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味の素株式会社食品グローバル開発センター

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味の素株式会社食品グローバル開発センター
No.12-003-2010更新
味の素株式会社食品グローバル開発センター
味の素株式会社
設計・監理
大成建設株式会社一級建築士事務所
施工
バルコニーによる日射負荷の低減(南側リサーチガーデン)
新築
研究所
AJINOMOTO CO.,INC. Food Products Global R&D Center
発注者
コンパクトダブルスクリーン
カテゴリー
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
TAISEI DESIGN Planners Architects & Engineers
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
大成建設株式会社
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
人と人、人と自然が対話する研究環境づくり
計画概要
本プロジェクトは、川崎事業所内に散在する食品研究開発
南側リサーチガーデンに面してバルコニーを設置し、アメニ
部門を集約し、個々の「知」の集積と、最先端の創造的研究
ティスペースを提供すると共に、夏場の日射を遮り、空調負
開発を行うことを意図している。
荷を軽減し、冬には日射を取り込むことで快適なコミュニ
■ まちなみ・景観への配慮
ケーションスペースを提供している。
食品会社として開かれた親しみのある施設とするため、ガ
クールピットの採用による空調負荷の軽減
ラスカーテンウォールによる透明感と、周辺地域との調和
を意図して建物ボリュームの分節化を図っている。また、
家を連想させる勾配屋根の形状として親しみやすいイメー
ジを表現し、清潔感のある白を基調とした外装にすること
モデルによる年間冷暖房負荷検討
で、街並に新たな景観を創出している。
■ 建物の熱負荷抑制
南側に設けられた実験室は「食」の研究開発に相応しい、
南側全景
明るいオープンキッチンともいえる実験環境を提供してい
る。一方で、実験室としての適切な温熱環境を実現するた
めに、ダブルスキンカーテンウォールシステムのコンパク
クールピット断面図/平面図
トダブルスクリーン(T-Façade Air)を採用し、開放性と
研究居室への外気の導入を年間を通して温度がほぼ一定な免
快適性の両立を図っている。また、北側の研究居室は個人
震層内を介して行うことにより、夏は外気の予冷、冬期は外
での集中したワークエリアとして、あえて開口を抑え、コ
<季節に応じた温熱コントロール>
ンセントレーションに最適なスペースを提供している。こ
のランダムに開けられた開口部は、北側の冷輻射の低減と
して熱負荷を排出している。
鉄道騒音対策にも貢献している。さらに南側のリサーチ
した快適な環境づくりを行っている。
ペースとしての開放感と日射抑制を実現するため、出幅を
<電動ブラインドによる日射コントロール>
考慮したバルコニーを設けている。
・自動制御の電動ブラインドにより日照に応じた採光のコントロー
■ 自然エネルギー利用
北側全景
自然の恵みを大切にする企業理念を踏まえ、自然エネル
ルを行い、常に最適な光環境を保ち続けている。
<薄型化>
ギーを活用したクールピット、雨水の散水利用、昼光セン
・従来のダブルスキンシステムに対して約1/3に薄型化し(奥行き サーによる自然光の積極的な利用等の技術を導入し、環境
220mm)、室内の有効面積を大幅に拡大している。
への取り組み姿勢を表現している。
<ユニット化>
■ 設備システムの効率化
・ユニット化による短工期化と、軽量化を実現している。
研究居室では半間接照明により視覚的な明るさを確保しつ
研究居室は、既製品の露出型照明器具にパンチングメタルの
るさ感を出しつつ、平均照度350lx程度に抑え、机上面とパ
チャンバーは、排気風量に応じて供給量を可変し、外調エ
ネルギー削減を行っている。
配置図兼2階平面図
CASBEE評価
省エネルギー性能
神奈川県川崎市
2006 年
9,944㎡
16,728㎡
鉄骨造
地上5階
タスク&アンビエント照明
セードを取り付けることで半間接型の照明とし、天井面の明
つ、実照度を低減し、省エネ化を図っている。ドラフト
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
タスク&アンビエント照明
・冬は換気方立部分を閉鎖することで二重サッシの温室効果を利用
ガーデンに面するコミュニケーションスペースは、交流ス
建物データ
気の予熱を行い、空調エネルギーの削減を図っている。
・夏は換気縦方立部分を開放することで二重サッシの間に外気を通
PAL削減
21 %
Sランク
BEE=3.6
2004年度版
自己評価
3.0
100
S
1.5
A
3.6
71
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
20
50
L
100
設計担当者
統括:芝山哲也/建築:三橋啓史、﨏真介/構造:篠崎洋三、笹井弘雄、渡辺征晃/
設備:加藤美好、岩村卓嗣/電気:遠藤晃
ソコンモニターの輝度を合わせることで、眼の疲れにくい光
環境とし、さらに使用電力も低減している。
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q3.2.
LR1.1.
LR1.2.
LR1.3.
LR2.2.
LR3.1.
まちなみ・景観への配慮(施設ボリュームの分節、地域に調和する勾配屋根と企業アイデンティティ)
建物の熱負荷抑制(コンパクトダブルスクリーン、バルコニーによる日射抑制、屋上ルーバー)
自然エネルギー利用(クールピット、雨水貯留による散水利用、自然採光、昼光照明器具)
設備システムの高効率化(半間接型照明、初期照度補正、高効率熱源システム、ドラフトの風量抑制)
非再生性資源の使用量削減(サッシュのユニット化、外壁PC板、グリーン調達、エコマーク)
地球温暖化への配慮(LCCO2削減)
サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
Astellas Tsukuba Research Center / Research Laboratory Building
発注者
設計・監理
施工
カテゴリー
アステラス製薬株式会社
B. 省エネ・省CO2技術
A. 環境配慮デザイン
大成建設株式会社一級建築士事務所
C. 各種制度活用
サービスコリドーによるユーティリティの集約
フレキシビリティの確保
ユーティリティ
縦動線の集約
実験室に平行してサービスコリドーを配置し、設
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
大成建設株式会社
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
H. 生産・施工との連携
ダクト
3FL
化している。
TAISEI DESIGN Planners Architects & Engineers
縦配管
これにより、将来のダクト・配管等の更新性も高
め、フレキシビリティを確保することで長期にわ
盤
DS
たって使い続けられる施設となるようにした。
環境に配慮した最先端医薬研究所
