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タブレット端末のソフトウェアキーボードによる文字入力の
モバイル学会 原著論文 タブレット端末のソフトウェアキーボードによる文字入力の特性 ―加齢効果および利き手、非利き手による違い― 長谷川 旭 1) 2), 長谷川 聡 2), 宮尾 克 1) 1) 名古屋大学大学院 2) 名古屋文理大学 Characteristics of the Input on Software Keyboard of Tablet Devices: Aging Effects and Differences Between the Dominant and Non-dominant Hands for Input Akira HASEGAWA1) 2), Satoshi HASEGAWA2), Masaru MIYAO1) 1) Nagoya University, 2)Nagoya Bunri University Abstract: This study was conducted to compare the typing performance of subjects inputting alphabet characters using software keyboards on tablet devices and hardware keyboards (n=106, 19-79 average 44.4±20.3 years of age). As the results, input speed decreased and the input error increased in elderly people. Input speed was slower and error rate was higher when using non-dominant hand than using dominant hand or both hands in case of software keyboard. Keywords: touch-panel, tablet device, virtual keyboard, physical keyboard and human-computer interaction キーワード: タッチパネル, タブレット端末, バーチャルキーボード, 物理キーボード, ヒューマンコン ピュータインタラクション 1. はじめに チパネルにおけるポインティング操作は、マウスによるポインテ ィング操作と比較して、高齢者でも入力操作しやすいと指摘し Apple 社の iPad に代表されるタブレット端末は、直接画面に 触れて直感的に操作できるタッチパネル端末である[1,2]。物 理的なボタンと違って、タッチパネルには、操作に必要な入力 ボタンのみを適宜表示させることができるなどメリットが多い。し かし、タッチパネルでは物理的なボタンのような押下感がなく フィードバックが得られにくいなど、タッチパネルは物理的なボ タンとは特性が異なる[2-5]。タッチパネル端末は、押し下げる という操作しかできない従来の物理的なボタンとは異なり、フリ ック入力といったジェスチャー入力も可能である。近年、タッチ パネル端末の特性に適した新たなヒューマン•コンピュータ•イ ンタラクション•スキームの必要性が指摘[6]されている。今後普 及が予想されるソフトウェアキーによる文字入力の作業が人間 に与える影響を知ることは安全なVDT作業のために必要であ る。また、タッチパネルに適した入力方式を提案するために、 タッチパネル端末の操作性を評価して特性を明らかにする必 要がある。 タッチパネルによる入力の特性としては、Murata ら[4]がタッ 2011 年 11 月 15 日受理 ている。また高橋ら[7]はタッチパネル操作について、非利き手 と利き手での入力を、若年層と高齢層にわけて比較し、若年 層では、利き手での利用が非利き手での利用と比較して有意 にエラー率は低いが、高齢層では有意な差ではなかった事か ら、若年層に比べて疾病や怪我などで非利き手を利用する機 会が増えると想定される高齢層においては、タッチパネルは 扱いやすいインターフェースであると指摘している。これらの 先行研究は、ATM や券売機のような据え置き型のタッチパネ ル端末を人差し指でポインティング操作する事を想定したもの である。 