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子ども・子育て支援新制度の概要
◆ 子ども・子育て支援新制度の概要 ◆ 1 子育てをめぐる現状と課題 ○急速な尐子化の進行 ○結婚・出産・子育ての希望がかなわない 現状(独身男女の9割が結婚意思を持っ ており、希望子ども数も2人以上) ○子ども・子育て支援が質・量ともに不足 ○子育ての孤立感と負担感の増加 ○深刻な待機児童問題 ○放課後児童クラブの不足「小1の壁」 ○M字カーブ(30歳代で低い女性の労働力率) ○子育て支援の制度・財源の縦割り ○地域の実情に応じた提供対策が不十分 質の高い幼児期の学校教 育、保育の総合的な提供 保育の量的拡大・確保 ・待機児童の解消 ・地域の保育を支援 地域の子ども・子育て支 援の充実 資料:内閣府「子ども・子育て会議」(第1回)資料より 2 新制度の概要 (1) 子ども・子育て関連3法の趣旨 ◆平成24年8月、通常国会にて下記の子ども・子育て関連3法が可決・成立し、早け れば平成27年度に新しい制度が施行される。 ①子ども・子育て支援法 ②就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一 部を改正する法律 ③上記①および②の法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 ◆保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、幼児期 の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進。 ◆全ての子どもの良質な成育環境を保障し、子ども・子育て家庭を社会全体で支援す ることを目的に、 ・子ども・子育て支援関連の制度、財源を一元化して ・学校教育・保育の総合的な提供、保育の量的拡大・確保、家庭における養育支 援の充実を図るもの - 1 - (2) 新制度の主なポイント ◆認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(「施設型給付」)及び小規模 保育等への給付(「地域型保育給付」)の創設。 ◆地域の実情に応じた子ども・子育て支援(利用者支援、地域子育て支援拠点、放課 後児童クラブなどの「地域子ども・子育て支援事業」)の充実。 ◆認定こども園制度の改善(幼保連携型認定こども園の改善等) ・幼保連携型認定こども園について、認可・指導監督の一本化、学校及び児童福 祉施設としての法的位置づけ。 ・既存の幼稚園及び保育所からの移行は義務づけず、政策的に促進。 ・幼保連携型認定こども園の設置主体は、国、自治体、学校法人、社会福祉法人 のみ(株式会社等の参入は不可)。 ・認定こども園の財政措置を「施設型給付」に一本化。 (3) 新たな一元的システムの構築 ◆基礎自治体(市町村)が実施主体 ・市町村は地域のニーズに基づき計画を策定、給付・事業を実施。 ・国・都道府県は、実施主体の市町村を重層的に支える。 ◆社会全体による費用負担(国及び地方の恒久財源の確保を前提) ・「社会保障と税の一体改革」の中で、財源を確保。 ◆政府の推進体制・財源を一元化(内閣府が管轄) ◆子ども・子育て会議の設置 ・有識者、事業主代表・労働者代表、子育て当事者、子育て支援当事者(関連事 業従事者)が、子育て支援の政策プロセス等に参画・関与できる仕組み。 【認定こども園制度の改正】 《類型》 《設置主体》 幼保連携型 国、自治体、 学校法人、 社会福祉法人 《現行制度》 《改正後》 幼稚園 保育所 (学校) (児童福祉施設) ○幼稚園は学校教育法に基づく認可 ○保育所は児童福祉法に基づく認可 ○幼稚園・保育所それぞれの財政措置 幼稚園型 国、自治体、 学校法人 幼稚園 (学校) 幼保連携型 認定こども園 (学校及び児童福祉施設) ○改正認定こども園法に基づく 単一の認可 ○指導監督の一本化 ○財政措置は「施設型給付」で 一本化 保育所機能 ○施設体系は、現行どおり 保育所型 地方裁量型 制限なし 制限なし 幼稚園機能 保育所 (児童福祉施設) 幼稚園機能 保育所機能 ※既存の幼稚園及び保育所からの移行は義務づけない - 2 - ○財政措置は「施設型給 付」で一本化 3 給付・支援事業について (1) 給付・支援事業の全体像 ◆新制度のもとでは、行政が保護者等に提供するサービスとして、「子ども・子育て 支援給付」と「地域子ども・子育て支援事業」の2つに大別される。 