また、サービスコリドーを使って搬出入・メンテ
サービス
コリドー
実験室
サービス
コリドー
実験室
DS
サービス
コリドー
実験室
DS
サービス
コリドー
実験室
DS
サービス
コリドー
実験室
DS
サービス
コリドー
実験室
DS
2FL
ナンスを行うことで、研究者動線とサービス動線
計画概要
8号館 アトリウム 7号館
6号館
を明確に分離し、研究実験室のセキュリティと安
革新的な新薬の創製を目的とし、創薬研究の一層のスピード化と高品質化を図
免震ピット
全性に配慮している。
る製薬会社研究施設の再整備計画。
機械室
縦ダクト
備ユーティリティを集約してメンテナンスを効率
D. 評価技術/FB
1800
新築
研究所
2800
No.12-011-2010作成
アステラス製薬つくば研究センター新棟/研究棟
サービスコリドー断面図 S=1/200
研究棟は異なる研究を行う3棟(6号館・7号館・8号館)とこれらを結ぶア
7号館断面図 S=1/600
トリウムから構成されている。異なる分野の研究者間のコミュニケーションを
促進する空間づくりにより、新しい発想を生み出すための研究環境を創造する
VAV換気システムによる空調エネルギーの低減
排気溶剤回収装置の採用
従来のドラフトチャンバーはサッシ開度に関係な
周辺環境への配慮のため、ドラフト
コミュニケーションブリッジ
く排気風量は常に一定であった。今回、サッシの
チャンバーからの排気は溶剤濃縮回
アトリウムは研究者のエントランスホールとしての機能とともに、インフォー
開度に連動してリニアに排気風量を制御する
収装置で処理し溶剤を除去してい
マルなワークスペースとして、研究者の創造力・発想力を刺激する場となる。
VAV換気システムを採用することにより、作業
る。溶剤の吸着・脱着を繰り返すこ
アトリウム内を角度を変えて伸びやかに繋がる空中通路は、椅子やテーブルが
時以外はサッシを閉めることで、実験室の給排気
とにより経済的に溶剤を処理できる
置かれ、異なる分野の研究者たちの積極的な交流を促している。
量を必要最低限の風量とすることができ、従来に
システムとなっている。
このブリッジでは、打合せコーナー部のみに床吹出し空調を行う効率的な空調
比べ大幅な省エネルギー化を実現している。
と共に、省エネルギーに配慮した施設となることを意図している。
全体鳥瞰
計画により、省エネルギー化を図っている。
実験室ドラフト
給気VAV
また、ブリッジには制振装置を設置し、コミュニケーション空間としての居住
性を高めている。
SA
EA
風量小
自然光の利用
排気VAV
風量UP
排気VAV
風量小
排気VAV
風量小
排気VAV
風量UP
排気VAV
風量小
排気VAV
アトリウム上部にはランダム形状のトップライトを設置し、自然光の利用によ
実験室
一般エリア
る照明エネルギーの削減を図っている。トップライトからは、時間とともに移
気流方向
ろう木洩れ日のような自然光がふりそそぎ、研究者の感受性の高揚を誘発する
サッシ開
大きな森のような空間となる。
サッシ開
排気溶剤回収装置
サッシの開口面積に応じてリニアに排気風量を制御
周辺環境と調和するランドスケープ計画
実験室A
研究棟8号館
自然豊かな周辺地域の環境と調和し、連続性を感
インターラクション
コーナー
実験室B
じるように、緑の帯が重なり合う多層的なランド
エントランスガーデン
PS
スケープ計画とした。植栽は既存樹を生かした計
3階
空中通路
自然光のふりそそぐアトリウム
5階
空中通路
EV-E-1
4階
空中通路
サービスステーション
2階
空中通路
エントランス
アトリウム
EV-E-2
画とし、帯それぞれは異なる樹種で構成され、季
節の移ろいとともに、新緑、開花、落葉の色を見
ELV
ホール
せてくれる。
UP
PS
設計担当者
研究棟7号館
実験室A
実験室B
建築:芝山哲也、大原信成、五頭賢彦、宮崎伊佐央、﨏真介
実験室C
構造:篠崎洋三、水谷太朗、吉川裕亮/電気:小野田修二、穂苅伸博、田口英幸
エントランスアトリウム平面図 S=1/1200
建物データ
所在地
竣工年
敷地面積
述床面積
構造
階数
昼光シミュレーション
CASBEE評価
茨城県つくば市
2008 年
128,505㎡
61,198㎡
S造一部SRC造
地下2階、地上6階
Sランク
BEE=3.0
2008年版
自己評価
3.0
100
S
1.5
A
3.0
72
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
24
50
L
100
設備:加藤美好、岸野豊、和田茂男、梶山隆史、岡部裕之
周辺の緑と一体となった植栽
アプローチガーデン
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q2. 3.
Q3. 2.
LR1.1.
LR1.2.
LR1.3.
LR1.4.
対応性・更新性(サービスコリドーによるユーティリティの集約とフレキシビリティの確保)
まちなみ・景観への配慮(周辺環境と調和するランドスケープ計画)
建物の熱負荷抑制(高性能ガラス(Low-Eペア)の採用)
自然エネルギー利用(アトリウムの自然光利用)
設備システムの高効率化(実験室のVAV換気システムの採用による空調エネルギーの低減)
効率的運用(BEMS)
サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
No.03-011-2010作成
大林組技術研究所本館 テクノステーション
OBAYASHI TECHNICAL RESEARCH INSTITUTE MAIN BUILDING
施工
日射抑制/導入ルーバー
S
W/E
N
カテゴリー
株式会社 大林組
設計・監理
●エコロジカルルーフシステム
RFL
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
OBAYASHI CORPORATION
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
株式会社 大林組
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
株式会社 大林組
テラス
ソロラウンジ
(夜間・雨天時点灯)
4,000
発注者
各技術概要
新築
研究所
シンキングブース
●見える化システム
3FL
ワークスペース
●置換型自然換気システム
環境共生型のクリエイティブワークプレイス
ライブラリー
4,000
カフェスポット
ミーティングスポット
VISTA
テラス
2FL
5,500
●ペリバッファーシステム
●潜熱顕熱分離型パーソナル放射
新空調システム
●ICタグによる新照明・空調システム
ボアホール
5.0%
1FL
3,600
南外観
ワークスペース内観
エコロジカルルーフシステム
ペリバッファーシステム
潜熱顕熱分離型パーソナル放射空調システム(O-TASC)
ペリバッファーゾーン
屋外
テラス
打合
ゾーン
打合コーナー
屋外テラス
打合
ゾーン
執務
ゾーン
傾斜屋根による熱だまり
は換気スリットを介し夏
期は排熱、冬期は回収し、
再利用
タスク域:26℃程度
アンビエント域
28℃~30℃
打合
ゾーン
傾斜屋根と北向きのハイサイドライトを室上部に全面的に設置、変動
の少ない天空光を天井反射面に回折反射させながらワークスペース室
内に導入することで、昼間照明の無点灯化を図るシステム。傾斜屋根
面には太陽光発電パネルを全面的に設置、高効率に発電し、ワークス
ペース内の夜間照明エネルギー分を賄う。室内は「明るさ感」に配慮
