対象:看護学科3年生
参加:無料(申込不要)
先輩看護師と、臨床現場の最新情報を情報交換!
懐かしい先輩から、就活ポイントを聴きだそう。
*今年も玉石混淆のビンゴゲームあります
【問合せ先】看護臨床教育センター 澤井・服部 TEL 077-548-3578
【参加予定】先輩看護師・実習指導者・看護学科教員・病院長・看護部長・副看護部長
【主
催】看護臨床教育センター
【共
催】看護学科・看護部
交流会案内ポスター
118
5.キャリアパス構築
1) キャリアパスの概要
従来の、本院のクリニカルラダーⅢを取得後のキャリアパスのコースは、「看護管理者育成コー
ス」「看護スペシャリスト(専門/認定看護師)コース」「スーパージェネラリストコース」が設定されて
いた。今回「臨床看護教育者コース」を立ち上げ、圧倒的に多いジェネラリストのキャリアパスの選
択肢が追加された。
また、「看護管理者育成コース」を進んでいる副看護師長の中には、「このまま看護師長になっ
ていくのか」と悩んでいる者もおり、新たなキャリアパスの設定で、自身のキャリアを再考する機会に
もなっている。なお、現在 20 名の看護師・助産師がこのコースに進んでいる。
2) 効果・成果
従来の 3 つのキャリアパスでは自分の進むべき道を見いだせなかった看護師が、臨床教育看護
師・助産師育成プログラムを受けることで、新たな資格を取ったり管理者になったりしなくても、ジェ
ネラリストとして看護師・助産師を続け、他のジェネラリストと共に臨床の場で成長していくことに意
味があると考えているようになっている。また、臨床教育看護師(プレ)からは、今までは部署の看
護実践で気になることがあっても、役職や役割がなかったためにかかわりにくかったが、臨床教育
看護師(プレ)という立場が明確になったことにより、関わりやすくなったという声がでている。周りから
臨床の教育者に期待を寄せられることで、自身もその役割を果たしやすくなり、自己の実践も意識
するようになったという意見も聞かれている。これらのことから、現在「臨床教育者コース」に進んで
いる臨床教育看護師・助産師は、新たに作られたキャリアパスを進んでいる姿を示している。
平成 24 年度には、本学にはなかった「滋賀医科大学看護臨床教授等の称号」を設け、「滋賀医
科大学看護臨床教授等の看護部・看護臨床教育センターの推薦者選考基準」を制定した。そして、
臨床教授 1 名、臨床准教授 3 名、臨床講師 1 名に称号が付与され、臨床教育看護師の 2 名に「看
護臨床助教」の称号が付与された。
119
滋賀医科大学看護臨床教授等の看護部・看護臨床教育センターの推薦者選考基準
平成 24 年 5 月 11 日制定
看護学科教授による滋賀医科大学看護臨床教授等への推薦に際し、看護部・看護臨床教育セ
ンターからの滋賀医科大学医学部附属病院看護部職員の推薦者を選考するための基準を以下
に示す。
看護学科の臨地実習を 1 クール以上/年担当している者、講義を1回以上/年担当している者、
演習を 3 回以上/年、または 1 回以上/年を 3 年以上継続している者の内で、下記のいずれかを
満たし、且つ、下記の要件に全て該当する者を看護部・看護臨床教育センターからの推薦者とす
る。
1.
臨床教授
1) 論文、または学術集会での発表の業績総数が、5 編以上あること
ただし、そのうち 1 編は筆頭著者であること
2) 臨床経験年数が 15 年以上あること
3) 看護学、または看護関連領域の修士以上の学位を有すること
4) 看護師長以上の職位、且つ、学会等における社会貢献(理事・評議委員)をしていること
2.
臨床准教授
1) 論文、または学術集会での発表の業績総数が、3 編以上あること
2) 臨床経験年数が 10 年以上あること
3) 看護学、または看護関連領域の修士以上の学位、あるいは同等以上の学歴を有すること
3.
臨床講師
1) 論文、または学術集会での発表の業績総数が、2 編以上あること
2) 臨床経験年数が 7 年以上あること
3) 看護学、または看護関連領域の修士以上の学位、あるいは同等以上の学歴を有すること
4.
臨床助教
1) 論文、または学術集会での発表の業績総数が、1 編以上あること
2) 臨床経験年数が 7 年以上あること
3) 看護臨床教育センターにおける臨床教育看護師育成プログラム、または臨床教育助産師育
成プログラムを修了していること
120
6.看護臨床教育センターへの相談の状況
相談内容は、相談者自身のキャリアに関することだけではなく、部署の看護師教育についてが、
主なものであった。
キャリアカウンセリングの評価は、カウンセリング後に「整理ができた」「すっきりした」「課題が見え
た」という発言の有無、相談者の退職の有無とした。その結果キャリアカウンセリング後にこれらの
発言があり、また、キャリアに関する相談のうち、退職に関わる相談者の平成 24 年度退職はなかっ
た。
インシデントが増えてきた新人看護師への対応についての相談には、業務量の調整など個人に
合わせた具体的な方法を提示した。その結果、その看護師は部署が期待する 2 年目の役割を果
たせるまでに成長している。
以上の結果から、看護臨床教育センターへの相談は、キャリアの見直しや教育方法の相談の結
果、離職防止に効果があると考えられる。
1) 相談件数
事項
H22 年度
H23 年度
H24 年度
相談者数
1
16
26
2) 平成 24 年度の相談内容と件数
相談内容
件数
キャリア相談
10
スタッフ教育
6
新人教育
3
看護技術について
2
その他
5
121
7.地域への貢献
1) 地域を対象にした研修
(1) 外部の新人看護師研修
近隣の病院 20 施設に院外の看護師を対象とした「新人看護職員研修」の案内を送付した。
① 実施場所:看護臨床教育センター
② 講
師:看護臨床教育センター職員
③ 参加施設:5 施設
 びわこ学園医療センター
 守山市民病院
 山田整形外科病院
 南草津病院
 あざいリハビリテーションクリニック
④ 参加者数:延べ 34 名
122
⑤ アンケート結果
(ア) 酸素吸入療法、吸引(経口・経鼻・気管切開)、サチュレーションモニターによる測定
(n=11)
・ 研修時期:良かった 11 名
・ 研修内容:わかりやすかった 11 名
自由記述
・ 今、病棟でも吸引を実施している患者さんが多いので、今後技術を実施する上でとても参
考になった。
・ 今後、病棟のスタッフに教えていただく時もこういった基礎的な部分を忘れずに実施してい
きたい。
・ 勉強したことも少しずつ忘れ始めている時期であり、一つずつ思い出しながら学習できたと
思う。
・ 基本的な人体のしくみから、なぜその手技が必要となってくるのかを踏まえた上で実技を行
え、その際にもポイントを押さえて適宜説明してもらえて良かった。
・ 技術だけでなくメカニズムなども教えてもらえ、少人数で見てもらえた。
・ 手順のプリントもあり、一つ一つ確認しながら演習できた。
・ 演習ではカテーテルがどう入っているか、どう持つと挿入しやすいかなど、学びとなったの
で良かった。
・ 基本的な解剖生理、生理学をもっと勉強しなければいけないと痛感した。
シミュレータで吸引を実施
123
(イ) インスリン注射・血糖測定・輸液ポンプ・シリンジポンプの使用方法・静脈血
採血(n=11)
・ 研修時期:良かった 11 名
・ 研修内容:わかりやすかった 10 名 難しかった 1 名
自由記述
・ シリンジポンプは初めて触ったのでアラームが鳴った時の対応方法が理解でき、冷静に対
応することができた。
・ 採血もさせてもらえて指導もしてもらえ本当に良かった。
・ 採血も様々な方法を実施することができたので患者さんに実施する前に不安が軽減した
し、正しい知識を理解することができた。
・ 施設に合わせて翼状針で実施させてもらえたのが良かった。
・ 自分の病院では使用していない物品も見せてもらい勉強になった。
・ 技術中心で自分が理解できるまで何度もできて良かった。
・ わかりやすくデモンストレーションして、模型で演習でき、緊張はしたがすごく学びになった。
・ 練習の時もそばについて教えていただいたのでわかりやすかった。
・ 翼状針のリキャップの仕方も間違っていたので研修にこられて良かった。
・ いかに自分があいまいでいい加減なことをしていたか…恥かしい。
・ 一から教えてもらったので、自分にとって何が抜けていたのか知ることができた。
輸液ポンプを操作中
124
(ウ) 心電図モニターと 12 誘導心電図の装着と管理・急変時に使用する物品について
(n=12)
・ 研修時期:良かった 12 名
・ 研修内容:わかりやすかった 12 名
自由記述
・ 12 誘導の装着やアンビューバックの組立てなど実際の物品を使用して行っていくことで実
際に使う様子が想像しやすくなって良かった。また、関連して必要になってくることも付け加
えて頂けたのでわかりやすくて良かった。
・ 実際に心電図モニターの装置を設置するなど体験できて良かった。どの部分に何をつける
のか把握していないとできないので自分が理解して行うことの大切さを知った。
・ 心電図はとても難しく理解しにくいものだったが、今日の研修で理解することができた。基
礎を教えてもらったので自分でもっと調べて心電図の見方がわかるようにしていきたい。
・ 説明後実際に演習できたので、難しいと思っていた心電図モニターや 12 誘導心電図の使
い方を知り、実施できたので今後のためにすごく良かった。
・ 実際にその時に物品がどこにあるかなど知っていないと動くこともできないので、しっかり確
認しておかないといけないと実感した。
・ 自分がしっかり理解できていないところが明確に分かった。
・ 手順だけでなく細かい注意点まで教えてもらえ、楽しい研修でした。
急変時に使用する物品を確認中
125
平成 24 年度外部新人看護師教育プログラム
研修番号
Ⅰ
日
時
平成 24 年 4 月 25 日
9:00~12:00
内
容
1. 酸素吸入療法
2. 吸引(経口・経鼻・気管切開)
3. サチュレーションモニターによる測定
1. インスリン注射
Ⅱ
平成 24 年 4 月 25 日
13:30~17:30
2. 血糖測定
3. 輸液ポンプ・シリンジポンプの使用方法
4. 静脈血採血
Ⅲ
平成 24 年 5 月 16 日
9:00~12:00
1. 心電図モニターと 12 誘導心電図の装着と管理
2. 急変時に使用する物品について
40
35
35
30
25
21
20
15
参加者数
10
参加施設数
5
5
0
2
平成23年度
平成24年度
新人看護職員研修の外部参加者数と参加施設数
126
(2) 再就職支援講習会:滋賀県看護協会との連携
滋賀県看護協会のナースバンクに登録されている潜在看護師に再就職支援講習会がある
ことをアナウンスしてもらい、参加を呼びかけた。
① 実施場所:看護臨床教育センター
② 参加者数:延べ 20 名
③ アンケート結果(n=4)
(ア) 10 月 9 日 感染予防・医療安全
1.
研修参加への感想 : 大変満足 3 名 満足 1 名
2.
研修内容 : とても理解しやすかった 3 名 理解しやすかった 1 名
3.
再就職に役立つと思うか : 強く思う 1 名 思う 3 名
4.
効果的な運営と思うか : 強く思う 4 名
自由記述
 感染管理は専門的な知識や最近の耐性菌の出現など詳しい知識を得られた。医療高齢化に
向けて必要と思った。
 安全管理は病棟で使われているラインや注射器、薬剤を使い医大で行われている与薬や IT
器械の実際が良くわかった。
 以前使っていた物品と随分変わっていたので驚いた。点滴ボトルのラベルとリストバンドを
PDA でチェックすることで医療ミスを起こさないのはすごく便利だと思った。
 事故防止のためには日々マニュアルなどをよく理解し、確実な看護手順を実践してミスのない
ように勉強していきたいと思った。
 実際に使用している物品を見せてもらってわかりやすく、書面で学習していることより医療が
身近に感じられた。
 医療の内容だけでなく、考え方もどんどん進化していて素晴らしいと思った。
 実際に使用している物品に触れてよく理解できた。ガウンテクニックも協会の研修と2回行え
て確実に理解できたと思う。
127
(イ) 10 月 17 日 一次救命処置
1.
研修参加への感想 : 大変満足 4 名
2.
研修内容 : とても理解しやすかった 3 名 理解しやすかった 1 名
3.
再就職に役立つと思うか : 強く思う 2 名 思う 2 名
4.
効果的な運営と思うか : 強く思う 4 名
自由記述
 とてもわかりやすかった。たくさん実践できたので、身体に覚えさせられたかなと思う。
 特殊状況の説明も丁寧に教えて頂き、充実した時間を過ごすことができた。
 実際に体を使って何度もローテーションして下さったので、院外での急変にも対応できるよう
に思った。
 胸骨圧迫や気道確保の実際が身体を通して覚えることができた。
 頭で流れをわかっていても実際にすると戸惑ってしまったりもするので、もう一度復習する機
会になりとても勉強になった。
一次救命処置の演習
128
(ウ) 10 月 19 日 糖尿病患者の看護
1.
研修参加への感想 : 大変満足 4 名
2.
研修内容 : とても理解しやすかった 4 名
3.
再就職に役立つと思うか : 強く思う 3 名 思う 1 名
4.
効果的な運営と思うか : 強く思う 4 名
自由記述
 糖尿病の新しい知識と器具の実際がとても分かりやすく、糖尿病の古いイメージも変化して理
解できた。
 指標が変わったり、新薬のことが聞けたので良かった。
 患者さんに指導する方法を再確認できたので良かった。
 新しいものがどんどん出ていて、使いやすく見やすくなっているので勉強の機会に見たり触れ
られてよかった。とても分かりやすい説明だった。
 色々な測定器などのなどの周辺機材を見せて頂きとてもわかりやすかった。
 糖尿病の患者さんに対しての技術はもちろん大事だが、進行しているから頑張っても結果が
出ない、精神的なケアも大切だと改めて思った。
 進行を食い止める新しい薬の話も聞けて良かった。
糖尿病の看護についての講義
129
(エ) 10 月 22 日 電子カルテ・病院見学
1.
研修参加への感想 : 大変満足 4 名
2.
研修内容 : とても理解しやすかった 3 名 理解しやすかった 1 名
3.
再就職に役立つと思うか : 強く思う 3 名 思う 1 名
4.
効果的な運営と思うか : 強く思う 4 名
自由記述
 電子カルテについて講習と、病棟で使っておられる場を見せて頂き、医療の流れが変わって
いることを実感した。
 電子カルテのイメージが全く想像できなかったのが、説明を受けて不安が少しとれた。利点と
欠点があるが、上手に使いこなすのも慣れかなと思った。
 病棟を実際に見学させてもらい、大学病院の症例数の多さや機能分化した分業がわかった。
 病院見学も色々なところを見られてとても勉強になった。実際に Ns が働いている現場を見ら
れてイメージができた。
 病棟のスタッフの方が実際に働いておられる現場を見ることができて、自分がいた頃とは大き
く変化し、使いやすく働きやすい状況が見られて良かった。
 分業化されていて、看護の業務に集中できる時間が増えていってるのかなと思いつつも、反
面電子カルテに向かう時間が増えているように思った。
 「病棟はやはりいいな」って思ったが、「もうたぶん無理かな」と少しあきらめに似た気持ちにも
なった。
 時間的な制約・苦手な部分・年齢的なもの含めて、働く場所を選んでいかないといけないなと
思った。
130
(オ) 11 月 5 日 採血・輸液ポンプ、シリンジポンプの使用方法
1.
研修参加への感想 : 大変満足 4 名
2.
研修内容 : とても理解しやすかった 4 名
3.
再就職に役立つと思うか : 強く思う 4 名
4.
効果的な運営と思うか : 強く思う 4 名
自由記述
 あたたかく話しやすい雰囲気で実習がとても受けやすくて嬉しかった。最近の医療機器を見
て、作動してとても勉強になり、漠然とした不安が軽減したように思う。
 これからも最近の医療知識についていけるように勉強していき、なるべく早く再就職したいと
思う。
 機器や針なども事故防止のためにいろいろ工夫がされていることが、ブランクの間に大きく変
わったと感じた。
 輸液管理の基本を復習でき、良く理解できた。輸液ポンプ、シリンジポンプの性能がとてもよく
