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Ⅲ.公営バス事業の取組 - 一般社団法人 公営交通事業協会

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Ⅲ.公営バス事業の取組 - 一般社団法人 公営交通事業協会
Ⅲ.公営バス事業の取組
1.バス事業の活性化
問1.バス利用者の潜在需要の把握及び、新たな需要の開拓が必要であると考えますが
(例えば中・小型車両を活用した新たな需要の開拓、外国人観光客の利用促進等)、ど
のような対策を講じていますか。
(1)バス利用者の新たな需要の開拓
回答
〇
交通弱者への配慮として小学生を対象としたバス乗車体験教室(出前講座)を実施しているほか、需要喚起を図るため
の各種割引定期券の発売及び観光客対応として観光協会に主要施設へ行くための路線バス時刻表及び施設への距離等
を明示したパンフレットを置き観光客に配布している。
〇 ①
(苫小牧)
大型車両の運行に支障がある経路に対する中小型車両での運行
②
道路整備の状況等に対応した路線の見直し
③
通勤、通学に配慮した急行便の運行
④
一定の要件を具備する外国人への料金割引制度
(青森)
〇 市の観光行政とタイアップした新幹線二次交通政策の一環として、観光客誘致を目的としたワンコインバスを運行
(八戸)
〇 ①
〇
交通不便地域において、地域と連携・協調した小型バス路線の整備。
②
商店街との連携、地域の活性化策として、西区おでかけサポートバス「ハマちゃんバス」の運行。
③
都心部において、関係民間団体等と連携協調した観光スポット周遊バス(あかいくつ)新設。
④
民間事業者のノウハウを取り入れた、市内遊覧バスの共同運行。
(横浜)
地域における日常生活に密着したバス路線として、公共施設、病院、駅、商業施設などを結ぶ、バス停間隔を一般バス
の半分程度の250m間隔を基準として設定する「地域巡回バス」を各行政区で運行し、よりきめ細かな需要への対応を図
っている。 (名古屋)
〇
市内観光地を巡る「洛バス」を市バス観光系統(100号、101号、102号)の車体にラッピングし、停留所は洛バスロゴ
を標柱に掲示し、ひと目でわかるよう改善し、停留所名を4ケ国語で標記した。また、英語、ハングル語、中国語版の「洛バ
スマップ」 を作成、配布している。
〇
(京都)
住宅開発が予定されている路線への先行的な増便や沿線住宅地へのバス利用促進チラシや時刻表の配布など、潜在
需要の掘り起こしに努めている。 (高槻)
〇
【赤バスの運行】
将来にわたってバス交通を安定的かつ継続的に提供することを目的として、「公営交通事業改革調査委員会」(平成9年1
1月設置)において抜本的な経営改善策を検討する中で、新たなバス需要開拓の参考とするため、平成12年5月か ら「小
型ノンステップバスによる新しいバスサービスの試験運行」を実施した。
試験運行のアンケート調査では、従来の大型バス車両によるサービスが行き届かなかった地域での運行や、100円運
賃、平日・土曜・休日とも同一の分かりやすいダイヤなど、新たなサービス水準に対して概ね好評を得て、ほとんどの方が
今後も利用する意向を示した。このため、地域のまちづくりにも寄与できるとの観点から、平成12年度実施の「潜在需要
調査」などの結果を踏まえつつ、日常的で身近な移動ニーズに対応する路線・サービスの設計を目指して平成14年1月
に市内21系統でコミュニティバス(赤バス)の運行を開始し、平成17年4月
現在26系統を運行している。
【観光型路線バスの実証実験】
平成14年4月に策定した「文化集客アクションプラン」に基づき、滞在型観光の推進を重点目標に施策を進めている。
- 153 -
平成16年度国土交通省において「観光推奨バス路線指定制度」による補助制度が制定され、市においても協調補助
として「外国人観光客が利用しやすいバス交通の実現に向けた実証実験補助金交付要綱」を制定した。
これらの補助制度を活用しながら、平成17年2月1日から2か月間の期間限定でバスラッピングや外国語による案内を
付加した大阪シティループバス「LOOP・O(る~ぽ)」を実証実験運行した。
(大阪)
〇
低公害車の導入など環境対策への取組(伊丹)
〇
インターネツト等の活用による利用者ニーズに沿った情報提供や、市営バスの役割や利便性を利用者、市民にアピール
するなど事業PRの強化による市営バスのイメージ向上、利用者の利便性の向上を図っている。(尼崎)
〇
①
高齢化社会へ移行するなか、「市民の足」としてよりきめ細かい事業展開を図るため、中・小型バスを使用し、区役
所・病院・商店街等を結ぶ、「地域密着型バス」を運行している。
②
観光の誘致推進との連携策として、平成17年度には、「源平バス」や、「タイムズメリケンシャトルバス」などのイベン
トバスを運行している。
(神戸)
〇
小型車両導入(姫路)
〇
①レトロバスによる観光地循環路線運行、②温泉地直行の定期便運行、③レトロバスによる「しまなみ海道」定期観光バ
スの運行(尾道)
〇 バス路線の延長や経由地の変更により、バス利用者の潜在需要の掘り起こしを図った。(三原)
〇 ①
交通空白地の位置づけを行い、小型バス(全長7m未満)による路線再編、新設を行った。
②
都市間輸送(呉~広島)について、従来は鉄道との競合で競争力に劣っていた路線が、自動車専用道路等を経由
し広島市内に直通することによって、時間的にも、運賃的にも競争力を回復した。(呉)
〇 ①
〇
小型ノンステップバスによるコミュニティ循環線を2系統新設。1系統を既設からコミュニティに変更。
②
外国人観光客向けの英字案内の充実(岩国駅前・錦帯橋バスセンター・新岩国駅前) (岩国)
①
病院や商業施設、大学への乗合バスの運行を検討。②大型バスから中型バスへの転換によりどの路線にも対応
し、経済性も考慮出来る。
③
バス停ポール表示の停留所名部分に交換分よりローマ字を入れている。(宇部)
〇
土日祝フリー定期券の導入による子供の利用促進。
〇
小型バスを導入し、路線の空白地帯に運行を行っている。
〇
高齢化の進展に伴い、小型バスで可能な限り人家の近くまで運行するコミュニテイ的なバスを地域の要望に基づき運行
している。
(松江)
(佐賀)
(長崎)
〇 小型車両を導入し、大型や中型の運行が容易でない、山間部や狭隘な道路で運用している。
〇
(佐世保)
市内中心部の商業地を巡る都市循環バス(小型車両)を平成13年度からバス各社共同で運行している。ただ、実際に
は利用が伸び悩み、ルート変更するなど再三にわたり利用を増やす試みを行っているものの、その後も利用は増えず今
後も採算に見合うほどの利用増が見込めないため、平成15年5月をもって廃止するに至った。今後は住宅密集地を巡るコ
ミュニティバスの運行等を研究していきたい。
〇 ①
(熊本)
小型バスを利用した狭隘路線の運行
②
夏休みを利用した期間限定の小中学生用全線フリー定期券の発売
③
エコ定期制度の導入
④
乗り継ぎ割引など、各種割引運賃の実施
⑤
定期観光バス及び観光地周遊バスの案内放送を外国語でも実施
⑥
ICカード乗車券の利用促進
(鹿児島)
- 154 -
問2. 今後の公共交通機関については、環境、エネルギー、福祉等の観点から公共交通
機関の利用率を高める施策や、需要喚起を図るための施策等マーケッティング戦略
の活用が求められています。
マーケッティング(例えば、住民と行政と事業者による地域内の新たなバスサー
ビスの創設)・顧客マネージメント(例えば、輸送だけてなく利用者の行動目的を対
象とし、商店街等と連携したポイント制度の導入等)により需要を喚起する方策も考え
られますが、どのような対策を講じていますか。
(2)
マーケテイング・顧客マネージメント戦略
回答
〇 町内会を通じての啓蒙活動・PRのほか、イベントにおける臨時バスについては、企業等と連携したワンコインバスを実施して
いる。 (苫小牧)
〇 ① 事業所等へのノーカーデー活動への協力及びバス利用のPR
② バスカード活用によるレクリェーション施設利用料金の支払い (青森)
〇 今後予定されるICカードの導入の中で顧客マネージメントに取り組んで生きたい。 (仙台)
〇 ① 夏休みを利用した期間限定の1日乗車券(親子おでかけパス)を発行し、都内の各施設とタイアップして、入場割引の特典
などを付加した。
② バスの営業所や車庫及び地下鉄の施設などを解放し、親子見学会を実施し、促進を図っている。(東京)
〇 「あかいくつ」運行に当たって、旅行代理店、地元ホテル、商業団体、観光団体等と検討を行い、需要喚起に努めている。
(横浜)
〇 一日乗車券やユリカカードについて、沿線施設入場割引特典を付加し利用者の購買意欲を高めている。 (名古屋)
〇
「高槻TMO共通駐車・駐輪バス券事業」が進められております。バス利用促進と商店街活性化の相乗効果を期待する立場
から積極的に関わっていくこととしている。また、例年6月に実施する「ホタル鑑賞バス」に際しては、バス利用者に対し、施設の