した天井・壁面形状、色調としている。
中温冷水潜熱顕熱システム
ICタグによる照明・空調制御システム
見える化システム
ICタグ/社員証認証システム
中央監視システム
席ごとの照明・空調制御
ワークプレイス
タンク式中温冷水潜熱蓄熱槽
(5m×7m×3mH)
3000
1800
18000
18000
18000
18000
エントランスホール
ピロティ
セキュリティカード(ICタグ)
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
(13~19℃)
省CO2
情報発信
潜熱蓄熱材モジュール
(8×14×8段積)
エネルギー量
チェック
見える化
放熱
放熱回路
セキュリティで導入するICタグを利用して、個人の在室及び
在席を検知し、タスク照明とタスク空調の発停を制御するシス
テム。必要な時・場所に応じたきめ細かな制御により、無駄な
エネルギーを削減する。IC タグにより好みに応じた個人単位で
の制御も将来的には可能となる。
BEMS
コミッショニング
(ビル・エネルギー管理システム)
(システムの診断と検証)
123
12345
123
123
12
kg
kW
m3
kg
本
省CO2情報の発信 BEMSで得られるエネルギーデータを活用し、環境配慮対策
の効果をモニター表示、居住者への見える化を行うシステム。
エネルギー使用量 / 削減量を CO2 換算しアイテムごとにリア
ルタイムに集計表示を行う。ワークスペース内に設置されたサ
イネージに館内情報とあわせ常に表示を行っている。
統括:山本朋生/建築:大西宏治、和田克明/構造:山中昌之、遠藤文明、渡辺哲巳
東西断面図
省エネルギー性能
東京都清瀬市
PAL削減
2010 年
ERR(CASBEE準拠)
69,401㎡
LCCO2削減
5,535㎡
S造(免震構造(スーパーアクティブ制震構造))
地上3階、塔屋1階
ウェブで情報発信
エネルギー削減量を
BEMSでチェック
設計担当者 18000
2階平面図
建物データ
利用者が自主的にオフィス内の
自然換気モードを選択
小型トリガユニットの電界
中温で凝固・融解を繰り返す潜熱蓄熱材を用いて蓄熱を行う
システム。
中温度の冷水利用により、熱源の高効率運転を図っている。さ
らに蓄熱による電力負荷平準化やランニングコストの低減、蓄
熱槽容量の大幅削減を図っている。
ブリッジ
パーソナルタスクパネル
の放射・対流により空調
執務
ゾーン
埋込 FCU(大温度差・高顕熱型)エアバリア形成
上部庇・外部縦型ガラスフィンにて 日射抑制 放射空調
テラス
ワークスペース
カフェテリア プレゼンテーションホール
パーソナル
床吹き
15℃中温冷水
を通水
小型トリガユニット
ブリッジ
パーソナルタスク
パネル
放射と自然対流によるタスクパネルによってパーソナル空調を可能と
した新たなタスク・アンビエント空調システム。
パーソナル床吹出口を用いてアンビエント領域の中に準タスク領域を
形成させると同時に、デスク周りはパーティションに取り付けられた
タスクパネルによってドラフトがなく、不均一な温冷感を抑えた快適
なタスク領域を形成する。準タスク領域の床吹出からは、コージェネ
レーションの熱をローターの再生に利用したデシカント空調により、
確実に潜熱処理された外気を導入、タスクパネルでは主に人体発熱で
ある顕熱処理をそれぞれ分担して行っている。
蓄熱回路
ピロティ
準タスク域 :27℃~28℃
窓周りに熱的緩衝空間を設け、空調負荷を低減するシステム。日射を制御するた
めの外装とあわせ、室内側のペリメーターゾーンに滞在時間が短く空調温度の緩
和が可能な通路や打合コーナー、カフェコーナー等を屋外テラスと連続的に外周
配置させ、内部側執務ゾーンへの負荷の影響を抑えた縁側緩衝空間(ペリバッ
ファーゾーン)を形成して空調エネルギーを低減する。これらマグネットスペー
スの外周配置は、中央執務ゾーンから外周部への分散的な人の流れをつくり、移
動過程での出会いや気づきを高め交流性を向上させることも意図している。
蓄熱
ワークスペース
断面図
B
北向きのハイサイドライト
により天空光を取り入れ
反射面により光を拡散反射
夜間また昼間雨天時など
明るさが確保されない時
には照明が自動点灯
ヒート
ポンプ
チラー
パッセージ
16,200
A
デシカント
空調機
「本館:テクノステーション」は技術の革新/実証/発信を目指す技術研究所のセンターオフィスである。計画にあたっては、研究機
能の集約と知の交流により新たな技術を創出し、保有技術を適用実証して顧客と社会に発信していく研究開発の新たな拠点を構築す
ることが目標とされた。
イノベーションのためのワークプレイス
これまで部門単位で敷地内に分散していた研究機能を、敷地中央に集約配置した。200人の研究員を一堂に配するために大きなフロア
プレートを用意し、ここを、多様なアクティビティを立体的に配した2層吹抜のワンルーム型のワークプレイスとすることで、相互触
発のための高い視認性と、場を共有するための高い一体感を有する研究環境とした。
ワークスペースの外周部には街のケヤキ並木を望む縁側空間を、パッセージとも繋がるよう連続して配置した。ここにカフェスポッ
トやミーティングスポット、コミュニケーションラウンジなどのマグネットスペースや、連絡階段などを配置して、ワークスペース
全体の流動性と触発性をもたせることで様々な出会いや気づきが生まれ、新たな知的創造の契機が高まることを意図した。
環境共生型のワークプレイス
知的生産性向上につながる快適性を犠牲とすることなく環境負荷を低減することを目指し、3つのシステム群によって設計段階の試算
で運用時のCO2削減率55%という国内最高水準の削減率を達成した。
まず自然エネルギーを最大限に利用するため、郊外の立地性を活かした複合的なパッシブシステムを導入した。建物を低層とし屋根
面より天空光をワークスペースに取り入れ昼間照明の無点灯化を図るエコロジカルルーフシステム、緑を楽しむ縁側空間をもつペリ
バッファシステム、緑地を抜ける南北方向の卓越風を利用する置換換気型の自然換気システムなどを採用し、自然とともにある研究
環境を実現した。
また運用エネルギーを削減するため高い実効性をもつアクティブ設備システムを開発・導入した。ドラフトがなく快適なワークス
ペースの空調を実現するパーソナル放射空調システム、離着席に応じて発停を制御するタスク照明・タスク空調制御システムなどを
採用し、運用時の大幅なCO2低減を実現した。
さらにエネルギー利用を効率的、効果的に行うマネジメントシステムを導入した。リアルタイムで削減効果を表示するエコモニター
システムを整備し、見える化効果により自然換気等の居住者参加型省CO2運用システムを構築することで省CO2活動を推進、CO2低減の
実現を目指している。
このような取り組みに加え、総合的な環境負荷の低減によってCASBEE Sランク、BEE値7.6の極めて高い環境性能を達成している。
●パッシブシステム
●アクティブシステム
●マネジメントシステム
クールウォーム
ピット
●地中熱利用ヒートポンプシステム・井水ハイブリッド
システム
CASBEE評価
36 %
42 %
33 %
Sランク
BEE=7.6
2008年度版
第三者認証
3.0
100
S
91
1.5
A
+
BEE=1.0
B
7.6
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
12
50
L
設備/大澤明廣、伊藤剛、水井啓善、中山和樹
主要な採用技術(CASBEE準拠)
LR1.1.
LR1.2.
LR1.3.
LR1.4.
LR2.1.