なっていたので驚いた。
 大切なことの基本は変わらないので、機器を使いこなせるように勉強し、努力したい。
 何年も採血をしていなくて不安だったが、実際に行うことができて自信がついた。
 潜在看護師の立場になって、ブランクの不安なども理解しながらすすめてもらい感謝してい
る。
④ 研修後の就労の状況
研修受講者 4 名中 2 名が再就職をしている。
131
平成 24 年度 看護職の再就職支援講習会プログラム
日程
内容
講師
方法
感染予防
感染管理認定看護師
講義
スタンダードプリコーションを中心に
金城真一
演習
医療安全
ゼネラルリスクマネージャー
講義
医療安全の動向、システムを中心に
穴尾百合
演習
10:00~11:00
10 月 9 日
(火)
11:00~12:00
救急認定看護師
10 月 17 日
講義
9:30~12:00
1次救命処置(BLS)
松居優子
(水)
演習
佐伯ふみ子
10 月 19 日
9:30~12:30
慢性疾患看護専門看護師
講義
伊波早苗
演習
糖尿病患者の看護
(金)
医療情報担当看護師長
9:30~10:30
電子カルテ
講義
細川數子
10 月 22 日
(月)
看護臨床教育センター
10:30~12:00
病院見学
見学
澤井信江
9:30~10:45
看護臨床教育センター
講義
澤井信江・服部俊子
演習
輸液ポンプ・シリンジポンプの
看護臨床教育センター
講義
使用方法
澤井信江・服部俊子
演習
採血
11 月 5 日
(月)
10:45~12:00
132
(3) 看護師等養成所の専任教員フォローアップ研修会:滋賀県との連携
滋賀県下の看護師養成所 13 校に開催を案内し、5 校 9 名の参加があった。
① 実施場所:看護臨床教育センター、患者支援センター、病棟
② 参加者数: A コース 5 名
B コース 4 名
専任教員の病棟研修風景
133
平成 24 年度 看護師等養成所の専任教員フォローアップ研修会プログラム
Aコース平成 24 年 8 月 6 日(月)~平成 24 年 8 月 10 日(金)
日程
曜日
研修内容
講師・担当
9:00~10:30
医療・看護を取り巻く状況の変化
副看護部長 林周子
10:40~12:10
在宅看護の推進と看護
副看護部長 多川晴美
13:10~16:10
フィジカルアセスメント
看護学科教授 遠藤善裕
9:00~10:30
医療安全
GRM 穴尾百合
感染管理
ICN・特定看護師(仮称)
特定看護師(仮称)
金城真一
時間
8 月 6 日(月)
8 月 7 日(火)
10:40~12:10
13:10~17:15
希望部署での研修
8 月 8 日(水)
9:00~16:00
患者支援センターでの研修
8 月 9 日(木)
8:30~17:15
希望部署での研修
8 月 10 日(金)
8:30~17:15
希望部署での研修
Bコース:平成 24 年 12 月 25 日(火)~平成 24 年 12 月 28 日(金)
日程
曜日
12 月 25 日(火)
12 月 26 日(水)
研修内容
講師・担当
9:00~10:30
医療・看護を取り巻く状況の変化
副看護部長 林周子
10:40~12:10
在宅看護の推進と看護
副看護部長 多川晴美
13:10~17:15
希望部署での研修
9:00~10:30
医療安全
GRM 穴尾百合
感染管理
ICN・特定看護師(仮称)
特定看護師(仮称)
金城真一
時間
10:40~12:10
13:10~16:10
フィジカルアセスメント
8:30~17:15
希望部署での研修
8:30~17:15
希望部署での研修
12 月 27 日
(木)
12 月 28 日(金)
134
看護学科教授 遠藤善裕
③ アンケート結果
研修目的にあった内容でしたか
9
8
7
7
6
(人) 5
4
3
2
2
1
0
0
あまりそう思わない
全くそう思わない
0
とてもそう思う
そう思う
自由記述
 ケアや処置などを実践する中で原理原則が明確にできた。
 この研修のあり方や意義についても学ぶことができた。
 大学病院のシステムを聞いたり、見学することで医療・看護の更なる進歩を確認できた。
 臨地での実習はとても為になった。臨地の時間をもう少し増やしても良いのではと思う。
 経験できないようなことをさせてもらった。(患者支援センターや病棟も引率でなく実際に現場
が見られたこと)
 滋賀県における地域医療のあり方を考える機会となった。学生が実習や学習の中で地域を
意識することを伝えていける。
 模擬授業を受け、大学での講義内容や方法を学ぶ機会となり、少人数制で直接講師に聞き
やすく、今後学生に応じた教材の工夫について改めて考えることができた。
 病棟の実習で大学での医療物品や看護方法などの実際を見聞きし、最新の医療について
学ぶ機会を得ることができた。
 原理原則、根拠の大切さなどを強調して伝えることが重要だと改めて感じた。
 普段臨床では学生の課題達成のため調整し、看護の場面に同席する、自分の疑問や質問
に対して指導者等に時間をもらうゆとりはない。また、教科書や参考資料、国家試験で問わ
れるところを中心に講義を組み立てており、現場の方に尋ねながらも「どのように講義したら
良いのだろう」と思うことがある。実際の臨床現場を見る機会は今後も必要である。
135
研修方法は適切でしたか
9
8
7
6
(人)
5
5
4
3
3
2
1
1
0
0
とてもそう思う
そう思う
あまりそう思わない
全くそう思わない
自由記述
【とてもそう思う、そう思う】
 講義と実習という形で変化があり、自己の課題のみでなく、現在の医療に関する問題や課題
も学ぶことができた。
 病院組織としての現状を知ることができた。
 病棟においては、シャドウイングや部分的な援助の介入も実践しながら実際を学べた。
 今の世の中の動きと看護の在り様、安全管理や感染予防又患者サービスへの取組み認定
Ns・特定 Ns について教授して頂け、その視点で病棟の研修が行えた。
 担当 Ns が研修中同じ人だったので安心して研修に挑めた。
【あまりそう思わない】
 医療技術を経験することにより という目的であるが、講義形式+病棟で約2日間のシャドー
イングになってしまい体験に至っていないため。
136
研修期間は適切でしたか
9
8
7
7
6
(人)
5
4
3
2
1
1
1
0
0
とてもそう思う
そう思う
あまりそう思わない
全くそう思わない
自由記述
【とてもそう思う、そう思う】
 気持ちはあるが、体力的には限界である。実際、学校での業務がかなり残っているのでこれ
以上は 9 月以降の業務に差支える。
 研修期間がもう少し長いと、他にもいろいろな医療技術をピックアップしながら体験させていた
だけたのではないかと思う。しかし、慣れないこともあり体力的に厳しい。
 半日病棟の日があって、心の準備もできて良かった。
 他のグループより 1 日少なかったが、自己の課題については学び、考える機会となったため
適切であったと思う。しかし、患者支援センターでの研修は、日頃考える機会は少ない内容で
あるため、どのようなものであったかは興味がある。
 外来などにも入りたい場合は短く感じるかもしれない。
【あまりそう思わない】
 期間が短かったため、上記記載した様に、看護の実際には至らなかったため。自分の看護技
術の質を向上させるには、1年単位で臨床での看護経験が必要となるだろう。
137
研修時期は適切でしたか
9
8
7
6
(人)
5
4
4
4
3
2
1
1
0
0
とてもそう思う
そう思う
あまりそう思わない
全くそう思わない
自由記述
【とてもそう思う、そう思う】
 夏休みは研修に出やすいので良かった。
 7 月末、12 月は学内の会議があるので出られなかった。
 学生の夏休みであるこの時期が一番可能かと思う。
 夏または冬休みしか長期に学外に出ることは困難である。しかし、学生がいない間に必須の
仕事ができなかったことを考えると、思い切って平日に研修するとも可能。ただ、受講希望は
少なくなるだろう
【あまりそう思わない】
 学校側の視点:学生の動向を考えると 12 月の時期は終業と国家試験の取り組みの時期にあ
たるため、業務の内容によっては忙しく、難しい時期かなと思った。
病棟側の視点:年末年始に向けて、退院・外泊者が多くなり、患者数も少なくなっていた。重
症患者は在院されているため、自己の目的から考えるとケアの多い対象は多かった。病棟も
落ち着いていたため、説明して下さる時間があり、時期的には良かったのかなと思う。
138
その他、何かあればお書きください。
自由記述
 病棟で実習させて頂けたことは、改めて看護として何が大切なのかを考えることもでき、自分
自身が看護の楽しさを感じることができ、貴重な体験をさせて頂くことができ、いい学びがあっ
た。もう 1 日病棟実習があればもう少し自分からできることがあったように思う。
 研修期間中 1 人の Ns がずっと指導して下さった。その方の担当患者様については 2.5 日関
わることができたので、何をどうケアすればよいかもわかるようになり、やっぱり臨床はいい
な、看護師は素晴らしい職業だなと再認識する機会となった。この気持ちを学生に伝えていき
たい。スタッフの方々も自然に迎えて下さり、部外者にやさしい環境の大切さを伝えるとともに
私自身もその様な人でありたいと思った。
 新しい物品、器械、システムなど知らないことも多く、学びが多かった。講義での現状や実習
指導に関しての情報交換なども少しできたことで、基礎技術への取り組み方をもう少し検討し
ていきたいなと思った。
 医療を取り巻く社会の変化から研修の講義が開始され、自分の置かれている現実も振り返る
機会となった。
 地域での医療、在宅での医療を意識した学習の必要性について、臨床を見ることで更に理解
が深まった。
 看護師が病棟で生き生きと働いている姿を見る機会をもらい、このように元気に働ける学生を
育てていきたいと感じた。
 自己で研修に行く際は、どうしても興味があるものや講義に関する内容を選択するため、広く
現在の医療問題や安全・感染に関する学習が出来、自分にとっても良い学びになった。
 卒後、学生が困らないようにと、限られた時間の中でどう工夫しようかと考えているが、フィジ
カルアセスメントの講義や病棟での見学・インタビューから、何もかもでなく、就職後につなが
る基本を習得できることが必要であると改めて考えることができた。特に 3 年目の看護師にイ
ンタビューしていたときに「解剖の講義をあの時に戻って今、したい」を「戻るのではなく、今の
状態であのときの講義を聴きたい」と言い直されたのを聞き、今だからこそできることで、学生
の時に詰め込んでも自分のものにならないと痛感した。自己の講義に対するスタンスを再考
し、こんな看護師になってほしいと思う目標に向かえる学生の育成に努めたいと思う。
139
2) 社会貢献
(1) 平成 24 年度 滋賀県看護協会 新人看護職員研修アドバイス事業 アドバイザー
県下の公立・私立病院の新人看護師研修プログラムについて、2 病院に、延べ 8 回訪
問し、アドバイスを行った。その結果、各施設が新人看護師研修プログラムを作成し、実
施するようになった。
訪問施設
H22 年度
H23 年度
H24 年度
一般(210 床)
一般・療養(120 床)
精神(407 床)
精神(360 床)
療養(180 床)
一般・療養(137 床)
(2) 平成 24 年度 滋賀県看護協会 新人看護研修体制検討委員会 委員
新人教育責任者と新人教育担当者の教育プログラムの作成に参加した。
(3) 平成 24 年度 滋賀県看護協会新人研修:看護職として組織人としての意識の確立
研修講師
140
8.情報公開
1) 臨床教育看護師育成プランフォーラムの開催
141
(1) 基調講演:臨床での看護師教育を改革するために
公益社団法人日本看護協会
会長 坂本すが
公益社団法人 日本看護協会
平成24年7月14日(土)13:35~14:35
滋賀医科大学 看護臨床教育センター主催フォーラム
本日話すこと
 1.医療をとりまく社会の変化
 2.医療・介護提供体制の改革の動き
臨床での看護師教育を改革するために
 3.看護職の現状と今後
 4.看護師教育への期待
公益社団法人日本看護協会
会長 坂本 すが
2
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
看護のあり方を考える前に・・・
医療や看護を取り巻く周辺で
–「いま」
–「なにが」
–「起こっているのかーーー」
1.医療をとりまく社会の変化
3
4
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
少子高齢多死社会の到来
将来人口の推移:少子高齢多死社会の到来
(人)
少子・高齢化は、看護職の需要と役割に大きく影響
140,000,000
■高齢化:多死時代の到来で、看取りなど在宅看護の需要大
■少子化:看護学生の確保困難
第一ポイント
団塊世代が
75歳以上に!
(%)
高齢化率のピーク
(2083年):41.3%
40.0
120,000,000
0~14歳
(歳)
100
90
70
60
2005年
1980年
65歳以上
万人
65歳以上割合(%)
80,000,000
60,000,000
2030年
50
35.0
15~64歳
100,000,000
2266
1164万人
75歳以上
366万人
80
45.0
65歳以上人口のピー
ク(2042年):3,878万
人
30.0
25.0
20.0
15.0
40
40,000,000
30
10.0
20
20,000,000
5.0
10
0
18歳
159万人
23万人減
136万人
47万人減
89万人
0
0.0
2/3
1980,2005:総務省統計局 国勢調査結果
2030:国立社会保障・人口問題研究所:日本の将来推計人口(平成18年12月推計) :出生中位推計
5
142
各年10月1日現在人口.平成22(2010)年までは,総務省統計局『平成22年国勢調査による基準人口』(国籍・年齢「不詳人
口」をあん分補正した人口)による.2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)
出生中位(死亡中位)推計」を基に日本看護協会にて作成
6
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
2025年問題② 超少子・高齢多死社会の到来
~諸外国との比較~
40
2025年問題③ 75歳以上の受療率が急上昇
高齢化率:65歳以上人口
35
30
Australia
Canada
25
Japan
United Kingdom
United States of America
20
Indonesia
Philippines
15
Viet Nam
India
Malaysia
10
Thailand
5
0
19501955196019651970197519801985199019952000200520102015202020252030203520402045205020552060
Source: Population Division of the Department of Economic and Social Affairs of the United Nations Secretariat, World Population Prospects: The
2010 Revision, http://esa.un.org/unpd/wpp/index.htm
8
7
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
2025年問題④ 死亡場所はどこ?
人
1,800,000
実績
2006年 死亡者数 1,084千人
65歳以上 896千人
1,600,000
推計
1,400,000
○将来推計(2030年時点)の仮定
2.医療・介護提供体制の改革の
動き
医療機関
医療機関:病床数の増加なし
介護施設:現在の2倍を整備
自宅死亡:1.5倍に増加
1,200,000
約89万人
1,000,000
800,000
600,000
その他
約47万人
400,000
介護施設
200,000
約9万人
自 宅
0
約20万人
1
9
