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Agilent B2900Aシリーズを使用した バリスタ製造テスト
Agilent B2900Aシリーズを使用した バリスタ製造テスト Technical Overview Agilent B2900Aシリーズ プレシジョン・ソース/メジャメント・ユニット Agilent B2901AプレシジョンSMU、1チャネル、100 fA分解能、210 V、3A DC/10.5 Aパルス Agilent B2902AプレシジョンSMU、2チャネル、100 fA分解能、210 V、3A DC/10.5 Aパルス Agilent B2911AプレシジョンSMU、1チャネル、10 fA分解能、210 V、3A DC/10.5 Aパルス Agilent B2912AプレシジョンSMU、2チャネル、10 fA分解能、210 V、3A DC/10.5 Aパルス はじめに 大きな非線形電流対電圧(IV)特性を 示すバリスタは、過剰電圧から回路 を保護するためのスパーク・ギャッ プとして使用されています。製造で の仕様に合格しているかどうかを確 認するには、パッケージ化されたバ リスタ・デバイスに対して、シング ルポイント合否判定DCテストを行う 必要があります。これらのテストは 出荷前に欠陥のあるデバイスを識別 して取り除くのにも使用され、製品 の品質を保証するためには、テスト の信頼性が重要です。さらに、テス トをすばやく実行して、高い製造ス ループットを維持することも不可欠 です。 Agilent B2900Aシ リ ー ズ の プ レ シ ジョン・ソース/メジャメント・ユ ニットは、これらの要件をすべて満 たし、バリスタの製造テストに最適 なソリューションです。B2900Aシ リーズは、小型でコスト・パフォー マンスの高いポータブル・ソース/ メジャメント・ユニット(SMU)で、 電圧と電流の両方を出力/測定する こ と が で き ま す。 ま た、10 fA ∼ 10.5 Aの電流範囲と100 nV ∼ 210 Vの 電 圧 範 囲 に 対 応 し て い ま す。 B2900Aシリーズは、DC測定だけで なく、デバイスの自己発熱による測 定結果の歪みを防ぐために、パルス ド測定を行うこともできます。また、 これらの幅広い測定機能に加えて、 テスト時間を短縮する高いスルー プットを備えています。 DUTインタフェース ハイ・フォース テスト・ リード GPIB LAN USB GPIO バリスタ ロー・フォース 機械的な接続 コンポーネント・ハンドラ 図1. B2900Aシリーズを使用したテスト・システムの構成例 B2900Aシリーズは、合否判定ビニ ング、ハンドラ制御用のデジタルI/O インタフェース、標準的なシングル・ チャネルSMU製品とのコード互換性 など、多くの機能を備え、製造テス トに最適です。 本書では、B2900Aシリーズの製造 テストでの使用方法を紹介します。 公称バリスタ電圧テスト(V N)、DC 待機電流テスト(I D)、非線形指数テ スト(α)など、バリスタ・テストの 例をいくつか紹介します。 製造テスト用のシステム 構成が容易 図1に、B2900Aシリーズをベースに したバリスタ製造テスト用のシステ ムの概念図を示します。B2900Aシ リーズには一般的なバナナ端子が採 用され、テスト・システムを非常に 簡単に構成できます。後述のように、 製造テストでは通常、測定結果が定 義済みリミットと比較され、合否が 判定されます。B2900Aシリーズの GPIOポートからの出力信号を使用し てコンポーネント・ハンドラと通信 し、合否判定基準に基づいてデバイ スを分類することができます。 B2900Aシリーズは、2端子接続と4 端子接続の両方をサポートしていま す。基本的な2端子接続が一般に標準 的な抵抗測定に使用されるのに対し て、4端子測定は、低抵抗測定で残留 リード抵抗を除去するのに必要です。 B2900Aシリーズは、複数の通信プ ロトコル(GPIB、USB、LAN)をサ ポ ー ト し て い ま す が、 こ れ ら は、 SCPIとIVI-COMの両方のドライバ で使用できます。SCPIは業界標準の コマンド・セットで、一貫した構造 により共通のコマンド・セットをサ ポートしています。B2900Aシリー ズのSCPIコマンド・セットは、高度 な機能だけでなく、汎用のSMUコマ ンド(Keithley 2400で使用されてい るコマンドなど)もサポートし、テス ト・プログラムを簡単に移行できま す。 さ ら に、B2900Aシ リ ー ズIVICOMドライバはさまざまなプログラ ミング環境や言語で使用でき、下位 レベルのコマンドを使用しなくても プログラムを開発できます。 プログラム・メモリによる スループットの向上 スループットを最大限に高め、工場 の高い生産性を維持するためには、 テ ス ト 時 間 の 短 縮 が 不 可 欠 で す。 B2900Aシリーズは、高速の測定速 度に加えて、製造テストのスループッ トの向上するプログラム・メモリ機 能も備えています。プログラム・メ モリの使用により、SCPIコマンド・ ラ イ ン の 長 い 文 字 列 をB2900Aシ リーズの揮発性メモリに一旦保存し て、後で1つのSCPIコマンドを使っ てプログラムを実行しながら、それ らの文字列を何度もリコールするこ とができます。