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中国市場における環境評価の動向と日本への影響

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中国市場における環境評価の動向と日本への影響
研究レポート
No.295
June 2007
中国市場における環境評価の動向と日本への影響
研究員 大隈 慎吾
主任研究員 生田 孝史
上級研究員 濱崎 博
富士通総研(FRI)経済研究所
中国市場における環境評価の動向と日本への影響
研究員 大隈 慎吾
主任研究員 生田 孝史
上級研究員 濱崎 博
【要旨】
本研究では、中国の環境問題の中でも社会問題化している食の安全性と都市部の大気汚
染問題に注目し、食品と自動車のそれぞれについて、中国都市部の消費者の環境配慮型商
品に関する意識を調査した。具体的には、上海市の消費者に対して聞き取り記入法による
アンケート調査を実施し、複数の属性について経済的価値を定量的に把握できる分析手法
であるコンジョイント分析を採用した。
環境配慮型食品に関しては、「有機食品」や「緑色食品」に関する認知度が十分に高く、
産地についても「近郊」の食品が好まれる。属性の重要性は、米については「味」が最も
高く、
「品質」
、
「産地」の順で続いた。環境配慮度を示す「品質」の限界支払意思額(MWTP)
は、米が約 2.1 元/kg、トマトが約 1.6 元/500g であり、両者とも、実際の市場における通常
品と緑色商品の価格差内にある。
自動車に関しては、運転免許の保有率が回答者の4割以下であったこともあり、メーカ
ーおよび駆動方式に関する選好はあまり明確でない。属性の重要性は、
「メーカー」、
「燃費」、
「駆動方式」
、
「馬力」の順であった。
「燃費」の MWTP は 7,570 元、
「駆動方式」の MWTP
は 6,820 元であり、ハイブリッドカーとガソリン車の価格差に比べて小さい。
中国都市部における消費者の環境に配慮した購買行動は、食料品のように身近な環境被
害に直結し、価格の安い日用品については、十分成熟しているものの、自動車のような環
境影響が間接的で価格の高い耐久財については、いまだ成熟していない。ただし、全体的
に環境配慮財に関する認知度は高まっているので、中国でのマーケティングにおいては、
環境配慮型商品市場の成熟のスピードについて注視する必要がある。
【目次】
1
はじめに..................................................................................................................... 1
2
調査概要..................................................................................................................... 2
2.1
調査地域の概要と回答者属性.......................................................................... 2
2.2
調査・分析方法 ............................................................................................... 7
アンケート調査結果................................................................................................... 9
3
3.1
調査対象商品に関する環境意識 ...................................................................... 9
3.2
推計結果および限界支払意思額 .................................................................... 12
3.3
回答者属性別の結果 ...................................................................................... 14
4
考察.......................................................................................................................... 17
5
まとめ ...................................................................................................................... 22
参考文献 ............................................................................................................................. 23
補論A アンケート質問票.................................................................................................. 24
補論B 回答者特性別推計結果........................................................................................... 30
1
はじめに
環境と経済に関するミクロ経済分析においては、環境に関して個人が認める経済的価値
を定量的に把握することが主眼となる。なぜなら、環境に関して個別企業が認める経済的
価値については、その企業が行う環境負荷軽減に対する投資や、生産活動における資源投
入比率といった外部から観察可能な変数によって推定することが比較的容易なのに対し、
個人が認める環境の経済的価値はあくまで主観的であり観測が困難だからである。
観測が困難な個人的な経済価値を推定するため、環境経済学の分野ではさまざまな実証
手法が試みられてきた。その中でも代表的なものは CVM(仮想評価法)とコンジョイント
分析であるが、CVM は単一属性しか評価できないという欠点があるため、本稿ではコンジ
ョイント分析を採用した。コンジョイント分析とは、個人の選好、すなわち、消費のため
に商品を選ぶ際の順序を定量的に推計する統計手法であり、推計には個人に対して行うア
ンケートデータを使用する。また、コンジョイント分析では、個人の選好を限界支払意思
額(Marginal willingness to pay)によって金銭換算し評価することができる。
コンジョイント分析については Louviere 他(1983, 2000)が詳しいが、もともとは精神科
学やマーケティングの分野で発達してきた手法である。環境の経済的価値評価にコンジョ
イント分析を応用した例としては、Viscusi 他(1991)による健康リスクの評価、Adamowicz
他(1998)による野生動物生息域保護の評価、萩島他(2004)による環境配慮型住宅の評価、谷
本他(2004)による環境配慮型空港建設案の評価、栗山(2005)による環境配慮型冷蔵庫の評価
等、数多くの研究成果があり、消費者の環境負荷軽減に対する選好については多くのこと
がわかっている。ただし、これらの分析はどれも先進国の消費者を対象としたものであり、
現在、越境汚染や貿易食品・薬品の安全等で国際的な問題となりつつある、東欧諸国、東
南アジア諸国、中国といった新興工業国の環境意識に関する研究がほとんどないことが惜
しまれる。
そこで、本稿では上記の先行研究の補完に資することを目的として、代表的な新興工業
国である中国都市部の消費者に関し、コンジョイント分析による環境の経済的価値の評価
を試みる。実際に評価を行う商品としては、近年、食の安全が中国で社会問題化している
ことから、環境配慮型の野菜(トマト)および穀物(米)を採用する。また、北京、上海
といった大都市において深刻な環境悪化の原因となっている自動車についても、ハイブリ
ッド技術等を施した環境配慮型商品を評価対象商品として採用する。これらの商品につい
て、中国の上海市で消費者アンケートを実施し分析に用いた。分析の結果は、日本におけ
る環境配慮型農産物のコンジョイント分析に関する先行研究である生田(2005)および佐藤
他(2005)、環境配慮型自動車の日本におけるコンジョイント分析の先行的な調査である株式
会社マーケティング・コミュニケーションズ(2003)と比較しながら議論を行う。
- 1-
2
調査概要
本稿の分析に使用するデータを収集するため、我々が実施したアンケート調査の概要は
図表 1 の通りである。
図表 1.中国の消費者を対象としたアンケート調査
①
形
式
:コンジョイント分析
②
調査対象世帯:食品関連アンケート 130 戸
自動車関連アンケート 130 戸
③
実施地域
:中国 上海市
④
調査形態
:現地の事情を考慮し、現地調査員が調査票を持って
対象世帯を訪問、あるいはファストフード店で
回答を依頼し、口頭で質問する聞き取り記入法を採用
⑤
実施期間
:2006 年 12 月 5 日~12 月 15 日
(出所) 富士通総研作成
アンケートの回答単位は世帯であるが、回答にあたっては、世帯に所属する1人の対象
