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添付文書改訂のお知らせ - アストラゼネカ AstraZeneca

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添付文書改訂のお知らせ - アストラゼネカ AstraZeneca
医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。
添付文書改訂のお知らせ
《2007 年 6 月》
ドライパウダー吸入式ステロイド薬
吸入ステロイド喘息治療剤
ブデソニド吸入用懸濁剤
ブデソニド吸入剤
この度、ドライパウダー吸入式ステロイド薬「パルミコートタービュヘイラー」の販売名を変更しま
した。
また、「パルミコートタービュヘイラー」及び吸入用懸濁剤「パルミコート吸入液」の「使用上の注
意」及びその他の項を改訂致しましたのでご案内申し上げます。
なお、新しい添付文書を封入した製品をお届けするのに若干の日数を要すると存じますので、すでに
お手元にございます製品のご使用に際しましては、ここにご案内申し上げます改訂内容及び最新の添付
文書(2007 年 6 月改訂版)をご参照下さいますようお願い申し上げます。
記
1.パルミコートタービュヘイラーの販売名変更について
改訂後(下線部は追加変更箇所)
パルミコート 100μgタービュヘイラー112 吸入
パルミコート 200μgタービュヘイラー56 吸入
パルミコート 200μgタービュヘイラー112 吸入
改訂前
パルミコート 100 タービュヘイラー
パルミコート 200 タービュヘイラー
厚生省医薬安全局長通知(現 厚生労働省医薬食品局)「医療事故を防止するための医薬品の表示事
項及び販売名の取扱いについて」(平成 12 年 9 月 19 日付医薬発第 935 号)に基づき販売名を変更し、
新たに承認されました(代替承認)
。
2.「使用上の注意」及びその他の項の改訂箇所の概要
(1)パルミコートタービュヘイラー
1)「使用上の注意」の「副作用」の項を再審査申請時のデータに基づき改訂しました。
2)
「使用上の注意」の「その他の注意」の「(2)ブデソニド外皮用製剤での接触性皮膚炎の情報」、
「(3)他の外皮用ステロイド製剤との交叉感作性の情報」を削除しました。
3)「禁忌」、「相互作用」、「薬物動態」、「臨床成績」及び「薬効薬理」の項についてパルミコート
吸入液の文章との整合をはかりました。
(2)パルミコート吸入液
1)「組成・性状」の項の「添加物」について、第十五改正日本薬局方に基づき名称変更し、これ
まで簡略記載していた成分名を、正式名称で記載しました。
2)
「使用上の注意」の「その他の注意」の「(3)ブデソニド外皮用製剤での接触性皮膚炎の情報」、
「(4)他の外皮用ステロイド製剤との交叉感作性の情報」を削除しました。
5 頁から 8 頁に改訂後の添付文書(抜粋)を掲載していますので、併せてご参照下さい。
-1-
3.「使用上の注意」及びその他の項の改訂内容と改訂理由
(1)パルミコートタービュヘイラー
1)「禁忌」の項
改訂後(下線部は追加箇所)
改訂前
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1)省略
2)本剤の成分に対して過敏症(接触性皮膚炎を含む)の既
往歴のある患者
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1)省略
2)本剤の成分に対して過敏症(接触皮膚炎を含む)の既往
歴のある患者
<改訂理由>
*
ICH 国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J)収載用語に準拠し、パルミコート吸入液との整合をは
かりました。
*International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use
(日米 EU 医薬品規制調和国際会議)の略称
2)「副作用」の概要及び「その他の副作用」の項
改訂後(下線部は追加変更箇所)
4.副作用
承認時までの臨床試験及び特別調査における総症例
1171 例中 48 例(4.1%)56 件に副作用が認められた。その
主な症状は嗄声(0.9%、11 例)、咽喉頭疼痛(0.5%、6 例)、
咳嗽(0.5%、6 例)、口腔カンジダ症(0.3%、3 例)、咽喉刺
