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岐阜県美濃 の 地方の観光知名度を上げるために 中務

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岐阜県美濃 の 地方の観光知名度を上げるために 中務
大阪府立大学人間社会学部人間科学科森岡正博研究室学生レポート 2011年度
み
の
岐阜県美濃地方の観光知名度を上げるために
こ
:来やー、ようけ見どころ、あるんやて
(来てよ、たくさん見どころ、あるからね)
中務はるか
1、 はじめに
に し み の
私は、岐阜県育ちである。岐阜県の西美濃地方、関ケ原の隣の小規模都市、大垣出身だ。だが、
遊びに行くとなるとあまり岐阜県内の観光をした記憶がない。大学に入り大阪府に来たが、関西
の人々にとっても岐阜県のイメージはあいまいなものが多かった。食べ物、有名人、お祭り…な
ど、
「岡山ならば、桃太郎の吉備団子」
「大分ならば、別府温泉か湯布院」といった観光的な代名
詞があまり思い浮かばない。よく知っている人でも、
「岐阜県といえば、飛騨高山の合掌造り、
ひ
だ
下呂温泉」といったかなり北の山間部ばかりになってしまいがちだ。山間部の飛騨地方から南下
した、平野部の美濃地方は日の目を見ていないと感じた。
岐阜育ちもよく分からず、他府県の人々にも観光的イメージが薄い岐阜県。とはいえ、岐阜県
(そして、その中でも美濃地方)にだって、きっと見どころはある。旅行好きの私は、観光的な
観点から、故郷である岐阜県の美濃地方を研究してみることにした。
もちろん、美濃地方の観光課の人々は何年も前からこの命題に取り組んでいるはずである。い
まさら、大阪府に身を置くこんな一大学生が、わざわざ問題化して取り組む必要があるのかとも
思う。一人の大学生がやることは、日々活動邁進する観光課の調査、分析、取組みの足元にも及
ばないだろう。
自分の研究が微々たるものだと自覚したうえで、岐阜県美濃地方の観光の現状を現地調査加え
ながら考察し、自分なりの精一杯の工夫を加えたマップ、パンフレットを提示したい。
また、現在の観光施策の評価は、私個人の主観に基づくものであり、ひどい書き方をしたもの
もあるだろう。ぜひ、現地を訪れたり、現物のパンフレットを見たりして、確かめてみてほしい。
このレポートを読んだ人が岐阜県の美濃地方に関心を持ち、観光してみたいと思ってもらえたら、
本望である。
このレポートの概要は以下のとおりである。
1. はじめに
2. 岐阜県美濃地方の観光の現状
現地調査を中心として
1
3. 観光地として発展するための条件の考察
4. 岐阜県美濃地方のそれぞれの観光的展望
ゆるキャラについて
5. まとめ
2.岐阜県美濃地方の観光の現状
まずは、岐阜県の基本的なことから紹介していきたい。
岐阜県とは、全国のほぼ中心に位置している。面積は、約 1 万 621 平方キロメートルで、全国
7 位の広さである。また、7 つの県(北から時計回りに富山県、長野県、愛知県、三重県、滋賀
県、福井県、石川県)に囲まれた数少ない内陸県の一つである。人口は、210 万人を超えている。
人口自体は、全国的に見ても決して少なくはないが、面積が広いがゆえに人口密度は低く、県内
でも飛騨と美濃で大きく地域差がある。
観光的な面では、山間部の飛騨地方に毎年、多くの観光客が訪れている。世界遺産白川郷を目
玉として、合掌造り、下呂温泉など、のどかな自然を前面に売り出して、全国各地から、また海
外から、多くの観光客を取り込むことに成功している。
一方、南側の平野部、美濃地方は観光面では長良川の鵜飼・アウトレ
ットモールなどで、他県から呼び込むが、飛騨地方に比べると小規模で
ある。
ここで、現地の美濃地方での観光調査を記載する。
この調査では
1. 現地の観光地の様子を見学する。
2. 現地の観光マップ、観光パンフレットを入手する。
3. 観光産業の工夫を調べる。
の 3 点である。
この調査において、実際に目の当たりにすることで、ネットや文献では知ることのできないそ
の土地の人々の様子、観光客の人の数、どんな年代の観光客が何に関心を持っているかなどを知
ることができ、非常に有益であったと言える。
なお、調査を行なった日の天候、シーズン、調査者である私の主観により、日常の観光地の様
子とは差異が出てきてしまうことは容赦していただきたい。一個人が感じたこととして、読んで
いただきたい。
【大垣市】
(基本情報)
人口 15 万人の西濃地区を代表する都市である。主な観光スポットは、駅前通である。2000 年
に『決戦関ヶ原大垣博』なるものがあり、1600 年の関ヶ原天下分け目の戦いから 400 年を記念
2
して、大垣で開催された。2 万人を超える来場者数があり、成功した。
しかし、現在、観光客数は伸び悩み、松尾芭蕉の『奥の細道 結びの地』として、枡の生産シ
ェア 80 パーセントとして、水都として、売り出そうともがいている。
(交通アクセス)
・〈電車〉JR 岐阜駅から 東海道本線で米原、京都方面に 3 駅
・〈車〉吹田 IC から名神高速鉄道で大垣 IC
小牧 JCT から中央自動車道、東名高速道路で大垣 IC
(有名なもの)