7
1
9
8
1
9
8
1
9
9
1
9
9
2
0
0
2
0
0
2
0
1
2
0
1
5
0
5
0
5
0
5
0
5
【資料】
2006年(平成18年)までの実績は厚生労働省「人口動態統計」
2007年(平成19年)以降の推計は国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2006年度版)」から推定
2
0
2
0
2
0
2
5
2
0
3
0
年
※介護施設は老健、老人ホーム
10
9
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
急激な高齢化の進展
医療提供体制の変革
が迫られている
11
12
143
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
内閣官房「第11回社会保障改革に関する集中検討会議」 (平成23年7月14日)配布資料「社会保障・税一体改革成案における改革項目 (参考資料)」
内閣官房「第11回社会保障改革に関する集中検討会議」 (平成23年7月14日)配布資料「社会保障・税一体改革成案における改革項目 (参考資料)」
13
14
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
今後必要とされるマンパワー
2015年
2011
年
現状投影
29
医師
(万人)
改革
2025年
現状投影
改革
30
30
33
32
~32 ~31 ~35 ~34
141 151 155 172 195
~158 ~163 ~181 ~205
看護職員 (万人)
第10回社会保障改革に関する集中検討会議 医療・介護に係る長期推計より
15
16
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
課題
改革に向けた具体的な動きの例
 診療報酬・介護報酬同時改定
■高齢多死社会
病院・病床の機能分化・在宅医療の充実の方向
⇒住み慣れた地域で暮らすことを支えるために
看取りを支える、在宅ケアの充実
 医療計画の策定
在宅医療の位置づけの強化
 急性期病床のあり方の検討
■少子社会
 看護師特定能力認証制度の検討他
⇒少ないマンパワーで国民のニーズにこたえるために
●看護職の定着:働き続けられるための環境づくり
●チーム医療:それぞれの職種が専門性を高め協働
チーム医療の推進
など
18
17
144
公益社団法人
日本看護協会
平成23年10月5日
診療報酬における社会保障改革の実現に向けたスケジュール(粗いイメージ)
参考
方
向
性
2012年
2014年 2016年
2018年
2020年
① 医療機関の機能の明確化と連携の強化
② 医療機関と在宅/介護施設との連携強化
③ 医療提供が困難な地域に配慮した医療提供体制の構築
改
定
(
予
定
)
診療報酬・介護報
酬同時改定③
診療報酬・介護報
酬同時改定②
診療報酬・介護報酬
同時改定①
診療報酬改定①
診療報酬改定③
診療報酬改定②
診療報酬の体系的見直し
入
院
検
討
内 外
容 来
在
宅
公益社団法人 日本看護協会
中医協総会資料総-2 p90
2024年 2025年
2022年
診療報酬改定④
機能分化・連携・地域特性の明確化
○ 高度急性期、一般急性期、亜急性期等の患者の状態に応じた診療報酬体系の検討・実施
○ 地域に密着した病床における、高度急性期医療から亜急性期医療までの一体的な対応に対する評価を検討・実施
○ 外来受診の役割分担に向けた評価の検討・実施
 専門医療機関等における、専門的な外来やセカンド・オピニオン等の評価を検討・実施
 診療所等と地域の拠点病院が連携をして外来受診を行っていることへの評価を検討・実施 等
医
療
・
介
護
サ
ー
ビ
ス
の
あ
る
べ
き
姿
の
実
現
3.看護職の現状と今後
○在宅医療を担う診療所等の機能強化等を行うための評価を検討・実施
19
○在宅を担う医療機関と外来を行う医療機関が連携をとって継続的な診療を行うことについての評価の検討・実施等
20
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
看護職の現状:就業者数(職種別)の推移
看護師・准看護師:学校種別1学年定員数の推移
(人)
看護師
994,639人
1,000,000
900,000
70000 (人)
70000
5年一貫
2年課程
60000
保健師
800,000
短大(3年課程)
50000
看護師
600,000
60000
3,765
養成所(3年課程)
助産師
700,000
3,445
大学(3年課程)
准看護師
准看護師
准看護師
389,013人
500,000
400,000
17,953
19,026
40000
16,746
30000
17,577
300,000
20000
保健師
54,289人
200,000
100,000
40000
23,544
23,385
20000
23,424
2,110
0
17,115
6,737
10000
助産師
32,480人
0
50000
25,024 30000
16,443
14,606
12,599
13,897
3,040
4,156
1951
1955
(昭和26年)
431
1,918
5,004
6,144
1960
(昭和35年)
1965
14,079
17,593
8,199
1970
(昭和45年)
1975
1980
(昭和55年)
※1980までは、養成所3年に大学・短大を含む
出典:看護関係統計資料集
18,230
4,580
2,700
350
1985
4,140
558
1990
(平成2年)
5,040
2,448
1995
5,950
2,100
15,504
10000
9,644
0
2000
2005
(平成12年)
2010
(平成22年)
出典: 1951~1980年 新日本法規出版株式会社 平成20年版看護六法
1985~2010年 看護関係統計資料集
22
21
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
就業看護師の就業場所
就業看護師の年齢構成
800000
180000
160000
700000
140000
600000
120000
500000
100000
80000
1996末
2010末
400000
1996末
2010末
60000
300000
40000
200000
20000
0
100000
0
病院
診療所
養成所他
その他
衛生行政報告例
衛生行政報告例
23
145
24
公益社団法人 日本看護協会
病院における医療関係職種従事者
公益社団法人 日本看護協会
これからの看護のあり方
一般病院100床あたり(常勤換算)
薬剤師, 2.7
医師, 12.3
その他, 22.5
保健師, 0.3
助産師, 1.2
看護師, 42.8
看護業
務補助
者, 12.3
医師
歯科医師
薬剤師
保健師
助産師
看護師
准看護師
看護業務補助者
理学療法士
作業療法士
診療放射線技師
臨床検査技師
臨床工学技士
管理栄養士等
その他
(1)国民のニーズに応える
(2)暮らしと医療を支える
(3)チームで働く
共通言語:
准看護師,
10.1
エビデンスのある看護実践
平成22年病院報告
26
25
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
(2)暮らしと医療を支える
(1)国民のニーズに応える
「暮らしを支える」とは、
発症の予防から急性期、慢性期、在宅療養に至る、
シームレスで継ぎ目のない看護の提供
「看護がどうあるべきか」の前に
「国民の、患者のニーズを
どう満たすか」を、
その実現のために
看護師(ジェネラリスト)の活動強化
専門性の高い看護師(スペシャリスト)の効果的な活用
人々の普遍的なニーズ:
人間としての尊厳を維持し、健康で幸福でありたい
が必要
能力発揮のために
日本の医療の実情を前提に考えること
が必要
学習の継続と多様な働き方を考える
ことが必要
27
28
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
(3)チームで働く
多様な職種の協働によるチームの一員として、
役割を発揮するには?
役割拡大と分担
看護師はチーム医療の“キーパーソン”
高い専門性
+「他人(多職種)と手をつなぐ力」が必要
秋山弘子氏(東京大学高齢社会総合研究機構特任教授)
中央社会保険医療協議会総会(第186回)有識者ヒアリング資料
29
146
30
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
国民に求められる役割を発揮するために
4.看護師教育への期待
役割を担える資質の育成が不可欠
⇒人材育成
32
31
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
教育はニーズへの対応が必須
超高齢・少子化をのりこえる力
33
34
公益社団法人 日本看護協会
公益社団法人 日本看護協会
そのためには
イ. ケア管理ができる力
ロ. 自分だけではなく人の手を使って看護ができ
る力
くらしと医療を担う力
ハ. チームと一緒に チーム力
ニ. 看護のアイデンティティの確認ができる力
ホ. 安心して看護ができる安全基地の自覚
ヘ. 夢がある 働きがいを見つける力
ト. 不確実なところに入っていく力
35
147
36
(2) シンポジウム 滋賀医大発、臨床での看護師教育を改革するために
① 「滋賀県の新人教育、助産師教育の現状」
滋賀県健康福祉部医務薬務課 副参事 西井美恵子
新人看護職員研修に県としてどう取り組むか
• 看護管理者会議(平成22年3月17日)
「新人看護職員研修をどのようにしていか」
(グループワーク)
①自施設の新人看護師研修の現状について
②「新人看護師研修事業」や「新人看護職員研修ガイドライン」をどう活用して
いくか
③施設間の連携について
④研修を行っていく上で不安に思っていること
(グループワークのまとめ)
①各病院で実施している研修をオープンにし共有できるようにする。
②各病院で行っている効果的な事例を公表できる機会をつくる。
③看護学校と病院が連携して新人研修を行っていくことも必要。
④大規模な病院に研修に行った場合、そこに新人が採られてしまうのではない
かという不安がある。「お互い様」精神が重要
滋賀県における新人看護職員・
助産師教育
滋賀県健康福祉部医務薬務課
西井 美恵子
フッター
2012/7/10
1
2012/7/10
フッター
2
新人看護職員研修に県としてどう取り組むか
□基礎教育と臨床との意見交換会
テーマ:看護基礎教育と臨床との連携について
□新人看護職員研修補助事業(平成24年度26病院)
□新人看護職員研修体制整備事業
・協議会の立ち上げ(プログラム作成・評価)
・研修責任者、教育担当者研修会の実施
・アドバイザーの派遣
フッター
2012/7/10
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3
新人看護師研修の今後の課題
フッター
4
助産師キャリアアップに向けたシステム構築 1
• 滋賀県における産科医療を取り巻く現状および課題
1 産科医の不足・・・産科病棟の閉鎖(8施設) 院内助産所に変更
• 基礎看護教育と卒業後の新人教育の連携
• 小規模病院、診療所、訪問看護ステーション等の施設
の研修体制の整備
2 助産師の有効利用ができていない
・・産科病棟の閉鎖された病院勤務の助産師は、本来業務ができない
・・病院では、医師主導であり、正常分娩においても主体的な活動ができない
やりがいがもてない
• 新人看護職員研修のネットワークづくり
3 出産に対する住民のニーズの多様化
• 新人看護師教育の評価
・・ より 安全で、快適性の重視
・・ お産の方法やスタイルは自分で決める
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6
産科医療機関と助産所の連携による助産師研修
システム構築のための協議会
助産師キャリアアップに向けたシステム構築 2
• 滋賀県の助産師に対する施策
第一段階 Ⅰ助産師の基礎教育の充実
第二段階 Ⅱ周産期を巡る環境整備
①住民が安心して出産できる環境の確保
検
討
・
評
価
②住民が望む多様な集散環境の整備
③助産師の活躍の場の拡大
1.新人助産師のための研修
プログラム
2.中堅助産師のため研修
プログラム
3.自立した助産師活動のため
研修プログラム
2.助産師キャリアアップ
研修プログラムの開発
【助産師キャリアアップ事業の必要性】
系統的な研修プログラムがない
第三段階
3.助産師研修システムの
構築
Ⅲ就業助産師の質の向上
1.助産師研修プログラムの開発および研修システムの構築(H21)
2.研修の実施(H22 ~H25)
プログラムに添って研修を実施
【 大学医学部附属病院 】
【産科診療所】
各施設の強みを生
かした研修を実施
【助産所(有床)】
フッター
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8
7
滋賀県キャリアアップ研修目標
助産師キャリアアップ研修の実際
1.幅広い視野で助産業務を統合的に実践できる助産師の育成
・新人助産師コース
目的:1)新人助産師の卒業教育の一環として、助産技術のレベルアップを図り、実践的な判断
力を養い、就業意欲を高める。
2)卒後のリアリティーショックの緩和を図る。
3)滋賀県下の新人助産師同士の交流を図る。
内容: 8月 10月 2月
各一日 NCPRに準じた新生児蘇生・分娩介助研修・基調講演・交流会 など
2.高度産科医療機関や有助産所で展開されている助産技術、実
践的な判断力、指導力を有する助産師の育成
・中堅助産師コース(卒後3年以上の助産師業務)
目的:1)中堅就業助産師の継続教育の一環として、助産技術のレベルアップを図り、実践的な判
断力・指導力を養う。
2)施設における自立した助産師を育成する。
内容:最新の高度周産期医療における助産師の役割・臨床研修(県内 病院・助産所)
母性衛生学会学術集会出席など 10日間の研修
3.滋賀県の地域特性に即した就業助産師の助産実践能力の資
質向上を図る
・エキスパート助産師コース(助産師経験5年以上 助産所の開設・周産期ハイリ
スク管理を目標とする者)
臨床研修(県外の病院・産科診療所・助産所)
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助産師キャリアアップ応援事業の現状と評価
• 新人助産師コース・・H23年度 18名 参加/ 27 名 新人助産師
H24年度 26名 参加予定 / 名
新人としての不安を研修を通じて解消し、ネットワーク作りにも役立っている。
• 中堅助産師コース・・H22年度
6名
H23年度
8名
H24年度
6名予定
助産技術のレベルアップはもとより、助産観の変化や助産師外来などの
役割の拡大など、目標達成のための課題が明確になっている。
・エキスパート助産師コース・・H24年度 3名予定
年々、パワーアップしており、今後どのように研修を充実・継続していくかが
課題でもあり、楽しみなキャリアアップ事業である。
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11
149
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10
② 臨床教育看護師としての活動
滋賀医科大学医学部附属病院 臨床教育看護師 木村由美
滋賀医科大学附属病院看護部現任教育
<教育理念>
優れた看護の専門家を育成する
<教育目的>
看護の専門職としての看護サービスの質の維持・
向上に貢献できる知識、技術、態度、そして旺盛な
探究心を持つ人材を育成する
<教育目標>
1.看護の質の維持・向上に貢献できる知識・技術・
態度を育成する
2.自己啓発の必要性を認識し、行動化できる人材
を育成する
臨床教育看護師としての活動
滋賀医科大学医学部附属病院
臨床教育看護師 木村由美
現在の滋賀医科大学附属病院の現状
臨床教育看護師としての役割