激感(0.3%、3 例)、悪心(0.3%、3 例)であった。(再審査申
請時)
その他の副作用
1%未満
注
過敏症 1)
発疹、蕁麻疹、接触性皮膚炎、血管浮腫等の過
敏症状
口腔・呼吸器 咽喉頭症状(刺激感、疼痛)、咳嗽、口腔カンジ
注
ダ症、嗄声、感染、気管支痙攣 2)
消化器
悪心
精神神経系
神経過敏、情緒不安、抑うつ、行動障害、不眠
その他
皮膚挫傷
注 1) このような症状があらわれた場合には投与を中止するな
ど適切な処置を行うこと。
注 2) 短時間作用性気管支拡張剤を投与するなどの適切な処置
を行うこと。
発現頻度は承認時及び特別調査の合計より算出した。なお、
承認時及び特別調査で認められなかった副作用については
1%未満に記載した。
改訂前(破線部は削除箇所)
4.副作用
臨床試験において 562 例中 35 例(6.2%)42 件に副作用が
みられた。その主な症状は咽頭痛(1.4%、8 件)、嗄声
(0.9%、5 件)、嘔気(0.5%、3 件)、咳(0.5%、3 件)であっ
た。(承認時)
その他の副作用
1~5%未満
1%未満
発疹
咽喉頭症状
(刺激感、疼
痛)
咳嗽、口腔内カ
ンジダ症、嗄声
注 1)
過敏症
口腔・
呼吸器
消化器
精神神経
系
頻度不明
血管浮腫、接触皮
膚炎、蕁麻疹
感染
悪心
神経過敏、情緒不
安、抑うつ、行動
障害、不眠
注
その他
気管支痙攣 2)
挫傷
注 1) このような症状があらわれた場合には投与を中止するな
ど適切な処置を行うこと。
注 2) 短時間作用性気管支拡張剤を投与するなどの適切な処置
を行うこと。
<改訂理由>
再審査申請時のデータに基づき副作用の冒頭部分の記載を改訂しました。また、
「その他の副作用」
の頻度を改訂しました。報告のなかった副作用については、
「1%未満」の項に含め、また、副作用
名については、パルミコート吸入液との整合をはかりました(接触性皮膚炎、血管浮腫等の過敏症
状、皮膚挫傷、口腔カンジダ症)。
さらに、「気管支痙攣」については「その他」の項から「口腔・呼吸器」の項へ移し、併わせて整
合をはかりました。
-2-
3)「その他の注意」の項
改訂後
10.その他の注意
外国における疫学調査で、吸入ステロイド剤投与により
まれに白内障が発現することが報告されている。
改訂前(破線部は削除箇所)
10.その他の注意
(1)外国における疫学調査で、吸入ステロイド剤投与によ
りまれに白内障が発現することが報告されている。
(2)ブデソニドの外皮用製剤では、他の外皮用ステロイド
製剤と比較して、接触皮膚炎の発現頻度が高いとの報
告がある。
(3)他の外皮用ステロイド製剤、特にアムシノニド製剤に
よる接触皮膚炎患者を対象としたパッチテストで、ブ
デソニドが交叉感作性を示したとの報告がある。
<改訂理由>
パルミコートタービュヘイラーの承認時及び市販後調査において、接触性皮膚炎の報告はなく、パ
ルミコート吸入液の承認時における接触性皮膚炎の報告は 2 例(国内 1 例、海外 1 例)でした。ま
た、本剤の「禁忌」の項に「本剤の成分に対して過敏症(接触性皮膚炎を含む)の既往歴のある患者」
が記載され、「その他の副作用」の「過敏症」の項にも「接触性皮膚炎」を記載しています。さら
に、ブデソニドの外皮用製剤は 2001 年 9 月末に発売中止されておりますので、
(2)及び(3)の情
報については重要性は低いと考え記載を削除いたしました。
4)「相互作用」の「併用注意」の項
改訂後(下線部は追加箇所)
併用注意(併用に注意すること)
臨床症状
・措置方法
CYP3A4 阻害剤 副腎皮質ステロ
イトラコナ
イド剤を全身投
ゾール等
与した場合と同
様の症状があら
われる可能性が
ある。
薬剤名等
改訂前
併用注意(併用に注意すること)
臨床症状
・措置方法
CYP3A4 阻害剤 副腎皮質ステロ
イトラコナ
イド剤を全身投
ゾール等
与した場合と同
様の症状があら
われる可能性が
ある。
薬剤名等
機序・危険因子
CYP3A4 による本剤の
代謝が阻害されるこ
とにより、本剤の血中
濃度が上昇する可能
性がある。(【薬物動
態】の項参照)
機序・危険因子
CYP3A4 による本剤の
代謝が阻害されるこ
とにより、本剤の血中
濃度が上昇する可能
性がある。
<改訂理由>
パルミコート吸入液との整合をはかりました。
5)「薬物動態」、「臨床成績」、「薬効薬理」の項
