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2010年1月号 - 三菱東京UFJ銀行

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2010年1月号 - 三菱東京UFJ銀行
月刊
2009 年 12 月 21 日
南洋羅針盤
ASEAN諸国・インドの事業環境変化動向
三菱東京UFJ銀行
国際企画部CIBグループ
2010 年 1 月号
日系企業の ASEAN・インドでの事業展開が活発化している。マレーシアは 2011 年に 4%の物品サービス税を導
入する見込み。シンガポールは賦課年度 2010 年に法人税率を 17%に引き下げる方針。
《 目 次 》
1.マレーシア
【政策】物品サービス税(4%)導入法案を国会に提出
2.インドネシア【政策】2010 年のバタム市の法定最低賃金は 6.2%増。スラバヤは 8.8%増
3.シンガポール【政策】1.賦課年度 2010 年から法人税率を 17%に引き下げ
2.公務員の賞与抑制
3.サービス業で働く外国人労働者に英語試験
【経済】1.ファーストリテイリング、大型店出店
2.ヤマトホールディングス、シンガポールで宅急便事業を開始
3.三菱樹脂現法設立
4.タイ
【政策】マプタプット地域の 65 プロジェクトを事業停止の仮処分に
【経済】1.スズキ:四輪工場建設開始、
2.コマツ:販売合弁会社設立
5.フィリピン
【政治】大統領選、有力 4 候補の届出完了
【経済】商船三井:船舶管理会社設立
6.ベトナム
【政策】ベトナム南北高速鉄道計画進展
【経済】1.レンゴー:段ボールメーカー買収
2.フォスター電機:VSIP バクニンの 4 番目の工場設立
3.住友商事:超臨界石炭火力発電事業に着手
4.日本通運:ベトナムで総合ロジスティクスサービスを強化-日系初の
自社 CFS を稼動-
5.日本郵船:カイメップ港にコンテナ船寄港
6.新日本製鐵:ベトナム初の鋼矢板設計施工マニュアル策定
7.インド
編集後記:
【経済】1. トヨタ自動車:2010 年デリーオートエキスポで新開発小型車を初出展
2.JFE スチール:インド JSW スチールと戦略的包括提携契約調印
「アジアの成長」と「国家ビジョン」
ASEAN・インドの主要経済指標
…21 ページ
アジア主要国の為替レート見通し
…22 ページ
今後の各国主要イベント日程
…23 ページ
※本レポートは情報の提供を目的に作成しておりますが、お取引の最終判断はお客様ご自身で行っていただきますようお願い
いたします。資料は信頼できると思われるソースを基に作成しておりますが完全性を保証するものではありません。
三菱東京UFJ銀行
月刊
南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
1.マレーシア
政策動向【物品サービス税(4%)導入法案を国会に提出】
物品サービス税…12 月 16 日、マレーシア政府は国会に 4%の物品サービス税(GST)を導入する
法案を提出した。2010 年 3 月に国会で審議され、2011 年に導入される見込み。政府は、物品サー
ビス税について、効率的に徴税できる仕組であると考えており、初年度の徴税額は 130 億リンギッ
ト(約 3,250 億円)になると見込んでいる。現在の販売・サービス税収(年 120 億リンギット)よ
り税収は 10 億リンギット増加する見込み。また、産業界にも納税過程がシンプルになりコスト削
減メリットがあると分析している。
低所得者層への影響を勘案し、物品サービス税の導入は、米、野菜、砂糖、小麦粉、食用油、肉と
いった生活必需品については見送られる見込み。また、売上高が 50 万リンギット以下の中小企業
についても導入は見送られる見込みである。これにより中小企業の 70%は課税の対象外になる。
企業動向
新日本製鐵…電気亜鉛メッキ鋼板製造事業会社に出資
新日本製鐵(以下、新日鉄)及び阪和興業株式会社(以下、阪和興業)は、両社と永年の取引
関係を有する Tatt Giap グループとの間で、マレーシアにおける傘下の電気亜鉛メッキ鋼板製
造事業会社 E-Galv Steel Industries Sdn. Bhd.(以下「E-Galv Steel」)に対する出資及び
原板となる冷延鋼板の安定供給の可能性等について、2009 年 7 月以降具体的検討を行ってきた。
今般、2009 年 12 月を目処として E-Galv Steel の筆頭株主である Tatt Giap Steel Centre よ
り、E-Galv Steel の発行済株式を譲り受け、同社議決権について新日鉄が 10%、阪和興業が
15%を各々取得することにつき、同グループとの合意に至った。
マレーシアは、薄型 TV やオーディオ機器製造等、数多くの日系家電需要家が進出する電気亜
鉛メッキ鋼板の一大需要地であり、今後も持続的な成長が見込まれている。
新日鉄及び阪和興業は、本出資を通じ、同グループとの信頼関係の強化、取引関係の拡大を図
ると共に、E-Galv Steel へ素材としての冷延鋼板の安定的な供給、ならびに必要に応じた同社
への技術供与を図ることで、日系を初めとするマレーシア家電需要家の品質要求を満足し得る
電気亜鉛メッキ鋼板の供給体制を構築し、家電向けを中心とする同国鋼材需要を確実に捕捉し
ていく。なお、E-Galv Steel は、新日鉄及び阪和興業の出資を機に、今後、社名を Nippon EGalv
Steel Sdn. Bhd.(漢字名称:日達鋼鉄有限公司)へ変更する予定。
【出資会社概要】
現行名称:E-Galv Steel Industries Sdn. Bhd.(漢字名称:大正鋼鉄工業有限公司)
新名称(予定):Nippon EGalv Steel Sdn. Bhd.(漢字名称:日達鋼鉄有限公司)
設立:2006 年 1 月
所在地:ペナン州プライ工業団地
資本金:25 百万リンギット(約 6.6 億円)
事業内容:電気亜鉛メッキ鋼板の製造・販売
生産設備能力:電気亜鉛メッキライン 15 万トン/年
株主:Tatt Giap Steel Centre 67.2%、新日鉄 10%、阪和興業 15%、Chai Yin Chong 7.8%
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
2.インドネシア
政策動向【2010 年のバタム市の法定最低賃金は 6.2%増。スラバヤは 8.8%
増】
最低賃金の動向
1.バタム…12 月 7 日、リアウ諸島州知事は、2010 年のバタム市の法定最低賃金を 111 万ルピア(約
10,100 円)に改定する決定に署名した。前年比の上昇率は 6.2%。本件に関しては、労組側が 127
万 5,000 ルピアへの引き上げを求めてデモを行ったため、政府と労組が交渉し、政府側は当初呈示
した 108 万 5,000 ルピアから金額を引き上げ、最終的に 111 万ルピアになった。
2.スラバヤ…12 月 18 日付の東ジャワ州知事令でスラバヤの 2010 年の法定最低賃金は、103 万 1,500
ルピア(約 9,400 円)になることが決定された。前年比の上昇率は 8.8%。
ASEAN・中国FTAの関税下げ延期を検討
12 月 11 日、ハッタ調整相(経済担当)は、2010 年 1 月に関税が大幅に引き下げられる ASEAN・中
国 FTA で国内産業が打撃を受ける可能性があることを指摘。ASEAN 諸国で実施の延期の検討を行う
と発言している。これについては、国内からも「以前からスケジュールは分かっていたものであり、
政府の対策が不十分だった」と批判する声が出ている。
【インドネシア: 物価・金利・失業率推移】
20
失業率(%)
15
消費者物価上昇率(前年同月比、%)
10
中銀債金利(1M、%)
実質金利(%)=名目金利-物価上昇率
5
0
-5
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-10
(出所) CEICより三菱東京UFJ銀行 国際企画部 CIBグループ作成
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3.シンガポール
政策動向【1.賦課年度 2010 年から法人税率を 17%に引き下げ、2.公務員
の賞与抑制、3.サービス業で働く外国人労働者に英語試験】
法人税率引き下げ…11 月 23 日の国会で、賦課年度 2010 年から、法人税率を現在の 18%から 17%
に引き下げる所得税法改正案が成立した。従来、シンガポールの法人税は、2008 賦課年度にそれま
での 20%から 18%に引き下げられていた。今回の引き下げで、アジアの地域ハブとして競合関係
にある香港の法人税率 16.5%に、また一歩近づくことになる。
リム・ヒーファ第二財務相は「法人税率引き下げにより、シンガポールのビジネス・ハブとしての
魅力が増すと共に、企業家の活動を活発にすることが期待できる。the reduction of the corporate
income tax rate from 18% to 17%, with effect from the Year of Assessment 2010, to enhance