者に全て回答してもらうよう配慮した。また、食品と自動車の質問票は別個に作成し、そ
れぞれ別の世帯が回答しても対応できるようにしたが、性別・年齢・年収等の回答者の属
性が食品と自動車で大きく乖離することを避けるため、実際の調査では、なるべく同一の
世帯に食品と自動車の両方について回答してもらうよう配慮した。その結果、食品と自動
車で 130 戸の回答世帯中 129 戸の回答者が共通となった。調査形態が聞き取り記入法とな
ったのは、日本の世帯向けアンケートでよく行われるような、調査員が質問用紙を配布し
後日回収するような形式が中国では普及しておらず、高い回収率が望めないという現地の
事情による。
2.1
調査地域の概要と回答者属性
本節では、まず調査地域となった上海市民の概要について述べ、アンケートの回答者の
属性が上海市民を代表するといえるかどうかを統計データと比較しながら検証する。
調査地域となった上海市は中国最大の商業・金融・工業都市であるが、我々は調査にあ
たって上海市内の幅広い地区から調査対象家計を抽出した。調査対象世帯 130 戸の地区別
の内訳は以下の通りである。浦東区(20 戸)、楊浦区(15 戸)、徐匯区(14 戸)、盧湾区(14 戸)、
虹口区(11 戸)、普陀区(10 戸)、静安区(9 戸)、宝山区(8 戸)、黄浦区(7 戸)、長寧区(7 戸)、閔
行区(7 戸)、閘北区(3 戸)、青浦区(2 戸)、嘉定区(1 戸)、金山区(1 戸)、松江区(1 戸)。
- 2-
各地区にはそれぞれ特徴があるが、代表的な地区について概説する。まず、最も回答の多
い浦東区であるが、新興のビジネス街である陸家嘴地区を擁し、この一帯は上海でも最も
所得の高い世帯が集中している(図表 2 参照)
。一方、浦東区の郊外には田園地帯が広がっ
ており(図表 3 参照)
、都心から移住した若年層世帯のための集合住宅も増えつつあるが、
平均的に所得水準はあまり高くない。次に回答者の多い楊浦区であるが(図表 4 参照)、こ
の地区は大学や研究施設が集積しており(図表 5 参照)、比較的若年層の住民が多い。所得
水準については、学問・研究施設が出来る前から住んでいた住民が比較的低所得層である
こと、教員や学生、研究者の所得が他の職種に比べて多くないことから、あまり高くない。
その次に回答者の多い盧湾区については、浦東区陸家嘴地区が発展する以前からの伝統
的な商業活動の中心地であり(図表 6 参照)、今も人口密度は高い。この地区に建てられた
高層マンションの住人は若年層が多く所得も比較的高いが、一方で、伝統的な集合住宅の
住人は以前からこの地区で暮らしてきた高齢者が多く、所得もあまり高くない(図表 7 参
照)。盧湾区には、このような高層マンションと伝統的な集合住宅が混在している。
図表 2.浦東区陸家嘴地区
図表 3.浦東区の郊外
(出所) 富士通総研撮影
(出所) 富士通総研撮影
図表 4.楊浦区にある団地
図表 5.楊浦区にある復旦大学
(出所) 富士通総研撮影
(出所) 富士通総研撮影
- 3-
図表 6.盧湾区の大通り
図表 7.盧湾区の伝統的な集合住宅
(出所) 富士通総研撮影
(出所) 富士通総研撮影
このように、本調査ではさまざまな地区のさまざまな層の消費者を対象とした。ただし、
食品や自動車に関する選好の評価を調査目的とするため、それらを購買する可能性の高い
年齢層と所得層が多くなるよう配慮した。
次に、統計データと回答者属性の比較であるが、上海統計局(2006)によると、2005 年に
おける上海市の人口は 1,360 万 2,600 人、世帯数は 496 万 6,900 戸である。人口の中で男
性が占める割合は 50.2%、女性が占める割合は 49.8%となっている。国家統計局人口司
(2006)による 2005 年の中国全人口における男性が占める割合 50.5%、女性 49.5%ともそ
う乖離はしていない。一方、我々のアンケートの回答者は男性 50.0%、女性 50.0%である
ので、性別の属性については代表性が補償されているといえる。
次に年齢階層の構成比であるが、国家統計局人口司(2006)による中国全国統計、上海統計
局(2006)による上海市統計、およびアンケート回答者に関する対比は図表 8 の通りである。
これを見ると、上海市は中国全体に比べ高齢層に偏った年齢分布を持っていることがわか
る。それに対し、アンケートの回答者は若年層の占める割合が多少高くなっている。
次に所得階層の分布であるが、アンケート回答者の所得階層構成比は図表 9 の通りとな
っている。
ここで、図表 9 における度数の分布密度が各階級内で中央値(例えば、5~10 万元の階級
なら 7.5 万元)に対し左右対称な形状をしていることを仮定して全回答者の平均年収を計算
すると約 10 万元となる。国家統計局の発表によると 2006 年の中国の平均年収は 1 万 1759
元なのに対し、上海統計局(2006)によると 2005 年における都市部家計の1人当たり総所得
は 2 万 6677 元であるので、上海市都市部は中国の平均的な所得層よりも高い収入を得てい
る家計が多いことがわかる。しかし、アンケート回答者の推定平均年収はその上海都市部
の平均よりもさらに高いので、他地域に比べ所得水準の高い上海市の中でも特に裕福な層
を中心に回答者が構成されていることになる。これは、自動車のような比較的高額な耐久
財でも購買する可能性のある世帯を調査対象に選定するよう配慮した結果である。
- 4-
図表 8.各種統計調査と回答者属性(年齢構成比)
中国の年齢構成比
18~34歳
35~59歳
60歳以上
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出所) 国家統計局人口司(2006)
上海市の年齢構成比
18~34歳
35~59歳
60歳以上
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出所) 上海統計局(2006)
回答者の年齢構成比
20~30代
40~50代
60歳以上
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出所) 富士通総研アンケートより
図表 9.回答者属性(所得階層構成比)
年収2.5万元未満
年収2.5~5万元
年収5~10万元
年収10~20万元
年収20万元以上
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出所) 富士通総研アンケートより
- 5-
ちなみに、新華網(http://www.sh.xinhuanet.com/)が 2006 年 9 月 20 日に配信した記
事によると、上海市の学士卒の平均年収は 2 万 5000 元、修士卒は 4 万 6000 元、博士は 5
万 7600 元となっており、また、20 歳以下の平均年収は 1 万 3592 元だが、31~45 歳では
5 万元以上、と学歴や年齢による所得の格差は大きい傾向がある。
最後に職業構成比についてであるが、上海統計局(2006)による統計データとアンケート回
答者に関する対比は図表 10 の通りである。
アンケート回答者では「その他」と回答した割合が高くなっているが、内訳として医師、
教員(大学教員含)らが多く含まれている。上海市の医師と教員は皆日本で言う公務員に
相当するが、現地では「公務員」というと事務職に従事する公務員という印象が強いため、
こ の よ う な 結 果 と な っ た 。 ま た 、 上 海 統 計 局 (2006) 統 計 デ ー タ に お け る 集 団 企 業
(collectively-owned enterprise)は、集団所有制によって運営される企業で、国営企業と
ともに公有企業として分類される。
アンケートと上海統計局(2006)では職業分類が異なるので直接的な比較は難しいが、民間部
門と公的部門の構成比率は、上海統計局(2006)とさほど乖離していないと認められる。
図表 10.上海市統計と回答者属性(職業構成比)
上海市の労働者の職業構成比
0%
20%
40%
60%
80%
民間企業
外資企業
集団企業
国営企業・機関
その他
100%
(出所) 上海統計局(2006)
回答者の職業構成比
0%
20%
40%
60%
80%
(出所) 富士通総研アンケートより
- 6-
100%
会社員
個人経営
自由業
公務員
主婦
学生
無職
その他
2.2
調査・分析方法
前節までで説明した調査によって得られたデータを用いたコンジョイント分析によって、
環境配慮型商品の経済的価値を評価するのが本稿の目的であるが、ここで用いられるコン
ジョイント分析について概説しておく。
コンジョイント分析は表明選好法、すなわち、環境の価値を直接たずねることで環境の
価値を評価する手法の一種であるが、ペアワイズ型、選択型等の様々な種類がある。本稿
の分析では、回答形式が現実の消費行動に非常に近い選択型を採用する。選択型コンジョ
イントは Louviere 他(1983)によって提案された手法で、アンケートの回答者は、様々な製
品特性を持つ商品のリストから自分の購入したい商品を選ぶことになる。選択型コンジョ
イントの詳細については Louviere 他(2000)を参照されたい。
選択型コンジョイントの推計には、質的変数を被説明変数とする条件付ロジット
(conditional logit)モデルが使用される。ここでの目的は、ある製品特性を持つ商品を消費
者が選んだか否かという質的(離散的)な情報を説明する変数を探すことなので、この推
