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自殺対策推進計画概要版(PDF形式:1559KB)

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自殺対策推進計画概要版(PDF形式:1559KB)
かけがえのない
命のために
ーさいたま市自殺対策推進計画概要版ー
--
あなたやあなたの大切な人の命を守るために
人は、さまざまなストレスを抱えて生きています。
とりわけ、昨今の雇用状況の悪化や不安定な経済情勢などは、中高年世代に大きな負担と
なっているでしょう。労働環境や人間関係、健康問題等ストレスは増大しています。
また、社会の変容に伴い、子ども達の悩みも多様化しています。
そして、従来の家族や地域、社会でのきずなも薄れつつあり、悩みを抱えた人が「孤立」しがちな
現状もあります。
「ひとりで、頑張りすぎていませんか?」
いつも全力投球では疲れてしまい、長く続きません。
ひとりで抱え込まずに誰かに相談することで、解決の糸口がつかめることも
あります。あなたの気持ちを話してください。あなた自身や周囲の人の「こころのサイン」
に気づいてください。
あなたやあなたの大切な人の命を守るために。
今、さいたま市でも、さまざまな理由から悩みを抱え、不幸にも自殺にまで至ってしまう方が毎年
200 人を超えている状況です。
一人の人が自殺で亡くなると、家族や周囲の方たちも大きな心理的影響を受けます。また、自殺で
亡くなる人の約 10 倍は、自殺未遂者がいると言われています。
自殺を考えるほど悩みを抱えて孤立している人や自殺で大切な人を亡くしつらい思いをしている人が、
一人でも多く支援につながり、安心して暮らせる地域社会となるよう、市民の皆様とともに取組んで
まいります。
自殺対策の 3 つの基本認識
1 自殺は追い込まれた末の死
2 自殺は防ぐことができる
思われがちです。しかし、多くの自殺は、
の整備など社会的な取り組みにより、また、
さまざまな悩みにより「心理的に追い込ま
うつ病等の精神疾患に対する適切な治療に
れた末の死」ということができます。
より、多くの自殺は防ぐことができます。
自殺は個人の自由な意思や選択の結果と
制度・慣行の見直しや、相談・支援体制
3 自殺を考えている人は悩みを抱え込みながらもサインを発している
自殺を考えている人も、心の中では「生きたい」という気持ちと「死にたい」という
気持ちの間で激しく揺れ動いています。心理的に追い込まれていく中で、不眠や体調不良
のほか、救いの入ることを待ち望む心が、言葉や行為の形で予告を発信しており、これが
自殺のサインです。
家族や職場の同僚など身近な人には、この自殺のサインに気づいていることも多いので
すが、
「どうしたらいいのかわからない」
「立ち直ってもらいたい」という気持ちで様子を
見ている状況のことが多く、この気づきを自殺予防につなげていくことが大切です。
--
自殺をする人は心が弱い人ですか?
自殺が、心の弱い人にだけ起こると考えるのは間違いです。
自殺に至る要因は実にさまざまと言われています。多重債務や
失業、経営不振や倒産などの経済的な問題、長時間労働による過
労や職場の人間関係などの問題、学校でのいじめ、インターネッ
トや携帯電話での中傷、心やからだの健康問題、子育てや介護の
悩みなど多岐にわたっています。また、その人の性格傾向や家族
の状況、死生観なども複雑に関係しています。自殺はさまざまな
悩みが、耐え難い心の痛みとなり、その痛みからのがれようとして
やむにやまれぬ結果、心理的に追い込まれた末の死、ということが
言えるのです。
身近な人の自殺を防ぐために、どんなことができますか?
まずは、自分自身の心の健康に関心を持ち、不調なときには適切に対処するこ
とができるよう正しい知識を身につけましょう。
次に、家族や職場の同僚など自分の身近な人の悩みや心の健康に関心を持ち、
自殺のサインに気づいた場合には、ご本人の抱えている問題に応じた専門家(例えば、
精神科医等)につなぎ、回復(解決)を見守っていきましょう。
市民一人ひとりが、自殺や精神疾患に関する偏見をなくし、全ての人が生きやすい
社会、暮らしやすい社会に変えていく取り組みを行うことも身近な人の自殺を防ぐ
ために大切なことです。
自殺のサイン(自殺予防の十箇条)
自殺予防総合対策センター
www.ncnp.go.jp/ikiru-hp
1 うつ病の症状に気をつけよう(気分が沈む、自分を責める、
仕事の能率が落ちる、決断できない、不眠が続く)
2 原因不明のからだの不調が長引く
3 酒量が増す
4 安全や健康が保てない
5 仕事の負担が増える、大きな失敗をする、職を失う
6 職場や家庭でサポートが得られない
7 本人にとって価値あるもの(職、地位、家族、財産)を失う
8 重症のからだの病気にかかる
9 自殺を口にする
10 自殺未遂におよぶ
出典:内閣府「平成 20 年版 自殺対策白書」
(上記のようなサインを数多く認める場合は、自殺の危険が迫っています。
医療機関への受診や専門機関への相談をすすめてみてください。はじめは、
ご家族や周囲の方が、相談するという方法もあります。)
おれ
クシャクシャ
――
「自殺予防いのちの電話」
では、
年 月から
年 月までの間(毎月
日・計 日間)に、男性からの相談
を 万件以上受けました。
☎ 0120-738-556(ココロ)
--
自殺とうつ病は関係があるのですか?