建物の熱負荷抑制(PAL性能、日射抑制外装、ペリバッファシステム)
自然エネルギー利用(置換型自然換気システム、エコロジカルルーフシステム(自然採光・太陽光発電)、地中熱利用ヒートポンプシステム)
設備システムの高効率化(ERR性能、潜熱顕熱分離型パーソナル放射新空調システム、ICタグによる新照明・空調システム、中温冷水潜熱顕熱システム)
効率的運用(BEMS、見える化システム)
水資源保護(雨水・井水利用システム)
100
サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
No. 05-012-2010作成
協和発酵キリン東京リサーチパーク
新築
研究所
KYOWA HAKKO KIRIN TOKYO RESEARCH PARK
発注者
協和発酵キリン株式会社
設計・監理
KAJIMA DESIGN
施工
鹿島建設
カテゴリー
自由度 水平と垂直
研究棟は100m×35mの広く整形なラボプレートを計画。中庭側か
ら外周部メカニカルバルコニーに向け3枚におろし、ソフトから
ハードへのゾーニングを設定。これらを3層積み重ね、両端を含む
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
共
4箇所の中央ゾーンに吹抜けを設け上下階を接続。研究エリアの自
用
棟
エントランス棟
由なレイアウトを水平・垂直両方向で可能にした。
研究棟
適応力 そして時間
棚田状の中庭をもつ市街地型研究所
外周ウォールガーダーによる内部桁行大梁の省略とFC版による小梁
の省略により中央部柱間の設備シャフトと自由な天井内スペースを
配置図
確保。メカニカルバルコニーとISSシステムも加え、将来に渡る更
新性を実現。
高耐震構造と転倒防止対策、主要機器の二重化によるバックアッ
プ、エネルギーデータ測定システムを採用。
調和と共生
北側に位置する共用棟は2層構成で高さを抑え、既存解体により生
まれた敷地外周部を緑のオープンスペースとして確保。
東側にはビオトープ空間に隣接するクラブハウスを配置。
ビオトープとクラブハウス
メカニカルバルコニー上部には太陽光発電パネルを設置。共用棟2
階バルコニーには周辺への視線配慮により高めに設定された手摺の
前面に、屋上緑化空間を設けている。
外観写真
新たなシンボルとしての最新鋭研究所
2008年10月協和発酵工業とキリンファーマが合弁し協和発酵キリンが発足、バイオフロンティア研究所敷地内の建物を研究活動を
継続しながら段階的に解体し、新生“協和発酵キリン”の創薬研究拠点として新たに整備する計画。
敷地周辺は戸建住宅が密集した地域であることから、外周部には既存樹を残しながら豊かな緑地を設け、開口部の少ないソリッド
なファサードとし、建物ボリュームが小さく低く見えるように配慮している。
敷地の高低差を生かした立体的な中庭を中心に、研究棟と共用棟(管理棟)、エントランス棟を配置し、研究所としてのセキュリ
構造架構アイソメ
ティを確保すると同時に、豊かなコミュニケーションを生み出す魅力的な空間としている。
メカニカルバルコニー
共用棟
緑化バルコニー
研究棟
中庭
断面パース
設計担当者 統括:川田正廣/建築:城内淳、山田隆宏、佐々木歩/構造:平尾康之、後藤仁、土井信/設備:野田仁志、降矢泰英、岩崎洋平、伴資正
豊かな既存樹木を外周に配したメインアプローチ
CASBEE評価
建物データ
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
4.5mの高低差を棚田状にデザインした中庭
東京都町田市
2010 年
34,417㎡
22,700㎡
RC造一部S造
地下1階、地上3階、塔屋1階
Sランク
BEE=3.0
2008年度版
自己評価
3.0
100
S
91
1.5
A
3.0
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
30
50
L
100
外構:㈱ランドスケープデザイン 川畑了、大久保宏紀
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q2. 2. 耐用性・信頼性(高耐震構造、ひび割れ防止コンクリート、設備の信頼性(BCP対応))
Q2. 3. 対応性・更新性(メカニカルバルコニー、設備の更新性(維持管理面での工夫))
Q3. 1.
生物環境の保全と創出(外構緑化、建築緑化、地域の郷土種への配慮、野生小動物の生息域の確保、ビオトープ)
Q3. 2.
まちなみ・景観への配慮(建物配置や形態とまちなみとの調和)
LR1.2.
自然エネルギー利用(自然換気、自然採光、地熱利用、太陽光発電、風力発電、バイオエネルギー)
LR3.3. 周辺環境への配慮(騒音、振動、風害、光害抑制)
サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
No.10-009-2010更新
清水建設技術研究所風洞実験棟
新築
研究所
Shimizu Corporation Institute Of Technology Wind Tunnel Testing Laboratory
カテゴリー
発注者
清水建設株式会社
設計・監理
清水建設株式会社一級建築士事務所
清水建設株式会社
施工
都会に立地する本格的ビオトープ
ビオトープの規模としては 2,000 ㎡程度で小規模ではあるが、
東京湾沿岸部の鳥類を頂点とする生態系を再生する目的で計画
され、実証された。
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
そのためビオトープの約半分近くを水辺の環境で構成し、鳥
類の飛来を促すため、池の形状や地形の起伏を人間の視線に配
慮した計画としている。また、池の断面も鳥類の餌となる魚類
の繁殖を考慮した
浮力を利用し地盤との絶縁性を高める「パーシャルフロート免震装置」
構成としている。
隣接する建物のひとつである多目的実験棟は耐震強度が基準
免震性能は社会インフラを担う建築用途にとって、より高度
値以下であったが、今回研究所の再構築に合わせプレキャスト
な性能が要求される。データセンター、大規模病院などの建築
柱、梁によるフレームを高層部の外壁に付加することで耐震補
物は、震災によりその機能が毀損した場合、社会的に重大な被
強を行った。ビオトープに接することから、このフレーム面と
害となるからである。免震の長周期化はこの問題に対する有効
低層部妻面には、それぞれ独自の手法による壁面緑化を行い、
な解決策の1つであり、本建物は世界初のパーシャルフロート
鳥類等が飛来しやすい環境を創出している。
免震構造により、免震の長周期化を実証した建物である。
配置図
設計担当者
建築:神作 和生、石谷 貴行/構造:石川 二巳穂、土屋 宏明/設備:名児耶 治充
電気:指村 貴弘/情報:小林 勝弘、山崎 元明
写真撮影:※1松岡 満男、※2 新建築社写真部
パーシャルフロート免震構造は建物を地下貯水槽の水中で積
層ゴム上に設置し、浮力と積層ゴムとで建物重量を支えること
で積層ゴムの支持力負担を軽減し、地盤との絶縁性を高めて固
有周期の長周期化を図るとともに、掘割内の水の運動エネルギー
