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沖縄力をビジネスへ~現状と課題
資料 7 “沖縄力” をビジネスへ ~現状と課題~ 目 次 ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・1 “沖縄力”をビジネスへ 1.国際物流(中継貿易型産業) ①(那覇空港) ・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・2 ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・2 ②(那覇港・中城湾港) ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・3 2.国際物流拠点型産業(臨空・臨港型高付加価値産業) 3.感性・文化産業、ウエルネス産業 4.健康バイオ産業 5.地域資源活用型産業 6.離島の現状と課題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・4 ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・・ ・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・6 ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・7 ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・8 ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・11 7.企業の経営力強化と金融連携強化について ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・・・・・・12 “沖縄力”をビジネスへ 国 際 物 流 ※ 中 継 貿 易 型 産 業 ※ハブ機能を活かした沖縄型新産業(eコマース、リペアセンター、セント ラルキッチン等) 国際物流拠点産業 ※臨空・臨港型高付加価値産業 ※グローバルサプライチェーンに対応した新産業(金型、計測機器、半導 体産業等) 地 域 資 源 活 用 型 産 業 ※地域資源を活用した新産業等(感性・文化産業、食品、バイオ、植物 工場、ウエルネス産業等) ➢発展するアジア諸国のハブに位置 する好立地 ➢世界最先端の研究教育機関や支援 機関が集積 ➢沖縄は、ベンチャー企業が集積しつ つあり、陸域・海域に存在する豊富 な生物資源が魅力 ➢経済特区により、情報通信産業が 大きく成長し、金融業の集積 発 信 アジアの成長を背景とした航空物流の増大が見込まれる中、那覇空港を拠点とした国際 物流ハブ事業がスタート 国際貨物取扱量が成田空港、関西空港に次ぐ日本第3位に成長。県産品の海外輸出は 8.0t/月と、約20倍に増加し、輸出額は98%増の61億6500万円と復帰後最高。うち半導体 電子部品を主体とする電子機器が31億4100万円 観光産業だけではなく、沖縄の将来有望な分野の新規事業創出するため、これまでIT・バ イオなどといった先端分野のベンチャー企業の誘致・支援を集中的に実施 沖縄大学院大学、健康バイオ研究開発センターといった最先端の大学、研究機関が立地 し、バイオベンチャー企業数は12社(H14)から30社(H22.9沖縄県調べ)に増加 近年、観光客数500~600万人、観光収入4,000億円前後で推移 1 1.