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札幌市道路維持管理基本方針【概要版】

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札幌市道路維持管理基本方針【概要版】
道路は、地域生活や社会経済活動を支える社会基盤として重要な役割を担っています。
札幌市道路維持管理基本方針【概要版】
∼守ります!想いを伝える「さっぽろのみち」∼
管理しているトンネル数
:15 箇所
管理している道路延長
:5,537 ㎞
札幌市の道路って
どんな維持管理を
しているの?
【その他 主要な施設数】
道路照明 :約 11 万 6 千基
道路標識 :約 3 万 5 千基
横断歩道橋:51 箇所
など
管理している橋梁数
:1,250 橋
日常パトロール
道路上の異常や損傷、障害物
等の危険を発見し、安全確保
に努めています。
道 路 の 維 持 管 理
点 検
橋梁やトンネル設備等は、定期的な点検で、損傷状
補修・更新
舗装や橋梁等が安全に通れるよう、損傷部
分の補修や老朽化した施設の更新を行って
います。
況や故障の兆候を把握しています。
日常パトロール
橋梁点検
舗装路面の補修
橋梁の架替え(更新)
トンネルの設備点検
道路の維持管理を怠ると、路面
の陥没や橋の崩落などで、渋滞や
事故をまねき、日常生活に大きく
影響します。
札幌市では、皆さんが安全・安
心に道路を利用できるよう、こう
した維持管理を行っています!
日常的な維持
安全・安心・快適に道路を利用できるよう、路面の簡易
補修や清掃、除草、道路照明灯の電球交換など、日常的
な維持を行っています。
舗装路面の簡易補修
道路清掃
電球交換
道路維持管理を取り巻く現状と課題
■ 道路施設の現 状(橋梁のケ ース)
◆右のグラフは、橋梁が架けられた年度を5年ごと
に集計したもので、上図が市で管理する全体の橋
梁、下図がその内、豊平川に架かる橋梁です。
橋梁設置数(5 ヵ年集計)
200
◆札幌市は、急激な人口増加による市街地の拡大に
より、道路整備が進みました。
’87∼90
平成バブルに架橋
市全体の橋梁
160
’72札幌オリンピック
(建設後 50 年以上経過)
120
現在(2009 年)28 橋
全橋の約 2%
80
40
0
’72札幌オリンピック
7
豊平川の橋梁
6
5
:1 橋
(建設後 50 年以上経過)
現在(2009 年)4 橋
全橋の約 14%
4
3
2
1
50 年以上
経過年数
2008年
2003年
1998年
1993年
1988年
1983年
1978年
1973年
1968年
1963年
1958年
1953年
1948年
1943年
1938年
1933年
0
1908年
◆今後、建設から 50 年以上経過した高齢化を迎え
る橋梁が増えつつあり、劣化や損傷等による補修
や架替えが益々増えることが予想されます。
8
橋梁設置数(5 ヵ年集計)
◆市内には、現在、1,250 の橋梁があり、とりわ
け、豊平川に架かる橋梁は、冬季札幌オリンピッ
クに集中して架けられました。
40 年以上 30 年以上 20 年以上 10 年以上 10 年未満
■ 維持管理を取 り巻く環境
維持管理費の傾向
市民・利用者の関心
◆厳しい財政状況のなか、維持管理費は 10 年前の約 6 割まで減少しており、
舗装補修の先送りを余儀なくされるなど、適切な維持管理が難しい状況になっ
ています。
5,600
維持管理費と道路管理延長の推移
5,400
8,000
5,200
百
万 6,000
円
5,000
4,000
4,800
2,000
4,600
︵
10,000
k
m
橋梁・オー
バーパス
トンネル・アン
ダーパス等
歩道橋・
地下歩道
その他
2%
陥没
12%
附属施設
18%
︶
︶
◆今後、一時期に膨
大な財政負担を生
じることが想定さ
れます。
12,000
︵
◆道路の管理延長
は、今もなお毎年
増加しており、道
路の改良や橋梁の
架替えなど、抜本
的な対策が講じら
れない施設も増え
ています。
◆年間約 9 千件の道路に関する
要望(通報、発見等)が市民か
ら寄せられ、中でも路面の安全
に関する意見が約8割を占めて
います。
0
4,400
H5
H6
橋梁
道路清掃
H7
H8
清掃関係
12%
路面 56%
…段差、振動、
ひび割れ等
(陥没除く)
H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
舗装
区画線
トンネル・アンダー
自転車
道路照明
その他
道路標識
管理延長
路面サービス(安全)
に関する要望等 80%
■ 道路維持管理 の課題
①老朽化が進む道路施設への適切な対応
急激な人口増加等で整備されてきた多くの道路施設は、近年、高齢化に伴い、劣化や損傷が現れてきています。
これらに適切に対応 し、将来にわたり、道路施設の機能を維持し、安全を確保 することが必要です!
