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ネキシウム用量
本当に必要なモニタリング・患者ケアを見逃さない ハイリスク薬 チェックシート 監修 編集 第 2版 荒木 博陽 愛媛大学医学部附属病院薬剤部部長・教授 井門 敬子 愛媛大学医学部附属病院薬剤部副部長・薬剤管理指導室長 抗薬 代謝拮 ジン系 ピリミ フッ化 1 2 積: m 体表面 体重: CHECK SHEET 抗薬 代謝拮 ジン系 ピリミ フッ化 01 品名: 服用薬 : 患者名 : 患者 ID 病棟: 系 ミジン 化ピリ :フッ スク薬 リ ◆ ハイ 抗薬 代謝拮 量 法・用 用 分 3∼4 mg/ 日 2 00 分3 2∼3 g/m ) g/ 日 分 (300m ) 0∼600m 0∼600mg/ 日 ル療法 法:30 30 通常療 / ユーゼ 療法: (UFT ーゼル る ユ け / 回 UFT 間を避 50mg/ 2 フティ 未満: 前後 1 時 ユーエ 食事の 2 ∼1.5m ) 5m 以上 ) (UFT 回 1.2 / 夕食後 2 :40mg/ 2 回(朝 満 日 薬 1 未 休 日間 1.25m mg/ 回 の後 14 2 上:60 g/ 回 し,そ 薬 1.5m 以 1,200m 口投与 2 スワン 7 日間休 未満: 連日経 ティーエ その後2 28 日間 ∼1.64m 与し, ) 経口投 1m 以上 / 夕食後) 日 1.3 (TS ─1 連 21 日間 回(朝 0mg/ 回 2 90 日 2 : 1 g/ 回 A 法: 未満 休薬 g/ 回 1,800m 1.31m 2 1,500m 後 7 日間 1.57m2 未満: 以上: ,その 2 以上∼ 1.64m 投与し 1.33m 日経口 連 回 間 g/ 日 g/ 回 1,500m2 2 B 法:14 2,100m 食後) 未満: 未満: (朝 / 夕 1.33m 2 1.81m 1日2回 g/ 回 以上∼ 休薬 1,500m g/ 回 1.57m 2 2,400m 後 7 日間 1.66m2 未満: 以上: ,その 2 ∼ し 1m 上 与 以 1.8 投 ダ 1.36m 日経口 連 ゼロー 回 間 g/ 日 g/ 回 1,200m2 2 C 法:14 1,800m 食後) 未満: 未満: (朝 / 夕 1.36m 2 1.96m 1日2回 以上∼ g/ 回 1.66m 2 2,100m 以上: 1.96m ) 値など ・検査 3 dL) 覚症状 /μL) 項(自 0.20mg/ .1 × 10 確認事 ング P(0.00─ :3.5 ─9 リ CR タ ─9.8,女 g/dL) 用モニ 男:3.9 11.3 ─15.2 ◆ 副作 WBC( ,女: 7.6 ─1 .5 :13 4 番号 /μL) Hb(男 .9 × 10 感染症 13.1─ 36 PLT( /L) 抑制 9─ 37U 髄 ( 骨 ST T A DL 意 /L) ど) TS ─1 注 3─ 49U 不振な ★ 特に ALT( ,食欲 U/L) ら2カ う痒感 P(6─ 71 開始か 感,そ γ─GT に投与 ,倦怠 g/dL) 的(特 (黄疸 必要 m 期 害 査 21 定 障 検 肝 N(7─ 肝機能 注意 ➡ に BU FT ) U 上 2 g/dL) 1 回以 ★ 特に m) 0─ 1.20m 1 カ月に in/1.73 Cr(0.5 月間は 0mL/m 100─ 12 eGFR( ) ) ど 腫 な 浮 給 共通 血尿, 解質補 障害( 液,電 (0) 腎 置(補 検討 切な処 吐剤を な処置 よび適 切 お 度 ➡制 適 軽 止 び よ 吐 与中 中止お 