Singapore’s attractiveness as a business hub and to spur entrepreneurial activity.」と述べている。財源
については、先に引き上げた物品サービス税(GST)でカバー可能という。
公務員の賞与抑制…11 月 26 日、シンガポール政府首相府は、今年の経済成長率がマイナスになる
ことを受けて、公務員の 2009 年年末賞与をAWS(年間賃金補助金)1 ヵ月プラス 0.25 ヵ月分の計
1.25 カ月分に抑制すると発表した。スタッフ(the rank and file staff)については、プラス 0.25
ヵ月分の支給上限を 750 シンガポール・ドルに設定する。これにより 2009 年の公務員給与総額は、
2008 年比で 8-22%減少する。ポジションの高い人ほど減少率は大きくなる。
サービス業で働く外国人労働者に英語試験…政府は、サービス業(小売、飲食、ホテル)で働く外
国人労働者に英語試験を義務付ける方針。詳細は 1 月に発表される。英語試験で能力ありと認めら
れた労働者については雇用主が国に支払う月額の税が 150 シンガポール・ドルに軽減される(能力
なしの場合は月額 240 シンガポール・ドル)。これにより、サービス業で働く従業員と顧客のコミ
ュニケーションがとれる環境を創出する。
経済動向【1.ファーストリテイリング、大型店出店。2.ヤマトホールディ
ングス、シンガポールで宅急便事業を開始。3.三菱樹脂現法設立】
シンガポールに進出を考える日系企業からの問い合わせが増えている。飲食関係からの進出相
談も多いが、製造業の ASEAN・インド・中東を睨んだ事務所設立相談もある。以下は、最近発
表された企業動向である。
企業動向
ファーストリテイリング…シンガポールに大型店を出店。3 店舗目を展開。
12 月 3 日、ユニクロは、シンガポールに 3 店舗目を出店した。本店舗は、初の大型店舗である。ユニ
」やベビー商品など、シンガポール初上陸のアイテムも投入している。
クロ「
名称は、「313@サマセット店」。住所は 313 Orchard Road #03-27 to 34, 313@somerset。売り場面積
は約 400 坪。
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
この店舗は、4 月にオープンした「タンパニーズ ワン店」、8 月にオープンした「アイオン オーチャード
店」に続くシンガポールでの第 3 号店となる。
ユニクロは、2001 年英国に展開したのを皮切りに海外展開を進めている。現在、英国、中国、香港、
韓国、米国、フランスで店舗を展開している。ユニクロシンガポールでは、3 年で 8 店舗オープンの事
業計画を立てており、将来的にはシンガポール近隣の東南アジアへの進出も視野に入れている。
「313@サマセット店」の最大の注目のアイテムは、ファッションデザイナー Ms. Jil Sander との取り組み
」である。
により実現するコレクション、ユニクロ「
2009 年秋冬シーズンのコレクションも販売する。また、ベビー商品も取り揃え、さらに 2010 年春の新作
もその一部を他の国に先がけて販売するなど商品のラインアップを拡充している。
■UNIQLO (SINGAPORE) PTE.LTD. (ユニクロ・シンガポール・プライベート・リミテッド)概要
出資比率:株式会社ファーストリテイリング 51%
Wing Tai Retail 社 49% (英文名称:Wing Tai Retail Pte. Ltd.)
設立日:2008 年 8 月 20 日
ヤマトホールディングス…シンガポールで宅急便事業を開始
シンガポールにおける宅急便事業の開始、およびコレクト事業会社を設立する。また、あわせて海外
における地域戦略を強化するために地域統括会社による運営を開始する。
Ⅰ.シンガポールにおける宅急便事業の開始
1. 事業開始の趣旨
アジアでは、経済成長に伴う国民の生活水準の向上により、個人消費が「お取り寄せ」や「贈答」等に
まで広がり、高品質な物流サービスを利用する環境が整いつつある。しかしながら、シンガポールに
は「宅急便」に類似した高品質な物流サービスが存在しない状況にある。
そこで、これまで日本で培った宅急便の「時間帯お届けサービス」や「冷蔵冷凍対応」、および「代金決
済サービス」を核として、シンガポールには存在しなかった物流サービスを迅速に事業化することによ
り、シンガポール国民の皆様の利便性を向上させ、産業の創出および雇用の活性化を実現し、「豊か
な社会の実現」に貢献していく。
2. 当該事業を行う会社の概要
(1) 宅急便事業会社
名称: シンガポールヤマト運輸株式会社(予め設立していた準備会社のヤマトデベロップメント株式
会社より平成 21 年 12 月商号変更予定) 英文名:YAMATO TRANSPORT (S) PTE., LTD.
本社所在地: 511 KAMPONG BAHRU ROAD #04-01 KEPPEL DISTRIPARK SINGAPORE 099447
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
設立: 2009 年 9 月 18 日
営業開始日: 2010 年 1 月 8 日
資本金: 20,000,000 S$(増資完了後) (約 12.4 億円)
出資比率: ヤマトアジア株式会社 100%
(2) コレクト事業会社
名称: シンガポールヤマトペイメントサービス株式会社 英文名:YAMATO PAYMENT SERVICE (S)
PTE., LTD.
本社所在地: 511 KAMPONG BAHRU ROAD #04-01 KEPPEL DISTRIPARK SINGAPORE 099447
設立: 2009 年 12 月予定
営業開始日: 2010 年 1 月 8 日
資本金: 400,000 S$(約 2,480 万円)
出資比率: ヤマトアジア株式会社 100%
II.海外での地域統括会社による運営の開始
1. 背景
アジア地域は世界の生産拠点として発展し、現在は一大消費地へと変革し、高度成長を続けている。
また、世界経済の牽引役としても期待されている。
2. ASEAN 地域の地域統括会社(ヤマトアジア株式会社)による運営の開始
同社はアジアという一つの市場に対し、適合した戦略の立案推進を行うために、これまで輸出入貨物
のフォワーディングを中心に事業を行ってきたシンガポールヤマト運輸株式会社に、ASEAN 地域にお
ける地域統括会社としての機能を持たせることにした。また、平成 21 年 11 月 20 日付けで社名をヤマ
トアジア株式会社に変更した。
地域統括会社による運営を開始することで、成功した事業モデルを海外に適合させて水平展開し、早
期に現地市民の生活に根ざしたサービスの提供を行っていく。
3.地域統括会社の概要
名称: ヤマトアジア株式会社(シンガポールヤマト運輸株式会社より平成 21 年 11 月 20 日商号変更)
英文名:YAMATO ASIA PTE., LTD.
本社所在地: 511 KAMPONG BAHRU ROAD #04-01 KEPPEL DISTRIPARK SINGAPORE 099447
設立: 1983 年 6 月 3 日
営業開始日: 2010 年 1 月 1 日
資本金: 21,800,000 S$(約 13.5 億円)
出資比率: ヤマトホールディングス株式会社 100%
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
三菱樹脂…シンガポールに現地法人設立
三菱樹脂株式会社は、アジア太平洋地域における複合材製品の販売等および同地域における同
社 グ ル ー プ 事 業 の 戦 略 構 築 の 拠 点 と し て 、 シ ン ガ ポ ー ル 共 和 国 に 現 地 法 人 Mitsubishi
Plastics Asia Pacific(MPAP)社を設立する。
同社は、アジア太平洋地域において、建物等の内外装用アルミ樹脂積層板「アルポリック」
(*)を各国・地域に輸出販売しているが、優れた品質とアフターサービスに対し、既に高い評
価を得ている。
そして、今回の MPAP 社設立により地域密着型の販売・サポート体制を確立し、お客様のニー
ズに対しこれまで以上にきめ細かく対応していくとともに、新規需要の開拓に向けてより積極
的に活動を行うことで、複合材事業の強化・加速を進めていく。
また、MPAP 社をアジア太平洋地域の当社海外戦略構築の拠点と位置づけ、同社グループ各種製
品の販売促進に向けて、ワールドワイドに構築された「アルポリック」のビジネスチャンネル
とブランド力も活かしたマーケティング、情報収集等を行い、同社海外売上高の拡大を図って
いく。
同社は、中期経営計画において、海外展開の加速を重点課題の一つとしており、2012 年度まで
に海外売上高比率を40%超とすることを目指しているが、MPAP 社の設立により、海外事業に
関する機能強化とシナジー効果の創出を図り、今後更なる成長が期待されるアジア太平洋地域
でのプレゼンス向上と規模・収益の拡大を目指す。
(*)「アルポリック」は三菱樹脂㈱の登録商標。
<Mitsubishi Plastics Asia Pacific 社の概要>
・会社名
Mitsubishi Plastics Asia Pacific Pte. Ltd.