iPad のようなタブレット端末では、単純なポインティング操作 だけでなく、実物のキーボード(以下、ハードウェアキーボード) 付きの PC のように、画面に表示されたQWERTY 配列のキー ボード(以下、ソフトウェアキーボード)を使った文字入力が利 用できるのが一般的である。ポインティング操作とソフトウェア キーボードでの文字入力操作では、入力特性が異なると考え られるが、ソフトウェアキーボードによる文字入力特性につい ての研究はまだ十分でない。 本研究では、タブレット端末での文字入力の特性を明らか にすることを目的として、文字入力の被験者実験を行った。実 モバイル学会誌 2012, vol. 2(1); pp. 23- 28 23 長谷 谷川 旭ほか: タブレット端末に タ におけるソフトウ ウェアキーボード ドでの文字入力 力特性 験は、若年層 層から高齢層まで でを被験者とし し、比較のためソ ソフト 験では、文字入 入力にかかった時 時間を計測し、誤入力数をカ カ 実験 ードとハードウェ ェアキーボードの の2通りの端末 末で行 ウェアキーボー ウン ントした。また、「使 使いにくい」を0 0、「どちらとも言 言えない」を3、 った。また、入 入力に利用する る手について、両 両手、利き手、 非利 「使いやすい」を6とする0-6の7 7段階の数値に によって使いや や き手の3通りの の場合について て調べた。 さの主観評価を調べた。 すさ 2. 実験方法 実 2.1 被験者 被験者は、106 名の男女で である。被験者 者の年齢は、19 歳か た。後述の実験 験結果 ら 79 歳まで(平均 44.4±200.3 歳)であった 較では、被験者を を、若年層(n=39、19 歳から 229 歳、 の年齢別比較 平均 22.1±1..8 歳)、壮年層(n=28、30 歳か から 49 歳、平均 均 43.4 ド (aa) ソフトウェ アキーボード ±4.8 歳)、高齢層(n=39、500 歳から 79 歳、平均 67.5±7.88 歳) 。実験では、普 普段近見時にメ メガネ の3つの年齢 層に分類した。 段通り装着して て行っ もしくはコンタ クトレンズを使う被験者は普段 前にハードウェア アキーボード操 操作とソフトウェ ェアキ た。また、事前 ーボードの操 操作の慣れにつ ついて、「慣れて ている」「まあ慣 慣れて いる」「あまり慣 慣れていない」「まったく慣れていない」の4 段階 で自己評価さ させた。ハードウ ウェアキーボー ードについては、 、「慣 れている」と回 回答した割合が、若年層で 71 1%、壮年層で 668%、 高齢層で 33%%であった。ソフトウェアキーボー ードについては は、逆 (b b) ハードウェ アキーボード ド に「まったく慣 慣れていない」と回答したのが若 若年層で 62%、 壮年 利用した端末 図 1 実験に利 層で 64%、高齢 齢層で 90%であ あった。 2.2 実験端末 末 実験に利用 用した端末は、 iPad(第1世代 代)である。ソフト トウェ ア キ ー ボ ー ド と し て 、 iPad の 画 面 内 に 表 示 さ れ る 標 準 の QWERTY 配列 列のキーボード ドを、横幅の長いランドスケー ープモ ード(図1(a))に にて利用した。iPad にランドス スケープモード ドでソ 図 2 提示 示した文章(6 6通りのうちの の1例) フトウェアキー ーボードを表示さ させると、キーピ ピッチは 17mm であ る。ハードウェ ェアキーボード として、Apple Wireless Keybboard (図1(b))をiPa adで利用した。Apple Wirelesss Keyboard の のキー ピッチは、19± ±1mm となって ており、JISによっ ってフルサイズ ズキー ボード[8]と定 定義され通常のパ パソコンで利用 用されているキ キーボ きさである。 ードと同じ大き 2.3 実験手順 順 被験者は椅 椅子に座った状 状態で文字入力 力を行った。入力 力す 図 3 実験 験の様子 る文字は、ラン ンダムに配置した小文字のアル ルファベット10 文字 (図 2)とした。 ソフトウェアキー ーボード、ハー ードウェアキーボ ボード 3. 実験 結果 について、両手、利き手、非利 利き手での入力 力を試 のそれぞれに 行するため各被験者は6通り りの入力を行った。 