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CSRグループマネジメント システム - Mitsubishi Corporation
C S Rグ ループマネジメント システム 社員啓発 CSR重点施策 グローバルにビジネスを展開する三菱商事にとって、 ビジネス 事業投資先へのアンケート調査 感度と同時に、CSR意識の徹底・向上を図ることも人材育成 三菱商事は、資源開発から製造、流通・販売・サービスに至 には不可欠であると考えています。このため社員に対して、eラ 三菱商事は、商品取引から資源開発に至るさまざまな事業を通して、CSR(企業の社会的責任)の一環として るまで、多種多様な業種の事業投資先とともにビジネスを展開 ーニングを利用した研修などを実施し、CSRに関する知識・意 環境や社会へ の配慮に取り組んでいます。企業市民としての責任を果たしながら、時代をリードする総合商社 しています。これら事業投資先に対しても、CSR面でのガバナ 識の周知徹底を図っています。さらに、常に携帯し読み直しでき として、企業活動が環境や社会に与える影響を把握し、低減や改善を行うことを自らの課題と考えます。この課 ンスが重要であると考え、2004年度からは、従来の環境面に加 る小冊子「社員携帯情報」を配布し、CSR意識の向上につな 題に取り組むために、確固とした体制を整え、持続可能な社会の実現に努めています。 え、労働環境、人権、地域社会、製品およびサービスの4分野に げています。役職員はもちろん、全社員へのCSRの啓発を通し 関して実態把握調査を行いました。さらに2005年度は、 これら4 て、CSRを理解し、実行できる人材を育成し、社外にも輩出でき 分野に加え、購買先・調達先の調査項目を新設し、事業投資 る企業にしていきたいと思っています。 先のサプライチェーン配慮の実態把握に向けて行動を開始し 情報開示 ました。 CSR推進体制図 三菱商事はこれまで「処事光明」の精神に基づき、企業活 CSR推進体制 社 会 ・ 環 境 委 員 会 ︵ 委 員 長 = コ ー ポ レ ー ト 担 当 役 員 ︶ 三菱商事のCSRの取り組み体制としては、活動方針を策定 する「社会・環境委員会」と方針に沿って具体的な活動を検討 する「CSRタスクフォース」という組織があります。 「社会・環境委員会(委員長:コーポレート担当役員)」は、各 営業グループの社会・環境責任者とコーポレートスタッフ部門 の各部長で構成されており、CSR・地球環境問題・社会貢献活 動の3つのテーマで活動方針や施策などを議論しています。 「CSRタスクフォース(事務局:社会・環境室)」は、各営業グ ループとコーポレートスタッフ部門各部の中堅社員で構成され、 C S R タ ス ク フ ォ ー ス ︵ 事 務 局 = 社 会 ・ 環 境 室 ︶ 営業グループ (新機能事業、エネルギー事業、金属、機械、 化学品、生活産業) 商品サプライチェーン実態把握調査 動の公開性・透明性を堅持した活動を行ってきました。 昨今、 「顔の見える食品」に代表されるように、 どこで、誰が、 三菱商事では、2002年に他商社に先駆けて環境報告書の 経営企画部 どのようにして生産したかなどを追跡調査できるようにする、商 形式を改め、サステナビリティ・リポートを発行、2006年で5年目 オフィスビル企画部 品のトレーサビリティに対する消費者の関心が非常に高まって を迎えています。また、2004年3月には、各界の一線でご活躍 総務部 います。また、農産物を中心として、一定の基準を満たした一次 の方々をお招きし、第一回目のマルチステークホルダー・ダイア 人事部 産品を認証する制度が世界的に拡大するなど、農産物の原産 ログを開催しました。2005年度からは、海外(ロンドン・ニューヨ 法務部 地表示に対する要求が高まっています。また、衣料品などの生 ーク)でもステークホルダー・ダイアログを開催し、 グローバルな 産工場において、人権配慮や労働環境(児童労働・強制労働) 観点から三菱商事の事業、社会・環境活動に対する貴重なご についての配慮を求める動きが強まっています。 意見を頂いています。 こうした流れを受けて、三菱商事では取扱商品のうち、主に農 三菱商事では、社会的責任投資(SRI) をはじめとするさまざ 産物と衣料品について、サプライチェーンにおいての実態把握 まなステークホルダーからのお問い合わせ(アンケート・インタビ 調査を実施しています。 ュー等)にも積極的に対応しています。企業は社会のさまざま こうした調査を行っているのは、三菱商事が取扱う数多くの なステークホルダーとのコミュニケーションによって鍛えられると 商品のうち、一部でしかありませんが、今後は調査範囲を拡大し いう側面があります。それだけに今後も、こうした双方向の対話 ていき、サステナブルなサプライチェーンの実現に向けて努力を を大切にし、より多くのステークホルダーの声に耳を傾け、その 継続していきたいと考えています。 声を経営に活かしていきたいと考えています。 業務部 トレジャラーオフィス コントローラーオフィス IR部 社内各部の情報共有や関連施策の検討を行っています。 