・所在地
79 Anson Road, #12-01, Singapore
・営業開始
2010 年 1 月(予定)
・資本金
300,000 米ドル
・株主
三菱樹脂(株) 100%
・従業員数
7名
・事業内容
複合材製品の販売・アフターサービス
および当社グループ事業に係るマーケティング、情報収集等
【シンガポール: 物価・金利・失業率推移】
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失業率(%)
6
消費者物価上昇率(前年同月比、%)
4
インターバンク金利(3M、%)
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実質金利(%)=名目金利-物価上昇率
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(出所) CEICより三菱東京UFJ銀行 国際企画部 CIBグループ作成
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4.タイ
政策動向【マプタプット地域の 65 プロジェクトを事業停止の仮処分に】
マプタプット問題…12 月 2 日、タイ最高行政裁判所は、東部ラヨン県のマプタプット工業団地
と周辺で進行中の工業プロジェクトについて、住民から「環境アセスメント等が十分に行われ
ていない」と行政訴訟が行われている問題への判断を下した。
76 プロジェクトのうち 11 プロジェクトについては、環境に大きな影響を与えないものである
としてプロジェクト続行を認めた。残りの 65 プロジェクトについては、事業停止の仮処分が
下された。これら事業については、今後、環境・健康アセスメントを経て、事業が再開される。
事業停止となったプロジェクトには大型プロジェクトも多く、プロジェクトの遅延がタイ経済
に与える影響も懸念されている。
四輪…11 月の国内新車販売台数は、57,031 台(前年同月比 3.8%増)。3 ヵ月連続、前年同月
比で増加している。
経済動向【1.スズキ:四輪工場建設開始、2.コマツ:販売合弁会社設立】
企業動向
スズキ…スズキ、タイの四輪車工場の建設を開始
スズキ株式会社は、タイ政府が推進しているエコカープロジェクトについて、2007 年 12 月に
エコカー生産の認可を取得し、四輪車の工場建設に向けて計画を進めてきた。その後、一時的
にプロジェクトを延期していたが、このほどタイ政府よりエコカー生産のための工場建設の申
請が受理されたため、11 月 30 日にラヨーン県ヘマラート・イースタンシーボード工業団地の
建設予定地において地鎮祭を執り行い、工場建設を開始することとした。
スズキは今後 200 億円を投資して、エンジン工場、プレス、溶接、塗装、組み立て工程を持つ
四輪車工場を建設し、2012 年 3 月より生産を開始する計画である。
なお、スズキはタイでの四輪車の販売について、これまで販売子会社のスズキ・オートモービ
ル・タイランド社(SAT)にて行なってきたが、今後は現地の生産会社スズキ・オートモービ
ル・マニュファクチャリング・タイランド社(SAMT)に順次集約していく計画である。
SAMT の概要
会社名
設立
工場所在地
敷地面積
スズキ・オートモービル・マニュファクチャリング・タイランド
2008 年 4 月
タイ・ラヨーン県ヘマラート・イースタンシーボード工業団地内
65 万m2
投資額
200 億円
人員数
約 800 名
生産予定機種
1.3L クラスの小型車
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生産開始時期
2012 年 3 月予定
生産予定台数
2012 年(初年度) 約 10,000 台
(ご参考)
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
タイのエコカー政策の概要
排気量
ガソリン:1300cc 以下
ディーゼル:1400cc 以下
排ガス
CO2
燃費
生産台数
EURO 4 対応
120g/km 以下
5L/100km 以下
(20km/L 以上)
生産開始から
5 年目に 10 万台
(出所)スズキ、ニュースリリースより三菱東京 UFJ 銀行国際企画部 CIB グループ作成
コマツ…販売合弁会社設立
コマツとタイにおけるコマツの建設・鉱山機械の販売代理店であるバンコク・モーター・ワ
ークス(以下 BMW)は、タイでの建設・鉱山機械の代理店事業を合弁会社に移管し、来年 4 月 1
日付(予定)で事業を開始することで基本合意した。
これに基づき BMW は新会社を設立し、当該新会社に BMW の建設・鉱山機械の代理店事業を資産、
負債、従業員と共に譲渡する。コマツは、正式契約の締結及びその他の条件が満足されること
を条件に、100%子会社であるコマツアジア(有)を通じて当該新会社の 40%を取得し、BMW 及び
同社社長のポーンプラパ氏は、当該新会社の株式の 60%を引き続き保有する。
BMW は、これまで長期にわたりタイ市場でコマツの建設・鉱山機械の販売を行ってきたが、コ
マツとの合弁会社化により、代理店とメーカーのより密接な連携のもとにマーケティングおよ
びプロダクトサポートを強化することで、同国における建設・鉱山機械の一層の収益拡大を目
指す。
[BMW の概要]
社名
バンコク・モーター・ワークス(Bangkok
Motor
設立
1956 年 1 月 7 日
所在地
タイ・サムットプラカーン県
代表者
ポーンテップ・ポーンプラパ(Phornthep
資本金
9 億タイバーツ(約 24 億円)(2009 年 6 月末現在)
売上高
約 16 億タイバーツ(約 43 億円)(2008 年 12 月期)
事業内容
建設・鉱山機械及びその他の機械の販売等
従業員数
369 人(2009 年 6 月末現在)
Works
Co.,
Ltd.)
Phornprapha)
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
5.フィリピン
政治動向【大統領選、有力 4 候補の届出完了】
大統領選立候補締め切り…12 月 1 日、大統領選・統一地方選の立候補が締め切られた。大統領
選の有力 4 候補「ベニグノ・アキノ上院議員(故アキノ大統領の長男、49 歳、自由党、通称:
ノイノイ)」、「ビリヤル上院議員(国民党総裁、59 歳)」、「エストラーダ前大統領(72
歳)」、「チョドロ前国防相(与党ラカス・カンピCMD、45 歳)」が届出を完了した。
ベニグノ・アキノ上院議員が各種世論調査で高い支持を集めており、有利に選挙戦を進める見
込み。エストラーダ前大統領は再選を禁じる憲法の規定に抵触する可能性がある。チョドロ氏
は現政権の支持率が低下している影響で、世論調査での支持率は低迷している。
アロヨ大統領下院選に立候補…11 月 30 日、アロヨ大統領は下院選に立候補することを表明し
た。パンパンガ州 2 区から立候補する。政界に留まることで、影響力を維持する狙いがあると
見られている。
ミンダナオ島マギンダナオ州に戒厳令…12 月 4 日、アロヨ大統領は、ミンダナオ島のマギンダ
ナオ州全域に戒厳令を布告した。マギンダナオ州では、11 月 23 日、州知事選の届出に行く途
中の副町長の妻等 44 名が武装集団に拉致されていた。このため、大統領は 1972 年以来の戒厳
令を布告した。本件については、ラモス元大統領が戒厳令布告は行き過ぎだと発言している。
経済動向【商船三井:船舶管理会社設立】
企業動向
商船三井…フィリピンに船舶管理会社を設立
フィリピンにある当社合弁会社 Magsaysay-Mitsui O.S.K. Marine, Inc. (注)は、船舶管理
部門を発展させ、新たに船舶管理会社である MAGMOL Ship Management, Inc. を設立した。ま
た同社は 12 月 7 日に所在地であるマニラにて開業式典を開催した。
商船三井は世界最大の船員供給国であるフィリピンにおいて、海技ノウハウの一層の充実を図
るとともに、同社を通じ当社の企業理念である「安全運航の徹底」を果たす。
(注)当社とフィリピンのパートナーである Magsaysay Maritime Corporation 社とのジョイ
ントベンチャーとして 1997 年 3 月に設立した、フィリピン人船員の配乗管理会社。
<設立会社概要>
会社名
: MAGMOL Ship Management, Inc.