松尾芭蕉 俳句 奥の細道の結びの地

木枡の生産シェア 80 パーセント

水の都 平成の名水 100 選に選ばれる。
(街道)
大垣駅前の通りは、
「-松尾芭蕉の俳諧紀行-奥の細道」と名づけられ、松尾芭蕉が奥の細道
はまぐり
わかれゆくあき
の旅を終えたのが大垣であることから、締めの句「 蛤 のふたみに 別 行 秋そ」を刻む蛤塚を筆
頭に、街道には松尾芭蕉の詠んだ句が並べられている。
また、大垣は関ヶ原の合戦で西軍の石田光成が入城した大垣城を中心とした城下町であった。
大垣城は、先の戦災で焼失し、今は再建され歴史資料館となっている。道なりを歩くことで、か
つての城下町としての面影に触れることもできる。
来春には、
「奥の細道むすびの地記念館」がオープン予定であり、観光的発展が期待される。
街道には、観光客用に観光マップ、観光案内ボランティア、2 通りのお散歩コースが用意され
ている。お散歩コースの概要は以下のとおりである。

大垣城外堀(水門川)めぐりコース
大垣の駅前通りを流れる川沿いを歩くコース。神社、寺、史跡が点在する。川沿いに桜並
木があるため、桜の時期に訪れると川面に桜の花びらが浮かび、なんとも風流なけしきが
堪能できる。

み
の
じ
美濃路めぐりコース
閑静とした古い街並みが堪能できる。これといった目玉の建物はないものの、古き良きの
どかな街並みに触れたい都会人にはうってつけのコースである。
この 2 つのコースは、大垣駅を起点として、行きと帰りで、通ることのできる順路となっている。
この 2 つのコースは、全長 3 キロ余りである。
(お土産品)

水まんじゅう
5 月から 9 月にかけて、大垣商店街など各店舗で販売される。大垣の水にさらしたアクのな
い餡を葛に包み、冷やし固めて水ごと食べるもの。
涼しげで、のど越しさわやかである。
3

柿羊羹
大垣という地名の由来が、「大きな柿」から来ているといわれるほど、美濃の特産物、柿。
干柿に水あめ、砂糖を加えて練り上げ、寒天でゼリー状に煮詰めたもの。他にも、柿を使
ったお土産品には、のし柿、えんじゅ柿など多数販売している。

きんちょうえんまんじゅう
金 蝶 園饅 頭
安政年間から続く大垣の代表的銘菓。酒元種を饅頭でつつんだだけのあっさりとしていな
がらも、リピーター続出の名菓。
(物産)

俳聖かるた
松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶などの数多くの俳人から有名な句を選んで作られたかるた。
読み札、取り札とも文字が毛筆で書かれており、風情漂う。

豆ますストラップ
落ち着く香りがするヒノキを使い、職人が一つ一つ手作業で、1 ㎝³ほどの小さな升を作っ
てできたもの。
JR 大垣駅。在来線の米原―名古屋間
の乗り換えとして知られる。
大垣の駅前通り
観光客が写真を撮るスポット
4
ボランティアガイドのおじさん。
観光案内所①
5
観光案内所②
水と木枡でも有名な大垣
6
あまり売れてなさそうなお土産たち
【美濃市】
(基本情報)
岐阜県のほぼ中央に位置する、文字通り美濃を代表する町。人口はそれほど多くはなく、都市化
もされていない。日本家屋が連なるレトロな街並み、伝統工芸品である美濃和紙の産地として有
名である。街並み自体は、小規模ながらも、観光として拓かれたいくつかの住宅は、それぞれ個
性が出ていて面白い。また、一軒一軒のお土産屋さんお茶屋さんも、日本家屋の趣を活かしなが
ら売りだしている。
(交通アクセス)
〈電車〉JR 岐阜駅~美濃太田駅~長良川鉄道美濃市駅
〈車〉岐阜各務原 IC~美濃 IC
(有名なもの)

美濃和紙
1300 年の以上の歴史と伝統を誇る美濃和紙。繊細できめ細やかな風合いを持ち、美しく丈
夫な和紙として愛されている。美濃では良質の原料と清流により、和紙産業が栄えること
となった。また、和紙で財をなした町人たちにより、現在も残る町屋が築かれていること
から、美濃と和紙は、切り離せない関係である。奈良時代、平安時代には、朝廷の公用紙
として使われ、一時は衰退したものの、現在では灯籠、提灯、和傘、うちわに加工され、
伝統工芸品として名高い。

うだつ
うだつとは、日本家屋の屋根に取り付けられた子柱であり、防火壁でもある装飾だ。
「うだ
つが上がらない」という言葉にもあるように、うだつを上げるためには、多額の出費が必
要だったことから、うだつ=裕福な家の象徴となっている。美濃市は、前述にもあるよう
に和紙で栄えた町人の町であることから、裕福な町人たちがこぞって、うだつをあげた。
後述するそれぞれの住宅によって、うだつの形は違い、個性が出ている。また、うだつの
7
上がる街並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
(街並み)
もとは、裕福な町人の住宅であった。現在は、観光として、公開されている。その中でも、私の
一押しのものを紹介する。