コマンド文字列をメ モリに保存することにより、同じコ マンドを通信バスを通して送信する のにかかっていた時間が不要になり ます。多くの繰り返しコード(サブ ルーチンなど)を使用するテストの場 合は、プログラム・メモリによって テスト時間を大幅に削減できます。 もちろん、USBフラッシュ・メモリ を使用して、プログラムを保存した り、USBメ モ リ か ら プ ロ グ ラ ム を ロードすることもできます。 B2900Aシリーズでは、最大100,000 データ・ポイントの保存が可能なデー タ・バッファが、SMUチャネルごと に用意されています。このため、測 定ごとにデータを転送する必要はな く、一連の測定の完了後にバッファ 内のデータをすべて一度に転送する ことができます。これを利用してス ループットを高める方法の1つは、コ ンポーネント・ハンドラが新しいデ バイスを配置すると同時に、B2900A シリーズが測定データをPCに送信す る方法です。 複数の合否判定モード 製造テストでは通常、リミット・テ ストを使用して定義済みリミットに 基づいた合否判定を行うことにより、 不具合のあるデバイスが除去されま す。B2900Aシリーズは2つのモード (コンプライアンス・モードとリミッ ト・ モ ー ド(12個 ま で の ビ ニ ン グ・ リミットが設定可能))をサポートし、 B2900A シリーズ B2900A Series さまざまな合否判定シナリオに対応 できます。 コ ン プ ラ イ ア ン ス・ モ ー ド で は、 B2900Aシリーズ固有のコンプライア ンス機能を使用して電圧/電流の出力 を制限することによって、デバイスの 損傷を防ぐことができます。SMUの 出力が測定中にリミット値に達すれ ば、SMUはコンプライアンス状態に なります。コンプライアンス・モード がオンの場合、SMUがコンプライア ンス状態に達すれば、テストに不合格 になります。この機能の1つの用途と して考えられるのが、ダイオードなど 非対称性の極性の確認です。 リミット・モデルは通常、デバイス・ パラメータが指定の下限値と上限値 の範囲内であるかどうかを判断する のに使用されます。リミット・モー ドをオンにした場合は、B2900Aシ リーズは、測定値が指定の下限値と 上限値の範囲内であるかどうかに基 B2900A シリーズ B2900A Series ハイ・フォース High Force IMeas RLead ハイ・センス High Sense VMeas VMeas RV IMeas VSet RV ロー・センス Low Sense RLead ロー・フォース Low Force RLead ハイ・センス High Sense VSet ロー・センス Low Sense ハイ・フォース High Force ロー・フォース Low Force a) 2端子接続 (RV>>RLead a) 2-wire connection (RV) »RLead) b) 4-wire connection (RV≈RLead) 図2. 4端子接続により、残留リード抵抗に起因する測定誤差がなくなります Characteristics of the device リミット・テストで合格となる デバイスの特性 which passes in Limit Test VD リミット・テストで不合格となる Characteristics of the device デバイスの特性 which fails in Limit Test ILow ID IHigh ID 不合格 FAIL 合格 PASS 図3. リミット・モードの合否判定テスト機能を使用したダイオードの順方向電圧テスト 2 づ い て 合 否 を 判 定 し ま す( 図3を 参 照)。このモデルの代表的な用途は、 等級付けと分類です。例えば、リミッ ト・モードで2個のビニング・リミッ トを使用した場合、デバイスを5つの クラスに分類することができます(図 4を参照)。 これらのモードを使った合否判定テ ストの結果は、B2900Aシリーズの ワイドQVGA LCDディスプレイに表 示されます。さらに、指定の合否判 定ビット・パターンをGPIOポートか ら他の機器(コンポーネント・ビニン グ用ハンドラなど)に出力することが できます。 バリスタの製造テスト・ フローの例 図5に、バリスタの一般的な製造テス ト・フローを示します。実際のテス ト前に、繰り返し動作をB2900Aシ リーズのプログラム・メモリに保存 することでスループットが改善され ます。このようなテストとして、公 称バリスタ電圧テスト、DC待機電流 テスト、非線形指数テストがありま す。このテストをプリロードすれば、 B2900Aシリーズは、コンポーネン ト・ハンドラからのテスト開始(SOT) トリガを待ちます。バリスタが配置 されれば、ハンドラはSOTトリガ信 号 をB2900Aシ リ ー ズ に 送 信 し て、 テストを開始できることを知らせま す。まずB2900Aシリーズは、プロ グラム・メモリに保存されているプ ログラムを使って測定し、合否判定 テストの結果を表示します。次に、 指定の合否判定ビット・パターンと テスト終了(EOT)信号をコンポーネ ント・ハンドラに送信し、テスト・デー タをPCに保存します。