所在地
: マニラ(フィリピン)
業務内容 : 船舶管理業務
業務開始 : 2009 年 12 月 1 日
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月刊
南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
6.ベトナム
政策動向【ベトナム南北高速鉄道計画進展】
南北高速鉄道計画…12 月 8 日、ベトナム政府は南北高速鉄道計画の事業化調査(FS)を日本の国
際協力機構(JICA)に要請した。同鉄道はハノイとホーチミンを結び、総延長 1,560km。総工費は
5 兆円と国家予算の 3 倍にものぼる。このため、計画実現には長い年月を要すと見られている。ベ
トナム政府は 2020 年の部分開業を目指している。部分開業の対象は、北部がハノイ-ビン間の 280km、
南部がニャチャン-ホーチミン間の 380km。
経済動向【1.レンゴー:段ボールメーカー買収、2.フォスター電機:VSIPバクニンの
4番目の工場設立、3.住友商事:超臨界石炭火力発電事業に着手、4.日本通運:ベトナ
ムで総合ロジスティクスサービスを強化-日系初の自社CFSを稼動-、5.日本郵船:カ
イメップ港にコンテナ船寄港、6. 新 日 本 製 鐵 : ベ ト ナ ム 初 の 鋼 矢 板 設 計 施 工
マニュアルを策定】
企業動向
レンゴー…ベトナムで段ボールメーカーを買収
レンゴーが 30%を出資するタイコンテナーズ・グループ社(TCG)(タイ)は、11 月 30 日、
ベトナムの段ボールメーカーであるニューアジア・インダストリー社を買収する目的で契約
を現在のオーナーであるトップライフ香港社と締結した。
買収総額は、負債の引き受けも含めて約 2300 万米ドル(約 20 億円)で、これによりレンゴー・
TCG グループは、ベトナムにおいて本年度に稼働を開始した段ボール原紙を生産するビナクラ
フトペーパー社(年産 22 万 t)に加え、製紙から段ボールまでの一貫生産体制を整えることと
なる。
ニューアジア・インダストリー社はホーチミン市に所在し、工場にはコルゲータから製函ライ
ンまでの一貫生産設備を有しており、月間約 700 万m2の生産能力を持っている。
今後、ホーチミン周辺のユーザーへはもとより、既にレンゴーが展開している、中国、タイ、
シンガポール、マレーシア、インドネシアの段ボール工場および中国・中山の製紙工場とのシ
ナジー効果により、中国・東南アジアを中心とした海外での供給体制が更に強固なものとなる。
ベトナムの段ボール市場は、現在年間 90 万トン(約 14 億m2)の規模であるが、今後 3 年の需
要の伸びは年率 8~10%と高い成長が見込まれている。
なお、この契約に続き TCG ではデューディリジェンスを実施し、最終的な買収は 2 ヶ月以内の
完了を見込んでいる。
フ ォ ス タ ー 電 機 …ベトナム北部のVSIPバクニン工業団地に 4 番目の工場を設立
ハノイ近郊にベトナム 4 番目の工場を子会社として設立することとした。
1.設立の目的
ヘッドホン・ヘッドセットに関するビジネスの安定的な拡大を図るため、グローバルな連携に
よる製造拠点の最適配置を目的として、同社の 100%出資子会社をベトナムのバクニンに設立
することとした。
2.設立する子会社の概要
名称:Foster Electric Co. (Bac Ninh), LTD.
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
所在地:Plot 001/010, VSIP Bac Ninh, Phu Chan Commune, Tu Son Township, Bac Ninh Province
設立年月日:2010 年 2 月(予定)
量産開始:2011 年 1 月(予定)
主な業務の内容:ヘッドホン、ヘッドセット、スピーカー、及び関連部品等の製造、販売
従業員数:約 1,000 名(予定)
初年度投資額:300 万米ドル(予定)
工場規模(稼動時):土地 34,208 ㎡、建屋 27,880 ㎡(地上 2 階予定)
生産量:500Kpcs/月(初年度予定)
住 友 商 事 …ベトナムで超臨界石炭火力発電事業に着手
住友商事株式会社は、ベトナム中南部のカインホア省ヴァンホン経済特別開発地区において、
同国内最大規模の超臨界石炭火力発電所を建設・運営する発電事業計画に着手する。総事業費
は 2,000 億円程度の見込み。
本件は、1,320MW(660MW のボイラ・タービン発電機 2 基)の超臨界石炭火力発電所を建設し、
豪州等から輸入する石炭を燃料として 25 年間にわたりベトナム電力公社に売電を行う BOT(建
設・運営・譲渡)方式の発電事業である。2015 年の完工・商業運転開始を目指す。今年1月、ベ
トナム政府商工省より現地建設会社と共同で事業者としての任命を受けたが、今般、商工省と
BOT 事業開発に関する基本合意書を締結した。今後、住友商事とベトナムの関係各省庁は基本
合意書に沿って BOT 契約を含む正式契約を締結するとともに、国際協力銀行を始めとする銀行
団と事業資金調達契約の交渉および発電所建設に関するコントラクターの選定を実施する予
定である。
住友商事は、全世界において電力水事業の投資開発を積極的に進めている。これまで ASEAN 地
域において手がけてきた大型電力事業案件としては、フィリピンにおける 792MW CBK 水力発電
事業、ベトナム南部地域の 715MW フーミー2-2 複合火力発電事業(2004 年運転開始)、インド
ネシアのタンジュンジャティ B 1,320MW 石炭火力事業(2006 年運転開始)および昨年 11 月に
リース契約を締結し現在建設中の 1,320MW 同拡張事業があり、本件はこれらに次ぐ 5 件目とな
る。
高効率発電により CO2 排出量を抑制できる最先端技術を導入した化石燃料を使用する発電事業
や、環境にやさしい太陽光・風力・地熱等の再生可能エネルギーを利用した発電事業の推進に
加え、工業団地や交通インフラ等の社会インフラ整備事業を通じて、今後も地域社会の発展に
貢献していく。
日本通運…ベトナムで総合ロジスティクスサービスを強化
-日系初の自社CFSを稼動-
日本通運の現地法人ベトナム日本通運株式会社は、ベトナムでは初めてとなる日系物流企業名
義での CFS(※)ライセンスを取得、12 月 14 日よりハノイ市クアンミン工業団地にて、CFS 機
能を持った新たな自社拠点「ベトナム日通ハノイ支店クアンミン倉庫」を開設することになっ
た。
※ CFS(Container Freight Station)とは、船会社が LCL(Less than Container Load)
貨物(=コンテナ一本に満たない貨物)をコンテナに詰めたり、コンテナから取り出
す作業を行う場所。
ベトナム北部には、ハノイ近郊の工業団地を中心に現在約 370 社の日系企業が進出しているが、
その多くは輸出加工型の企業で、完成品や生産部品はハイフォン港から欧米、アジア各地へと
輸出されている。従来、海上輸出貨物を取り扱う CFS 倉庫は港湾地区に集中していた為、輸出
者はハノイ近郊からハイフォン港まで貨物を自身で手配して輸送しなければならなかった。今
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
回、クアンミン倉庫の CFS ライセンス取得により、それまでハイフォン港で行っていた CFS 倉
庫業務をハノイ市内の当社倉庫で行えるため、顧客の利便性・安全性が高まる。
ベトナム日通は 2000 年 7 月に設立され、航空・海運フォワーディングや海外引越を中心とし
て事業展開してきた。今般の CFS ライセンス取得で CFS 倉庫・保税倉庫・一般倉庫の機能が一
つに集約できることから、海上輸出貨物の NVOCC サービスや、アジア域内への輸出混載トラッ
クサービスが可能となり、輸出加工型企業からベトナム内販型企業まで幅広い顧客ニーズに対
応する高品質なサービスを自社で一貫して提供できる体制が整う。
クアンミン工業団地は、ハノイ市中から車で約 30 分、ノイバイ国際空港にも約 15 分と、ハノ
イ近郊に展開する日系企業にとって好立地となっている。また、中国との国境へのアクセスも
容易であり、当社が進める上海-シンガポール間を結ぶ陸路輸送サービス「SS7000」における
ベトナム北部の中継拠点として、中越・タイ越間の定期混載トラックサービスでの CFS 倉庫に
も活用する。倉庫には、当社の倉庫管理情報システムである「REWARDS」を導入し、VMI(ベン
ダーマネイジドインベントリー)、JIT(ジャストインタイム)等の高度な SCM にも対応出来
るサービスをお客様に提供していく。
【施設概要】
名称
: ベトナム日通ハノイ支店クアンミン倉庫
Nippon Express (Vietnam) Co., Ltd. Quang Minh Bonded & CFS Warehouse
住所
: Plot 38B, Quang Minh Industrial Park, Melinh, Hanoi
倉庫面積 : 6,480m2(内、CFS1,000m2、保税倉庫 2,230m2、一般倉庫 3,250m2)
機能
: CFS、保税倉庫、一般倉庫
業務開始 : 2009 年 12 月 14 日
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
日本郵船…カイメップ港にコンテナ船寄港
日本郵船の所属する定期コンテナ船共同運航組織「グランドアライアンス」(注 1)は、アジアー北米東岸
航路(スエズ経由)であるAEX(Asia East Coast Express)サービスにおいてベトナムのカイメップ
港に追加寄港することを決定した。2010 年 1 月 9 日より開始する。