「薬物動態」及び「薬効薬理」について、パルミコート吸入液の添付文書に記載の「薬物相互作用」
及び「脂肪酸エステル生成」に関する情報等を追記し、文章上の整合をはかりました。
また、「臨床成績」については、試験の対象が日本人であることを明記しました。
改訂箇所は、p5~6 に掲載の添付文書(抜粋)をご参照下さい(下線部)。
-3-
(2)パルミコート吸入液
「その他の注意」の項
改訂後
改訂前(破線部は削除箇所)
8.その他の注意
(1)~(2) 略
(3)ブデソニドの外皮用製剤では、他の外皮用ステロイド
製剤と比較して、接触性皮膚炎の発現頻度が高いとの
報告がある。
(4)他の外皮用ステロイド製剤、特にアムシノニド製剤に
よる接触性皮膚炎患者を対象としたパッチテストで、
ブデソニドが交叉感作性を示したとの報告がある。
8.その他の注意
(1)~(2) 略
<改訂理由>
パルミコートタービュヘイラーの 3)「その他の注意」の項の改訂理由を参照して下さい。
この度パルミコート吸入液について、第十五改正日本薬局方における日本名改正に伴い、一部の添加物
の名称を変更致しました。
詳細につきましては、改訂添付文書(2007 年 6 月改訂)をご参照下さい。
-4-
「パルミコートタービュヘイラー」及び「パルミコート吸入液」の改訂後の添付文書(抜粋)
「パルミコートタービュヘイラー」の添付文書(抜粋)
(10)全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、鼻炎、湿疹、蕁
麻疹、眩暈、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎等の症状が発現・
増悪することがあるので、このような症状があらわれた場合には適
切な処置を行うこと。
3.相互作用
本剤は、主として肝代謝酵素 CYP3A4 で代謝される。
併用注意(併用に注意すること)
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[症状を増
悪するおそれがある。]
2.本剤の成分に対して過敏症(接触性皮膚炎を含む)の既往歴のある
患者
薬剤名等
【原則禁忌】(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要と
する場合には慎重に投与すること)
臨床症状・措置方法
CYP3A4 阻害剤
副腎皮質ステロイド
イトラコナゾール等 剤を全身投与した場
合と同様の症状があ
らわれる可能性があ
る。
結核性疾患、呼吸器感染症のある患者[症状を増悪するおそれがあ
る。]
機序・危険因子
CYP3A4 による本剤の代
謝が阻害されることによ
り、本剤の血中濃度が上
昇する可能性がある。
(【薬物動態】の項参照)
4.副作用
<用法・用量に関連する使用上の注意>
症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量を投与するこ
と。
【使用上の注意】
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
呼吸器以外に感染症のある患者[症状を増悪するおそれがあるので、
抗生物質を投与するなど適切な処置を行うこと。]
2.重要な基本的注意
(1)本剤は気管支拡張剤並びに全身性ステロイド剤のように既に起き
ている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正し
く使用すること。なお、本剤による著明な改善効果は通常 1~2 週
間以上の継続投与で得られる。
(2)本剤の投与開始前には、患者の喘息症状を比較的安定な状態に
しておくこと。特に、喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状
態のときには原則として本剤は使用しないこと。
(3)気管支粘液の分泌が著しい患者には、本剤の肺内での作用を確
実にするため本剤の吸入に先立って、分泌がある程度減少するま
で他剤を使用することが望ましい。
(4)本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対しては、短時間作
用性気管支拡張剤等の他の適切な薬剤を使用するよう患者に注
意を与えること。また、その薬剤の使用量が増加したり、効果が十
分でなくなってきたと感じられたら、喘息の管理が十分でないこと