入園料半額割引や弁当などのセット券の発売を行い需要を喚起している。 (高槻)
〇 【マーケッティングについて】
バス路線を
① 需要が多く市バス独自の責任で運営する「幹線系」
② 高速鉄道と一体となった運営を指向するのが適当である「フィーダー系」
③ 十分な需要がなく採算性の確保が困難であるものの地域住民の日常生活に必要な輸送サービスであることから、行政
が路線・サービスの設計を行い、その運行の維持に必要な助成を交付するべき「コミュニティ系」の3つのタイプに分類し、
タイプ別に路線・サービスの設計と運営を行っている。
このうち「コミュニテイ系」バス路線については地域住民の意向を十分に反映した路線・サービスとして機能することが重要で
あるとの観点から、地域住民と行政、交通局が協力して取り組むための協議・調整の場として「地域調整協議会」を平成16年
度から行政区別に順次設置するなど、全市的な運営体制の構築を進めている。
地域調整協議会ではコミュニティ系バスについて地域のコミュニティづくりや活性化への活用も念頭に、地域の意見の集約・
調整のほか利用促進や走行環境改善策の取りまとめなどを行うこととしている。
【顧客マネージメントについて】
スルッとKANSAIが発行するICカード「PiTaPa」を導入することとしており、平成18年2月にサービス開始をした。
「PiTaPa」は交通乗車券だけでなくショッピングにも利用できるカードとなっており、「PiTaPa」カードでショッピングをした場合、
利用額に応じてポイントがたまり500ポイント毎(通常100円1ポイント)に当月の交通乗車料金から50円を差し引かれる仕組
みを構築しており、公共交通の利用促進を図れるものと考えている。
また、IC提携カード(クレジツトサービスなど複数のサービスを1枚のカードに搭載したもの)については
- 155 -
① クレジツトカードとしてのご利用額に応じてポイントを付加し、商品と交換するポイントサービス
② 飲食・物販店などの割引優待サービス
③ 提携カードで自社線を利用した場合利用代金に応じてポイントを進呈するマイレージサービス
などの交通乗車以外様々なサービスを提供することにより、沿線の活性化や、鉄道・バスの利用促進が図られるものと考えら
れる。
(大阪)
〇 バス路線エリアマーケッティングシステムを導入し、乗客流動実態調査結果や、市域内の人口分布などを総合的に分析し、よ
り利用実態に即した効率的な路線やダイヤの設定について検討を行っている。 (尼崎)
〇 ① マーケッティング的な手法として、GIS(地図情報システム)を用いて、バス利用の現状や、潜在需要があるにもかかわら
ずバス利用の低迷している地域を、視覚的・客観的に分析を行い、今後の施策を検討するうえで予想される需要や効果の
推計を支援するシステムを検討している。
② 顧客マネジメントとしては、クルマから鉄道やバスへの利用転換を促進するための交通・環境モニター実証実験「エコモ
ーション神戸」の中で、バスの利用による商店街の来店者に、一定額の買物券を提供する「エコショッピング制度」を実施
し同制度を本格実施へと展開したほか、時宜に応じて企画乗車券やイベントバスの運行等を企画している。(神戸)
〇 駅とショッピングセンターを結ぶ路線を開設した。(三原)
〇 呉市中央地区商店街バスサービスを呉市経済部、中央地区を考える会と共に開始した。一定金額以上の買い物をされた方
に中央地区商店街が呉市交通局から購入したバス券を配布するサービスで、バスの需要喚起、中央地区の活性化等の効果が
期待される。 (呉)
〇 駅前商店街と連携し「えきまえバスキップ」を発行 (岩国)
〇 環境問題を考えてサイクルアンドバスライドやパークアンドバスライドの取組を行っている。また、商業施設との連携を検討
中。 (宇部)
〇 観光ループバス一日乗車券、土日祝フリー定期券において、観光施設、レジャー施設の割引制度。(松江)
〇 市内主要箇所を網羅するよう平成14年度より循環バスを運行し、利用者のニーズに対応。(徳島)
〇 ① 商店街と連携したイベントの実施
② 商店街が企画するポイント制度への商品提供 (北九州)
〇 平成15年度に大型商業施設、自治体と協議を行い公共施設や商業施設を経由する新たな路線の開拓を行った。(大村市シ
ーハットおおむら、ジャスコ大村店へ乗り入れ) (長崎)
〇 ① 市内の商店街からの要請を受け、その地区のお買い物バスとしてシャトル的に運行し、利便性の向上を図っている。そ
の商店街ではお買い物ポイントの景品としてバスカードも採用している。
② 各観光施設とのタイアップにより、1日乗車券には施設利用料等の割引措置を付加している。 (佐世保)
〇 市中心部の賑わいに翳りが見えてきており、その活性化を図る官民の施策と連携して、いろいろな手法を研究していきたい。
(熊本)
〇 中心市街地(天文館)の商店街利用客に対し、商店街がバス回数券を渡してバスの利用促進を図っている。 (鹿児島)
- 156 -
問3.ICカードシステムも利用者の便宜を図ることについて有効(切符の購入、精算時の煩わし
さからの解放、多様な運賃設定、割引ポイント制の新たなサービス付加、利用者ニーズに対
応したサービス提供等)な方法と考えられますが、推進についてどう考えますか。
既に導入されている交通局(部)おいてはメリット、デメリットをお書き下さい。
(3)
ICカードシステムの導入
回答
〇
将来の検討事項
(苫小牧)
〇
首都圏のバス、地下鉄、私鉄、JRとの相互利用が可能なICカードを導入予定(平成19年3月導入予定)
〇
ICカードの導入により、各路線のデータの収集が可能となることから、利用状況に応じたダイヤ編成。バス車両の
導入ができるので有効な方策として推進したい。
〇
(横浜)
ICカードは利用者の利便性を高めるのに有効なシステムであり、他の事業者との間での共通利用・相互利用の面
からも推進されるべきものである。
〇
(川崎)
JR東日本や関東圏の鉄道、バス会社での共通利用できるICカードについて、平成18年度末の導入に向け現在検
討中。
〇
(東京)
(名古屋)
ICカードシステムの導入については「スルッとKANSAI協議会」の研究会へ参画し、現行の運賃制度を踏まえなが
ら、運賃制度の在り方、運用、機器の整備、精算方法等について研究を行っている。
導入にあたっては現行の機器の更新計画や厳しい財政状況を踏まえつつ、また、地下鉄については直通運転を
行っている他の事業者との調整も行いながら、導入に向け検討を行っている。
具体的な導入時期は地下鉄は平成19年度以降の導入を想定し、検討を進めているところであり、バスは車載機の
更新時期である平成22年以降を想定し、ネットワークの重要性を踏まえて検討している。
〇
〇
(京都)
スルッとKANSAI協議会のICカードの開発状況を見定めながら導入に向け研究している。
(高槻)
スルッとKANSAIが発行するICカード「PiTaPa」を導入することとしており、平成18年3月にサービスを開始た。
「PiTaPa」は交通乗車だけでなくショッピングにも利用できるカードとなっており、「PiTaPa」でカードショッピングした
場合、利用額に応じてポイントがたまり、500ポイント毎(通常100円で1ポイント)に当月の交通乗車料金から50円
差し引かれる仕組みを構築しており、公共交通の利用促進が図れるものと考えている。
〇
利用者の利便性向上から導入の方向で検討しているが、多額の初期投資及びランニングコストが必要なことから慎
重に検討していきたいと考えている。
〇
(伊丹)
スルッとKANSAI協議会で実施しているICカードシステム「PilTaPa」を先行導入している各社局の状況を踏まえ、
今後導入について検討する。
〇
(大阪)
(尼崎)
スルッとKANSAI協議会のICカードシステム「PiTaPa」(「KOBE
OBE
PiTaPa」)導入に向けて準備を進めている。「K
PiTaPa」はポストペイ(後払い)方式であるためチャージの煩わしさが無く、利用額をもとに各種割引なども可
能であり、利用者の利便性には有効な方法である。一方で、口座振替のための与信審査があり、カードが即時発行で
きず、利用者が限られるという面がある。
〇
(神戸)
小規模事業者としてイニシャルコストの負担に耐えられない、システム提供を大規模事業者に頼っている(自由なカ
スタマイズが不可能)等の問題点があり、現状では導入が難しい。
〇
検討中
(姫路)
〇
検討中
(三原)
〇
【メリット】
①
精算時の煩わしさからの解放、
②
運賃徴収が正確である、
③
乗り継ぎ割引の導入、
- 157 -
(明石)
④
残額確認が容易である、
⑤
ICカードのリユース(環境保護)
【デメリット】
①
初期投資とランニングコストが高額である、
②
ICカードが高額である(デボジッド制を採用)、
③
④
運賃設定の変更時にシステム変更経費が必要、
ICカードに対する高齢者からの拒否意識
(北九州)
〇【メリ ット】
運賃支払いの便利さとそれに伴う乗降時間の短縮による定時運行の確保