山田家住宅
もとは町医者の家であり、現在は、和紙を使ったペーパーフラワーのギャラリーになって
いる。数百本に及ぶ色とりどりの花々は、年中枯れることなく、観光客を迎え入れる。奥
は、現在でも住む山田家の人々の生活スペースとなっており(私が訪れた時は、おばあち
ゃん 2 人が果物をほおばっていた(汗))
、観光的なスペースと生活空間が共存する、なん
とも不思議な空気を醸し出している。おそらく、器の広い岐阜県民だからこそ、なせる技
であろう。

小坂家住宅
もとは酒屋であり、建物は 1772 年に建てられ、国の重要文化財に指定されている。現在も
酒屋として営んでおり、伝統的な酒造方法を詳しく展示で解説してあったり、余った蔵が
岐阜県出身の美術家の展覧スペースとして公開されてあったりと、中身が充実している。

今井家住宅
もとは和紙問屋であった。公開されている住宅の中では、一番の部屋数を誇る。畳の部屋
が 20 個ほどあり、中庭なども含めて、とても広い。和紙問屋としての勘定台や客間として
の部屋など、部屋の用途も様々である。一つ一つの部屋が何に使われてあったのか、置い
てあるものは何なのかを、一緒に行った人と話しながらめぐるとかなり楽しめる。

美濃和紙明かりアート館
毎年美濃和紙あかりアート展が 9 月初旬に行われており、そこでの優秀作品を展示した美
術館である。応募作品は、地域の人々、全国の美大生、地域の小学生の夏休み課題として
幅広く、応募されている。美濃和紙でデザインされた明りは、とても幻想的で美しく、飾
られている和紙の明かりアートの数も多く、長い時間見学できる。
(お土産品)

和紙製品
手すき和紙から機械すき和紙まで様々な種類と色とりどりの和紙、それらの特性を生かし
た作品や小物がそろう。あかりアートはほのかなあかりで、和室だけでなく、洋室のイン
テリアとしても使えそうだ。また、和紙の原料から作ったオリジナルのあぶらとり紙もあ
り、ちょっとしたおみやげにも役立ちそうだ。

ほお ば
ほお ば
朴葉ずし、朴葉味噌
人気と知名度はいま一つだが、岐阜ツウには欠かせないお土産品である。朴葉の上に味噌
をのせ、その上に削り節、ネギ、椎茸の細切りなどをのせて一緒に焼きながら食べる郷土
8
料理。もとは、北の飛騨地方発祥のものだが、その独特の味わいから、南部の美濃地方で
も食されるようになり、その味付けは岐阜県内でも地域差がある。

うだつくん関連商品
ご当地ゆるキャラとして親しまれるうだつくんを使ったお土産品。ストラップ、おせんべ
い、クッキーなど、よくある商品にうだつくんの形や、うだつくんの焼印などつけられて
いる。売り上げは定かではないが、旅行のおみやげとして無難に攻めたい人に一定の需要
があると思われえる。私はおせんべいを買ったが、いたって特徴的は味付けはなく、やは
り「うだつくん」がお土産としての付加価値だと感じた。
うだつの上がる町並み
おしゃれなランプ屋さん
9
山田家のペーパーフラワー
小坂家の酒造工程の説明
あかりアート館に展示される
10
優秀作品
【岐阜・長良川】
(基本情報)
岐阜県の県庁所在地「岐阜市」の付近を流れる長良川。そこでは、毎年 5 月から 10 月にかけ
うかい
て、鵜飼が行われる。鵜飼は、全国でもこの岐阜の長良川がもっとも盛んに行っている。宮内省
によって、管理され、伝統的な価値も高い。このトピックでは、岐阜市の中でも鵜飼という観光
産業にのみ焦点を当て、解説していきたい。
(交通アクセス)
〈バス〉JR岐阜駅から 岐阜バスに乗り、長良橋バス停下車
かがみはら
〈車〉岐阜各務原Ⅰ.C 国道 21 号線から 156 号線を北進 岩戸トンネル出口を左折
(鵜飼の概要)

鵜飼とは
う しょう
鵜という水鳥を鵜 匠 という漁師が喉のところに紐を結び付けて、川に放つ。また、鵜匠はか
がり火を使って、水中のアユを驚かせ、うろこをかがり火の光に反射させることで、鵜にアユを
捕まえさせる。鵜の喉のところの紐は、ある一定の大きさのアユになると、鵜が呑み込めないよ
うになっている。鵜匠は、鵜に取ったアユを吐き出させることで、漁を行う。

歴史的価値
古事記、日本書紀にも鵜飼の記述はあり、その歴史は 1300 年以上続いている。長良川の鵜飼
用具一式は国の重要有形民俗文化財に、漁法、観覧船造船技術は岐阜市重要無形民俗文化財とな
っている。鵜匠は、宮内省式部職であり、代々世襲で受け継がれる。