国際物流①(那覇空港) ➢ 那覇空港の国際貨物取扱量はANAによるソウル、上海、台北、香港、バンコクといったアジア主要都市とを結ぶ国際貨物ハブ事業の開始(2009 年10月)を契機として急増し、2010年には中部国際空港を抜いて、成田空港、関西空港に次ぐ第3位 ➢ 国際物流拠点産業集積地域が創設(24年4月施行)されたことから、今後の伸張も期待 現状 課題 那覇空港から国内及びアジアの主要都市へ4時間圏内 取扱貨物の拡大、県産品の拡充 沖縄から4、5時間圏内に約20億人の巨大市場が存在 Eコマース、リペアセンター、冷凍・冷蔵設備などの機 能を有した物流センターの整備 那覇空港は24時間の通関体制で対応 改正沖振法においてEコマース、リペアセンターを国際 物流特区の対象業種として位置づけ 那覇空港において航空機整備拠点を設ける動き(注) 新しいビジネスモデルの立地促進、支援策検討 輸送ネットワークの拡充に向けたハード(通信インフラ、 交通インフラ)及びソフト面の整備 県産品の割合は限定的(約0.1%) 那覇空港の駐機場能力の制約 夜間の検疫は要望に応じて対応 【国際物流ハブ】 【ヤマト運輸事業イメージ図 / 東京・関東発 香港行きの場合】〉 2 注:現在の沖振法の規定では、リペアセンターについては「国際物流拠点において積込み又は取卸しがされる物資の修理を行うものに限る。」とされており、機体整備は想定されていない。 1.国際物流②(那覇港・中城湾港) ➢ 本土から500㎞以上離れた島嶼県のため海上輸送への依存度が高い ➢ 那覇港は那覇空港から距離が近く、国際貨物バブ事業の開始に伴い、海上輸送と航空輸送を連携させた「SEA&AIR」による輸送の展開が期待 課題 現状 【那覇港】 ➢ 那覇港の国際コンテナは北米、中国、台湾、ハワイなど8航路が定 期就航 【那覇港】 輸出貨物の集荷に向けた取り組み • 那覇港物流ビジネスモデルの構築 • 特区制度を活用した総合物流センターの整備 • 利用者(荷主・船社)へのインセンティブ制度 ➢ 沖縄の港は総取扱貨物量が小さいため、船社にとって寄港のメリット が小さい • 国際コンテナターミナルとしての機能拡充 • 特区を利活用した企業(商品検査業等)の立地促進 ➢ 1バースにガントリークレーン2基以上が世界標準のところ、現在は 2バースに各1基の整備 • 新たな定期航路の開設 ➢ 香港、シンガポールなどの東アジアの主要港との航路は未就航 ➢ 片荷輸送(輸入超過)のため、空コンテナ輸送量も輸送運賃に上乗 せされており、海外への海上輸送コストが内地に比べ割高 ➢ 県産品の輸送効率化や航路拡充などの国際物流機能強化に向け、 那覇港~アジア間の「那覇港物流ビジネスモデル」を構築する社会 実験を実施中 【中城湾港】 ➢ 東ふ頭への航路が供用開始していないため、定期航路就航の目途 が立っていない、また、国際物流特区への企業進出も進まない 東ふ頭における上屋・荷役機械が不十分 【中城湾港】 東ふ頭の早期供用 • 東ふ頭への航路整備 • 中城湾港国際物流ターミナルバース整備 中城湾港(新港地区)~鹿児島港、志布志港の定期船就航実証実験 を実施中 3 2.国際物流拠点型産業(臨空・臨港型高付加価値産業) 近年、沖縄の持つ地理的な優位性に着目した高度なものづくり基盤製造業が進出しつつある状況 改正沖縄振興特別措置法による沖縄への企業立地インセンティブが高まることにより、今後さらなる集積が期待 中城湾地区においては未分譲地がまだ多く、臨空・臨港型の高度付加価値型の産業集積の実現に向けては様々な課題 現状 改正沖縄振興特別措置法により、産業高度化・事業革新促 進地域(産業イノベーション制度)、国際物流拠点産業集積地 域が創設 グローバルな競争力を有する高度ものづくり産業の集積 に関する戦略(産業集積に関するターゲットの明確化) 国際物流拠点産業集積地域において、グローバルサプライ チェーンに対応する高度なものづくり基盤製造業が進出(取組 事例参照) ・OIST等の研究拠点との連携・異業種との連携の推進 沖縄の地理的優位性に着目し、北海道や静岡など他地域の 物産を沖縄を経由して輸出する動き 中城湾地区においては、企業立地が不十分 課題 産業競争力強化に資する多様な研究開発の推進 ・先端的な研究に実績のある産総研等を誘致し、高度・ 多様な技術サポートを実施 ・コーディネータ等によるきめ細かなフォローアップ(中小 機構のものづくりコーディネーターの常駐) 産業を下支えする企業(表面加工処理・熱処理・溶射・蒸着・ 切削加工等)の集積が不十分 日本の高級食材を集めメイドインジャパンの高級食品のセ ントラルキッチンに資する施設整備(加工施設、冷凍庫) 他地域に比べ、用地費、公共料金等のコストが高い 立地費用、公共料金の柔軟な対応等による立地企業のイ ンセンティブを高め、企業立地を推進 