【デメリット】
乗務員の機械操作の習熟度により、積み増し、運賃支払いのミスが発生している。また、カードの単価が非常に高く
事業者の費用負担が大きい。
(長崎)
〇【メリット】
①
利用者は整理券をとる手間が省け、事業者は整理券の作成経費が削減できた。
②
カードを触れるだけで良く乗降時の時間短縮が図られた。
③
利用データを活用し利用者の動向把握が可能となった。
④
定期券の目視確認がなくなり、不正防止にも繋がっている。
【デメメリット】
〇
①
ICカードのコスト負担が大きい。
②
他社との共同事業であるため、独自の取組を行おうとしても制約を受けることがある。
(佐世保)
ICカードは導入する際には利便性の面からみて市内の事業者共通とする必要性があるが、接触性バスカードを導
入して7年しか経過しておらず、各社とも再度多額の投資ができる環境にない。また、ICカードはいまだデファクトスタ
ンダードといえるような企画に収束しておらず、今後動向を見極めつつ導入検討していきたい。
〇
(熊本)
【メリット】
整理券を取ったり、精算時に小銭の準備や両替をするなど煩わしさがなく、スムーズな乗降が可能になることで、
バス離れに歯止めをかける効果があるとともに、適正運賃の収受やバス運行の定時制の確保にも役立つている。
【デメリット】
運用の変更に伴うシステム再編に従来以上に費用がかかることが懸念される。
- 158 -
(鹿児島)
問4. ターミナル等における案内標識などが各事業者がバラバラに表示されており、利用
者にとって非常にわかりづらくなっている。これを各地方自治体「交通局(部)等」が調
整して統一表示することが利用者にとってベターと考えますが、ご意見を記載して下
さい。また、貴局(部)としてどのような対策を講じていますか。
(4)案内標識の統一化
回答
〇 ターミナル内は市営バス単独での使用となっていて統一表示は利用者にとって利便性が高くなっている。 (苫小牧)
〇 駅前バスターミナルは民営事業者と協議の上共通表示している。 (秋田)
〇 所在地の自治体(特別区)の意向を踏まえつつ「お客様に分かりやすい案内」という視点で設置している。(東京)
〇 ターミナル毎に、関係するバス会社が共同で乗り場案内を提供している。(川崎)
〇 バスターミナルごとに幹事バス会社を決め、その会社のデザインによるバスターミナル総合案内板を掲出している。 (横浜)
〇 「名古屋市交通局旅客サインマニュアル」により交通局が管理するバスターミナルについては、そのマニュアルにより統一する
こととしている。
また、複数の事業者が発着するバスターミナルは民間事業者が管理しておりそこに表示されるサインについてはその管理者
により統一されている。
(名古屋)
〇 統一表示することはよりよい手段であるが、一方で費用負担の問題もあり他事業者との調整検討を行うなど連携を強化して
取り組む必要がある。 (京都)
〇 駅バスターミナル乗り場等周辺案内板の設置については、道路管理者の所管であるが設置については、市営バス他のバス
事業者との連携が図られている。また、駅構内の案内標識についてもより分かりやすいものとするため調整している。 (高槻)
〇 バスターミナルについては大半が交通局が運営している。また、他社と共用している乗り場については統一表示された案内板
を設置している。 (大阪)
〇 ターミナルにおいては市バスと民営バスとの棲み分けができており、特に統一表示等の意見等はない。 (伊丹)
〇 バスターミナル案内や運行路線図、時刻表等の記載方法が異なっている現況ではバス利用促進を阻害している要因の一つ
であるので、それぞれの特性や、変更経費の問題はあるが全国統一することが利用促進につながる。 (尼崎)
〇 主要ターミナルである明石駅において乗り場、行き先案内板をバス協会で設置し乗り場番号や色も統一されている。(明石)
〇 民営事業者と必要に応じて協議・調整 (姫路)
〇 行政区域内の運行は交通局と民営事業者1社で運行範囲が限定されているため比較的わかりやすい状況にある。(尾道)
〇 案内標識は市が設置している。 (三原)
〇 市営バスの各乗り場にはできるだけ統一感を持たせている。他事業者としては防長交通があるが、岩国駅前では乗り場が大
きく離れており統一性はない。乗り場(錦帯橋、新岩国駅前)によっては、市営バスの時刻表に防長交通も組み込み統一してい
る。
(岩国)
〇 民営事業者と協力し共同バス停を設けている。 (松江)
〇 バラバラに表示されていることはない。 (北九州)
〇 平成16年度、佐賀駅バスセンターについては市長部局での整備がなされ統一表示されている。 (佐賀)
〇 共同で使用する施設等の案内標識については、事業者同士が自主的に協議を行い、統一を図っている。 (長崎)
〇 佐世保駅周辺開発事業(市の都市整備事業)により、佐世保駅前バス停においては一体整備がなされ公営も民営も含めて統
一した案内板標識等となっている。(佐世保)
〇 現在、標識統一等の課題がある場合には、県のバス協会を中心に各事業者間の調整を行ったうえで実施しており、これまで
交通センター(ターミナル)の乗り場が事業者別であったのを行き先別に変更し、また、方向幕の系統番号も書く事業者共通の番
- 159 -
号に統一するなど、利便性の向上を図っている。
ユニバーサルデザインという観点からいえば、市内・県内レベルでなく、国土交通省ないし日本バス協会などが率先して全国
的に統一がなされるのが望ましい。(熊本)
〇 ターミナル等における他事業者との共同停留所はバス協会が設置しているが、時刻表については各事業者が独自に掲載し
ている。なお、鹿児島中央駅前のバスターミナル整備にあたっては、行先方向毎に停留所を集約し案内標識を統一するなど利
便性の向上をはかっている。(鹿児島)
- 160 -
2.バス事業の経営改善
問1.貴局(部)における平成15年度の系統別収支状況について次の表にご回答下さい。
(1)公営バス事業の系統別収支状況
回答
(30交通局(部))
営
業
係
数
系
統
数 (構成比)
100%未満(黒字)
770系統 ( 34.8%)
100%以上(赤字)
1,440系統 (65.2 %)
う
ち
100~150
218 系統
151~200
558系統
200
664系統
計
(15.1%)
(38.8%)
(46.1%)
計2,210系統(100.0%)
注1.営業係数=(営業費用÷営業収益)×100
- 161 -
問2. 公営バス事業といえどもこれまでのように赤字を一般会計からの繰り入れに頼るので
はなく、補助金に頼らないで収支均衡を図る努力が必要である。
そのためには職員1人1人がコスト意識をもち経費の削減を全局(部)一丸となって取
り組む意識改革が必要であると考えますが、貴局(部)で取り組まれている具体的方策に
ついてお答え下さい。
(2)
職員の意識改革
回答
〇 ① 業務手当の支給凍結(平成13年度)
② 軽油の購入を随意契約から指名競争入札に変更(平成16年度)等コスト意識を徹底させている。 (苫小牧)
〇 ① 利用者あっての経営であることの意識付けの徹底(サンキュウ運動等)
② 退職者不補充やバス購入の一時凍結、利用者実態に見合うダイヤ編成等の効果
③ 営業活動の強化などによる増収対策 (青森)
〇 ① コスト意識の徹底を図り、車内清掃の外部委託を廃止、乗務員が行っている。
② 組織の簡素化を図った(管理課、運輸課→運輸管理課)。
③ 乗務員の退職者が出た場合、正職員の補充を行わず臨時職員で対応している。 (八戸)
〇 平成15年2月に策定した「仙台市自動車事業経営改善計画」において、職員一人ひとりが主体的に計画の実行に関わり、成
果を指向した経営の効率化に努めることとされており、職員向け広報紙を定期的に発行し、周知と啓発を図っている。(仙台)
〇 職場ごとの組織目標を明確にし、超過勤務時間の削減目標を組織単位であらかじめ定め、各職員が目標達成に向けて効率
的な業務執行体制に努めるよう呼びかけなどして、各職員のコスト意識の向上を図っている。 (東京)
〇 現在、平成19年度までに一般会計から任意補助金に頼らない自主自立経営体質の構築を目指し「市営交通経営改革プラ
ン」を策定し、全職員の給与カットをはじめ徹底したコスト削減や職員の意識改革に取り組んでいる。(横浜)
〇 厳しい経営環境を踏まえ一日も早く事業収支の改善を図り、経営基盤を確立することにより、市民・利用者に市バス・地下鉄
の安定的な輸送サービスを行うため「平成15年3月」に「市営交通事業中期経営健全化計画」を策定し、職員一丸となって取組
を進めている。(名古屋)
〇 市バス・地下鉄のネットワークを維持し、将来にわたり市民の足を守り続けるために、新たな事業再生計画「京都市交通事業
ルネッサンスプラン」を策定し、平成15年4月から経営健全化のとりくみを着実に推進している。このプランの中で「経営体質の
強化」を図るために、給与等の3%以上の削減などによる人件費の抑制や、経費を、平成20年度には平成14年度比で約1割
