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野生動物保護対策について

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野生動物保護対策について
http://okijyu.jp
公益社団法人 沖縄県獣医師会
野生動物保護対策について
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沖縄の豊かな生物多様性を守り、次の世代に引き続いていくために
1
-
はじめに
沖縄は、ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなどの独自の進化を遂げた固有種が多く生息し、生
物多様性の宝庫として世界的に知られています。
亜熱帯の豊かで美しい自然環境を抱える沖縄でも、傷つき苦しむ野生動物がいます。野生の世界で
はよくあることで、生態系の営みの中で起こる事であるなら、そのままにしておくことが自然なのか
もしれません。野生の世界ではよくあることで、本来ならそのままにしておくことが自然なのかもし
れません。しかしその原因の多くは、交通事故、窓ガラスなどへの追突、釣り針や釣り糸による被害、
ペットの猫による被害、農薬中毒などといった、人間の行為が最大要因となっています。私たちに責
任があるこの事実を、黙って見ていることは出来ません。そして「傷ついた野生動物を助けてあげた
い」と言う多くの声が市民からも寄せられています。
公益社団法人沖縄県獣医師会では、県の委託を受けて平成 15 年度から傷ついた野生動物を救護す
るといった活動を行っています。
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公益社団法人 沖縄県獣医師会
2
野生動物ドクター制度
「野生動物ドクター」とは、沖縄県と公益社団法人沖縄県獣医師会の連携により、野生動物ドクタ
ーとして登録した動物病院の獣医師がボランティアにより野生動物の初期治療を行う制度です。
沖縄県野生動物ドクター一覧表は、こちら
(獣医師会の病院マップ付と連動)
カンムリワシを治療する野生動物ドクター
■傷ついた野生動物を見つけたときは
救護が必要な野生動物を見つけた場合は、まず近くの野生動物ドクターに
電話でお問い合わせください。
近隣に野生動物ドクターの動物病院がない場合には、救護施設へお問い合わせください。
ただし、野生動物ドクターでは都合により、お引取りできない場合があることをご了承願います。
※救護者においては野生動物ドクターの病院への搬送のご協力をお願いします。
釣り糸に絡まったクロツラヘラサギを救護、治療、放鳥。
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公益社団法人 沖縄県獣医師会
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沖縄県獣医師会野生動物救護実績
1 平成 24 年度救護数 449 件
2 平成 24 年度救護数の内訳
区 分
数(頭、羽)
割 合
主な種類
哺乳類
12
3%
オオコウモリ
鳥類
434
96%
アカショウビン、ズアカアオバトなど
爬虫類
6
1%
リュウキュウヤマガメ、セマルハコガメなど
合 計
452
100 %
※爬虫類は、県の傷病鳥獣救護事業の救護対象ではありませんが、獣医師会としては、
天然記念物や希少種も多い沖縄では爬虫類も救護しています。
3 平成 24 年度救護原因の内訳
人為的原因が 45%を占める。
交通事故死したコノハズク
ネコに襲われたシロハラ
釣り針を飲み込んだシロチドリ
公益社団法人 沖縄県獣医師会
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市民ができること
1)ヒナを拾わないで
2)車のスピードを落として運転しましょう
3)テグス等の放置による野鳥への被害について
4)捨てないで!ネコからのお願い
5)傷ついた野生動物を見つけたら連絡をしてください。
5
野生動物の救護をすることでの利点
沖縄は生物多様性の宝庫であり、独自の進化を遂げた固有種が多く生息しています。残念ながら
年々数が減ってきているのも事実です。救護することで、少しでも貴重な生物たちを森に返すことが
出来、ひいては種の保存に結びつけることが出来ます。
時には、重油汚染、農薬汚染などの環境汚染によって影響を受けた野生動物の救護を行うこともあ
ります。野生動物救護を通して、私たちはバランスの崩れた自然環境の要因を知り、人間が生活する
上で環境改善にも結びつくことにもなるのです。
また近年、地球上の野生動物と家畜などの飼育動物と人、この3つの生息距離が急速に接近してい
ます。これによって、動物から人間へ病気が感染するリスクが高くなっています。野生動物の救護活
動により、私たちは野生動物の病気をいち早く知ることが出来ます。そしてその情報をつかみとり、
人間への感染症の伝播経路の解明や流行を継続的、あるいは定
期的に監視することが出来ます。また、それはその後の対策へ
の言及などに役立っていきます。
野生動物救護とは、人間と動物と生態系、それぞれの健康維
持に結びつく行為です。私たちの心や体が健常になる事にもつ
ながる野生動物救護は、彼らが自然に帰り、自然環境が健全で
豊かな環境で生きていくことがゴールです。しかしそのために
は、地域住民、専門家、行政が連携した取り組みがあってこそ、
はじめて実現できるものです。皆様のご協力とご支援をお願い
いたします。
次世代へこの素晴らしい沖縄の自然をバトンタッチできるよ
う、公益社団法人沖縄県獣医師会は、県民の皆さんと一緒に今
後も活動を続けて行きます。
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