②計画的、効率的な維持管理手法の構築
道路の維持管理に投資できる財源は大幅に減少しています。こうした中、膨大な量の施設の補修・更新需要に対
応 していくためには、計画的・効率的な維持管理手法を構築していくことが必要です!
③市民ニーズの把握と維持管理への反映
維持管理に関する情報を積極的に市民に発信 するとともに、市民からの意見や要望を適切に把握 し、市民
ニーズに即した維持管理 を進めていきます!
z
道路維持管理のこれからの取組み
■ 基本方針(新 たな維持管理 への取組み 方針)
基本的な考え方
長期的な視点に立って、ライフサイクルコストの最小化や、事業の平準化等による継続的な事業執行を確
保するなど、計画的・効率的な維持管理を実現していきます!
実実 現現 にに向向 けけたた 44つつのの視視 点点
Ⅰ 長寿命化の推進
Ⅱ ライフサイクルコストの縮減
橋梁などの大型構造物や劣化予測が可能な施
設については、施設の長寿命化を推進し、既存
ストックの有効活用を図ります!
施設の規模や構造などの特性に応じて、最適な
補修工法や時期等を定め、ライフサイクルコスト
の縮減を図っていきます!
Ⅲ 事業の平準化
Ⅳ 市民ニーズの反映
事業効果の検証や計画の見直しなどを適宜行
い、中長期的な予算や事業の平準化に努めてい
きます!
市民等への情報提供を進め、透明性の向上を図
るとともに、市民ニーズや社会的な要請を的確に
捉え、維持管理行政に適切に反映していきます!
■ 具体的な取り 組み
1.計画的・効率的な維持管理手法の確立
○施設特性に応じた維持管理区分
◆施設や材料の特性等に応じて、最適な維持管理区分を行いま
す。【ライフサイクルコスト(LCC)・・・企画・設計から建設、供用、補
修、更新までの全期間に要する費用のこと】
【計画保全】
予防的保全
劣化損傷がまだ
軽微な段階で補
修等を実施
性能
○基本的な取組み手順の構築と実践
◆計画、実行、評価の視点で、以下の基本的な取組み
手順に従い、実践します。
LCC が最小となるような予防的な補修
(「参考」を参照)を実施
補修
補修
基本的な取組み手順
維
目標水準
補修
更新
持
性能
理
区
分
の
選
定
限界水準
○計画の視点(中長期視点)
(1)管理目標の設定
時間
【計画保全】
事後的保全
劣化損傷がある
程度顕在化した
時点で補修等を
実施
管
(2) 現状把握(定期)
目標水準:耐久性、安全性、快適性、経済
性のバランスを考慮した水準
(3)最適対策工の選択
(4)補修計画(中長期)の策定
目標水準
補修
限界水準
更新
○実行の視点
(5)現状把握(日常)
時間
3 つの視点
から効果的
にマネジメ
ントできる
仕組みを作
ります。
(6)事業計画(単年度)の策定
【観察保全】壊れた時点(限界水準)で交換や更新等を実施
事業実施
限界水準:施設が壊れたり、管理瑕疵を回避する水準
(7)事後評価/フィードバック
【日常保全】巡回等に基づき、目標とする管理水準前後に到達した
ことを確認したら実施
○評価の視点
2.実践に向けた環境の構築
市民ニーズの把握と反映イメージ
道路に関する意見・要望の窓口
・区や本庁の道路関係部局
・札幌市道路情報管理室
・札幌市コールセンター
(ちょっとおしえてコール)
・道の相談室
・道路緊急ダイヤル
など
道路維持管理
市民・道路利用者
◆計画的かつ効率的な維持管理を推進し
ていくため、情報活用や人材育成、調
査研究に取り組むとともに、市民の皆
様のニーズを把握し、維持管理に適切
に反映していきます。