削減するよう取り組んでいる。
また、「ルネッサンスプラン」の着実な実施に向け「ルネッサンスプラン」の理念、目的や具体的取組等の内容を周知し、職員
の意識改革を図る全員研修を実施している。(京都)
〇 平成9年度を初年度とした「経営健全化計画」において、収支均衡を図るべく、乗務員の勤務形態の変更による人員の削減と
再任用・非常勤職員の活用、整備業務の全面外注化、事務部門定数の見直しなど、人件費を中心とした経費の削減に努めて
きた。
この経営健全化計画を実効あるものとするため、平成8年度に事業管理者等が講師となり全乗務員対象の研修会の実施、
平成9年度には先進民営バスから講師を招き、「民営から見た公営交通」をテーマに乗務員の意識改革を目的として研修に取り
組んできた。
その後も毎年「企業意識、積極性、責任感、規律性について体質改善」を目的としたグループ研修や全体研修を実施してい
る。合わせて「平成16年11月の高槻市公営企業審議会答申の意味するもの」をテーマに、社会経済情勢の急激な変化の中
で、厳しい経営環境の下にある「市営バス」の今後の課題=より良いサービスの提供と企業として、補助金に頼らない自立した
経営基盤の確立を全乗務員の共通認識とすべく努めた所である。 (高槻)
〇 平成14年2月に策定した「経営改革計画」では、将来にわたって引き続き良質な公共交通サービスを安定的に提供するため
- 162 -
「安全で便利で快適な輸送サービスの実現」、「バリアフリー化・環境問題等への取組」、「経営基盤の強化」「活力ある組織づく
り」を経営理念とし、全員研修を通じて周知徹底を図っている。。(大阪)
〇 全職員に対する経営状況の研修、掲示板を通じての周知などにより意識改革を行っている。(伊丹)
〇 経営健全化を図るための計画を策定するにあたり、各課の職員が参画する会議体をつくって、経営健全化等について認識を
深めながら、今後の取り組むべき方向について検討を行っている。また、平成13年度から職員提案制度を設け、経営健全化に
資する取組への職員提案を募っている。 (尼崎)
〇 「神戸市交通事業の経営改革プラン《レボリューション2004》」を策定し、営業所の管理委託の1/2までの拡大、一部路線移
譲などのほか、特殊勤務手当、管理職手当の削減など人件費の抑制にも取り組んでいる。そのほか職員一人ひとりがコスト意
識をもつことが非常に重要であることから
① アイドリングストップ運動の実施
② 昼休みの消灯
③ 蛍光灯の間引き
④ 両面コピーの推進
⑤ ISO14001等によるエコオフィス活動の推進(省資源・省エネルギー・廃棄物の削減など)
などに取り組んでいる。(神戸)
〇 平成16年度より年度スローガンとそれに対する重点目標を掲げ、職員一人ひとりの意識改革に取り組んでいる。平成17年
度は「愛される乗りたい(鯛)市バスへ、イメージアップ」をスローガンとし、イメージアップ作戦の重点項目として、
①安全運転の徹底
②乗客サービスの向上
③定時運転の確立
④経営改善の推進
の4項目を設定し取り組んでいる。 (明石)
〇 平成16年度より労使が一体となり時間外経費の削減に取り組み、勤務編成や労働条件の見直しにより、対15年度比較で3
0%強の削減を達成した。(尾道)
〇 民間移譲を検討中(三原)
〇 組織の見直し、研修や局内広報誌を通じて、啓発あるいは情報提供に努めているが、まだまだ浸透は十分ではない。今後、
さらに機構改革を行い、より風通しのよい組織にするとともに、情報共有化、PDCAサイクルの徹底を図っていく。
また、信賞必罰を徹底し、意識の高い職員の分布を拡大していくことが必要と思われる。 (呉)
〇 ① 貸切乗務員の旅費の改正(泊手当の廃止)
② 事務所職員の制服の廃止
③ 毎週水曜日をノー残業デーの励行、
④ コピー用紙の裏面使用の励行 (岩国)
〇 労働条件の見直し、回送ルートの見直し。 (宇部)
〇 経営健全化6カ年計画(平成15年5月)策定による職員のコストへの認識 (松江)
〇 職員に対し、現在公営バスが置かれている厳しい状況等(経営改善計画の趣旨・概要等)の周知を様々な機会・手段で徹底
を行っている。 (徳島)
〇 乗務員の特殊勤務手当の全廃を実施 (鳴門)
〇 今後経営の安定化と組織のスリム化を目標に、将来の運営形態の変更も視野に入れ、柔軟に対応できる方策として嘱託化
を拡大することにより正規職員を大幅に削減し、人件費の抑制を行う。 (北九州)
〇 経営状況について職員研修を行っている。(佐賀)
〇 (「改善提案カード」の実施)職員個人・各所属・グループの経営への参加を通して経営改善を図る制度。個人又はグループで
改善できると思う内容を提案、その内容ごとに担当部署へ処理を振り分け、最終的に検討の状況を協議、実施の有無を決定。
(長崎)
〇 ① 予算、決算の内容について全職員に説明を行い、交通事業が厳しい状況にあることを認識させている。
- 163 -
② 経営審議会の審議状況など、事業の根幹に関わるようなことについては職員に対して、積極的に説明・公表している。
(佐世保)
〇 安全に関わる費用と乗客誘致に係る費用以外は、原則として前年度以下となるよう厳しく査定したうえでの予算編成としてお
り、予定にない項目の支出や予定を超える支出が発生する場合には、必ず財政所管課への事前説明と合議をさせるようにする
ことで、経費節減の意識を局内で共有するようにしている。 (熊本)
〇 「鹿児島市交通事業新・経営改善計画」において、人材を育成し組織力を強化することを基本方針としている。 (鹿児島)
- 164 -
問3.規制緩和後は、利用者サービスはもとよりのこと一層のコスト削減に向け、経営健全
化に取組み、効率化の推進を図られていることと思いますが、目標年次、効率化項目に
ついて記載して下さい。
(3)
経営健全化への取組
回答
(単位:千円)
局名
苫小牧
目標年次
経常収支
18
ー
効
率
化
項
目
①乗合バスの使用車両数の1/2相当を民営バス事業者に運行管理業務を
順次委託する。
②平成13年度当初在職職員の1/2相当を配置転換で削減する。
青森
17
5,420
八戸
21
赤字額4億円
仙台
19
△794,000
東京
18
△6億円
①
職員の削減
②
時間外勤務手当の削減
③
業務委託を含めた諸経費の節減
④
原則新車購入の凍結
①
営業規模の25%程度を民間移譲(17~19年度)
②
乗務員100名程度を市長部局へ配置転換(17から21年度)
①
乗務員の嘱託化
②
乗務員の嘱託化勤務条件の見直し
③
管理委託の実施
④
バス車両更新年数の延長
⑤
軌道系交通機関との役割分担
⑥
需給調整
⑦
競合路線の移譲
①
組織の効率化
②
管理の委託の拡大
③
自動車車両整備業務における業務執行体制の見直し
④
川崎
21
再任用・再雇用制度の活用
⑤
非常勤職員の活用(朝夕ラッシュ時間帯のバス運転業務など)
⑥
超過勤務時間の削減
⑦
給料表の抜本的な見直し
年度収支均
1.バス運行の改善
衡
(1) 一部路線の移譲
(2) 管理委託の実施
(3) 路線・ダイヤの見直し
2.給与水準の見直し
(1) 給料の見直し
(2) 諸手当の見直し
3.サービスの向上・増収策
(1) コンプライアンス(法令遵守)
(2) サービスの向上
(3) お客様の声の反映・職員提案制度の改善
- 165 -
横浜
19
一般会計任意
1
自立経営のための企業努力
補助金を受け
(1)総人件費抑制
ない営業損益
①給与カット
の均衡
②給料表の見直し
③特殊勤務手当の全廃
④早期退職の実施
(2)組織体制の変革
①営業所センター制の実施
②野庭営業所の1年前倒し廃止
(3)運営経費、物件費削減
①清掃費の見直し
②委託費の見直し
2
バスネットワークの整理、再編
(1)民間競合路線の一部移譲
(2)輸送効率化(路線廃止、増減便)
名古屋
17
100,000
1.企業内努力の推進
(1)
人件費の削減
①
職員数の削減
②
人件費単価の削減
③
新たな給与制度に向けての見直し
2.経費の節減
①
経費全般の見直し
3.運行の効率化
京都
21
21年度中に経
常収支の均衡
を図る
1.利用促進の取組
・
路線・ダイヤの改善など
2.附帯事業
・
オリジナルグッズの企画・販売など
3.経営体質の強化
・
「管理の受委託」の拡大や総人件費の抑制など
4.財政構造の強化
・
「生活支援路線」の確保方策など
5.意識改革
・
職員研修の充実と意識改革
6.市民とのパートナーシップ
・
「市政モニター制度の実施」
7.公共交通優先型の交通体系の形成
・TDM施策の推進
8.人と環境にやさしい公共交通
・
高槻
17
475468
バリアフリー化の推進
【計画】
1.乗務員の勤務形態の変更
2.非常勤職員の活用の拡大
3.路線再編による仕業減
4.事務部門定数見直し
- 166 -
5.夜間勤務手当の削減
6.整備業務の外注化
7.路線再編による車両数の減
【計画外】
1.乗務員定数率の見直しによる人員の削減
2.一般公募の非常勤職員の活用
3.退職給与金の繰延勘定への整理による費用の平準化