図 4,5,6 には、両手、利き手、 非利き手ごとに に、年齢層を要 要 文字列は6種類 類用意し、ひとり りの被験者が6 回の 入力する文 因と とした一元配置分 分散分析の結果 果を示した。また た、図 7,8,9 で 試行で同じ文 文字列を利用することなく、利用 用する文字列と 入力 は、年齢層ごとに、 、両手、利き手 手、非利き手を要 要因とした一元 元 方法の組み合 合わせは被験者 者ごとにランダム ムになるよう提示 示した。 置分散分析の結 結果を示した。 配置 被験者には、 紙に印刷された た文字列(図2)を提示し、入 力方 3.1 入力速度 れも、なるべく早 早く正確に文字 入力 法を指定した うえで、いずれ 示した(図3)。ま また、両手入力時には、なるべ べく両 するように指示 入力速度(CPM 入 : Characters PPer Minute)は、 、計測した入力 力 時間 間をもとに次式の のように求めた。 。 手を均等に利 利用するように指 指示した。 24 vol. 2(1); pp. 23- 288 J. Mobile Intteractions 20122 モバイル学会 入力速度(CPM) = [10(文字)/入力時間(秒)]×60 入力速度を年齢層によって比較した結果(図 4)では、ソフト 4.1 加齢効果 Murata ら[4]は、マウスによるポインティング操作と比較して、 ウェアキーボード利用時もハードウェアキーボード利用時と同 タッチパネルでは高齢者と若者の間で入力に要する時間の著 様に、若年層、壮年層、高齢層の順に遅くなっている(図 4)。 しい違いはないとした。しかし、QWERTY配列での文字入力 入力速度を両手、利き手、非利き手で比較した結果(図 7) について調査した本研究の結果では、ソフトウェアキーボード では、ソフトウェアキーボード利用時もハードウェアキーボード 利用時もハードウェアキーボード利用時と同様に、若年層、壮 利用時と同様に、両手、利き手、非利き手の順に入力速度は 年層、高齢層の順に入力速度が有意に遅くなった(図 4)。エ 遅くなる傾向があった。入力速度の差は、ハードウェアキーボ ラー率についても、高齢層になると高くなる傾向(図 5)があり、 ードでは、若年層で顕著であり高齢層では小さかった。しかし、 ハードウェアキーボードよりもソフトウェアキーボードで顕著に ソフトウェアキーボードでは、全年齢層においても、両手と利き エラー率が高かった。使いやすさの主観評価においても、ハ 手の差が小さく、有意差は確認されなかった(図 7)。 ードウェアキーボードと同様に、高齢層になるほど入力しにく いと評価(図 6)された。高齢層は、他の年齢層と比較してハー 3.2 エラー率 誤入力の種類としては、同じキーを二重にタップや、隣接の キーのタップなどが見られ、それぞれ 1 文字毎に誤入力1回と ドウェアキーボード、ソフトウェアキーボード共にあまり慣れて いない、まったく慣れていないと回答した割合が多く、慣れが 操作成績に影響した可能性も考えられる。しかし、非利き手で カウントした。 エラー率を、計測した誤入力数から次式のように求めた。 エラー率[%] = [誤入力数/10(文字)]×100 エラー率を年齢層によって比較した結果(図 5)では、ソフト ウェアキーボードでも、ハードウェアキーボードと同様に高齢 層でエラー率が高くなる傾向があった。特にソフトウェアキー ボードでの高齢者のエラー率は、両手、利き手、非利き手に 限らず大きく、若年層との間に有意差が確認された。 エラー率を、両手、利き手、非利き手で比較した結果(図 8)では、ハードウェアキーボードでは有意な差がなかった。一 方、ソフトウェアキーボードでは、両手での利用時にエラー率 が高い傾向がみられ、特に高齢者では両手で有意に高かっ の入力にはどの年齢層も慣れているとは考えにくく、少なくとも 非利き手の実験結果には、慣れは影響していないと考えられ る。 少なくとも本研究で用いたタッチパネル端末のソフトウェア キーボードでの文字入力は、高齢者にとって使いにくい環境 である事を示している。このような結果となった原因に、ソフトウ ェアキーボードでの文字入力は、入力後に指を画面から離す 必要があり、ハードウェアキーボードのようにボタンの上に指を 乗せておくことができないことが関係している可能性がある。