心・嘔 痢:投 ➡投与 DLT 悪 しい下 など) 水➡激 処置 吸困難 痢,脱 適切な 嗽,呼 DLT 下 止 および 熱,咳 投与中 与中止 炎(発 投 肺 ➡ 置 ど)➡ 性 処 間質 など) 低下な 適切な ,動悸 記憶力 および (胸痛 傾眠, 量 与中止 , 減 投 害 に 心障害 , 障 後 な場合 (意識 ➡休薬 ➡重篤 経障害 など) 置 口内炎 精神神 び割れ 切な処 を含む 疱,ひ よび適 症など 斑,水 中止お な処置 白質脳 脹,紅 ➡投与 び適切 群(腫 よ など) 候 お 尿 症 査 色 足 検 ,赤褐 DLT 手 眼科的 れ ➡ び 1 ) し 涙 , 塞(流 わばり 涙道閉 痛,こ (筋肉 融解症 。 2 横紋筋 を示す 内基準 商品名 ロン 800∼1,2 フルツ 局での 薬 ・ 棟 病 つ に役立 理 管 リスク m 身長: : 開始日 kg 号 禁忌 内 後 7 日以 与中止 内 よび投 与中お 後 7 日以 投 1 S─ 与中止 T よび投 る婦人 お あ 中 の 与 性 る可能 TS─ 1 投 い て 痢 下 妊娠し 重篤な 妊婦, 制 骨髄抑 重篤な 人 ある婦 感染症 能性の 重篤な いる可 て し 妊娠 妊婦, 制 骨髄抑 な 篤 重 腎障害 内 重篤な 後 7 日以 肝障害 与中止 重篤な 婦人 よび投 のある 与中お 投 可能性 1 S─ T ている 妊娠し は 者 又 患 妊婦 のある 腎障害 重篤な リン ーファ TS─ 1 ワ アチン アレビ 腫瘍薬 性 悪 射 他の抗 射線照 〕 放 FT のみ 〔U 瘍薬 悪性腫 ン系抗 ジ ミ ピリ フッ化 併禁 リン チル ーファ ワ アンコ 照射 アチン 放射線 アレビ 瘍薬 併注 悪性腫 他の抗 施設 )内は 値( 0 併禁 併注 0 TS─ 1 あり アチン 死亡例 アレビ ➡ 警告 ァリン ワーフ 併禁 併注 0,1 / プリントして / そのまま使える / / / / CD-ROM 付 196 成分 無 有 ・ 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 無 ・ 有 の チェックシート 患者ごとの薬学的管理に便利な書き込みシート式 聞きとり,検査値の推移が 1 枚で比較できる リスク管理のポイントをまとめた薬効群ごと解説つき CD-ROM には word 版も収載。施設に合ったオリジナルシートが作成できる *検査 確認番 0 用 相互作 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 無 ・ 有 無 有 ・ 有 ・ 有 ・ 有 有 有 有 有 病院 部附属 学医学 愛媛大 2013.4.1 有 ・ 有 ・ ハイリスク薬チェックシート 分子標的薬 (ボリノスタット,ラパチニブ) 12 分子標的薬(ボリノスタット,ラパチニブ) り。 1 抗悪性腫瘍薬 12 1 抗悪性腫瘍薬 軽度および中等度の肝障害…ボリノスタットの血清中濃度が上昇する可能性あり。 糖尿病または疑い…糖尿病が悪化する可能性あり。 ラパチニブ 肝障害…肝障害が悪化する可能性あり。 薬 学 的 管 理のポ イ ン ト 間質性肺疾患または既往…間質性肺疾患が増悪する可能性あり。 患者が薬物療法の意義を十分理解し,治療の継続ができるよう指導を行う。 心不全症状または既往,左室駆出率低下,コントロール不能な不整脈,臨床上重大な心臓 予想される副作用の初期症状およびその対処・予防方法を説明し,不安なく治 弁膜症…症状が悪化する可能性あり。 療に臨めるよう指導する。 高齢者…生理機能低下のため,患者の状態に注意。 