改編後は現在の 9 隻に1隻を追加投入して、10 隻 70 日ラウンドループとなる。詳細は下記の通り。
【AEX】
寄港地 (カッコ内は到着日/出港日の順)
カイメップ(ベトナム)(土/日) −レムチャバン(火/水) −シンガポール(金/土) −コロンボ(スリ
ランカ)(火/水) −カリアリ(イタリア)(土/日) −ハリファクス(日/日) −ニューヨーク(火/火) −
サバナ(木/金) −ノーフォーク(土/日)–ニューヨーク(月/火)–ハリファクス(水/木)–カリアリ(木
/金)–ジッダ(木/金) −コロンボ(木/金) −シンガポール(月/火) − カイメップ
投入船
5500TEU 船 10 隻
本サービス改編により、「グランドアライアンス」は更に広汎なサービスネットワークを提供していく。
注 1:グランドアライアンス(Grand Alliance)
日本郵船(日本)、Hapag-Lloyd 社(ドイツ)、MISC 社(マレーシア)、OOCL 社(香港)の 4 社で構成
する定期コンテナ船共同運航組織。尚 MISC は 2010 年 1 月1日付にて離脱するため、本決定には
参加していない。
新 日 本 製 鐵 … ベト ナム初 となる鋼 矢 板 設 計 施 工 マニ ュ アル策 定 ~潜 在 力 あるベト ナム
の鋼 矢 板 需 要 を 掘 り 起 こし~
同 社 は、この ほど、港 湾 や鉄 道 などのインフラ整 備 が活 発 なベトナムにおいて建 設 用 鋼 材 で
ある鋼 矢 板 の普 及 を図 るべく、ベトナム政 府 機 関 ・大 学 と連 携 して、ベトナム初 となる鋼 矢 板
設 計 施 工 マニュアルを作 成 した。また、このマニュアルの完 成 を受 け、去 る 11 月 23 日 、25
日 に、現 地 にて設 計 ・施 工 関 係 者 を対 象 に鋼 矢 板 セミナーを開 催 し、本 マニュアルの紹 介
及 び当 社 の最 新 の鋼 矢 板 の施 工 技 術 の紹 介 を行 った。
同 社 はこれまで、ベトナム交 通 運 輸 大 学 (UNIVERSITY OF TRANSPORT AND
COMMUNICATIONS 以 下 、UTC)とベトナム交 通 運 輸 省 (MINISTRY OF TRANSPORT 以
14
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
下 、MOT)と連 携 し、ベトナムにおいて鋼 矢 板 の普 及 を支 援 する活 動 を展 開 してきた。その一
環 として、2007 年 より MOT の監 修 のもと、UTC と共 同 で 鋼 矢 板 設 計 施 工 マニュアルの作 成
を行 い、本 年 完 成 しました。鋼 矢 板 に関 する統 一 的 基 準 がない同 国 において、本 マニュアル
は設 計 ・施 工 等 に係 る技 術 を初 めて統 一 的 に示 したものであり、セミナー等 でも高 い評 価 を
受 けている。
東 南 アジア諸 国 の中 で長 い海 岸 線 を持 つベトナムは、港 湾 整 備 や災 害 対 策 などのインフラ
整 備 が活 発 化 しており、岸 壁 や護 岸 等 の用 途 に使 用 される鋼 矢 板 の潜 在 需 要 が高 いマー
ケットである。同 社 は、本 マニュアルによって拡 大 が期 待 される鋼 矢 板 需 要 を、工 法 等 のソリ
ューション提 案 を含 め、確 実 に捕 捉 していく。
○鋼 矢 板 設 計 施 工 マニュアル
MOT 監 修 のもと、UTC と共 同 制 作 。鋼 矢 板 の設 計 ・施 工 の考 え方 や具 体 的 な事 例 等 を総
括 的 かつ具 体 的 に紹 介 。設 計 では、ベトナムの既 設 構 造 物 の設 計 実 績 等 との整 合 性 を図
るべく、日 本 とは異 なる限 界 状 態 設 計 法 の考 え方 や設 計 例 等 を提 示 。本 文 はベトナム語 ・
英 語 で併 記 。
○鋼 矢 板 セミナー
同 社 と UTC の共 催 で、11 月 23 日 に同 大 学 ハノイ校 で、25 日 に同 ホーチミン校 で開 催 。MOT
や現 地 コンサルタント、施 工 者 など、ハノイで約 125 人 、ホーチミンで約 160 人 が参 加 。セミナ
ーには MOT 科 学 技 術 庁 Hoang Ha 長 官 、同 国 土 木 分 野 の第 一 人 者 であるハノイ大 学 Le
Van Thuong 名 誉 教 授 も参 加 。セミナーでは鋼 矢 板 設 計 施 工 マニュアルを紹 介 。併 せて同
社 のハット形 鋼 矢 板 とH形 鋼 を組 み合 わせたハットH工 法 等 の最 新 の鋼 矢 板 の施 工 技 術 を
紹介。
【ベトナム: 物価推移】
9月の消費者物価上昇率(前年同月比)は2.4%、
10月は3.0%、11月は4.4%。
30
25
失業率(%)
20
15
消費者物価上昇率(前年同月比、%)
10
5.31
4.82
4.64
4.65
06
07
08
09
5
0
05
(出所) CEICより三菱東京UFJ銀行 国際企画部 CIBグループ作成
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
7.インド
経済動向【1. トヨタ自動車:2010年デリーオートエキスポで新開発小型
車を初出展、2.JFEスチール:インドJSWスチールと戦略的包括提携契約調
印】
四輪…11 月の国内自動車販売台数は 16 万 6,653 台(前年同月比 66.5%増)。前年が景気減速
によりマイナス 23.7%を記録していたこともあり、大幅な増加となった。中国と並び、好調な
インド自動車市場に注目が集まっている。
企業動向
トヨタ自動車…2010 年デリーオートエキスポで新開発小型車を初出展 トヨタ自動車(株)(以
下、トヨタ)は、2010 年 1 月 5 日から 11 日まで、プラガティ・マイダン国際展示場(インド・
ニューデリー)で開催される「10th Auto Expo in Delhi」(通称:デリーオートエキスポ)に、
トヨタブースで合計 14 台の市販車・参考出品車を出展する。
5 日のプレスカンファレンスでは、インド向けに専用開発した新開発小型車を初披露する。ま
た、2010 年初に販売開始となる新型プラド、8月に導入した新型SUVフォーチュナーや、同市
場における主力ミニバン イノーバなどの市販車などを展示する。
また、パーソナルモビリティコンセプトi-REAL、燃料電池ハイブリッド車Fine-Sなどの参考出
品車も展示し、未来のモビリティへのトヨタの積極的な取り組み姿勢を訴求する。
JFEスチール…インドJSWスチール社との戦略的包括提携契約について
当社は、インドの大手民間鉄鋼メーカーである JSW スチール社(JSW Steel Limited 本社:イ
ンド・ムンバイ、以下 JSW 社)と、本日、インド・ムンバイにおいて戦略的包括提携契約に調
印した。この提携は、今後両社で広範囲にわたる分野で協力し、相互の利益拡大を図るもので
ある。
JSW 社は世界の鉄鋼大手の中でも急成長を遂げており、年間粗鋼生産能力は現在の 780 万トン
から 2011 年には 1,100 万トンまで拡大する予定である。粗鋼生産能力ではインド最大の民間
鉄鋼メーカーであり、2009 年度第 2 四半期には前年同期比で、粗鋼生産量は 54%、鋼材販売
数量は 74%増加している。高付加価値製品の分野でも主要メーカーに成長しており、2010 年 3
月には最新鋭の広幅熱間圧延工場が稼働する予定である。また、2020 年までにウエストベンガ
ル州、ジャルカンド州に各々1,000 万トン/年の新規一貫製鉄所を完成させ、粗鋼生産能力を年
間 3200 万トンまで引上げる計画を有している。
インド市場において、新規プロジェクトの推進による能力拡大と技術力の向上を目指す JSW 社
と、世界トップレベルの高級鋼製造技術ならびに環境・省エネ技術を有し、高成長が見込まれ
るインド市場において需要家への供給拠点確保を目指す当社との事業強化の方向性が一致し、
今回の戦略的包括提携契約の締結に至ったものである。
1.自動車用鋼材分野での提携
提携の第一歩として両社は、インドにおいて、自動車用鋼材分野で提携することに合意した。
この合意には熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板の製造技術の供与、原板供給、自動車
需要家への応用エンジニアリングや製品開発を含む共同サービスの実施が含まれる。今後、両
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南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
社は、関係当局の承認を得て、項目毎に別途個別の契約を締結し、実行に関する詳細な役割と
スケジュールを取り決めていく。
2.将来的な提携拡大
両社は更に、インドにおいて、関連法規に従い、下記分野の相互協力の可能性について検討を
行う。
(1) 自動車用鋼材以外の鉄鋼製品製造
(2) 省エネ分野
(3) 環境対策
(4) 品質・歩留改善
(5) JSW 社の設備能力診断
(6) 各種指標のベンチマーキング化
(7) インド内外における原料調達
(8) JSW 社が計画中のウエストベンガル製鉄所プロジェクト
(9) 相互出資
(10) その他
JSW 社は本提携により、同社の拡張プロジェクトの新たな展望を開き、上工程を中心に一貫鉄
鋼生産体制の拡充を図っていく。
当社は本提携により、JSW 社との関係を更に緊密なものとし、インド市場において生産を拡大
する自動車会社の高級鋼の現地調達要請にお応えするとともに、インド市場での成長戦略を一
層強力に推進していく。
以
上
(補足資料)
【JSW スチール社の概要】
1.