タ ッチパネルでポインティング操作にあたるボタン選択をするだ けなら手を固定する必要はないが、ハードウェアキーボードで の入力については、手のひらの下部をキーボードの下におい た(図 8)。 て固定して利用するのが一般的であり、ソフトウェアキーボー 3.3 主観評価 ドでは、手腕を固定させることができないことが、運動能力の 使いやすさの主観評価を年齢層によって比較した結果(図 6)では、ソフトウェアキーボード利用時もハードウェアキーボー ド利用時と同様、高齢になるほど入力しにくいと評価された。 使いやすさの主観評価を、両手、利き手、非利き手で比 較した結果(図 9)は、ハードウェアキーボードでは、両手、利 き手、非利き手の順に入力しやすいと評価された。ソフトウェア キーボードでは、両手と利き手の評価にほとんど差がなく、非 利き手の評価のみが他の2つに比べて低かった。 低下した高齢層で、操作性の低下が顕著となった要因の一つ である可能性が考えられる。 4.2 利き手、非利き手による差異 高橋ら[6]は、タッチパネル端末でのポインティング操作に 関して、若年者では利き手での利用が非利き手での利用と比 較して有意にエラー率が低いが、高齢者では有意な差ではな いことから、タッチパネルは高齢者において扱いやすいインタ ーフェースであるとした。しかし、QWERTY配列での文字入 4. 考察 実験の結果をポインティング操作についての先行研究と比 較して考察する。ポインティング操作に限定する場合において も、触覚的なフィードバックの有無[9] や、ボタンの大きさや形 や配置[10]、さらにボタンの色など様々な要因[11]によって操 作性に差がみられることが知られている。本研究の結果から、 QWERTY 配列による文字入力の場合には、ポインティング 操作の場合とは異なる特性が加齢効果、および利き手、非利 き手の比較において見い出された。 モバイル学会誌 2012, vol. 2(1); pp. 23- 28 力について調査した本研究の結果では、ハードウェアキーボ ードでは、両手、利き手、非利き手の順で入力速度が速いが、 ソフトウェアキーボードでは、両手、利き手、非利き手による差 が小さく、特に両手と利き手との間にはほとんど差がない。エ ラー率においては、ハードウェアキーボードでは、両手、利き 手、非利き手の差があまりなく、ソフトウェアキーボードでは、 両手の時に最もエラー率が高い。これは特に高齢者で顕著で ある。使いやすさの主観評価においても、両手、利き手、非利 き手の順に入力しやすいと評価されたが、ソフトウェアキーボ 25 長谷 谷川 旭ほか: タブレット端末に タ におけるソフトウ ウェアキーボード ドでの文字入力 力特性 * : p<0.05, ** : p< <0.01 (a)ソフトウ ウェアキーボー ード * : p<0.05, ** : p<0.01 図 4 入力 力速度の年齢層 層による比較 (b b)ハードウェア アキーボード * : p<0.05, ** : p< <0.01 2.5 * ** ** * : p<0.05, ** : p<0.01 2.5 * * 2.0 エラ 率(%) エラー率(%) 2.0 エラー率(%) * * 1.5 1.0 1.5 1.0 0.5 0.5 0.0 0.0 若壮高 年年齢 層層層 若壮高 年年齢 層層層 若壮高 年年齢 層層層 両手 利 利き手 非利 利き手 ウェアキーボー ード (a)ソフトウ 若壮高 年年齢 層層層 若壮高 年年齢 層層層 若壮高 年年齢 層層層 両手 手 利き手 手 非利き手 図 5 エラ ラー率の年齢層 層による比較 b)ハードウェア アキーボード (b 7 6 5 4 3 2 1 0 若壮高 年年齢 層層層 若壮高 年年齢 層層層 若壮高 年年齢 層層層 両手 利き手 非 非利き手 (a)ソフトウ ウェアキーボー ード 26 * : p<0.05, ** : p<0.011 Difficult Easy Difficult Easy * : p<0.05, ** : p< <0.01 8 8 ** ** 7 6 5 4 3 2 1 0 若壮高 年年齢 層層層 若壮高 年年齢 層層層 若壮高 年年齢 層層層 両 両手 利き き手 非利 利き手 図 6 主観 観評価の年齢層 層による比較 (b b)ハードウェア アキーボード vol. 2(1); pp. 23- 288 J. Mobile