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書面によるコミュニケーション

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書面によるコミュニケーション
Chapter9 Written Communication
2005/12/16
50144
斎藤
周平
Introduc tion
集めたり分析したりした情報を伝えるのに、図表やプレゼンテーションとならんで文書は不可欠。
一度書いた文書は何度も利用することができる。
目的、状況に応じた文書を作成する必要性。
Getting Starte d
文章を書く際に頭においておくべき事柄
・ 文書の目的は?重要な論点は何か。読み手の反応を期待しているか。
・ 読み手は誰か?
・ 以上から、どのような論調で書けばよいか?非公式なメモか、公式文書か、あるいは今後記
録として残されることはあるか。
・ 形式は?フォント、余白など。形式自体が情報、目的を伝えるひとつの要素である。
・ 長さは?目的によって自動的に決まってくる。適切な長さに収める必要がある。
・ 図表は含まれるか?もしあるなら文章と整合性を持たせること。
・ 正確で、完結しているか?専門家の書いた文章なら当然。
・ 適切な文体か?句読点、省略形など。
・ 適切な文法、スペル、用法か?
文章が書くのが苦手な人へのヒント
・目的についての簡単なメモを作る。意見を述べたいのか、質問をしたいのか。
・ アウトラインを作る。細かい項目は必要ない。大まかな枠組みとメモで充分。
・ 重要なところから書き始めてみる。導入と結論は後から書く。ワープロソフトを使うと編集
が楽にできる。
・ 書き始めが下手でも気にしない。とりあえず考えたことを書き下ろす。後からで直せる。
・ 似たようなレポートや手紙を見て、形式や定型文を参考にする。
・ 文書を読んで、文体や文章を(気軽に)チェックしてくれる人を探す。
・ ワープロソフトはスペル・文法チェックをしてくれるので便利。
・ 時間の余裕を持つこと。締め切りに追われて書くのはプロでも難しい!
Memos
・ 毎日のコミュニケーションは E メールになりつつあり、メモはきちんとした要請や見解の表
明に使われる場合が多い。したがって正式な文体がよいが、官僚的な表現は避け、シンプル
で明快に書けるとよい。
・ メモが使われる用途には、レポートの表紙(書かれた背景の説明として)やグループ全体へ
の情報の回覧などがある。
・ 基本的な形式
1

送信先(To:、グループ名でもよい)

発信者(From:、グループ名は避け、個人名を列記。責任の所在を明確にするため)

日付

題名(Re:または Subject:、単語よりも説明的な短文がよい)

転送先(Cc:)

内容
・ To:には内容に影響を受ける人、返答を期待する人を載せ、Cc:には直接的には影響がない人や、
反応を示す必要がない人を載せる。一般に配布する場合にはメモの最後に「このメモは○○
に公開されています」と述べておくとよい。Bcc は内容にはかかわらないが事務的にかかわる
スタッフなどに用いる。
・ 内容は導入、本題、結びで構成する。
Letters
・ 通常は組織外の個人に対して連絡を取るもの。
・ 正式な決定の通知などにも使われ、証拠として残る。
・ 基本的にはメモと同じ形式だが、手紙特有の表現、形式に注意する必要。
・ 書き出しの挨拶では、一人の個人名に敬称をつけて。個人宛でない場合は省略可。
・ サインの前の結びの言葉も相手に応じて。
・ 手紙には図表や長いデータ分析を載せるべきでない。必要な場合は参照すべき資料を同封す
る。2 ページ以上に長くなってしまう場合も同様で、本文は概要にとどめる。
E-mails
・ メモや手紙に取って代わりつつある E メールだが、以下の点に注意する必要がある。

ラフな文体になりがちであるが、スペルや文法、様式に紙と同様な注意を払うべき。印
刷して配布されるかもしれないし、転送されるかもしれない。

強調には大文字よりもアスタリスクなどを使うほうがよい。

添付ファイルは開けない場合もあり、重要な情報は(必要に応じて)本文に入れる。

電話や紙の連絡を忘れがちになるが、グループメンバーの E メール環境を確認して、連
絡漏れがないようにしておくこと。

E メールは多くの人に一度に情報を送りやすく便利だが、同時に相手に送り先全員のア
ドレスが流れることになる。個人を出さずに送れるリストを使うべき。メールソフトの
機能を研究して使いこなすこと。

転送や Bcc は注意して用いること。本人の知らないところでコピーされて不快感を与え
る恐れがある。

送信ボタンを押す前に 1 度考えること。深く考えずに送信しがちだが、完全にプライベ
ートな E メールはありえない。広く出回る可能性がある。
Reports
・ まずはアウトラインを考える。
2

目的は何か?

含まれる情報の種類は?

どのデータ、図表などを使うのか?

結論や強く推薦する提案があるのか?
・ 残りの文章は、その結論や提案が自然で明らかであるように導くためのもの。
・ レポートの基本的な構成

Title: 長すぎず、しかし完全に記述している文。

Introduction: レポートの目的を簡単に要約する。日付、場所、関係者などの情報も含む。

Background: より詳しい経緯や専門知識を必要に応じて記載する。

Body: すべての情報と分析、方法論を含む。

Data tables, charts and graphs: タイトル、凡例、通し番号、簡単な内容を記載し、本
文を参照しなくてもわかるように。導かれる結論も記す。

Illustrations, including maps and plans: 同様。場合により出典も。

Summary: 重要な点のまとめ。情報を整理するレポートならこれで終わってよい。

Conclusion: こちらでは情報を繰り返す必要はない。むしろ重要な発見を簡潔な提案へ
と変えるのが重要。

Executive summary: 長いレポートで必要。論文のはじめにおく要約と同様。

References, sources, or bibliography: 出典など

Appendices, 付表。大きいデータや参考程度のものは最後にまとめる。
・ レポートの書式

Headings and subheadings: 見出しのレベルによって大きさを変える。

Bullets and lists: 箇条書き。項目の関係に応じて番号を打つかどうかを決める。まとま
りのない項目の羅列にならないように注意する。

Fonts:

Serif fonts (such as Times Roman) are easier to read and are best for text.