鵜飼の観覧
鵜飼の時期は、5 月から 10 月の春から秋にかけて行われる。かがり火の光でアユを驚かせて
捕まえるため、日没から行われる。
観覧の流れとしては、まず受付を済ませ、鵜飼の説明を受け、屋形船に乗りこみ出船、川岸に
停泊(食事)、鵜飼観覧、下船となっている。受付から下船まではだいたい 3 時間ぐらいであり、
終わるのは午後 9 時前である。遠方からの観光客には、近くに温泉、ホテルもあり、宿泊する人
が多い。
値段は、大人が 3000 円から 3300 円(日にちによって異なる)子供は 2600 円から 2900 円であ
る。また、それぞれのニーズに合わせた乗り方もでき、学生のための修学旅行船、大人数での貸
切船、女性だけのレディース船、カップル専用船などがある。これらのコースは、値段が割り引
かれていたり、記念品がついていたりと何かとお得である。
(お土産)

鮎菓子
鵜飼でとれるアユを模したお菓子。鮎は入っていないが、やわらかいカステラ生地でお餅
(求肥/ぎゅうひ)を包んだ昔ながらの岐阜の銘菓であり、外はふわふわ、中はもちもちと
11
していて、やみつきになる。カステラの形が鮎をかたどっている。ほかにも、アユ関連の
お土産品には、鮎巻き昆布(骨までやわらかくなった鮎を肉厚の昆布で包み、うまみをた
すし
っぷりとしみこませてある)、鮎なれ鮨(岐阜の隠れた名物として知られる。鮎の塩漬けを
ご飯と一緒に漬け込んだ保存食。長良川鵜匠宅で代々作られてきた)といった特徴的なお
土産品がある。
鵜飼の船乗り場。
鵜。水どりなので、足がたくましい。
12
鵜匠の衣装。伝統的。
次に、それぞれの観光地での観光的な取り組み、観光パンフレット・マップの評価を述べたい。
あわせて、私の感想も記載する。
【大垣市】
(観光的な取り組み)
良い点

観光ボランティアが常駐する。
蛍光オレンジの目立つジャンパーを着たおじいさん。前述の大垣をめぐるコース内にいた
り、観光案内所にいたりする。マップを使って現在地を教えてくれたり、見どころを教え
てくれたり、とにかく親切である。

レンタサイクルがある。
後述の改善点でも指摘するが、大垣の駅前通りを廻ろうと思うとかなり距離があるのだ。
旅行者でも手軽にいろいろなところを散策するのには、自転車はもってこいなのだ。通り
は、平坦な道なりなので、すいすいとどこまでも行けてしまう。

観光案内所が多い。
3つもある。有人であり、観光パンフレット・マップが置いてあるほか、観光的な発展の
ために、観光客にアンケートに答えてもらうなど、これからの展望についても積極的に考
13
えている姿勢がうかがえた。また、アンケートに答えてくれた人に、大垣のおいしい水を
くれた。暑い日に行ったので、結構嬉しかった。ただ、外国人観光客をあまり相手にして
いないのか、「観光物産案内所-tourlist produce center-」となっていたのは残念だっ
た。
改善点

松尾芭蕉が目玉商品であるのに、銅像が建っているだけで、見る、遊ぶ場所がない。
歩くコースの道なりに銅像が建っているだけで、
「松尾芭蕉」を目玉商品に掲げているのに、
インパクトが薄いと感じた。来春には記念館も建つらしいので、改善されかけているが、
それにしても、これまでに松尾芭蕉を目当てに来た観光客は肩を落としたことだろう。

お土産物産品が異常にダサい(あくまでも個人的意見)
私自身が女子大生という若者だからなのか。ダサく感じてしまった。何がダサいかという
と、かるた・灯台のミニチュア・ハリヨ(小魚)のブローチといった、それを買っていつ
どこで使うのか、疑問に思う珍商品が目白押しだったことだ。観光案内所のお土産品展示
にほこりが積もっていたことからも、誰にも触れられず、買われることがなかったのでは
ないだろうか。買われることを狙わない、独自路線を貫く希少価値は高いかもしれない。
だが、お土産品としていかがなものだろうか。万人受けのするお土産品があってもいいの
にと思う。

