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釧路総合振興局の地域づくり総合交付金を 活用し、観光施設

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釧路総合振興局の地域づくり総合交付金を 活用し、観光施設
釧路 IT クラスター推進協会では、釧路総合振興局の地域づくり総合交付金を
活用し、観光施設等での情報発信環境の検討および評価について事業を実施し
ましたので、その概要についてホームページを通じてお知らせいたします。
近年、スマートフォン等の所有者は増えており、釧路地域の観光施設が Wi-Fi
環境を提供し、適時、利用者に必要な情報を発信することで、利用者の利便性
向上につながることが予想されることから、その環境等について検討を行い、
提案を行うことを目的として実施いたしました。
特に、公共観光施設である釧路市動物園では、キリン、ライオン等の新たな
動物が入ったことで、利用者に対し、最新の情報を発信する機会が増えている
と思われます。しかしながら、Wi-Fi 環境が提供されていないことから、その環
境提供を行う際の検討および評価を実施いたしました。また、位置情報から様々
なサービス提供を行うことが行われておりますが、今回、Wi-Fi 環境が提供され
たことを想定し、位置情報からブラウザーを介して情報を得ることを検証する
ためのコンテンツを作成し、評価を行いました。
1.観光施設における Wi-Fi 通信環境の検討
日本では、3G や LTE の普及が進んでいることもあり、利用されるシーンで
は、あまり無料の Wi-Fi 環境は必要ないこともあり、普及は遅れていました。
しかしながら、外国人観光客は当然ながら、日本人観光客に対しても無料の
Wi-Fi 環境を提供することで、Wi-Fi 環境を通じてより効果的なサービスを提供
することが出来ます。
今般、釧路地域の中で、来園者数が増加傾向にある釧路市動物園にフォーカ
スし、釧路工業高等専門学校の協力を得て、園内の通信環境について検討を行
いました。
今回の評価は、観覧車(上記地図の●印)の
中心に設置してあるスペースに長距離型の無線
LAN(ARUBA MSR2000 システムを使用)のアン
テナを設置し、動物園の主要なポイントにおい
て、どれだけ通信が可能化の評価を実施しました。
ステージ付近(●印)からトナカイ、類人猿舎付近(●印)にかけて通信距
離が長くなり,通信の受信電力値が低下している様子が評価結果からわかりま
す。また、これに対応してスループットも低下しています。(スループットは
PING(8100byte 10 回)の往復時間の平均値とパケットロスの割合を考慮して
計算しました) トナカイ付近では通信が出来ていますが、類人猿舎付近(●
印)アンテナの位置も数 m 程度の差でありますが,トナカイの方は建物に遮ら
れており,受信性能が低下しています。 また,観覧車周辺の地点から近いポ
イント(キリン舎付近(●印)、猛獣舎付近(●印)、こども動物園付近)では
どの地点においても良好な通信性能であることも確認できました。
この結果から,スループットは広い領域において 10Mbps 以上の伝送速度で
通信可能であることが確認できました。
遊歩道(●印付近)、ハクチョウ池付近(●印)など遠距離の地点においても
実験を行ったが、これらの地点はいずれもアンテナ間の見通しが無く(樹木や
建物,地形による遮蔽)、通信不能でした。
結論
今回の検討および評価で、観覧車の中心に設置しているスペースにアンテナ
を設置することで、園内の広い領域への見通しが確保でき、良好な通信特性を
もつネットワーク構築の為に重要な拠点であることを確認しました。また今回
通信が不可能であった場所を考慮してネットワークを構築する場合は中継地点
を適切に設定する必要があります。エゾヒグマ舎付近の地点は良好な特性を示
し、遊歩道やハクチョウ池の地点への見通しがあり,適切な中継地点の候補と
しても期待できます.
今後は適切な中継地点を選択するための通信実験,メッシュネットワークの
構築実験を行っていく予定です。
また、本評価により、屋外観光施設に無線 LAN を構築した Wi-Fi 環境の提案
を行う際の基礎データを取得することができました。
2.検証用コンテンツの検討
観光施設、特に屋外施設を行動する際に、施設情報が必要となる。ほとんど
の施設ではガイドマップや案内板が設置されています。しかしながら、情報が
古かったり、自分のいる場所が分からなかったり等の課題がでています。
今回、スマートフォン等のスマートデバイスと GPS から位置情報を使用し、
自分がいる位置情報から登録されている一番近い位置情報を推定し、その登録
されている情報より通信環境(今回は 3G を使用)を用い、画面に表示されるコン
テンツ作成を検討、試作いたしました。
釧路市動物園を評価場所に選定し、●印の位置情報を測定し、基準点登録を
行いました。その後、スマートデバイス端末において、試作開発を行ったコン
テンツにおいて、位置情報を測位し、その情報から得られる情報の表示結果を
評価しました。
試作コンテンツのトップ画面を右図に記します。
青色で表示されている箇所をタップすることで
位置情報が取得され、その情報を通信回線を介し
て、サーバーに送られます。サーバー側では送られ
てきた位置情報から登録されている位置情報の内
一番近いものを選び、その情報をスマートデバイ
ス端末に送るものとなっており、その例を下に記します。
左から、ホッキョククマ舎付近で取得した位置情報より表示された画面、ク
マタカ舎付近で取得した位置情報より表示された画面、オタリア舎付近で取得
した位置情報より表示された画面となっています。
●印付近の全ポイントにおいて同様の評価を行ったところ、GPS 誤差も少な
いことから、ほぼ期待通りの情報が画面に表示されることを確認しました。
基準となる位置情報を隣接する基準位置情報を考慮しながら作成することで、
より精度が高まるものと考えます。
本コンテンツでは画像表示のみとしたが、自位置付近で最新情報や必要とさ
れる情報等を入手することができ、また、サービス提供側も必要に応じて情報
を送ることが出来ることから、いろいろな使い方があり、幅広く屋外の観光施
設に利用出来るもの思われます。
また、専用アプリケーションではなく、ブラウザーでの提供を検討したこと
により、Android OS や iOS 等の OS に依存なく動作するので、今後も OS 依存
しないものを検討していきたいと考えております。
3.情報提供活動
①釧路地場工業展示会に出展を行い、釧路 IT クラスター推進協会の活動につ
いてポスター展示を行い、情報提供を行いました。
展示では、タブレットを用いたクイズを実施し、併せて、前述したコンテ
ンツや取組等について、ブース来場者に説明を行いました。
【会場の様子】
【展示ブース】
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