CSRの取り組みの全体像 Ⅰ 事業投資先・商品のサプライチェーンの実態調査(社会・環境室が主体で実施) P25(施策の概要)、P32-33(2005年度の調査結果) P25 ②商品サプライチェーン実態把握調査 ①事業投資先へのアンケート調査 Ⅱ 社内外とのコミュニケーション(社会・環境室が主体で実施) ①社員啓発(講演会、研修等) ②情報開示(レポート、 ウェブ等) CSR 重点施策 P25 P25 Ⅲ 環境や社会への影響の自己評価と対策立案を行うシステム(各主管部署が主体で実施) ①投融資時のCSR観点での審査(起案部署が案件申立書に、想定される環境・社会影響、対策を記載) ②環境影響評価(事業投資先・商品)、環境レビュー (事業投資先・取引先) P26 P28-P31 サステナビリティ・リポートの発行 CSR Policies & Management 24 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 CSR Policies & Management 25 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 C S Rグ ループマネジメント システム 社員啓発 CSR重点施策 グローバルにビジネスを展開する三菱商事にとって、 ビジネス 事業投資先へのアンケート調査 感度と同時に、CSR意識の徹底・向上を図ることも人材育成 三菱商事は、資源開発から製造、流通・販売・サービスに至 には不可欠であると考えています。このため社員に対して、eラ 三菱商事は、商品取引から資源開発に至るさまざまな事業を通して、CSR(企業の社会的責任)の一環として るまで、多種多様な業種の事業投資先とともにビジネスを展開 ーニングを利用した研修などを実施し、CSRに関する知識・意 環境や社会へ の配慮に取り組んでいます。企業市民としての責任を果たしながら、時代をリードする総合商社 しています。これら事業投資先に対しても、CSR面でのガバナ 識の周知徹底を図っています。さらに、常に携帯し読み直しでき として、企業活動が環境や社会に与える影響を把握し、低減や改善を行うことを自らの課題と考えます。この課 ンスが重要であると考え、2004年度からは、従来の環境面に加 る小冊子「社員携帯情報」を配布し、CSR意識の向上につな 題に取り組むために、確固とした体制を整え、持続可能な社会の実現に努めています。 え、労働環境、人権、地域社会、製品およびサービスの4分野に げています。役職員はもちろん、全社員へのCSRの啓発を通し 関して実態把握調査を行いました。さらに2005年度は、 これら4 て、CSRを理解し、実行できる人材を育成し、社外にも輩出でき 分野に加え、購買先・調達先の調査項目を新設し、事業投資 る企業にしていきたいと思っています。 先のサプライチェーン配慮の実態把握に向けて行動を開始し 情報開示 ました。 CSR推進体制図 三菱商事はこれまで「処事光明」の精神に基づき、企業活 CSR推進体制 社 会 ・ 環 境 委 員 会 ︵ 委 員 長 = コ ー ポ レ ー ト 担 当 役 員 ︶ 三菱商事のCSRの取り組み体制としては、活動方針を策定 する「社会・環境委員会」と方針に沿って具体的な活動を検討 する「CSRタスクフォース」という組織があります。 「社会・環境委員会(委員長:コーポレート担当役員)」は、各 営業グループの社会・環境責任者とコーポレートスタッフ部門 の各部長で構成されており、CSR・地球環境問題・社会貢献活 動の3つのテーマで活動方針や施策などを議論しています。 「CSRタスクフォース(事務局:社会・環境室)」は、各営業グ ループとコーポレートスタッフ部門各部の中堅社員で構成され、 C S R タ ス ク フ ォ ー ス ︵ 事 務 局 = 社 会 ・ 環 境 室 ︶ 営業グループ (新機能事業、エネルギー事業、金属、機械、 化学品、生活産業) 商品サプライチェーン実態把握調査 動の公開性・透明性を堅持した活動を行ってきました。 昨今、 「顔の見える食品」に代表されるように、 どこで、誰が、 三菱商事では、2002年に他商社に先駆けて環境報告書の 経営企画部 どのようにして生産したかなどを追跡調査できるようにする、商 形式を改め、サステナビリティ・リポートを発行、2006年で5年目 オフィスビル企画部 品のトレーサビリティに対する消費者の関心が非常に高まって を迎えています。また、2004年3月には、各界の一線でご活躍 総務部 います。また、農産物を中心として、一定の基準を満たした一次 の方々をお招きし、第一回目のマルチステークホルダー・ダイア 人事部 産品を認証する制度が世界的に拡大するなど、農産物の原産 ログを開催しました。2005年度からは、海外(ロンドン・ニューヨ 法務部 地表示に対する要求が高まっています。また、衣料品などの生 ーク)でもステークホルダー・ダイアログを開催し、 グローバルな 産工場において、人権配慮や労働環境(児童労働・強制労働) 観点から三菱商事の事業、社会・環境活動に対する貴重なご についての配慮を求める動きが強まっています。 意見を頂いています。 こうした流れを受けて、三菱商事では取扱商品のうち、主に農 三菱商事では、社会的責任投資(SRI) をはじめとするさまざ 産物と衣料品について、サプライチェーンにおいての実態把握 まなステークホルダーからのお問い合わせ(アンケート・インタビ 調査を実施しています。 ュー等)にも積極的に対応しています。企業は社会のさまざま こうした調査を行っているのは、三菱商事が取扱う数多くの なステークホルダーとのコミュニケーションによって鍛えられると 商品のうち、一部でしかありませんが、今後は調査範囲を拡大し いう側面があります。それだけに今後も、こうした双方向の対話 ていき、サステナブルなサプライチェーンの実現に向けて努力を を大切にし、より多くのステークホルダーの声に耳を傾け、その 継続していきたいと考えています。 声を経営に活かしていきたいと考えています。 業務部 トレジャラーオフィス コントローラーオフィス IR部 社内各部の情報共有や関連施策の検討を行っています。 