が考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を求め
るように患者に注意を与えると共に、そのような状態がみられた場
合には、生命を脅かす可能性があるので、本剤の増量やあるいは
気管支拡張剤・全身性ステロイド剤を短期間併用し、症状の軽減
に合わせて併用薬剤を徐々に減量すること。
(5)本剤の投与を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあ
るので、投与を中止する場合には患者の喘息症状を観察しながら
徐々に減量すること。
(6)本剤の 1 日最大量を長期間投与する場合には、副腎皮質機能が
低下することがあるので、定期的に検査を行うことが望ましい。また、
異常が認められた場合には、患者の喘息症状を観察しながら徐々
に減量するなど適切な処置を行うこと。
(7)全身性ステロイド剤の減量は本剤吸入開始後症状の安定をみて
徐々に行うこと。減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に
準ずる。
(8)長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者では副
腎皮質機能不全が考えられるので、全身性ステロイド剤の減量中
並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感
染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。
また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこ
と。
(9)本剤を含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患で
ある Churg-Strauss 症候群にみられる好酸球増多症がまれにあらわ
れることがある。この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並び
に離脱に伴って発現しており、本剤との直接的な因果関係は確立
されていない。本剤の投与期間中は、好酸球数の推移や、他の
Churg-Strauss 症候群症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の
血管炎症状等)に注意すること。
-5-
承認時までの臨床試験及び特別調査における総症例 1171 例中 48
例(4.1%)56 件に副作用が認められた。その主な症状は嗄声(0.9%、
11 例)、咽喉頭疼痛(0.5%、6 例)、咳嗽(0.5%、6 例)、口腔カンジダ症
(0.3%、3 例)、咽喉刺激感(0.3%、3 例)、悪心(0.3%、3 例)であった。(再
審査申請時)
その他の副作用
1%未満
注 1)
過敏症
口腔・呼吸器
消化器
精神神経系
その他
発疹、蕁麻疹、接触性皮膚炎、血管浮腫等の過敏
症状
咽喉頭症状(刺激感、疼痛)、咳嗽、口腔カンジダ
注 )
症、嗄声、感染、気管支痙攣 2
悪心
神経過敏、情緒不安、抑うつ、行動障害、不眠
皮膚挫傷
注 1) このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切
な処置を行うこと。
注 2) 短時間作用性気管支拡張剤を投与するなどの適切な処置を
行うこと。
発現頻度は承認時及び特別調査の合計より算出した。なお、承認時
及び特別調査で認められなかった副作用については 1%未満に記載
した。
5.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察
しながら慎重に投与すること。
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危
険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[動物実験で催奇形作用が報告されている。]
7.小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立
していない(国内での使用経験がない)。
8.過量投与
過量投与により副腎皮質系機能が低下することがあるので、このよう
な場合には患者の症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処