を逸散させて、建物の振動に減衰を与える免震システムである。
約 1500ton の貯留水は常時はビオトープの池の水との相互利用
を図り、震災時には非常用水源としても見込まれている。
EL CENTRO
TAFT
HACHINOHE
KANTO1
KANTO2NS
KANTO2EW
TOKYO
KOKUJI1
KOKUJI2
R2F
4
R1F
3
2F
2
EL CENTRO
TAFT
HACHINOHE
KANTO1
KANTO2NS
KANTO2EW
TOKYO
KOKUJI1
KOKUJI2
R 2F
4
R 1F
3
2F
2
1F
1F
B1F
B1 F
基礎
基礎
1
1
0
0
-1
-1
0
100
200
300
400
加速度(cm/s2)
500
600
EL CENTRO
TAFT
HACHINOHE
KANTO1
KANTO2NS
KANTO2EW
TOKYO
KOKUJI1
KOKUJI2
設計用
R2F
4
R1F
3
2F
2
1F
0
2
B1 F
基礎
0.00
0
B1F
基礎
EL CENTRO
TAFT
HACHINOHE
KANTO1
KANTO2NS
KANTO2EW
TOKYO
KOKUJI1
KOKUJI2
設計用
0
-1
0
1F
60
3
2F
1
-1
50
R 1F
B1F
2F
30
40
変位(cm)
R 2F
基礎
R1F
20
1F
1
R2F
10
4
1000
2000
3000
層せん断力(kN)
4000
EL CENTRO
TAFT
HACHINOHE
KANTO1
KANTO2NS
KANTO2EW
TOKYO
KOKUJI1
KOKUJI2
4
3
2
R2F
R1F
2F
1F
1
B1 F
0
-1
0.10
0.20
0.30
0.40
層せん断力係数
4
3
0.50
0.60
2
1
0
基礎
0.0000 0.0001 0.0002 0.0003 0.0004 0.0005 0.0006
層間変形角(rad)
-1
0
5000
10000 15000 20000 25000
転倒モーメント(kNm)
図-7.6.12
30000
レベル2地震時の応答解析
応答解析結果(レベル2、NORMAL、X方向)
透水体を用いた減衰装置
水中仕様型積層ゴム
※2
主要な採用技術(CASBEE準拠)
建物データ
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
※1
EL CENTRO
TAFT
HACHINOHE
KANTO1
KANTO2NS
KANTO2EW
TOKYO
KOKUJI1
KOKUJI2
東京都江東区
2005 年
26,442㎡
1,251㎡
RC造
地下1階、地上2階
Q2.2
Q3.1
LR2.1
耐用性・信頼性(パーシャルフロート免震構造)
生物環境の保全と創出(ビオトープ)
水資源保護(約1500tonの貯留水のビオトープの池の水との相互利用と震災時の非常用水源)
サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
No.10-006-2010更新
清水建設技術研究所本館
新築
研究所
Shimizu Corporation Institute of Technology Main Building
カテゴリー
発注者
清水建設株式会社
設計・監理
清水建設株式会社一級建築士事務所
施工
清水建設株式会社
位置情報技術によるビル制御、FMへの活用
すべての研究者は、構内PHS端末を携帯し、個人毎に
外線ダイヤル番号と内線番号を持つ。これにより静寂な
オフィスを実現し、業務効率化に貢献している他、PHS
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
端末から建物内エリア別在席人数・位置の情報を高精度
で検出し、建物設備制御やFM(ファシリティマネジメン
ト)に活用した。例えばエリア別の在席人数に応じた
(空調、証明のON・OFFなど)エネルギー制御を全自動
環境負荷低減技術と情報化技術の融合
で行うことを可能にした他、PHS端末の位置情報はリア
ルタイムにパソコンの画面上表示される。その状況や傾
在館者位置情報を環境負荷低減技術に導入し、最適エネ
向などを分析し、データベース化することによって、在
ルギー使用の実現に取り組んだ建物である。この研究所で
位置情報による照明自動制御管理
席率分析、会議室等の稼働率分析、部門間の密着度分析
は、所員に構内 PHS 端末を配布し、内線・外線番号を各個
などFM分野へ活用している。
人に割り当てている。設計に当たって、PHS 端末からの建
物内エリア別在席人数・位置情報を高精度で検出し、建物
設備制御や FM 分野に活用する技術を実現した。エリア別
の在席人数に応じ、リアルタイムで最適な外気取り入れや、
きめ細かな空調・照明の制御を全自動で行うことが可能と
なり、年間消費エネルギー削減に貢献している。
建物内に温度・湿度・日射・電力量等多数のセンサーを
配置し、建物内のエネルギー利用状況を常時モニタリング
している。モニタリングデータは導入した設備の効果を定
量的に分析し、建物の運用最適化に活用している。またデー
タは所員が閲覧することが可能で、省エネルギーに対する
啓もうにも役立っている。
外観※1
PHS位置情報システムの全体像
研究室※2
●外装・設備計画
この建物は既存本館の機能移転に伴う
建設計画であり、来客者を迎えるべく前面
・外壁の二重化による外部負荷の軽減
道路に面して建設された。建物は 6 本のピ
・外壁の二重化部での外気導入
ア柱による大架構柱頭免震よって大地を
・導入外気は、空調機によって外気冷房を行う
開放し、土工事を縮減する計画とした。
・電磁シールドによる情報漏洩の軽減
内部は研究者の知の交流を創発する吹
●執務空間・設備計画
き抜けを配置し、ゆるやかな分離と一体感
・モジュール化された自由度の高いオフィスレイアウト
のある研究所としている。
・天井高さ3.7m
・直天井により情報・設備インフラに容易にアクセス
偏芯ボイドコア
※2
・深夜電力による躯体蓄熱(フロアーフロー)
※2
フロアーフロー(床吹き出し空調)に、各ワークプレイスに開閉可能な
パーソナル空調用吹出口を設置し、個人の要求に応じ、気流感を与えるこ
とで、タスク域を効率良く空調、アンビエント域の空調を緩和し、快適性
と省エネを図っている。
●執務空間・電気情報設備計画
・明るさセンサーによる照明制御
・在館者実人数による照明・外気導入制御
・モニタリングによる使用電力量の把握
●吹き抜けによるハイブリッド換気・自然採光
研究室※2
配置図
CASBEE評価
建物データ
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
吹き上げ見下げ※2
東京都江東区
2003 年
26,442㎡
9,634㎡
鉄骨造・一部RC造
地上6階
Sランク
BEE=3.2
2004年度版
自己評価
3.0
100
S
1.5
A
3.2
76
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
24
50
L
100
設計担当者