制 度 全 体 子ども・子育て支援給付 地域子ども・子育て支援事業 ■施設型給付(都道府県認可) 認定こども園、幼稚園、保育所 ■地域型保育給付(区市町村認可) 小規模保育、家庭的保育、 居宅訪問型保育、事業所内保育 ■児童手当 ■利用者支援、地域子育て支援拠 点事業、一時預かり、乳児家庭 全戸訪問事業等 ■延長保育事業、病児・病後児保育 事業 ■放課後児童クラブ(学童クラブ) ■妊婦健診 (2) 子ども・子育て支援給付 ◆当支援給付は「施設型給付」「地域型保育給付」「児童手当」で構成される。新た に創設される給付は下表のとおり。 ◆国が統一的な基準等を設け、それに準じて各市町村がサービスを提供する。 給付の種類 施設型給付 概 要 ・平成27年4月から新たに創設される給付費で、保育 所・幼稚園・認定こども園に対する従来の財政措置と は異なり、保護者に対して市町村が施設型給付費とい う形で支給する。 ・各施設が保護者の代理として市町村に請求。 地域型保育給付 ・平成27年4月から新たに創設される給付費で、これま では市町村事業として個々の事業単位で整理されてい た下記の事業が一体的に整備される。 ・小規模保育、家庭的保育事業、居宅訪問型保育事業、 事業所内保育事業。 ◆現在、小規模保育や家庭的保育事業は市町村の事業として実施されている。新制度 のもとでは、保育の質の確保も図るために、客観的な認可の基準が設けられ、市町 村がその基準をもとに認可を行う形となる。 - 3 - (3) 地域子ども・子育て支援事業 ◆当支援事業は、市町村が独自に実施する各種事業が対象となっており、当支援事業 に含まれる事業は下図のとおり。 ◆前記の「子ども・子育て支援給付」とは異なり、市町村がそれぞれの地域の実情に 応じたサービスを提供する。 ◆新制度のもとでは、各種事業が「地域子ども・子育て支援事業」という大きな枠組 みの中に含まれることとなり、一体的な制度設計・運営が行われる。 資料:内閣府「子ども・子育て会議基準検討部会」(第1回)資料より - 4 - 4 新制度における市町村の役割 (1) 市町村の役割 ◆市町村は、子ども・子育て関連3法に基づく新制度の実施主体としての役割を担い、 そのために必要な以下の権限と責務が法律上位置づけられる。 ・子どもや家庭の状況に応じた給付の保障、事業の実施 ・質の確保された給付・事業の提供 ・給付・事業の確実な利用の支援 ・事業の費用・給付の支払い ・計画的な提供体制の確保・基盤整備 ◆【計画の策定と実施】 国が定める「基本指針」に基づいて、潜在ニーズも含めた 子ども・子育てに係るニーズを把握した上で、管内における新制度の給付・事業の 需要見込量、提供体制の確保の内容及びその実施時期等を盛り込んだ「市町村子ど も・子育て支援事業計画」を策定する。本計画をもとに、給付・事業を実施。 ◆【施設・事業の認可等】 地域型保育事業者の認可の際、市町村は、市町村計画に 基づき需給の状況の確認を行う。また、認可等を受けた施設・事業に対し、利用定 員を定めた上で、給付の対象とすることを確認。確認を行った市町村は、適正な給 付の維持のため、施設・事業に対し、指導監督を実施。 (2) 「市町村子ども・子育て支援事業計画」の策定について ◆平成27年度~31年度を対象年度とした「市町村子ども・子育て支援事業計画」を策 定し給付・事業を実施。(31年度以降も5年ごとに策定) ◆【ニーズ調査の実施】 計画策定にあたっては、国の基本指針に基づきニーズ調査 を行い(平成25年度)、その結果等をふまえて、下記の点について検討する。 ・圏域の設定 ・幼児期の学校教育・保育、子育て支援事業に係る需要量の見込み ・上記支援事業等に係る提供体制の確保の内容及びその実施時期 ・幼保一体化を含む子ども・子育て支援の推進方策 ◆【子ども・子育て会議の設置】 計画策定にあたっては、市町村内の関係当事者が 参画する仕組みとして「地方版子ども・子育て会議」を設置し、関係者当事者等の 意見を反映させるよう取り組む必要がある。 - 5 - (3) 新制度施行までのスケジュール 年度 国 釧路市 平成24年度 ○子ども・子育て支援新制度施行 準備室設置(内閣府) 平成25年度 ○子ども・子育て会議設立 ○釧路市子ども子育て会議設置 ○基本指針等検討 ○ニーズ調査 実施~取り纏め ○施設の認可基準、確認基準検討 ○教育・保育、子ども・子育て支 援事業の「量の見込み」を検討 ○保育の必要性の認定基準検討 ○公定価格の検討(実態調査等) ○子ども・子育て支援事業計画検 討 ○幼保連携型認定こども園保育要 領(仮称)検討 ○地域子ども・子育て支援事業に 係る市町村事業検討 平成26年度 ○公定価格の骨格検討 ○幼保連携型認定こども園保育要 領(仮称)ガイドライン等の策 定 ○教育・保育、子ども・子育て支 援事業の「確保方策」を検討 ○国が定める公定価格を踏まえ、 費用・利用者負担等を設定 ○保育の必要性、支給に係る認定 基準を設定 ○施設の認可・確認基準を設定 ○子ども・子育て支援事業計画策 定 ○制度管理システム検討・導入 ○認定・確認事務 平成27年度 新制度本格施行 - 6 -