各部署1年目~3年目の看護師が
5割以上を占めている
ジェネラリストの
キャリアアップ
への貢献
<私たちの取り組みたいこと>
治療の複雑化
4~5年目で
・看護のやりがいや楽しさを 多忙な業務
退職してしまう
定時に帰れない
感じられる環境づくり
・働き続けたい職場づくり
部署の看護の
質向上
結婚・妊娠したら
働けない
2011年度臨床教育活動
・各部署での目指したい看護の明確化
・心に残った看護を語る会の開催
・看護技術の振り返り
・クリニカルラダー取得への支援
疲労感
余裕がない
ストレスの蓄積
ライフバランスの崩れ
2011年度臨床教育活動
<各部署での反応>
・知識・技術のみならず、係や役割についても効果的な
アドバイスを得たことで組織の一員として成長できた
・病棟全体のボトムアップにつながる機会となった
・スタッフが看護を考える機会となった
・教育担当という立場からプリセプターや選任教育看護師
への良きアドバイザーとなり、病棟全体に良い刺激を
与える存在であった
・教育に携わる立場として良いモデルになった
150
新人看護師への教育活動
看護学生への教育活動
<気づき>
・教科書や参考書にある知識・技術だけでなく、経験から得た知識・技術を
伝える場となった
・研修内容を知ることで、病棟での指導に活かせる
・病棟で見れない新人看護師の姿を見ることができた
私たちが描く臨床教育看護師
臨床教育看護師活動からの学び