台風により停電等の被害 沖縄県金型技術研究センター 電線地中化、スマートグリッドの整備等 株式会社琉SOK(うるま市) 株式会社パン・アキモト(うるま市) 平成24年10月30日琉球新報 4 取組事例 ~“オンリー・ワン”の技術で世界へ、そして宇宙へ~ グローバルサプライチェーンのコアパーツ 【㈱アクロラド社の概要】 【CdTe(テルル化カドミウム)半導体放射線検出素子】 本社工場:沖縄県うるま市(国際物流拠点産業集積地域内、立地第1号企業) 設 立:昭和59年2月 資 本 金:1億円 従業員数:52名 事業内容:CdTe素子及びCdTe半導体放射線検出器の開発・製造・販売 CdTeは、放射線を効率良く吸収して電気信号に変換できる画期的な 半導体。 次世代の放射線検出素子として、放射線装置メーカーから注目されて いる。 CdTe素子の使用により、放射線計 測(診断)において性能が飛躍的に 向上。 CdTe放射線検出素子の国内シェ ア100%、海外25%以上。 【今後の展開】 ➢既存のシンチレーター検出器メーカーが競合となるが、放射線検出器 市場は医療、研究開発分野だけでも約1,000億円の規模と言われてお り、その中 の1割程度のシェア獲得を目指す。 ➢旺盛な受注に対応するため、2年後をめどに工場拡張の予定。 ➢当面(5年後)の目標 →売上の倍増(約10億円→20億円)、雇用の拡大(約50名→80名) (半導体検出器等) 平成25年(2013年) に、宇宙開発研究機構(JAXA )が打ち上げをめざしている、 X線天文衛星 「ASTRO-H」に搭載されるX線撮像検出器に使用される。 CdTeの応用分野 医 療 (CdTe素子) ①低線量測定(低被爆化) ②空間分解能(解像度)の向上 ③装置の小型・軽量化 ④放射線エネルギーの識別化 ○歯科パノラマ装置 ○歯科用CT装置 ○骨粗鬆症診断装置 ○マンモグラフィー ○X線CT装置 ○血管造影装置 ○PET 産 業 ○X線非破壊検査装置 ○食品異物検査装置 ○原子力発電所モニター ○塗料中鉛検出器 セキュリティー 分析・研究開発 ○空港手荷物検査装置 -爆発物検知 -麻薬検知 ○蛍光X線分析装置 ○核テロ対策 -携帯型ガンマ線検出器 ○EDX元素分析装置 ○X線回析装置 ○ガンマ線望遠鏡 5 3.感性・文化産業、ウエルネス産業 近年、観光客数500~600万人と観光収入4,000億円前後で推移、滞在日数の長期化、観光消費額の増加に向け取組 文化を観光資源と捉え、沖縄を文化産業の拠点となるよう、文化資源をエンターテイメント化するなど沖縄感性・文化産業と観光産業の連携による 新たなサービスメニュー開発の取組 沖縄における国際医療交流の推進機関として万国医療津梁協議会(万医協)を設立し、健診・検診、リハビリテーション等の医療サービスと観光が 融合した新たな取組が期待 現状 課題 観光客数500~600万人、観光収入4,000億円前後で推移 主要観光施設における情報インフラの整備 大型旅客船ターミナル整備により外国人観光客数は約30万人と増加 観光地間、観光エリア間の情報発信、連携強化 観光客の滞在日数が1日増えると約180万人の観光客が増加した場合 と同じ効果 沖縄感性・文化産業と連携 滞在日数の長期化、観光消費額の増加に向けた取組として、医療ツー リズム、MICEの誘致、美ら海水族館等の整備 国際通り等において、観光客向けに公衆無線LAN(Wi-Fi)を整備 沖縄独特の資源として、空手、組踊り、琉舞、エイサーなどの文化、感 性は工芸品などモノ作り等様々な分野へ複合的に活用 ・沖縄のオリジナリティが活かされた芸術性・エンターテイメント性が高 い「ノンバーバル・パフォーマンス」のようなコンテンツの創造 ・文化産業集積及び情報発信拠点の整備 ・国内外の優れた人材等と交流できる仕組み 国際医療交流(医療ツーリズム含む) 国際医療交流の推進のため、(財)沖縄観光コンベンションビューローを 事務局とした万国医療津梁協議会を設置(114社機関等が参加平成24 年7月現在) ) ・受入医療機関の拡大 沖縄県における医療ツーリズムについて、国内外へのプロモーションや 沖縄型医療ツーリズムモデル実証実験を展開 ・国内外関係機関とのネットワーク構築 ・ファシリテーター等受入に係るコーディネート事業者の輩出 ・医療通訳等の人材育成 言語を使用しない「ノンバーバル・パフォーマンス」が国際的に注目され ており、沖縄においてもその素材となりうる素地は多いが、プロデュー サーや演出家等のプロフェッショナル人材が不足 リゾートホテルは多数立地しているが、ナイトエンタテーメント施設が不 十分 大型旅客船ターミナル 国立組踊おきなわ ノンバーバル・ パフォーマンス PET健診 6 4.