観光コースが長い。
松尾芭蕉を売り出すだけあって、観光客はお年寄りが多い。どこかの俳句の会がプチ旅行
で大垣を訪れると聞いたことがある。だが、マップにも記載されている観光のコースを順
路通りに歩くと、2、3 キロもある。コースの中には、バスも通っていないため、一度歩き
だしたら、戻ってくるのにかなり時間と労力を要する。ボランティアがあちらこちらにい
て、炎天下の中歩いて倒れても助けがすぐに来そうだが、それにしてもなかなかハードな
道だ。
(観光パンフレット)
すい と じ か ん
に し み の
現在発行されているのは、
「水都時間 大垣」
「芭蕉と大垣」
「東西回廊 西美濃(大貝だけでな
く、西美濃地方全域が紹介されている)
」の 3 冊である。
・「水都時間 大垣」
…水の都としての大垣を売り出したパンフレット。3 冊の中で一番観光ガイドブックらしい体裁
をとっている。オールカラー全 23 ページにわたり、大垣の魅力を徹底的に記載している。ペー
ジも多いが、その中に書かれている文章もかなり長い。しかも書いてあることが、学校の社会の
時間に習いそうな、がっつりお勉強の内容。大垣市観光課の必死さがじわじわ伝わってくる、読
むと体力と頭を使いそうなパンフレットだ。大垣マニアには、お勧めの 1 冊。
・「芭蕉と大垣」
…その名の通り、俳句好き、芭蕉ファンにお勧めのパンフレット。内容は、句碑マップ、それ
ぞれの句碑に書かれている内容の説明、奥の細道むすびの地としての大垣の紹介、他県からの交
14
通アクセスである。見開き 4 ページで手軽であり、写真をつかって丁寧に説明されているので、
ファンにはとてもありがたそうだと思った。
・「東西回廊 西美濃」
…私お気に入りの 1 冊である。トピックは歴史的な観光地、文化的な観光地、きれいな水で有
名なことでの観光地とまとめられている。西美濃を知らない人を前提としたうえでの丁寧な導入、
歴史的な予備知識がない人でも見に行って楽しめる観光スポットの紹介、日帰りのドライビング
コースが載っている。私のお気に入りポイントとしては、まずレイアウトがきれいなことである。
色づかいもそうであるし、紹介したい観光地がわかりやすくどんどんと載せてあるのがいい。写
真やイラストを効果的に使ってある。紹介する地理的な範囲が広いため、どうやって回ったらい
いか分からなくなる(特に電車移動の場合)が、他県の人はこれに紹介されている中から、興味
がわいたものを選んで観光していったらいいのではないだろうか。
(マップ)
「芭蕉元禄の街大垣 城下町大垣観光マップ」
…大垣の駅前通りを芭蕉、城下町のテーマで示した地図。地図の中に番号を振って、番号ごと
に写真付きで丁寧な解説がなされている。詳しく分かりやすい。範囲は広いが、この 1 枚があれ
ば、おそらく道に迷うことはないだろう。難点をつけるとしたら、紹介されている見どころが、
~後、~銅像といった、あまり若者受けしなさそうな場所ばかりなことだ。おじいちゃん、おば
あちゃんがめぐるマップとしては、最適だと思う。
(総合評価)*10 点満点中
①
見どころは紹介されているか
8 点。3 つのパンフレットはどれもカラー印刷、写真付きで、大垣市が観光に力をいれてい
ることが伝わってきた。代表的な芭蕉は、ターゲットが高齢者に絞られるものの、その詳
細さは、ほかの地区の群を抜いている。
②
歩くルート(マップにおいて)は分かりやすいか
8 点。道に迷う心配がないほど細かに書いてある。見どころは、番号を振り、写真を使いな
がら紹介するところがとてもよかった。歩く距離が長いことだけ難点。
③
きれいなレイアウトか
7 点。
(「水都時間 大垣」5 点。
「芭蕉と大垣」6 点。
「東西回廊 西美濃」10 点。
「芭蕉元禄の街
大垣 城下町大垣観光マップ」7 点の 4 つの評価の平均点)
④
実際の観光地とパンフレット・マップとの差異がないか
4 点。私が地元民だから多少辛口になるが、あまりにも良いように書きすぎである。実際の
駅前通りの商店街は、シャッター通りである。大垣城も焼失しているため、再建されたが
新しく、あまり歴史的な価値はない。大垣城の客寄せのため、一時は最上階の展望台に当
時珍しかったプレステ 2 があったくらいである。はっきり言って、パンフレットでそんな
に良いように宣伝しちゃっていいのかとつっこみたい。
15
①+②+③+④=27 点。
【美濃市】
(観光的な取り組み)
良い点

街並みの統一がなされている。
観光的に公開されている住宅、会館はもとより、チェーン店の服屋、郵便局まで江戸時代
から続く街並みに沿った外観にしているのは、素晴らしいと感じた。どこを切り取っても、
その地区のどこを写真にとっても浮いているところがなく、古き良き日本家屋のたたずま
いが広がるのは、観光客にとって嬉しいだろうなと思う。

お土産屋さん、お茶屋さんがとにかくおしゃれ
観光的な展示施設はどこに行っても、ある程度の期待はできる。ただ、美濃市のすごいと
ころはそれに付随する、お土産屋さんやお茶屋さんまでおしゃれなことだ。日本家屋とい
う古いものの中に、わかものが不意つく色とりどりのランプ屋さん、ちょっと歩き疲れた
時に立ち寄れるお茶屋さんといった心憎い演出が満載である。
改善点

パンフレットが少ない。
がっつりしたパンフレットが多い大垣を見た後だからなのか、美濃観光の簡素ぶりに驚い
た。後述するパンフレット説明にも書いてあるように、もう少し観光名所を紹介して、売
りこんでいったほうがよいと思う。