4.車両使用年数の延長による費用の削減
5.外部委託業務の全面見直しによる経費の節減
6.磁気カード対応型運賃箱更新による新たな企画乗車券の発売など、バス
利用促進・増収への取組
大阪
18
18年度の末で
1.整備業務の外注化
の単年度資
2.整備業務の効率化
金収支の均衡
3.コミュニティバス系バスの管理委託
4.庶務業務等の効率化
効率化人員(自動車運送事業専属):102人
伊丹
22
最終年度で累
積欠損金解消
1.乗客サービスの向上
PTPSの拡充、バス優先レーンの設定、ICカードシステムの導入
2.市バスの積極的なPR
市バスの利便性、経営状況などの情報発信
3.人件費の総枠抑制
4.整備体制の見直し
人材派遣の活用など
5.観光貸切事業からの撤退
平成17年度末
尼崎
18
経常収支の均
衡
1.他の事業体の活用
出資団体である尼崎交通事業振興㈱乗合バス事業の許可を得て、現行
路線一部を委託するとともに、段階的に委託路線の拡大を行う。
2.コスト削減による生産性の向上
神戸
18
18年度の単年
度収支均衡
①
運転基準の見直し
②
給与の適正化
③
事務事業の見直しによる事務職の減
④
車両仕様の見直し
等
(1)サービスの向上、乗客増対策の展開
・地域密着型バス路線の拡大
・ICカードの導入の検討
・交通需要マネージメント実証実験「エコモーション神戸」の実施
など
(2)資産の活用
・施設、資産の有効活用
・資産の売却、流動化
(3)効率的経営の展開
・管理委託の拡大(法等の限度である1/2までの管理委託の拡大)
須磨営業所統廃合後、さらに4営業所の管理委託を実施
平成17年度より、魚崎営業所、松原営業所
- 167 -
平成18年度より、落合営業所、西神営業所
・路線移譲の実施
西神地域の5路線
・特殊勤務手当の削減
・管理職手当の削減
・退職者不補充と嘱託化の推進
・その他、効率的な運行体制のさらなる推進
明石
21
70,629
姫路
21
収支改善対策
1.人件費の削減
前年度比で赤
・職員数の削減
字半減
・勤務基準見直し
・管理の受委託制度の導入
2.経費の節減
・競合路線の整理
・整備業務外注化
3.運行の効率化
・路線の見直し
4.事業規模見直し
・貸切バス事業廃止
・索道事業移管
尾道
21
ー
三原
ー
ー
呉
16
89,000
人件費の削減に向けた抜本的な経営改善
平成17年3月22日の合併後1年以内に民間移譲に対する結論を出す。
1.運行所用時分短縮による仕業数及び車両数削減
2.運行回数の見直しによる総走行キロを削減
3.より機動的かつスリムな組織作り(機構改革)
4.特別休暇等の休暇制度の見直し
国民の祝日、休日、休務日を通常の出勤日に変更
(1月1日~3日を除く、年間17日間)ほか
5.狭隘区間の添乗・誘導委託業務廃止
6.各種業務の徹底した見直しによる経費節減
7.運転者実乗務時間の延長
8.運転予備勤務の削減
9.調整手当の段階的削減
10.全職員の給料抑制
①企業管理者報酬5%カット
②全職員の給料カット(課長級以上5%、その他3%)
③嘱託報酬3%カット
11.管理職手当を10%カット
12.退職者不補充
13.職員数削減
①整備課職員の減員(出向等)
②ガイド職員の減員(出向等)
③嘱託職員削減
14.貸切業務のコスト削減
- 168 -
15.バス車両の更新サイクル延伸
岩国
21
収支均衡
1.人件費の抑制・削減
正規職員の会計間移動・退職者不補充と臨時職員の補充を行う。
2.減価償却費の抑制
バス車両の更新サイクル延伸
宇部
21
44,000
1.ダイヤの見直し
2.職員の不補充
松江
20
単年度収支均
1.「経営健全化6カ年計画」策定によるコストへの認識
①民営との路線・系統の調整
衡
②重複路線の見直し
③運行所用時分の短縮
④ノーマイカーデーの運賃半額割引の廃止
⑤特定路線の料金適正化
⑥バスカード1万円券の廃止
⑦アイドリングストップによる燃費の節減
⑧徹底した分別によるゴミ搬出料の削減
2.組織体制の見直し
①適正な職員数の確立
②管理職の削減と係の統廃合
③臨時乗務員の雇用形態の見直し
徳島
20
不良債務の解
1.サービスセンターへの機能の集中
消
2.人員の削減
3.運行の効率化による経費の節減
鳴門
16
単年度赤字の
1.貸切事業の見直し
削減
2.乗務員人件費等の見直し
3.路線統廃合による見直し
4.人員の削減
北九州
ー
ー
等
1.平成19年度までに正規職員を100人体制にする。
2.正規乗合運転者のほぼ半数を嘱託化する。(17年4月1日)
3.整備士の嘱託化、事務嘱託員の活用を進める。
佐賀
24
73,237
1.貸切バス事業からの撤退
2.車両数の削減
3.職員数の削減
4.平均11%の給与カット
5.業務の民間委託
長崎
19
274,000
(収支不足)
1.適切なコスト水準の達成による経費節減
(1)給料表の見直しによる適切な給与水準の達成
(2)退職手当制度の見直し
(3)組織及び人員配置の見直し
(4)業務の外部委託の推進
2.乗客サービスの向上と増収対策
(1)職員の意識改革と資質の向上
(2)GPSを活用したバス接近情報提供サービスの実施
- 169 -
(3)多様な運賃設定によるバス利用の促進
(4)営業販売活動の強化とバス利用促進活動の推進
(5)資産の有効活用による附帯事業収入の確保
3.採算路線の公的支援の確保及び路線の見直しの確保
地方交付税制度の拡充を踏まえ、公的支援なくしては維持できない路線に
ついて必要な支援を求め、支援が得られない場合には、路線そのものの見
直しも検討する。
佐世保
18~20
ー
策定中
熊本
24
累積欠損金
1.収入面
解消
(1)運賃改定
(2)資産の有効活用
(3)広告料収入
(4)企画カードの発売
(5)利用促進PR活動の実施
等
2.費用面
(1)職員数の削減
(2)バス路線及びダイヤの効率化
(3)バス車両留め置き制度の推進
(4)バス購入の見直し
(5)嘱託職員の雇用推進
(6)組織の見直し
(7)定期昇給の凍結
(8)ベアーの繰延
(9)週休制度の見直し 等
鹿児島
21
73,734
増収対策
1.路線及びダイヤを見直して営業を強化する。
2.多様なバスを運行する。
3.バス相互のネットワーク化を行う。
4.市電など、他の交通機関と連携、結節する。
5.地域との密着を図る。
6.貸切事業の営業を推進する。
7.バス接近表示システムを検討する。
8.パークアンドライドを検討する。
経費の節減
1.運行体制の効率化
2.運行経費の節減
3.人件費の縮減
- 170 -
問4.公営バス事業が存続する方策の一つとして、徹底したコスト削減と不採算路線の廃止
にあると考えられますが、不採算路線の廃止は上記Ⅰにあるように公営バス事業の役
割(意義)と矛盾する概念です(採算が低いからといってその都度運行本数を減らしたり
撤退していたのでは誰のための公営かを問われることになる)この点どのように考えます
すか。ご意見を記載して下さい。
(4)
不採算路線運行の考え方
回答
〇 生活交通路線の維持確保は行政の責務であり、公営、民営を問わず赤字路線に対する行政の係わりは必要である。
(苫小牧)
〇 利用者が極端に少ない路線等については、場合によっては他の公共交通機関による代替サービスを講じることも必要。
(青森)
〇 利用者の減少、自治体の財政の悪化、民営事業者との競争の激化により不採算路線の廃止はある程度はやむをえない。
(八戸)
〇 バスの役割は集約輸送であり、集約輸送の意味をなさないような需要しかない路線を、利用者でない市民の税金で賄いなが
ら維持すること自体は問題がある。不採算路線にはこのような路線も多かれ少なかれ含まれており、一概に不採算路線の廃止
を否定することは思慮に欠けている。 (仙台)
〇 最大限の経営効率化を図った上で一般会計から相応の補助を受けて不採算路線を維持し、利用者の利便性を確保すること
は許容されると考えている。その場合一般会計からの補助の程度や補助の在り方は、当該路線の赤字の程度、代替交通機関
の状況、利用者の要望等の事情を総合的に考慮して決定すべきである。 (東京)
〇 市の一般会計で負担すべきものと市バス事業が負担すべきものと役割分担を明確化する。(川崎)
〇 基本的には不採算路線であるから直ぐに廃止ということではなく、内部補助による維持、更なる運行効率化、地域 住民との
連携による利用促進等あらゆる経営努力を傾注して維持する必要がある。また、運行形態の変更(子会社化による運行または
民間委託、ジャンボタクシーの活用等)も視野に入れ、一般会計負担も検討したうえで、それでもなお維持が困難となる路線は
廃止すべきと考える。 (横浜)
〇 公共の福祉の観点から市民の足の確保が不可欠であり、生活路線を始とした不採算路線を維持しながら、市民の交通移動
手段にかかる利便性の維持向上を図り、安定したバスサービスを提供することが市営バス事業に求められる使命であると考え
ている。しかしながら、市民の足の確保という公共の福祉の観点から廃止できない路線を維持していくためには、企業としての経