本社所在地
インド・ムンバイ
2.
設立
1994 年
3.
連結資本金
2,463 億ルピー(約 4,655 億円)
4.
社長
サジャン・ジンダル(Sajjan Jindal)
5.
製鉄所
ビジャヤナガール製鉄所(インド南西部カルナタカ州、バンガ
ロール北西約 330km): JSW 社の基幹製鉄所。
他にヴァシンド、タラプール製鉄所(ムンバイ近郊)、
セーラム製鉄所(タミル・ナドゥ州セーラム)
6.
粗鋼生産能力
年産 780 万トン
(現在建設中の第 4 高炉稼動時には年産 1100 万トンとなる予定)
7.
主要設備
コークス炉、ペレット工場、焼結工場、高炉(3基)、還元鉄
工場、スラブ連鋳、熱間圧延工場、冷間圧延工場、溶融亜鉛め
っき工場、棒鋼工場、線材工場等
8.
主要製品
熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、線材、棒鋼
9.
連結売上高
1,711 億ルピー(約 3,234 億円)
17
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(2009 年 3 月期)
10
.
連結経常利益(同上) 111 億ルピー(約 210 億円)
<備考>
JSW グループは、鉄鋼事業のほかに、鉱業、電力、産業用ガス、港湾運営、アルミニウム、
セメント、IT の事業を運営している。
1994 年に設立し、10 年強で売上規模 3.5 億ドルまで成長している。
インドにおける最大のメッキ鋼板、カラー鋼板の輸出企業で、世界 100 カ国以上に輸出し
ている。
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(参考資料)
1.JFE スチールと海外鉄鋼メーカーとの自動車用鋼材分野における提携関係
提携先(所在地)
主な提携内容
広州鋼鉄(中国)
自動車向け溶融亜鉛めっき鋼板を主とした製造・販売会社(広州
JFE鋼板)設立(2003 年 12 月、出資比率:広州鋼鉄 50%、当社
50%)
現代ハイスコ(韓国) 包括提携契約締結(2000 年 11 月)
ティッセン
プ
(ドイツ)
クルッ
自動車用鋼板分野を主とした包括提携契約締結(2002 年 4 月)
AK スチール(米国)
自動車用鋼材分野における戦略的提携契約締結(2001 年 4 月)
2.インドにおける四輪自動車の生産・国内販売・輸出台数推移
(千台/年)
年度
生産
国内販売
輸出
2002 年度
927
898
84
2003 年度
1,265
1,162
147
2004 年度
1,564
1,380
196
2005 年度
1,700
1,494
216
2006 年度
2,065
1,848
248
2007 年度
2,327
2,040
277
2008 年度
2,256
1,936
378
(出所:インド自動車工業会)
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編集後記
「アジアの成長」と「国家ビジョン」
インドネシアで 2 年、シンガポールで 10 年の駐在を終え、日本に帰って 1 年が過ぎ
ました。アジア諸国の成長の熱気に慣れた身は、成熟国日本の雰囲気には未だに今ひと
つしっくりとこないものを感じます。
最近、本邦では、インドへの輸出を考えるお客様や、シンガポールへの拠点展開をお
考えのお客様からの照会が増えております。
そのシンガポールを見ていると、今後の発展へ向けて、着実に布石を打っているのを
ひしひしと感じます。
例えば、今月のシンガポールの欄を見ても、アジアのビジネス・ハブとして一層の飛
躍をするために法人税を賦課年度 2010 年から 1 ポイント下げて 17%にすることを決め
ています。これにより企業活動をより活発にすることを狙っています。
また、シンガポール政府は、「自国民の人口増加率が低迷する中、国家の発展のため
には外国人労働者受け入れは避けられない」と明確な方針を固めており、その中でも、
自国民とのコミュニケーションが重要なサービス産業の労働者については、来年から英
語の試験を実施し、パスした人は雇用主が政府に支払う月次の税額を軽減します。
企業活動サポート、人材の確保と、次々と布石を打つシンガポールは、これから数十
年続く「アジアの時代」の波にしっかりと乗っています。同じく自国民の人口が増えな
い日本は、長いスパンでの国家ビジョンを作り、着実に政策を実行していくシンガポー
ル型の成長に大いに学べそうです。民間サイドをみると、アジアの成長を取り込もうと
いう企業の方々の海外進出は 2010 年加速しそうです。
2010 年には、5 月に中国で上海万博があり、10 月にはインドのデリーで英連邦のコ
モンウエルス・ゲームズが開催されます。シンガポールではカジノを含む 2 つの総合リ
ゾートがオープンするなど、来年も成長するアジアは益々注目をされるでしょう。
来年が皆様にとって素晴らしい年になることを祈念いたしております。今年 1 年ご愛
読いただきありがとうございました。
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国際企画部 CIBグループ 北村広明
E-mail: [email protected]
TEL:(東京)03-3240-7864
・
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・
本資料は情報提供を唯一の目的としたものであり、金融商品の売買や投資などの勧誘を目的としたものではありません。本
資料の中に銀行取引や同取引に関連する記載がある場合、弊行がそれらの取引を応諾したこと、またそれらの取引の実行を
推奨することを意味するものではなく、それらの取引の妥当性や、適法性等について保証するものでもありません。
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ません。最終判断はご自身で行っていただきますようお願いいたします。本資料に基づく投資決定、経営上の判断、その他
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【ASEAN・インド・豪州の主要経済指標】
マレーシア
2006年 2007年 2008年
08/4Q
09/1Q
09/2Q
09/3Q
09/8月 09/9月 09/10月 09/11月
実質GDP成長(%)
5.8
6.3
4.6
0.1 ▲ 6.2 ▲ 3.9 ▲ 1.2
鉱工業生産指数(%)
4.6
2.3
0.7 ▲ 8.8 ▲ 14.6 ▲ 10.8 ▲ 6.9 ▲ 6.0
自動車販売台数(台)
490,768 487,176 548,116 118,202 120,281 130,811 146,535 48,538 46,069 46,092
消費者物価上昇(%)
3.6
2.0
5.4
5.9
3.7
1.3 ▲ 2.3 ▲ 2.4 ▲ 2.0 ▲ 1.6
貿易収支(億㌦)
295.4
292.3
426.8
91.8
90.0
74.8
75.8
27.2
26.5
33.7
輸出伸び率(%)
14.0
9.7
13.3 ▲ 12.6 ▲ 28.9 ▲ 33.3 ▲ 26.4 ▲ 24.2 ▲ 25.4
5.2
輸入伸び率(%)
14.4
12.1
6.8 ▲ 17.0 ▲ 36.9 ▲ 31.0 ▲ 22.6 ▲ 23.1 ▲ 21.5
1.2
経常収支(億㌦)
260.9
292.8
389.6
83.1
86.5
81.4
外貨準備(億㌦)
821
1,010
911
911
874
912
948
930
948
949
為替レート(リンギット/$)
3.67
3.31
3.33
3.56
3.63
3.55
3.52
3.52
3.50
3.40
3.40
株価指数(総合)
1,096
1,445
877
877
873
1,075
1,202
1,174
1,202
1,243
1,259
短期金利(3M、%)
3.71
3.61
3.37
3.37
2.11
2.15
2.14
2.14
2.14
2.18
2.18
※各指標変化率は前年比。空欄はデータ未公表。為替は期中平均レート。金利(インターバンク、オファー)・株価末値。外貨準備は金を除く。
インドネシア
実質GDP成長(%)
自動車販売台数(台)
二輪車販売台数(台)
消費者物価上昇(%)
貿易収支(億㌦)
2006年
5.5
2007年
6.3
2008年
6.1
08/4Q
5.2
09/1Q
4.4
09/2Q
4.0
09/3Q
09/8月
09/9月
09/10月 09/11月
4.2
318,904 434,473 607,805 140,583 100,257 109,989 127,224
48,105
37,209
52,241