建築:日置 滋、神作 和生、定久 岳大/構造:斎藤 利昭
設備:郷 正明、佐藤 文人/電気:小坂 睦夫、石川 栄一、中野信哉
情報:小林 勝広、山崎 元明/企画:坂井 和秀
写真撮影:※1 新建築社写真部、※2 松岡 満男
・外気冷房用の排気を吹き抜けにて自然排気
・6層吹き抜けによる開放的な空間の創出
・火災時の蓄煙スペース
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q2.2
Q2.3
Q3.1
LR1.3
LR1.4
LR2.2
耐用性・信頼性(免震構造)
対応性・更新性(可変性オフィスレイアウト、全面床吹き出し空調による自由度の高いレイアウト)
生物環境の保全と創出(ビオトープの設置、屋上緑化、壁面緑化)
設備システムの高効率化(氷蓄熱、躯体蓄熱、ナイトパージ、氷水搬送)
効率的運用(在館者位置情報による照明・設備制御、中央監視による省エネ制御・モニタリング)
非再生性資源の使用量削減(柱頭免震による杭・土木工事の軽減、床吹き出し空調によるダクト縮減)
サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
No.12-005-2010更新
大成建設技術センター本館
改修・保存
研究所
TAISEI Technology Center
発注者
大成建設株式会社
設計・監理
大成建設株式会社一級建築士事務所
施工
新規開発建築・設備総合化技術
カテゴリー
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
TAISEI DESIGN Planners Architects & Engineers
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
大成建設株式会社
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
リニューアルに最適な建築・設備総合化技術の開発と適用
計画概要
調光天井(ETFEフィルム)
フィルムを用いた国内初のクッション型
調光システム。フィルムは厚さ 0.1mm と
軽量なため、躯体への負担が少なくリニ
ューアルに適しており 、二重空気層によ
る断熱効果などを得ることができる。
築28年を経過し、ハード・ソフトの両面で陳腐化の進
んだ研究施設の再生プロジェクトである。昨今、地球
温暖化への関心が高まる中、既存ストック活用に対す
る期待は大きい。しかしながら、依然スクラップアン
ドビルドの発想から抜け出せない現状があり、その多
くは使い勝手や性能において新築に劣るという考えに
コンパクトダブルスクリーン
コンパクトダブルスクリーンは、従来の
ダブルスキンと同等の省エネルギー性能
を、約 1/3 の厚さ (200mm 程度 ) で実現し
た。ユニット化工法により、コストを低減
し、外壁リニューアルにも容易に適用可
能なシステムである。
基づいている。
ダクタルAF(アンチファイヤー)床板
ダクタル(Ductal®)は、通常のコンクリ
ートと比べ圧縮強度が5~8倍という、
桁違いの強度を発揮する革新的なコンクリ
ート系素材である。ダクタルの緻密さは、
通常のコンクリートの 10 ~ 100 倍と高い
耐久性も生む。今回、耐火性能を向上させ
たダクタルAFを日本で初めて建築の主要
構造部材として適用した。
本プロジェクトは、CASBEE値、省エネ性能、LCCO2排出
量等の検証を踏まえながら、新築に劣らない使い勝手
や環境性能、耐震性能を有する新たな施設を、幅4mの
[Creative Box]装着を核とした総合改修により構築す
ることを目的とした。
リニューアル前 3階平面図
計画では、地上4層にわたり、既存側デスクスペース
に隣り合うインフォーマルワークスペースとして
[Creative Box]を増床。吹抜構成により、既存施設を
縦につなぐ新たなワークスペースを創出し、分野を超
えたコミュニケーションの誘発を試みた。
リニューアル後 3階平面図
[Creative Box]は、コンパクトダブルスクリーン
(T-Façade Air)、ダクタルAF床版、調光天井(ETFE
[Creative Box]内観
フィルム)など環境負荷低減および長寿命化を目的と
した新規開発技術から構成されると共に、既存部の自
建物のライフサイクルにおける CO2
排出量を既存建物利用、解体・新築、
リニューアルの3つのパターンで解
析。既存躯体の利用や省エネルギー
技術導入等によりリニューアルとい
う選択肢が最も環境に与える負荷が
小さいと判断した。
然換気を促すヒートチムニーとして機能する。既存部
においてもパーソナル空調設備ユニット、縦格子鋼板
補強工法など、さまざまな新規開発技術を導入し、建
物全体の環境性能、耐震性能の向上を図っている。こ
れらの開発技術は、「スペースの有効活用」「軽量化
アンビエント系統
パーソナル系統
による躯体への負担低減」「施工性の向上」に配慮さ
れたリニューアル技術であり、既存建物のデザインを
一新させる装置としての役割も担う。
パソコン画面で
風向・風量を操作
設計担当者
統括:芝山哲也/建築:小林直明、関政晴、藤本鉄平、杉江夏呼/
構造:篠崎洋三、笹井弘雄/設備:加藤美好、仁志出博一、三宅伸幸、
小栗由美子/インテリア:高橋洋介/照明:LIGHTDESIGN INC.
建物データ
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
リニューアル前の外観(1979年竣工)
省エネルギー性能
神奈川県横浜市戸塚区
2007 年
34,821㎡
6,409㎡
鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造
地下1階、地上4階
PAL削減
25
%
ERR(CASBEE準拠) 27.5 %
LCCO2削減
11
%
リニューアル後の外観(2007年)
CASBEE評価
Sランク
BEE=4.2
2006年度版
自己評価
3.0
100
S
1.5
A
4.2
76
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
18
50
L
100
パーソナル空調・設備ユニット
縦格子鋼板補強工法
個人のパソコンから風向・風量を個別にコントロールできる吹出 格子鋼板補強は、縦横のグリッドを基調とする既存建物の耐震補
口を、座席ごとに設置可能なシステム。空調空間をパーソナル系 強工法である。縦横の格子に鋼製パネルを自由に配置することで、
統とアンビエント系統で構成し、省エネと快適性を実現する。ま 建物の耐震性を向上させるだけではなく、採光性、デザイン性に
た、照明器具等とのユニット化や吹出口の自在な位置変更により 優れている。そのため、外部補強や外壁面での補強に最適で、
オフィスレイアウト変更にもフレキシブルに対応できる。
「隠す」補強から「魅せる」補強を実現している。
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q2 .2.
LR1.1.
LR1.2.
LR1.3.
LR1.4.
LR3.1.