計モデルが最も適している。条件付ロジットモデルについては、Maddara(1983)および
McFadden(1974)が詳しい。
最後に、条件付ロジットモデルによって推計された係数を用いて、限界支払意志額
(Marginal Willingness To Pay)を計算する。限界支払意志額 MWTP の算出方法その他
については Haab 他(2002)が詳しいが、ここでは環境配慮型商品の持つ様々な属性に対し
て、消費者が支払っても良いと考える金額を表すことになる。
アンケートの実施にあたっては、以上の分析手法に整合的な質問票を設計する必要があ
る。そこで、我々が作成した質問票について以下で説明する。
まず、質問票の中で我々は、図表 11 のような選択型コンジョイント形式の質問を回答者
に対して行っている。
図表 11.選択型コンジョイント形式の質問
次の 1~3 の商品のうち、あなたが購入したいと思う番号に○を付けてください。
属性1
属性2
属性3
1
水準1-4
水準2-1
水準3-3
2
水準1-2
水準2-2
水準3-1
3
水準1-3
水準2-4
水準3-2
(出所) 富士通総研作成
ここで 1,2,3 の縦列が表しているのは、質問が想定する商品が持つ品質や機能等のリ
スト表であり、縦1列分、すなわち 1 商品分のリストのことを以降「商品カード」または
「カード」と呼ぶ。「属性」は商品の品質や機能等の分類名であり、「水準」は属性の具体
的な値を示す。カードが持つ属性の水準値のバリエーションは、前もって図表 12 のような
属性水準表によって規定されている。
- 7-
図表 12.商品カードの属性水準表
属性1
水準1-1
水準1-2
水準1-3
水準1-4
属性2
水準2-1
水準2-2
水準2-3
水準2-4
属性3
水準3-1
水準3-2
水準3-3
水準3-4
(出所) 富士通総研作成
図表 13 は、トマトに関する質問で実際に使用された属性水準表(日本語訳)である。 1
図表 13.トマトの属性水準表
産地
近郊
その他国産
輸入
品質
有機栽培
緑色栽培
通常栽培
味
価格(元/500g)
極めて甘い
1.5
かなり甘い
3.0
やや甘い
4 .5
(出所) 富士通総研作成
コンジョイント分析はそれぞれの水準値に対して回答者がどの程度の価値を認めている
かを評価することが目的なので、1 人の回答者に属性水準表から考えられる全ての水準値の
組み合わせをカードで提示するのが望ましいことは言うまでもない。しかし、そうなると
提示されるカードの組み合わせは膨大な数となる。例えば、図表 13 から考えられるカード
数は 34 = 81 となり、それらを図表 11 のように 3 つにまとめて選択させても、回答者は 27
回選ばなくてはならなくなる。これは、回答にかかる時間やコスト、回答者の負担の点で
現実的ではない。そこで本調査におけるカードの設計は、実験計画法における直交配列表
を用いて行われた。これにより、条件付ロジットモデルの推計に影響を与えないようにカ
ードの枚数を制限することができる。例えば、図表 13 から作成されるカードは、直交配列
表から 12 枚で良いことになり、図表 11 のように 3 枚 1 組で構成される質問数も4問で済
む。実験計画法および直交配列表についは、谷本他(2004)の該当箇所を参照されたい。なお、
12 枚のカードは重複しないように 3 枚ずつランダムに選ばれ 4 組の選択質問となるが、そ
の詳細と実際に作成された選択問題の例は補論Aにまとめて掲載している。
その他、質問票では、
「その他国産」「有機栽培」「緑色栽培」等の属性水準値に関する理
解が回答者によって異ならないよう、水準値に使用される用語の説明文も付した。それに
ついても補論 A に掲載している。
1
より詳細な説明は補論Aを参照。
- 8-
3
アンケート調査結果
3.1
調査対象商品に関する環境意識
前節の方法によって作成された質問の回答を用いた条件付ロジットモデルの推計結果を
示す前に、本アンケートにおける他の質問に対する回答の集計結果を図表 14 に示す 2 。
図表 14 は、環境配慮型食品に関する認知度について問うた質問の集計結果である。これ
を見ると、「有機栽培」「緑色食品」 3 「地産地消」といった環境配慮型食品に関する回答者
の認知度は決して低くないことがわかる。
図表 14.環境配慮型食品の認知度
参考)
「有機食品」の認知度
「有機栽培」の認知度(九大生)
よく知っている
聞いたことある
聞いたことない
0%
20%
40%
60%
80%
よく知っている
聞いたことある
聞いたことない
100%
0%
「緑色食品」の認知度
20%
40%
60%
80%
100%
「特別栽培」の認知度(九大生)
よく知っている
聞いたことある
聞いたことない
0%
20%
40%
60%
80%
よく知っている
聞いたことある
聞いたことない
0%
100%
20%
40%
60%
80%
「地産地消」の認知度(九大生)
「地産地消」の認知度
よく知っている
聞いたことある
聞いたことない
よく知っている
聞いたことある
聞いたことない
0%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
20%
40%
60%
80%
100%
100%
(出所) 富士通総研アンケートより
次に、図表 15 で、異なる産地の野菜に対する購買意欲について訊ねた質問の集計結果を
示す。日本の結果と比較すると、第 1 位の多数派が「近郊」、2 位が「国産」 4 、3 位が「輸
入」である点は同じであるが、上海の回答では第 1 位、2 位ともに「輸入」がある程度の割
合を占めている。
図表 14 の右側に掲示しているのが、上海で行った本アンケートの結果である。左側は、上海での調査に
先駆け、九州大学総合理工学部の学部生・院生を対象に行った事前調査の結果(回答数 37)。
3 中国政府が“緑色A級”として認証する栽培方法で、有機栽培の次に厳しい環境・食品安全基準である。
詳細については補論Aの解説を参照のこと。
4 「近郊」以外の国産
2
- 9-
図表 15.買いたいと思う産地上位 3 位の回答構成比
参考)
買いたいと思う産地の第1位
買いたいと思う産地の第1位(九大生)
近郊
国産
輸入
0%
20%
40%
60%
80%
100%
近郊
国産
輸入
0%
買いたいと思う産地の第2位
20%
40%
60%
80%
100%
買いたいと思う産地の第2位(九大生)
近郊
国産
輸入
0%
20%
40%
60%
80%
近郊
国産
輸入
0%
100%
20%
40%
60%
80%
100%
買いたいと思う産地の第3位(九大生)
買いたいと思う産地の第3位
近郊
国産
輸入
近郊
国産
輸入
0%
0%
20%
40%
60%
80%
20%
40%
60%
80%
100%
100%
(出所) 富士通総研アンケートより
図表 16 と図表 17 は自動車に関する質問の集計結果である。図表 16 は、主要な自動車メ
ーカーの製品に対するイメージについて好印象な順に回答する質問の集計結果、
図表 17 は、
「ガソリン駆動」「ディーゼル駆動」「ハイブリッド方式」のうち、自動車の駆動方式とし
て好ましいと思う順に回答する質問の集計結果である。
自動車のメーカーについては、
日本の結果が国産企業、欧州企業、米国企業という明確な順位の傾向が現れているのに対
して、中国の消費者には一貫した傾向は見られない。また、駆動方式についても、「ハイブ
リッド」「ガソリン」「ディーゼル」という順位の傾向は共通しているものの、中国の傾向
は日本ほど明確ではない。
- 10-
図表 16.製品イメージ上位 4 社の回答構成比
参考)
自動車製品イメージ第1位
自動車製品イメージ第1位(九大生)
東風ホンダ
一汽トヨタ
上海VW
奇瑞
0%
20%
40%
60%
80%
100%
ホンダ
トヨタ
VW
GM
0%
20%
40%
60%
80%
100%
自動車製品イメージ第2位(九大生)
自動車製品イメージ第2位
ホンダ
トヨタ
VW
GM
東風ホンダ
一汽トヨタ
上海VW
奇瑞
0%
20%
40%
60%
80%
0%
100%
20%
40%
60%
80%
100%
自動車製品イメージ第3位(九大生)
自動車製品イメージ第3位
ホンダ
トヨタ
VW
GM
東風ホンダ
一汽トヨタ
上海VW
奇瑞
0%
20%
40%
60%
80%
0%
100%
20%
40%
60%
80%
100%
自動車製品イメージ第4位(九大生)
自動車製品イメージ第4位
ホンダ
トヨタ
VW
GM
東風ホンダ
一汽トヨタ
上海VW
奇瑞
0%
20%
40%
60%
80%
0%
100%
20%
40%
60%
80%
100%
(出所) 富士通総研アンケートより
図表 17.好ましいと思う駆動方式上位 3 位の回答構成比
参考)
好ましいと思う自動車の駆動方式第1位
好ましいと思う自動車の駆動方式第1位(九大生)
ハイブリッド
ガソリン
ディーゼル
0%
20%
40%
60%
80%
100%
ハイブリッド
ガソリン
ディーゼル
0%
20%
40%
60%
80%
100%
好ましいと思う自動車の駆動方式第2位(九大生)
好ましいと思う自動車の駆動方式第2位
ハイブリッド
ガソリン
ディーゼル
ハイブリッド
ガソリン
ディーゼル
0%
20%
40%
60%
80%
0%
100%
20%
40%
60%
80%
100%
好ましいと思う自動車の駆動方式第3位(九大生)
好ましいと思う自動車の駆動方式第3位
ハイブリッド
ガソリン
ディーゼル
ハイブリッド
ガソリン
ディーゼル
0%
20%
40%
60%
80%
0%
100%