○維持管理データの整備・活用
○技術の向上・人材の育成
○市民との連携・協働の推進
道路清掃や美化活動
への市民参加の支援
■ アクションプ ログラム(今 後のスケジ ュール)
実施時期
Ⅰ期(H21∼H22)
実施項目
Ⅱ期(H23∼H26)
Ⅲ期(H27∼)
・当面、管理数が多く、将
※1
重要橋梁
来の補修費や更新費の負
舗装(幹線)
健全状況等 に基
設備( トンネル 設備
づく計画策定
担が大きい、劣化状況を
計画実行・評価・改善
把握しやすいなど、導入
や昇降設備)
効果の高い施設の補修計
基 本 方 針 策 定
補修計画の策定
橋梁(その他)
道路照明
設備(その他)
大規模構造物 ※2
舗装(幹線以外)
・健全状況等の把握
健全状況等に基づ
計画実行・
く計画策定
評価・改善
・点検等維持管理手法の確立
・工学的・経験的な知見の集積
画策定に順次取組み、事
業実施していきます。
健全状況 等に基づく計
計画実行・
画(方針等)の策定
評価・改善
※1…緊急輸送路上で橋長
15m 以上の橋梁など
※2…トンネルやアンダー
パスなど
その他全般
(過年度実績等を
・維持管理情報等の蓄積・活用を図り、効率的・効果的な維持管理の実践
基に適宜実施)
【参 考】・・ ・予防保全型の維持管理を導入した場合の効果事例
◆予防保全とは、定期的な点検で早期に損傷を発見し、事故や大規模補修等に至る前の、軽微な段階で補修し長く使
うことです。
対症療法型
(従来からのやり方)
【損傷状況】
予防保全型
【損傷状況】
鋼部材の取替
小規模な錆落
え、あて板補修 工法
とし、塗装
長期間
工期
短期間
高コスト
補修費
低コスト
橋桁の一部に、鋼部材の中まで
錆による腐食が深く進行
(損傷が深刻になってから処置)
点検により、橋桁の一部に点状
に発生している錆を発見
(軽微な損傷のうちに処置)
◆管理橋梁 1,250 橋で試算してみると・・・
予防保全型の導入
事後保全型
◇ 劣化損傷が顕在化した時点で補修や架替えを
実施した場合
◇重要橋梁等に予防保全を導入し、長寿命化を
図りながら、補修や架替えを実施した場合
(億円)
(億円)
400
400
架替え費
補修費
300
架替え費
補修費
300
200
200
約50億円
約70億円
100
100
2156
2150
2144
2138
2132
2126
2120
2114
2108
2102
2096
2090
2084
2078
2072
2065
2059
2053
2047
2041
2035
2029
2023
2017
2156
2150
2144
2138
2132
2126
2120
2114
2108
2102
2096
2090
2084
2078
2072
2065
2059
2053
2047
2041
2035
2029
2023
2017
2011
◆ 年平均約 70 億円以上の補修・更新費用が必要
◆ また、架替え時期の集中により、一時期に膨大
な財政負担が集中
2011
0
0
◆ 年平均約 50 億円の補修・更新費用となり、事後保全
型に比べ約 20 億円のコスト縮減が期待できる
◆ 架替え時期の分散化が期待できる
この基本方針は、市民や道路利用者の皆さまに、安全・安心で良好な道路サービスを、将来にわ
たり継続して提供していくための取組方針です。 作成:札幌市建設局管理部道路維持課 平成 22 年3月
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