4,427,342 4,688,263 6,215,865 1,411,111 1,218,204 1,326,590 1,593,939 626,353 422,753 613,979
13.1
6.4
10.3
11.5
8.6
5.6
2.8
2.8
2.8
2.6
397.3
395.9
81.1
20.9
39.4
47.6
31.1
8.4
13.3
24.2
▲ 5.6 ▲ 31.8 ▲ 26.2 ▲ 19.3 ▲ 15.4 ▲ 19.8
10.1
2.4
輸出伸び率(%)
17.7
13.2
20.1
輸入伸び率(%)
5.8
22.0
73.1
経常収支(億㌦)
108.6
103.5
6.1
▲ 6.4
27.2
29.1
17.4
外貨準備(億㌦)
411
550
496
496
527
554
600
557
600
621
631
為替レート(ルピア/$)
9,167
9,140
9,685
11,002
11,621
10,542
9,992
10,001
9,857
9,490
9,464
株価指数(総合)
1,806
2,746
1,355
1,355
1,434
2,027
2,468
2,342
2,468
2,368
2,416
31.7 ▲ 35.8 ▲ 37.1 ▲ 26.1 ▲ 21.2 ▲ 24.6 ▲ 11.8
17.4
中銀債金利(1M、%)
9.75
8.00
10.83
10.83
8.21
6.95
6.48
6.58
6.48
6.49
6.47
※各指標変化率は前年比。空欄は未公表。為替は期中平均レート。株価は年末、月末値。短期金利は末値。外貨準備は金を除く。
シンガポール
2006年 2007年 2008年
08/4Q
09/1Q
09/2Q
09/3Q
09/8月 09/9月 09/10月 09/11月
実質GDP成長(%)
8.4
7.8
1.1 ▲ 4.2 ▲ 9.5 ▲ 3.5
0.6
製造業生産指数(%)
11.9
5.9 ▲ 4.2 ▲ 10.7 ▲ 23.8 ▲ 0.5
7.9
12.9 ▲ 6.3
3.6
消費者物価上昇(%)
1.0
2.1
6.5
5.4
2.1 ▲ 0.5 ▲ 0.4 ▲ 0.3 ▲ 0.4 ▲ 0.8
貿易収支(億S㌦)
526
546
259
30
61
83
97
40
20
33
輸出伸び率(%)
12.8
4.4
5.8 ▲ 12.0 ▲ 27.8 ▲ 25.4 ▲ 20.0 ▲ 18.6 ▲ 18.7 ▲ 8.9
輸入伸び率(%)
13.7
4.5
13.9 ▲ 7.1 ▲ 27.6 ▲ 28.4 ▲ 22.8 ▲ 21.3 ▲ 19.5 ▲ 16.0
経常収支(億S㌦)
562
5901
382
67
72
86
83
外貨準備(億㌦)
1,363
1,630
1,742
1,742
1,663
1,732
1,820
1,763
1,820
1,843
1,889
為替レート(S$/$)
1.59
1.51
1.42
1.49
1.51
1.47
1.44
1.44
1.42
1.40
1.39
株価指数(ストレート)
2,986
3,482
1,762
1,762
1,700
2,333
2,673
2,593
2,673
2,651
2,732
短期金利(3M、%)
3.44
2.38
1.00
1.00
0.69
0.69
0.69
0.69
0.69
0.69
0.69
※各指標変化率は前年比。空欄はデータ未公表。為替は期中平均。株価は年末、月末値。短期金利はインターバンク(3カ月)、末値。
外貨準備は金を除く。
(出所)三菱東京UFJ銀行経済調査室、CEIC等。
21
三菱東京UFJ銀行
タイ
2006年
2007年
2008年
08/4Q
09/1Q
09/2Q
月刊
09/3Q
南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
09/8月
09/9月 09/10月 09/11月
実質GDP成長(%)
5.1
4.9
2.5 ▲ 4.2 ▲ 7.1 ▲ 4.9 ▲ 2.8
製造業生産指数(%)
7.4
8.2
5.3 ▲ 8.1 ▲ 18.5 ▲ 9.2 ▲ 5.0
▲ 9.9
1.9
0.4
682,161 631,251 615,270 152,012 107,774 123,654 135,056
43,251
48,649
53,271
自動車販売台数(台)
二輪車販売台数(台)
消費者物価:総合(%)
4.7
2.2
貿易収支(億㌦)
9.9
115.7
輸出伸び率(%)
17.0
17.3
輸入伸び率(%)
7.9
9.1
23.2
140.5
経常収支(億㌦)
57,031
2,061,421 1,598,876 1,703,376 379,786 356,292 392,205 389,359 121,349 129,112 119,918
5.5
2.1 ▲ 0.2 ▲ 2.8 ▲ 2.2
▲ 1.0
▲ 1.0
0.4
22.7
20.5
16.9
15.9 ▲ 10.4 ▲ 19.9 ▲ 26.1 ▲ 17.5 ▲ 17.9
▲ 8.3
▲ 2.6
1.1 ▲ 14.2
26.5
78.0
39.0
51.2
1.9
5.3 ▲ 37.5 ▲ 33.0 ▲ 28.3 ▲ 33.8 ▲ 18.2 ▲ 19.0
▲ 1.8 ▲ 19.7
96.0
27.8
37.1
19.2
12.6
21.8
外貨準備(億㌦)
653
852
1,087
1,087
1,137
1,183
1,291
1,248
1,291
1,325
為替レート(バーツ/$)
37.9
32.3
33.0
34.9
35.3
34.7
34.0
34.0
33.8
33.4
680
858
450
450
432
598
717
653
717
685
689
1.25
1.25
1.25
1.25
株価指数(SET)
翌日物レポ金利(%)
5.00
3.25
2.75
2.75
1.50
1.25
1.25
※各指標変化率は前年比。空欄はデータ未公表。為替は期中平均レート。株価、金利は末値。
※為替はオフ・ショア・レート。
フィリピン
実質GDP成長(%)
製造業生産指数(%)
自動車販売台数(台)
消費者物価上昇(%)
貿易収支(億㌦)
2006年
2007年
5.3
7.1
1.6
▲ 3.4
2008年
3.8
08/4Q
2.9
09/1Q
0.6
09/2Q
0.8
09/3Q
09/8月
09/9月 09/10月 09/11月
0.8
4.4 ▲ 0.2 ▲ 22.2 ▲ 18.2 ▲ 16.5 ▲ 15.4 ▲ 15.4
99,490 117,903 124,449 30,316 28,564 31,347 33,475
10,574
11,304
12,761
0.3
0.1
0.7
1.6
▲ 43.6 ▲ 50.5 ▲ 76.7 ▲ 11.9 ▲ 16.8 ▲ 14.7 ▲ 8.9
▲ 1.4
▲ 0.3
6.2
2.8
9.3
9.7
6.9
3.2
輸出伸び率(%)
14.9
6.4
▲ 2.8 ▲ 22.3 ▲ 36.8 ▲ 28.9 ▲ 21.5 ▲ 21.0 ▲ 18.2
輸入伸び率(%)
9.2
7.2
2.2 ▲ 25.4 ▲ 34.3 ▲ 28.0 ▲ 28.5 ▲ 28.3 ▲ 25.0
53.5
71.2
経常収支(億㌦)
33.3
42.3
21.7
19.1
2.8
▲ 8.3
20.3
外貨準備(億㌦)
200
302
332
332
345
348
375
367
375
379
381
為替レート(ペソ/$)
51.3
46.1
44.5
48.4
47.8
47.8
47.3
48.2
48.0
46.9
47.0
株価指数(総合)
2,983
3,622
1,873 1,873 1,986 2,438 2,801
2,884
2,801
TBレート金利(%)
4.8
3.7
6.1
6.1
4.4
4.5
4.0
3.9
4.0
※各指標変化率は前年比。空欄はデータ未公表。為替は期中平均レート。外貨準備は金を除く。株価は末値。
2,909
3.8
3,045
3.8
ベトナム
2006年
2007年
2008年
08/4Q
09/1Q
09/2Q
09/3Q
(1-12)
(1-3)
(1-6)
(1-9)
3.9
4.6
実質GDP成長(%)
8.2
8.5
6.2
鉱工業生産(%)
18.0
16.7
13.7
6.2
15.3
3.1
0.1
7.5
8.3
23.1
23.6
14.5
消費者物価上昇(%)
貿易収支(億㌦)
輸出伸び率(%)
輸入伸び率(%)
▲ 50.7 ▲ 141.2 ▲ 180.3 ▲ 24.4
3.6
09/8月
09/9月 09/10月 09/11月
4.0
5.7
5.6
6.5
7.0
7.3
6.2
2.6
2.0
2.4
3.0
4.4
15.0 ▲ 36.4 ▲ 44.1 ▲ 14.0 ▲ 18.6 ▲ 19.0 ▲ 16.3
22.7
21.9
29.1