CSRの取り組みの全体像 Ⅰ 事業投資先・商品のサプライチェーンの実態調査(社会・環境室が主体で実施) P25(施策の概要)、P32-33(2005年度の調査結果) P25 ②商品サプライチェーン実態把握調査 ①事業投資先へのアンケート調査 Ⅱ 社内外とのコミュニケーション(社会・環境室が主体で実施) ①社員啓発(講演会、研修等) ②情報開示(レポート、 ウェブ等) CSR 重点施策 P25 P25 Ⅲ 環境や社会への影響の自己評価と対策立案を行うシステム(各主管部署が主体で実施) ①投融資時のCSR観点での審査(起案部署が案件申立書に、想定される環境・社会影響、対策を記載) ②環境影響評価(事業投資先・商品)、環境レビュー (事業投資先・取引先) P26 P28-P31 サステナビリティ・リポートの発行 CSR Policies & Management 24 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 CSR Policies & Management 25 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 ① コーポレートスタッフ部門/営業各グループが、投融資案件の 投融資案件におけるCSR観点の考慮 申立書において環境・社会への影響を記載 三菱商事では、戦略的意思決定機関である社長室会におけ ② 社会・環境室が環境・社会への影響について審査 る投融資案件の審議に際して、社会・環境リスクも考慮されます。 環境マネジメントの特徴 事業活動 三菱商事は国内外に多くの拠点を持ち、 さまざまな商品や また、案件によっては、 さらに取締役会で審議されます。 社会・環境室の審査にあたっては、 「環境社会配慮確保の サービスを取扱い、グローバルにビジネスを展開しています。な 社長室会での投融資案件の意思決定は、社内専門部局の提 ための国際協力銀行(JBIC)ガイドライン」や、国際金融公社 かでも広範な商品取引活動と、国内外におけるさまざまな事業 言を考慮したポートフォリオマネジメント委員会(PM委員会)の (IFC)のガイドライン等を参照しています。また、案件を取りす 投資活動を通じて、環境と密接な関係を有しています。 諮問を基に行われます。PM委員会では、経済的側面だけでなく、 すめるうえでの留意点を取りまとめたCSRチェックリストを策定し、 地球環境や地域社会に及ぼす影響についても総合的に審査・ 環境面での審査に加え、 グローバルな観点からみた人権・労働 環境マネジメントの特徴 検討を行っています。 環境への配慮など、社会性項目についても審査を行っています。 三菱商事では、取引先、事業投資先における環境への影響を 具体的には、次のシステムを導入しています。 重視し、間接的な形で環境への影響を管理していくことが必要で あると考えます。そこで、取扱商品と事業投資先の環境影響評価 を行い、環境改善につながる提言や要望を伝達し、環境影響の 投融資案件の審査フロー図 低減を図っています。さらに、事業投資先が行っている環境管理 の取り組み、環境パフォーマンスについての調査・実態把握を行 取締役会 い、 リスク管理に活用しています。一方、直接環境管理ができる 意見提出 オフィスでの活動では、数値目標を設定して環境負荷の低減を図 っています。このISO14001の仕組みを活用した環境マネジメント 社長室会 システムの推進は、社員一人ひとりの環境意識の向上に役立っ 三菱商事環境方針ポスター ています。 ポートフォリオ・マネジメント 委員会 環境マネジメント体制 案 件 申 立 意見提出 社会・環境室 CSR対応チェックリスト * 地球環境 (生物多様性等) * 地域・社会(先住民・文化遺産等) * 人権・労働(児童労働等) 三菱商事では、社長を最高責任者とする推進体制を構築し、 環境マネジメント推進体制図 全員参加による環境マネジメントを推進しています。 1. 環境管理責任者: 社長 環境マネジメントシステム全体を運用管理する上での責任者 です。 取締役 (社会・環境担当) 環境監査責任者 2. グループ・ブロック社会・環境責任者: グループ・ブロック内の環境マネジメントシステム運用管理の 社会・環境委員会 コーポレートスタッフ部門 営業各グループ 責任者であり、CSR関連事項の対応も行います。 1.環境管理責任者 「各グループ・ブロックの環境推進担当者」は、社会・環境責 社会・環境室 (EMSタスクフォース) 任者を補佐し、 グループ・ブロック内の環境マネジメントが円滑か つ確実に運用されるように統括します。また、各部ごとに設置さ れた「環境担当(約370名) 」は、各部署の環境責任者を補佐し、 2.各グループ・ 国内ブロック 社会・環境責任者 各グループ・ 国内ブロック 環境推進担当者 部署内の環境影響評価の取りまとめなど環境マネジメントの推 各部署 環境責任者 進を行っています(各部署の環境責任者・環境担当は、 それぞれ の組織に合わせて、部・ユニット・チームごとに設置されています)。 CSR Policies & Management 26 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 CSR Policies & Management 27 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 各部署 環境担当 ① コーポレートスタッフ部門/営業各グループが、投融資案件の 投融資案件におけるCSR観点の考慮 申立書において環境・社会への影響を記載 三菱商事では、戦略的意思決定機関である社長室会におけ ② 社会・環境室が環境・社会への影響について審査 る投融資案件の審議に際して、社会・環境リスクも考慮されます。 