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不動産事業部門
事業概況 事業戦略の要約 不動産事業部門 • 不動産のバリューチェーンを活かした事業の拡大 • 安定収益基盤の拡大によるバランスの取れた成長の実現 • アセットマネジメント業務強化によるフィービジネスの拡大ならびに 外部投資家との共同投資の推進 セグメント業績の推移 億円 事業環境 2009/3 2010/3 2011/3 マンション市場は、首都圏、近畿圏ともに契約率が、好不調の セグメント収益 3,030 2,150 2,176 目安となる 70 %を上回るなど回復基調にありますが、東日本 セグメント利益 592 1 1 大震災による消費者心理の悪化など、足許では不安要素も見ら セグメント資産 18,337 16,774 15,398 1.9 0.0 0.0 ROA (%) れます。 オフィスビル市場は、新規供給の影響により、空室率は上昇 し、賃料も下落傾向にあります。本震災の影響もあり、市場が底 入れする時期を予想するのは困難な状況です。 2011 年 3 月期の業績 不動産ファイナンス市場は、2008 年 9 月のリーマン・ショック セグメント収益は、マンション引き渡し戸数の増加による不動 を契機とする世界的な景気後退の影響で投資家のリスク許容度 産販売収入の増加、リーシング強化によるオペレーティング・リー が低下し、不動産取引が大きく減少した結果、マーケット規模は ス収益の増加等があったものの、不動産ファイナンス事業におけ 縮小しましたが、金融機関の融資姿勢は改善されつつあります。 る営業貸付金および投資有価証券(特定社債を含む)の平均残高 減少による収益の減少および2010 年 3 月期(前期)に大型ビルの 事業戦略 売却益を計上したことなどから、前期の 215,001 百万円に比べて 当事業部門は「中小規模不動産への分散投資」 「キャッシュ・ 横ばいの 217,590 百万円になりました。 フロー重視」 「事業パートナーとのジョイントベンチャーによる セグメント費用は、長期性資産の評価損が増加したものの、貸 リスクシェア」 といった金融事業で培われた専門性を活かし、事業 倒引当金繰入額や支払利息、販売費および一般管理費等が減少 リスクを抑制・軽減しながら不動産市場が低迷するなかでも着実 したため、前期に比べてほぼ横ばいでした。 に安定収益源を確保していきます。 セグメント利益は、前期の 138 百万円から 54 百万円になり 当事業部門の強みは開発、リーシング、アセットマネジメント、 ました。 プロパティマネジメント、ファイナンスなどの不動産バリュー セグメント資産は、営業貸付金、投資有価証券(特定社債を チェーン機能とオリックスの顧客基盤にあります。不動産に関わ 含 む )お よ び 賃 貸 不 動 産 の 減 少 により、前 期 末 比 8 % 減 の る専門性の幅を活かし、さらに広げながら、保有資産の価値向上 1,539,814 百万円になりました。 とともに、新たな価値の提供を推進していきます。外部投資家と の共同投資スキームのように、バリューチェーンを総動員して取 り組んでいきます。また、運営事業のような不動産市況に晒され ない分野へのさらなる取り組みによって、規模のコントロールと ともに安定的な収益基盤を早期に確立し、バランスの取れた成 長の実現を目指します。 36 賃貸不動産の開発・賃貸事業については、小口分散というポー トフォリオ上の特色と高いリーシング力を活かし、稼働率や利回 りの向上に努めます。また、不動産の売買はいまだ本格的な回 復には至っていないものの、海外投資家への売却など多様な出 口戦略を模索し、資産の回転を促進します。 マンション分譲事業は、他社に先駆けて 2007 年後半から供給 を抑制してきましたが、顧客の購入意欲回復に伴いマーケティン グを慎重に行いながら、顧客のニーズが高い価格帯を中心に供 給していきます。 運営事業では、顧客のニーズが多様化し、顧客層が高齢化す るマーケットにおいて、オリックスにしかできないビジネスを展開 することで地位を確立していきます。旅館やゴルフ場、水族館 2012 年 4 月にオープンする「オリックス劇場」 旧大阪厚生年金会館大ホールをリノベーションし、大阪文化発信の拠点として運営予定 等、各運営施設においては、ターゲットとコンセプトを明確化す ることで、集客の多様化と収益力の向上を実践していきます。 アセットマネジメント事業では、グループの資産の受託だけで はなく外部の運用委託ニーズにも対応しながら、手数料ビジネ スの拡大を図る方針です。 不動産ファイナンス事業については、引き続き個別の案件に 丁寧に対応します。個別の取引条件や裏付資産の状況をモニタ リングし、回収の極大化のために能動的に対応して資産を圧縮し ていきます。 また、大阪北ヤードに代表される大型プロジェクトも推進し、 新たな価値創造を図ります。 再生事業として 2002 年に取得し、順調な運営が続く別府温泉「杉乃井ホテル」 グループのノウハウを結集して、環境配慮型施設を開発∼クロスガーデン川崎∼ オリックス不動産が手がける環境配慮型の複 金融サービス事業部門のエコ・プロジェクト推進 合商業施設「クロスガーデン川崎」 (神奈川県川 部と協議しながら進め、グループ内の専門部署 崎市)が、2011 年 3 月にオープンしました。食品 が持つノウハウを活用できました。 スーパーマーケット、家電量販店、医療モールな 東日本大震災後、川崎市も計画停電の対象エ ど 17 の専門店が入り、オリックス自動車が運営 リアとなりましたが、風力発電機で蓄えていた電 する「オリックスカーシェア」のステーションも併 力のおかげで、夜間でも施設周辺の街灯が点灯 設されています。また、太陽光パネルや風力発 し、周辺住民の方々に安心していただくことがで 電機付き街灯など省エネ効果を考慮した施設づ きました。 くりとなっており、 「川崎市建築物環境配慮制度 オリックス不動産は、これからもオリックスグ 」で A ランクの評価を取得してい (CASBEE 川崎) ループのノウハウを活用しながら、お客様や地 ます。太陽光パネルの導入にあたっては、法人 域の方々に愛される施設を開発していきます。 「クロスガーデン川崎」 37