(出所) 富士通総研アンケートより
- 11-
20%
40%
60%
80%
100%
3.2
推計結果および限界支払意思額
選択型コンジョイントの形式による質問の回答データを用いた、条件付ロジットモデル
の推計結果を以下に示す。サンプル数は、回答者数 130 に商品カード数 12 を乗じた 1560
である。また、推計結果表において、
“Source”は「産地」
、
“Quality”は「品質」
、
“Taste”
は「味」、
“Price”は「価格」の属性をそれぞれ表す。各属性がとりうる水準値については、
補論 A の属性水準表を参照されたい。
トマトに関する推計結果は図表 18 に示す通りである。属性「味」に関して係数が 10%水
準で有意となっていない。トマトの推計結果に関する MWTP(限界支払意思額)は図表 19
の通りである。「味」の MWTP は、推計係数が有意でないため計算できないので欠損値と
なっている。
図表 18.条件付ロジットモデルの推計結果(トマト)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.639
.704
.003
-.441
-2.770
標準誤差
.074
.076
.074
.079
.339
Wald
75.212
84.836
.001
30.765
66.803
自由度
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.973
.000
.000
Exp (B)
1.895
2.022
1.003
.644
.063
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
(出所) 富士通総研作成
図表 19.トマトの MWTP(単位は元/500g)
産地
1.450
品質
1.597
味
(出所) 富士通総研作成
米に関する推計結果は図表 20 に示す通りである。全ての係数が 1%水準で有意であり符
号条件も満たされている。推計係数 B を見ると、上海市の消費者は「味」、
「品質」、
「産地」
の順に重要視していることがわかる。米の推計結果について MWTP を計算した結果は図表
21 に示す通りである。
- 12-
図表 20.条件付ロジットモデルの推計結果(米)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
標準誤差
.075
.078
.070
.082
.344
.442
.659
.734
-.307
-4.025
Wald
34.894
71.445
110.026
14.012
136.542
自由度
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.000
.000
.000
Exp (B)
1.555
1.933
2.083
.736
.018
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
(出所) 富士通総研作成
図表 21.米の MWTP(単位は元/kg)
産地
1.439
品質
2.148
味
2.390
(出所) 富士通総研作成
次に自動車に関する推計結果を図表 22 に示す。自動車については、係数が全て有意で符
号条件も満たされており、係数 B による回答者が重要視する順序は、
「メーカー」
「燃費」
「駆
動方式」「馬力」の順になっている。MWTP を計算した結果は図表 23 の通りである。
図表 22.条件付ロジットモデルの推計結果(自動車)
方程式中の変数
属性
ステッa
プ 1
メーカー
駆動方式
馬力
燃費
価格
定数
B
.642
.362
.119
.402
-.531
-3.386
標準誤差
.046
.060
.059
.059
.060
.284
Wald
194.394
36.034
4.097
45.737
76.989
141.992
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
(出所) 富士通総研作成
図表 23.自動車の MWTP(単位は万元/台)
メーカー 駆動方式 最高馬力
1.211
0.682
0.224
燃費
0.757
(出所) 富士通総研作成
- 13-
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.043
.000
.000
.000
Exp (B)
1.901
1.436
1.126
1.494
.588
.034
3.3
回答者属性別の結果
前の小節ではサンプル全体の推計結果と MWTP(限界支払意思額)を示したが、ここで
はサンプルを性別、年齢階層、所得階層でコントロールして MWTP の比較を行う。ここで、
年齢階層は 40 歳未満を「若年層」、40 歳以上 60 歳未満を「熟年層」、60 歳以上を高齢層と
し、所得階層は世帯年収 5 万元未満を低所得層、5 万元以上を高所得層と定義している。ま
た、自動車については、自動車免許証を持つ回答者のグループと持たないグループ、日頃
運転をする(週当たりの平均運転時間がゼロより大きい)グループと運転をしないグルー
プ(週当たりの平均運転時間がゼロ)に分けて推計を行ったが、それら各グループの回答
者構成比率は以下の通り。
図表 24.回答者属性(免許所有状況、週当たりの平均運転時間)
回答者の免許所有状況
持つ
持たない
0%
20%
40%
60%
80%
100%
回答者の平均運転時間(h/週)
ゼロより大
ゼロ
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出所) 富士通総研アンケートより
サンプルグループ別に条件付ロジットモデルの推計を行った結果 5 から算出したMWTP
の一覧を以下に示す。ただし、条件付ロジットモデルの推計において、該当する属性の係
数が 10%水準で有意でない場合MWTPは欠損値となる。特に、「価格」の係数が 10%水準
で有意でない場合は、該当するサンプルグループ(表における行単位)のMWTP全てが欠
損値となる。また、比較のために図表 20, 22, 24 で示した全サンプルの推計結果による
MWTPも再掲している。
トマトの回答者属性別の MWTP は図表 25 に示す通りである。高齢層の MWTP は、価
5
サンプルグループ別の条件付ロジットモデル推計結果の詳細については補論Bを参照。
- 14-
格の推計係数が有意でないため全て欠損値となっている。欠損値でない MWTP の値につい
ては、「品質」に関して、低所得と高所得で大きな差が出ている。
米の回答者属性別の MWTP は図表 26 に示す通りである。高齢層の MWTP は価格の推
計係数が有意でないため全て欠損値となっている。欠損値でない MWTP の値については、
「産地」「味」に関して、低所得と高所得で大きな差が出ている。また、「産地」
「品質」に
関して、若年層と熟年層で大きな差が出ており、特に「産地」でその差が大きい。
図表 25.トマトの回答者属性別 MWTP(単位:元/500g)
全サンプル
男性
性別
女性
低所得
所得
高所得
若年層
年齢 熟年層
高齢層
産地
1.450
品質
1.597
0.846
1.333
1.525
1.477
1.243
1.161
1.085
1.904
1.975
1.273
味
0.540
(出所) 富士通総研作成
図表 26.米の回答者属性別 MWTP(単位:元/kg)
全サンプル
男性
性別
女性
低所得
所得
高所得
若年層
年齢 熟年層
高齢層
産地
1.439
1.680
1.301
0.920
1.748
0.849
2.202
品質
2.148
2.625
1.880
1.795
2.368
1.595
2.953
味
2.390
3.029
2.032
1.500
2.948
2.335
2.467
(出所) 富士通総研作成
図表 27 については次のことがいえる。
「メーカー」
「駆動方式」に関して、男性と女性で
大きな差が出ており、特に「メーカー」でその差が大きい。また、所得階層における比較
では、「メーカー」「駆動方式」に関して低所得と高所得で大きな差が出ており、特に「駆
動方式」で差が大きい。年齢階層での比較においては、「駆動方式」に関し、ほぼ同水準で
ある若年層と熟年層に対し、高齢層がかなり大きい値となっている。免許を持つか否かで
サンプルを分けた場合、
「メーカー」
「駆動方式」
「燃費」に関して、所有者と非所有者で大
きな差が出ており、特に「メーカー」「燃費」で差が大きい。日頃運転をするかどうかによ
- 15-
るグループ別比較では、
「メーカー」
「駆動方式」
「燃費」に関して、運転する者としない者
で大きな差が出ており、特に「メーカー」で差が大きい。
図表 27.自動車の回答者属性別 MWTP(単位:万元/台)
全サンプル
男性
性別
女性
低所得
所得
高所得
若年層
年齢 熟年層
高齢層
所有
免許
非所有
する
運転
しない
メーカー 駆動方式 最高馬力
1.211
0.682
0.224
1.976
0.920
0.758
0.528
0.270
0.863
0.391
1.374
0.823
0.233
1.384
0.659
1.067
0.545
0.371
1.173
1.618
2.460
1.190
0.856
0.530
0.261
2.224
1.004
1.005
0.612
0.225
(出所) 富士通総研作成
- 16-
燃費
0.757
0.810
0.731
0.604
0.830
0.949
0.720
1.449