環境マネジメントの特徴 事業活動 三菱商事は国内外に多くの拠点を持ち、 さまざまな商品や また、案件によっては、 さらに取締役会で審議されます。 社会・環境室の審査にあたっては、 「環境社会配慮確保の サービスを取扱い、グローバルにビジネスを展開しています。な 社長室会での投融資案件の意思決定は、社内専門部局の提 ための国際協力銀行(JBIC)ガイドライン」や、国際金融公社 かでも広範な商品取引活動と、国内外におけるさまざまな事業 言を考慮したポートフォリオマネジメント委員会(PM委員会)の (IFC)のガイドライン等を参照しています。また、案件を取りす 投資活動を通じて、環境と密接な関係を有しています。 諮問を基に行われます。PM委員会では、経済的側面だけでなく、 すめるうえでの留意点を取りまとめたCSRチェックリストを策定し、 地球環境や地域社会に及ぼす影響についても総合的に審査・ 環境面での審査に加え、 グローバルな観点からみた人権・労働 環境マネジメントの特徴 検討を行っています。 環境への配慮など、社会性項目についても審査を行っています。 三菱商事では、取引先、事業投資先における環境への影響を 具体的には、次のシステムを導入しています。 重視し、間接的な形で環境への影響を管理していくことが必要で あると考えます。そこで、取扱商品と事業投資先の環境影響評価 を行い、環境改善につながる提言や要望を伝達し、環境影響の 投融資案件の審査フロー図 低減を図っています。さらに、事業投資先が行っている環境管理 の取り組み、環境パフォーマンスについての調査・実態把握を行 取締役会 い、 リスク管理に活用しています。一方、直接環境管理ができる 意見提出 オフィスでの活動では、数値目標を設定して環境負荷の低減を図 っています。このISO14001の仕組みを活用した環境マネジメント 社長室会 システムの推進は、社員一人ひとりの環境意識の向上に役立っ 三菱商事環境方針ポスター ています。 ポートフォリオ・マネジメント 委員会 環境マネジメント体制 案 件 申 立 意見提出 社会・環境室 CSR対応チェックリスト * 地球環境 (生物多様性等) * 地域・社会(先住民・文化遺産等) * 人権・労働(児童労働等) 三菱商事では、社長を最高責任者とする推進体制を構築し、 環境マネジメント推進体制図 全員参加による環境マネジメントを推進しています。 1. 環境管理責任者: 社長 環境マネジメントシステム全体を運用管理する上での責任者 です。 取締役 (社会・環境担当) 環境監査責任者 2. グループ・ブロック社会・環境責任者: グループ・ブロック内の環境マネジメントシステム運用管理の 社会・環境委員会 コーポレートスタッフ部門 営業各グループ 責任者であり、CSR関連事項の対応も行います。 1.環境管理責任者 「各グループ・ブロックの環境推進担当者」は、社会・環境責 社会・環境室 (EMSタスクフォース) 任者を補佐し、 グループ・ブロック内の環境マネジメントが円滑か つ確実に運用されるように統括します。また、各部ごとに設置さ れた「環境担当(約370名) 」は、各部署の環境責任者を補佐し、 2.各グループ・ 国内ブロック 社会・環境責任者 各グループ・ 国内ブロック 環境推進担当者 部署内の環境影響評価の取りまとめなど環境マネジメントの推 各部署 環境責任者 進を行っています(各部署の環境責任者・環境担当は、 それぞれ の組織に合わせて、部・ユニット・チームごとに設置されています)。 CSR Policies & Management 26 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 CSR Policies & Management 27 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 各部署 環境担当 環境影響評価の分析結果 事業投資活動・商品取引における環境影響評価と環境レビュー 環境影響の把握 「環境レビュー」は、事業投資先の環境リスクや当社取扱商 三菱商事の事業投資先は幅広い業種にわたっており、中に 品の環境への影響を低減させることを狙いとし、毎年、数十社 は社会・環境問題への影響が大きい事業を行っている投資先 の事業投資先および取引先に調査・ヒアリングを実施していま も含まれています。また取扱商品も多種多様で、それらの中に す。また、実際の現場や生産工程を視察し、環境管理体制や環 も、環境に与える影響が大きなものもあります。三菱商事では 境への取り組み状況、労働環境・人権・地域社会等の状況を 事業投資先や取扱商品の環境への影響を把握するため、毎 2005年度 取扱商品の環境影響評価結果分析 商品群数 コーポレートスタッフ部門 21 確認・把握・評価を行います。その結果、相手先により一層の 新機能事業グループ 16 年1回、主管部署が「環境影響評価カード」に基づいて、環境 環境改善につながる提言や要望を伝達し、 ともに環境リスクの エネルギー事業グループ 40 側面の抽出と環境影響評価を行っています。 低減を実現していくことを目的としています。 金属グループ 46 環境影響評価や環境レビューは、三菱商事グループ全体の 機械グループ 81 環境影響評価手法 リスク・マネジメントの一環として、 また取引先を含んだサプライ 化学品グループ 161 事業投資先については、資源開発・製造・加工・販売等の、 チェーン・マネジメントの観点としても重要な施策と位置づけて 生活産業グループ 125 各投資先の事業活動における環境への影響を、取扱商品に います。 