済性を最大限に発揮することを前提に公費負担ルールの確立を図ることが必要であり、平成17年度から交通局と行政の責任
範囲を明確にし両者で市民の足を守る仕組みとして、新たな公費負担ルールを確立した。(Ⅰの問8回答参照)(名古屋)
〇 赤字であっても市民生活に欠かせない生活支援路線は市民の大切な足であり、何としても維持していく必要がある。そのため
生活支援路線のより効率的・効果的な確保策について、平成16年8月に設置した「京都のバス事業を考える会(協議会)」
で議論された生活支援路線確保のため具体策が提示され、この中で小型バス、乗合タクシーの代替モデル実証実験について
平成17年7月を目途に実施、その結果を検証していく予定である。 (京都)
〇 高齢化の急速な進展の中で交通不便地域は勿論のこと、一般路線においても高齢者等のモビリティ確保に向けた努力が必
要と考えている。
そのため一部路線に対し一般会計から「不採算路線運行補助金」の財政支援を受けているが、その他の赤字路線について
は「内部補助」の考えに基づき路線の維持や運行便数の確保につとめており、非常に厳しい経営環境であるが、経費節減など
の一層の企業努力により「市民の足」を確保すべく公営バスとしての役割を果たして行きたい。 (高槻)
〇 バス路線を「幹線系」「フィーダー系」「コミュニティ系」の3つのタイプ別に分類し、タイプ別に路線・サービスの設計と運営を行
っている。
- 171 -
このうち「コミュニティ系」のバスサービスについては、行政が路線・サービスの設計を行うとともに、その運行の維持に必要な
助成を交付するべきものとされており、平成16年度より創設された「コミュニティ系バス運営費補助」を受けて「コミュニティ系」路
線の運営を行っている。(大阪)
〇 内部補助により運行可能なところまでは当然走らせるべきである。それで賄えない不採算路線については市の交通施策とし
て考えるべきである。 (伊丹)
〇 公営バスとしての本来の目的である公共の福祉の増進といつた視点から、独立採算性を基本として、現有の資源(車両人員)
を最大限活用するなかで採算路線・不採算路線を効果的に組み合わせて市内の路線ネットワークを構築するなど市民の足を確
保するための運行サービスに努めている。
単に不採算路線を廃止するとなると市内の路線ネットワークが崩れ、新たな交通空白地帯が生じることになることや、 市内
全域の面的サービス水準の低下に繋がることになるため、公共の福祉の増進という基本理念を貫徹するためには、不採算路線
だけを理由に路線廃止を行うことは困難である。(尼崎)
〇 既存バス路線は市電時代からの路線であるなど歴史的経緯や、市内の乗客の動きなどを考慮して形成されているもので、現
在のところ現行の路線を維持していきたいと考えているが、乗客需要や乗客動向にあわせ運行本数を設定したり、路線変更・新
設を行うなど柔軟に対応していきたい。 (神戸)
〇 評価基準を明確にし、情報提供を行う等市民理解を得ながら廃止、減便、整理、移譲、委託など運行の効率化を図る。
(姫路)
〇 平成10~16年間での7年間の推移で、輸送人員が毎年4%強減少しており、その原因として不採算路線の廃止や減便(事
業規模の縮小)があるものと考えており、減便等が利便性の低下を招き、さらに利用者の逸走につながるという悪循環が繰り返
されているものと考えられる。
このような状況のまま、今後も推移した場合には、公営バス事業の本旨が達成できないばかりか、利用したくても利用できな
いバスになりかねず一定の歯止めが必要な時期がきているものと考える。 (尾道)
〇 生活路線を維持する必要があり、民間移譲について検討中である。 (三原)
〇 不採算路線の扱いについては公営企業として継続することが必要かどうかが問われる。民営への委託や80条、21条の選択
肢もある。いずれにして代替交通のない生活交通はコストを削減しながらも維持することが地方公営バス事業の基本である。
(呉)
〇 不採算路線については市民の生活の足としての役割がある以上、生活バス路線としての位置づけ、一般会計補助を条件に
維持していく。 (岩国)
〇 平成15年度に市長部局と補助金の見直しを行い、市の施策として運行する「政策路線」と交通局の営業路線として運行する
「一般路線」とに区別を行った。「政策路線」は市が政策的に運行する路線であるため、交通局が独自でその存廃について判断
するものではない。「一般路線」は収支状況が直接交通局の経営状況に関係することから極端に乗車人員の少ない路線につい
ては効率化をはからざるを得ない。平成17年度において公共交通の検討を行う委員会が立ち上げられ、公営、民営両者の公
共交通のあり方に対する方向性が決定されるものと考えられる。 (松江)
〇 採算のみを考えることは公共交通機関としての役割と矛盾し、安易な不採算路線の撤退を行うべきではない。維持するため
には行政等の関係各機関の協力が必要である。 (徳島)
〇 補助等がなくてもできるかぎり維持するべきだと思う。 (鳴門)
〇 不採算路線の維持は公営バス事業としては必要と考えるが、不採算路線をそのまま継続することにはならない。収支改善に
向けた取組を行うとともに、不採算路線のバランスのとれた運行が必要と考えられる。 (北九州)
〇 赤字の大きい不採算路線については、市長事務部局との調整で行政路線として位置づけを行い、運行にかかる不足費用に
ついて一般会計から補助、若しくは委託として費用補填をしてもらうことで運行を維持すべきと考えている。この場合、民間で運
行した場合の比較検討は行政で行うこととなる。
いずれにもしても、佐賀市の場合、路線密度は最低限のサービスまで削減しているため、現状の路線を確保していくことで進
めている。。 (佐賀)
〇 関係市町の路線維持の考え方と財政負担を踏まえながら、地域の実情に応じた路線の見直しを行うべきである。 (長崎)
〇 不採算路線であってもできるだけ路線の維持に努めていくが、公営企業として運営している以上、経済性の発揮を求められて
- 172 -
おり著しい不採算路線については、路線の廃止や減便等は止むを得ない。 (佐世保)
〇 同じ不採算路線でも、他社と競合しているか単独路線かで対応はおのずから違ってくる。競合路線の場合には利便性を損な
わないことを前提に撤退・移譲することを検討している。単独路線から撤退するということはまつたくバスが走らなくなるということ
なので、それがいわゆる生活路線であれば、不採算でも運行すべきであると考えている。ただ、その路線が生活路線であるか
は、慎重に判断しなければならないと思う。(熊本)
〇 公営交通事業者として不採算路線であるという理由のみで利用者のいる路線を廃止することは難しい。不採算路線について
は単に廃止するのではなく、重複する区間を持つ路線との効率化など面から路線の統合等による採算性の向上を図る必要が
ある。(鹿児島)
- 173 -
問5.不採算路線における行政支援(地方公共団体が当該路線へ独自の支援措置を行って
いる場合)の概要(補助基準)について記載して下さい。
(5)
不採算路線に対する行政支援
回答
〇
市町村単独補助路線
①地域協議会において維持することが必要と判断された路線
②補助基準=経常欠損金
(苫小牧)
〇
市町村合併に伴う新設路線の収支差損に対する補填 (青森)
〇 赤字路線(19路線のうち17路線)の営業収支の赤字額の1/2を限度額として予算の範囲内で補助を受けている。
(八戸)
〇
1日の運行便数20便以下かつ乗車密度15人以下の路線、または仙台駅を除く地下鉄、JR駅に結節する路線を対象
に、営業収支がマイナスとなっている場合、そのマイナス分に対して補助金を繰り入れてもらっている。ただし、限度額は1
0億円
〇
(仙台)
補助対象となる路線を限定し、その維持のために、市バスが公営バス事業者として行うサービス相当額について、市と
市バスの経費負担区分に基づく補助金として繰り入れる。 (川崎)
〇
行政路線のうち、前々年度子系統の営業係数が250以上の路線の運行赤字額全額を繰り入れ。ただし、該当路線であ
っても、繰入対象年度中に路線の廃止があった場合は繰入対象から除外する。(本支援については、平成18年度までの
措置)
〔行政路線の考え方〕
(1)公共施設関連路線
路線の運行目的が主として区役所や病院へのアクセスであり、運行時間帯や運行回数が窓口開設時間帯にあわ
せている路線
(2)都市基盤整備関連路線
港湾埋立地区やみなとみらい21地区など、横浜市の都市作りのために開発した地区などにおいて、工場や商業施
設誘致のため、バスの運行を確保しなければならない路線
〇
(1)
補助対象路線
(横浜)
需要が十分でなく経営改善を行ってもなお採算がとることが困難であるもかかわらず、市民の足
を確保するために維持すべき路線
①
対象路線の選定
②
補助金額
(2)
路線毎に償却前営業収支を算定し、赤字となる路線
不採算路線のうち生活路線:償却前営業収支差相当額
その他不採算路線
償却前営業収支差相当額