<気づき>
・講義での知識・技術に加え、臨床でのより実践に即した知識・技術を伝える場
となった
・臨地実習時、講義演習の内容を振り返り実践に繋げる指導ができる
役割をもつことで、意識的にスタッフと教育的
関わりをもてるようになった
自分たちの看護を見直すきっかけとなった
人に教えることの難しさを再認識した
リフレクションシートや定期的な臨床教育看護師
会により評価することで、自己の教育活動を客観
的に振り返ることができた
1
年
目
看
護
師
基礎教育
シンポジウムの様子
151
2
年
目
看
護
師
3
年
目
看
護
師
現 任 教 育
4
年
目
看
護
師
5
年
目
以
上
看
護
師
③ 看護部と看護学科のユニフィケーション~臨床勤務~
滋賀医科大学医学部看護学科 助教 田中智美
本日の内容
1.臨床勤務における目的
看護部と看護学科のユニフィケーション
教員の臨床勤務の実際と今後の課題
2.臨床勤務の実際
3.臨床勤務の成果
滋賀医科大学 医学部 看護学科
助教 田中 智美
4.今後の課題
臨床勤務における目的 ②
臨床勤務における目的 ①
③ 外来患者との関わりを通して、患者が抱える
身体的・精神的・社会的諸問題について理解
する。
① 各診療科における症状・治療・検査・経過を
学ぶ。
② 各診療科の外来看護の特徴を学び、臨床で
培った知識・技術を外来看護の看護実践の
場に適応させる。
臨地実習
講義
研究
その他
臨床勤務
④ 精神科における患者の症状の訴え方、聴き方、
本人の意思とは異なる受診時の対応を学ぶ。
臨床勤務の実際 ①
4月
5月
〔勤務部署〕
6月
本学医学部附属病院
7月
8月
①脳神経センター外来(精神神経科・神経内科・脳外科)
9月
1日平均外来患者数(平成24年2月 病院統計資料より)
精神神経科・・・約70人
神経内科・・・・・約30人
脳神経外科・・・約30人
10月
11月
12月
1月
2月
3月
152
臨床勤務の実際 ③
臨床勤務の実際 ②
〔勤務部署〕
〔勤務期間・時間〕
*脳神経センター
平成23年1月11日~3月29日
(計12日間)
本学医学部附属病院
②消化器・血液内科外来
1日平均外来患者数(平成24年2月 病院統計資料より)
消化器内科・・・約100人
血液内科・・・・・約20人
毎週火曜日の週1回
〔勤務期間・時間〕
*消化器・血液内科
平成23年8月1日~
平成24年3月19日
(計18日間)
毎週月曜日の週1回
8時半~16時(休憩含む)
8時半~17時(休憩含む)
臨床勤務の実際 ④ ~脳神経センター~
初回勤務内容
1)外来看護師の指導のもと、
業務の流れを把握する。
・診察の準備
・電子カルテの見方
・予診の取り方
等
2)脳外科の外傷患者の縫合
処置介助
臨床勤務の実際 ⑤ ~消化器・血液内科外来~
2回目以降
1)各診療科の診療補助
2)精神科初診患者への予診前
GHQ検査(精神健康調査)の
説明
3)初診患者の予診聴取
4)神経内科処置介助
5)救急カート薬品点検
2回目以降
1)血液内科専属で診療補助
・診察、検査予約の説明
・入院予約
・医学科4回生の学生に
血圧測定の方法を指導
・骨髄穿刺介助
・点滴の準備
2)移植後患者さんの
悩みを聞いたり・・・等
お薬は飲めて
いますか?
等
臨床勤務の成果 ①
初回勤務内容
1)外来看護師の指導のもと、
業務の流れを把握する。
・診察の介助
・電子カルテの見方
・電子カルテの操作方法
・血液内科に特化した業務
臨床勤務の成果 ②
2.知識や技術の再確認
1.「看護師」としてのアイデンティティの再確認
① 患者の精神症状のアセスメント
① 不安の強い初診患者に対して看護師として
② 患者の精神症状に対する適切な治療
アセスメントを行い関わることができた。
③ 看護技術の再確認
② 初診患者が主治医と信頼関係を構築する過程を
見ることができた。
【患者・家族と医師との架け橋としての役割】
153
臨床勤務の成果 ③
~臨床勤務を行っての感想~
*看護技術を含め久々の臨床現場でも、すぐに適応して勤務できたことに
3.看護基礎教育への還元
自信がついた!
① 具体例を用いた学生指導に活用
*直接患者さんと関わる臨床の楽しさをあらためて実感した!
*勤務先の部署の医師・看護師から、一看護師として受け入れていただき、
・精神看護学実習オリエンテーション
勤務がし易い環境だった。
・カンファレンス
*医師や看護師とのネットワークが広がった。
・講義(学外)
*内服治療の開始や造血幹細胞移植など、治療の説明に立ち会い、
インフォームド・コンセントや意思決定支援の重要性をあらためて実感した。
引き続き臨床勤務の中で深めていきたい視点 !
今後の課題
ご清聴、ありがとうございました。
1.勤務の成果を学部の講義の中で還元する。
2.学生の学習効果等、客観的評価方法の検討。
フォーラム会場の様子
154
④ 滋賀県の看護職に利用していただくための看護臨床教育センターのあり方
滋賀医科大学看護臨床教育センター 澤井信江
看護臨床教育センターの事業概要
医学部附属病院
滋賀県の看護職に利用していただくための
看護臨床教育センターのあり方
滋賀医科大学医学部附属病院
看護臨床教育センター
センター長 澤井信江
A 教育プログラム
の開発
B 教育指導者
の養成
・臨床教育看護師
育成プログラム
・臨床教育助産師
育成プログラム
・新人看護師教育
プログラム
・臨床教育看
護師の養成
・臨床教育助
産師の養成
•
•
•
•
•
臨床教育看護師育成プログラム
C 臨床教育
支援のため
の環境整備
・スキルズラボ
の整備・運営
・シミュレータ
の管理
・センター専属
の教員配置
医学部看護学科
D 人事交流
・看護学科教
員の臨床勤務
・臨床教育看
護師・臨床教
育助産師の看
護学科・学生
対象の臨床教
育
E キャリア支援
・個別のキャリア
カウンセリング
・大学院進学に
向けた広報活動
・管理者対象の
対話カフェ
・キャリア支援
F 地域医療への貢献
・滋賀県下(学外)の新人教育研修
・滋賀県下(学外)の就職・職場復帰
支援研修
・自施設の臨床教育プログラムや臨床
指導者の養成に関する相談
・滋賀県下の看護教員対象の病院研修
・地域の看護師、教員フォローアップ
ジェネラリストの成長と看護の質向上
• 基礎教育への還元
臨床教育看護師・助産師育成プログラムの提示
• 滋賀県の看護の質への貢献
新人看護師のリアリティショックによる離職率の低下
看護職員離職率の低下
安全・安心な看護技術の提供
3.臨床教育看護師に期待する能力
1)看護観・倫理観・専門的知識に基づいて的
確に判断し、熟練した看護技術を提供する。
2)教育的視点を持って看護師や看護学生とか
かわる。
3)看護実践を通して役割モデルを看護師や看
護学生に示し、看護の魅力を伝える。
1.臨床教育看護師とは
一般の臨床看護師を教育する看護師
2.受講者
1)院内看護師を対象に平成22年度より開始
2)臨床教育看護師数(プレ含む) 11名
今年度の受講者数
10名
4.育成プログラム
 自信の看護実践の質向上のために、臨床判断
力を強化するためのプログラム
 部署全体の看護の質向上に向けて、部署の看
護師の学びをサポートする力を強化するため
のプログラム
外部の新人看護職員研修
利用しやすいための工夫
1.申込の受付締切は、研修日の1週間前
2.設定日時以外にも、要望に沿って開催可能
5.プログラムの期間
 5月~3月 2日/月 勤務扱い
155
看護師等養成所の専任教員
フォローアップ研修
ご意見・ご希望をお聞かせください。
1.目的
自己の課題に基づいて病院等で研修を行い、
授業の教材研究および最新の医療技術等を
経験することにより、教員の質の向上を図る。