0.559
1.209
0.665
4
考察
食品に関する条件付ロジットモデルの推計結果について、トマトについて(図表 18)は
「味」の係数が有意でなかったために、十分な分析をすることができなかった。これには、
今回、「味」の水準を「甘さ」の違いで設定したことが一因であったことが指摘できる。す
なわち、日本では、トマトを購入する際に、生で食べることを想定することが多いために、
「甘さ」が重要な選択肢として考えることが妥当であった。しかし、中国ではトマトが加
熱処理される傾向が高いために、「甘さ」に対する評価が分散してしまった(「甘い」こと
を評価する消費者と「甘くない」ことを評価する消費者がいた)ことが考えられる。
一方、米について(図表 20)は、全般的に有意な結果が現れ、係数の大きさによる重要性
は「味」、
「品質」、
「産地」の順であった。この結果を、生田(2005)による、日本での米のコ
ンジョイント分析の結果と比較してみよう。生田(2005)で用いられているコンジョイント分
析は本稿における選択型とは異なる完全プロファイル評定型であり、属性水準のバラエテ
ィも異なるので直接的な比較はできないが、(価格を除いた)属性の重要度は「産地」「品
質」「トレーサビリティ」の順になっており、「産地」と「品質」については本分析とは対
照的な結果が出ている。また、同じく日本の消費者を対象とした佐藤他(2005)の分析結果で
は、「鮮度」「品質」「産地」となっている。ただし、佐藤他(2005)の分析は米ではなく、ほ
うれん草を対象商品としていること、特性のバリエーションが異なることに注意しなくて
はならないが、「鮮度」を「味」に相当する特性だと考えると、上海とよく似た結果となっ
ている。
MWTP(限界支払意思額)について、トマトでは「品質」の MWTP が約 1.6 元/500g
(図表 19)となっている。MWTP は、商品の属性水準を自分が好ましいと思うものに変え
るために消費者が支払ってもよいと考える金額のことである。したがって回答者は、例え
ば、「品質」の水準を「緑色栽培」から「有機栽培」に変えるためにそれだけの金額を支払
ってもよいと考えていることになる。これを実勢価格と比較してみると、アンケートを実
施した 2006 年 12 月の上海では、通常栽培のトマトがおおよそ 2.2 元/500g、有機栽培の
トマトが 3.8 元/500g 前後で推移していた(図表 28 参照)。よって、有機栽培か否かによ
る価格差を約 1.6 元と考えると、MWTP=約 1.6 元/500g は妥当な水準といえる。米に関
する「品質」の MWTP は約 2.1 元/500g(図表 21)であったが、アンケート実施時点で
は、通常栽培の米がおおよそ 2.9 元/kg、無公害(有機栽培、緑色栽培等の環境配慮農産
物の総称)の米が 5.0 元/kg 前後であったので(図表 28 参照)、無公害か否かによる価格
差を約 2.1 元と考えると、
MWTP=約 2.1 元/500g となっているのは妥当な水準といえる。
- 17-
図表 28.調査対象商品の実勢価格
上海市内実勢価格(2006年12月時点)
トマト(栽培法表記なし)
2.2 元/2個(約500g) 前後で推移
トマト(有機栽培)
3.8 元/2個(約500g) 前後で推移
2.9 元/kg 前後で推移
米(品質表示なし)
5.0 元/kg 前後で推移
米(無公害表示付き)
28.8万元/台
ハイブリッドカー(1500cc)
ガソリン車(1800ccクラス)
18.9-20.4万元/台
(出所) 富士通総研調べ
サンプルグループ別の MWTP の比較においては、トマトの「品質」に関して、低所得層
の MWTP が約 1.1 元/500g であるのに対して高所得層が約 1.9 元/500g であった(図表
25)。このことから、高所得者の環境意識の高さが伺われる。また、米については、低所得
層の「産地」に関する MWTP が約 0.9 元/500g であるのに対して高所得層が約 1.7 元/
500g であり、低所得層の「味」に関する MWTP が 1.5 元/500g であるのに対して高所
得層が約 2.9 元/500g であった(図表 25)。近年、日本では「どこで採れた食品か」に消
費者全体がこだわる傾向があるが、上海では、高所得者が特にその傾向を持っていること
を表している。同時に、
「味」という「食を楽しむ」という方面にも関心を持っており、将
来の上海の市場を考えれば、現在の高所得層が選好する「味」の優先度がさらに高まって
いく可能性も示唆される。
予備質問における買いたいと思う「産地」の順位は、全体では「近郊」、「その他国産」、
「輸入」の順であったが、産地の1位の構成を見れば、「近郊」が8割を占めているが、次
点は「輸入」であり、
「その他国産」を第1位に挙げた消費者は 5%にも満たない(図表 15)。
すなわち、一部の消費者は「輸入」食品を買いたいと強く考えているということである。
中国都市部の大手食品スーパーにおいて、輸入食品というと、日本などからの高価格な食
品も少なくない。そして、高所得層になるほど、そういった輸入品を志向するグループが
多い(図表 29 参照)。日本で輸入野菜というと低品質低価格の商品を指すことがほとんど
なので、この辺りは中国に固有な傾向といえよう。
図表 29.買いたい産地第 1 位と世帯年収のクロス集計
20万元以上
10~20万元
5~10万元
近郊
2.5~5万元
他国産
2.5万元未満
輸入
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出所) 富士通総研アンケートより
- 18-
同じく、予備質問において、上海の消費者において「有機食品」や「緑色食品」に関す
る認知度が十分に高いことが示されていた(図表 14)。特に「緑色食品」については、対象
者の約 2/3 がよく認知しているという結果であった。
このように、少なくとも中国都市部の食品市場において、環境配慮型商品はすでに十分
な市場性を持っており、日本市場の動向と大きな違いはないということがいえる。日本に
おいても、環境配慮型食品に対する国内の消費者意識は高まっており、規制緩和による農
業新規参入者の多くが、有機・減農薬農産物を手がけているが、これらの高付加価値な農
産物は、国内需要に対して十分な供給力がないのが実情である。その一方で、中国等の富
裕層を対象に、リンゴやナシなど高品質な農産物の輸出を進めている生産者・農業団体も
存在している。中国での環境・安全食品に対する需要が高まれば、逆に日本の高付加価値
農産物にも活路が開ける。現在、中国では、緑色食品の普及拡大が図られ、輸出主体の有
機食品生産も活発である。今後とも、中国における環境配慮型食品に対する需要はさらに
大きくなることが予想されるとともに、今回調査で示されたように支払意思額も決して低
くないことから、日本の環境配慮型の農産物の参入余地も十分にあると考えられる。日本
農業の環境配慮型農業への本格的な転換が進めば、国内需要への対応に加えて、中国市場
での事業機会拡大にもつながるであろう。
自動車については、予備質問において「メーカー」や「駆動方式」といった属性で、日
本ほど明確かつ同質的な選好が見られなかった(図表 16, 17)。これは、中国では家庭用自
動車がいまだ普及段階にあるため、実際に日本車や欧米車を乗り比べた経験が乏しいこと
とともに、ハイブリッドカー等のメディア露出が少ないので、日本とは認知度に差がある
ためと考えられる。
自動車に関する条件付ロジットモデル推計の結果、上海の消費者は、自動車購入時に「メ
ーカー」「燃費」「駆動方式」「馬力」の順で重視していることがわかった(図表 22)。ここ
から、中国市場における自動車の位置づけを推測することができる。購入時に「メーカー」
を最重要視するのは自動車がコモディティ化していないことを示し、自動車は、
「メーカー」
のもつ安全性といった機能に関する信頼と、ステータスといった機能に関係しないイメー
ジが重要であるといえる。しかし、一方で、ハイブリッドの普及可能性もこの結果から読
み取ることが出来る。ハイブリッド導入により、燃費改善の効果が期待でき、中国におい
て補助金などの政策を取ることにより、ハイブリッド市場は大幅に拡大する可能性がある。
ちなみに、株式会社マーケティング・コミュニケーションズ(2003)による、日本で行った自
動車に関するコンジョイント分析では、重要度が「メーカー」
「車種」
「駆動方式」
「排気量」
の順になっている。
MWTPに関しては、図表 23 のMWTPから、回答者は燃費を 1 単位(L/100Km) 6 改
善するのに約 0.8 万元支払っても良いと考えていることがわかる。アンケート調査時点で、
日本では燃費の単位にガソリン 1L当たりの走行距離(Km/L)を用いるのが一般的だが、中国では通常、
100Km走行するのに消費するガソリンの量(L/100Km)を用いる。
6
- 19-
中国国内で販売されている自動車の中でも最も燃費が良いもの(ハイブリッドカー)は 4.7L
/100Kmであり、最も普及しているタイプの自動車(ガソリン車)の燃費は約 8L/100Km
であった。両者の間には 3.3 単位(L/100Km)の燃費差があるが、MWTPから回答者は
燃費を 1 単位改善するのに約 0.8 万元支払っても良いと考えていることになるので、3.3 単
位の改善なら約 2.6 万元余計に負担しても良いことになる。自動車ユーザーの年間走行距離
を約 1 万Km 7 、自動車の使用年数を 11 年 8 、ガソリン価格を約 4.7 元/L 9 と考えると、