置を行うこと。
9.適用上の注意
(1)吸入前:本剤の投与にあたって、吸入器の操作法・吸入法等を十
分に説明すること。(「取扱い上の注意」の項参照)
(2)吸入後:口腔カンジダ症又は嗄声の予防のため、本剤吸入後に、
うがいを実施するよう指示すること。
ただし、うがいが困難な患者には、うがいではなく、口腔内をすすぐ
よう指示すること。
10.その他の注意
外国における疫学調査で、吸入ステロイド剤投与によりまれに白内障
が発現することが報告されている。
4.日本人気管支喘息患者 28 例に本剤を 1 日量 800μg、1 日 2 回、6 ヵ
月間投与したとき、rapid ACTH試験において血漿コルチゾール値に
変動はみられなかった。
【薬物動態】
1.血漿中濃度
(1)単回吸入投与時の血漿中濃度
健康成人男子に本剤 1000μg を単回吸入投与したとき、血漿中ブ
デソニド濃度は投与後約 10 分で最高濃度(4.8±1.0nmol/L)に達し
た後、2 相性で消失し、終末相の半減期は約 2 時間、バイオアベイラ
ビリティは 40%であった。
【薬効薬理】
1.喘息抑制作用
(1)ブデソニドは、喘息モデルへの吸入投与により、即時型及び遅発
型喘息反応(ヒツジ)並びにアセチルコリン(イヌ)及びセロトニン(ラッ
ト)吸入刺激による気道過敏反応をそれぞれ抑制した。
(2)外国人の成人気管支喘息患者を対象とした臨床薬理試験におい
て、ブデソニド(1 日用量 1000μg、加圧式定量噴霧式吸入器)は、
吸入投与により、即時型及び遅発型喘息反応を抑制した。また、1
日用量 1600μgをタービュヘイラーによって吸入投与したとき、メタ
コリン、メタ重亜硫酸ナトリウム及び 5'-AMPによる気道収縮反応を
抑制した。更に、ブデソニド(1 日用量 1200μg、加圧式定量噴霧式
吸入器)の吸入投与により、気道上皮病変の改善並びに治療開始
後 1 年以内に気道過敏反応性の改善が認められた。
2.抗炎症作用
(1)ブデソニドは、in vitro 試験系において、喘息の肺気道炎症反応で
重要な役割を果たす各種炎症性メディエーターの産生及び遊離
を抑制した。また、ブデソニドは、各種動物モデルにおいて、吸入、
気管内又は局所投与により、気道内好酸球数増加、血管透過性
亢進、炎症性肺浮腫形成及び気道粘液繊毛輸送能低下に対し
て抑制作用を示した。
(2)ブデソニドは、外国人健康成人の皮膚血管収縮試験(皮膚蒼白
度を指標)において、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約 2 倍
の局所抗炎症作用を示した。また、外国人の成人気管支喘息患
者への吸入投与により、気道上皮における好酸球及びリンパ球等
の炎症細胞を減少させた。
(3)ラットにおいて、吸入ブデソニドは気道組織の細胞内で不活性な
脂肪酸エステルを生成し、不活性なエステル体は気道内局所に
長時間保持され、細胞内リパーゼの作用によって活性なブデソニ
ドが徐々に遊離され、持続的な局所抗炎症作用を示した。
3.全身への影響
(1)ブデソニドは、モルモット、マウスなどの動物モデルにおいて、ベクロ
メタゾンプロピオン酸エステルに比して、局所投与時の抗炎症作
用が強く、下垂体-副腎機能抑制を含む全身作用は弱かった。
(2)外国人の健康成人を対象とした臨床薬理試験において、ブデソニ
ド(1 日用量 800 及び 2500μg、加圧式定量噴霧吸入器)の吸入投
与による健康成人の骨代謝及び下垂体-副腎機能に及ぼす影
響はベクロメタゾンプロピオン酸エステルより弱かった。 更に、 外
国人成人気管支喘息患者にタービュヘイラーを用いて1 日用量
1600μgを 6 週間吸入投与しても下垂体-副腎機能に影響を与え
なかった。(本剤の承認された用法・用量は、通常成人にはブデソ
ニドとして 1 回 100~400μgを 1 日 2 回、症状に応じて適宜増減す
るが、最高用量は 1 日 1600μgまでである。)
吸入投与時のブデソニドの血漿中動態パラメータ
Cmax(nmol/L)
Tmax(min)
AUC(nmol・h/L)
F(%)
4.8±1.0
12.6±4.5
12.8±3.5
40±11
F:バイオアベイラビリティ
(平均値±標準偏差、n=12)
(2)反復吸入投与時の血漿中濃度
外国人の喘息患者に本剤 1 日量 800、1600 及び 3200μg を 1 日 2
回に分け 3 週間反復吸入投与したとき、初回投与時及び 3 週間投