「うだつの上がる街並み」にたどり着けない。
岐阜県民だが、このレポートを書くために美濃市に初めて行った。車で行ったのだが、ど
こが観光地なのか分からないのだ。
「うだつの上がる街並み」は住宅地の中にあるため、見
つけにくい。なんとか道路標識を見て着いたものの、街並みは車が一方通行。何度か同じ
道をぐるぐるして、やっと駐車場を見つけた。その日は、雨だから人通りは少なく良かっ
たものの、晴れで観光客が多くいたら、ひいてしまいそうだと思った。駐車場まで無事に
たどり着けるようになったらいいと思う。
(パンフレット)
「和紙とうだつのまち」
…手持ちサイズのひだ状になったパンフレット。うだつの見どころ、美濃和紙の 1300 年の歴史、
美濃和紙のアート館、会館の紹介、市街地拡大マップ、美濃市広域マップが載っている。お手軽
サイズでかわいいが、書いてある内容に統一感がなく、利用する機会があまりなかった。
「岐阜県美濃市 三館めぐり」
…旧今井家住宅・美術資料館、美濃和紙あかりアート館、美濃和紙の里会館の 3 つの会館が紹
介されている。それぞれの会館について、詳細な説明がなされ、
使われているイラストや写真は、
若い女性受けがしそうな、優しい色使いと気品に富んでいる。日本らしさが際立っているパンフ
16
レットなので、外国人向けの観光客にも、受け入れられそうである。
(マップ)
「うだつの上がる町並み散策マップ」
…全面イラストでかわいらしいデザインである。街並み自体が小規模なため、見せたい観光ス
ポットを矢印でその名称を書いているだけで、際立つ。観光スポットの説明も、名称の下にひと
言書き添えてあるだけで、観光客は実際に行ってみないと何があるのか分からない。簡素な中に
もトイレや駐車場といった必要なことは記載されているため、持っていると役に立つ。大垣のよ
うに歩くコース設定は、小規模なためなされていない。だが、道に迷うこともないだろう。
(総合評価)*10 点満点中
①
見どころは紹介されているか
6 点。大垣市とはうってかわり、こちらは宣伝しなさすぎだと思う。観光的な住宅や町並み、
おしゃれなショップなど、もっと紹介すべきだと感じた。
②
歩くルート(マップにおいて)は分かりやすいか
6 点。町並み自体が小規模なため、そこまで案内する必要はないが、初めて来た人用にモデ
ルコースがあってもいいと思う。
③
きれいなレイアウトか
6 点。
(「和紙とうだつのまち」5 点「岐阜県美濃市 三館めぐり」7 点「うだつの上がる町並み
散策マップ」6 点の平均点)
④
実際の観光地とパンフレット・マップとの差異がないか
5 点。はっきり言って、実際の観光地のほうが良すぎるのだ。景観、歴史的かちのある伝統
工芸、マップに載らない店の数々。大垣市並みに手の込んだパンフレットがあったり、ホ
ームページで宣伝したりすべきだと思う。
① +②+③+④=23 点。
【岐阜・長良川】
(観光的な取り組み)
良い点
・いろいろなターゲットを視野に入れている。
鵜飼の船のコースでも、カップル向け、修学旅行生向け、団体客向けといったいろいろなニ
ーズに対応できるようになっていた。また、観光パンフレットも韓国語、中国語、ポルトガル
語、英語などのさまざまな言語が用意してあり、岐阜バス・岐阜のホテルと提携したツア
ーも紹介されており、外国の方や全国の人々を呼び込もうとしているのが伝わった。

鵜飼の説明が丁寧。
17
パンフレットでも、ホームページでも、事務所でも、他県からの観光客が多いのか、鵜飼とは
何なのかについて、基本的なところから説明してくれた。事務所の人の対応は、とても親切で、
訪ねて行った日がちょうど雨で鵜飼が中止だったのだが、鵜飼の面白さについて、突然私にとて
も親切に説いてくれた。
改善点

交通の便が悪い。
改善できないのだが、車で来るしかないところにある。電車で来ても、結局バスに乗り換えな
ければいけないので、何かの観光のついでに鵜飼を見に来る手軽さがない。鵜飼の時間帯は、夕
方から夜にかけて行われるため、より何かの観光ついでであるメリットがあるとうれしい。