燃費が 4.7L/100Kmの車と 8L/100Kmの車を購入から廃車まで乗り続けた場合の総ガソ
リン代の差額は約 1.7 万元であるので、回答者が余計に支払っても良いと考えている約 2.6
万元という水準はある程度妥当といえる。ただし、実際のハイブリッドカーと同性能のガ
ソリン車の価格差は約 9~10 万元もあるので(図表 28 参照)、約 2.5 万元の支払い意思額
だけでは購入は不可能である。あくまで「燃費」のみを基準として考えた場合、燃費の良
い車に乗ることで得るコスト削減に見合う支払い意思を持っているという点で回答者の方
が合理的なコスト感覚を持っているのに対し、メーカーの価格付けの方が高すぎると言え
る。もちろん、メーカーの価格付けは燃費だけでなくその他の性能やブランドイメージ等
の付加価値も加味して決定されているので、必ずしもメーカーの意識の方が誤っていると
は言えない。
自動車のサンプルグループ別 MWTP を男女で比較した結果からは、
「メーカー」に関し
て特に大きな差が出ていることがわかる(図表 27)。これは、男性のほうが自動車を運転す
る率が高いため(図表 30 参照)関心が高いことが原因と考えられる。
図表 30.日頃の運転状況と性別のクロス集計
女性
運転する
男性
運転しない
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出所) 富士通総研アンケートより
また、
「メーカー」
「駆動方式」の MWTP で低所得層と高所得層で大きな差が出ている理
由には次のようなことが考えられる。低所得者層にとっては自動車を所有することが重要
なのであり、「メーカー」「駆動方式」などにはあまり高い関心がない。しかし、高所得者
層にとって自動車はステータスシンボルであり、初めての購入ではないため、「メーカー」
「駆動方式」は商品選択において重要な要素となる。年齢階層別の比較では、高齢層が「駆
7 信頼できる中国のデータが存在しないので、
日本の値(社団法人日本自動車工業会の 2006 年統計データ)
で代用した。
8 脚注 5 と同じ。
9 おおよそ 2006 年 12 月の水準。
- 20-
動方式」に関してかなり大きな MWTP を持っていたが、これは、若年層と熟年層には日頃
運転をする回答者がいるのに対し、高齢者には運転をする回答者がいない(図表 31 参照)
ことが影響していると考えられる。すなわち、若年層と熟年層は運転の必要上からいろん
な情報に触れているため理解度に差がないのに対し、高齢層は入手する情報が少ないため
逆に過大評価している状況が考えられる。
図表 30.日頃の運転状況と年齢階層のクロス集計
若年層
熟年層
運転する
高齢層
運転しない
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出所) 富士通総研アンケートより
免許を所持しているかどうか、普段自動車の運転をするかどうかでサンプルを分けた場
合は、免許を所持し普段運転をするグループの MWTP の方が明確に大きいという結果が出
た。これは、当然ながらそのグループの方が自動車への理解と関心が高いためと考えられ
る。
- 21-
5
まとめ
今回分析対象とした自動車と食料品は、価格と環境(健康に対する安全性も含む)への
影響という観点から図表 32 に示すように分類することができる。
図表 32.価格と環境への影響における食料品と自動車のポジショニング
長期・間接的
自動車
環境影響
食料品
緊急・直接的
安い
価格
高い
(出所) 富士通総研作成
逆に言うと、図表 32 で示されているように対照的な特性をもつ商品であるからこそ分析
対象として採用したわけであるが、これらの商品について、中国都市部の消費者の環境に
配慮した購買行動に関する以下の帰結が得られた。
—
食料品のように、身近な環境被害に直結し、価格の安い日用品については、十分成
熟している。
—
一方、自動車のように、直接の環境被害に結びつかず、価格の高い耐久財について
は、環境配慮型財を求める行動はいまだ成熟していない。しかし、環境配慮型財に
対する認知度や好感度自体は比較的高いので、今後成熟する可能性がある。
商品特性に応じて、環境配慮型商品市場の成熟度は異なるものの、全体としては成熟す
る方向に向かっているものと考えられる。言うまでもなく、中国市場は巨大であり、中国
の消費者の 1%の行動の変化が、日本国内の1割にも相当する。今後、中国におけるマーケ
ティングを検討する際には、中国における環境配慮型商品市場の成熟度とそのスピードを
考慮することはますます重要となってくることは間違いなく、その動向を注視することは
これまで以上に必要となるであろう。
- 22-
参考文献
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McFadden, Daniel 1974, “Conditional Logit Analysis of Qualitative Choice Behavior” in
Zarembka, P. (ed.), Frontiers in Econometrics, Academic Press.
佐藤 真行・坂上 雅治・鈴木 靖文・植田 和弘・高月 紘 2005,
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上海統計局 2006,『上海統計年鑑』
中国統計出版社
谷本 潤・萩島 理 2004,「コンジョイント分析による環境開発を伴う空港整備事業の住民
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Viscusi, W.K., W.A. Magat, and J. Huber 1991, “Pricing environmental health risks:
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Journal of Environmental Economics and Management, Vol 21, pp. 32-51.
- 23-
補論 A アンケート質問票
トマトに関する選択型コンジョイント形式の質問の例(日本語訳)を図表 1 に示す。
図表 1.トマトに関する選択型コンジョイント形式の質問例
(1)次の 3 種類のトマトのうち、あなたが購入
したいと思う番号に○を付けてください
産地
品質
味
価格
1
輸入
緑色
極めて甘い
3.0
2
輸入
緑色
かなり甘い
1.5
したいと思う番号に○を付けてください
3
輸入
通常
極めて甘い
4.5
(3)次の 3 種類のトマトのうち、あなたが購入
したいと思う番号に○を付けてください
1
産地
近郊
品質
通常
かなり甘い
味
3.0
価格
(出所) 富士通総研作成
2
その他国産
通常
やや甘い
1.5
(2)次の 3 種類のトマトのうち、あなたが購入
1
近郊
有機
やや甘い
3.0
産地
品質
味
価格
2
3
その他国産
その他国産
有機
有機
かなり甘い かなり甘い
1.5
4.5
(4)次の 3 種類のトマトのうち、あなたが購入
したいと思う番号に○を付けてください
3
輸入
有機
やや甘い
3.0
産地
品質
味
価格
1
近郊
有機
極めて甘い
1.5
2
近郊
緑色
やや甘い
4.5
3
その他国産
緑色
極めて甘い
3.0
図表 1 では 3 枚 1 組で4問、計 12 枚のカードが使用されているが、(1)~(4)に現れるカ
ードの組み合わせは回答者ごとに異なる。これは、回答者が変わるごとに 12 枚のカードを
毎回シャッフルして 3 枚ずつの組に分け提示しているようなものである。この手順は、特
定のカードの組み合わせによって回答に偏りが出る可能性を排除するために行われる。
図表 1 のカードに使用される水準値は、図表 2 の属性水準表(日本語訳)によって規定
される。12 枚のカードは図表 2 の水準値を用い、直交計画表によって作成された。
図表 2.トマトの属性水準表
産地
品質
味
価格(元/500g)
近郊
3 有機栽培 3 極めて甘い 1
1.5
その他国産 2 緑色栽培 2 かなり甘い 2
3.0
輸入
1 通常栽培 1 やや甘い
3
4.5
(出所) 富士通総研作成
図表 2 の「産地」における“近郊”は上海市の近郊で収穫された商品、
“その他国産”は
上海市近郊以外で収穫された商品、
“輸入”は輸入商品を表す。
条件付きロジットモデルには、カードの水準値が説明変数として、そのカードが選ばれ
たかどうか(選ばれた場合は 1、選ばれなかった場合は 0)が被説明変数として投入される。
その際、各水準値は図表 2 における水準値の左側に付された数字によって数値化される。
「価
格」以外の属性の水準値は、カードを選択するという決定に貢献するもの、すなわち回答
- 24-
者が好ましいと思うものほど大きな数値になるよう設定されている。
「産地」の水準値に対
応する数字が空白になっているのは、コンジョイント形式の質問の前に、回答者が購入し
たいと思う産地を質問して(本文 3.1 節 図表 15 の質問)、それによって、1 位を 3、2 位を
2、3 位を 1 という風に数値化しているからである。つまり、“近郊”
“その他国産”“輸入”
がそれぞれどの数字に読み替えられるからは回答者によって異なるので空白となっている。
次に、米に関する選択型コンジョイント形式の質問についてであるが、使用される属性
水準表の一部に違いがあることを除き、カードの作成法、カードを組合せた選択肢の構成
法、「産地」の水準値を数値化する方法についてはトマトの場合と全く同じである。図表 3