自殺とうつ病とは、深い関係があるといわれています。
自殺を図った人の直前の心の健康状態を見ると、大多数は、さまざまな悩みで、より
心理的に追い込まれた結果、精神疾患を発症しており、中でも、うつ病の割合が高い
と言われています。
うつ病は、有効な治療法が確立していること、うつ病対策の実施により自殺予防の
効果をあげていることから、うつ状態にある人を早期に発見し、適切な治療につなげ
ることにより、多くの自殺を防ぐことができると言われています。
身近な人がうつ病かな…と思ったら
身近な人が、以前のような元気が無く、ふさぎこんでいる状態が 2 週間以上続いて
いるようでも、「なまけている」「気の持ちようだ」と安易に決めつけないでください。
下記の「うつ病を疑うサイン」を参考に状態をチェックしてみてください。もし、
該当するようでしたら、心の健康の相談や受診によって専門家の意見を聞くことを
勧めましょう。ご本人が動かない場合には、家族だけでも相談を始めましょう。うつ病
は治療により回復できる病気です。
うつ病を疑うサイン
厚生労働省「うつ対策推進方策マニュアル」(2004 年 1 月)より
自分が気づく変化
周囲が気づく変化
1 悲しい、憂うつな気分、沈んだ気分
2 何事にも興味がわかず、楽しくない
3 疲れやすく、元気がない(だるい)
4 気力、意欲、集中力の低下を自覚する
(おっくう、何もする気がしない)
5 寝つきが悪くて、朝早く目がさめる
6 食欲がなくなる
7 人に会いたくなくなる
8 夕方より朝方の方が気分、体調が悪い
9 心配事が頭から離れず、考えが堂々めぐりする
10 失敗や悲しみ、失望から立ち直れない
11 自分を責め、自分は価値がないと感じる
など
1 以前と比べて表情が暗く、元気がない
2 体調不良の訴え(身体の痛みや倦怠感)が多く
なる
3 仕事や家事の能率が低下、ミスが増える
4 周囲との交流を避けるようになる
5 遅刻、早退、欠勤(欠席)が増加する
6 趣味やスポーツ、外出をしなくなる
7 飲酒量が増える
ミニ知識①
多重債務は、必ず解決できる!!って本当?
クレジットやサラ金、ヤミ金融などによる借金や多重債務について、弁護士会や被害者の会、法テラス
(日本司法支援センター)等で相談窓口を設置しています。
「過払金」が発生している可能性もありますので、一人で悩まず、専門家に相談しましょう。
--
大切な方を自死(自殺)で亡くされた方へ
大切な方を亡くし遺された方は、心労のあまり心身に不調をきたすことがあります。
悲しみ、怒り、あるいは何も考える余裕がない……どのような気持ちも、みんなあって
いいものです。それほど、大きな出来事です。
「突然、涙が出てしまう」
「最後の姿が目に焼きついて眠れない」
「仕事が手につかない。ミスばかり起こす」
もし、似たような症状があれば、つらい思いをご自分の中だけに押し込まず、ご自身
の信頼できる方に打ち明けてください。また、思いあたる症状があれば、どうぞ専門相談
をご利用ください。
さいたま市こころの健康センターでは、大切な方を自死で亡くされた方の心の相談を
お受けしています。十分にお話が聞けるよう、予約制でお受けしています。
まずは、下記にお電話ください。
(さいたま市こころの健康センター)
851―5665 (月∼金 9:00∼17:00)
※相談の秘密は厳守します。
ミニ知識②
その他
4%
学校問題
1%
不祥
3%
自殺の原因(さいたま市)
【平成 17 年∼19 年の累計】
家庭問題
9%
男女問題
2%
勤務問題
5%
健康問題
( 身体 )
19%
経済・
生活問題
19%
※ 本市に所在する7警察署の取扱件数を集計しました(ただし岩槻署
健康問題
( 精神 )
38%
ミニ知識③
警察統計から自殺の原因をみると、全体では、
「健康問題(身体・精神)」が最も多く、続いて、
「経済・生活問題」「家族問題」となっています。
自殺の原因は、年代や性別によっても異なり、
それぞれの特徴に応じたきめ細やかな対応が必要
です。
は岩槻区と蓮田市を所轄しています)。なお、平成19年から自殺統計
原票が改正され、自殺の原因・動機の区分が改められたため、同類の
区分を合算することとしました。さらに、健康問題については、身体
と精神に分類し再集計しました。
「出典:埼玉県警察統計」
「自殺予防週間」って知っていますか?