平成24年度より実施
8月 5名 12月 4名 受講予定
1. どのようなプログラムであると参加しやすいで
すか。
– 臨床教育看護師/助産師育成プログラム
– 外部の新人看護職員研修
– 看護師等養成所の専任教員フォローアップ研修
2. 現行のプログラム以外で希望するプログラム
は、どのようなものですか。
基調講演 坂本すが 日本看護協会会長
シンポジウムの様子
156
(3) 平成 24 年度フォーラムアンケート結果:
参加者数 201 名のうちアンケート回答 168 名(回収率 83.6%)
(1) 所属をお聞かせください。
内訳(県内・県外)
3.0%
18.5%
21.4%
本学
県内
県外
無回答
57.1%
(2) 職種、職位をお聞かせください。
職種
1.2%
1.2% 2.4%
5.4%
9.5%
看護師
助産師
教員
学生
その他
無回答
80.4%
157
看護師・助産師 職位
6.2%
9.6%
27.4%
看護部長
副看護部長
看護師長
28.8%
副看護師長
スタッフ
28.1%
教員の所属
37.5%
大学
短期大学
50.0%
専門学校
12.5%
158
(3) 参加の動機をお聞かせください。(複数回答可)
参加動機
1.9% 1.4%
21.5%
テーマに興味あった
45.9%
基調講演に興味があった
上司・友人などにすすめられた
その他
無回答
29.2%
(4) 基調講演について感想をお聞かせください。
基調講演の感想
17.5%
1.0%
よかった
まあまあ良かった
あまり良くなかった
15.0%
良くなかった
無回答
66.5%
159
基調講演:「良かった、まあまあ良かった」の理由
 社会的現状がわかりやすく、理解しやすく、説得力を感じた。
 今後の働き方について考えるよい機会を与えてくれた。
 国の方向性について理解できた。
 当院でも看護婦不足により工夫をしている。方向性は間違いないことが確認できてうれしく思
い、次へ進んでいけると感じた。
 何でも医師の指示を聴く傾向が病棟内にあり、アセスメント抜きに指示ばかりが優先されてい
る現状をおかしいと感じていた。やはり看護師としての判断が大切だと思うのでその力を養っ
ていきたいという坂本先生の話に共感した。
 今後看護師が社会から求められている姿を考えさせられる時間になった。
 ケア管理できる力など今後どういう看護師が期待されているのかよく理解できた。
 久しぶりに看護を熱く語る人に出会えたと感じた、日々のベッドサイドケアや教育、管理に少
し疲れを感じていたが、元気になった。自分の仕事に誇りを持ちまだまだ成長し、いろんなこと
に挑戦したいと思った。
 看護の現状をこれから求められる能力、人材等の具体的な内容を時代の流れ、世代、人口
動態などと合わせて知ることができたので、後輩指導の視点や今後の自分の働き方の参考
になると思った。
 看護師が多く辞めていく現状を見ている、看護師としてどうあるか、やりがいを見いだせるか、
いかに楽しんで仕事ができるかについて考えさせられた。アイデンティティということばがとて
も印象に残った。
 この 10 年後を見据えた看護をするために、やるべきことを考えるということについて、大変勉
強になった、安心して働ける職場を作っていくということも胸にしみた。
 社会の変化に看護師も考え方や看護ケアを変化させていく必要があるということに気づけ
た。
 2 年目看護師であるため、教育という中では大きな所だったので直接自分が関われる所は少
ないと感じたが、講師が話された改革を作っていくにはたくさんの時間が必要と考えられるの
で今後関われる仕事ができればよいなと思った。そのための自分の計画設計を立てるよい場
だった。
 教育改革ということで職場での教育のあり方ばかりを思っていたが、働きやすい職場づくりの
ために必要な多くのシステムや新しい考え方を聞くことができ、目からウロコだった。
 今後の看護師の動向を期待しつつセカンドキャリアまで頑張りたいと思った。
160
(5) シンポジウムについて感想をお聞かせください。
シンポジウムの感想
19.9%
よかった
1.2%
2.5%
47.2%
まあまあ良かった
あまり良くなかった
良くなかった
無回答
29.2%
シンポジウム:「良かった、まあまあ良かった」の理由
 現場教育に活用したい。
 学外のものでも研修に参加できることを知り、自施設だけでは受けられない教育を受けさせ
たいと思った。
 助産師教育にとても興味が持てた。学外の助産師も募集されているということなので参加した
いと思った。
 滋賀医大での教育プログラムの内容が参考になった。教育活動を知れた。
 看護教員、研究者の立場で臨床に出向くという発表が興味深かった。
 教育についての位置づけの確立がどんな施設でも必要であると感じた。
 臨床看護師教育は、施設に合わせてどこの施設も行っていかないといけない。
 滋賀県と滋賀医大の看護に対する質向上への取組が理解できた。
 看護師の臨床での取組を自分の職場と照らし合わせながら聴くことができた。
 大学病院が地域貢献として何ができきるか、何が求められているのかを考える機会となった。
 滋大附属病院の看護師の育成方法が聞け、臨床教育看護師の育成プログラムを当院なりに
作成しなくてはと思った。
 普段関わることのない滋賀医大での教育について話が聞けて良かった。他の病院がどのよう
なことをしているのかを知るのは自身の現場での教育にもとても役立つことだと思うので今後
参考に活かしたい。
161
(6) フォーラムの内容は、今後に活かせる内容でしたか。
フォーラムの今後の活用
6.4%
5.0%
8.6%
とても活かせる
48.6%
まあまあ活かせる
あまり活かせない
活かせない
無回答
31.4%
フォーラム今後に活かせるか:「活かせる、まあまあ活かせる」の理由
 活発な話し合いだった。新しいことを率先してたくさんしているので、自分の病院にも取り入れ
ていきたい。また、滋賀医大の養成プログラムに参加したいと思った。
 今後の臨床教育を考えることや、国の施策、看護協会、滋賀医大病院の方針を全体で知るこ
とができた。
 他病院や他の方の意見が聞けて考えの幅が広がった。
 自分自身が今後どのような道に進んでいくか考えるきっかけとなった。
 地域、チーム医療のさきがけになればと思う。
 自施設での参考になった。
 教育者として臨床で役立つというのは大学病院とは違うので難しいと思ったが、自分自身が
モチベーションを上げて、当院で自分がどうしていくか、そのために自分がどうしたいかを考え
られた。
 現任教育、新人教育について新しい課題が見えた感じがする。
 教育担当者の養成、教育センターを利用したい。
 現在院外でどのような動きがあるのか知る良い機会となった。
 教育担当として取り組んでいるので参考になる話を聞けた。
 自己の看護師としての活動や成長、教育についての活動に活かしていきたい。
162
フォーラム今後に活かせるか:「あまり活かせない、活かせない」の理由
 臨床教育看護師、選任教育看護師等役割がはっきりあるのは良いと思う。
 普段の業務の視点から外れている内容がほとんどだったため。
 自分の職場では、適応できないように思う。
 新人があまりいなくて途中採用がほとんどなので、新卒の方がいればぜひ参加させてもらい
たい。
 私にとってはタイムリーな話ではなかった。
7.その他ご意見がありましたらお聞かせください。
 困難な場面だからこそ楽しんでケアをしていこうというメッセージが強く心に残った。今一度助
産観、看護観を見直し、語っていこうと思った。
 人として医療が少しでも現実的に人のニーズにより沿えるよう願う。現場のひとりひとりのち
から、役割を評価できる社会であってほしい。現場に意義があり、働きやすいためにも地域=
国=個人の意識の向上と共有に向いていけば良い。
 院内の教育向上に向け相談したい
 臨床にいる看護師のアセスメント能力を上げることが必要と話があった。当院は小規模病院
であり、研修に出すのは大変である。例えば、出前講座をしてもらえるとうれしい。
 滋賀医大の取組の具体的な内容がわかり、とても良かった。
 さまざまな病院がひとつのテーマで発表する形式に今後なれば、もっといろんな形の病院で
役立てると思う。
 管理職が多い参加のなかスタッフとして参加した。教育ということに関心を持ち、これからの
自分の病棟での役割、看護師として自分のこれからを考える機会となった。
 現場の声を聞きながら考えたのが良かったと思う。
 次回股参加したい。他のスタッフにも伝達したい。
 今後に活かせる内容であり、大変良かった。
 滋賀県在住で県立看護学校を卒業したが、当時は臨床教育に力を入れていると思われる魅
力的な病院がないと考え、県外に就職した。同じような思いで県外で働いている看護師が滋
賀県で働きたいと思えるきっかけになれば良いと感じた。
 地域医療への貢献が素晴らしいと思った。
 助産師教育には県も滋賀医大も力を入れているという感想を持った。
 臨床教育担当者・臨床教育看護師の育成を、他施設で働いている私達も参加できるように早
くしてほしい。
163
2) 平成 24 年度事業報告会1
(1) 平成 24 年 5 月 23 日開催
(2) 参加者: 学外 62 名(滋賀県下病院看護管理者、滋賀県看護協会、滋賀県庁)
(3) 報告内容
① 平成 23 年度臨床教育看護師育成プランの事業報告と平成 24 年度事業計画と参加の
お知らせ
(ア) 臨床教育看護師育成プログラム
(イ) 新人看護師教育プログラム
(ウ) 臨床教育助産師育成プログラム
(エ) 地域への貢献
(オ) 看護スキルズラボの利用方法
3) 平成 24 年度事業報告会2
(1) 平成 25 年 2 月 13 日開催
(2) 参加者:学外 69 名(滋賀県下看護管理者、滋賀県看護協会、滋賀県庁)
(3) 報告内容
① 平成 24 年度事業報告
② 平成 25 年度臨床教育看護師育成プログラム・臨床教育助産師育成プログラム・新人
看護師教育プログラムへの募集
③ 平成 25 年度臨床教育看護師育成プランフォーラム開催のお知らせ
164
4) 学会発表
(1) 臨床教育看護師育成プラン(第3報)~臨床教育看護師の活動・成果・活動支援の実際~
澤井信江,藤野みつ子,服部俊子,西村路子,木村由美,望月美記代,多川晴美,小野
幸子,林周子.第16回日本看護管理学会年次大会講演抄録集,2012年8月21日,p244.
◆日本看護管理学会年次大会 臨床教育看護師育成プラン配布資料
臨床教育看護師育成プランの概要
文部科学省大学改革推進事業
~看護師の人材養成システムの確立~
医学部附属病院
臨床教育看護師育成プラン
(第3報)
臨床教育看護師の
活動・成果・活動支援の実際
A 教育プログラム
の開発
B 教育指導者
の養成
・臨床教育看護師
育成プログラム
・臨床教育助産師
育成プログラム
・新人看護師教育
プログラム
・臨床教育看
護師の養成
・臨床教育助
産師の養成
•
•
•
•
•
滋賀医科大学医学部附属病院 看護臨床教育センター
滋賀医科大学医学部附属病院 看護部
1
C 臨床教育
支援のため
の環境整備
・スキルズラボ
の整備・運営
・シミュレータ
の管理
・センター専属
の教員配置
医学部看護学科
D 人事交流
・看護学科教
員の臨床勤務
・臨床教育看
護師・臨床教
育助産師の看
護学科・学生
対象の臨床教
育
E キャリア支援
・個別のキャリア
カウンセリング
・大学院進学に
向けた広報活動
・管理者対象の
対話カフェ
・キャリア支援
F 地域医療への貢献
・滋賀県下(学外)の新人教育研修
・滋賀県下(学外)の就職・職場復帰
支援研修
・自施設の臨床教育プログラムや臨床
指導者の養成に関する相談
・滋賀県下の看護教員対象の病院研修
・地域の看護師、教員フォローアップ
ジェネラリストの成長と看護の質向上
• 基礎教育への還元
臨床教育看護師・助産師育成プログラムの提示
• 滋賀県の看護の質への貢献
新人看護師のリアリティショックによる離職率の低下
看護職員離職率の低下
2
安全・安心な看護技術の提供
臨床に教育者がいる意味
臨床教育看護師とは