与後のブデソニドの最高血漿中濃度及び血漿中濃度-時間曲線
下面積は、投与量に依存して増加した。また、初回投与時と 3 週間
投与後の血漿中濃度に顕著な差を認めず、蓄積傾向はみられなか
った。(本剤の承認された用法・用量は、通常成人にはブデソニドとし
て 1 回 100~400μg を 1 日 2 回、症状に応じて適宜増減するが、最
高用量は 1 日 1600μg までである。)
2.分布
(1)肺への到達性
外国人の健康成人にブデソニドをタービュヘイラーを用いて吸入
投与したときの肺への到達率は約 30%であった(加圧式定量噴霧
吸入器の約 2 倍)。
(2)血漿蛋白結合率
in vitro 試験において、ヒト血漿蛋白質との結合率は、1~
100nmol/L の濃度範囲で約 90%であった。
3.代謝
外国人の健康成人男子に3H標識ブデソニド 100μgを静脈内投与し
たときの血漿及び尿中の主要代謝物は、16α-ヒドロキシプレドニゾロ
ン及び 6β-ヒドロキシブデソニドであり、尿中に未変化体は検出されな
かった。これらの主要代謝物の糖質コルチコイド活性は未変化体の
1%以下であった。代謝にはチトクロームP450 のCYP3A4 が関与する。
4.排泄
外国人の健康成人男子に3H標識ブデソニド 100μgを静脈内投与し
たとき、96 時間までに投与量の 57%が尿中に、34%が糞中に排泄され
た。
5.薬物相互作用
外国人の健康成人にブデソニド 3mg(カプセル剤)とケトコナゾール
200mgを併用経口投与したとき、ブデソニドの平均AUCはブデソニド
単剤投与時に比べて 6.8 倍上昇した。また、ブデソニド 1000μg(加圧
式定量噴霧吸入器)を吸入時にイトラコナゾール 200mgを経口投与
したとき、ブデソニドの平均AUCはブデソニド単剤投与時に比べて
4.2 倍上昇した。
【臨床成績】
1.軽症から中等症の日本人気管支喘息患者 172 例に本剤を 1 日量
200μg、400μg、800μgもしくはプラセボを、1 日 2 回、6 週間投与したと
き、朝のPEF値の投与前からの増加量はそれぞれ 43.8L/分、53.4L/分、
70.1L/分及び 16.2L/分であり、用量依存的な肺機能の改善が認めら
れた。
2.ステロイド依存性の中等症から重症の日本人気管支喘息患者 91 例に
本剤を 1 日量 800μg、1600μgもしくはプラセボを、1 日 2 回、6 ヵ月間投
与したとき、経口ステロイド剤の減量率はそれぞれ 35.4%、59.8%及び
8.5%であった。
3.ベクロメタゾンプロピオン酸エステルとの比較試験において、日本人気
管支喘息患者 152 例に本剤を 1 日量 200μg又は 800μg、1 日 2 回、6
週間投与したとき、いずれの投与量においても、朝のPEF値は投与期
間を通じて、投与前に比べて有意な増加を示した。
-6-
「パルミコート吸入液」の添付文書(抜粋)
(10)全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、鼻炎、湿疹、蕁
麻疹、眩暈、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎等の症状が発現・
増悪することがあるので、このような症状があらわれた場合には適
切な処置を行うこと。
(11)全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロ
イド剤の投与により小児の成長遅延をきたすおそれがある。
本剤を長期にわたり投与する場合には、身長等の経過の観察
を十分に行うこと。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[症状を増
悪するおそれがある。]
2.本剤の成分に対して過敏症(接触性皮膚炎を含む)の既往歴のある
患者
3.相互作用
本剤は、主として肝代謝酵素 CYP3A4 で代謝される。
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
CYP3A4 による本剤
CYP3A4 阻害剤
副腎皮質ステロイド
イトラコナゾール
剤を全身投与した場 の代謝が阻害される
等
ことにより、本剤の血
合と同様の症状があ
中濃度が上昇する可
らわれる可能性があ
能性がある。(【薬物
る。
動態】の項参照)
4.副作用
