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飽和ポリエステル樹脂粉体による重防食塗装 2.

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飽和ポリエステル樹脂粉体による重防食塗装 2.
1.飽和ポリエステル樹脂粉体による重防食塗装
2.飽和ポリエステル樹脂被膜鉄線
3.滑り止め加工技術(セイフティスリップ法)
○
株式会社川熱
中川 芳高
1.飽和ポリエステル樹脂粉体による重防食塗装
飽和ポリエステル粉体塗料がテリー工業㈱によって開発され、はや 23 年となりますが、最近漸く
長期の耐久性(50 年以上)を要する重防食分野で認められ使用され始めました。この粉体塗装塗膜の
特長としては、厚膜塗装(100~1,000µm)が可能であると共に、あらゆる金属との密着性が良好で
あり且つ耐塩害性、耐候性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐殺傷性、耐薬品性(特に耐酸性)等の優れた点
を有しております。この塗装技術は、NTT㈱が十数年前に塩害地域での鋼管継柱の長期防食性能を付
与すべく、溶融亜鉛めっき上に飽和ポリエステル粉体塗装を行う二重防食についての研究開発を行な
い完成したものであり、それ以来十数年に亘って継続生産が行われております。
最近は、日本道路公団にも認めて頂き落下防止柵、ガードレール、鋼製型枠、鋼製排水溝、塩害地
域の道路柵、橋梁部材更に耐酸性に優れている点から、火山地帯での治山・砂防ダム、集水井、下水
道分野のマンホール及び建築用排水管の防食塗装に採用され、重防食即ち長期の防食性能(50 年以上)
が要求される分野に使用されております。
近年、地球環境問題がクローズアップされつつあるが、粉体塗料は、高分子材料に顔料や添
加剤
等を混合した固形の微粉末で、VOC(揮発性有機化合物)を全く含まないため、大気汚染の心配も
なく、低公害、省資源、省力化等の優れた点がある。飽和ポリエステル粉体塗装塗膜は、環境に優し
く、材質的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂が主体のため、水道水による溶出試験、食品衛生
試験及び環境ホルモン試験にも合格し、更に燃焼時に有害物質を発生しないという非常に環境に優し
い時代にマッチした塗膜であリます。
2.滑り止め加工技術(セイフティー・スリップ法)
雨の日など濡れたマンホール蓋、グレーチングやタイルは滑り易く、特に坂道は危険で歩行者や
自転車での転倒事故でケガをするケースが多くなっております。
これから高齢化社会に向けて、高齢者の方や障害者の方への対策としては勿論ユニバーサルデザイ
ンの観点から、弊社の永年培ってきた粉体塗装等の加工技術を活用して安心・安全な社会環境の創
造に貢献すべく、耐久性・耐食性に優れた滑り止め加工技術を開発しました。
本加工技術は、飽和ポリエステル樹脂粉体塗装塗膜をバインダーとして、無機質粗粒体を塗膜面
上に強固に付着させたものです。
3.飽和ポリエステル被覆鉄線
溶融亜鉛めっき鉄線は、海岸地帯や積雪・寒冷地での凍結防止剤による塩害や温泉地帯・火山地
帯での硫化水素・亜硫酸ガス等の強酸性環境や重交通路線の排ガスによる亜硫酸ガス環境での防食
性が不充分であり、長期耐久性に問題があります。
そこで耐候性・耐塩害性・耐酸性等に非常に優れている飽和ポリエステル被覆鉄線を使用するこ
とにより防食性能が付与出来、長期耐久性が得られ、安全性の向上を図るべく飽和ポリエステル被
覆鉄線を開発致しました。
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