Sans serif fonts (such as Helvetica) are good for headings and titles.

Italic fonts are useful for emphasis but are difficult to read.

Bold fonts are useful for emphasis in headings or within paragraphs.

Text boxes: 視覚的に非常に目立つが使いすぎに注意。

Color: 白黒コピーや E メール添付が難しいのであまり使わないほうがよい。

Margins 余白。大きすぎず小さすぎず、各辺 1 インチ程度(このレジュメくらい)。

Spacing: 混みすぎず、空きすぎないように。

Page numbering and dating: ページは必ず打つ。長く使う文書は更新した日付をヘッダ
やフッタに入れると便利。下書きの場合も DRAFT+日付と記入しておくと更新がわか
りやすい。
3
・ Language and Style
本に書き方は乗っているし、ワープロソフトが文法や類語チェックもしてくれるが、結局のとこ
ろ自分のスタイルは自分で作るもの。ただし、プランナーの文章は自己表現ではなく、コミュニ
ケーションである。読みやすく、かつ情報を効果的に伝えられる文体がよい。
以下のようなものは避けるべき。

ユーモア:個人で感覚が異なる。話すプレゼンテーションでは使い方に気をつければ有
効だが、文書では避けるべき。

口語表現・キャッチフレーズ

過度な文語体、文学的表現

過度な専門用語

過度に平易な言葉:読者層にあわせ適切な意味、ニュアンスを持つ言葉を使う。

不適切な語彙:

誤った用法:辞書で常に確認すること。

官僚的な文章:専門用語、受動態、動名詞など
・ Final Touches(校正)
次のようなことのチェックをする。

スペル、文法、スペースや句読点

文中の図表の参照も含め、数字や計算

書式や文体が適切であるか

参考文献や図表、その通し番号
これらを終えたら下書きマークを外して同僚や友人にチェックしてもらう。
Ordinances(条例)
プランナーは大小さまざまな法令の草稿作りをすることがある。基本的な書式は自治体ごとに決
まっている。言葉の用法に非常に注意し、正確でなくてはならない。一般に用いられている言葉
でも改めて定義することも多い。
議論しながら草稿を作る場合、特定の条項が議題となることもある。草稿のどこをどの段階でど
のように変更していったかをきちんと記録するとよい。
Support for Planning Groups
ファシリテーターやコーディネーターとして、どのような書類を作ると役立つか?
・ Agendas(議事日程表)

ただ項目を並べるだけではなく、議論の具体的な内容、優先順位、議論結果の影響など
も含めて見通しを作り、ミーティングに参加することで何が得られるかをはっきりさせ
る。また議論の本筋からの脱線を防ぐ。

ただし細かくしすぎると、する前から議論の内容を限定してしまう。最後に「Other
Items」という項を作っておくのも手。
4

レポートに関しては担当者を決める。

ずるずると延長しないためにタイムリミットを記すのも方法である。
・ Minutes(議事録)

出席者、日付、会議の内容を記録。Agenda がアウトラインとなることも多い。長い文
章ではなく、箇条書きなどを使って簡単に把握できるようにすべき。
・ Presentation

プレゼンテーションにもアウトラインや参照資料をまとめた文書は必要。
・ Announcements(告知、通知状)

タイトル

会議の目的、議事予定

日時、場所(簡単な地図)

連絡先

市民参加の形式:参加機会があれば予告しておく。事前に文書で提出してもらうな
ら連絡先を記す。
・ Assembling Packets

議事予定表、議事録、参考資料、プレゼンテーションの内容など必要な文書をまとめ、
使いやすくしたもの。会議ごとにバインダにまとめて表紙のメモをつけるとよい。
Proposals
計画案などを申請する場合はこれまでと全く異なる視点からの文書が必要となる。アピールして
売り込まなければならない。読み手の期待、要求に忠実に応える必要がある。
・ 情報をよく検討し、自分の提案が適切なものか確かめる。
・ 様式にきちんと従うこと。読む前からはじかれてしまう。
・ 締め切りを厳守する。まず交渉の余地はない。
・ 自分の提案はアセスメントなど 2 次的な費用がかかるものか確かめる。認可された場合その
費用を払ってくれるか?
Conclusio n
書き方を理解しても、まだまだ問題は多い。結論や提案を裏付ける要約や分析を書く能力は、情
報の選択能力、文章力、そして読み手のことをどれだけ知っているかである。これから実際の場
面でもっとも問題となるのは、読者とつながりを持って、自分の考えを自分の言葉で伝えられる
かどうかということ。努力と経験をつみ、準備をきちんとしてこれができるようになれば、プラ
ンナーとして強力な武器になるでしょう。
[コラム]
・ シンプルかつ明確に書く
・ 言葉のニュアンスに注意する
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