に、米のカードを作成するのに用いた属性水準表(日本語訳)を示す。
図表 3.米の属性水準表
産地
品質
味
価格(元/kg)
近郊
3 有機栽培 3 極めて美味 1
3
その他国産 2 緑色栽培 2 かなり美味 2
4
輸入
1 通常栽培 1 問題なし
3
5
(出所) 富士通総研作成
「味」と「価格」がトマトの場合と異なっている。
ところで、トマトと米の属性水準表で用いられる“有機栽培”“緑色栽培”“通常栽培”
という用語に関して、回答者ごとの理解に齟齬が生じないよう、選択型コンジョイント形
式の質問に図表 4 のような解説文を付した(以下は日本語訳)。
図表 4.トマトと米の質問に付した解説文
野菜・穀物の栽培方法(つくり方)と特色について
○ 現在、野菜や穀物の栽培方法には「有機栽培」
「緑色栽培」
、それ以外の「通常栽培」があります。
・
「通常栽培」というのは、従来どおりの量の農薬や化学肥料を使って作る方法のことです。
・
「有機栽培」というのは、2年以上農薬や化学肥料を使わずに、生ゴミや糞などから作った
堆肥を使った畑で作る方法のことです。
・
「緑色栽培」というのは、政府が“緑色 A 級”として認証する方法のことで、
「有機栽培」と
は違って農薬や化学肥料を使いますが、使用量を「通常栽培」より減らしています。
方法のことです。
(同じ地域、同じ時期の「通常栽培」より回数や量が半分以下)
○ 「有機栽培」や「緑色栽培」は、農薬や化学肥料によって健康を害する危険性が少ないと言わ
れています。
○ 「有機栽培」や「緑色栽培」は、土壌や地下水を汚染することも少ないと言われています。
(出所) 富士通総研作成
次に、自動車に関する選択型コンジョイント形式の質問例(日本語訳)を図表 5 に示す。
- 25-
図表 5.自動車に関する選択型コンジョイント形式の質問例
(1)次の 3 種類の自動車のうち、あなたが購入
したいと思う番号に○を付けてください
(2)次の 3 種類の自動車のうち、あなたが購入
したいと思う番号に○を付けてください
1
2
3
メーカー
奇瑞
東風ホンダ 一汽トヨタ
駆動方式 ハイブリッド ディーゼル ハイブリッド
最高馬力
80
100
100
燃費
4
4
7
価格
12
30
21
1
2
3
メーカー
上海VW
上海VW
上海VW
駆動方式 ハイブリッド ハイブリッド ディーゼル
最高馬力
80
120
80
燃費
4
10
10
価格
21
30
30
(3)次の 3 種類の自動車のうち、あなたが購入
(4)次の 3 種類の自動車のうち、あなたが購入
したいと思う番号に○を付けてください
したいと思う番号に○を付けてください
1
2
3
メーカー 東風ホンダ
奇瑞
一汽トヨタ
駆動方式 ハイブリッド ハイブリッド ガソリン
最高馬力
80
100
120
燃費
4
10
7
価格
12
12
12
1
2
3
メーカー 東風ホンダ
奇瑞
上海VW
駆動方式 ガソリン ディーゼル ディーゼル
最高馬力
80
120
80
燃費
10
4
7
価格
21
21
12
(出所) 富士通総研作成
(5)次の 3 種類の自動車のうち、あなたが購入
したいと思う番号に○を付けてください
メーカー
駆動方式
最高馬力
燃費
価格
1
奇瑞
ガソリン
80
7
30
(6)次の 3 種類の自動車のうち、あなたが購入
したいと思う番号に○を付けてください
2
3
東風ホンダ 上海VW
ハイブリッド ハイブリッド
120
80
7
4
12
12
メーカー
駆動方式
最高馬力
燃費
価格
1
上海VW
ガソリン
100
4
12
2
3
一汽トヨタ 一汽トヨタ
ハイブリッド ディーゼル
80
80
4
10
30
12
(出所) 富士通総研作成
図表 5 のカードに使用される水準値は、図表 6 の属性水準表(日本語訳)によって規定
される。図表 6 の属性水準表には「メーカー」の水準値が 4 つあるため、直交計画表によ
って 18 枚のカード作成される。したがって、図表 5 では 18 枚のカードを全て使い切るた
めに、6 つの質問が設けられている。6 つの質問におけるカードの組合せは、トマトや米と
同じようにランダムに決定されるので回答者ごとに異なる。
図表 6.自動車の属性水準表
メーカー
東風ホンダ
一汽トヨタ
上海VW
奇瑞
駆動方式
最高馬力
ハイブリッド 1
80
ガソリン
2
100
ディーゼル 3
120
(出所) 富士通総研作成
- 26-
燃費(L/100km)
1
4
2
7
3
10
価格(万元/台)
1
12
2
21
3
30
図表 6 の「メーカー」における“東風ホンダ”はホンダの中日合弁企業、“一汽トヨタ”
はトヨタの中日合弁企業、
“上海 VW”はフォルクスワーゲンの中独合弁企業、
“奇瑞”は中
国国内の民族系メーカーを指す。
「メーカー」
「駆動方式」の水準値に対応する数字が空白になっているのは、トマトや米
の属性「産地」の場合と同じように、回答者が好ましいと思う順位を問い(本文 3.1 節 図
表 17 と図表 18 の質問)、それによって 1 位を 3、2 位を 2、3 位を 1 という風に数値化して
いるからである。
自動車の属性水準表で用いられている“ハイブリッド”“ガソリン”“ディーゼル”とい
う用語に関して回答者ごとの理解に齟齬が生じないよう、選択型コンジョイント形式の質
問には図表 7 の解説文(日本語訳)を付した。
図表 7.自動車の質問に付した解説文
■ガソリン車とは、こんな自動車です:
○最も一般的な自動車で、燃料はガソリンです。
■ディーゼル車とは、こんな自動車です:
○燃料には軽油が使われます。
○排気ガス(窒素酸化物)はガソリン車の約 2 倍から 20 倍出ます。
■ハイブリッドカーとは、こんな自動車です:
○ ハイブリッドカーは、ガソリン・エンジン(またはディーゼル・エンジン)と電気モーターの両
方で動きます。
○ ハイブリッドカーの運転に特別な操作は必要ありません。
普通のガソリン車と同じ感覚で運転す
ることができます。
○ エンジンと電気モーターの切り替えは、コンピュータが自動的に判断して行います。主に、ゆっ
くり走るときはモーターが、速く走るときにはエンジンが使われます。
○ 電気モーターを使って走っている時には排気ガス(窒素酸化物)が少なくなります。
(出所) 富士通総研作成
以上が選択型コンジョイント形式の質問に関してであるが、条件付ロジットモデルによ
る推計結果および MWTP(限界支払意思額)を解釈する上での助けとなるよう、予備的に
次のような質問も行った。図表 8 が食品に関する予備的な質問、図表 9 が自動車に関する
予備的な質問である。
- 27-
図表 8.食品に関する予備的な質問
あなたは1週間に何回くらい食料品を買いますか。
1.ほぼ毎日 2.週4~5回 3.週2~3回 4.週1回
5.週1回未満 6.買わない
あなたは野菜を買ったことがありますか。
1.ある
2.ない
上で「ある」と回答した方のみお答えください。
あなたはどこで野菜を買いますか。最もよく買う場所をひとつお選びください
1.野菜市場 2.スーパーマーケット 3.生産者から直接購入 (通信販売、ネット販売 等) 4.その他
あなたは食品に関する次の言葉を知っていますか:「有機食品」
1.よく知っている
3.聞いたことがない
2.よくは知らないが聞いたことがある
あなたは食品に関する次の言葉を知っていますか:「緑色食品」
1.よく知っている
3.聞いたことがない
2.よくは知らないが聞いたことがある
あなたは食品に関する次の言葉を知っていますか:「地産地消」
1.よく知っている
3.聞いたことがない
2.よくは知らないが聞いたことがある
さまざまな産地の野菜について、あなたが買いたいと思う順番をお答えください
1近郊:あなたが住んでいる地域やおとなりの地域といった、比較的近い場所でとれた野菜
2その他国産:あなたが住んでいる近隣以外の、比較的遠い場所でとれた野菜
3輸入野菜:外国でとれた野菜を船や飛行機で運んできたもの
1番( ) 2番( ) 3番( )
(出所) 富士通総研作成
図表 9.自動車に関する予備的な質問
あなたは自動車の運転免許証(普通免許証)をお持ちですか。
もしお持ちでしたら、免許を取得して何年たったかお答えください。
1.1年未満
2.1~3 年
3.3 年以上
4.持っていない
これまでに自動車を購入したことがありますか。
もしありましたら、台数をお答えください(新車および中古車の購入台数)
1.ある( 新車
台,中古車
台)
2.ない
これから新たに自動車を購入する予定がありますか。
1.1年以内に購入予定 2.3 年以内に購入予定
3.予定はない
あなたが普段自動車を運転する時間を 1 週間で合計すると、
だいたい何時間ぐらいになりますか。
1.1時間未満 2.1~3 時間
3.4~6 時間 4.7 時間以上 5.運転しない
上で「5.運転しない」と答えた方以外に質問します。
どういった目的で自動車を運転しますか。
1.通勤・通学
2.買い物
3.車を使う仕事 4.運転が趣味
- 28-
5.その他
(1) あなたは、以下の各企業の環境イメージについて、どのような印象をもっていますか。そ
れぞれの企業について、当てはまるものをひとつ選び、その番号に○をおつけください。
a.
b.
c.
d.
非常に悪い
悪い
普通
良い
非常に良い
わからない
1
1
1
1
2
2
2
2
3
3
3
3
4
4
4
4
5
5
5
5
6
6
6
6
東風ホンダ
一汽トヨタ
上海 VW
奇瑞集団
(2) あなたは、以下の各企業の製品(自動車)についてどういう印象をもっていますか。
良いと思う順番をお答えてください。
a.
b.
c.
d.