Intteractions 20122 モバイル学会 会 * : p<0.05, ** : p< <0.01 120.0 0 * : p<0.05, ** : p<0.01 140.0 ** 120.0 入力速度(CPM) 速度 入力速度(CPM) 140.0 0 100.0 0 80.0 0 60.0 0 40.0 0 20.0 0 ** ** * *** * 両利非 手き利 手き 手 両利非 手き利 手き 手 両利非 手き利 手き 手 若年 年層 壮年層 高齢層 100.0 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0 0 両利非 手き利 手き 手 全年齢層 両利非 手き利 手き 手 若年層 両利非 手き利 手き 手 0.0 両利非 手き利 手き 手 壮年 年層 両利非 手き利 手き 手 高齢層 全年 年齢層 (a)ソフトウ ウェアキーボー ード b)ハードウェア アキーボード (b 図 7 入力速度 度を両手、利き き手、非利き手 手で比較 * : p<0.05, ** : p< <0.01 * : p<0.05, ** : p<0.01 2.5 ** 2.0 エ ラー率(%) エ ラー率(%) 2.5 1.5 1.0 0.5 0.0 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 両利非 手き利 手き 手 全年齢層 両利非 手き利 手き 手 若年層 両利非 手き利 手き 手 両利非 手き利 手き 手 壮年 年層 高齢層 両利非 手き利 手き 手 全年齢層 両利非 手き利 手き 手 若年 年層 両利非 手き利 手き 手 壮年層 両利非 手き利 手き 手 高齢層 ウェアキーボー ード (a)ソフトウ (b b)ハードウェア アキーボード 図 8 エラー率 率を両手、利き き手、非利き手 手で比較 * : p<0.05, ** : p< <0.01 * : p<0.05, ** : p<0.01 (a)ソフトウ ウェアキーボー ード (b b)ハードウェア アキーボード 図 9 主観評価 価を両手、利き き手、非利き手 手で比較 モバイル学会誌 2012, vol. 2(1); 2 pp. 23- 28 8 27 長谷 谷川 旭ほか: タブレット端末に タ におけるソフトウ ウェアキーボード ドでの文字入力 力特性 ードにおいては は、両手と利き手との差が見ら られなかった。 少なくとも本 本研究で用いた たタッチパネル ル端末のソフトウ ウェア キーボードでの の文字入力は、 、両手での入力 力が特に高齢者 者にと って使いにくい い環境である事 事を示している。本研究では検 検証さ れていないが が、このような結 結果となった原因 因として、片手 手で文 字入力する場 場合は、画面から手を離した状 状態で行うのが 自然 だが、ソフトウ ェアキーボード ドを両手で文字 字入力する場合 合は、 キーボードの時 時のようにホーム ムポジションに に指を ハードウェアキ おいておくこと とができないため めと考えることも もできる。このた ため、 入力エラーが多くなり、使いや やすさの評価も も利き手だけの の時に 評価とならなかっ った可能性がある。 比べて高い評 5. まとめ めと今後の課題 題 実験結果か から次のような、タブレット端末 末のソフトウェア アキー ボードによる文 文字入力の特性 性が確認された た。 i. 高齢に になるほど入力 力速度は低下し し、エラー率も高 高くな る傾向 向がある。この傾 傾向は、ハードウェアキーボー ードよ りもソフ フトウェアキーボ ボードで顕著で である。 ii. ソフトウ ウェアキーボー ードを両手で入力 力した場合、利 利き手 や非利 利き手で入力す するよりも、入力 力速度が低下し しエラ T. : Light Pen Use and PPractice Minimiize Age and Hand Perrformance Diffeerences in Pointting Tasks, The Journal of the Human Faactors and Ergo onomics Society, Vol.46, V No.3, ppp.373-384 (2005). 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