看護の質向上のために、
看護師と看護学生に教育的に関わる

臨床の看護教育者

働く人は、職場にいる人々との関わりと支援を
通して学んでいく。
現場の経験をしっかりとリフレクションする機会
を持つ。
実践の中でリフレクションを促すには、実際に
行動している場で関わる。=教育的瞬間
4
3
165
経験学習のモデル
臨床教育看護師に期待する能力
適度に難しく
明確な課題
具体的
1.
経験
新しい状況
への応用
誤りの修正
振り返り
2.
結果に対する
フィードバック
教訓を
引き出す
3.
看護観・倫理観・専門的知識に基づいて的確
に判断し、熟練した看護技術を提供する。
教育的視点を持って看護師や看護学生と
かかわる。
看護実践を通して役割モデルを看護師や
看護学生に示し、看護の魅力を伝える。
職場が生きる人が育つ「経験学習」入門 松尾睦
5
6
応募資格
臨床教育看護師育成プログラムの実際
滋賀医科大学医学部附属病院看護部クリニカルラダーⅢ以
上を取得している。
実践での教育に関心があり、学ぶ意欲がある。
所属部署看護師長の推薦がある。
臨床教育看護師認定後、原則3年間は滋賀医科大学医学部
附属病院で貢献できる。
1.
1.
自身の看護実践の質向上のために、
臨床判断力を強化するためのプログラム
2.
3.
4.
2.
部署全体の看護の質向上に向けて、
部署の看護師の学びをサポートする力を強化
するためのプログラム
応募書類
1. 臨床教育看護師育成プログラム参加への抱負
2. クリニカルラダーⅢ認定書のコピー
3. 所属部署看護師長の推薦文
プログラムの期間
 5月~3月 2日/月 勤務扱い
8
7
教育者としての質保証
臨床教育看護師育成プログラムの評価
• プログラム受講
1年目 • レポート評価
1.
•
•
2年目 •
•


臨床教育看護師(プレ)として活動:主に部署
プレとしての活動を臨床教育看護師会でフォロー
活動のプロセスを審査
審査の結果認定された者に認定書発行
2.
• 臨床教育看護師として活動:部署、新人研修、看護学
科演習
3年目
• 更新は1年

臨床判断能力強化の評価=看護の質評価
看護問題対応行動自己評価尺度
看護実践の卓越性自己評価尺度
-病棟看護師用-
学びをサポートする能力の評価
部署において他者との関わりから得ている
もの調査
10
9
166
臨床教育看護師育成プログラムの評価
(組織)
臨床教育看護師育成プログラムの評価
(個人)
1.
1.
統計的な有意差は認めていないが、「看護問
題対応行動自己評価尺度」「看護実践の卓越
性自己評価尺度 -病棟看護師用-」では、
プログラム受講者はコントロール群と比較して
得点の変化率が、高い傾向にある。
2.
2.
「部署における他者との関わりから得ているも
の調査」では、プログラム受講者は内省支援
の得点が、他の群より高い傾向にある。
11
「看護問題対応行動自己評価尺度」「看護実践
の卓越性自己評価尺度-病棟看護師用-」で
は、臨床教育看護師(プレ)のいる部署といない
部署といる部署で、統計的な有意差は認めな
かった。
部署の看護管理者は「プリセプターや選任教育
看護師への良きアドバイザーとなり、病棟全体に
良い刺激を与える存在であった」「教育に携わる
立場として良いモデルになった」と述べていた。
12
1.臨床教育看護師育成プログラムは、
「臨床教育看護師に期待する能力の強
化」に有効である。
2.臨床教育看護師の存在は、部署を
「学習する組織」へと導く要素となり得
る。
臨床教育看護師としての活動
滋賀医科大学医学部附属病院
臨床教育看護師 木村由美
実際の活動は?活動支援は?
13
14
滋賀医科大学医学部附属病院の現状
臨床教育看護師としての役割
各部署 1年目~3年目の看護師が
5割以上を占めている
• ジェネラリストの
キャリアアップ
への貢献
4~5年目で
退職してしまう
• 部署の看護の
質向上
結婚・妊娠したら
働けない
治療の複雑化
多忙な業務
定時に帰れない
疲労感
余裕がない
ストレスの蓄積
ライフバランスの
崩れ
16
15
167
2011年度 臨床教育看護師(プレ)
活動にむけて
部署で臨床教育看護師に求められる関わり
師長:
教育支援の相談・報告
部署での目指したい看護を明確にするために
看護師にアンケート調査を実施
選任看護師:
新人、中途採用者
教育のサポート
結果:
1.専門的知識の向上や人材育成に努め個別性のある看
護
2.退院後の生活をみすえた上で、患者さんや
家族の意向を十分に聞き、医療従事者間で
連携のある看護
中堅看護師:
自己啓発への支援
臨床教育看護師
プリセプター:
新人支援への
アドバイザー
新人看護師:
知識・技術習得
への支援
2年目看護師:
個別性のある
アセスメントの能力
への支援
18
17
2011年度 臨床教育看護師(プレ)
活動内容
臨床教育看護師(プレ)活動に対する
部署の反応
看護師経験1年目から3年目への教育的関わり
・自己の役割・課題達成への支援
1.目標管理シート作成時アドバイス
2.研修会、勉強会参加への呼びかけ
3.勉強会の開催や技術演習
4.ラダー習得への支援
5.心に残った看護語る会の開催
6.日々行っている看護をフィードバック
7.部署で与えられた役割を担えるよう支援
・知識・技術のみならず、係や役割についても効果的な
アドバイスを得たことで、組織の一員として成長できた
・病棟全体のボトムアップにつながる機会となった
・スタッフが看護を考える機会となった
・教育担当という立場からプリセプターや選任教育看護師
の良きアドバイザーとなり、病棟全体に良い刺激を
与える存在になった
・教育に携わる立場として良いモデルになった
19
臨床教育看護師としての求められている関わり
臨床教育看護師(プレ)活動から
気づいたこと




20
選任看護師:
新人、中途採用者
教育のサポート
役割をもつことで、意識的にスタッフと教育的
関わりをもてた
自分の看護を見直すきっかけとなった
人に教えることの難しさを再認識した
リフレクションシートや定期的な臨床教育看護師会
を通して自身の活動を評価することにより、自己の
関わりを振り返れた
中堅看護師:
自己啓発への支援
臨床教育看護師
プリセプター:
新人支援への
アドバイザー
モデルになるための
自己研鑽
21
168
新人看護師:
知識・技術習得
への支援
2年目看護師:
個別性のある
アセスメントの能力
への支援
看護師長の協力と連携
2012年度
臨床教育看護師活動に向けて
2012年度
臨床教育看護師活動に向けて
1.教育体制の整備
<部署における問題>