国は、9月10日の世界自殺予防デーに因んで、毎年9月10日からの一週間を、「自殺予防週間」
として定めています。
さいたま市としても、命の大切さや、自殺の危険を示すサインに気づいたときの対応方法等に
ついて市民の皆さんにご理解いただけるよう普及啓発を行ってまいります。
--
さいたま市自殺対策推進計画
さいたま市では、自殺対策を効果的に推進するため、
「自殺対策推進計画」を策定しました。
計画理念
市民一人ひとりが、かけがえのない命を大切にし、
ともに支えあい、安心して暮らせる地域社会の実現
基本的視点
計画期間
1 総合的な対策の推進
2 きめ細やかで具体的な対策の推進
3 関係機関・関係団体などとの緊密な連携のもとに実施
平成21年度∼平成28年度
基 本 目 標・基 本 施 策
1 自殺に関する実態把握
1 社会的要因を含む様々な統計情報の分析
2 自殺関連の相談に関する事例の検討
3 自殺の実態を明らかにするための調査の実施
2 普及啓発の推進
1 自殺や心の健康などについての正しい知識の普及啓発 ◎
2 広域的な普及啓発の推進
3 市民生活に密着した各種相談窓口や生きがいづくりなどの施策のPR
4 インターネット上の自殺関連情報対策についての普及啓発
3 相談支援の充実
1 子どもや子育て世代を対象とした相談支援の充実
2 青少年世代を対象とした相談支援の充実
3 中高年世代を対象とした相談支援の充実
4 高齢者世代を対象とした相談支援の充実
5 性差に配慮した相談支援の充実
6 各種健康相談等の充実
7 各種相談窓口の相互の連携の強化
8 心の健康相談にあたる職員の資質向上
9 自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応ができる人材の養成 ◎
10 相談等を行なっている関係団体の活動支援
4 自殺予防のための環境整備
1 市民活動の活性化
2 自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応ができる人材の養成(再掲) ◎
3 気づきと見守りの地域づくり
4 心とからだの健康づくりの推進
5 関係機関・関係団体との連携の強化
5 自殺未遂者・遺族への支援
1 自殺未遂者への適切な支援 ◎
2 自殺により遺された人たちへの心のケア
◎は、本市の自殺の現状から特に早急に取り組む必要がある重点施策です。
--
3 つの重点施策
1 自殺や心の健康などについての正しい知識の普及啓発
《目 標》 市民が自殺に関する正しい知識と認識をもち、身近な問題として捉えることができる
《具体策》 1 自殺対策の基本認識や心の健康等に関する普及啓発
2 うつや心の健康に関するライフステージ別のパンフレット等の作成
3 シンポジウム・講演会の開催
2 自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応ができる人材の養成
《目 標》ゲートキーパーの養成により、様々な立場の人が身近な人の異変に気づき、地域での
支えあいができる 《具体策》1 関係各課の窓口担当や相談担当職員への研修
2 医師・医療関係職員への研修
3 地域支援者への研修
3 自殺未遂者への適切な支援
《目 標》 自殺未遂者の実態を把握し、再度の自殺を防ぐ取り組みを開始する
《具体策》 1 自殺未遂者の実態把握や分析
2 医療体制の整備
3 家族等、身近な人の見守りに対する支援
ゲートキーパー:自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応を図ることができる人材
ミニ知識④
自殺者数の推移(さいたま市) 【平成元年∼ 19 年】
※平成元年から平成 17 年までは、平成 20 年 4 月 1 日現在の市域にあわせて再集計しました。
出典:厚生労働省「人口動態統計」、埼玉県「保健統計書」
さいたま市では、平成 10 年に急増し、以後 10 年間毎年 200 人を超える方が自殺で亡くなっています。
男性が女性の 2 倍以上、全体の約 7 割を占めています。
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まずは相談しましょう∼∼(別冊)相談窓口一覧をご活用ください∼∼
現代社会の様々なストレスにかこまれて生きる私たちにとって、「心の健康」を保つことは、
とても大切です。強いストレスを受け続けると、だれでも心の健康を損なう可能性があります。
一人で悩まずに、どうぞ相談窓口にご相談ください。ご家族による相談も受付けております。
最近では多重債務などの経済的問題に悩まれている方も多くいらっしゃいます。どのような
状況であっても、解決の道はきっと見つかります。できるだけ、問題が大きくならない早期の
うちにご相談ください。
また、借金の背景にあるギャンブルなどの浪費の問題については、こころの健康センター
でも相談をお受けしております。
さいたま市保健福祉局保健部健康増進課
〒330-9588
さいたま市浦和区常盤 6 丁目 4 番 4 号
TEL 048(829)1294 FAX 048(829)1967
E-mail [email protected]
ホームページ http://www.city.saitama.jp/www/contents/1206440592702/index.html
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