主治医と相談しながら,副作用の発現 grade に応じて,休薬および減量を行う 相互作用 よう指導する。 併注 ボリノスタット ワルファリン:プロトロンビン時間(PT)延長および INR 上昇の可能性あり➡ PT およ 1 薬剤の種類と特徴 従来の「殺細胞薬」とは異なる「分子標的治療薬」であり,がん細胞へ特異的に作用する。 治療域は非常に狭く,副作用を適切に管理しながら治療を継続することが重要である。 Ⓡ 1.ボリノスタット(ゾリンザ ):皮膚 T 細胞性リンパ腫の適応をもつ新規のヒストン脱ア セチル化酵素阻害薬である。 Ⓡ 2.ラパチニブ(タイケルブ ):低分子チロシンキナーゼ阻害薬であり,上皮成長因子受容 び INR を注意深くモニター。 バルプロ酸:ボリノスタットの副作用が増強する可能性あり。 ラパチニブ CYP3A で代謝。また,P ─糖蛋白質および BCRP の基質。CYP3A4,CYP2C8, P ─糖蛋白質,BCRP および OATP1B1 に対する阻害作用あり。 CYP3A4 を阻害する薬剤など(イトラコナゾール,グレープフルーツジュース等):ラパ チニブの血中濃度が上昇する可能性あり。 CYP3A4 を誘導する薬剤(カルバマゼピン,リファンピシン,フェニトイン等):ラパチ 体(EGFR)およびヒト上皮成長因子受容体 2 型(HER2)に対して選択的かつ可逆的に ニブの血中濃度が低下する可能性あり。 阻害する。 治療域が狭く CYP3A4 で代謝される薬剤(ミダゾラム等):ミダゾラムの AUC が増加す る可能性あり。 治療域が狭く CYP3A4 または CYP2C8 で代謝される薬剤(ビノレルビン等):ビノレル 2 ボリノスタット,ラパチニブの薬学的管理 服薬開始時の確認ポイント 禁忌 ボリノスタット :重度の肝障害 ラパチニブ :妊婦または妊娠の可能性のある婦人 ビンの血中濃度が上昇する可能性あり。 治療域が狭く CYP3A4 または CYP2C8 で代謝される薬剤(パクリタキセル):ラパチニ ブおよびパクリタキセルの AUC が増加する可能性あり。 P─糖蛋白質を阻害する薬剤(ベラパミル,イトラコナゾール,キニジン,シクロスポリ ン,エリスロマイシン等)および P─糖蛋白質を誘導する薬剤(リファンピシン,セント・ ジョーンズ・ワート含有食品等) :ラパチニブの血中濃度や分布に影響を与える可能性あり。 P─糖蛋白質の基質薬剤(ジゴキシン等):ジゴキシンの AUC が増加する可能性あり。 イリノテカン:イリノテカン活性代謝物である SN─38 の AUC が増加する可能性あり。 特に注意を要する患者 ボリノスタット プロトンポンプ阻害薬(エソメプラゾール等) :ラパチニブの AUC が減少する可能性あり。 QT 間隔延長を起こす薬剤(イミプラミン,ピモジド等),抗不整脈薬(キニジン,プロ カインアミド,ジソピラミド等):QT 間隔延長を起こすまたは悪化させる可能性あり。 静脈血栓塞栓症疾患または既往…肺塞栓症,深部静脈血栓症が発現,悪化する可能性あ 74 75 CHECK SHEET 12 分子標的薬(ボリノスタット,ラパチニブ) 12 分子標的薬(ボリノスタット,ラパチニブ) 病棟: 患者 ID: 患者名: 服用薬品名: 開始日: 抗悪性腫瘍薬 1 身長: 体重: 体表面積: m kg m2 ◆ ハイリスク薬:分子標的薬(ボリノスタット,ラパチニブ) 商品名 ゾリンザ タイケルブ 用法・用量,治療上有効な血中濃度 ATL:400mg/ 日 分 1 食後 休薬,減量,投与中止の基準あり(要確認) 禁忌 重度の肝障害 相互作用 確認番号 併注 0∼5 ワーファリン デパケン,セレニカ,ハイセレニン HER2 過剰発現が確認された手術不能または再発乳癌: 