健康バイオ産業 沖縄大学院大学、健康バイオ研究開発センターといった最先端の大学、研究機関が立地 先端バイオ分野のベンチャー企業を誘致・支援(バイオベンチャー企業数は12社(H14)から30社(H22.9沖縄県調べ)に増加) 医工連携による医療・福祉機器等の開発・評価事業、創薬、再生医療技術確立、予防医学、感染症防御等に向け研究・産業の拠点形成に期待 課題 現状 生命・バイオ科学等の世界最高水準の研究・教育を行う沖縄科学技 術大学院大学(OIST)が開学(平成24年9月) 琉球大学医学部に我が国最先端の医療従事者向けのシミュレーショ ン教育施設「おきなわクリニカルシミュレーションセンター」が設置(平 成24年3月) うるま市において、沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター、沖 縄科学技術・交流センター、沖縄県工業技術センター、P2レベルの施 設を備えた沖縄ライフサイエンスセンターが構想 ヒト脂肪細胞由来幹細胞をAOF(動物由来成分フリー)培地で培養す る事業者及び創薬を目指した製薬メーカーや医療機関の出現 日本本土とアジアの主要都市を概ね4時間以内に結ぶ航空物流網 <利点> ・培養細胞、医薬品等時間的制限のある商品の供給 ・医療機器等24時間稼働する機器のリペアセンター ・感染症に対応するワクチン等のストックポイント 実験室(イメージ) PC培養加工施設内 おきなわクリニカルシミュレーションセンターの高度利用により、医 療・福祉メーカーの多機能・高精度製品の評価に繋がる組織の組 成・運営の検討 細胞培養サービス事業の産業化に当たり、各種専門家による共同 研究や医療機関ネットワークの活用及びこれに連動した臨床研究や 薬事申請等に係るコンサルティングなどの事業化に向けた体制整備 革新的バイオ医薬品を開発するため、地域生物資源の活用、バイオ ベンチャーへの資金援助、製薬メーカーとの橋渡し、医療機関に対す る臨床研究支援 予防医学に係るコホート研究の推進、アジア感染症防御(バイオディ フェンス)研究拠点の整備に向け、バイオハザード対応施設の整備、 FDAやPMDAとの連携 国際航空物流網を活用した高付加価値製品の取り扱いなど那覇空 港の多機能化に向けた周辺地域の整備と仕組み作りの検討 おきなわクリニカルシミュレーションセンター 沖縄科学技術大学院大学 沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター 7 5.地域資源活用型産業 沖縄の認知度の高まりとともに、熱帯気候等の地域特性を生かした農林水産物等魅力ある多様な地域資源を活用した商品が豊富に存在。植物工 場による新たな栽培方法も展開されつつあり、これまでにないビジネスモデルが期待 一方、中小零細企業が多く経営資源が限られており、商品開発、販路開拓等が困難な状況 現状 課題 我が国で唯一の亜熱帯気候に属し、美しい自然環境、多 様な農林水産物、豊かな天然資源に恵まれている 大宜味村に、村上農園と沖縄物産企業連合が設立した 沖縄村上農園が県内では初となる豆苗の植物工場が設 立予定 経営資源の限られている企業が、海外市場の把握、商品 開発、輸出手続きなどすべてを自社で賄うことは負担が大 きい。 ・海外展開に対するワンストップ機能 ・地域行政との連携 県内には中小零細企業が多く、経営資源が限られており、 特に海外市場の把握、輸出手続きなどすべてを自社で賄 うことは負担が大きい 充填設備等の共同加工施設の整備 零細企業は、生産設備、商品開発力、ブランド力等が弱 い 植物工場などによる健康食品等に資する新しい原料を供給 できる体制整備 台風の襲来等もあり、原料となる農林水産物の生産でき る量が限られているため、最終商品の商品量に限りがあ る 大規模展示・商談会等の開催が可能な環境整備 海外ビジネスネットワーク構築事業 泡盛フェアーの風景(11 月) オキナワモズク ・効能効果を証明する仕組み作り 沖縄以外の他地域との連携 (株)沖縄ホーメル食品加工施設 8 取組事例 6 次 産 業 化 の 推 進 1.