平均 490* ついては、原料調達から使用後の処理までのライフサイクルの [注1]森林 森林開発、木材使用の影響の有無 各ステージで発生する環境影響を、それぞれ通常時・緊急時に [注1] [注2] 森林 自然 生態系 [注3] 地球 温暖化 天然資源 [注2]自然生態系 地域の生態系への影響の有無 (含、天然資源の使用、自然環境の汚染) オゾン層 大気汚染 水質汚染 土壌汚染 健康障害 騒音・振動 [注3]天然資源 枯渇性天然資源(原材料)、電力、梱包材料の使用の有無 分けて評価します。評価では、商品特性、三菱商事が影響力を 環境影響の度合い ■=影響が大きい ■=影響は中程度 ■=影響はあまりない 行使できる度合い、利害関係者のクレームや環境関連法規制 の適用の有無等も考慮し行います。 2005年度は、425社(うち海外217社)の事 ・ 「取扱商品の環境影響評価」は、当社の取扱全商品を抽出し、商品の物理的・化学的特性、取引形態、用途、適用法規制等が共通しているものを商品群とし てグルーピングした上で、 その商品群が、環境に与える影響の度合いを当社の評価基準に従って絶対評価したものです。 環境影響評価から環境レビューまでのフロー図 ・2005年度の「取扱商品の環境影響評価」の結果、環境影響項目別の評価点合計をグループの商品群数で平均値を算出し、環境影響の度合いを表わしてい 業投資先と、951の全商品群について、環境 側面を抽出し、環境影響評価を行いました。 取扱商品が環境に影響を与える側面(環境側面) 毎 年 1 回 実 施しているこの環 境 影 響 評 価 天然資源、エネルギー等の使用 原料調達∼使用後の処理までの各ライフステージ は、社員が担当業務と環境とのかかわりを考 える機会となるものであり、社員一人ひとりの 生産 加工 建設 原料調達 供給 輸送 保管 販売 使用後の 処理 商品使用 環 境 問 題に対するセンスと対 応力の向 上の ための教育の手法としても重要であると考え 大気汚染物質、水質汚濁物質、悪臭、振動、廃棄物等の発生(環境影響) ています。 環境目的・目標 実施計画の策定 著しい環境側面を持つ 商品・事業投資先の特定 環境レビュー 環境レビュー 環境影響評価の結果や、環境改善につな がる効 果を期 待して抽出した事 業 投 資 先や 大気汚染物質、水質汚濁物質、悪臭、振動、廃棄物等の発生(環境影響) 取扱商品について、環境影響を低減するため の長期的視点にたった目的、単年度に達成し 三菱商事では、毎年すべての取扱商品を抽出し、商品の物 の平均値を算出し、その影響の度合いを色の濃淡で表わした 理的・化学的特性、取引形態、用途、適用する法規制等が共通 ものです。 しているものを商品群としてグルーピングした上で、その商品群 この分析から、環境影響項目でみると、 どのグループも「天然 が環境に与える影響を評価しています。取扱商品の環境影響 資源の枯渇」と「大気汚染」への影響が大きいと評価していま 評価は、原料調達から使用後の処理までの各ライフステージに す。またグループ別でみると、 「石油・天然ガス・LPG」等を扱う おいて、環境影響の度合いを「通常時」と「緊急時」の両面から エネルギー事業グループや「石炭・地金」等を扱う金属グルー 、当社の評価基準に従って定量的に絶対評価するものです。 プは、環境影響のほとんどの項目で影響の度合いが中程度以 2005年度は、本店内グループで490、国内の各地域ブロッ 上と判定しています。 クで461の合計951商品群について環境側面を抽出し、環境 この影響評価を基に、グループ・ブロックの特性を考慮して 影響評価を実施しました。上記の表は、そのうち本店の490商 「著しい環境側面」を特定し、 「環境レビュー」を実施し、環境 品群について、各グループの環境影響項目別に1商品群あたり 天然資源 開発 土地開発 養殖 飼育 漁 製造 加工 物流を 伴う販売 物流事業 としての 輸送・保管 うる目標を設定し、環境マネジメントシステムの 事業投資活動の範囲・内容 実施計画を策定します。そして、各々の目的・ 天然資源、エネルギー等の使用 目標、実施計画に従って「環境レビュー」を行 店舗営業 負荷の低減を図っています。 オフィス 活動 事業投資活動が環境に影響を与える側面(環境側面) います。 CSR Policies & Management 28 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 CSR Policies & Management 29 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 環境影響評価の分析結果 事業投資活動・商品取引における環境影響評価と環境レビュー 環境影響の把握 「環境レビュー」は、事業投資先の環境リスクや当社取扱商 三菱商事の事業投資先は幅広い業種にわたっており、中に 品の環境への影響を低減させることを狙いとし、毎年、数十社 は社会・環境問題への影響が大きい事業を行っている投資先 の事業投資先および取引先に調査・ヒアリングを実施していま も含まれています。また取扱商品も多種多様で、それらの中に す。また、実際の現場や生産工程を視察し、環境管理体制や環 も、環境に与える影響が大きなものもあります。三菱商事では 境への取り組み状況、労働環境・人権・地域社会等の状況を 事業投資先や取扱商品の環境への影響を把握するため、毎 2005年度 取扱商品の環境影響評価結果分析 商品群数 コーポレートスタッフ部門 21 確認・把握・評価を行います。その結果、相手先により一層の 新機能事業グループ 16 年1回、主管部署が「環境影響評価カード」に基づいて、環境 環境改善につながる提言や要望を伝達し、 ともに環境リスクの エネルギー事業グループ 40 側面の抽出と環境影響評価を行っています。 低減を実現していくことを目的としています。 