この手順は、 すべてのデバイスのテストが完了す るまで繰り返されます。 合格 ロー1 ロー2 ハイ2 ハイ1 A B C D E 不合格 測定 パラメータ リミット1 リミット2 ビット・パターン 100 010 000 001 011 リミット1テストで不合格となったデバイスは、ビンAまたはEに分類されます。 リミット1テストに合格したデバイスに対しては、リミット2テストが実行 されます。リミット2テストで不合格となったデバイスは、ビンBまたはDに 分類されます。これらすべてのテストに合格したデバイスは、ビンCに分類されます。 図4. 2個のリミット・テストを使用したデバイスの5つのクラスへの分類例 開始 SCPIコマンド・ライン文字列をプログラム・メモリに保存する 公称バリスタ電圧テスト DC待機電流テスト VD VN IN ID 1. 電流INを印加する 2. 電圧VNを測定する 非線形指数テスト V2 I = kV 1. 電圧VDを印加する 2. 電流IDを測定する α α= V1 I1 log ( I2 I1 ) log (V2 V1 ) 1. 電流I1を印加する 2. 電圧V1を測定する 3. 電流I2を印加する 4. 電圧V2を測定する 5. αを計算する I2 SOTを待つ 公称バリスタ電圧テスト DC待機電流テスト 非線形指数テスト 合否判定パターンを出力する EOTを出力する はい 別の デバイス? いいえ 終了 図5. B2900Aシリーズを使用したバリスタの製造テスト・フロー 3 :プログラム・メモリ まとめ Agilent B2900Aシリーズのプレシ ジョン・ソース/メジャメント・ユ ニットは、バリスタなどのデバイス の製造テストに最適なソリューショ ンです。B2900Aシリーズは高いス ループットを備え、テスト時間を大 幅 に 短 縮 で き ま す。 さ ら に、 B2900Aシリーズのプログラム・メ モリ機能を使用すれば、テストのス ループットが一段と向上します。ま た、合否判定、ハンドラ制御用のデ ジタルI/Oインタフェース、標準的 なシングル/デュアル・チャネル SMU製品とのプログラム互換性な ど、製造テストに有用な機能を備え ています。 B2900Aシリーズは一般的なバナナ 端子を装備し、製造テスト・システ ムの他の測定器に簡単に接続できま す。さらに、GPIB/USB/LAN通信 プロトコルを使用したリモート制御 に、SCPIコマンドとIVI-COMドラ イバの両方を使用できます。 B2900Aシリーズは、電流/電圧測 定 範 囲 が 広 く(10 fA/100 nV ∼ 10.5 A/210 V)、測定性能に優れて いるため、以前よりも正確かつ簡単 にデバイスをテストできます。 B2900Aシリーズの各種モデルの詳 細については、B2900Aシリーズの データシート(5990-7009JAJP)を 参照してください。 アジレント・アドバンテージ・サービス、そ れはお客様の満足を第一に考えているアジレ ントの修理・校正サービスの総称です。 修理・校正サービスを通じて、お客様のビジ ネスの成功に貢献できるよう努めます。 エンジニアは専門知識を積極的にお客様に提 供します。また、サービスの品質向上、サー ビス内容の充実、納期の短縮に継続的に取り 組み、あらゆる面で業界のトップレベルを目 指します。こうした取り組みは、機器のCost of ownership=維持管理費の削減にも繋がると 信じております。 このような修理・校正サービスに支えられた アジレント製品を購入後も安心してお使いく ださい。 www.agilent.co.jp/find/advantageservices www.agilent.co.jp/quality 電子計測UPDATE www.agilent.co.jp/find/emailupdates-Japan Agilent からの最新情報を記載した電子メール を無料でお送りします。 アジレント・テクノロジー株式会社 本社〒 192-8510 東京都八王子市高倉町 9-1 計測お 客様窓口 受付時間 9:00-18:00(土・日・祭日を除く) www.lxistandard.org LXIは、GPIBのLANベースの後継インタフェース で、 さらに高速かつ効率的なコネクティビティ を提供します。Agilentは、 LXIコンソーシアムの 設立メンバです。 TEL ■■ FAX ■■ 0120-421-345 (042-656-7832) 0120-421-678 (042-656-7840) Email [email protected] 電子計測ホームページ 契約販売店 Microsoft® およびWindows® は、Microsoft Corporationの登録商標です。 www.agilent.co.jp/find/channelpartners アジレント契約販売店からもご購入頂けます。 お気軽にお問い合わせください。 ● www.agilent.co.jp 記載事項は変更になる場合があります。 ご発注の際はご確認ください。 © Agilent Technologies, Inc.2011 Published in Japan, April 14, 2011 5990-7114JAJP 0000-00DEP