7.4 ▲ 22.9 ▲ 21.7 ▲ 25.7 ▲ 16.1
22.1
39.6
28.8 ▲ 9.1 ▲ 41.3 ▲ 26.7 ▲ 4.6
▲ 6.2
16.5
▲ 6.6
12.9
13.5
35.1
17,814
17,832
17,850
17,958
547
581
587
504
リファイナンスレート(%)
6.5
6.5
9.5
9.5
7.0
7.0
7.0
7.0
7.0
7.0
※各指標変化率は前年比。空欄はデータ未公表。為替(Vietcom Bank Cash Buy)は期中平均、四半期・月次は末値。
外貨準備は金を除く。
(出所)三菱東京UFJ銀行経済調査室、CEIC等。
7.0
経常収支(億㌦)
▲ 1.6 ▲ 69.9 ▲ 92.4
外貨準備(億㌦)
133.8
236.0
為替レート(ドン/$)
15,988
16,084
752
927
株価指数
238.9
238.9
230.1
202.6
16,493 17,078 17,560 17,783 17,832
204
316
281
448
581
22
三菱東京UFJ銀行
インド
実質GDP成長(%)
鉱工業生産(%)
06年度
9.8
07年度
9.0
08年度
6.7
08/4Q
5.8
09/1Q
5.8
09/2Q
6.1
09/3Q
月刊
南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
09/8月
09/9月
09/10月
11.5
8.5
2.6
0.8
0.5
3.8
9.1
11.0
9.1
乗用車販売台数(台)
1,379,937
1,548,904
1,551,183
325,433
447,219
416,763
467,266
152,100
167,524
168,043
卸売物価上昇(%)Ave
5.4
4.7
8.4
8.6
3.2
0.6
▲ 0.1
▲ 0.3
0.5
1.3
6.2
9.1
10.2
9.4
8.9
11.8
11.7
11.6
11.5
▲ 875 ▲ 1,127 ▲ 295.2 ▲ 109.2 ▲ 163.7 ▲ 221.4
▲ 83.7
▲ 77.7
▲ 88.0
消費者物価上昇(%)IW
貿易収支(億㌦)
6.8
▲ 593
09/11月
7.9
166,653
輸出伸び率(%)
22.7
29.0
7.0
▲ 15.0
▲ 22.3
▲ 30.0
▲ 21.0
▲ 19.4
▲ 13.8
▲ 6.6
輸入伸び率(%)
25.6
34.9
14.6
2.1
▲ 29.1
▲ 35.0
▲ 33.6
▲ 32.4
▲ 31.3
▲ 15.0
経常収支(億㌦)
▲ 96
▲ 170
47.5
▲ 58.1
外貨準備(億㌦)
1,924
2,997
2,423
2,474
2,423
2,552
2,709
2,673
2,709
為替レート(ルピー/$)
45.3
40.3
46.0
48.8
49.8
48.8
48.4
48.4
48.4
46.8
46.6
13,072
15,644
9,709
9,647
9,709
14,494
17,127
15,667
17,127
15,896
16,926
リバース・レポ(%)
6.00
6.00
3.50
5.00
3.50
※各指標変化率は前年比。空欄はデータ未公表。外貨準備は金を除く。
為替は年度平均レート、四半期・各月末値。株価・金利(インターバンク、オファー)は末値。
3.50
3.25
3.25
3.25
3.25
3.25
株価(BSE・Sensitive)
▲ 298 ▲ 130.3
(出所)三菱東京UFJ銀行経済調査室、CEIC等。
【アジア主要国の為替レート見通し】
実績
06年末 07年末 08年末 09.11.30 10年1月末
円
対ドル 119.2
112.0
90.3
86.2
86.5
ユーロ
対ドル
1.32
1.47
1.40
1.50
1.48
(※)
対円
157.3
164.6
126.4
129.2
128
マレーシア
対ドル
3.53
3.31
3.45
3.40
3.34
リンギット
対円
33.75
33.84
26.17
25.34
25.90
インドネシア 対ドル 8,994
9,390
10,900
9,445
9,300
ルピア(※) 対円
1.32
1.19
0.83
0.91
0.93
シンガポール 対ドル
1.53
1.44
1.44
1.38
1.37
ドル
対円
77.88
77.78
62.71
62.43
63.14
タイ
対ドル 36.15
33.70
34.80
33.22
33.00
バーツ
対円
3.30
3.32
2.59
2.59
2.62
オーストラリア 対ドル
0.89
0.88
0.69
0.91
0.88
ドル(※) 対円
105.53
98.56
62.31
78.41
76.12
中国
対ドル
7.40
7.30
6.82
6.83
6.82
人民元
対円
16.10
15.34
13.24
12.61
12.68
香港
対ドル
7.78
7.80
7.74
7.75
7.75
ドル
対円
15.31
14.36
11.67
11.12
11.16
韓国
対ドル
930
936
1,257
1,162
1,150
ウォン(※) 対円
0.13
0.12
0.07
0.07
0.08
台湾
対ドル
32.6
33.7
32.8
32.2
32.0
ドル
対円
3.65
3.32
2.75
2.68
2.70
見通し
10年4月末
10年10月末
88
1.43
126
3.30
26.67
9,200
0.96
1.36
64.71
32.80
2.68
0.83
73.04
6.75
13.04
7.75
11.35
1,125
0.08
31.8
2.77
92
1.35
124
3.22
28.57
9,000
1.02
1.35
68.15
32.40
2.84
0.78
71.76
6.65
13.83
7.78
11.83
1,075
0.09
31.0
2.97
・実績は三菱東京UFJ銀行 国際企画部 CIBグループ作成。見通しは三菱東京UFJ銀行 欧州市場部予想値。
・(※) ルピアおよびウォンについては、円/100ルピアおよび円/100ウォン。
・(※) オーストラリア・ドル、ユーロは1オーストラリア・ドル、1ユーロ当りのドル相場を記載。
23
三菱東京UFJ銀行
月刊
南洋羅針盤 「2010 年 1 月号」
【今後の各国主要イベント日程】 スケジュールは変更になることがあります。
年
月
日
2010年
国名
イベント
シンガポール
シンガポール
1月
1月
1月
2月
2月
2月
4月
5月
5月
5月
6月
6月
8月
8月
9月
10月
1日
1日
1日
下旬
1日
8日
下旬
3-14日
MRTサークルライン(Circle Line)完成
カジノを含む総合リゾート開業予定:①マリーナベイ・サンズ(中心部マリーナ湾)、
②リゾート・ワールド・セントーサ(セントーサ島)
ベトナム
ハノイ建都1000年(各種記念行事実施:タンロン・ハノイ建都1000年)
ミャンマー
総選挙実施
ASEAN・インド ASEAN・インドFTA発効
インド
韓国・インドFTA発効
インドネシア
法人税25%に3ポイント引き下げ
シンガポール
予算案発表
シンガポール
シンガポール航空ショー
インド
予算案発表
シンガポール
フードアンドホテルアジア(展示会)
中国
上海万博開幕(5月1日~10月31日)
フィリピン
大統領選実施。アロヨ大統領6月引退予定(再選禁止)
オーストラリア
予算案発表
パキスタン
予算案発表
バングラディシュ 予算案発表
シンガポール
ユース五輪夏期大会(YOG)
マレーシア
予算案発表
シンガポール
F1レース開催(市街地マリーナベイにて。5年開催の3年目)
インド
コモンウエルスゲームズ開催(デリー)
2011年 6月
10日
12月
年後半
マレーシア
シンガポール
シンガポール
第10次マレーシア計画(2011-2015)の概要発表。5ヵ年計画
マリーナ湾南側に国際客船ターミナル完成予定。超大型客船にも対応可能
中国が雄雌のパンダ貸与開始。期間10年。リバーサファリで公開予定
2012年
シンガポール
2012年までに62歳以上の高齢者を65歳までの再雇用義務化の法律を作成
2014年 9月頃
4~7月頃
インドネシア
インドネシア
首都ジャカルタにMRT(地下鉄)開業
総選挙、大統領選挙(大統領三選は禁止されており、新大統領が注目される)
2015年
ASEAN
ASEAN経済共同体(AEC)実現目標時期
2016年
インドネシア
ジャカルタ地下鉄開業(ルバックブルス[南JKT]-ドゥクアタス[中央JKT])間14.5km。
(出所) 各種資料より三菱東京UFJ銀行 国際企画部 CIBグループ作成
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