現状 2.6次産業化の推進の取り組み ●六次産業化法に基づく総合化事業計画の認定状況 対象者は、農林水産物及びその副産物(バイオマス等)の生産及びそ の加工又は販売を一体的に行う農林漁業者等 6次産業化総合化事業計画の認定件数は、沖縄では36件(全国では 1,078件)となっており、沖縄の経済的規模等からみて認定件数は多い ○総合化事業計画の事業内容の割合(全国計) 亜熱帯気候等の地域特性を生かした農林水産物やバイオマス等魅力ある多様な地域資 源が豊富に存在。それらを活用した特色ある取組が多い 【マンゴー、パインアップル等の果樹】 菓子やスイーツを商品を開発し、販売 【さとうきび、ハーブ等の工芸作物】 黒糖や菓子等を商品開発し、販売 【人参、いも等の野菜】 粉末化や練り製品等に加工・製造販売 地元農産物等を利用したジェラート 【豚、牛、鶏等の畜産物】 ハム、ソーセージ等に加工し、販売 【もずく等の水産物】 調味料の商品開発、製造、販売 ロースハム、フランクフルト 調味料等 ○総合化事業計画の対象農林水産物の割合(沖縄計) 水産物 豆類(大豆) 畜産物(鶏) 3.課題 花き 4% 2% 4% 果樹 (マンゴー・パインアップル等) ○総合化事業計画の対象農林水産物の割合 6% 25% ①認定事業者の事業取組について、零細事業者が多く資本規模が小さいことから、資 金調達に苦慮しており、加工商品の開発や施設整備に当たっても課題が多い ②認定事業者の中には、加工・消費の実情に詳しくない者もあり、加工・流通に関する 情報を得る場が必要。特に、消費者ニーズの把握や販路の確保が必要 畜産物(牛) 10% 4.今後の対応策 12% 22% 畜産物(豚) 15% 工芸作物 (さとうきび、ハーブ等) 野菜 複数の農林水産物を対象としている総合化事業計画について全てをカウントした。 ①加工商品開発のための試作や実証試験又は販売用商品の製 造を行う事業者に対し、機械設備を提供するインキュベーショ ン(起業家育成支援)事業の検討 ②農林漁業者に対して、加工・流通、販路、消費者ニーズ等の情 報を提供する方策を検討 9 取組事例 県産農林水産物の輸出促進 2.輸出促進の取り組み 1.現状 ・平成21年10月、全日空(ANA)が那覇空港を貨物輸送のハブ基地と し、ソウル、上海、台北、香港、バンコクと直結したことで、深夜に那 覇に到着した貨物を翌日午前中に5都市へ配送することか可能と なったことから、アジア向け農林水産物・食品の輸出の絶好の機会 ・国内外商談会、見本市への出展、海外での販売促進活動等により、 多種多様な県産農林水産物が海外へ輸出されており、今後も更なる 輸出が期待 ・海外へ輸出を目指す事業者をサポートするため、輸出セミナーや商談会を開催。ま た、フェアーや海外見本市への出展等海外での販売促進活動費用等を助成 (沖 縄総合事務局、沖縄県、ジェトロ等) ・香港、上海、台北の3都市で、外食店舗や高級スーパー等において県直営アンテ ナショップ7店舗を開設し、沖縄ブランドを発信 (沖縄県) 展示・商談会 海外での販促活動 沖縄県直営アンテナショップ(右:台北、左:上海) 3.課題 ①商談会等で商品そのものは評価されるものの、輸送手段、鮮度保持やコスト の問題等で商談が成立しない事例が発生 ②沖縄そのものが認知されていない国・地域があり、沖縄フェア等を開催しても 単発イベントどまりで、恒常的な輸出に至っていない 4.今後の対応策 ①多岐にわたる県産品の輸出ルート及び貨物量を正確に把握するため実態調査を実 施し、物流面の問題・課題を検証 ○沖縄県からアジア(韓国、中国、台湾、香港、タイ)向け食料品等輸出量の推移 ②輸送コストの軽減化を図る観点から、航空輸送と海上輸送のそれぞれで、鮮度保持 可能な輸送方法(冷蔵・冷凍コンテナ)を整備。