耐用性・信頼性(ダクタルAF床版、縦格子鋼板補強工法、リアルタイム防災システム)
建物の熱負荷抑制(薄型ダブルスキン、PAL性能向上、高性能ガラス)
自然エネルギー利用(調光天井、自然換気、太陽光発電)
設備システムの高効率化(パーソナル空調・設備ユニット、氷水直接搬送システム、ERRの向上)
効率的運用(エコビルモニター、竣工後の実態評価)
地球温暖化への配慮(LCCO2削減)
サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
No.10-001-2010更新
タクボエンジニアリング東金テクニカルセンター
新築
研究所/工場・物流施設
TAKUBO TOGANE Technical Center
発注者
設計・監理
施工
タクボエンジニアリング株式会社
清水建設株式会社一級建築士事務所
清水建設株式会社
自然採光、自然換気をデザインする
自然が色濃く残る立地条件を生かし、風・光を居住者が最大限に享受できるよう、建築と設備が一体となったデザインを実現した。
カテゴリー
N
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
事務室換気窓
居住者とともに進化するパッシブデザイン
建築主は塗装システムの開発・設計・施工を
国内外に展開するトップエンジニアリングカン
パニーである。
環境問題と常に向き合ってきた企業の開発セ
ンターとして建設された本建物は、同社の強い
環境理念とその取組みを内外に発信できるよう、
「環境負荷削減を目に見える形として具現化する
デザイン」をコンセプトとして計画した。
外皮温熱負荷削減も意図した独創的な曲面形
状の外観、スケルトン事務室に自然通風換気・
自然採光機能が調和した空間デザイン、視覚・風・
光のつながりを兼ねた工場吹抜など、建築と設
備が一体となり、居住者にとって分かりやすく、
使い勝手の良い建築を目指した。
その結果、年間消費エネルギー量実績は、一
般事務所ビルをベンチマークとしたときの CO2
排出量削減比 50%を達成した。
主風向
表面風圧係数分布
外部風速に対する換気量予測
屋外気流解析による換気効果予測
建物・敷地形状及び卓越風(北東~東)と自然換気開口部位置の検討。シミュレーションの結果、北側換気開口部の風圧係数は
+圧となり、約 7 回 /h(v=3m/s 時)の十分な換気量が得られることを確認した。
自然換気風量・風速実測結果(中間期代表日)
建物正面外観
S U N LIGHT
建物頂部のベンチレーター
による自然換気システム
トップライトからの自然採光
事務 室
自然換気効果の実測
事務室内換気回数:最大 12 回 /h、平均 6 回 /h であり、室内
気流風速は最大でも 0.4m/s と、有効な自然換気が計画通り行
われていることを確認した。
自然換気時の室内温熱環境実測結果(中間期代表日)
MV 値は概ね ±0.5 の範囲内、最大で+0.8 の範囲となり、居
住者は自身の快適環境範囲内で、自然換気を積極的に利用し
ていることがうかがえる。
曇天でも明るい事務室
プレゼ室
エントランス
ホール
工場
WIND FLOW
工場エリア中央に配された吹抜けを中心に各居室がつながり、
組織の一体感を高めるとともに、光、風等の経路ともなっている。
WIND FLOW
東西方向断面図
ユーザー自身が温熱環境をコントロール
左:事務室 ハンドル網付換気窓
中:エントランスホール ジャロジー換気窓
右:工場 メッシュ付搬入扉
N
上 部 トップライト
事務室
(将 来 )
自然採光時の照度測定結果
事務室のほぼ全域が照度 500
ルクス以上となっている。
居住者ヒアリングでも日中は
ほぼ自然採光のみで運用して
事務室の実測照度 いることが確認された。
事務室
工場
吹抜け
鳥瞰
会議室
プレゼ室
エントランス
ホール吹抜 け
工場吹抜
建物データ
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
食堂
2階平面図
光と風のみち
建物中心部に吹抜を配置し、1 階に生産エリア、2 階は吹抜を取囲むように居
室を配置。
この吹抜は視覚的に各エリアをつなぐだけでなく、自然エネルギーを利用す
る、光と風のみちとしても機能している。
社員の一体感を高め、周辺の豊かな自然環境を享受できる、生活感豊かな空
間を目指した。
PAL削減
LCCO2削減
バルコニー
CASBEE評価
省エネルギー性能
千葉県東金市
2006 年
12,067㎡
3,969㎡
S造
地上2階
D
D
U
30 %
50 %
Sランク
BEE=4.2
2004年度版
自己評価
3.0
100
S
1.5
A
4.2
76
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
18
50
L
100
エントランスホール
事務室
設計担当者
建築:三嶋 志郎、大橋 一智/構造:辰巳 佳裕
設備:原田 昌明
写真撮影:石黒写真研究所
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q2.3
Q3.2
LR1.1
LR1.2
LR1.3
LR3.1
対応性・更新性(荷重のゆとり、スケルトン&インフィル)
まちなみ・景観への配慮(周辺の風環境を活かす、緑地の保全、新たなシンボルの形成)
建物の熱負荷抑制(表面積の少ない楕円形状の外皮)
自然エネルギー利用(自然換気、自然採光、太陽光発電)
設備システムの高効率化(全面床吹出し空調、蒸気レス塗装用空調システム)
地球温暖化への配慮(LCCO2削減)
サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
日本伸縮管株式会社 ニューロン・ラボ
発注者
日本伸縮管株式会社
設計・監理
鴻池組大阪本店一級建築士事務所
施工
株式会社鴻池組 大阪本店
No.07-002-2010更新
新築
研究所/工場・物流施設
カテゴリー
太陽光発電
屋上緑化の東側と西側に、真南に面した太陽光パネルを2面設置し、そ
のパネルで発電する電力量は1階エントランスのモニターに表示される。
1年間で発電される電力量はおよそ10,200kwhで、省エネと地球温暖化
A.
環境配慮デザイン
B.
省エネ・省CO2技術
C.
各種制度活用
D.
評価技術/FB
E.
リニューアル
F.
長寿命化
G.
建物基本性能確保
H.
生産・施工との連携
I.
周辺・地域への配慮
J.
生物多様性
K.
その他
防止に寄与している。
自然との共生をめざして・・・
発注者の企業理念、設計コンセプト
発注者は、読んで字のごとくインフラ
発電量表示パネル
のステンレス製伸縮管設備の研究及び
屋上の太陽光パネル
製造する会社であり、当建物はその伸
縮管の研究・開発・製造施設を兼ね揃
ビオトープ
えた建物として計画された。
このビオトープには、絶滅危惧種である
以前より社長には「我社の活動として
モロコ、タナゴ、メダカなどが放流され
社会に役立つものを製造しているが、
ており、それらの回生を目標にPH管理も
自然に対してはモノづくりをする上で
随時行われている。また、ホタルを呼ぶ
のCO2排出等、必ずしも自然環境に則
ためにカワニナ(ホタルの幼虫のえさ)
したものばかりではない。せめて施設
も放たれている。中央に見える東屋は自
としては自然に優しいものでありた
社製造技術の広告を兼ねたオブジェであ
い」という理念があった。自然と共生
り、建物竣工時よりマスコミだけでなく
できるサステナブル建築に対し、経営
地域住民、子供たちの注目の的になって
者の方にかなり積極的な姿勢があった
いる。また、自然に囲まれた環境は社員
こともあって、様々な試みを取り入れ
の憩いの場ともなっている。
た施設とした。
東屋(オブジェ)
ビオトープ
外観写真
雨水貯留槽
屋上緑化と自動灌水システム
工場屋根面積の半分にあたる
屋上緑化部分には世界初といわれている「知
約870㎡の屋根に降った雨を工
能化制御潅水システム」と名付けられた自動
場の地下に設置した雨水貯留
灌水システムを導入し、屋上でわずか厚み
槽に集水・貯留し、その水を
15cmの土で作物、樹木、芝生を育てている。
工場内で利用している。
「知能化制御潅水システム」とは、土中の湿
貯水量は約25tで、節水とイン
度や気温のデータに3時間後の気象予報デー
フラの負荷低減の両立を果た
タを組み合わせ、IT制御により潅水の要否判
している。
リフレッシュルーム
リフレッシュルーム
断をするシステムである。
事務所の2階には広さ約170㎡のリフレッ
自然エネルギーである「雨」を最大限に有効
シュルームを設置している。室内にはビ
利用し、定時潅水の約40%節水ができるとい
リヤード、ソフトダーツ、その他の娯楽
う実験データもある。
設備が置かれて、快適なオフィス環境の
また、この屋上緑化は建物内の空調制御にも
創出に寄与している。
有効で省エネ(CO2削減)にも有効である。
インテリアもあえて一般の執務室とは全
植物本来の生育力で旬の野菜、果物の収穫が
自動灌水システムを導入した屋上緑化の芝生ゾーン(右下は菜園ゾーン)
建物データ
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
楽しめる。
CASBEE評価
京都府相楽郡精華町
2007 年
10,944㎡
3,546㎡
S造
地上2階
B+ランク
BEE=1.4
2006年度版
自治体提出
く変わったものとして、気分転換しやす
工場内雨水貯留槽
3.0
100
S
1.5
A
1.4
58
Q 50
B
+
BEE=1.0
B
-
0.5
C
0
0
40 50
L
屋根伏図
い空間作りを目指した。
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q3. 1.