国内(2 試験)および米国(8 試験)で実施された臨床試験において、
安全性評価対象例 1554 例中 164 例(10.6%)に副作用が認められた。
その主な症状は、カンジダ症 44 例(2.8%)、精神運動亢進 16 例(1.0%)、
口腔カンジダ症 14 例(0.9%)、咽喉頭疼痛 11 例(0.7%)であった。
また、そのうち国内では、安全性評価対象例 61 例中 7 例 9 件に副作
用が認められており、その症状は口唇炎 1 例(1.6%)、口内炎 2 例
(3.3%)、口腔カンジダ症 3 例(4.9%)、皮膚炎 1 例(1.6%)、接触性皮膚
炎 1 例(1.6%)であった。
その他の副作用
1~5%未満
1%未満
注 )
過敏症 1
発疹、蕁麻疹、接触性皮膚
炎、血管浮腫等の過敏症状
口腔・呼吸器
口腔カンジダ症 咽喉頭の刺激感、咳嗽、嗄
声、感染、鼻出血、気管支痙
注 )
攣 2
消化器
悪心
精神神経系
落ち着きのなさ
行動障害、神経過敏、うつ
病、不眠
その他
皮膚挫傷
注 1)このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な
処置を行うこと。
注 2)短時間作用性気管支拡張剤を投与するなどの適切な処置を行
うこと。
5.小児等への投与
低出生体重児、新生児、6ヵ月未満の乳児に対する安全性は確立し
ていない(国内での使用経験がない)。
6.過量投与
過量投与により副腎皮質系機能が低下することがあるので、このよう
な場合には患者の症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処
置を行うこと。
7.適用上の注意
本剤は、乳幼児に適用される薬剤であるため、本剤の投与にあたって
は、患者及び保護者またはそれに代わり得る適切な者に対しても以
下の注意事項を十分に説明し、指導すること。
(1)吸入前
1)本剤はネブライザーを用いて吸入する薬剤であり、その使用法、
吸入法を十分に説明すること。(「取扱い上の注意」の項参照)
2)泡立てない程度に揺り動かして粒子をよく再懸濁させて使用す
ること。
3)吸入時には新しいアンプル 1 本を使用し、既に開管したアンプル
の残液は使用しないこと。
(2)吸入後
1)口腔カンジダ症又は嗄声の予防のため、本剤吸入後に、うがい、
または口腔内をすすぐこと。うがい、口腔内のすすぎが困難な患
者にかぎり、水分を取らせること。
2)口のまわりに薬剤が付着して残る可能性があるので水で顔を洗
うこと。
3)ネブライザー内の残液は使用しないこと。
(3)配合使用
他剤との配合使用については、有効性・安全性が確認されていな
いことから、配合せず個別に吸入させることが望ましい。
8.その他の注意
【原則禁忌】(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要と
する場合には慎重に投与すること)
結核性疾患、呼吸器感染症のある患者[症状を増悪するおそれがあ
る。]
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量を投与する
こと。
2.本剤を吸入する際には、ジェット式ネブライザーを使用すること。なお、
ネブライザーは機種により使用法・性能が異なるため、患者及び保護
者またはそれに代わり得る適切な者に対してもその使用法をよく指導
し、習熟させること。
【使用上の注意】
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)呼吸器以外に感染症のある患者[症状を増悪するおそれがあるの
で、抗生物質を投与するなど適切な処置を行うこと。]
(2)重度な肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるた
め血中濃度が上昇する可能性がある。]
2.重要な基本的注意
(1)本剤は気管支拡張剤並びに全身性ステロイド剤のように既に起き
ている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正し
く使用すること。なお、通常本剤の効果は投与開始から 2~8 日で
認められ、最大効果は 4~6 週間の継続投与で得られる。
(2)本剤の投与開始前には、患者の喘息症状を比較的安定な状態に
しておくこと。特に、喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状