金属グループ 46 環境影響評価や環境レビューは、三菱商事グループ全体の 機械グループ 81 環境影響評価手法 リスク・マネジメントの一環として、 また取引先を含んだサプライ 化学品グループ 161 事業投資先については、資源開発・製造・加工・販売等の、 チェーン・マネジメントの観点としても重要な施策と位置づけて 生活産業グループ 125 各投資先の事業活動における環境への影響を、取扱商品に います。 平均 490* ついては、原料調達から使用後の処理までのライフサイクルの [注1]森林 森林開発、木材使用の影響の有無 各ステージで発生する環境影響を、それぞれ通常時・緊急時に [注1] [注2] 森林 自然 生態系 [注3] 地球 温暖化 天然資源 [注2]自然生態系 地域の生態系への影響の有無 (含、天然資源の使用、自然環境の汚染) オゾン層 大気汚染 水質汚染 土壌汚染 健康障害 騒音・振動 [注3]天然資源 枯渇性天然資源(原材料)、電力、梱包材料の使用の有無 分けて評価します。評価では、商品特性、三菱商事が影響力を 環境影響の度合い ■=影響が大きい ■=影響は中程度 ■=影響はあまりない 行使できる度合い、利害関係者のクレームや環境関連法規制 の適用の有無等も考慮し行います。 2005年度は、425社(うち海外217社)の事 ・ 「取扱商品の環境影響評価」は、当社の取扱全商品を抽出し、商品の物理的・化学的特性、取引形態、用途、適用法規制等が共通しているものを商品群とし てグルーピングした上で、 その商品群が、環境に与える影響の度合いを当社の評価基準に従って絶対評価したものです。 環境影響評価から環境レビューまでのフロー図 ・2005年度の「取扱商品の環境影響評価」の結果、環境影響項目別の評価点合計をグループの商品群数で平均値を算出し、環境影響の度合いを表わしてい 業投資先と、951の全商品群について、環境 側面を抽出し、環境影響評価を行いました。 取扱商品が環境に影響を与える側面(環境側面) 毎 年 1 回 実 施しているこの環 境 影 響 評 価 天然資源、エネルギー等の使用 原料調達∼使用後の処理までの各ライフステージ は、社員が担当業務と環境とのかかわりを考 える機会となるものであり、社員一人ひとりの 生産 加工 建設 原料調達 供給 輸送 保管 販売 使用後の 処理 商品使用 環 境 問 題に対するセンスと対 応力の向 上の ための教育の手法としても重要であると考え 大気汚染物質、水質汚濁物質、悪臭、振動、廃棄物等の発生(環境影響) ています。 環境目的・目標 実施計画の策定 著しい環境側面を持つ 商品・事業投資先の特定 環境レビュー 環境レビュー 環境影響評価の結果や、環境改善につな がる効 果を期 待して抽出した事 業 投 資 先や 大気汚染物質、水質汚濁物質、悪臭、振動、廃棄物等の発生(環境影響) 取扱商品について、環境影響を低減するため の長期的視点にたった目的、単年度に達成し 三菱商事では、毎年すべての取扱商品を抽出し、商品の物 の平均値を算出し、その影響の度合いを色の濃淡で表わした 理的・化学的特性、取引形態、用途、適用する法規制等が共通 ものです。 しているものを商品群としてグルーピングした上で、その商品群 この分析から、環境影響項目でみると、 どのグループも「天然 が環境に与える影響を評価しています。取扱商品の環境影響 資源の枯渇」と「大気汚染」への影響が大きいと評価していま 評価は、原料調達から使用後の処理までの各ライフステージに す。またグループ別でみると、 「石油・天然ガス・LPG」等を扱う おいて、環境影響の度合いを「通常時」と「緊急時」の両面から エネルギー事業グループや「石炭・地金」等を扱う金属グルー 、当社の評価基準に従って定量的に絶対評価するものです。 プは、環境影響のほとんどの項目で影響の度合いが中程度以 2005年度は、本店内グループで490、国内の各地域ブロッ 上と判定しています。 クで461の合計951商品群について環境側面を抽出し、環境 この影響評価を基に、グループ・ブロックの特性を考慮して 影響評価を実施しました。上記の表は、そのうち本店の490商 「著しい環境側面」を特定し、 「環境レビュー」を実施し、環境 品群について、各グループの環境影響項目別に1商品群あたり 天然資源 開発 土地開発 養殖 飼育 漁 製造 加工 物流を 伴う販売 物流事業 としての 輸送・保管 うる目標を設定し、環境マネジメントシステムの 事業投資活動の範囲・内容 実施計画を策定します。そして、各々の目的・ 天然資源、エネルギー等の使用 目標、実施計画に従って「環境レビュー」を行 店舗営業 負荷の低減を図っています。 オフィス 活動 事業投資活動が環境に影響を与える側面(環境側面) います。 CSR Policies & Management 28 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 CSR Policies & Management 29 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 事業投資活動における環境レビュー 商品取引活動における環境レビュー 環境配慮のオフィスビル 食用でん粉類の生産・加工における環境管理体制 ペトロダイヤモンドジャパン (株)のバンカー給油業務におけ 大日本明治製糖 (株) の製糖委託工場におけるCO 2 排 る環境調査 出量削減への取り組み オフィスビル企画部では、2006年3月末に完成した三菱商事 関西ブロックの四国支店生活産業チームでは、日本食品化 ビルディングで環境に配慮したビル運用を行うべく、建設工事 工(株)における環境管理体制、特に製品の生産・加工時の エネルギー事業グループ 石油事業本部では、三菱商事の 生活産業グループ食糧本部の事業投資先である大日本明治 の最終年度にあたる2005年度に、 ビル設計面と施工面におけ 水質汚濁防止など緊急時の対策について、実態把握を重点目 100%事業投資先であるペトロダイヤモンドジャパン(株)の船 製糖(株)は、国内3ヵ所の委託工場において、砂糖を精製して る環境配慮の具体的な取り組みの確認およびビルオーナーとし 標として環境レビューを実施しました。 