お土産品がかわいくない。
お土産品のところで、記述していなかったが、よくあるご当地キティちゃんとも鵜飼はコラボレ
ーションしているのだ。だが、びっくりするほどかわいくない。鵜がカラスにしか見えない、キ
ティは鵜匠のおじさんの衣装を着ているのでかわいさが半減している。
(パンフレット)
「ぎふ長良川の鵜飼」
…表紙には鵜を大きく描かれていてインパクトが大きい。美濃地方のパンフレットの中で、一
番印象深く、個人的には好きな表紙だった。A4 を見開きとして折っているだけの簡素なもの。
漁法の手引き、観覧の手引き、鵜匠と鵜の伝承の歴史の 3 つが記載されている。鵜とは何かにつ
いての基本的なことを知ることができる。
(マップ)長良川の鵜飼に限定しているので、範囲が狭く、適当なものがなかったので省略す
る。
(総合評価)*10 点満点中
①
見どころは紹介されているか
7 点。岐阜県出身だが、今まで鵜飼について無知だった私が、漁法から観覧までの知識を得
ることができた。実際に行って観覧したくなった。そういった意味で、パンフレットの効
果はあったのではないだろうか。
②
歩くルート(マップにおいて)は分かりやすいか …省略
③
きれいなレイアウトか
8 点。全くの主観だが、パンフレットの表紙を気に入ったので、この点数にした。この表紙
を見た人は、だれもが手に取ってしまうのではないだろうか。
④
実際の観光地とパンフレット・マップとの差異がないか
8 点。実際の鵜飼を見たことがない私がこれを評価するのも不適切だが、映像で見る鵜飼の
映像は、パンフレットに記載される観覧との違いはなかった。観覧船事務所、観覧船待合
所、観覧船造船所も見て回ったが、写真で紹介される通りであった。
① +③+④=23 点。
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3. 観光地として発展するための条件の考察
2 で行った調査から、私なりに観光客を誘致させるための条件を考察してみた。
1 つ目には、どの年齢層や男女を観光客として招きたいのか明確であり、また、宣伝も狙い目
の観光客が知ることのできる媒体であることだ。たとえば、お年寄りを集めたい場合、実際に配
布されている紙媒体でのパンフレットはある程度、有効だと考える。また、外国人観光客を狙う
のであれば、旅行会社などにツアーを組めるようにしておくこと、パンフレットには多言語に翻
訳しておくことなどが効果を見込める。
2 つ目はお土産品である。食べ物に関しては、お土産話のタネになることを目的とする。物産
品に関しては、飾っておけるなどして、使えるものが最適だと考える。食べ物のお土産品を見た
とき、クッキーやおせんべいといったものは、味にあまり特徴がないので、その土地の有名なも
のを描画、印字するなどして、話のタネになることがよい。また、大垣で言えば、柿。長良川で
言えば、鮎。それらのような名物として知られるものは、味で勝負するのが適している。物産品
は、使えるものであれば再度見て、その土地のことを思い出してもらえるため、よいと考える。
3 つ目は、街を紹介するパンフレット・マップ・観光案内所に統一感を持たせることである。
色彩、キャラクター、名産品などを多様にすると、観光客の中でイメージが固まりにくい。その
ため、観光客に案内するもの、目につくものに統一感を持たせることで、一定のイメージが生ま
れ、また誘致する側もアピールがしやすくなると考える。
4.岐阜県美濃地方のそれぞれの観光的展望
現地調査を行った観光地について、私なりのこれからの展望を述べたい。
【大垣市】
ターゲットは、お年寄りや俳句好きな人とする。パンフレット・マップの字をもう少し大きく
する、駅前通りのバリアフリー化を進めるなどが考えられる。また、有名なものとして、水・芭
蕉・升がある。芭蕉に関しては、観光的な案内が足りていると思われるので、升を使った商品、
キャラクター(後述参照)を推し進めることが有効である。
【美濃市】
評価でも示したように、一番パンフレット・マップがあっていいのに足りていない。また、ター
ゲットとして、家族連れ、若者、お年寄りと老若男女すべてに受け入れられそうだった。また、
駐車場までのマップがあるといい。あわせて、家族向けのマップを提案することとする。イラス
トが汚いのは、これから改善しようと思う。
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【岐阜・長良川】
鵜飼自体の観光的価値は高いため、抱き合わせ商法が適すると考える。鵜飼に来てもらった人に、
岐阜市の他の観光地を巡ってもらう、鵜飼に関連して鮎御膳を食べてもらうなど、周辺地域など
と連携することで、より広範囲にわたって観光的に売り出すことが可能だと考える。
ゆるキャラについて
近年、ご当地の観光 PR として、多く起用されているのがゆるキャラ(ゆるいマスコットキャラ
クター)である。彦根のひこにゃん、北海道のまりもっこり、奈良県のせんとくん、まんとくん
…などなど。観光地のキャンペーン活動、各種イベントに登場する。そのゆるいと評される、親
しみやすい外見は、各世代から好評化を受け、全国にゆるキャラが多数点在することとなった。
岐阜県にもゆるキャラは存在する。そのいくつかを紹介、評価するとともに、新たなゆるキャラ
についても考察していきたい。
NO.1
う
ー
た
ん
(
イ
ラ
ス
ト
:
http://www.gifucvb.or.jp/sightseeing/ukai.php、キグルミ:
http://blogs.yahoo.co.jp/hotchuo/17077058.html)
(概要)
長良川の鵜飼の鵜をイメージしたキャラクター
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鵜が着ているのは、鵜匠の衣装である。
(評価)

イメージしている物との関連性
…鵜も鵜匠の衣装も、分かりやすくてよい・

親しみやすさ、かわいらしさ
…実物の鵜と比べたら、はるかにかわいくデザインされている。

ネーミング
…大抵の人は、「うーたん」と聞いたら、NHK 教育番組「いないいないばあ」に出てくるキャラ
クター『うーたん』を思い浮かべるのではないだろうか。かぶっている。
「うっちー」
「うっちゃ
ん」でも良いと思う。

