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体を壊す13の医薬品・生活用品・化粧品
読んだ文献 : 渡辺雄二『体を壊す13の医薬品・生活用品・化粧品』幻冬舎、2013年。 概要(内容要約) 本書は、普段当たり前に使っている生活用品や医薬品、化粧品には体の機能を低下させたり、皮膚や毛髪、胃腸、肝臓などに ダメージを与えたりするケースがあることを論じたものである。 その1は、ヨードうがい薬でうがいをすることである。京都大学保健管理センターの研究によるとヨード薬はウイルスや細菌 を殺すが、細胞にも障害をもたらす。そのため、粘膜を荒らしてしまい、風邪ウイルスの侵入を容易にすると考えられる。その 2は、歯磨き粉を使って歯を磨くことだという。歯磨き粉には刺激性のある化学合成物質が配合されており、舌や歯や口内粘膜 が刺激され、どうしてもブラッシング時間が短くなる。そのため、口内トラブルの元凶となる歯垢を十分に取り除けなくなるの である。ボディーソープで体を洗うことが、その3である。ボディーソープには台所用洗剤と同じ成分が含まれており、その成 分によって皮膚が刺激され、肌トラブルの原因となる。その4は、シャンプーによる洗髪である。シャンプーにも台所用洗剤と 同じ成分が含まれており、ボディーソープと同様に頭皮を刺激し、赤くなったり、かゆみなどをもたらしたりする。その5は、 健康のためにサプリメントを飲むことが挙げられている。サプリメントの中にはメリロートという植物エキスの成分を含んだも のがあり、血流を良くする効果があるが、その作用が強すぎるせいか、肝臓に悪影響を与え、肝臓障害を引き起こす。また、そ の6として、お風呂に入浴剤を入れることも指摘されている。入浴剤に表示されている効能は実際に確認されたものではなく、 通常の温泉でいわれている効能をそのまま表示しているだけである。そればかりか、入浴剤が含む色素には皮膚障害の原因にな る成分も含まれているという。その7は、除菌剤で室内空間を殺菌すること。室内を殺菌するとウイルスなどが体内に侵入する 心配がなくなり、侵入を防ごうとしていた体の働きが必要なくなり、かえって免疫力が低下してしまうと説明されている。その 8は、腰の痛みに貼り薬を貼ることである。貼り薬には痛みを一時的に抑制する効果しかなく、腰痛の根本原因を治すことはで きない。その9として、美白化粧品の使用について論じられている。美白化粧品を使うと体の機能を妨害したり、皮膚の色素の バランスが崩れ、白斑症状がでたり皮膚がんになったりする危険性を高めるという。その10においては、ダイエットのためにカ ロリーオフ食品を食べることの危険性が論じられている。カロリーオフの食品に含まれる合成甘味料には、脳腫瘍や白血病を引 き起こす成分があり、危険性が高い。その11では、美肌のためにコラーゲンサプリを飲むことである。コラーゲンは体の器官や 組織を形成する重要な成分であるものの、サプリで摂取しようとするとガラス成分や、香料と同じ成分が入っている場合があり、 安全上の大きな懸念がある。その12は、風邪薬の服用である。風邪薬の主成分は解熱鎮痛剤であり、風邪自体を治す効果はない。 また、風邪薬を飲んで肝臓障害や無菌性髄膜炎を起こすこともある。そして、最後に、その13は、お腹をくだした際に下痢止め を飲むこと。下痢は有害物質を外に出す生理現象であり、下痢を薬によって止めてしまうと、有害なものが体内にとどまり、か えって健康に悪影響をあたえてしまう。 感想/疑問/批判 普段自分たちが健康に良いと思って使用している医薬品、生活用品、化粧品などについて、本書を読むと、成分や 効果を詳しく知るにつけ、かえって体に悪影響を与えることが理解できる。医薬品、生活用品、化粧品は今では人間 が生活していく上で欠かせないものであるが、それらに悪い効果があることを知らずに使う人が多く、また誰もが深 く考えずに使用していると思った。新しい医薬品、生活用品、化粧品を開発しても人間にとって悪影響のものしか生 み出されていないのだろうかと疑問に感じた。 本書で挙げられている悪影響のほとんどの原因は化学物質であり、今ではありとあらゆるものに使われている。私 たちが化学物質の成分などを言われても理解することは難しいだろう。このように、体に悪影響な部分は難しい言葉 で隠し、あたかも良い物のように表示してると感じた。自分の使用するものについての知識や理解を高め、デメリッ トやリスクなども十分に知り得た上でどういうものを使っていくか自分で考えて取捨選択しながら使用していきたい。 報告者 : 田村希武