舶用燃料油給油業務における環境リスクを検証する目的で、 います。その委託工場のうち、関門製糖(株)では、ボイラーを ての要望実践の確認を目標とした環境レビューを実施しました。 まず、環境チェックリストをもちいて、環境管理体制等を事前 同社が起用する艀(はしけ)会社ならびに荷役立会委託会社 従 来の重 油 燃 焼 方 式からL N Gガス燃 焼 方 式に転 換を図り、 まずは、2002年度に環境レビューを実施した品川オフィスの結 確認の上、現地調査において、天災・事故時に備えた化学物 等の関係者の協力を頂き、環境レビューを下記のとおり実施し CO 2 排出量が2004年度比大幅減(約20%削減) 、燃料費の 果を参考に「環境への配慮事項」のチェックリストを作成し、設 質の保管体制や燃料タンクの浸水防止設備のご説明を頂くと ました。 コストダウンを達成するとともに、SOxや煤塵も大幅に低下する 計者(株)三菱地所設計、施工者(株)竹中・名工建設(株)共 ともに、自衛消防隊の訓練も毎月シフトごとに実施されているこ ①艀会社より環境管理体制に関する資料を入手。 という環境面での付随効果も得られました。同工場では、従来か 同企業体に対し、それぞれが関与しているライフステージすべて とを確 認しました。また同 社は、すでにI S O 1 4 0 0 1ならびに ②荷役立会委託会社が作成する「作業手順書」を入手。 ら廃棄物のリサイクルにも積極的に取り組むなど、環境負荷低 の環境側面についての環境配慮内容を調査しました。 ISO9001を取得されており、起用している倉庫・運送業者に対 ③両資料を基に受発注段階から給油終了に至るまでの漏油 減・環境法規制の順守への意識が非常に高く、この施策の積 その結果、設計面では、 する環境マネジメントシステムの教育や視察の定期的な実施、 可能性調査・緊急時の通報体制等の海洋汚染防止管理体 ①設計コンセプトは、地球環境に配慮するものである。 ならびに近隣からのクレームへの対処方法も整備されているこ 制の確認。 ②極力環境負荷の少ない建設資材を使用する。 ともあわせて確認することができました。三菱商事からは、 さらな 船舶用燃料油給油業務における関係各社の実務担当者と て、この関門製糖(株)のボイラー燃料転換の効果をほかの委 ③省エネルギー効果のある電気・空調・衛生設備を導入する る環境負荷低減を目指して、間接的な管理部分となるライフサ の会話を通じ、環境対応の重要性を改めて共有できたことは極 託工場でも実現すべく検討を依頼するとともに環境管理体制 (エアーフローウィンドウ(二重窓)、SMART-VAVの導入)。 イクル分析やグリーン調達の実施等へ活動を広げていかれるこ めて大きな成果であったと考えています。 のさらなる維持向上を提言しました。 とをご提案し、同社からも前向きに検討していきたいとのご回答 また今回、環境レビューの協力をお願いした艀会社は、2002 この環境レビューを実施したことにより、三菱商事グループが を頂きました。 年度に三菱商事が環境レビューを実施した際にISO14001の 一丸となって環境問題に取り組んでいることを広く伝達するこ 会を組織して所員への環境教育を実施し、廃棄物の低減やリ 認証を取得しており、今回のレビューを通じ傘下の船主に対す とができ、大きな収穫となりました。 サイクルの促進、建築現場における騒音・振動・大気汚染の低 る環境配慮の徹底、ならびにISO14001取得の推進等を実施 減努力、工事用車両のアイドリングならびに空ふかし禁止運動 している事が判明し、三菱商事の環境レビューが、関係先に広 を重視していることが確認できました。 一方、施工面では、現場作業所に環境配慮を推進する委員 が 実 践されていることが み重ねが大きな成果を生んでいることが確認できました。 今回の調査・現地視察の結果、大日本明治製糖(株)に対し く受け入れられ多大なる貢献を果していることが確認されました。 確認できました。 こうした配慮の結果完 成した三菱商事ビルディ ングは、2006年5月から業 務を開始し、早くも環境配 慮型設計による省エネル ギー効果が現れています。 今 後は、このハード面 の 効果を運用面においてさ ボイラー燃料転換により、CO 2 排出量を削減した関門製糖( 株 ) らに高めていくオフィス管 理の施策を立案し、実践 していくことにしています。 ペトロダイヤモンドジャパン( 株 )のバンカー給油業務における環境リスクを検証 環境に配慮された三菱商事ビルディング 食用でん粉類の生産・加工における環境管理体制の現地調査 CSR Policies & Management 30 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 CSR Policies & Management 31 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 事業投資活動における環境レビュー 商品取引活動における環境レビュー 環境配慮のオフィスビル 食用でん粉類の生産・加工における環境管理体制 ペトロダイヤモンドジャパン (株)のバンカー給油業務におけ 大日本明治製糖 (株) の製糖委託工場におけるCO 2 排 る環境調査 出量削減への取り組み オフィスビル企画部では、2006年3月末に完成した三菱商事 関西ブロックの四国支店生活産業チームでは、日本食品化 ビルディングで環境に配慮したビル運用を行うべく、建設工事 工(株)における環境管理体制、特に製品の生産・加工時の エネルギー事業グループ 石油事業本部では、三菱商事の 生活産業グループ食糧本部の事業投資先である大日本明治 の最終年度にあたる2005年度に、 ビル設計面と施工面におけ 水質汚濁防止など緊急時の対策について、実態把握を重点目 100%事業投資先であるペトロダイヤモンドジャパン(株)の船 製糖(株)は、国内3ヵ所の委託工場において、砂糖を精製して る環境配慮の具体的な取り組みの確認およびビルオーナーとし 標として環境レビューを実施しました。 