東風ホンダ(中日合弁 製品:シビック,アコード など)
一汽トヨタ(中日合弁 製品:カローラ,プリウス など)
上海 VW(中独合弁 製品:ゴルフ,ポロ勁情など)
奇瑞集団(中国企業 製品:風雲,QQ など)
1 番(
) 2 番(
) 3 番(
) 4 番(
)
次の 3 種類の駆動方式のうち、あなたが好ましいと思える順番をお答えください。
a. ハイブリッド方式
b. ガソリン車方式
1 番(
) 2 番(
(出所) 富士通総研作成
- 29-
c. ディーゼル車方式
) 3 番(
)
補論 B 回答者特性別推計結果
本文 3.2 節 図表 26, 27, 28 の MWTP(限界支払意思額)一覧を作成する際に用いた条件
付きロジットモデルの推計結果を図表 1 に示す。
図表 1.サンプルグループ別条件付ロジットモデルの推計結果
( )内の数字はサンプル数を表す
【トマト】
男性(N=780)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.655
.570
.003
-.171
-3.002
標準誤差
.102
.105
.102
.109
.484
Wald
41.298
29.244
.001
2.474
38.461
自由度
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.973
.116
.000
Exp (B)
1.925
1.768
1.003
.843
.050
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.962
.000
.000
Exp (B)
1.881
2.380
.995
.474
.077
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.773
.000
.000
Exp (B)
2.296
1.967
1.043
.536
.057
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
女性(N=780)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.632
.867
-.005
-.747
-2.558
標準誤差
.108
.113
.109
.119
.479
Wald
34.211
59.195
.002
39.378
28.557
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
低所得(N=432)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.831
.677
.042
-.624
-2.856
標準誤差
.147
.146
.146
.157
.645
Wald
31.793
21.422
.083
15.841
19.615
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
- 30-
自由度
高所得(N=1128)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.573
.715
-.010
-.376
-2.753
標準誤差
.085
.090
.086
.092
.399
Wald
45.018
63.430
.013
16.520
47.522
自由度
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.911
.000
.000
Exp (B)
1.773
2.045
.990
.687
.064
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.087
.003
.000
Exp (B)
1.626
1.915
1.195
.720
.056
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.119
.000
.000
Exp (B)
2.185
2.226
.829
.533
.075
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.005
.470
.189
.003
Exp (B)
2.524
1.975
.838
.715
.041
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
若年層(N=756)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.486
.650
.178
-.329
-2.874
標準誤差
.103
.109
.104
.112
.492
Wald
22.447
35.654
2.928
8.684
34.164
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
熟年層(N=648)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.782
.800
-.187
-.629
-2.589
標準誤差
.119
.122
.120
.128
.523
Wald
42.791
43.331
2.437
24.044
24.515
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
高齢層(N=156)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.926
.681
-.177
-.336
-3.194
標準誤差
.247
.242
.246
.256
1.088
Wald
14.059
7.935
.521
1.727
8.617
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
- 31-
自由度
【米】
男性(N=780)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.372
.582
.672
-.222
-3.730
標準誤差
.103
.107
.096
.113
.470
Wald
13.099
29.581
48.614
3.858
63.111
自由度
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.000
.050
.000
Exp (B)
1.451
1.790
1.958
.801
.024
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.000
.001
.000
Exp (B)
1.674
2.105
2.235
.673
.013
1
1
1
1
1
有意確率
.005
.000
.000
.005
.000
Exp (B)
1.502
2.211
1.941
.643
.021
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.000
.007
.000
Exp (B)
1.570
1.843
2.140
.772
.017
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
女性(N=780)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.515
.744
.804
-.396
-4.360
標準誤差
.109
.114
.102
.120
.509
Wald
22.281
42.382
61.783
10.942
73.343
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
低所得(N=432)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.407
.793
.663
-.442
-3.883
標準誤差
.145
.153
.134
.158
.662
Wald
7.852
26.752
24.402
7.782
34.386
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
高所得(N=1128)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.451
.611
.761
-.258
-4.078
標準誤差
.087
.091
.082
.096
.404
Wald
26.631
45.324
85.925
7.222
102.070
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
- 32-
自由度
若年層(N=756)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.298
.560
.819
-.351
-3.570
標準誤差
.106
.110
.100
.117
.475
Wald
7.891
25.966
66.589
8.953
56.526
自由度
1
1
1
1
1
有意確率
.005
.000
.000
.003
.000
Exp (B)
1.347
1.750
2.268
.704
.028
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.000
.036
.000
Exp (B)
1.812
2.219
1.946
.763
.010
1
1
1
1
1
有意確率
.023
.012
.004
.324
.000
Exp (B)
1.728
1.858
1.871
.775
.017
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
熟年層(N=648)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.594
.797
.666
-.270
-4.619
標準誤差
.119
.125
.110
.129
.562
Wald
25.024
40.447
36.648
4.374
67.579
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
高齢層(N=156)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Source
Quality
Taste
Price
定数
.547
.620
.627
-.255
-4.070
標準誤差
.240
.246
.219
.259
1.124
Wald
5.195
6.319
8.155
.971
13.117
a. ステップ 1: 投入された変数 Source, Quality, Taste, Price
- 33-
自由度
【自動車】
男性(N=1206)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.746
.347
.055
.305
-.377
-3.570
標準誤差
.065
.084
.082
.082
.082
.397
Wald
129.747
17.106
.446
13.976
20.984
80.754
自由度
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.504
.000
.000
.000
Exp (B)
2.108
1.415
1.056
1.357
.686
.028
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.024
.000
.000
.000
Exp (B)
1.714
1.455
1.212
1.681
.491
.039
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.031
.263
.001
.000
.000
Exp (B)
1.692
1.269
1.131
1.445
.544
.074
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
女性(N=1134)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.539
.375
.192
.520
-.711
-3.243
標準誤差
.066
.088
.085
.088
.091
.413
Wald
67.067
18.320
5.070
34.981
61.498
61.546
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
低所得(N=648)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.526
.238
.123
.368
-.609
-2.601
標準誤差
.085
.110
.110
.111
.115
.517
Wald
38.491
4.659
1.252
11.031
28.093
25.286
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
- 34-
高所得(N=1692)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.690
.414
.117
.417
-.502
-3.708
標準誤差
.055
.072
.070
.071
.071
.341
Wald
157.140
32.848
2.847
34.936
49.649
118.480
自由度
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.092
.000
.000
.000
Exp (B)
1.994
1.512
1.124
1.517
.605
.025
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.001
.581
.000
.000
.000
Exp (B)
1.849
1.340
1.047
1.524
.642
.039
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.007
.000
.000
.000
Exp (B)
2.052
1.443
1.284
1.624
.510
.023
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.775
.965
.015
.001
Exp (B)
1.705
2.088
.948
1.008
.634
.062
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
若年層(N=1134)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.614
.293
.046
.421
-.444
-3.239
標準誤差
.065
.085
.084
.085
.085
.406
Wald
88.911
11.796
.305
24.743
27.188
63.780
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
熟年層(N=972)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.719
.367
.250
.485
-.674
-3.778
標準誤差
.075
.096
.093
.095
.098
.456
Wald
92.997
14.515
7.160
25.783
47.053
68.741
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
高齢層(N=234)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.534
.736
-.053
.008
-.455
-2.783
標準誤差
.141
.204
.187
.181
.187
.853
Wald
14.244
13.083
.082
.002
5.951
10.640
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
- 35-
自動車免許所有者(N=846)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.814
.394
.025
.480
-.331
-4.286
標準誤差
.081
.102
.100
.101
.100
.495
Wald
101.385
14.759
.062
22.488
11.028
75.049
自由度
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.803
.000
.001
.000
Exp (B)
2.257
1.482
1.025
1.615
.718
.014
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.021
.000
.000
.000
Exp (B)
1.742
1.410
1.185
1.437
.523
.054
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.003
.531
.000
.003
.000
Exp (B)
2.201
1.428
1.077
1.536
.701
.017
1
1
1
1
1
1
有意確率
.000
.000
.050
.000
.000
.000
Exp (B)
1.813
1.437
1.142
1.482
.553
.042
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
自動車免許非所有者(N=1494)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.555
.344
.170
.363
-.648
-2.912
標準誤差
.057
.075
.073
.074
.077
.349
Wald
96.339
20.965
5.362
24.092
70.933
69.689
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
日頃運転をする者(N=594)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.789
.356
.074
.429
-.355
-4.057
標準誤差
.095
.120
.118
.119
.118
.577
Wald
68.723
8.826
.392
12.995
8.973
49.464
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
日頃運転をしない者(N=1796)
方程式中の変数
B
ステッa
プ 1
Maker
Driven
Power
FuelCost
Price
定数
.595
.362
.133
.394
-.592
-3.165
標準誤差
.053
.070
.068
.069
.071
.327
Wald
127.028
26.845
3.841
32.807
70.279
93.508
自由度
a. ステップ 1: 投入された変数 Maker, Driven, Power, FuelCost, Price
(出所) 富士通総研作成
- 36-
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