生物環境の保全と創出(ビオトープ)
Q3. 2.
Q3. 3.
LR1.2.
LR2.1.
まちなみ・景観への配慮(前面道路から20m控えた建物配置)
地域性・アメニティへの配慮(前面道路に面したビオトープ及び東屋、外壁緑化)
自然エネルギー利用(太陽光発電)
水資源保護(雨水利用)
100
サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
No.10-014-2010作成
富士ゼロックス R&D スクエア
新築
事務所/研究所
FUJI XEROX R&D SQUARE
発注者
富士ゼロックス株式会社
設計・監理
清水建設株式会社一級建築士事務所
施工
清水建設株式会社
カテゴリー
人と環境をつなぐ
「思考は自然の中に存在する」といわれる。
環境配慮型研究施設として、クリエイ
ティブを刺激する、都市へ360°開かれた
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
眺望を享受すると共に、高い省エネ性能
を確保することとのバランスを図り、自
然と共にある研究開発環境をかたちづく
ることを意図した。外周縁側空間の快適
つながりをかたちに:人と社会と環境をつなぐ
KURA(こもりスペ-ス)※2
な温熱環境を確保するために、楕円形状
の特性を生かし、各方位の熱排気量を年
共創とは、相手とのコミュニケ-ションを
間スケジュ-ルによって制御した方位追
通してその背後に広がる世界を知ることか
従型熱排気システムにより、日射や熱の
ら始まる。
影響の低減を行っている。さらに、大空
富士ゼロックスR&Dスクエアは、首都圏
間オフィスと24時間対応の利用者の特性
に複数ある既存の研究開発拠点を集約し、
を生かし、人感センサ-によるエリア対
顧客との密着した対話を通して経営課題を
応照明自動点滅・減光制御、照明連携空
掘り出し、解決の為のアイデアを創出す
調制御を一括に行い、単位空間と設備の
る、顧客共創型研究開発拠点である。
モジュ-ル化による省エネルギ-を図っ
施設は、横浜みなとみらい21地区への西の
外周縁側空間夜景※2
ている。
ゲートに位置する。この平坦なみなとみら
公開空地化された3階ペデストリアン
い地区に、起伏のある緑の風景を創ろうと
給排気用スリット
デッキレベルは、個の力を表現する混植
試みた。公開された「緑の丘」がR&D施
の思想による回遊遊歩道空間「緑の丘」
設と社会と環境との接点になる様に意図
方位別給排気システムのゾーニング制御
(夏至の場合)
日没
方位・天候追従型全自動高気密ブラインド
17時
として、地域の交流の場とすると共に、
し、そこに顧客との共創空間を配置した。
オ-プンミ-ティングスペ-ス※2
15時
ヒ-トアイランド対策として都市環境へ
13時
の社会貢献を行っている。
人と人をつなぐ
KURA
(こもりスペース)
12時
外周縁側空間
の中で、均衡を保ちながら解を見つけよう
11時
横浜駅側ベイクウォ-タ-より望む※1
研究・開発空間
ば可能性は拡がる」という施主の考えに呼
ゾ-ニング制御図
71600
とする考え方である。「パートナ-がいれ
ペリメーター部の温熱環境試験結果
(夏至の場合)
ワークプレイス
応し、人と人をつなげる場、顧客、社会と
の共創の場を表出する形態として、楕円形
オープンパントリー
スキップボイド
平面としている。
108200
基準階平面
基準階は、首都圏最大級の約6000㎡の大空
間オフィスで、みなとみらいを一望できる
ワークプレイス
明るく開放的な外周部を一周300mの縁側空
スキップボイド
間(発想の場、共創の場)として計画し
空撮:右手は日産新本社※3
免震層
共創ラボラトリー
たオ-プンパントリ-を立体的に連続させ
メイン
エントランス
共創
ラボラトリー
ゼロックス
アートスペース
断面
楕円形状は常に日射が正対する面が生じ、
35%削減
0%
20%
40%
60%
80%
自然エネルギーの有効利用
熱負荷の低減
変流量大温度差の利用
適光適時制御
100% 120%
時刻によりその面が移動することになる。
この特徴から生ずる日射負荷を効率的に
その他
排除する為に方位追従型熱排気システムを
1990年相当自社ビルとのCO2排出量比較 構築した。
建築:大西正修、山田祥裕、河本洋一 /構造:横山一智、中川健太郎、諸星雅彦 /設備:名児耶治充、鈴木清隆、水原一樹 /電気:古知正人、山田充孝 /防災担当 水落秀木
配置・3階平面図
省エネルギー性能
神奈川県横浜市
2010 年
14,655㎡
135,253㎡
S造(柱CFT)一部SRC造
地下1階、地上20階
方位追従型熱排気システム
設計担当者 を促す場とした。
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
メインエントランスホール
高気密ブラインドが封じた
熱気を効率良く排気
温熱環境シュミレ-ション
ワークプレイス
スキップボイド、カフェカウンタ-を備え
建物データ
1990年相当の
自社ビル
今回計画
けとして、この縁側空間に上下階をつなぐ
活動を刺激し合い、クリエイティブな活動
ペリメ-タ-ゾ-ン断面詳細
ワークプレイス
た。つながりを生み出すオフィス内の仕掛
ることで、新たな出会いを生み出し、知的
9時
LED
アッパーライト
楕円の思想とは、異なる二つの中心の関係
PAL削減
ERR(CASBEE準拠)
LCCO2削減
CASBEE評価
21 %
18 %
20 %
環環境省クールシティ-制度
適用
1階エントランス吹抜けより望む※1
Sランク
BEE=3.5
2008年度版
自治体提出
(横浜CASBEE)
3.0
100
S
1.5
A
3.5
80
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
22
50
L
100
インテリア・ランドスケ-プ:フィ-ルドフォ-・デザインオフィス:志村美治、代田哲也、北島暢哉 /外装デザインア-キテクト:光井純アンドアソシエ-ツ建築設計事務所:光井純、中野幸伸
写真撮影:※1吉田写真事務所 ※2ナル建築写真事務所 ※3清水建設
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q2. 2.
Q3. 1.
Q3. 2.
LR1.1.
LR1.2.
LR1.3.
耐用性・信頼性(中間階免震構造、高耐力CFT柱、構造モニタリングシステム、性能的火災安全設計)
生物環境の保全と創出(公開空地化された350種の多彩な植栽による緑の丘(屋上緑化3,375㎡)の創出)
地域性・アメニティへの配慮(新たなシンボルの形成、地域開放ギャラリ-)
建物の熱負荷抑制(方位追従型熱排気システム、Low-eペアガラス、高気密ブラインド)
自然エネルギ-の利用(人感センサ-による適光適時・昼光連動照明制御、外気冷房、大温度差送水、雨水再利用)
設備システムの高効率化(人感センサ-によるエリア対応空調制御、空調機連結制御、設定照度緩和(500lx採用))
サステナブル建築事例集/社団法人建築業協会
※本事例シートおよび記載内容の二次利用を禁止します
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