舶用燃料油給油業務における環境リスクを検証する目的で、 います。その委託工場のうち、関門製糖(株)では、ボイラーを ての要望実践の確認を目標とした環境レビューを実施しました。 まず、環境チェックリストをもちいて、環境管理体制等を事前 同社が起用する艀(はしけ)会社ならびに荷役立会委託会社 従 来の重 油 燃 焼 方 式からL N Gガス燃 焼 方 式に転 換を図り、 まずは、2002年度に環境レビューを実施した品川オフィスの結 確認の上、現地調査において、天災・事故時に備えた化学物 等の関係者の協力を頂き、環境レビューを下記のとおり実施し CO 2 排出量が2004年度比大幅減(約20%削減) 、燃料費の 果を参考に「環境への配慮事項」のチェックリストを作成し、設 質の保管体制や燃料タンクの浸水防止設備のご説明を頂くと ました。 コストダウンを達成するとともに、SOxや煤塵も大幅に低下する 計者(株)三菱地所設計、施工者(株)竹中・名工建設(株)共 ともに、自衛消防隊の訓練も毎月シフトごとに実施されているこ ①艀会社より環境管理体制に関する資料を入手。 という環境面での付随効果も得られました。同工場では、従来か 同企業体に対し、それぞれが関与しているライフステージすべて とを確 認しました。また同 社は、すでにI S O 1 4 0 0 1ならびに ②荷役立会委託会社が作成する「作業手順書」を入手。 ら廃棄物のリサイクルにも積極的に取り組むなど、環境負荷低 の環境側面についての環境配慮内容を調査しました。 ISO9001を取得されており、起用している倉庫・運送業者に対 ③両資料を基に受発注段階から給油終了に至るまでの漏油 減・環境法規制の順守への意識が非常に高く、この施策の積 その結果、設計面では、 する環境マネジメントシステムの教育や視察の定期的な実施、 可能性調査・緊急時の通報体制等の海洋汚染防止管理体 ①設計コンセプトは、地球環境に配慮するものである。 ならびに近隣からのクレームへの対処方法も整備されているこ 制の確認。 ②極力環境負荷の少ない建設資材を使用する。 ともあわせて確認することができました。三菱商事からは、 さらな 船舶用燃料油給油業務における関係各社の実務担当者と て、この関門製糖(株)のボイラー燃料転換の効果をほかの委 ③省エネルギー効果のある電気・空調・衛生設備を導入する る環境負荷低減を目指して、間接的な管理部分となるライフサ の会話を通じ、環境対応の重要性を改めて共有できたことは極 託工場でも実現すべく検討を依頼するとともに環境管理体制 (エアーフローウィンドウ(二重窓)、SMART-VAVの導入)。 イクル分析やグリーン調達の実施等へ活動を広げていかれるこ めて大きな成果であったと考えています。 のさらなる維持向上を提言しました。 とをご提案し、同社からも前向きに検討していきたいとのご回答 また今回、環境レビューの協力をお願いした艀会社は、2002 この環境レビューを実施したことにより、三菱商事グループが を頂きました。 年度に三菱商事が環境レビューを実施した際にISO14001の 一丸となって環境問題に取り組んでいることを広く伝達するこ 会を組織して所員への環境教育を実施し、廃棄物の低減やリ 認証を取得しており、今回のレビューを通じ傘下の船主に対す とができ、大きな収穫となりました。 サイクルの促進、建築現場における騒音・振動・大気汚染の低 る環境配慮の徹底、ならびにISO14001取得の推進等を実施 減努力、工事用車両のアイドリングならびに空ふかし禁止運動 している事が判明し、三菱商事の環境レビューが、関係先に広 を重視していることが確認できました。 一方、施工面では、現場作業所に環境配慮を推進する委員 が 実 践されていることが み重ねが大きな成果を生んでいることが確認できました。 今回の調査・現地視察の結果、大日本明治製糖(株)に対し く受け入れられ多大なる貢献を果していることが確認されました。 確認できました。 こうした配慮の結果完 成した三菱商事ビルディ ングは、2006年5月から業 務を開始し、早くも環境配 慮型設計による省エネル ギー効果が現れています。 今 後は、このハード面 の 効果を運用面においてさ ボイラー燃料転換により、CO 2 排出量を削減した関門製糖( 株 ) らに高めていくオフィス管 理の施策を立案し、実践 していくことにしています。 ペトロダイヤモンドジャパン( 株 )のバンカー給油業務における環境リスクを検証 環境に配慮された三菱商事ビルディング 食用でん粉類の生産・加工における環境管理体制の現地調査 CSR Policies & Management 30 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006 CSR Policies & Management 31 Mitsubishi Corporation Sustainability Report 2006