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寒冷地AHS(走行支援道路 システム)の研究開発(1)

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寒冷地AHS(走行支援道路 システム)の研究開発(1)
寒冷地AHS(走行支援道路システム)
の研究開発(1)
明日の北国のモビリティのために
独立行政法人 北海道開発土木研究所
北海道 の冬期道路は、滑りやすい雪氷路面や吹雪
による視程障害など、非常に厳しい運転環境にあります。
また、視程障害時の事故は、後続車からの発見が遅れや
すいため、多重衝突事故に発展する事例も少なくありません。
こうした事故を防止するため、吹雪等による視程障害の場合で
も障害物を確実に検知できるミリ波レーダ技術に着目して、寒冷
地AHS(走行支援道路システム)の開発を行なっています。
▲吹雪で前が見えない不安感のため停止する車両が少なくない
視程障害
北海道では、吹雪による通行規制が年間に発生する通行規制
吹雪や雪煙による視界不良を経験したことがありますか?
の約40%を占めています。
また、道内の一般ドライバーを対象
にしたアンケート結果によると、
ほとんどのドライバーが視程障
わからない1%
経験なし5%
害を経験しており、そのうち、95%の人が交通事故の危険を感
じたり、事故に遭遇した経験を有しています。
経験あり94% 高波 積雪
7% 5%
道路決壊
12%
路面冠水
9%
経験がある場合、
交通事故の危険を感じたことがありますか?
1991∼2000年の
10年間の通行規制
(707件)
落石・土砂崩壊・
地すべり
雪崩
23%
6%
吹雪
38%
感じたことがない4%
交通事故に遭遇した4%
感じたことがある91% ※交通事故による規制
および事前通行規制
は除く
▲北海道内で発生した通行規制
▲北海道内のドライバーの視界不良の経験
寒冷地AHSの特徴
冬型事故の防止には事前の道路・気象情報提供による出発
の取りやめ、広域的な情報提供による迂回路の選択などが重要
開発
分野
サービス
となります。
また、
安全走行支援が必要な箇所は線的に広がっているため、
情報板やスポット通信のようなポイントでの情報提供よりも線的
ナビ
高度化
な情報提供が効果的と考えられます。
これらを考慮したサービスが寒冷地AHS
(走行支援道路シ
ステム)です。
安全
運転
の
支援
サ
ー
ビ
ス
A
H
S
関
連
サ
ー
ビ
ス
A
H
S
安
全
7
寒冷地
走行
支援
広域的道路気象
情報の事前提供
視程障害時の障害物検知
連続的な危険警告
前方障害物等衝突防止支援
カーブ進入危険防止支援
︵
走
行寒
支冷
援地
シA
スH
テS
ム
︶
▲寒冷地AHSの位置づけ
寒冷地AHS(走行支援道路システム)の研究開発状況
寒冷地AHS
(走行支援システム)の実現に向けて、国土技術政策総合研究所との共同研究を行なっており、石狩吹雪実験場等にて各
種の実験を実施しています。国土技術政策総合研究所はセンサー技術を、北海道開発土木研究所はユーザ受容性の高い危険警告シス
テムやパイロット・システムを、
それぞれ担当して研究開発を進めています。
可視カメラ
視線誘導標の発光
による危険警告
赤外線カメラ
ミリ波レーダ
路側情報板
道路状況把握センサ
被験者実験による
ユーザー受容性評価
寒冷地AHSパイロットシステム
▲センサーの開発
▲パイロットシステムと実車による実験
▲動画CGによる室内実験
寒冷地AHS(走行支援道路システム)の実現イメージ
寒冷地AHSの実現に向けて段階的に以下の機能を有するシステムの研究開発に取り組んでいます。
■自発光視線誘導標による視線誘導とミリ波センサによる障害物の検知警告、情報提供による注意喚起
■外部情報との連携をはかり、広域的な情報提供をモバイル端末などで提供
■さらに路車間通信をとりこんだ車載器端末による情報提供
センサ情報を集約し、総合的に危険性を判断。周辺の道路・気
象情報や気象予測情報等の外部情報を入手し、提供装置に送信
双方向通信ビーコン
視程計や風速計、滑りやすい路
面状態を検知する路面センサ、
ITVカメラ等のセンサ群
停止車両
道路・気象情報や前方の
停止車両等の走行危険情
報を車載端末に表示。
路面センサ
吹雪の状態をセンシングする
気象センサ、ITVカメラ
カメラ
路側情報板
気象センサ
気象センサや路面センサ、
ミリ波レ−ダ−等のセンシ
ミリ波レ−ダ等のセンシ
ング情報を表示。
路側処理装置
道路センサ(ミリ波レーダ)
情報板
道路センサ
(ミリ波レーダ)
周辺の道路・気象情報や気
象予測情報等の外部情報も
表示。
吹雪等の視界不良時にも
前方の障害物や停止車両
を検知。
高機能自発光視線誘導標
非常に
滑りやすい路面
自発光視線誘導標視界状況に応じた明
るさでドライバーを適正に誘導。
前方に障害物や停止車両が検知された
際には、高輝度点滅によりドライバー
に危険警告。
お問い合わせ
独立行政法人 北海道開発土木研究所
道路部 防災雪氷(ITS/Win担当)研究室
〒062-8602 札幌市豊平区平岸1条3丁目1-34
TEL : 011-841-1746 FAX : 011-841-9747
E-mail : [email protected] Web Site http : //www2.ceri.go.jp/
2002.1
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