1)知識・技術習得の場を提供
①勉強会の開催
②研修会、勉強会参加への呼びかけ
③技術演習
2)実践の中でほかの看護師と学ぶ
①先輩が後輩に教える姿勢
②日勤での看護師ペア制の徹底
③ケアを一緒に行う
④他部門からのフィードバック
専門的知識・技術に個人差がある
知識習得やケアに関する教育体制の不備
多忙により自らの看護を振り返れていない
自己の看護に自信がもてない
医師を含む医療従事者との連携に不慣れ
情報を十分に活用できない
23
2012年度
臨床教育看護師活動に向けて
24
2012年
部署以外での臨床教育看護師活動
2.チームで患者さんをサポートする体制作り
1)患者さんのケア、指導の向上
①カンファレンスでの意見交換
②医師、他部門とのカンファレンスの開催
③支援や介入について相談
④先輩からの声かけやフィードバック
2)部署での役割分担
①係や委員会活動の協力
②係や委員会活動を通じて業務整理
③資材・資料の整理
院内の新人看護師研修での教育
<気づき>
・教科書や参考書にある知識・技術だけでなく、経験から
得た 知識・技術を伝える場となった
・研修内容を知ることで、病棟での指導に活かせる
・病棟で見れない新人看護師の姿を見ることができた
26
25
私たちが描く臨床教育看護師
2012年
部署以外での臨床教育看護師活動
基礎教育
現 任 教 育
看護学科での看護学生への教育活動
<気づき>
・講義での知識・技術に加え、臨床でのより実践に即した
知識・技術を伝える場となった
・臨地実習時、講義演習の内容を振り返り実践に繋げる
指導ができる
1
年
目
看
護
師
27
2
年
目
看
護
師
3
年
目
看
護
師
4
年
目
看
護
師
5
年
目
以
上
看
護
師
28
169
組織背景
・滋賀県内唯一の大学病院、特定機能病院
看護管理者の支援
・平成23年度
平均在院日数 15.39日
病床稼働率
90.4%
看護単位
7対1
総看護職員数 689名
滋賀医科大学医学部附属病院
看護師長 望月美記代
29
30
病棟組織の現状(6C病棟)
看護の特殊性
・混合内科病棟53床
糖尿病内分泌内科・腎臓内科・神経内科
放射線科・消化器内科 ※特室病床2床あり
・2012.6.1現在
看護師長1名
副看護師長1名(糖尿病認定看護過程研修中)
スタッフ32名 計34名
平均年齢:27.4歳
看護師経験年数平均:5.6年
A:短期療養チーム
主に患者指導・教育を中心とした介入
B:長期療養チーム
主に日常生活援助・退院支援を中心と
した介入
31
32
6C病棟の教育的背景
病棟スタッフ
平成22年度
プログラム受講中
平成23年度
臨床教育看護師 (プレ)
6C病棟
看護師数
31名
34名
3年目看護師数
6名
5名
2年目看護師数
5名
5名
1年目看護師数
6名
4名
3年目までの割合
54.8%
41.2%
選任教育看護師(主に新人教育を担当)
教育担当サブ
プリセプター(3年目看護師)
プリセプテイ(新人看護師)
33
34
170
看護師長として行った支援
平成22年度
プログラム受講中
対
動機づけ、支援、
木村看護師 勤務配慮、アドバイザー
対
病棟スタッフ
勤務表での明確化、
情報伝達
木村看護師の変化
平成23年度
臨床教育看護師(プレ)
1.教育の方法・伝え方が変わったこと
活動支援、勤務配慮、
アドバイザー
2.臨床での「教育」を続けることへの意欲
が生じたこと
情報伝達
活動周知
(部署ポートフォリオの活用、
病棟会での伝達)
3.大学院進学を行動化したこと
36
35
病棟スタッフの成果
病棟組織の成果
1.身近に明確な実践型モデルとなる人が
できた
1.すぐに「報告・連絡・相談」できる職場に
2.「看護」を考え、語れる職場に
2.「教育」に関する良きアドバイザーを得た
3.「教育」に積極的に取り組む職場に
3.クリニカルラダー取得への意欲が増した
4.チーム・係活動が活発に行える職場
37
38
171
5) 専門誌等の発表
(1) Tiara 82,2-3,2012.8.
172
173
9.事業の改善・発展のための組織運営
1) 看護臨床教育センター運営会議
(1) 平成 24 年度看護臨床教育センター運営会議委員
氏 名
備 考
澤井 信江
センター長・看護臨床教育センター
藤野みつ子
副センター長・看護部
瀧川
薫
長谷川浩一
大見 章
副センター長・看護学科
副センター長・病院管理課(平成 24 年 4 月~9 月)
副センター長・病院管理課(平成 24 年 10 月~)
豊田久美子
外部委員・京都市立看護短期大学
安藤 光子
看護部
臼井 康恵
看護部
小野 幸子
看護部
中野 育子
看護部
西村 路子
看護部
服部 俊子
看護臨床教育センター
渡邊 浩子
看護学科
174
(2) 平成 24 年度看護臨床教育センター運営会議開催実績
回数
開催日
議 題
第1回
平成 24 年
1. 平成 24 年度事業計画について
5 月 11 日
2. 臨床教育看護師/助産師育成プログラム参加者について
3. フォーラムについて
4. 看護学生と看護師(卒業生)の交流会報告
5. 院外の新人看護師研修開催報告
6. 看護師等養成所の専任教員フォローアップ研修の開催について
7. 滋賀医科大学看護臨床教授等の看護部・看護臨床教育センター推
薦者選考基準(案)
第2回
平成 24 年
6月8日
1. 看護師等養成所の専任教員フォローアップ研修の開催について
2. フォーラムについて
3. 助産師就労支援部門の今後の事業について
第3回
平成 24 年
1. フォーラム結果報告キャリアパス支援体制について
8 月 10 日
2. 看護師等養成所の専任教員フォローアップ研修会について
3. 再就職支援講習会について
4. 臨床教育看護師の看護学科演習参加の結果について
第4回
平成 24 年
1. 臨床教育看護師の臨床助教推薦について
10 月 12 日
2. 新人看護師のストレス調査結果について
3. 潜在助産師の就労支援について
4. 看護臨床教育センター評価委員会日程変更について
5. 臨床教育助産師育成プログラムへの外部参加者の認定書について
6. 平成 25 年度フォーラムについて
第5回
平成 24 年
11 月 9 日
1. 平成 25 年度臨床教育看護師/助産師育成プログラムの院外からの
参加について
2. 看護臨床教育センター運営会議の日程変更について
3. 臨床教育看護師の徽章について
4. 再就職支援講習会終了報告
5. 平成 25 年度フォーラムについて
第6回
平成 24 年
1. 看護師等養成所の専任教員フォローアップ研修会について
12 月 14 日
2. 平成 25 年度臨床教育看護師・助産師育成プログラムについて
3. 平成 25 年度新人看護師教育プログラムについて
4. 臨床勤務予定者について
5. 臨床教育助産師育成プログラム外部受講者の実習について
6. 平成 25 年度フォーラムについて
175
第7回
平成 25 年
1. 平成 25 年度外部新人研修について
1月 11 日
2. 平成 25 年度フィジカルアセスメント研修会について
3. 平成 25 年臨床教育看護師の看護学科演習参加について
4. 平成 25 年度潜在助産師の就労支援研修会プログラムについて
5. 看護師等養成所の専任教員フォローアップ事業について
6. 平成 25 年度フォーラムについて
第8回
平成 25 年
1. 平成 24 年度評価委員会報告
2 月 13 日
2. 東京医科歯科大学主催「看護師の人材養成システムの確立」情報交
換会
3. 臨床教育助産師育成プログラム評価方法について
4. 平成 25 年度フォーラムについて
5. 潜在助産師の就労支援について
第9回
平成 25 年
文部科学省大学病院支援室市村尚子専門官が出席され、アドバイスを
3 月 15 日
いただいた。
1. 平成 24 年度臨床教育看護師の更新について
2. 平成 24 年度臨床教育看護師認定について
3. 平成 24 年度臨床教育看護師・助産師プレ認定について
4. 平成 25 年度臨床教育看護師の部署以外の活動について
5. 臨床教育助産師育成プログラムの分娩実習件数について
6. 平成 25 年度第 2 回フォーラムについて
176
2) 看護臨床教育センター評価委員会
(1) 平成 24 年度看護臨床教育センター評価委員会委員
氏 名
備 考
澤井 信江
センター長・看護臨床教育センター
藤野みつ子
副センター長・看護部
瀧川
薫
大見 章
副センター長・看護学科
副センター長・病院管理課
服部 俊子
看護臨床教育センター
亀岡 智美
外部委員・国立看護大学校
任
外部委員・京都大学
和子
外部委員
茂森 利茂
滋賀県健康福祉部医務薬務課課長
(2) 開催日時:平成 25 年 2 月 1 日 14:00~15:30
平成 25 年 2 月 1 日(金)に、外部評価委員 3 名を含む計 8 名で、看護臨床教育センター
評価委員会を開催した。委員会では、平成 23 年度の下半期、および、平成 24 年度の看
護臨床教員センターで実施している事業の進捗状況を報告し、評価を受けた。そこで受
けた指摘や助言を、平成 25 年度以降の看護臨床教育センターの事業に反映させてい
く。
① 事業全体について

中間評価で受けた指摘内容により、事業内容を具体化して実施的できているという評
価を受けた。
② 臨床教育看護師育成プログラムについて

評価方法については、量的データの分析方法のアドバイスと、量的データの限界を認
識して、質的データによる評価の重要性について助言を受けた。
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③ 新人看護師育成プログラムについて

インシデントによる評価は非常に困難であるため、インシデントの何を評価に使用する
のかは明確にする必要があるという指摘があった。

プログラムだけではなく、新人看護師への具体的な支援体制や連携などの実際を示す
と、新人看護師に対する支援がわかりやすくなるという助言を受けた。
④ 臨床教育助産師育成プログラムについて

プログラム評価の指標の一つとして「看護実践の卓越性自己評価尺度」「看護問題対
応行動自己評価尺度」を使用している点について、「教育ニードアセスメントツールー
助産師用ー」の紹介があった。
⑤ 人事交流について

教員の臨床勤務については他大学では取り組みにくいので、継続しているところが評
価できる。勤務という形態によって、教員も責任を持ってケアをするので、教員の実践
力の維持につながる重要な取り組みであるという評価があった。

臨床教育看護師が看護学科の演習に参加することは、教育側にメリットもあり、興味深
い取り組みであるという指摘であった。この演習参加について、教育者としての記録に
残すことで、教育者としてのキャリアパスが確かなものになり、本人たちの意識も変わる
のではないかという助言を受けた。

看護臨床助教の称号は、成果に対して付与していることについて良い取り組みである
という評価を受けた。
⑥ 地域との連携について

今後、看護臨床教育センターが滋賀県下の看護職を対象に具体的にどのような事業
をしていくのかという質問があり、「臨床の看護教育者育成プログラム」「新人看護師教
育プログラム」「潜在看護師/助産師研修プログラム」「看護教員のフォローアップ研修」
などを実施することを説明した。

滋賀医大というひとつの施設だけではなく、滋賀県内で看護師を育成するという考え方
を進めるというのではないかという助言を受けた。

医療施設と行政と一緒に看護師育成について取り組むことができるという地域性を活
かせるところが興味深いという意見があった。
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