着ぐるみとして
…イラストにほぼ忠実であり、人間が入っても無理の無い形、サイズである。ただ、一つ注文を
つけるなら、鵜匠の服の色が、ボロ雑巾に見えるのは私だけだろうか。イラストのように、薄め
の青色にしたほうが、清潔感があったのではないかと思われる。
NO.2 うながっぱ
(イラスト、写真:http://www.unagappa.com/profile/index.html)
(概要)
岐阜県多治見市のゆるキャラ。
市の名物であるうなぎと、市の伝説となっている河童をあわせて作られた。
デザインは、アンパンマンで有名な、やなせたかし氏。
(評価)

イメージしている物との関連性
…頭のお皿から、河童。唇、手、尻尾からうなぎと、とても分かりやすい。

親しみやすさ、かわいらしさ
…さすが世界のやなせたかしである。うなぎと河童という、ぬるぬるした魚と
妖怪を組み合わせても、気持ち悪さが微塵も無く、かわいらしく仕上がってい
る。
ネーミング
…分かりやすい。

着ぐるみとして
…中の人間の手がどこに収納してあるのだろうか。呼吸口はどこなのだろうか。デザインとして
は、とてもクオリティーが高いが、中の人間を心配してしまう。
NO.3 うだつくん
(イラスト:http://shop.plaza.rakuten.co.jp/anime-frontier/diary/listDaily/20110509/、
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写真:http://www.jichitai.com/ouendan/character/ViewCharactor.asp?id=94)
(概要)
美濃市のうだつをイメージしたキャラクター。うだつの上がる町並みを PR す
る。
(評価)

イメージしている物との関連性
…うだつ自体の知名度が他の物と比べて低いために、キャラクターとして認
知されにくい。
しかし、それだけキャラクターにして認知してもらう価値がある上に、
他のものとのかぶる要素が少なく、唯一無二の存在である。

親しみやすさ、かわいらしさ
…顔のつくりがシンプルすぎて、なかなか評価しづらい。ごてごてしたキ
ャラクターよりも無難であるため、末永く愛されるであろう。

ネーミング
…先ほどにも述べたようにうだつ自体の知名度が低いため、他のものとの
コラボレーションをする必要が無い、特異性がある。顔も、名前もシンプ
ル・イズ・ザ・ベスト。

着ぐるみとして
…他のキャラクターが布地をもとに作っているのに対し、材質は、ビニール。風船みたいで
かわいらしい。
私の考えるゆるキャラの提案
紹介・評価をしていくうちに、以下のような点に気を付けて、ゆるキャラを作成してみた
・イメージしている物との関連性が高いこと、
・親しみやすさ・かわいらしさがあり、子ども受けすること、
・ネーミングが関連商品とマッチし、呼びやすいこと
・イベントなどを行うとき着ぐるみとして、人間が入るのに無理のない設計になっていること
である。
そして、大垣市、美濃市、岐阜・長良川の中で唯一ゆるキャラのなかった、大垣市のゆるキャラ
を提案することとする。先にも述べたように、升の生産地として、大垣は有名だが今一つアピー
ルができていない。そこで、より広く知ってもらうために、升をイメージしたキャラクターを作
成した。
【大垣市ゆるキャラ;マッス(枡)ルくん】
キャッチフレーズ:大垣観光のために、一升(一生)懸命頑張りマッスル
設定:大垣観光のために立ち上がった熱血少年、マッスル。正義の味方なので、頭に枡の被り物
をし、本当の顔はさらさない。トランクス型(通称枡形)パンツに身を包み、どんな敵にも(ほ
ぼ)裸一貫で、勝負をつける。北海道のまりもっこりに負けない、全身もっこりとした筋肉であ
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る。
5.まとめ
岐阜県の観光を調べるに当たり、観光課のお世話になったことに対し、まず心から感謝を申し
上げます。親切に対応してくださったおかげで、想像していた以上に知ることができたと思いま
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す。
そして、観光的な知名度を上げることを目的としていたが、批判するのは容易く、アイデアを
出すのは難しいことを痛感した。パンフレット・マップ・案内所・お土産品…など、どれをとっ
ても作った地元民の愛が感じられ、それを見に来てくれた観光客の方に伝えたい熱意が込められ
ていることを知った。それらをよりよいものにする努力も必要であるし、どうやってどんな情報
媒体を使って広めるのかなど、手段の面でまだまだ考察の余地が十分にある、未熟なレポートに
なった。これからも故郷を思う気持ちを忘れず、他県の人に岐阜県美濃地方をよりわかりやすく
知ってもらえるように、邁進していきたい。
参考文献、HP
・全国ご当地キャラがよくわかる本~誕生秘話からおもしろエピソードまで~
PHP 文庫 2009/9/16 株式会社レッカ社編
・ゆるキャラの本
扶桑社 2006/4/10 みうらじゅん
・観光の社会心理~ひと・こと・もの3つの視点から~
北大路書房 2006/3/30 前田勇 佐々木土師二 監修
・創造都市のための観桜進行~小さなビジネスを育てるまちづくり~
学芸出版社 2009/12/20 宗田好史著
・現代観光学キーワード事典
学文社 1998/4/18 前田勇編
www.ogakikanko.jp/
www.minokanko.com/
www.kankou-gifu.jp
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