1,250mg/ 日 分 1(食事の前後 1 時間を避けて服用) カペシタビンとの併用が必要(要確認) 休薬,減量,投与中止の基準あり(要確認) 妊婦,妊娠の可能性のある 婦人 CYP3A4 により代謝,CYP3A4,CYP2C8,P─糖蛋白質,BCRP 及び OATP1B1 に対する阻害作用あり 併注 CYP3A4阻害薬(イトリゾール,グレープフルーツジュース等) CYP3A4 誘導薬(テグレトール,リファ 治療域が狭い CYP3A4 又 ジン,アレビアチン等) 治療域が狭い CYP3A4 の基質(ドルミカム等) は CYP2C8 の基質(ナベルビン,タキソール等) P─糖蛋白質阻害薬(ワソラン,イトリゾール,ネオ ーラル,エリスロシン等) P─糖蛋白質誘導薬(リファジン,セント・ジョーンズ・ワート含有食品等) P─糖蛋白質基質(ジゴシン等) カンプト プロトンポンプ阻害薬(ネキシウム等) QT 間隔延 長を起こす薬(トフラニール等) 抗不整脈薬(アミサリン,ワソラン等) 0, 6∼9 ◆ 副作用モニタリング 番号 確認事項(自覚症状・検査値など) 消化器症状 ★特にラパチニブの下痢に注意 共通 感染症 (0) 肝障害(黄疸,倦怠感,そう痒感,食欲不振) ★特にラパチニブの重篤な肝機能障害に注意 ➡投与中止 / / / / / / 食欲不振 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 悪心・嘔吐 最小度 ∼ 軽度 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 下痢➡止瀉薬,電解質または輸液投与 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 CRP(0.00─0.20mg/dL) AST(9─37U/L) ALT(3─49U/L) γ─GTP(6─71U/L) 1 肺塞栓症,深部静脈血栓症(呼吸困難,胸痛,発熱, 呼吸困難,胸痛,四肢の腫脹・疼痛 失神,咳嗽,四肢の腫脹・疼痛・色調変化など) FDP(< 5.0μg/mL) ➡減量または投与中止 D─dimer(< 1.0μg/mL) 2 骨髄抑制➡減量または投与中止 3 脱水症状(口渇,口唇の乾燥,尿量減少,頭痛,全身倦怠感,めまい)➡減量または投与中止 4 高血糖➡減量または投与中止 5 腎不全(血尿,下腹部痛,排尿時痛など) ➡減量または投与中止 Hb(男:13.5─17.6,女:11.3─15.2g/dL) PLT(13.1─36.9 × 104/μL) 口乾,多飲,多尿,倦怠感 血糖値(70─110mg/dL) BUN(7─21mg/dL) eGFR(100─120mL/min/1.73m2) 息切れ,呼吸困難,咳嗽,発熱 6 間質性肺疾患 ➡投与中止,適切な処置(ステロイド治療など) 7 心障害(呼吸困難,動悸など)➡投与中止,適切な処置 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 8 QT 間隔延長➡減量,休薬または投与中止 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 9 皮膚障害(発疹,そう痒,皮膚乾燥,爪の障害,手足症候群)➡休薬,減量または投与中止 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 有 ・ 無 *検査値( )内は施設内基準を示す。 78 Cre(0.50─1.20mg/dL) KL─6(< 500U/mL) 2013.3.30 愛媛大学医学部附属病院薬剤部 作成 79