態のときには原則として本剤は使用しないこと。
(3)気管支粘液の分泌が著しい患者には、本剤の肺内での作用を確
実にするため本剤の吸入に先立って、分泌がある程度減少するま
で他剤を使用することが望ましい。
(4)本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対しては、短時間作
用性気管支拡張剤等の他の適切な薬剤を使用するよう患者に注
意を与えること。また、その薬剤の使用量が増加したり、効果が十
分でなくなってきたと感じられたら、喘息の管理が十分でないこと
が考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を求め
るように患者に注意を与えると共に、そのような状態がみられた場
合には、生命を脅かす可能性があるので、本剤の増量やあるいは
気管支拡張剤・全身性ステロイド剤を短期間併用し、症状の軽減
に合わせて併用薬剤を徐々に減量すること。
(5)本剤の投与を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあ
るので、投与を中止する場合には患者の喘息症状を観察しながら
徐々に減量すること。
(6)本剤の高用量を長期間投与する場合には、副腎皮質機能が低下
する可能性があるので、定期的に検査を行うことが望ましい。また、
異常が認められた場合には、患者の喘息症状を観察しながら徐々
に減量するなど適切な処置を行うこと。
(7)全身性ステロイド剤の減量は本剤吸入開始後症状の安定をみて
徐々に行うこと。減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に
準ずる。
(8)長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者では副
腎皮質機能不全が考えられるので、全身性ステロイド剤の減量中
並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感
染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。
また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこ
と。
(9)本剤を含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患で
ある Churg-Strauss 症候群にみられる好酸球増多症がまれにあらわ
れることがある。この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並び
に離脱に伴って発現しており、本剤との直接的な因果関係は確立
されていない。本剤の投与期間中は、好酸球数の推移や、他の
Churg-Strauss 症候群症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の
血管炎症状等)に注意すること。
(1)6 ヵ月~4 歳の日本人気管支喘息患者計 61 例を対象とした国内
の臨床試験において(対照群なしのオープン試験)、投与 96 週ま
での評価で肺炎が計 9 例(14.8%)、気管支肺炎が計 6 例(9.8%)に
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報告されている。なお、本剤開始前の 2~4 週間の観察期間で、気
管支肺炎は認められなかったが、肺炎が 1 例(1.6%)に認められた。
また、6 ヵ月~12 ヵ月の外国人気管支喘息患者計 141 例を対象と
した米国のプラセボ対照二重盲検試験では、12 週間の投与期間
で、プラセボ群(49 例)では報告はなかったが、肺炎が本剤投与群
(92 例)で計 3 例(3.3%)に報告された。
(2)外国における疫学調査で、吸入ステロイド剤投与によりまれに白内
障が発現することが報告されている。
下線部変更箇所
DI350 ホ
問合せ先
アストラゼネカ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒531-0076 大阪市北区大淀中 1 丁目 1 番 88 号
0120-189-115
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