〇 生活路線支援補助金(一般会計)
もなお生じる赤字相当額を支援
〇
(名古屋)
民営並のコスト(京阪神の民営バス事業者の平均コストに基づき算定)で運営して
(京都)
昭和58年度以降山間部3路線と代替路線がないことや公共施設が配置されている等社会的に存続させることが必要あ
る平坦部3路線の計6路線で不採算路線運行補助金の交付を受けている。
補助基準は[当該路線の運賃収入(全線旅客実態調査に基づく各路線に収入配分を行う。)]-[当該路線の運行費用
(全線1㎞当たり運行費用×当該路線実車走行キロ)]=運行損失額)を計算しその全額を補助する。 (高槻)
〇 「コミュニティ系バス運営費補助」として、
①前々年度当初から継続して運行していること
②一定以上の利用があること(平均乗車密度)
③日常生活に必要な施設を複数連絡していること
などを要件に、人件費などを民営原価に置き換えた補助基準原価により算定した費用
般会計から繰り入れている。(大阪)
- 174 -
の収支差を補助額として、一
補助基準については、公営・民営の違いにかかわらず、同一のタイプのサービスには同一の助成が行われ、関係局や
学識経験者の意見等も参考に、地域住民の日常生活への定着やバスによる輸送サービスの必要性・適合性などの観点
から、
① 一定期間(2年間)の継続した運行であること
② 一定以上の利用があること(平均乗車密度)
③ 日常生活に必要な施設を複数連絡していること
などを要件として定めた「補助金交付要綱」に適合するコミュニテイ系バス路線となっている。
(参考)
平成16年度及び17年度
計64系統
(コミュニティ系(200円):38系統、赤バス(100円):26系統)(大阪)
〇 営業係数が125以上の路線については収支不足の2/3の補助を受けている。(伊丹)
〇
27路線のうち、公費負担を行うこととしている不採算な10路線については、営業収支における赤字相当額
を路線補
助金として一般会計から繰り入れている。(尼崎)
〇
公営交通事業者には、社会的・行政的要請から路線の維持・新設が要請される場合があ
り、そのような公共性から
「経営基盤支援補助金」として、財政運営への支援を受けている。特定路線に対する運営補助ではないが、繰入金額の積
算を行う際には不採算バス路線を算定の基礎としている。市バス全路線のうち代替交通がない等の路線を抽出し、営業費
用に対して、一定の減額補正率を乗じた上で算定した営業収支差を補助金相当額としている。
〇
(神戸)
前々年の路線収支(経常費用は京阪神ブロックの標準単価による)に基づく収支率の0.5~0.8の路線が対象とな
る。 当該路線の収支差(標準)合計の範囲内で市の財政担当課と協議の上決定している。(明石)
〇
向こう3年間の収支予測で見込まれる平均不足額の90%相当額を不採算路線の維持経費に対する営業費助成として
受け入れている。 (姫路)
〇
経営健全化対策補助金(不採算路線運行に伴う補助金)として、路線部分の不足財源全額の支援を受けている。
(尾道)
〇
不採算路線のための直接的な補助体系はない。平成17年度から合併した音戸町で運行している循環型路線1路線に
対して島内のコミュニティ的路線と位置づけ、直接運行欠損分を運行補助として繰り入れる。
〇
(呉)
市街地を除いた不採算路線については、生活バス路線として位置づけ、国・県補助を除いた赤字部分について一般会
計が助成。
(岩国)
〇
市の単独補助として生活交通の路線の補助基準による。(宇部)
〇
「政策路線」への運行補助……前年度収支不足額(松江)
〇 国の生活交通路線補助で補えない分について、一般会計からの補助を得ている。(佐賀)
〇
生活路線の内
①
平均乗車密度が5人以上の系統を含む路線…経費の2割を控除し、その収支の不足額を補助額とする。
②
平均乗車密度が全て5人未満の系統を含む路線…収支不足額の10割を補助額とする。
※
〇
補助は地元市町が独自の補助金交付要綱に基づいて上記基準により実施している。(長崎)
①
区間キロ2㎞以上
②
運行回数を1日3回以上必要とする
③
1回当たりの乗降者数が4人以上、
④
廃止対象のバス停から2㎞以内に他の代替路線もしくは代替輸送機関(タクシー除く)がない。
〇 生活路線維持費負担金として、赤字の3/4を限度に繰り入れる。
〇
不採算路線への行政支援はない。
(鹿児島)
- 175 -
(熊本)
(佐世保)
問6.走行環境改善のための行政支援についてどのような方法が有効だと考えますか。
(6)走行環境の改善
回答
〇
バスレーンの設置、バスロケーションシステムの設置、冬期における除雪対策、違法駐車排除の行政支援があると
有効
〇
(苫小牧)
①
積雪期における除排雪の徹底
②
バス優先レーン、専用レーンの拡充(青森)
〇 バリアフリー対策として、道路環境の整備や歩道の設置等、高齢者障害者の利用しやすい環境整備を行っている。
〇
〇
①
バス専用レーンの設置や都心部へのマイカーの流入規制が有効。
②
バス運行道路の拡幅、角切り等の道路整備の改善
①
違法駐車の排除、路上駐車等の解消のための荷さばき場の設置
②
定時制・速達性の向上を図るためのバス優先化対策(専用レーン、優先レーン)
③
〇
(仙台)
公共車両優先システム(PTPS)設置
①
(東京)
PTPSの整備
②
ターミナルの整備
③
違法駐車対策
(川崎)
〇 「横浜市違法駐車等の防止に関する条例」に基づき指定された重点地域7路線での違法駐車防止監視活動(
一部費用について一般会計補助繰り入れ)や、バス優先通行措置の拡大、交差点改良整備、バスベイの設置な どに
ついての交通管理者や道路管理者への要望、迷惑駐車追放キャンペーンの実施、違法駐車追放運動の広報などを
実施。(横浜)
〇
①
②
〇 ①
警察によるバスレーンの規制、バスレーンのカラー舗装化
違法駐車対策
(名古屋)
自転車等の駐車場の整備、利用促進
②
トランジットモールの実施
③
パークアンドライドの実施
④
観光シーズンにおける交通規制
(京都)
〇 都市計画道路の整備拡充により路線の新設や運行系統設定が可能となり、これを受けて面的に網羅する路線の新
たな運行系統の設定が可能となり利便性の向上やバス利用の掘り起こしを行ってきた。一部の国道を除いてほとんど
が片道1車であり、右左折レーンの確保が有効な手段となっている。
(高槻)
〇 常に市の関係部局や他の行政機関と連携し、必要に応じての要請が必要である。
(伊丹)
〇 ターミナル周辺の道路環境整備、公共車両専用レーンの設置、PTPS対応道路の拡大など。
(尼崎)
〇 バス専用レーン、優先レーンの設置の拡大や規制の強化、違法駐車の取締り、公共車両優先システム(PTPS)の
設置に向けた関係機関への働きかけや、停留所周辺における不法駐車車両の排除のため等にかかる経費に対して
、行政支援が有効である。
(神戸)
〇 市の調整機能に期待したい。また、県・国において走行環境支援策(継続的な補助施策)の整備が不可欠である。
(明石)
〇 道路改良、バス優先レーンの拡充、違法駐車等防止重点地域の設定
(姫路)
〇 ① 道路整備、道路幅の拡幅
② 交通渋滞の緩和
(尾道)
〇 都市計画と一体化した総合交通政策が必要である。駐車場・駐輪場、鉄道駅、歩道、宅地開発など、あるいは都市
計画の中で公共交通機関を組み入れた設計とし、機能的に融合する交通体系構築が達成されれば利便性が高く効
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率的である。
また、ヨーロッパのようなモデル通りを社会実験として整備するなどの取組を地方都市においても推進することが必
要である。
(呉)
〇 道路管理者による道路改良、バス停留所改良、PTPSの普及とPTPS車載器に対する助成。
(岩国)
〇 ①市内や各事業所の駐車場を限定することによりマイカーでの通勤者の削減を図る。
②道路工事の夜間作業による交通渋滞の見直し。
③専用優先レーンの拡大、専用信号の拡大。
〇 市中心部へのマイカー乗り入れ制限等
(宇部)
(松江)
〇 公共車両優先システム(PTPS)等の走行環境の改善が有効であり、効果の現れも顕著ではないかと考えられる。
(徳島)
〇 道路改善等(鳴門)
〇 必要なバスカットの設置
(北九州)
〇 道路の拡幅や都心への流入する車両数を出来るだけ少なくするような道路整備
(佐賀)
〇 道路渋滞を緩和し、円滑なバス運行ができる環境を整備することが不可欠
①
道路拡幅に伴う走行レーンの拡大
②
バス専用レーンの延長及び時間帯の拡大
③
主要交差点の立体交差化
④
右折帯やバスベイ確保などの道路改良
⑤
駐車取締まり
⑥
時差式信号などの信号調整
(長崎)
〇 道路改良(舗装、角地カーブのR化、バスベイの設置、バス停周辺の歩道改良など)、バス専用レーンの延長、不法
駐車の排除、幹線における右折禁止措置(渋滞する時間帯)の拡大
(佐世保)
〇 市内中心部にバス専用レーンが設けられてから、朝夕のラッシュ時における運転速度が上がっているので、必要に