また混載サービスの確立を図り、少量 多品目の農林水産物を輸送する手段として、産品に応じて航空・海上輸送の使い分 けができるような連携・分担可能な体制を構築 ③輸出を目指す国・地域別に沖縄県の認知度を再確認し、国・地域別に沖縄ブランドの 構築や認知度向上に向けた個別の戦略を検討 資料:財務省「貿易統計」 ④沖縄ブランドの構築、認知度向上のため、単発のフェアーではなく、それぞれの季節 の旬な産品を順次展示・PRする等、通年でリレー方式の沖縄フェアー開催を検討 10 6.離島の現状と課題 ➢ 離島地域は国土、海域の保全、排他的経済水域(EEZ)の確保並びに航空機や船舶の安全な航行等、我が国の国益に重要な役割 ➢ 交通の不便性から活動が制約されるなど厳しい一方で、農林水産物などの地域資源が豊富なことから各島の特徴を活かした取組が必要 現状 課題 離島は、沖縄県全体から見て人口は9.2%(約13万人)、面積 45%(約1,020㎢)を占める 離島から牛肉等を移輸出できる体制整備 広大な海域に160の島が点在(東西約1,000㎞、南北約400㎞) 地産地消のエネルギー(再生エネルギー、バイオマスなど)が有効 経済水域、海洋資源の確保に大きく貢献 中小零細企業等が共同で使用できる加工設備の設置 交通の不便性が経済行政活動を制約 八重山では、平成25年3月に新石垣空港が開港予定 離島には、農林水産等地域資源が豊富 2000年の沖縄サミットで晩餐会で石垣牛を使用。香港、マカオで 石垣牛が人気 離島の電力は、発電コストが高く、CO2も多く排出 海外への牛肉の輸出には、九州の認定と殺場での処理が必要で、 時間、コストを要す 離島には、零細な個人企業等が多く、輸送コストもかかるため加 工設備を持つ企業が不足 公 共 施 設 新石垣空港 離島でのバイオマスを活用したモデル 石垣牛 ピパーツ 11 7.企業の経営力強化と金融連携強化について 地域密着型金融は、地域金融機関による地域経済の活性化や健全な発展への積極的な貢献を目的に、①コンサルティング機能の発揮②地 域の面的再生への積極的な参画③地域や利用者への積極的な情報発信等を目指す方向性として推進されている(中小・地域金融機関向け の総合的な監督指針) 各経済産業局では、「産業クラスターサポート金融会議」を開催したのを皮切りに、現在は、「金融連携プログラム」を展開。より良質な事業者 支援を実施してるケースが増えている一方で、地域金融機関により取組の濃淡も存在している 地域の雇用や所得等地域社会に貢献する中小企業等が持つ潜在力を最大限引き出し、戦略的にその経営力を強化するためには、地域金融 機関等がコンサルティング機能の発揮していくことが不可欠である 当局の強みである沖縄振興に係る「豊富な施策と多様で広域的な産学官連携ネットワーク」と地域金融機関の強みである「連続性のあるきめ 細かな営業網と地域企業とのネットワーク」との融合を図り、両者が連携した取組を拡充・強化することにより、沖縄地域経済産業の活性化を 図る必要がある 現 状 金融情勢(全般)等に係る情報交換等 日本銀行那覇支店及び沖縄振興開発金融公庫との懇談会(四半 期毎)、沖縄地域融資動向情報交換会(年末、年度末) 地域金融機関との連携会議等 沖縄県中小企業再生支援協議会(全体会議)、中小企業支援ネッ トワークおきなわ(運営会議)、中小企業海外支援本部、農商工連 携推進協議会、おきなわ中小企業経営支援連携会議(幹事) その他 中小企業経営力強化支援法に基づく認定支援機関(管内3行、1 庫)、高度実践型人材育成事業 課 題 地域密着型金融の意識醸成 地域密着型金融の取組は、全国的に地域金融機関によって大き な差がある。企業の経営力強化という観点から意欲的にリレバン に取り組むための意識の醸成が課題 地域金融機関等との有益なネットワークの深化 企業の経営力強化という観点から地域金融機関、経営支援機関、 士業関係者等との顔の見えるネットワークの拡充・強化(つながり 力)が課題。保証協会やファンド等経営力強化に取り組む団体と の連携も拡充・強化し、地域金融機関が外部リソースとして活用 できるような仕組みの検討が必要。国と県の施策との連動性や各 産業(省庁)を超えた6次産業化や海外展開等横断的取組も必要 その他 地域密着型金融に関する中長期的評価システム、人材育成等 12