応じて他の道路にも専用レーンを設置してもらうよう警察や自治体など関係機関に働きかけていくことが有効であると
考えている。
〇
(熊本)
①
PTPSの拡大、
②
狭隘路線の拡幅、
③
優先道路の拡充、
④
繁華街等における自家用車の規制、
⑤
バスターミナルの整備
(鹿児島)
- 177 -
問7.上記(問5.及び問6)以外の行政支援についてどのような方法が望ましいと考えま
すか。
(7)
行政支援の在り方
回答
〇 停留所における駐輪場の設置、パーク&ライドの整備等 (苫小牧)
〇 有料道路通行料の軽減措置 (青森)
〇 お客様の利便性を向上させるようなシステムを導入する際(例えばICカード)に導入コストを軽減するような独自行政支援
(仙台)
〇 自治体から要請があった場合、乗車料収入と運行経費の差額にかかる支援(補助)について個別に交渉している。 (東京)
〇 ① 交通政策上における公営バス事業の役割の明確化
② 経営体制確立のために必要な人事給与システム(市長部局との人事交流や人事委員会勧告も含む)等のバス事業の状
況に即したシステムの実現 (川崎)
〇 路線の意義や経済性など総合的な観点から見直しを行い、市民生活に必要不可欠な路線については、市としての責任を明
確化したうえで、その路線の維持についての支援を行う。(横浜)
〇 交通渋滞の慢性化、交通事故の増大、地球温暖化など自動車交通の増加に起因する諸問題に対処するために公共交通利
用促進が必要であり、名古屋市では「なごや交通戦略」のもと、公共交通と自動車の割合を「3対7」から「4対6」とすることをめざ
し、エコポイントTDMなどを内容とするつかいたくなる公共交通の実現、環境にやさしいライフスタイルの普及などに取り組むこと
としている。
(名古屋)
〇 ① 市の観光施設とタイアップして入場券の割引などを実施
② バス専用レーンのカラー化 (京都)
〇 商業、観光施設、市民生活をめぐる様々な課題(急速な少子・高齢化の進展、地球環境への配慮、交通バリアフリーへの対
応、中心市街地活性化など)に即応する、市営バスを中心とした「都市づくり」への支援を望んでいる。 (高槻)
〇 27路線のうち、公共負担を行うこととしている不採算な10路線については、営業収支における赤字相当額を路線補助金とし
て一般会計から繰り入れている。 (尼崎)
〇 市営バス無料乗車証(高齢者)など、市営バス事業の利用促進につながるような各種福祉施策の維持継続。 (尼崎)
〇 今後、高齢者や障害者の身近な移動手段としてのバス事業の役割はますます大きくなり、公共施設などへのアクセスや生活
路線としての役割を求める要請は大きくなることが予想される。そうした要請に応え、人と環境にやさしいバスを運営していくため
に必要な経費(バス購入や環境対策及びバス周辺設備の整備)に対する補助のさらなる拡充や、公共交通優先のまちづくり
(マイカーからバス・地下鉄への転換)に対する取り組みを行政として積極的に推進し、一定の財政措置をしていくことが望まし
い。
(神戸)
〇 移動円滑化補助、環境対策補助の継続的かつ連続性を期待したい。 (明石)
〇 総合的な交通体系におけるバス交通の位置付けやバス交通への利用転換方策の検討 (姫路)
〇 一方通行や大型車両の通行制限(バス以外)の強化を行政的に推進してほしい。 (尾道)
〇 民間バスでも運行出来ない路線については市が直接運行する必要がある。 (三原)
〇 行政活動の中へ公営バス事業の組み入れ方をより一体的にする。例えば、市長部局の中に窓口的な部署を設け連携を密に
し、市の広報活動や観光・福祉行政の中に公営交通の位置づけを盛り込むことで、広報強化、効率化等につながるのではない
か。 (呉)
〇 高齢化社会の進展と地球温暖化問題に代表される環境問題に対応するため、政府はマイカー規制とバス利用促進に本格的
に取り組む必要がある。 例えば、ガソリンに環境税をかけて、マイカー利用を抑制するとともに、その財源で生活バス路線の利
便性の向上と維持費に充てるなど。 (岩国)
〇 少子化が進む中でバスの乗り方が分からない子供が増えており、小さいうちから乗り物になれる意味で行政で小学生キップ
- 178 -
を発行してはどうか、小学生がバスに乗れることにより車社会から公共交通機関への切り替えを図りたい。 (宇部)
〇 ① マイカーの自粛、公共交通機関利用の広報強化
② バス、JR、路面電車などの交通結節点における総合的なターミナルの整備
(長崎)
〇 バス専用レーンへの違法な乗り入れ、右折禁止の交差点での右折待ちなどに対する、警察による定期的な取り締まりが必要
である。
(熊本)
〇 公共交通機関利用のPRを行うなどバス離れ対策の実施(鹿児島)
- 179 -
問8.以上の他、公営バス事業が取り組むべき課題として、どのようなものがあるか記載
して下さい。
(8)
その他
回答
〇 バスを減便すると乗客が減少しバス離れが生じてくることから、ダイヤ編成作業時には、利便性のよい路線を視野に入れ
増便又は路線を統廃合した路線の新設などを行っている。
基本的には利用者ニーズに応えた路線を作成することにあり、これに伴って最終的には乗客増加に繋がってくると思われ
る。 (苫小牧)
〇 赤字路線の地域住民にバス事業の現状をもっと認識してもらい町内や地域として必要な運行本数、運賃を含めて受益者
負担のあり方を協議していく機会を設ける必要がある。 (八戸)
〇 事業区域が市域に限られているため、路線の設置に制約があったり、事業規模が小さくなることでの経営の効率性に課題
がある。 (川崎)
〇 ① 低床バスの導入などバリアフリー施策や低公害バスの導入などの環境対策のほか、コンベンション都市・横浜の魅
力を一層高め、集客や観光振興に寄与する新型バスによるきめ細かなバス路線網の構築など、民営バス事業者では
実施しづらい先駆的な取り組みに力を入れていく必要がある。
② 災害時への対策など市民生活の安全を守る取り組みについても力を入れる必要がある。
(横浜)
〇 公営バスの意義と役割を踏まえ、市民感覚に立ったより魅力的なサービスの研究や人件費を中心とした経費削減の企業
努力により、高槻市の都市づくりに貢献することが課題だと考えている。 (高槻)
〇 バス事業は労働集約型産業であることから、費用の大半を人件費が占めているが、その中で「管理委託」はコスト削減
の一環として有効な手段と考えている。安定したバスサービスを提供するために、経営基盤の確立は急務であり、今後
、1/2まで管理委託を実施する予定であるが、乗車人員の減少に歯止めがかからない状況から、更なるコスト削減の
方策を検討する必要がある。(大阪)
〇 公営バス事業は公営企業としての採算性の追求と同時に、福祉・まちづくりとの連携、環境に配慮した取り組み、安全対策
など、公共交通機関の中での先導的な役割、都市のモビリティを確保するための役割等積極的に担っていく必要があり、民
営事業者や市民等との協働のなかで、市内の総合交通ネットワークの中心的な役割を果たしていくべきである。 (神戸)
〇 路線委託や路線譲渡の手法を含めた経営手法を蓄積し、提供する。 (明石)
〇 安全運行とともに運賃の低廉化は、利用者サービスの最たるものであり、現在の割高感を解消すべく経営努力をすべき。
(尾道)
〇 公営バス事業は、その地域によって生い立ちが違い民営との輸送受持ち割合も異なるので、将来的な方向性は一つでは
ないと思われる。
しかし、福祉・環境面から見て、今後の公共交通機関の需要性を認識し、先駆的な事業も検討するなど将来の布石を打つ
ておくことが必要と思われる。(呉)
〇
① 乗務員及び係員に救命救急の資格を取得させたい。
② 接客業都市のレベルアップに努めたい。
③ オムニバスの整備に取り組みたい。
④ 車両の見直し、(最近バリアフリー対応で座席の数が少ないため、立席を余儀なくされ車内事故の原因にもなってい.
る。) (宇部)
〇 国 、地方自治体の行政改革が進む中、補助金の削減が大きくなっている。しかし、一方では、高齢化社会等の進展で地
域の公営交通の確保は確実に必要度を増すものと思われる。公営交通も現状の経営ではいずれ廃止の選択が迫ることもあ
りうる。地域交通確保の観点から国に対し法、補助金整備の要請が必要。 (佐賀)
〇 利用者サービス向上や自治体との連携により増客を図るとともに経費の更なる削減を行う。 (長崎)
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〇 ① 遊休資産の有効活用、
② 営業活動の強化、
③ 職員の企業意識の徹底と接遇マナー向上、
④ 事故ゼロを目指した安全運行の取り組み、
⑤ 環境に配慮した事業活動の実践 (佐世保)
〇 都市機能のひとつとしてのバスの必要性・優位性を広く市民に知らしめ、利用を促す呼びかけを行うことなども重要であ
る。(熊本)
〇 安全、親切な運行などにより利用者に信頼される事業者であること。(鹿児島)
- 181 -
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